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白濁

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2004年09月15日(水)    小さな骨は、もう鳴かない

昨日は、御葬式にいきました。
アンナの御葬式です。
うちの可愛いわんこです。


 私は、犬が苦手でした。
 わんわん吠える。
 あまがみは痛い。
 じゃれてきても爪が痛い。
 だって大きいし。
 猫より大きいし。

 アンナはお父さんに懐いてるから
 世話はお父さんがするもん。

 私は、アンナを可愛がってあげませんでした。

 ごめんなさい

  ごめんなさい

   ごめんなさい。


月曜日は、眠れなくて
落ち着かなくて
ネットの海に逃げていたけど
すぐそこ
障子戸の向こう側
そこに、アンナがいました。

強くなる死臭
死という現実
掻き消そうと吸い込む煙り
吐き出すは嗚咽
聞こえるは雨音
流れ出る涙


そして昨日
御葬式にいきました。

何年ぶりかの霊園。
10ヶ月しか生きなかったノブも
ここに眠る霊園。

早く燃やして欲しかった
それがそこにあると
悲しみが消えない気がして。

あぁ、嘘です、神様
存在を消さないで。

死体を前に、ブイティアールでの読経が始まり
形式的な御焼香
白い布団に横たわるアンナ

「これが、アンナちゃんとの最後のお別れになります」

セレモニー担当のおじさんが言う。
布団を取って、最後に触らせてくれる。

寝ているように、綺麗な顔で
柔らかい毛並み
だけどかたい、
かたい身体

もう血は、流れていないのだ

あぁ、お願いです、神様
存在を消さないで

こんなに可愛く、綺麗で、美しい身体と魂なのです。
貴方の側に連れていかないでください。

動いて、アンナ
尻尾を振って、
わんと鳴いて、
輝く目でこっちを見て。

早くしないと
貴女は
熱い
熱い
熱い窯で焼かれてしまうの。


神の意志に背きたい。
死者はどうすれば蘇る?


奇跡は起こらず、
可愛いあの子は白い骨
聖なる炎で浄化され
痛みも苦しみもない姿


骨は大事に、大事に拾いました。
できる限り残さないよう
天国へ行って、骨が足りなくて
走れなかったり、
ご飯が食べられなかったりしないように。

小さな小さな骨壷に
大事に大事に詰め込んで。

抱き上げるのも大変だったのに
こんなに小さくなってしまったね。


こんな姿になる前に、もっと抱いてあげればよかった。
悔しい、悲しい、寂しい。



お墓に納骨をして
手をあわせて
先にお墓に入ってる
猫たちにもお祈りをして
アンナと仲良くするように


着いた時に小雨だった霊園は、
火葬後は青い空で

迷わず天に、昇れたかなぁ


さよなら、アンナ
さようなら

でもまだ心は
さよなら、しきれない。


帰りにお花を買ってきて
アンナの場所に飾りました。
餌入れとお水入れは、
お墓に置いてきたので、
お皿にお水を入れました。


ぽかんとあいた空間。


どうして君が

そこに

居ないの ?


まだ、だめみたいです。
頭では、わかっているのに
こころが、おいついていきません。

アンナ、わたしは、自分が思ってた以上に
君のことが大好きでした。
君につたえてあげられなかった。
どうすれば、届くのかな。
流した涙が蒸発したら
君のいるところまで、届きますか?

今は懺悔の気持ちが強いけど
それよりももっとたくさんの「ありがとう」と
「大好きだよ」を送りたい。

ねぇ、死者は何処へ行く?
霊界? 天国? 虹の橋?

空の彼方にありますか?
星の向こうにありますか?
そこからここは、見えますか?


2004年09月13日(月)    さよならの雨

雨が降っている。


飼っていた犬が、先週から元気がなく、
食べ物は吐く、水ばかり欲しがる、
震えている…

病院へ、慌てて連れていきました。

私は、犬が恐くて
あまり可愛がってあげられなかった。
それを今、とても後悔しています。


通院して、点滴をして、
だいぶ元気になったように見えた。
肝臓か、あるいは癌か、子宮出血の可能性もあると言う話だった。

でも、家ではしっぽ振って嬉しそうに出迎えてくれたり
餌も少し食べるようになって
このまま元気になってくれると思った。

今更、
遅いけど今更、
犬が可愛いと思った。

元気になったら、遊んであげようと思った。

今更だった。



昨日は元気に見えたが、食欲がなく
今朝は元気がなかったようで、
また病院で点滴をしにいった。

病院へは、父が連れていってるので、よくわからない。
血液中の数値が低いらしく、点滴をして
もう少し数値があがってきたら
家で食事療法で大丈夫という話しだった。


父が夕方迎えにいくと、犬は父の匂いを嗅ぎ付け、
とても喜んで
家に帰れると思ってか父の姿を見たからか、
興奮したらしく
心臓発作を起こした。

聞いた話なので、詳しくはわからないが、
父も心臓が悪く、発作を見た事があるので
想像はついた。

今日は家に帰れる状態じゃないので、
入院させようという話になり
その事を父より夕方、電話で聞いた。

よくなってくれる、とは思いたかった。

暫くして、父からの電話が鳴り、
同時に父が帰ってきた。


まさかと思った。
そう
祈りは届かなかった。


父は犬を連れて帰ってきた。
息はしてなかったが、
まだ少し、暖かかった。

薄く目は開いているが
私を見てはくれない。
もう尻尾を振ってくれる事はない。


私に電話をかけた後すぐ、
父の元に病院より連絡があったらしい。

また発作が起きてしまったと。

父が慌てて病院へ戻ると、もう意識もなく
心電図の動きも弱く、
そのまま父の前で、息を引き取ったそうだ。


通院も多少負担があったのか
家で元気に見えたのは、最後の力だったのか
内臓はよくなっていたようだが、
心臓もだいぶ弱っていたらしい。
歳のせいもあるだろう、と、医者が言っていたそうだ。

父も心臓がいつ止まるかわからない病なので、
自分の代わりになったのかな、
今日迎えに行かなければよかったのかな、
と、かなり気落ちしている。
父の心臓に、負担がかからないかも、私は心配だ。


もっと可愛がってあげればよかった。
あまりにも急だった。
それとも、
私が気付いてあげられなかっただけだろうか。
もっと早く気付いてあげられていたなら
事態は変わったのだろうか。


今更何を言っても
何を思っても
すべては遅く


止まらない涙は自責の念
降り出した雨は涙雨


天国があるのならば
花畑を思う存分駆け回って欲しい
空にのぼるのならば
雲の合間を泳ぎ、星で遊んで欲しい



アンナ、ごめんね
貴女はこんなにも綺麗で可愛かった。
貴女はとても、愛しい子だった。
私が貴女にできる事は、
もう陳腐な祈りを捧げる事だけ。


 アンナへ

君はお父さんが大好きだったよね
最期に、ちゃんと看取ったと
君は気付いていた?

今日は、家で、ゆっくりおやすみ。
水は、病気のせいで、欲しいというだけあげられなかったけど
もういっぱい好きなだけ飲んでいいからね。

明日か、明後日には、
山の梺におでかけだよ。

あそこには、犬も猫もたくさんいるから、寂しくないよ。
アンナは猫とも、仲良くできるよね。
アンナが家に来る前に旅立った
ノブという名の猫もいる。
蘭丸に似てるから、すぐわかるよ。
ノブに、アンナと仲良くするように、
女の子だから守ってあげるように
御願いしておきます。



失って
はじめて気付く
愛しさ
寂しさ
ともしびは
つるべ落としのごとく

自我の宝物、見誤るなかれ
君がために鐘は鳴り、雨は降る




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