スイッチ。
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今日はリョウちゃんとマリノアまでお買い物。
マリノアはリョウちゃんとよく行く。
ナイスクラップで可愛いノースリーブ買った。♪
紫とピンクで迷いよったらリョウちゃんは迷わず
「ピンクがいいよ、うん。」
んで、自分ではなかなか選ばないピンクを購入。
リョウちゃんは女の子女の子した色や服が好きっぽい。
リョウちゃんに合わせるわけやないけど、
リョウちゃんの素敵な彼女になりたくて気がつけば、
女の子らしい服を買うようになった。
あんなに大好きやったSM2は気づいたら行かなくなってて、
今はプラチノロッサとかプーラフリームが好き。
てか、もう23才やん。
ためらうことなく真っ直ぐ好きだ、って伝えることができる人がいて
自分から抱きしめてキスできる人がいること。
確かに今あたしはシアワセだ。
昨日の中村サンからの電話。
「おれ、もう疲れ切ったー。癒してよ。」
「疲れちょるねえ。じゃあさあ!なんか美味しいものでも食いに行く?」
「いいねえ。お前襲われるの覚悟して来いよ。」
「あんた何言いよるん?」
「わかった一緒に泊まって?言いよるやん。おれエロイやん?つーか、こんなの頼めるのとかお前しかおらんし。」
あたし彼氏いますが何か?
「てか、そんなこと頼める人がいっぱいおったが笑えるけど。嫌だそんなの。」
「よかろーも。」
「何がいいか全然わからんし!」
結局これだ。
どんなに状況が変わってもあいつの答えは変わらない。
これからもずっと友達でいたい、そんなの無理やん。
あたしだけが思ってても、無理やもん。
そこまでして、中村達也がヒツヨウ?
こないださとみから合コンの誘いがあって、
行く気もないのにリョウちゃんに冗談で
「行ってもいい?」っち聞いてみたら、
「いいばい。楽しんできたらいい♪俺はね、みずきちゃんのこと信じとるき大丈夫なんばい。」
真っ直ぐ笑顔で言われた。
胸がぎゅうって苦しくなった。
この人だけは傷つけたくないって思った。
この人だけは裏切りたくないって思った。
もう、同じ事は繰り返したくないって思った。
あたしは、確かにリョウちゃんが好きで
これからどうなるかわからんけど、
今はずっとリョウちゃんと一緒におりたい。
ずっと好きでいたい。
仕事がハードだ。
もうすぐ経口維持加算も始まる。
デイサービスの調理業務も増えてきた。
自分のやりたいことが、よくわからんくなってきた。
そんな中、金曜の夜中村サンから電話。
あいつってば風邪引いたって木曜日言ってた。
無理しよるんやろねえ、って思った。
相変わらずセキがとまらないみたいで。
それ以外はいつもの中村サン。
「寝るとこやったか?お前なんしよん?」
「まだ寝らんよー。家でぼーっとしよった。」
「じゃあ、タイミング良かった!あのさ、友達の結婚式で会った女の子のことわかる?」
「んー、ああ!“ナナコ”やろ」
ナナコなんて何年ぶりの登場!?
松嶋菜々子似のキレーなお姉さん。(らしい)
やき、通称「ナナコ」。
ナナコの初カレが中村サン。
ナナコにふられたようで中村サンがフッたんやったっけな。
ナナコにとっては、きっと今でも忘れられない人・・。
「そーそー。(笑 よく遊ぶっちゃんね。気が合うし。あいつが遊ぼうって誘ってくれるし。」
「そうなんや!」
「でもさ、おれにとっちゃただの女友達でもう一回付き合おうとか思えんのよ。一緒におったら好きになれるかと思ったけど女として見れねーっつーか。」
「うんうん。」
「おれってお前も知っちょー通りエロイやん?」
「そーね。(苦笑」
「でもさ、あいつとやりてえとか思わんし。好かれるとめんどいのもあるかもしれんけど、お前のが性欲わくし。」
「・・はあ?あんた、何言いよるん?苦笑」
「仕方ねえやん。まじめな話っち言いよろーも。」
「まじめに言われても困るんですけど・・。」
結局は、ナナコがよりを戻したいっぽいらしくて、
でも中村サンは今の“オトモダチ”の関係がいいらしく、
今ナナコに彼氏が出来たら出来たで遊ぶ相手がおらんなって
“寂しい”らしい。
ナナコが中村サンに「私に彼氏が出来たらどうする?」って聞いたのも
きっと中村サンの気持ちをさぐりたかっただけやと思うし。
じゃないと、ナナコから中村サンを誘ったりしないと思う。
「お前さ、早く帰っておいでね。」
嫌な予感しかせんってば。
先週の日曜日、リョウちゃんとデート。
スペースワールドなんて何年ぶりやったやろか。
アトラクションも増えとってビックリした。
GWやったけん人は多かったけど久しぶりのデートらしいデートは、
ばっさ楽しかった。
スペースワールド限定のプリクラ撮って、はしゃいで。
リョウちゃんの隣は変わらず心地いい。
やき、その夜中村サンから誘われるとか思ってもなかった。
だってバイトって言いよったやん。
忙しいって言いよったやん。
いつぶりかの、再会。
いつものサクラの木の下で集合。
やっぱりサクラとは無縁で、中村サンとはいつも葉桜やんね。
そして、いつもの真っ赤な中村サンの車。
ミラーには相変わらずあたしのあげたお守りがあって、
色あせてきとるのにまだそこにあって
うまくいくお守りもぶらさげてあった。
何も、変わらない。
胸がぎゅーって苦しくなった。
やっぱり、中村サンと会うと苦しくなる。
市内にあるパスタ屋さんに行って
「パスタもいいけどピザも食べたいなー。」
「じゃあ、これにしよーや!ペアコース♪」
中村サン、ノリノリでペアコース頼んだ。
パスタ2種類とピザ、そしてデザートドリンク付でちょっと豪華。
あたしはあんまお腹すいちょらんくてほとんど中村サンにあげた。
「お前、おれそげん食わんくなったっちゃけど・・?」
「そんなあ!達也サンなら食えるはずやろ!(笑」
お互い近況報告と、中村サンのつりの話とか仕事の話とか学校の話とか
話が途切れることがなかった。
ご飯食べ終わった後、すぐ帰ると思ったらそのまま少しドライブ。
「おれさ、たばこやめてから10kg太ったんちゃねー。触ってみー。腹まじはべえき。」
「やっぱり?顔丸くなったなあっち思いよったんちゃ!お腹やばいやん、あんた。(笑 でも、あれやん?性格と一緒で顔も丸くなってきたんやないん?(笑」
「意外と、前のまんまよ。なーんも変わってねーよ。」
中村サンはそう言うけど、穏やかになったというか
オトナになった感じがした。
あの短気の中村サンはどこにいったんやら・・。
夢に向かって努力している中村サンはカッコイイし、
キラキラしていて、あたしも頑張らんといかんって思った。
それでも、いつものショッピングセンターの駐車場に着くと
あたしは嫌な予感しかせんやった。
あたしにはリョウちゃんがおるし、そのことは中村サンも知っとるし
何もないってわかっとっても、
中村サンのことをそういう風にしかみれん自分が嫌やった。
やっぱ、どんなにお互いの状況が変わっても
友達なんかではおられんちゃんね。
難しいー。
社会人2年目。
相変わらずなあたしは、マイペースに毎日を過ごしている。
何も、特に変わらない毎日。
忙しかったり忙しくなかったり。
落ち込んだり、喜んだり、笑ったり。
ごく、フツーな毎日。
中村サンと、久しぶりに会った。
会って、しまった。
いつぶりやろ・・。
相変わらず、中村サンがからむと胸がきゅうって苦しくなる。
恋してる時のドキドキとは違う。
懐かしくて、切なくて、苦しくなる。
ちゃんと上手く笑えていたやろか。
気がつけば、中村サンと出会ってもうすぐ丸3年。
終わりそうで終わらんまま3年が経つ。
中村サンにとってあたしは今でもヒツヨウ?