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ラヂオスターの悲劇
トマーシ
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2004年09月30日(木)
ショウケース

台風一過の町をポソポソとバイクで走らせている。まんべんなく、と言うべきか。夏みたいに日差しが強い。ちょうど並木道が両側から覆い被さる阿佐ヶ谷の通りに着いたところ。跳ねっ返りの風がここでは木々の隅々まで震わせる。グイグイ青天井へと気持ちを吸い上げるのだ。比較的低いところを飛んでいる軽飛行機に心を奪われていた。でもその飛行機のエンジン音だって聞こえてくるのだった。全ての音は統べて並べて飾ることができる気がする。こじんまりした人形のショウケースみたいに。濁らず、迷わず、まっすぐに届いてくるように感じた。


2004年09月25日(土)
スカイガーデン

秋が深まるにつれ、物思うところもさまざまだ。思いや気持ちはパラレルに全く違う気配を察したり、あるいは流木みたいに交錯して目まぐるしい。静かに滲みるのは何の澱だろう?気持ちが晴れているのか?曇っているのか?秋は一年通して最も奇妙な均衡の上に攻めぎあっている。僕はそいつを「シバの女王の入城」と呼ぶことにした。意味などまるでないけれど、形容しがたい符合を感じて。


2004年09月10日(金)
いっときの雨、ジョアンのアルバム、いらないもの

 慌しい雨に降られて帰ってきた。随分な雨なので誰にも言葉はない。体はすっかり冷え切ってしまっている。それでまるで昔の造りの納屋の戸を引く気分。随分暗いのでそう感じたのだろう。電気をつけると気分はようやく落ち着いてくる。まだ何か足りない気がするが、それはいたしかたない。誰も彼も出払っているので、アパート全体がすっかり眠りこけているように見える。気も何もなくジョアンのアルバムを聴き始めた。それからごく簡単に部屋の掃除を始めて、なおかつそれはすぐに片付いてしまう。スッキリした気分で何かを書いてみたくてpcを開ける。ところがやはり石みたく押し黙っているので、ただ指を動かしているだけ。ジョアンのアルバムは昔に聞いたより少しだけずれているように感じる。自分にとって必要なものよりいらないものの方がよくよく目につく。目に付いて仕方がない。それから砂漠の話でもまた書いてみたいと思う。砂漠や喉の渇きや直戴的な太陽やクリアーな月の、またそんな気分や・・・ とにかく全てがドッシリとして見えるので動いているものの形や影、そんなものを出来るだけクッキリ見せれるようになりたいと思う。