絶望と同等の希望






追い詰められた小鳥は
こんな事を云った

「ボクを食べたいならどうぞお食べ」

「何のメリットも無いけど」

「其れでも良いならパクリとお食べ」



   *****   

親をなくした子鹿は
敵に向かってこう云った

「どうかボクを食べて頂戴」

「お母さんの処へ行きたいんだ」

「お父さんと遊びたいんだ」

「お願いだから食べて」

「美味しくないけどお願い食べて」






屋上の柵





屋上の柵の間から見る景色は最高


つまらない冒涜もない


視界は広大・絶景


TVのノイズも思い出さない


非・日常的な空想・幻想で


あっちもこっちも大騒ぎ


ただ見える景色がいつもと違うだけで


こんなにもいやされるものなのか


屋上の柵は特別


だだっ広い部屋でもビルの24階からも味わえない


快感が潜んでいる


この景色の前では全てが無に等しいと


ヒトと同等だと思える


ヒトより偉くないモノなんか無い


柵は監獄の檻


其処から出てしまうと待っているのは


待っているのは・・・・何だろう


柵から身を乗り出して


仰向けになって空を仰いで


自由の雲を見据えて


自分の愚かさを痛感したら


全ては元に戻ってくる





秋雨





柑橘系の匂いがした
あの人はもぅ居ない

思い出せる限りでは
可哀想な犬を飼っていた

犬については誰も知らない
知ってるのは

あの人は寂しがり屋だってこと

涙に濡れた頬に
そっと触れた瞬間

目映い幻想に包まれた

柑橘系の匂いの
あの人はもぅ死んだ





もちもの





乾燥した世界で
潤いを求めること
それは懺悔


宇宙空間で
酸素に巡り会うこと
それは奇跡


ヒトリの中に
堕落と性を見出すこと
それは理屈






神 カミ 守





簡単に云える
簡単に見れる
簡単に聴ける
簡単に触れる
簡単に感じれる
簡単に操れる
簡単に動かせる
簡単に壊せる
簡単に消せる

全ては簡単過ぎる




でも、ヒトは思い通りに動いてはくれない





闇の人





月光が見えない闇夜は
静かにそっと
呼んでみよう
自分を そっと

きっと疑問は解ける筈
月の魔力は到底及ばない
その時だけが
チャンスなんだ

月光は闇を壊す
静かにそっと
闇を壊す 破壊する
自分を 守ろう
侵されないよう
惑わされないよう

誰も月には勝てない
太陽ですら

月光は闇を壊すから




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