For you blue...Rou

 

 

- 2004年09月30日(木)

頭痛がおさまらなかった

全てのうとましさから解放されたというのに

僕に向けられた喝采や賛辞が
僕のまだ残っているどこかの部分を刺激する

一杯の酒すら口にできなかった

時計が左回りに動き出した

誰かがケラケラと笑った

それから

何人もの人が一斉にケラケラ笑い出した

僕もうまく笑えているかい?



...

サヨウナラ、そしてハジメマシテ - 2004年09月16日(木)

ほんとはあなたのことを
前から知っていたんだ

もうそろそろ私は
あなたの前から姿を消すけれど
私はあなたのもうひとつの場所を
知っているから

大学通りの銀杏が色付く頃
あなたが詠う場所で会いましょう




...

- 2004年09月15日(水)


出会った頃君は
医者に処方された薬を
ほんとは何でもないのにね、
と言いながら飲んでいた

君は相変わらず
ハードな仕事をこなし
それでも
夜更けまで酒を煽っていた

そんな君は今

僕の家で
ただのんびりと過ごしている
仕事も辞めて
たまにパンを作ったり
狭いベランダに
植木鉢と土を持ち込んで
野菜を植えたりと

そんな暮らしの中で
君の頬はふっくらし
前よりずっと笑うようになった

あなたのおかげね、
と君は言う

こんな風に生きてみたかったのよ



僕はその度に胸がつまるような思いをする

僕の正体を知らない君

僕の足は重くなる
だがやめるわけにはいかない

君の意識が完全に葬られるまで

僕は
















...

夜明け - 2004年09月13日(月)

夜明けを待っていたのは君

僕はどうにか君を目覚めさせないように
音もたてずに静かに暮らしたんだ

笑わなくてもいい
思いが伝わらなくてもいい

どうかそのまま僕のそばで


夜明けを恐れていたのは僕

君は急速に深い眠りから覚めていく
白い瞼がかすかに動く

触れられなくてもいい
僕の声が聞こえなくてもいい

どうかそのまま僕のそばで





...

日曜日の朝 - 2004年09月12日(日)

パジャマのまま彼を送り出した

朝食の食器を洗う
ガスコンロの手入れをする
やかんを磨く

ベッドリネンを洗濯機につっこみ
ぐるぐる回す
9時だというのに強くなってきた日差しの中に
手際よく干していく

目につくものを洗濯機に放り込み
洗濯機をぐるぐる回す
2回目

これからお昼までには部屋をピカピカにして
午後からは

チャンドラーとゴードンズ・ジンを持って
バスルームで過ごそう

それから

それから
メニューを考え
買い物に行き
電子ピアノの自動演奏を聞きながら
キッチンに立つ

彼が帰ってくるのは

ワインを冷やしてから1時間後





...



 

 

 

 

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