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氷砂糖

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服と記憶。
2013年05月15日(水)

父が亡くなってから、服をどんどん捨てられるようになった。それまでは服を捨てると、当時の記憶まで失われてしまうような気がして、どことなく捨てにくかったのだ。

これは祖父母が社会人祝いにくれたワンピース、これは同僚が褒めてくれたセットアップ、これは転職時に使ったスーツ、これはデート時に受けがよかった組み合わせ……等、思い出が服にリンクしているようで。

しかし所有者が生きてる間は、着なくても意味があるとして、着る人がいなくなったら、捨てるしかないんだよな、というのが身にしみたので。もう着られない服や、今後着そうにない服は処分しておこう……という気持ちになれたのだと思う。

記憶力が弱い人間だから、物がないと思いだせなくなるかなーと思っていたが。捨てたからといって、記憶のすべてが消えるわけではなく。記憶が薄れても、感覚として残るものはあり。その感性で残った服や新しい服を、使えるだけ使おうと思う。




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