ナナとワタシ
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お互いが相手に望むものが違うと、 こんなにも疲れてしまうのですね、お互いに。
ナナは期待されることに疲れてしまい、 ワタシは期待することに疲れてしまいました。
期待というのは、「ワタシを好きになってよ」ということに限らず、 ワタシはさまざまなことをナナに押しつけ、 思い通りにならないと「ひどく意地の悪い言葉で」ナナを責めておりました。
らしいです。
らしいです、と、他人事のように言ってますが、 心当たりはあります。 ワタシには大いにそういうところがあります。 好きな人にほど、それをやってしまうのです。
「あたしに対して、じょりぃにとって『ふさわしい』人間であってほしいと思ってるでしょ」
なんて傲慢な態度でしょうワタシ。 でもそうだね。 ワタシはあなたにそういう態度を取っていました。
今のワタシは というか、ワタシは ナナにプラスに働かない。
悲しいしショックですが、たぶんそういうことです。 ナナは「そうじゃない」とは言いましたが、 ワタシがそう感じてしまっては、一緒にはいられません。
「それって脅迫?」とナナ。
そうではないよ。 自分が相手の負担になっていると思いながら一緒にいられないのですよ。 今までだって、さんざん負担になっていたみたいだし。
この話し合いは「ケンカ」という体裁ではまったくなく。 穏やかに、それでもお互いの不満、できることとできないことを 話しまして。
今、詳しく書く気力がまったくないのですが、 セク云々を別にしても、 お互いが相手に求めていることと、 お互いが相手にできることが ほとんど一致しないのでありました。
お互い認め合っていて仲も良いはずなのに、 どうしてこんなことになるのかといえば。
友達としてうまくやっていくためには、 ワタシの恋心と自分勝手さが足を引っ張っているのであります。
そして、こうやって分析して、理屈で考えるところにもナナは辟易しています。 「もっと感情で話をしてほしい」「理屈を言われても、あたしにはわからない」 と、今までも何度も言われておりますが、 それに対するワタシの答は
「それは、できればそうしたいけど、できない」
言葉で武装せずに、素直に感情をぶつける、というのがどういうことなのか、 ワタシにはわからないのであります。 自分では「それができていない」という自覚すらありません。 でも、きょんにもよく言われることですから、できていないんだと思います。 良くも悪くもとても強い感情は持っているのに、 口から出るときはそれは「理路整然としすぎた理屈」になっていて 「言葉として頭には入ってきても、じょりぃの気持ちは伝わってこない」 のだそうです。 そして、その理屈は「あたしを責めている」と感じさせてしまうそうです。
ワタシがナナを責めるようなことを言ってしまうのは、 ワタシがナナに必要以上に期待してしまうからです。 ナナは「友人としての」ワタシを必要としているのに、 ワタシはナナにそれ以上を求めてしまうからです。 電話が来ない、メールが来ない、最近会おうとしてくれないじゃん、その他もろもろ。 ストレートにそんなことは言いませんが。ていうか言えないのですが。 言わないけれど伝わるのです。ワタシの態度などから。 そりゃあナナも疲れるでしょう。 そして、ワタシも疲れます。
期待しなければいいのです。 待たなければいいのです。 今現在のワタシは迷惑なのです。
やっと決心がつきました。 悲しい。
「ワタシ、あなたを好きでなくなるよ」
「それって、キライになるってこと?」とナナ。
そうでなくて。 恋心の部分のみ削除するのだ。
「そんなにうまくいくの? きっと友達としての部分も削除されるよね」
そうかもしれないし、そうでないかもしれない。
「でも、じょりぃにとってはいいことかもね。 きっと新しい未来が開けるんじゃないかな」
正論ですが。 その言い方頭にくるからやめろ。 キミに言われたくないです。
「じゃあなんて言えばいいの?」
ウソでもいいから、さびしがってみれば?
「さびしいというか、せつない。 あたしの気持ちがというより、じょりぃのその選択が」
よくわかんないやそれ。 とにかく、ワタシがあなたを好きだという気持ちがなくなるまで、距離を置かせて。
「会わないの? 電話もしないの?」
うん。
「メールもダメなの?」
・・・・・・どうしよう。
でもやっぱダメ。 来ると思うと待ってしまって、その結果こなければ悲しむから。怒るから。 あなたに迷惑かけるから。 犬のことは、直接きょんとやりとりができるように、携帯番号もメアドも教えておくよ。
「遊びにも行かないの?」
うん。 好きでなくなったらいけるよ。
「・・・さびしいよ」
ありがとう。 つきあいで言ってくれているのだとしても、とても嬉しい。
「なんだか腹立ってきた。 勝手じゃん。頭きた」
うん。ごめん。
「勝手すぎるよ。どうしてそうやって勝手に決めるの。 じょりぃはいつだってそうじゃん」
結局、振り回されてるフリをして、最初から最後まで振り回していたのはワタシのほうだったのです。 勝手だったのもワタシ。 本当にゴメンナサイ。
「・・・ねえ、あたしが連絡しなかったら、ずっと会わないままだったの?」
うん。たぶん。
「ずっと『夢のようなあたし』を好きでいられたのにね」
そうかも。
「連絡しなければよかったね」
そんなことはないよ。それはないよ。 すごく嬉しかったのだ。 それこそ夢のようだったのだ。
「なら、よかった」
ワタシの「好き」という気持ちを受け止めてくれてありがとう。 ワタシが好きでなくなる努力を始めることを認めてくれてありがとう。 最初から最後まで、ものすごく感謝しているのですよ。 再会するまでは、夢の中でも声をかけることすらできなかった。 だから本当に、ここ何年かは、ワタシは夢を見ているよりも幸せだったのですよ。
と言いたいけれど、 これって別れの言葉みたいです。 お別れするためにこうするわけではないし。 でも、感謝していることは伝えたいし。
いろいろと、ありがとう。
と伝えてみたら
「・・・なんか変だよ、それ(笑)」
確かに。 でも、ありがとう。
「どれくらいの期間をみればいいの?」
わからない。
「1年とか?」
わからない。 もしかしたら明日にはもう好きでなくなっているかもしれないし。ははは。 もしかしたら、3年かかるかもしれないし。
「勝手だね」
うん。ゴメンナサイ。 でもこのままだと、お互い本当にうんざりしてしまうと思うよ。
自分で勝手に決めたこととはいえ、どうしようもなく悲しいです。 でもここがまたワタシの愚かなところなんですが、 ナナと会えなくなるということよりも、 今まで大切に大切にしてきたナナへの気持ちを捨てなければならないことが 悲しくてしかたないらしくて、 その自分大事ないやらしさがさらにワタシを悲しくさせます。
「じゃあ、待ってるから。 あたしのこと、好きでなくなったら、ちゃんと連絡くれる?」
うん。 連絡する。
「・・・なんだか変な気持ちだ」
ワタシも。
そのときまで、幸せに健康に暮らしていてください。
「うん。ありがとう。じょりぃもね」
うん。
「じゃあね。 おやすみなさい」
うん。じゃあね。 おやすみ。
***********
「好きでなくなる」なんて、できるかどうかわかりません。 でもとりあえず、せめてナナを「単なる友人」として見られるようになるまで、 ワタシはナナと一切コンタクトを取りません。
皮肉なもので、今まで個人的な接触のなかったナナときょんは、 これからマメにコンタクトを取ることになるでしょう。
悲しいのと自己嫌悪で、胃が突き上げられ、吐き気が止まりません。 一日中、体じゅうがチリチリ痺れます。 この期に及んでやっぱり泣けなかったワタシのかわりに、細胞が静かに泣いているような感じです。 が、ナナに腹を立てているときよりも、自分のこともナナのことも嫌いにならずに済んでいます。
ワタシのひとりよがりで始まった「ナナとワタシ」は、 やっぱりワタシのひとりよがりで強制終了となりました。
追記*******************************
この追記を書いている現在は、2007年6月9日です。 この日記から約2年が経ったわけですね。早いものです。びつくり。
結局今、紆余曲折を経て、この後もナナのことを「なんとも思ってない」だの「他に好きな子できた」だの「でもあなたのことも好き」だのさんざん振り回した挙げ句、「やっぱりナナが好きー」と甘えた状態でなんとなく元に戻っております。 開いた口がふさがりませんが、開けっ放しでも別に困らないのでまあいいいかなとも思ってます。 いちばん開いた口がふさがらないのは、ナナだと思いますが(°▽°)
そんなわけで、日記には既にナナのことも「日記の一部」として書いていたのですが、あらためてゆるゆるとナナワタ復活とさせていただきます。 じょりぃって子はホントにしょーもない子ですね。かわいいかわいい。自分で言っておきます。
2007.6.9
本日夜、きょんとナナが1時間半も電話しておりました。
「ちょっと!あたしのオンナとらないでよ!!」 「何言ってんのよ!勝手につきまとわれてこっちこそ迷惑してんのよ! あたしのオンナと言うからには、もっとしっかりしつけなさいよ!!!」
という会話ならばみなさまに楽しんでいただけたのですが。 日頃ほとんど会話をしないふたりが1時間半も話し込んでいたのは「犬」についてでございました。 もちろん「ナナ=質問者」「きょん=回答者」という組み合わせです。 ワタシは途中、いそいそときょんに水を運んだりしておりました。 蚊帳の外なじょりぃ。 ぽつーーーーん。
**************
昨日、ワタシはナナに「1時間ほど時間を作れないか」とメールで申し入れをいたしました。 話したいことがあったのです。おもにふたつ。 ひとつは、ワタシにとっては大事な話とはいえ、いつものナナワタとは関係のない話なのではしょらせていただくとしてですね。 もうひとつは、ワタシのナナに対する恋の魔法が解けてきた云々を別にして(実際解けたかどうかはまだ不明です)、最近お互いがお互いをあまり大事にしていないのではないか、そしてそれはナゼなのかということを話したかったのでございます。 お互いを大事にといっても、私たちは別に恋人同士ではありませんから。 あくまでも友として、ということですが。
一時は恋愛感情がないとはいえ、お互いがこの関係を大事にしているなとという自負があったのですが。 最近どうも なにか へん。 ワタシに問題があるのかな?という気もしますし、今まで以上にナナがワタシのことをどうでもよくなってしまったのかな?という気もします。 で、「話がしたい」とはいうものの、そんな「実際起きているかいないかすらわからない現象」について、いったいどうやって話をしたらいいものだろう、ナナはなーーーんにも思ってない可能性のほうが大きいし、なんて悩んでおりました。 ナナはなーーーんにも思っていないとしたらそれはそれでワタシにしてみれば深刻な事態なので、つかみどころがないまま、それでもワタシは会って話をして「何か」をつかんでみたかったのでございます。 まあ、相変わらずひとりで相撲を取ろうとしていたと言われればそれまでですが。
「午前中ならいいよ」ということでしたので、10時45分頃にナナ宅へ到着するじょりぃ。 ピンポンを押すと「開いてるから入って」とナナの声。
ワタシの顔を見るなり、質問の嵐でございます。 質問とは、「ねえ、あたしのこと好き?」なんてかわいいものであるはずもなく、犬のことばかりでございます。 じょりぃ、たじたじ。
子犬と遊びながら、ナナの話やら質問やらを聞くじょりぃですが、ホントにまあ、そりゃあすごい勢いで。 「これでいいの?」「こういうときはどうしたらいいの?」「お医者に連れていかないとダメ?」その他もろもろもろもろもろもろもろ。
ワタシ、犬の話をしにきたんじゃないんですが。
が、ナナはもう既に「じょりぃは犬のことで助けにきてくれたんだ!」と思いこんだのか、あるいは自分のことしか見えていないのか(たぶんこっち)、ワタシの思惑など眼中にないまま、犬の世話のしかたについて「どうしようどうしよう」という感じで話し続けます。
犬にとってはよかったですが、アナタ、相変わらず完璧を目指しすぎです。 肩の力を抜け。
そんなにいろいろ訊かれても、ワタシは犬の素人です。
「今日、きょんと電話できるようにするから、そのときに訊いて。ワタシが適当なこと言って、間違えていると困るから」と申し伝えまして。 「うん。わかった。ありがとう」 と言ったあとも、質問責め。
ちょっとうんざり。
悪かったよ。 キミがちゃんと犬の世話しないかもとか、少しのあいだでも思ったりして。 そんなに一生懸命になるとは思わなかったのだ。 謝る。 だから。
だから。
お願い、ワタシの話を聞いて。
と言えないのがこのアタクシ、じょりぃ。
顔だけはにこにこしつつ、だんだんココロがふてくされていきます。
だって。
また犬にオンナ取られてしまいました。
無念。
というフキゲンが蓄積され、ワタシはいぢわるじょりぃに変化していたようです。
「いよいよ仕事しようと思ってたのに、犬から手が離せなくてさー」とナナ。 「仕事する気あったんだ」 「前からそう言ってるでしょ。仕事したいって」 「ふっ。そんなこと言ったってさ しないよ」<強い口調になってしまった
しかもこの「しないよ」、片眉つりあげて、目をくるりんと回転させつつ、首をすくめてイヤミ笑いしながら言っちゃったもんですから。
「・・・何それ。 その言い方」 ナナ、怒りました。 「だって、口ばっかじゃん」にやにや。
ナナの声が大きくなりました。
「あんたムカつきすぎ!!」
ナナに「あんた」と言われてしまいました。
「『あんた』な上に『ムカつきすぎ』ですか」<聞こえるか聞こえないかという声でへらへらしつつ。
が、聞き逃さなかったナナ。
「ホントマジでムカつくよじょりぃ! きょんさんがじょりぃにいつもキレるのも、じょりぃがそうやってムカつくことばかり言うからなんだよ!」 「ワタシが悪いのか」 「そうだよ」 「ワタシってムカつくのか」 「ムカつくよ!」
床にぺたんと体育座りしていたワタシに向かってすたすたと歩いてきたナナ、ワタシを見下ろしながら言いました。
「あたし、本気でムカついたらマジギレするからね。 きょんさんみたいなわけにはいかないから」 「・・・・・・・・・・」 <ナナを見上げながらへらへらと無言じょりぃ。
こわ。
と思いつつ、ワタシはなんだか何かがふっきれてスッキリ。とてもスッキリ。
そうか。
相手にムカついていたのは、ワタシだけではなかったのか。
ナナのこの言いっぷり、何も今の会話に限ったことだけではない、という雰囲気です。 そうだったのか。 あなたも日頃から、ワタシにムカついていたのですね。 ワタシもここしばらく、あなたになんだかムカついていて、電話する気にもなれなかったんですよ。
ああよかった。 なんとなく、お互いを思いやっていない理由がわかりました。 お互いにムカついていたからです。 お互いの性格にムカついていたからです。
ちなみに、今日もワタシは、いくら今犬のことで頭がいっぱいだからって、自分サイドの話しかしないあなたにムカついておりますよ?
この話をきょんに話しましたら 「ナナの気持ちわかるよーーーー」としみじみと。 「ワタシ、そんなにムカつく?」 「うん。ムカつくね。 本気で働く気があったのなら、やっぱそりゃ相当ムカつくだろうよ」 「しかも、このとき、こーゆー表情でワタシセリフ言っちゃったの」 実演。 「あ、それ! じょりぃよくやるんだよその人を小馬鹿にした顔! 殺意すらわくよ、ムカつき通り越して」 「みんな実はワタシにムカついているんだろうか」 「あなた外ヅラはいいから、それはないんじゃないの?」
ということは、ナナもワタシの内ヅラチームに入ってしまったのか。 お気の毒です。
というような、変な具合にスッキリとした事件の後、ナナの怒りも収まり「買い物つきあって」と。 わあい、ショッピング? なーんてことはなく、犬用品の買い物です。 ねえ、おねーさん。 少し違う話しない? 飽きたよ、犬の話。
とも言えず、ふたりでお昼を食べたあと、ペットショップへ。 あれも買った方がいい?これはどうかな?ごはんは変えたほうがいいって言うけど、アイムスとヒルズ、結局どっちがいいの?と、またもや質問責め。
ワタシの答はただひとつ。
「今晩、きょんと話してから、すべてを決めなよ」
で、結局、途中ナナが用事で抜けたとはいえ、4時半頃まで一緒に過ごし、「ムカつく」発言をされたとはいえ、ワタシやっぱナナのこと好きじゃんなんて寝言を思いながら家路についたわけです。 とはいえ、萌えは一度も起こりませんでしたが、 やっぱり何かの機能が不全になっているのかもしれませんワタシ。
で、冒頭の電話になるわけです。 きょんとの電話が終わったら、少しナナと話をして、「もうちょっとお互いワガママをなくそうじゃないか」みたいな話をしたいなと思いつつ、きょんとナナの電話の様子を仕事をしながら見守っておりました。1時間半。
が。
ナナ、訊きたいことを聞き終わったら、あっさりそのままきょんと電話を終了してしまいました。
どすこいっ。
って、ワタシまたひとり相撲? ナナにとって大事なのは、犬のことだけだったのでございます。
萎え。
超萎え。
テンション、ふたたび急降下。 もういいや。 このままワタシのテンションが回復するまでムリしないでいようっと。
はー。 がっかり。
とはいえ。
ナナの微に入り細に渡る質問に(ホントに細かいんですよー)、丁寧に的確に答えるきょんの様子に、「さすがプロ」とすっかり見直しきょんに満足できた、という収穫はございました。
きょん。 ワガママ娘に1時間半もつきあってくれてありがとう。(きょんも「教えたい欲求」を満足させることができたので、双方にとって有意義だったのでしょうけど)
そしてナナ。
あんた、ムカつきすぎ。
ワタシがマジギレしたら、キミなんて一瞬で泣かせてしまうのだよ。
そのあと、ワタシが一生口をきいてもらえなくなるんでしょうけど。 一瞬で一生を棒に振るわけにいきませんので、どう転んでもやっぱりワタシが分が悪いのでございます。 ああ、悔しい。
とにかく、しばらくは距離を置こう。そうしようっと。
本日午前9時45分頃。 タバコが切れたワタシは、自転車に乗ってコンビニへ。 10時の映画を見るとナナが言っておりましたから、今頃はもう映画館の駐車場に入って るわけないか。 駆け込みだろうな相変わらず。
なんて思っておりました。
そしたら11時頃にナナから電話。
「もしもし・・・」
声がおどおどしております。 それはワタシの係です。取るな。
「どしたの?」
ていうか、キミ今映画見てるはずじゃないの? ナンバーディスプレイは、ナナの自宅番号であります。
「子犬って、どうしたらいい?」 「は?」 「パパがもらって帰ってきちゃったの。トイプードル」 「あなた、犬は飼わないって言ってたじゃない」 「そうなんだけど。 ゆうべパパから『もらってもいい?』って電話が来て、『ダメ』って言ったのに、 ちゃっかり持って帰ってきちゃったんだもん」
ここで一気にフキゲンになるワタシ。
これからフキゲンの理由をくどくどと述べさせていただきます。
まず、これはワタシの偏見と偏屈も多分にあるのですが。
ワタシは流行の純血種を飼いたがる人が嫌いです。 確かミニチュアダックスが流行っていたころ、パパは「ミニチュアダックス飼いたい」と言ってませんでしたか?
賭けてもいい。 これが雑種だったら、パパは絶対貰ってこなかったはず。 そこがもうなんともイヤ。フキゲン。 こういうスノッブな人を好きになって結婚して一緒に生活しているナナに対しても嫌悪感が生じます。 すごく飛躍しすぎですが。 しかも何を偉そうにお前何様だよじょりぃ様です。
さらに。
アホなパパ(ああ、今までガマンしていたのに、ついに言ってしまった)の言うことをそのまま聞くアホなナナがイヤ。 このあいだまで、「世話が大変だから飼わない」って言ってたじゃん。
ナナが承諾した理由もわかってます。
末子ちゃんが小学校に上がって、少し手が離れたのでさびしいのですよ。 そーゆーことに依存する姿勢がイヤ。 手が離れたらアレもやりたいコレもやりたいなはずじゃなかったの? 結局自分を縛るものがほしいのですね。自立しろ自立。 ということでフキゲン。
「世話できるの?(冷笑)」とワタシ。 「しなきゃならないでしょうね」 「室内で飼えるの?」 「この犬種ならそうせざるをえないよね」
今までさんざんウチに対して「よく犬と一緒の空間で生活できるね」とバカにしていた人のセリフです。 と、ワタシもイヤミなことこの上ないですが。 室内で飼わなきゃ飼わないで、もっと怒るわけですが。
「朝晩の散歩は誰がするのさ」 パパにさせろパパに。 「それは子供達がするって約束したよ」
賭けてもいい。
その約束は破られる。 子供とはそういうものですし、ましてやキミの子だ。 さらに言えばパパの子だ。 って言い過ぎですよじょりぃ。
「パパにめんどう見させろよ」 <命令形になってるし 「見るって言ってるけど。 ゆうべもパパが一緒に寝てたよ」
一緒のふとんで、じゃないだろうな。(それをしてはいけないのです) ていうか、それって「めんどう見てる」ってことなの? 今かわいがりたいからかわいがってる風にしか思えませんが。 生まれたばかりのトイプードルなんて、そりゃあかわいいに決まってますからね。
「ふっ」 <すごいイヤな笑い方をするワタシ 「生後四〜五十日でさ。どうしたらいいかわからなくて電話しちゃった」 「ワタシに訊かれてもわからない。きょんのいる時でないと」 「そうか」
もう、このときのワタシの声の不機嫌なことといったら。 なんだか知りませんが、腹が立って腹が立ってしかたがなかったのですよ。 パパに腹を立てていたのですが、そうなると自然にナナにも腹が立つのであります。 おまけに、前日の映画の件も引きずっておりました。 そしてワタシは現在生理前ときたもんだ。
非常に冷たい態度で最低限のことだけ答え、早々に電話を切ったあとに、でもわからないまま飼われてしまったら、犬がかわいそうだなと反省。 ネットで犬の飼い方を調べ、プリントアウトし、ナナへファックスすることに。
これからファックス送るよ、とナナに電話をかけようとしたら、既に話し中。
ああそうですか。 ワタシでは埒があかなかったので、誰か他の人に電話して教えてもらっているわけですね。
と勝手に考え、さらに腹を立てるワタシ。 (そもそもの最初から、ワタシがもっとやさしく、知っていることを教えてればいいだけの話なんですが)
しかしまあ、しばらく時間を置いた後、「これだけは読んでおいて」と電話。 ナナもおとなしく「わかった。ありがとう」と。 低姿勢です。
ワタシって、いつもは常に常にへらへらしておりますので。 たまにフキゲンモードに入ると、ものすごい威圧感を与えてしまうらしく。 きょんなんて、ワタシがこのモードに入ると、言われなくても茶碗洗ったり掃除を始めたりするほどです。あのきょんが。 今回、それがナナにも適用されたらしいです。 これがワタシの真の姿なのだよナナ。 キライになってくれたまえ。
きょんが仕事から帰ってきてから、事の次第を報告。 きょんは知り合いが犬を飼うということになると、仕事がらか、非常に厳しいことを言ってたいてい嫌われます。 ワタシもいつもは「せっかくかわいがろうと思っている人に、ああいう言い方はないのではないか。その人の考えや飼い方を否定するような話し方はよくない」ときょんに説教する側なのですが、今回はワタシが逆上していたせいか、きょんが落ち着いていて、「まあまあ」と。
「いいじゃん。トイプードル、かわいいよー(にこにこにこー)」 いや、そういう問題ではなくて。 「トイプードルがイヤなわけじゃないよ! パパとナナがイヤなの!」 「まあね。でもそんなの、何を今さら(笑)。 そんなことよりさ、生後四〜五十日というのが気になるよ。 通常、六十日までは母犬と一緒にいさせないと、性格や行動に問題のある子になりがちなんだよね。 できればいったん返したほうがいいんだけど」 「・・・教えてあげたほうがいいの?」 「まあ、できればね。 それに、うるせーぞー、トイプードル」 「なんだかとてもおとなしい子だと言っていたよ」 「じゃあ当たりじゃん。具合が悪いのでなければね。 性格のいい子なのかもね。なおさらかわいいだろうなーー(にこにこにこー)」<犬バカ
でもわざわざ言うのも余計なお世話という気もするしな。 昼の電話でも、否定的なことを言いまくっていたワタシですし。 どうしよう。 でもまだ小さいうちに、末子ちゃんあたりに好き放題やられて性格がゆがんでしまってもかわいそうです。
ということで、ナナに電話。 末子ちゃんが出ました。
「じょりぃちゃんだよー」 「あ! じょりぃちゃん? あのねー、うち、犬がいるのー」
幸せそうな末子ちゃんの声。
「そーう。 かわいい?」 「うん! あのねー、黒くてもこもこしててねー、すごーくかわいい」 「そう。よかったねえ。 ねえ、ママいる?」 「ママね、今、お店行ってるの」 「そうか」 「帰ってきたら電話するように言うね?」 「うん、ありがとう。じゃあね」
留守か。
その後、きょんはダンスのレッスンに出掛け。 ワタシは自分の夕飯を買いにコンビニへ。 コンビニを出て車に乗ったところで、さきほどの電話での末子ちゃんの嬉しそうな様子やら、がんばって世話をしようとしているであろうナナのことやらが頭に浮かび、生後60日云々のことは言わなくてもいいんじゃないかという気もしてくるじょりぃ。 犬のことを考えればいったん返してあげたほうがいいのですが、ワタシ、きょんと違って日頃そこまで犬に対してきっちりなわけじゃないしなぁ。
ということで、ナナにメール。
さっき電話したら末子ちゃんが「電話るすように言うね」と言ってくれたんだけど、しなくて大丈夫です。
人んちのことだし。 ワタシには関係ないし。<荒んでます
夜の12時を過ぎて、ナナからメール。
夕方の用事ってなんだったの?
めんどくせえ。 なんて返信しよう。 これこれこういうわけで伝えようと思ったけど、余計なことかなと思ってやめた。 と最初は送ろうと思ったのですが、伝えておきながら「やめた」という報告もなんだか矛盾しています。 なら最初から言うなよ、あるいは言えよ、という感じです。
さんざん悩んで、でも時間をおかずに返信。
犬のこと。 生後何日って言ったっけ?
返事なし。
頭に来た。 一昨日の映画のときも確か、返事来なかったんだよな。
頭に来た。
1時間後、ナナへメール。
返事くれなくていいです。
自分が困ったときだけ連絡よこしやがって。 やっとハッキリわかりました。自分の置かれている立場が。
もう永遠に返事くれなくていいよ。
何もやる気が起きないのです。
実際はあれもこれもしているんですが。 元気ナッシングなワタシ。
あ、心配しないでくださいね。 放置してください放置。
********
夜、ナナからメール。
あさって、映画行こうと思ってるんだけど、予定空いてる? 空いてるはずはないだろうけど。
・・・これって誘ってくれてるんですよね。
しかし、今までのように「空いてる空いてる空いてる!」と、たとえ空いていなくても大はしゃぎしちゃうワタシではなく。
なっちゃんが来る1時前に戻れるなら、ぜひ行きたいな。 ・・・難しいかなあ。
仕事優先。
朝イチのなら大丈夫なんじゃない。
ちょっと調べてみるね。
ネットでちまちま調べまして。 「映画タイトル(時間と場所)(ワタシが見たいか見たくないか)」という一覧をちまちまと送りました。 ワタシの希望の時間帯に見られるものだけ。
返事がないまま、翌朝。 ていうか、調べたんだから返事寄こせよゴルァ。
仕事の予定が立たなくて困るので、朝からナナにメール。
映画、(一緒に行くか行かないかも含めて)どうするか決まったら、 なるべく早く連絡ください。 時間やらなにやらで、一人の方がいいやということだったら、気を使わないでね。
けっこうすぐに返事が来ました。
○○○で「ザ・インタープリター」が10時からあるじゃん。 それに行く。 時間が間に合うなら一緒に行く?
・・・・・なにこれ。
「ザ・インタープリター」は、ナナの好きなショーン・ペンが出ている映画です。
ワタシ、てっきり、最近元気ないワタシを気にかけて誘ってくれているのかなと早合点していたのですが。 単に自分が映画見たかっただけか。 しかも、自分の見たい映画を。
なーーーーーんだ。
ガッカリしましたが、これは今までのガッカリとは少々感じが違います。 今までのガッカリには、過剰な悲しみが含まれておりましたが、今回はそれはゼロ。 ホントにワタシのことなんてどうでもいいんだな、というよりも、自分のことばっかだねキミって、というガッカリ。 (そういうワタシも自分のことばかり考えているのは言わずもがなですが)
「それに行く」って何よ。その、ひとりで決定ぶり。 「それに行かない?」ではないわけですよ。ワタシも細かいですが。ええ、今、生理前なんですよ。
行きたくない。 別に会いたくない。 ナナといるならひとりでいたい。
念のため「ザ・インタープリター」の時間を調べましたら、終わるのは1時過ぎです。 よかった。断る口実ができた。
時間合わないや。いってらっしゃい。
ナナからその後の返信はナシ。
現在のワタシは、恋愛機能が低下中です。 特にナナに対して。 こんなこと、はじめてのことです。 どうしちゃったのでしょうワタシ。
理由が「ナナが最近太ってきたから」だったらどうしよう。 どうしようって、自分のことなのにどうしようもクソもないんですが。 ていうか、それが理由ではありません。それはわかっています。(でも潜在的な理由がそれだったらどうしよう)(<アホかワタシ)
ナナ。 このままではキミ、ワタシを失ってしまいますよ。 慌てたまえ。 とはいえ、慌ててしつこくされたらうんざりですが。
と、それこそ「ひとりで勝手に何言ってんの?」的な発言で、今日の暗い日記を締めさせていただこうと思います。 全部生理前のせいですきっと。 こんなときもあるのでしょう、脳がめでたいワタシにも。
先日ナナの家へ遊びに行ったときのこと。
次女ちゃんが「じょりぃちゃん、あのさー・・・」と、ワタシに話しかけてきました。
「ん? なあに?」 「ううん。 やっぱなんでもない(笑)」 「?(°▽°)」
またしばらくして
「ねえ、じょりぃちゃん」と次女ちゃん。 「なあに?」 「・・・あー、でもなー、やっぱなー・・・」 「なんだよーう。何か言いたいことがあるんでしょ?」 「どうしよう、ママー」
ここで次女ちゃん、ナナに助けを求めます。
「何がどうしようなの?(笑)」とナナ。 「だってさー、じょりぃちゃんに言いたいんだけどー・・・ じょりぃちゃん、きっと傷つくよね?」
え。
な、なんの話だろ。
「なんの話かな」
平静を装っていても、ビミョーにうわずるじょりぃ。 あのことかな。 それともあのことかな。 と、子供相手に自分の弱みをアレコレと頭の中であげつらうじょりぃ。
「きっと傷つくよー」 「ママはじょりぃちゃん、傷つかないと思うよー」とナナ。
ナナが傷つかないと言うなら、きっとワタシへのダメージのない話でしょう。 ほっ。
なんだろうな、この次女ちゃんのためらい。 そして、カラダがクネクネしてるところを見ると、恥ずかしい話なのかもしれません。
なんだろな。 なんだろな。 なんだr
あ。 わかった。
「じょりぃちゃん、次女ちゃんがなんの話をしたいかわかったよ」 「うそーーー!(笑)」 「たぶん当たってると思う」 「えーーーー」 「ふうん。 そうなんだー。へーーーーー」 「えーー? なになになにーー? 教えてー」
立場が逆転しました。
さんざんもったいぶったあと、みんなからちょっと離れたところに次女ちゃんを手招きして、次女ちゃんに内緒話。
「彼氏ができたんでしょ」
「なんでわかったのーーーー!」
大当たり('-^v)
そのあと、彼氏(というか、まだ6年生だしボーイフレンド?)の写真を見せてもらったり、「ライバルがいて、そいつがうぜーんだよ」とかいうリアルな話を聞いたりして楽しみました。
「じょりぃちゃんが初めて彼氏できたのも6年生のときだったよ」 彼氏っつってもボーイフレンドですが。 「うそ! どっちからコクったの」 「向こう」 「どういう子?」 「次女ちゃんの彼に似てる。かわいい感じでやさしい子だったなあ。今頃どうしてるだろ」
細くて色が白くていつもにこにこしてて無口な少年でした。
「どうして別れたの?」 すごい質問ですね。 「ワタシが転校しちゃったから会わなくなったんだよ」 「ふうん」
でも次女ちゃん。
どうしてワタシが傷つくと思ったの?
そのあと見せて貰った次女ちゃんの写真が、すごく大人びていて、ワタシには次女ちゃんとわからなくてビックリ。
「ママに似てきたねえ」とワタシ。しみじみと。 「えー! やだー!」 「どーしてー」 「顔ならいいけどさ、カラダはヤダ」
あはははははは。そんな急に30代のカラダにはならないから大丈夫だよ。
「ママに似てるけど、ママより美人だね」 「うふふふ。そーお?」 「でもこんな大人びちゃって・・・なんだかさびしいなあ。 どんどんオトナになっていってしまうんだね。 初めて会ったときはあんなに小さかったのに」
ああ。
こういう風に傷つくと思ったのか。
でも次女ちゃん、これは「傷つく」というのとはまたちょっと違う感情なのですよ。 「おセンチ」というヤツです。
ちなみに「パパには絶対言わないでね。ヤキモチやいて拗ねまくるから」だそうです。
「じょりぃちゃんはそのうち男の子になるから、バレンタインのチョコあげる」と言っていた2年前の次女ちゃん。
まさか、その線で「傷つく」と思っていたわけではないよね? まさかね。 勘弁して。
来年の今頃は、たぶんワタシより背が高くなってるんだろうな。 そういえばもうずいぶん前から次女ちゃんを抱っこしなくなったんだよなぁ。 子供って大きくなっちゃってつまんないなあ。
と、パパはワタシの10000倍くらい思っていることでしょう。 かわいそうなパパ。 このあいだはパパの冗談があまりにもつまらなくてワタシも思わず冷たくしてしまったし。あらあら。
| 2005年06月04日(土) |
低いテンションにはゲジゲジが効きます |
本日、ひっくーーーーーいテンションで、ナナ家に遊びに行きました。 だりーなー、キャンセルしちゃおうかなー、というくらいのアレなテンションだったのですが、本日の訪問の目的は「次女ちゃんが買ってきてくれた修学旅行のおみやげをいただきに行くこと」であります。 子供のココロを傷つけるようなことはしたくありません。 というわけで、のそのそと出掛けてまいりました。
夜の8時15分にナナ宅に到着。 インターホンを押すと、いつもなら次女ちゃんか末子ちゃんが張り切ってインターホンから歓迎の言葉を述べてくれ、玄関を開けてケラケラ笑っているはずなのですが、インターホンの返事もないまま、玄関の扉越しに「どうぞ、開いてるよ」とナナの声。
「どうも、こんばんは。おじゃまします」とワタシ。 「どうぞ。わざわざ来てくれてありがとう」 「いや、こちらこそ、どうも」
と挨拶しながら視線を足下に移すと、ささっ と、素早い動きで物体が通り過ぎ、靴の影に隠れました。
「何かいる」とワタシ。 「何かって?」 「わかんない。 けど、動きの素早い虫だ」 「ああ。 きっとゲジゲジだね」
ゲジゲジ!!!! って、正確にはゲジって言うんですね。どうして繰り返すのかしら。確かに雰囲気は出ますけど。
って、そんなこたあどうでもいいんです。
ワタシは足の多い虫が大の苦手なんですよ! クモキライ! ムカデキライ! ゲジゲジだって大嫌い!!
「ゲジゲジ?!」 「うん。今年、多いんだよね」 「え! やだな! 怖いな!」
帰りに靴の中とかに入ってたら、気絶してしまいますよ?
ナナは先ほど逃げたゲジゲジを探して、靴を移動しています。
「何をする気?」と、臆病なじょりぃ。 「殺す」 「え!」 「あ、いた」 「うわああああああああああああ」 「何? 怖いの?」 「うん。怖い怖い怖い怖い」 「(嘲笑)」
最初はほうきで外に掃き出そうとしていたナナですが、ゲジゲジの素早い動きと細いカラダには敵わず。 そうこうしている間に、ゲジゲジはワタシの方へ向かってきます。 きゃああああああああああ。
「こ、こっち来ちゃうよ! 助けてっ」 <情けないです
ナナ、無言で長女ちゃんの靴を手に取り、
バシッ
空振り。
「待て!」とワタシ。 「なに?」 この忙しいときに話しかけるんじゃねえよ的なナナ。 「そ、それで潰す気ですか?」 「そうだよ」
バシッ
ヒット。
「うわ」 <じょりぃ。 って、注釈いらなそうですが。
死体がまた怖いの。 怖くて見られないの。
そのまま靴でゲジゲジを外に掃き出すナナ。
「あ、見て。 残った足だけ動いてる」とナナ。 「うわわわわわわ。見られないよそんなのー」 どこまでも情けないじょりぃ。
作業が一段落して。
「・・・・キミ、強いなっ」 「このくらい普通でしょ」 「キミ、怖いなっ」 「(嘲笑)弱すぎ」 もちろん、ワタシのことですよね、それ。
大変低いテンションでナナ宅に来たワタシでしたが、なぜかこのとき性的に興奮してしまいました。
不良に囲まれていたところを颯爽と現れて不良どもを成敗してくれた学園のヒーローにぽーっとなるような現象に襲われたのかもしれませんなんてことではもちろんないとは思いますが。
話は変わりますが。
ナナったら、太りました。 さてはワタシに嫌われようとしていますね? なんだなんだ困ったな。 あと2キロ太ったら圏外になりますよ?
なんて言いながら。
やはり太ると胸が大きくなるんですね。 その点では非常にウハウハでございました。(ワタシも単純ねえ) おまけに本日、ナナ様のご衣装は、胸に深めのスリットの入ったカットソー。
なんか、見えそうなんですけど・・・。 ていうか、見る気になれば、絶対見えるなこりゃ。
子供たちいるので、まったくチラ見もできなかったんですが。
そして。 今日のナナはワタシに対して、いつもよりもサービス精神が旺盛です。 旺盛と言っても、うふんなポーズやあはんな会話をしてくれるわけではもちろんありませんが。 ワタシのテンションがここのところ低めなのを察知しているのか(昨日もサウナのお誘いを断ったし)、いつもよりもワタシの周辺にいてくれます。 ワタシと末子ちゃんの「学校ごっこ」をずーっとそばで見ていて(そんなこと今までなかったし)、いちいち「きゃはははは」と笑ってます。 テレビを見ているときなども、なんだかこっち見てる気がすると思ってナナを見ると、ホントにそのたびに見てるんですよ! (いつもは「こっち見てる気がする」と思ってナナを見ると、たいてい顔や体だけこっち向いてて、視線は全然違うところを見てるんですが) 子供と遊んでいても、ふと気づけば見られています。
た、たまにはつれなくすると、こんな風に気にしてもらえるのかもしれません。 良いことを知りました。 あるいはワタシの顔にゲジゲジでもついていたのでしょうか。 だとしたら気絶です。
途中、長女ちゃんが「なんだかビミョーにお腹すいた」と言い出しまして。 ナナと長女ちゃんでおやつでも買ってきましょうということになり、「じょりぃは?何がほしい?」と訊かれ。 別に何も食べたくなかったワタシは「いらない」と答え、次女ちゃんとお留守番。(パパと末子ちゃんはもう寝てました)
ふたりが帰ってきて、「はい、これ、じょりぃに」とナナ。 まあ、ワタシにも買ってきてくれたのですか。 みんなはデザート買ってるのに、ワタシにはチョコラBBのいちばん高いドリンク剤を。
なんか、疲れた顔してたのかしらワタシ。 それで心配してワタシの顔見てたのかしらナナ。 なーんだ。 わはははははははははは(乾)
帰りにナナと一緒に玄関から出まして。 そのときに何か降ってきました。
「雨?」とワタシ。 「降ってないよ」とナナ。
「じゃ、ゲジゲジだ! ゲジゲジが降ってきたんだよ! 異常発生してるんでしょ?!」 マジメに取り乱すワタシ。 「ゲジゲジが降ってくるかよ(醒)。落ち着けよ」
きっと今頃ナナは、つかれきった顔でテンションが低くて末子先生に怒られっぱなしでゲジゲジごときを心底怖がるワタシのことを、母性本能全開で「じょりぃったらかわいい☆」と思っているに違いありません。
「あたし、母性本能って皆無」
何年か前にナナが言った言葉はとりあえず記憶から削除しておきます。
ナナはパトリシア・コーンウェル著の「検死官シリーズ」を、おもにワタシから借りて読みます。 なぜ読むかと言えば、ワタシがすすめたからであります。 なぜすすめたかと言えば、当時まだカミングアウトしていなかったワタシとしては、主人公ケイの姪「ルーシー」に対する感想を訊きたかったからです。 なぜそんな感想を訊きたかったかと言えば、ルーシーはレズビアンだからです。
つまんない理由。
そのほかに、もちろん「おもしろいから」ということもありましたけれど。 でも最近、どうもイマイチ感が強いです、ワタシ的には。
さて、ここまでが伏線その1です。
上記のような流れがあり、ちょっと前にサウナに一緒に行くことになったとき「『黒蠅』持ってきてね」と頼まれたのでした。 「黒蠅」は、ワタシが持っている中ではもっとも新しいものです。(実はワタシはまだ読んでいません)
確か上下巻であったはずなのに、上巻しか見つからず。 あれ? そういえば、なっちゃんが先に読んで「イマイチだったー」と言っていたから、まずは上巻しか買わなかったのだろうか。 思い出せませんが。 うっかりどこかにやってしまった、ということもワタシなら十分考えられますし。
で、上巻だけ持ってサウナへ。 ナナに手渡しながら「下巻が見つからない。探しておく」と伝えますと、 「また上下巻かよー」となぜかイヤな顔を。 イヤなら読まなきゃいいのに。わけわかりません。
ここまでが伏線その2です。
その2日後くらいにナナからメールが。
コーンウェルの「業火」と「警告」と「審問(上下)」ってじょりぃから借りてないよね? ちなみにシリーズの最初から「私刑」まではもう返してあるよね? それで「接触」と「黒蠅(上)」を借りてたのだよね? 忘れてると思うけど。 めんどくさい作業だけど、どうか思いだしてください。
変なメール。
わかった。でも今外にいるから、家に帰って本棚を確認してみないとわからないよ。 待てる?
うん。全然待てる。後でもいいよ。ありがとう。
で、そんなこと、ワタシは忘れておったですよ。 それよりも「早く『黒蠅』の下巻を探して貸してあげないと、上巻読み終わっちゃったらかわいそう」ということのほうが気になっておりました。勝手に。
そして、「近いウチに届けてさしあげよう」と勝手に予定し、勝手に下巻を新たに購入していたじょりぃでありました。
ここまでが伏線その3です。
さて、そして今日。 いよいよ本題です。すみませんねえ伏線ばっかりで。
本日ワタシは会議でとなりのとなりのとなりの市まで出かけておりました。遠かったです。 帰りにナナの家の近くを通るので、ついでにお届けしよう、と勝手に思っておりました。 いないならいないでいいや。ポストに入れておこう。 読みたい本がいつまでも読めないのって、なんだかジリジリしちゃいますものね。 ああ、やさしいな、ワタシ。
会議に出かける前にナナの家に電話。
留守。
いいや。会議終わってからまたかけてみよう。 携帯まで追いかけて話す用事でもないですし。
そして会議が終わり、ナナに電話。
あ、今度はいました。
「あの、今会議で○○市に来てるんだけどさ、帰り道にあなたの家の近く通るから、 黒蠅をお届けしますけど。あの、そっちの都合が良ければだけど」 「あ・・・・。うん。 何時頃?」
なんか迷惑そう?
この時点でワタシの心は勝手に塞ぎます。 ここのところまったくもって放っておかれていたので、そもそもちょっぴり腐ってはいたのですが。 だからといって自分からは電話しない、ナナに対してはすっかり気の小さいじょりぃ。
「1時間後くらいかな」 「 もしかしたら、ちょうどその時間に出かけてるかも」 「ああ、ならいいよ。 本が貸せてなくて気になっていただけだったから。じゃあポストに入れておくね」 「や、それが、ええと 下巻はパパの会社から借りて読んじゃった」
なにーーーーーーーーーーーーー!?
「え! そうなの?」 「ゴメン」
買っちゃったのに! 勝手に。
「言ってくれよーー」 はっ。男言葉になってるワタシ。 怒っているのかしら。 「ゴメンゴメン。 ・・・ところで、どの本があたしから返ってきてないか調べてくれた?」
知らねえよ!
なんだい、自分のことばっかり。(それはワタシか)
「調べてない」 「めんどうなこと頼んで申し訳ないんだけど、調べてもらえないかな。 本棚見ればわかるんでしょ?」 「わかるけど。 そもそも、なんでそんなちまちましたこと知りたいのさ」 「ええと。(<言いづらそう) パパの会社からも借りていたので、どちらに何を返すべきかわからなくなってしまったのでした」
知らねえよ!
「ふうん」 「ゴメンナサイ」 「調べておくよ」 ウソ。調べません。勝手に困りやがれ。 「スミマセーン」 「・・・じゃあ、用事はなくなったし、寄らずに帰るから時間気にしないで出かけてください」
ちょっととげとげしい言い方になってるかもワタシ。
「うん・・・・ねえ、今週の土日って忙しいの?」 「今のところ予定はないけど」 「次女ちゃんがね、修学旅行のおみやげ、じょりぃにも買ってきたの。それ渡したいんだけど」
次女ちゃんが修学旅行! 初めて会ったときは2年生だったのになあ。 ワタシにもおみやげ買ってきてくれたの? 嬉しいなあ。
と思う余裕もそのときにはなく。
「そう」 <ビミョウに礼儀知らず 「土曜日どうかな? じょりぃが家に来るのでも、ウチがじょりぃんちに行くのでもいいんだけど」
「あたしが」でなく「ウチが」ということは・・・?
「みんなで来るの?」 「うん」 「ワタシがそちらにうかがいます」 子供らも一緒に来られちゃめんどくさいです。 「わかった」 「明るいうちは無理だよ。仕事あるし。夜でもいい?」 「土曜日なら、次の日休みだから、大丈夫だよ」 「わかった。じゃあ、土曜日にうかがいます」 「うん。じゃあね」
終了。
今までなら、仕事休んでも早い時間から遊びに行ったんですが。 放置されすぎなせいで、ナナへのテンションがかなり下がっているワタシ。 今ちょっと他に心配事があるせいで、そのことに対するやつあたりもあったかもしれません。
とにかく。
電話を切った後、ワタシったらなぜか腹が立っちゃって腹が立っちゃって。 今考えてみれば、まったくもってワタシが腹を立てる理由ってないんですけれど。 そのときは「ナナなんて大嫌い!」という気持ちでございました。(生理前でもないのにな)
何がいちばん腹が立ったって、「下巻買っちゃったよ!バカだな自分!!」ということ。 ていうか言えよ! こっちはずっと心配してたんだよ!(勝手に)
あーーーーーーーおもしろくなーーーーい。
土曜日もキャンセルしちゃおうかな。 次女ちゃんには悪いですけど。 ワタシも何かと忙しいですし。 別に無理して会ってくれなくてもいいですよーーてなもんです。 うん、土曜はキャンセルしよう。 ナナのこともきっともうあんまり好きじゃないんだワタシ。 あーよかった。 へっ。 ザマミロ。<誰に言っているのでしょうかワタシ
ナナの家に寄る用事がなくなったので、別の懸案に時間を割かねばと、道を変更しまして。 しばらくぶぶーーーーーーんと車を走らせておりましたら、携帯電話が鳴りました。 ナナからです。
「もしもし?」<低い声なワタシ 「ね。 今どこ?」 「は?」 「あのね、出かけなくてよくなったの。 ねえ、もうウチのそば通り越しちゃった?」 「ていうか、他に寄るとこあるので、道を外れてしまった」 「じゃ、もうウチに寄れない?」 「うん。無理だね」<ぷんすかしながら
そうしたら、ナナ、
「なーんだ」
と、すごーーーーーく拗ねた声を出しまして。
騙されちゃいけない。 これはナナの手です。 ワタシがぷんすかしていたことは、カンの良いナナなら絶対わかっていたはずです。 ちょっとゴキゲンとっておかなくちゃマズイよな、と思ったに違いありません。 だから、この拗ね声は、計算ずくの声なのです。 わかってるんです。 わかってるんですが。
めろめろめろ〜〜〜〜ん。
じょりぃ、ゴキゲン復活。
「ならしかたないね。ゴメンね、今頃こんな電話して」とナナ。 「いや、あの、わざわざどうもありがとうございます」 <車の中でお辞儀しながら。 「じゃあ、土曜日にね」 「うん。ありがとう」 ぺこぺこ。 「気をつけてね」 「うん。あの、どうもありがとう」 ぺこぺこ。
「ありがとう」を覚えたての九官鳥じょりぃですカァカァ。 と言いたくなるほどのこの語彙の少なさはいったいなんという会話でしょうか。
用事を済ませて家に着き、まず最初に本棚に向かい、検死官シリーズのチェックをし、 いそいそとメールするワタシは本当に愚者です。グシャ。
とはいえ。
今現在、ナナへのテンションは、確実に低下中でございます。 最近低下中なことが多いなー。 そろそろ潮時なのか? って、なんの潮時だ?
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