日記癖・全
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1989年01月31日(火) 「ダイジョウブの二十世紀書店」

物凄くリアルな夢 教祖的芸術家の前でオーディションを受けるディスコの群集の一人になっている ミラーボール型の探査機械が天井を自在に動き電子銃の光を放つ その三点の光をことごとく眼に 夢だというのにあざやかな緑と橙と赤の光線! 感じて教祖のお眼鏡に適ったことを知る 彼との質疑応答 目が覚めた 長岡天子今年二度目の登場 軽い会釈 TVの浅間山荘や安田講堂はカラーだったか考える今日の読書の影響大
 『私の二十世紀書店』 長田弘 刺激的な本だった


20010721


1989年01月30日(月) 無題

杉浦日向子嬢電撃離婚とか 複雑な心境 めげずに頑張っていただきたい 最後の共通一次試験でどたばた喜劇 平均点が著しく低い事が判明した物理と生物に一律加点する措置に混乱非難の声 その中に生きる人々を幸福にしなシステムを強固にしていくためだけのシステムは打破されなければいけないが そのシステムが管理者の手を離れ勝手気侭に振る舞って それでもシステムは生き続ける不思議な状態 日本の現状の縮図か


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1989年01月29日(日) 無題

昨夜Y嬢と長電話 嬢が行ったR・ワトソンと中沢新一の講演会の話を聞く ワ氏はイルカの知恵について話され中沢氏はチベットのラマ僧の教えを話したのだと ラマ僧によればこの世あの世の霊魂の数は一定しているのだと 氏の本で読んだような気もするが 田原が長らく漠然と考えていたのと一致する 否定できない事実も証明できないと科学的じゃないということになってしまうんだ 優しくない科学の支配するこの世界じゃ


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1989年01月28日(土) 「大丈夫の歴史 近代国家の出発」

高校時代日本史の成績はそう悪いほうではなかったが 明治以降の日本の歴史にはどうもわからないところがあった その理由が今日の読書でわかった 明治の政治家も一般国民も自分たちが何をしているか結局わかってなかったのだ そんな歴史を後世の人間が真に理解することなどできるはずがない 平成とかの世の人が自分の時代を正確にわかっているかというとそんな事は決してない 明治の混沌がより複雑に我々を取り巻く
 『日本の歴史 21 近代国家の出発』 色川大吉


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1989年01月26日(木) 無題

ダリやピカソが日本国から出てこない要因の一つはこの国の学校教育にある ダリの死を報じた同じ紙面に学校側の坊主刈り強要を拒否する中学生の記事 朝日の「論壇」に投書した子供だ 世間の反響は彼に同調的らしい その子が通う中学校の教師連が情けない 「早く卒業してくれるのをただ待つのみ」 この国は世界初の小市民国家だ その未来は誰にもわからないが うまくいったとしてもそれは学校教育の恩恵では決してない


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1989年01月25日(水) 「戊辰大丈夫」

『日本少年』どころではない 一昨日スペインの芸術家サルバトール・ダリ死去 今日朝日毎日両紙のコラムが共にその死を題材にしていた 田原はヒチコック『白い恐怖』でのダリの製作協力を思い出した 精神分析をうけるグレゴリー・ペック いまや貧乏国のスペインが今世紀 ピカソ・ダリ 天才を二人も生んだことを日本人は考えてみるべきだ 金だけあってもしょうがない ねえ原田経企庁長官 天の人と地を這う虫けら群
 『戊辰物語』 東京日日新聞社会部編


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1989年01月24日(火) 「大丈夫少年」

今日はやはり「ジパングボーイ」について書かねばなるまい あがた森魚の『日本少年』を十三年ぶりに買って聞いた 鈴木翁二の絵によるLPジャケットがCDサイズになって魅力半減だけど中身の音楽は色褪せない 感激した 現代文明とそのテクノロジーを信用していない田原だけど 音楽のCD化には万歳を叫ぶしかない(あと日本語ワープロの出現にも) 十三年前聞こえてこなかった音まで耳にすることができるこの喜び
 『日本少年』 あがた森魚 落ち着いてライナーを見ると当時 高校二年生の田原君 はそれと知らない立派なメンバーが参加していたことに驚く プロデューサーの細野晴臣を筆頭にムーンライダース・矢野顕子 コーラスで大貫妙子・山下達郎 田原のその後の十年間(そしてこれからも)の音楽遍歴の基調はここに決定されたというわけだ 今や同名異雑誌になった雑誌「宝島」の広告を見て予約して付録の地図を貰ったのを覚えている S藤H子さんとそれをいっしょに眺めた ライナーによるとLP版の発売は1976
年1月25日とのこと なんとその前日にそれを入手する因縁 すごい音楽をそれとは知らず聞いていたんだな ちなみにLP版は高校のクラスメイトのF島さんに売った 彼女もおそらく名字なんか変わったことだろう 「洋蔵爺の愛犬は良く睡る。睡る事が生きて居る人への饗だから。/北の磯辺に生きる事が全てだとしたら、七つの海溝を巡る事は何だらう。船乗りに成れ無くて詩人になつた男が、ペン軸に託した夢なんて何だつたんだろう。人生の皺だ。豆の皺だ。/海に蹴散らした波路何ぞを、丸で武勇伝の如く語る意味すら識ら無い月の輪人よ、御前等の生き様を愛そう。/ペン軸で地球を制覇したと信じる皺人何ぞを信じまい 人も獣も愛を放つ刻は哀しひだろう。哀ければ」


1989年01月23日(月) 無題

あっぱれ何も書くことがない 凡人田原にはごくごく平凡な日 天皇が死んで夜のラジオニューズを聞く必要もなくなったので世間のことにますます疎くなる 自分では自分なりに道を極めているつもりが他人の目で見れば変人でしかない ましょうがないなプーだから 大相撲は決定戦となり北勝海が優勝 この相撲取りはどこがどう強いのか素人にはわかりにくい 人気の寺尾勝ち越し 来場所は兄逆鉾と兄弟で東西の関脇を張るか


20010710


1989年01月22日(日) 無題

「腹減った」目覚めてすぐの感慨 林檎・フランスパン キャベツとウィンナーソーセージの炒め物で 御飯 中村軒の麦代餅と串団子 牛肉と小玉葱(正式名を知らない)のシチューで御飯 豪勢な料理とは呼べないが極貧の生活とも言えない 昨日買った雑誌「アニマ」を見てアフリカに行きたいとまたぞろ思いだす ケニア 大相撲は全勝北勝海を一差で旭富士が追う形 天皇死去で一日伸びたから明日が千秋楽 千代富さんに翳り


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1989年01月21日(土) 「ダイジョウブァルト・大丈夫という事」

ブッシュ氏アメリカ合衆国第四十一代大統領に就任 前途多難なことでしょう 晩御飯も食べずにY嬢と長電話 一時は電話代が生活費を脅かしていると思い込んでいたがお金を無意義に使うことの意義に気づいた 徒然草第六十段の盛親僧都みたいに貧しいころ多額の金が転がりこんでも芋頭ばかり食って使ってしまうような 小市民の小市民たるゆえんは 小金に対する執着の強さによるものだろうから ああ金持ちになろう
 『モオツァルト・無常という事』 小林秀雄


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1989年01月20日(金) 無題

傘を持ち歩くのが嫌さに雨の中手ぶらで出掛けて調子が悪い 頭がぼうとし熱があるみたい 世の中いろいろ大変なことがあるらしいけど田原にはよくわからない 小林秀雄を電車内読書してなんか力を失ってしまった 小林秀雄みたいに書きたいとは思わないが小林秀雄ほどは書けないだろう といういつものやつ そういえば大中赤黒日記で小林秀雄の死について その当日書いた分があるはずだが 異常気象 五月の気温


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1989年01月19日(木) 「大丈夫の歴史 明治維新」

ますが今年はまた特別です /おじさんおばさんは元気ですか?よろしく伝えて下さい 何せ年賀も出さずにいるのですから― 仕事は順調なのですか?体の方は無理してないですか?こちらでも風邪が流行っています 気をつけて下さいネ /5月にたぶん逢えると思いますが楽しみにしています その時は函館にも寄っていってネ /それでは又ネ /お礼まで/竜也・恵理子」 昨日MM誌の年間ベスト10を見て 世界の混沌を確認
 『日本の歴史 20 明治維新』 井上清


20010629


1989年01月18日(水) 無題

も長男というのは優しくておっとりしている筈なのに育て方のせい?かナ 夏のものですが写真を1枚入れますネ (ちなみに左側)/博ちゃんが思っていたより早く落ちつく様でこれでいよいよ集中攻撃を受けそうですネ 電話をしていても母さんの気になる人物はどうやら兄さん只一人のようですよ /そちらの冬はどうですか 寒いのでしょうか 今年は暖冬で函館はほとんど雪がありません 毎年"ずい分暖いところだ"とは思い


20010629


1989年01月17日(火) 無題

妹より手紙「お元気ですか 先日は竜也にお年玉を有難うございました そろそろ絵本をと思っていたのでうれしかったです 手紙はもう少し大きくなったら読んであげられる様にアルバムに大事にとっておきます 母に似てきかん坊です このごろは少しもじっとしていないうえ自我が強くなってきて大変 それでも子供のいる生活はいいものだと思ったりして 父親と同じ顔なので友達もみんな一目見てまず笑います それにして


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1989年01月16日(月) 無題

天皇死去にともなう皇居等での一般人の記帳の受付は今日で終わり 全国で二百万人あまりとか 多いのか少ないのか一般の一般人にはわかりかねる 京都西京極競技場をスタートゴールとする全国都道府県女子駅伝をラジオ観戦 熊本松野・鹿児島荒木のエースアンカーの競争は聞きごたえがあった 京都の二連覇 体育会ノリのないきれいな女の選手が増えればいいと思う 千代の富士寺尾に苦杯 いやぼーっとした一日だった


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1989年01月15日(日) 無題

一部で自粛気味の成人の日 田原は十年前成人式を欠席したが当時は札幌で二年目の浪人生だった 大学生と関東圏の暮らしとY田嬢の「愛と死」を通りすぎ 十年後の今関西圏で精神的プーの生活をしている 国際的調査によればいまどきの日本の若い者は人にいわれた事はやるが自分からは何もしないんだと 本当かな 全員がラグビーをやっているあるいはやっていた訳ではない観客が六万も集まった日本選手権は神戸製鋼の大勝


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1989年01月14日(土) 無題

天皇死去にともなう恩赦についていろいろ取沙汰されている 田中角栄が許されるとか許されないとか どこまで三権分裂しているかが見物 改元後今日でちょうど一週間になるのだけれど 世の中平穏で誰も一週間前の事覚えていないような顔で生きている 図らずも時代の変わり目に生きることになった この歴史の長い国の短い一瞬間に何ができるだろう ただ見るだけ 聞くだけ 書くだけ 我輩はプーである 名前はもうない


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1989年01月13日(金) 無題

今日の引用でわかるように『日本の歴史』読書は明治維新前後 日本人が太古から今年の今日まで引きずってきている天皇制について考えないではいられない 「天皇崇拝こそが愛国心である」という主張はたしかに怖い 岩波書店が刊行開始した日本古典文学大系の第一回配本「方丈記・徒然草」を買う 全百冊のシリーズだそうで全部買うかもしれない 価値観が今の人たちとは違うらしい 正しいとも言えないが間違ってもいない


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1989年01月12日(木) 「ダイジョウブリー四世 第二部」

天皇誕生日は当然移転 旧天皇誕生日も休日にするとか なら五月一日のメーデーもということで五月の連休は年々大型化しつつある 休む つまり人間が本来の自分に戻る のは結構だがなんか人気凋落気味の竹下さんの国民への飴のような気がして 鞭はこれから襲ってくるだろうから わずか半年の間にクリスマスを一回と新年を二度迎えたせいかなんだか惚けている 天皇の死はこの国の大きなカタルシスになった さてその後は
 『ヘンリー四世 第二部』 シェイクスピア


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1989年01月11日(水) 「ダイジョウブリー四世」

天皇死去と重なった高校ラグビーは決勝試合を行わず両校優勝 昨日の社会人は神戸製鋼が初の優勝 今日の大学は引き分けとなり規定により両大学優勝 15日の日本一決定戦には今年からの規定 規定が多い によりトライ数でまさった大東文化大の出場決定 平成元年一月十一日ということで1111の日として各地各所で切符消印等を求める人が多くあったらしい そんなことこれから毎年ずっと続けるの? 早く十三年が来れば
 『ヘンリー四世 第一部』 シェイクスピア


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1989年01月10日(火) 「大丈夫の歴史 開国と攘夷」

新年号は「アサヒ」であるとのデマが昨年天皇が病床について以来流れていた 多少の常識 天皇が生きているうちは年号が公に決定されるはずもそのような重大事が公式発表もなしに一般に流布するはずも天皇の病気を癌であると明記して一部から顰蹙を買った某新聞社と同じ呼び名の年号を国家がつけるはずもない をもって考えれば嘘とただちにわかりそうなものだが それがデマのデマたる所以 元号「アサヒ」の研究を誰かしろ
 『日本の歴史 19 開国と攘夷』 小西四郎


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1989年01月09日(月) 「ザ・ダイジョウブ二ーク」

新しい天皇は即位時の年齢が歴代天皇のなかで第三位の高さ ラジオで聞くかぎりは優しい顔に似合わず反骨なところもあるよう 学校始業式 死んだ天皇に対する黙祷や半旗の掲揚に反対する父兄もあったらしい 誰もが平和な世の中を願っているが 誰もそれがどんな世の中なのかはっきりとは言えない どうすれば平和な世の中になるのか誰にもわからない 自分の考えが一番正しいと思う人ばかりが住む世界は平和から程遠い
 『ザ・ユニーク』 セロニアス・モンク モンクおじさんはどこ見てんのかわかんない人だけど 大きくてごつごつした手でぼくの頭をぐいぐい撫でてくれる 素っ気ないんだけどそれでもどっか優しくって気持ちがいい 何も言わないでもなんだかわかるんだおじさんの言いたいことは それにモンクおじさんはピアノだって弾けるんだぜ エヘン!


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1989年01月08日(日) 無題

「平成」元年 「昭和」最後の夜Y嬢に電話して明ける 喪章付半旗が個人宅にもちらほら 昨日のラジオでの猪瀬直樹氏の談話 「平」の字を使ったのは「平治」以来 「平和」の語感が「平治の乱」のイメージにまさったのでしょう これからの世の中はますます西暦重視に傾くでしょう 「平成大学」なんてのができるんでしょうね 年号が変わったことで「昭和」を流し去ってはいけない 「昭和」を忘れないように とのこと


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1989年01月06日(金) 「大丈夫のマーブル」

天皇血圧上がらず 刻一刻 アメリカ・リビア国連調停委員会で非難合戦 レーガン最後っ屁か きな臭い 権勢欲戦争なんか始めないでね 賃金労働始まる 激しい冷え込み 久し振りの通勤列車いつもの誰とも知らぬ馴染みの顔を見る さてさてさて自由になる日は来るのだろうか 帰りの電車で松本充代さんの漫画 生の女の裸も見てない 洋服を着たへんな生き物洋服を脱ぐとよけいへんな生き物 自由になろう自由にやろう
 『青のマーブル』 松本充代 あまり楽しめなかった こんなふうに書けないし才能あるのは認めるけど こんなふうに書きたいともこんなふうに書けたらいいなとも思わない あと一歩で付き抜けられる壁をただの体力不足が原因で二の足を踏んでいる もったいない 『記憶のたまご』のほうが作品がばらけてて良かったように記憶しています


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1989年01月05日(木) 無題

 天皇血圧上がらず もはや生きているのではなく生かされている状態らしい どのへんで誰が決断を下すか アメリカ・リビア間軍事的緊張強まる 愚かしい愚かしい 国家という単位を必要としない時代が来ればいいのに よっぽどの決意がなければできない相談ではあるけれど T原M雄氏宅で高校ラグビー準決勝 茨城のメイケイ学園とかは帰国子女の多い学校とか 「物の見方」の違いが体育競技の体の動きにもあらわれて面白い


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1989年01月04日(水) 「お大丈夫に召すまま」

 堺市T原M雄氏宅訪問 今春から長岡京市にある美術系女子大に通う登志子嬢とベースを弾いたり持参したCDを聴いたりしておしゃべり 生活環境も時代環境も年齢も違うけど若い者の本質はあんまり変わっていないという気もする 今の子のほうが現実的で悪くいえば草臥れている プーになんか成り切れないんじゃないか 立派なプーになるにはやっぱヒッピームーヴメントなど「うろ」程度でも覚えているほうが良い 馬鹿な戯言
 『お気に召すまま』シェイクスピア


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1989年01月03日(火) 無題

 2日大学ラグビー大東文化大が同志社を粉砕 2・3日の箱根駅伝順天堂大4年連続優勝と 一昔前駅弁大学と呼ばれた 順天堂は駅伝大学というべきか 大学の活躍が目立つ 受験ごっこエスカレートのため成績の悪いスポーツアスリートは有名大学からはじきだされちゃうんだろう 今月末から原発反対一千万人署名が始まるらしい がんばってほしい Y嬢と長電話 下らない駄じゃればかり言って新年早々顰蹙を買う 『ビーズ』


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1989年01月02日(月) 「イエダイジョウブツ詩抄」

 風邪が抜けない 大晦日からの一連の読書で改めてヨーロッパの地図を開いて眺める ローザ・ルクセンブルク書簡集とアインシュタイン『モーツァルト』とジョイス『ダブリン市民』を読なまくちゃ イエイツも『草の葉』や『森の生活』を呼んでいたんですと 言わば逆輸入だな アイルランドについて勉強しなきゃ ああなんとか賃金稼ぎの労働から解放されて自分の仕事がしたいものだ プーの生活に田原は憧れているか 悪いか
 『イエイツ詩抄』山宮允訳


20010626


1989年01月01日(日) 「ダイジョウブを愛した人々」

 あけましておめでとうございます ザ・バンドの「ロック・オブ・エイジス」を聞きながら新年 年賀状は一枚来ただけ 威勢よく『音と音楽』ノートを始めるがいつまでもつか 甥の清水竜也君に図書券のお年玉を送るべく手紙を書く 昨年も一昨年も聞いたウィーンフィルのニューイヤーコンサートを聞く 今年はカルロス・クライバーの指揮 夜更け雨降り温かい元日だった 波瀾の年になるだろう 昭和の終わり 税制改革如何
 「スイスを愛した人びと」笹本駿二


20010626


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