oi, tudo bem? 2月にブラジルのサンパウロに留学するよ。 その準備に追われながらも、ふらふら遊び歩いてる。
人生わからないことだらけよ。
出発直前ということもあるけど、友達に会いたくてたまらない! あれだけ一匹狼で皮肉屋ばりだった十代のわたしはいずこへ。 部屋にひきこもりたいときはあるけど、 わたしはやっぱり人が好きなのだ。 ハグと音楽と、すこしのお酒とおいしい食べ物で、 よい時間も涙も共有したい。
2005年は、大切な人を2人も失ってしまった。 まぁそもそも最初から誰かを所有することはできないから、誰かを「失う」ことはできないのかもしれないけど、 距離ができてしまったのは確かだ。
お互いに傷つけあったこと、 反省しているけど後悔はしない。
こんなことを五感いっぱい感じる時、 ポルトガル語というのは、心になだれ込むように染み込んでくるんだ。
わたしには、ちょっとせっかちで短気な面もあるけど、 あっけらかんと前を向いてがんばろう。
Se quiser, me visita no Brasil.
beijinhos, A
2006年01月12日(木) |
取り留めのないような嘘でも |
もしかしたらこの小説のことは前に書いたかもしれないけど・・・・・・。
夢野久作の『少女地獄』という小説の中に、姫草ユリコという女が登場する。 不思議な雰囲気があって、接触する人間全てが、彼女に好意を抱かずにはいられない。 でも、その魅力は、彼女の想像を絶する虚言癖にあるんだ。 名前、年齢、出身地、過去、そして現在。 吐いた嘘の辻褄を合わせるため、また嘘を重ねて、造られた世界の壁の強度は、限界に達する。
そして、いつか彼女の嘘が、ぜんぶ周囲にばれる。 彼女のついた嘘のおかげで、迷惑を蒙る人間もいる。 ところが、周りは彼女を嫌わないのだ。 嫌うどころか、どうしてそんな嘘をつくのか、と心配し、 そしてその嘘の上手さに感嘆までする。
彼女は破滅に向かう。 ついた嘘を、真として完結させるには、嘘の遺言を書いて自殺するしかない。
夢野の作品の面白いところは、登場人物がなぜそんな行動をするのかいちいち述べてないところ。姫草になぜ虚言癖があるのかも書かれてない。それも手伝って、この作品を読んだ当時は、なんで周囲が彼女を嫌わないのか、わからなかった。
最近、友達が自分で作ったと言っていた詩が、実はほかの誰かのものであることを、ふとしたきっかけで知ってしまったんだ。 わたしはその作品が結構好きだった。
人との会話や付き合いを円滑にするために、彼女がちいさなウソをつくというか、出来事をなんとなく大げさに話す癖があるのは、実はなんとなく気付いていた。でも知らないふりをしていた。 人の気を引きたくて、人を楽しませようとして、そうしてるのかな、なんて思う。たぶん、この癖は、自分を守るために小さいころから見につけざるをえなかったものだ。 彼女はそういう素振りは微塵も出さない。今現在、わざわざ意識的に、私を楽しませようとしたり、自分自身をよく見せようとしたりしてるわけじゃないと思うけれど、幼少のころの癖と傷が、もしかしたら本人も気付かないくらい、友達の身体に染み付いていることを知って、わたしはなんだか泣きたい気分だ。
嘘をつかれたから悲しいんじゃない。 嘘はつかれるより、つき通す本人の方が辛いことくらい、 22年間生きてればわたしだって知ってる。 だから、自分の大切な友達がそんな重ったいものを抱えて生きてることが、ムショウに悲しいよ。
なんだか今夜は少し、『少女地獄』が心に突き刺ささったままなんだ。
これ読んでる人はどう思うんだろう。 なんて読者が極少なのに尋ねてみたり(苦笑)。
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