空気の道





何処までも平行線で交わることはきっとない

ぼくと周りのひとたちは

いつまでも



くっつきそうでくっつかないひともいる

ぼくは求めちゃいない

その人が近づいてきたんだ

だけどぼくが求めちゃいないって知ると

急に熱が冷めたように離れてく




所詮関係なんてそういうものだ

触れ合いなんてごめんだ

馴れ合ってたまるか

冷めた関係はとてもラクだ

交わることを望んでないのはぼくの方だ

近づいてくる人は沢山いる

それを跳ね除けているのはぼくだ




そうやって静かにまっすぐ

自分だけの世界に嵌っていく

とてもキモチノイイコト

もうとめられないんだ

どんどん深みに嵌っていく

平行線のキモチノイイコト






再会





赤い毛布に包まった青白い女の子

傍にあるのは細く灯った最後の蝋燭

纏わりつく空気は冷めていた

震える体を抱き締めてくれる人は

いつの間にかいなくて

もう自分で自分を抱き締めることでしか

自分を保てない

動くことなどでず 眠ることも怖い

けれどあの人のことを考えていると

ああ、もう戻ってこないのかなと

そういうことしか浮かばなくなってしまった

もう終わり、とふと思ったとき

「冷たい顔」

まさか戻ってきてくれるなんて思わなかった

そう思ったけれど声が出ない

代わりに涙が沢山零れて

寄り添った二人は静かに眠りにつきました

赤い毛布に包まって






無謀な話





「ダウンロードを開始します」

こうしてきみの気持ちを知ることが出来たら

自分はきっと間違えたりしなかったのに





頭痛






ひとのこころは

ちかくでかんじても

ぜんぶはわかることができなくて

しりたいけどこわくて

そうおもうから

このままでよくて

だから けっきょく

ちっともほんとうはちかづいてなんかない






疑心





もうじき春が起きると
梅の木が教えてくれた

吐き出す息は白くて冷たくて
霜や氷は堂々と地面に居座っているというのに

それでも梅の木は
春は来ると言っていた

梅の木はどうしてそんなに
自信満々なのだろう





時間とこころ






ただじっと待ってる
待つことで気がすむから

どれくらいの時間がたったかなんて
そんなの数えてなんかないから
当然わからない

ただ、自分が
砂になってさらさらと
風化していく感触から
時は随分経ったのだと
そういうことでだけわかる

まだこない
あのひと、なにしてるんだろう
約束したのに

来ないだろうと
心のどこかで思っている
自分がいて
それを掻き消そうと
只管に待つ自分もいて
その二人が
納得するには
現実を受け止めるしか
ないんだろうと思っている
自分も確かにいる

この場所で砂に混ざって
風でどこかへ飛んでしまう前に
本当のことがわかるといい

でも風で飛んだら
本当のことがわかるのかもしれない
そんなの誰も知らない

いいの、あたしは待つ

あのひとはきっとくる





臆病な犬





文字に書いたら流れてくれたらいい

嫌なこと全部

怖いこと全部


砂の城が崩れるように

サラサラと音も立てずに

なくなって

くれればいいいのに


そうすれば

楽しいこと

よいことだけで

きっとみんな

幸せになれるのに





ノンストップ





みたまんまの世界で生きる
つくる こわす つくる すてる


みたまんまの世界で生きる
あるく ころぶ おちる おちる


みたまんまの世界で生きる
なげく おもう かんじる 


みたまんまの世界で生きる
かんけいする きる つながる ちぎる


みたまんまの世界で生きること
ありのままを受け入れること
現実をみること


逃げられない




深い底




自分は特別な何かがあるわけじゃなく

極々平凡な

もしくはいくらか欠けた人間だというのに

どうしてこうもゆったりと構えているんだろう



呆れられるのが恐いくせに

そういう態度とってるも同然



どうしたらいいか

自分じゃわからない



ただ逃げてるだけじゃないの?

きっとそうだ

否定はできない




ほんとはきっと、怖がってるんだよ

汚い人間。




添う




月の光、その陰


天子、付き人


勝利、犠牲


花、土


うつくしいもの


こわいもの


知ってる


知らない


遠い日の終わり、始まり


愛、束縛




世界を創ろう





今からわたしは世界を創ろう。
何者も侵すことの出来ない場所を。

わたしの愛する人と、動物と、植物と。
わたしの信ずるものだけここに容れよう。

愛する人よ、その魂をわたしに委ねてくれ。
あなたならわたしを助けてくれるだろう?

物語はここから始まるんだ。
全ては「わたし」から、始まる。

さぁ世界を創ろう。
自分の世界は自分の手で。




現在






いまはあたまのなかで

なにもかんがえられません


どうしてもあたまがいたいのです


けれど「現実」はあまくありません

とてもきびしいです



ゆとりってなんだろう









赤い世界を見た。
身体が熱った。


紫色の空を見た。
夢と現実の境目がわからない。


黒、そこは闇。
目を開けているのか、閉じているのかもわからない。


白、そこは無。
目を開けているのか、閉じているのかもわからない。


だんだんと涙が零れ落ちる、その頬を伝う感触だけが証拠。
涙は全ての色に侵される。


気持ちがいい、解放感。
心に潜む、灰色の小さな恐怖。


肥大する恐怖と共に、自由に欲望にふたをする。
けれど鳴り止まない耳鳴り。


声が出ず何も見えず、立っているのか浮いているのかわからない。
見開いているつもりの目をぎゅっと閉じた時


目の前に全ての色が戻った。
ああ、夢とは怖いものなのだ。



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