blue
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2006年10月31日(火)<<<闇夜

鮮やかな炎の赤 吹き消すと漂う 煙

部屋中を お気に入りのお香で 香りにゆだって

その中で やってくる闇を待つ

半分だけ 恐れながら

半分だけ もう慣れてるって、笑う。




あぁ。

パフォーマーとしての仕事の前は、いつも濃い闇に身をおく。

そこから這い上がることで、自分のテンションを最大に上げる。

でも、闇の中、孤独。

そこに身をおくのは少しばかり、辛い。





でも今日も落ちてゆく。闇夜。




11月になったら。

僕は鈎針を背に刺し吊り上げられ、空を舞う蝶になるんだ。
2006年10月21日(土)<<<深夜零時のブランコ

僕の家の近所に 小さな公園がある

滑り台と 鉄棒と お馬さんが2匹と ブランコが4こと 樹

それだけの公園が 僕はとても好きで

今夜も午前零時

ブランコに乗って風に吹かれていた





時間や日にちの感覚がわからない

明日と昨日。

新宿ロフトの舞台に上がったのは まだ昨日?

明後日・・・ もう病院?

あれ 今日 何をしていたんだ

おかしくて

記憶できなくて

何もかも日記に書いて

もう一度ノートに書いて

電波時計を見つめ 日付見て 時刻を見て

今日と明日を間違えないように

確認していたりする





一日に

何度も探し物を する

さっき 使ったはずのものが

もう今消えていたりする

煙草 ライター コップ 指輪 ネックレス

何処に行ってしまうか 怖くて

これは ここ

これは ここ

これは ここ

毎回 確認 毎回 確認

頭がおかしくなりそうだ





きっと

僕の中に二人目が出来たから

そうなんだ

ふたりめの僕の名前は 伊藤理紗 という

強引に

僕が生きるためだけに

作ってしまった人格が

いつの間にか 僕を生かしている




この身体を 本物の? そう生まれながらの僕に任せたら

死んでしまうと恐れて 作った理紗に生かされている

でも それは とても 大変な生き方だと





気づいた今

もう手遅れだった

伊藤理紗は歩き出した

そして

僕より確固たる強さで

今日も生きていた

僕は

そうしなきゃ生きれない自分の弱さを 呪い

でも それでも生きようとする自分を 妬む




生きたい

まだ 遣り残したことがいっぱいアル

だから まだ生きていたいの

もっと 楽しく笑っていたい

それを 叶える為にしてるの

お願い 僕を責めないでいて





生きていたい 生きていたい

時間が足りないんだ本当に

眠りたくないんだけれど

ふたりがせめぎあっている今夜




僕はふたりとも眠って欲しいから 薬を飲むよ
2006年10月16日(月)<<<呪縛からの開放

それは、僕が今習っている舞踏の先生がくれた魔法の小瓶。

「貴女は悪い気や人の感情を磁石のように引き寄せてしまうから
 人ごみや電車の中で苦しくなったり辛かったら、頭にひとふりしなさいね」

奇跡が起こったんだと思った。

その日。

僕は何年ぶりのことだろう・・・

誰の視線におびえるでもなく

呼吸がおかしくなることもなく

手足が震えるようなこともなく

何年ぶりなんだろう???




とても凪いだ心で電車を乗り継ぎ、地元の駅に帰り着いた




ホームに下りたとき

涙が出た

何年ぶりなんだろう・・・、そう想った






奇跡だとしか思えなかった






長い長い呪縛から開放されて

頬を伝った涙を僕は一生忘れない





根本的な解決ではないけれど・・・

でも、この小瓶がきっと僕を守ってくれる

だから、また明日も仕事へ出かけようって思っているよ 
2006年10月10日(火)<<<うしろのしょうめんだぁれ?

催眠療法・・・というものがあるよね。

催眠というものによって、過去に退行させていってさ

過去の思い出せない記憶から傷やトラウマを引き出すような。

よくわからないから、退行って言わせてもらうよ。




僕は一昨日。

お兄ちゃんとお酒を飲みながら、お兄ちゃんに退行させられた。

お兄ちゃんは、僕の高校時代からの付き合いのある人。

だから、僕のなくした記憶を、持っている人。

僕のはっきりとした記憶なんて・・・ほんの最近からしかなくて。

ゆっくりとお兄ちゃんに語られるまま・・・僕は記憶を引き出した。

残念ながら。

お兄ちゃんは一番の信頼する相手でありながら・・・

カウンセラーでも、ヒーラーでも、霊能力者でも、セラピストでも、

なかったんだ・・・。だから、残念だった。



僕は今、混乱の中にいる。

退行して、取り戻した記憶があまりに多くて。

その一つ一つが、とても重たく、しんどくて。

今、こうしている間も、手がふるえ。

身体が震え、心拍数が上がって。

呼吸に気をつけながら書いてる、過呼吸は、もう辛くて嫌だ。



昨日の夜目覚めたら、手足ががくがくと震えていて。

手紙も電話も、まともにもてなくて。

PCも開けず、音楽も耳に刺さり、光は瞳孔を貫き、

あらゆるものがいっせいに僕をめがけてやってきたようだった。

怖かった。

一緒にいてくれる人がいなかったら、眠れなかったと、思う。

でも、電話したら僕のところに、来てくれる人がいて。

一緒に、眠ってくれる人がいて。

その人を愛しく思う余裕もなく、ただ僕は、その人がいて。

僕は眠ることが出来た。

目覚めて、思った。書かなくてはいけない。





今、僕の後ろに子供の頃の僕がいる。

見えるわけない。ただ、いるって気がする。

記憶という熱量が、僕の後ろで僕をと一緒にいる。

僕はこの後ろにある記憶を、残念ながらもう一度、しまわないと。

しまってもう一回ふたをしないと・・・生きれない。

頭が、おかしくなりそうだし。

身体は、震えが止まらないし。

外の陽の光や、何もかも、この震える手すら現実感がなく。




漠然とした恐怖につつまれて。

暖かいのに、鳥肌が止まらない。



だから、これから、書いていない日付の分の日記に書こうと、思う。

うしろのしょうめんだぁれ?

タイトルは「鏡の裏」で。

きっと散文になるだろう、でも、書くということで。

自分を今の、21歳のほんの数日前の自分に引き戻さないと。。。

僕は今、放棄して。

ベッドの上に横たわるだけなら。

それはゆっくりとした、私の、死であって。

それは嫌だから。




書く。

書くから。

どうか其処にこれ以上怖いものが出てこないように。。。祈る。
2006年10月09日(月)<<<鏡の裏 1

ふと朝日が差し込んで、私は目覚めた。
窓から差し込む光は、格子模様を帯びて私に届いた。
まだ、周りは静まり返って・・・時たま誰かのいびきと寝言、そして見回りをする人のゴム底がリノリウムの床をこするキュウキュウという音が聞こえるだけだった。
起き上がると見咎められるから、そのまま横になって格子に手を伸ばした。私の細い指でも、小指すら第2関節までしか通らない、せまいせまい格子。
見上げた天井は白く。
めぐらせれば壁は白く。
圧迫感を覚え、苦しくて。毛布に包まってもう一度眠りたいと願った。



狭い所が怖くなった。
壁が迫ってくるのを、覚えた。



私の記憶をつむぎだしたら。
其処からだと、思う。
それは今年の春、私が21歳になった頃。
たった数ヶ月前の記憶すら、私は確かだと思えない。



鏡。
壁に向かえば壁が見える。
鏡に向かえば世界が見える、自分の後ろが見える。
それはまるで本物のように、丸写しされた世界。
ふと、触れてみれば冷たい感触。
決して入れない、でも、見えるその鏡の世界。

鏡のこっちの世界と、鏡の中の世界と、もうひとつ鏡の裏側の世界。
1周した鏡の裏の世界は、きっとこの現実にとてもよく似ているんだと思う。
だからその世界を書く。

記憶の蓋を開けたら、飛び出してきた封印の数々。
鏡の裏側から這い出してきて、鏡を乗り越え、私に襲い掛かる。
やめてくれとさけんでも、叫べない。

だって其処に居るのは自分の記憶。
瞳を閉じれば見えるかのような、昔の私。
2006年10月08日(日)<<<鏡の裏 2

いつも距離があった。
私の周りには私が作ったかのように、硬く脆く透明な殻が張り巡らされていた。人を容易に寄せ付けず、けれど自分を守れるほど強いものでもない。
その殻の存在に気づいたときは、もう昔のこと過ぎて。

いつの間に殻を作ったのか。
何でそんなものが必要になったのだろう、私は幼い子供だった、そう中学生の頃だった。必要だったの。
それは思春期という当たり前のものが、そっと、いたぶるように、私を傷つけていったから・・・私は、殻を持たないといけなかった。

結果。
親友と呼べる友達は、いなかった。




少女は一人、お寺の境内を歩いていた。朝。制服のスカートをを風になびかせながら、お寺の境内の坂をずっと上っていった。
てっぺんまで上ると少女は教科書とお弁当の詰まった、学生かばんを下ろして座り込んだ。空が綺麗な青だった。静かだった。
中学校へ行かなくては・・・。少女の心は、そう思うことでふさがっていった。教室に入るのも嫌だが、そこで感じる孤独に苛まれるのも嫌だった。
少女の親は両親共に働いていた。
だから少女は自ら担任教師に電話を入れ、体調が悪いので遅刻すると伝えてはお寺に通った。電話は家を出てから、公衆電話からかけた。
途中でブザーがならないように、気をつけながら硬貨を足してはかけた。

少女はお寺で午前中を過ごすと、お弁当を其処で食べて学校へ向かった。午後の授業は受けて、遅刻として出席をとって何事もなかったかのように、祖父母の待つ家に帰宅した。
そんな日々が週に2回か3回はあった・・・。
お寺の境内で、午前中は本を読んでいた。いろんな本を読んだ、少女は読書が好きで、それはもう幼い頃から本を読んですごす時間が多かった。

来る日も来る日も、晴れの日は、少女はいつものようにお寺の境内で座っていた。
お寺と少女の通う中学校は、実は同じ小高い丘の上に並んでたっているのである。午前中、チャイムの音も聞こえれば・・・。体育館で体育の授業をする声も、校庭からのホイッスルも聞こえる。

少女は本当は学校へ入りたかった。
でも、どうしても少女は学校の中に自分の居場所を見つけられなかった。
だからひとり、学校の隣の小高い丘で、町を見下ろしていた。

その日、空は晴天で。
雲ひとつない青空だった。
少女は境内のコンクリートの上に横たわった。
制服の下に感じるコンクリートは、暖かかった。
日差しの中、少女は目を閉じた。
少女の右手には、その日、カッターナイフが握られていた。
少女は左手と右手を、近づけて。止まった。
本当にこれが望んだ結果なのか・・・そう、止まった。
少女は目を開けた。
其処には眩い蒼い空が視界いっぱいに広がり、ぽつりと白い雲が浮かんでいた。
閉じていた瞳にその光はまぶしく、焼きつくような蒼さだった。
なぜか少女は泣いていた。


少女は家に帰った。
腕に、傷はつけられなかった。

そして書き始めた。
「blue」という日記を。

生きるということの苦しさも、悲しさも、愛しさも。

あの日の、あの蒼い高い空が。
どれほどの時を経ても、この眼に思い出せるように。
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