- 2004年11月30日(火) 巣
不可抗力なんだから。 仕方ないよな。 未だ、心の中がうまく整理できぬまま帰路についた。 富山1630発、ANA888便。 思えば事故に遭って帰ってきたときもこの飛行機だったっけ。
あっという間に空高く飛び立つと窓の下に、あのクレーン船が見えた。 日本海が時化る前に、船籍港へ帰っていくのだろう。 造船所に残された船体がちっぽけに見えて、そして消えた。
空はみるみるうちに日が暮れていく。 水平線から白色、橙色、水色、青色、紺色と続くグラデーション。 暗黒の地表に光が輝いている。
輝く町の光。 そしてそれらを繋ぐ無数の線状の光。 なんだか蜘蛛の巣に似ていた。 やがて、一面光の海になって。 羽田空港に到着。
色々あったけど、家に帰って布団の上に転がったら。 帰ってきて良かったな、と思った。 嫁さんにキスを迫られて、した。
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