絵画制作日誌    Diary INDEXBACKNEXTHOME GALLERY


隠れたところにヤツラはいる         2004年03月29日(月)

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隠れたところにヤツラはいる・描きだし 隠れたところにヤツラはいる・描きだし

これは30号なのだけれど、
確かにこういう描き手順をしてれば
作業は早いし、全然大きさを感じないわね。

試しに人を入れてみる。
最初は線だけの漫画絵だけれど、
おそらくモデリングせずにはいられない。

隠れたところにヤツラはいる・描きだし
今後どうなっていくのかな。
森芳雄の絵が頭にちらついたり。

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エスキース エスキース エスキース

この程度のメモ描きは短時間でどんどんできるから、
言葉と、絵と、
かわりばんこに登って来る。

by HPY


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言葉からくるイメージ         2004年03月26日(金)

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コンクールはちょっとした衝撃だったな。
入選すれば賞が欲しい、賞を取ればトップ賞が欲しい、と
いったところ。深層本音。

わたしはあの絵は自分で大好きだけれど、
一応どうして賞がとれなかったのかについて、
アトリエの人と考えてみたりした。
まぁ確かに、賞をもらうような絵ではないよね。

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絵についてタイプを以下のように分けてみる。

  1. 現実にある景色を切り取ったような絵。写真的な。
  2. 現実にはない景色をあるように見せかけた絵。写真的な。
  3. 現実にある景色を主観やイメージで再構成した絵。
  4. 現実にない景色をイメージ主体でつくりあげた絵。

絵の良し悪しは別として、今の時代は2〜4のタイプだよね。
わたしはあんまり好きじゃない、好きじゃなかったけど、
自分はどうも古典趣味すぎるかもしれない。
ぬぐえない異質感。
友人はそれが良かったと言ってくれたけれど、
人との接点がもう少し欲しいと思った。

花かんざし 拾った花 拾った花

言葉からなる連想ゲーム。
感情移入する絵。
哀しみ。
喜び。
さわやかな。

どうも単純すぎる。

拾った花 らくがき 拾った花

隠れたところにヤツらはいる。
日々、人の心を慰める。

いつのまにか枯れてしまう。
見るのは今だけで。

一輪の花。

手を添える。
人が見ている。

見る人がほっとするような。

エスキース エスキース

歴史本で読んだ混沌とした世の中の、
不安な世相、
泥棒被害にあった今、まさに肌で感じてる。

大事なものを盗まれて、
未だ見ぬ世界に憧れて。

まだ残る大事なものは、
大事じゃなくなったらそのときは、
自分が消えるのと似てる。

エスキース エスキース

隠れたところにヤツらはいる。
日々、人の心をなぐさめる。

言葉の連なりから視覚イメージを引き出す遊び。

by HPY


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忘れていた芽吹き、殴り描き         2004年03月25日(木)

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雪山の芽吹き雪山の芽吹き

あまりの気落ちに忘れていたけれど、そうそう、
雪山で芽吹きを描いたんだよね。

教室でみんなといたら、元気になった。
だからというわけでもないけれど、
いきなりインクでぐいぐい線描き。
クレヨンで色をつけ出す。

ヘンな絵

by HPY


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波乱づくし         2004年03月22日(月)

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例のコンクール出品作品は無事入選。
あぁ、よかった。今日から会期なので
興味のある方はどうぞ見てやって下さいね。(^^)

◆朝日アートギャラリー
 第10回オランダ紀行 朝日チューリップ展
2004年3月22日(月)〜3月28日(日)午前11時〜午後6時30分
東京都中央区銀座4-101 朝日アートギャラリー
(有楽町駅下車徒歩1分)
地図http://plaza28.mbn.or.jp/~it/ta.html

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搬入と卒園式が重なって、実は確定申告もまだだし、
かなり無理してたというか、
からだがついていかないというか。
3月は2回も38℃以上熱を出してしまった。(@_@)

いつもいいことがあると、どこかで同じくらい
悪いことがあるんじゃないかと思ってしまう。
どちらかというと先に悪いことの方がいいんだけれど。

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ここらでひとつ息抜きと、卒園祝いの意味も兼ねて、
ちょっと群馬の方に旅行に行った。
親戚宅以外の場所に泊まるのは初めてで、
子供は期待で胸一杯。

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雪山は綺麗だった。
こどもスキー教室で練習している間、
森に入ってスケッチをする。

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パソコン関係の最悪トラブルがあって、もう泣きそう…
…というか、泣いちゃった。

しばらくしてお茶を飲んで、
自分は誰かを殺したわけでもないし、
車で人傷事故起こしたわけでもない、
家族も健在、大事な人もいるんだから、
こんなことで落ち込んではいられない、
逃げずに、気持ちを強く持たねばと、
林郁夫のドラマ「告白」のシーンを思い出したりした。

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部屋が汚い。
完全に綺麗な部屋を夢見て、
掃除をせねばと思うけれど、
疲れたときはミスも多いし体もキツイ、
ここはひとつ、無理をしないで休みましょう。

by HPY


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雑草的愛らしさ。受付番号195番。         2004年03月15日(月)

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最近とみに描きたいものは、
何気なく踏みつぶしそうになる小さな雑草や、
それぞれの家の人が大事にしているんだろう、
玄関先でよく見かける植木たち。
ちょうど春だし、固いつぼみがほころんでステキ。

なんども手折ってしまおうかと思うけど、
そのときその瞬間、その光での君が好きなのに、
手折ったそばから失われていくのは目に見えている。

せめてものの慰みに、写真を撮ってみる。
小さすぎる雑草は、ピントさえ合わず、
うまく撮れてもその姿は全く別物。
震えるような水と光は、自分の心に蘇らない。

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材木屋さんを探していたら花屋があって、
小さい鉢植えを買ってみる。
長く生きてくれるといいなと思う。

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花かんざし・描きだし 花かんざし・ペン

鉛筆で軽くデッサンをとって、
インクで明暗をいつもよりツメる。
その後着彩の下素描としてのペンタッチを。
ペンは最終的には消えてしまうので
少し強めにとる。

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卓上の丸い皿、ポリクローマ・完成

結果から言うと、この絵はやっつけ仕事にならずに
最後まで熱意を持って辿り着いた。
花よりも、皿が丸くならずに苦労したな。

日が迫っていたので、もう絶対失敗できないと
緊張で手や足がぶるぶる震えた。
最後の6時間。「6時間でできなければいつやるんだ」と
センセの渇を思い出す。

金曜日に完成、土曜は卒園式と学童説明会に出席、
日曜日に搬入。受付番号は195番だった。

by HPY


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線で埋めつくそうとする。オーバーヒート注意。         2004年03月10日(水)

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卓上の円い皿、ポリクローマ・部分

背景をツメる。ベタではなくて油彩で 細かいハッチング。
赤い線、青い線、暗い線、赤茶の線、
うねるようにに走らせてると、
いかにも自分らしくて醍醐味、快感。

卓上の円い皿、ポリクローマ

夕方子供の歯医者でノッてたけど中断。
明日は仕事で、土曜は卒園式。
搬入は日曜日だから、空いている日はあと一日。

やっつけ仕事になるのか、
時間さえ充分あれば満足いくものができるのか。

この絵がどうなるかまだ微妙すぎるけれど、
昨日は久しぶりに一日まとまった時間がとれて、
絵を描いてる気分をたくさん味わえてシアワセだった。

明日からいきなり風邪をひいて寝込んだり、
テンパりすぎて寝不足になったりするのだけは
避けなければね。

by HPY


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卓上の円い皿、ポリクローマ(ツヅキ)         2004年03月09日(火)

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卓上の円い皿、ポリクローマ

どこから詰めていくか迷うが、
手始めは背景の赤を押さえるところから。

うっかりすると単純に油彩層をがばーっと平塗りしてしまう。
ここはちょっと気持ちを抑えて、
素描に邪魔な余分な絵の具をなるべくつけないよう
注意深く細い筆で描写する。

油彩層を塗り10分くらい待ち、
生乾きのうちにテンペラが乗せろと
技法書にはあったと思うのだが、
これってひび割れない??

油層が乾くに連れて広がり、
テンペラ層が逆に縮むわけだから
なんかそれが原因でぴしぴし割れるような気がする。

テーブル面に施したコバルトバイオレットライトを
軽くはがしてからテンペラを塗る。
今日はテンペラメインの作業。

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花の周りは強調するために
結果縁取りのような輪郭線が表れる。
量感あり色面あり線描ありで、結構面白いかも。

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皿を直し、今度こそ円くなったかしら?
ここは相当な白を乗せる。

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全体に白っぽいがこれは一応計画通り。
明日、この白地に油層色を重ねる予定。

by HPY


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可憐なポリクローマ         2004年03月08日(月)

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卓上の皿、ポリクローマ

花を描写するよりも、周りをどうするかで
時間がかかる。背景の方が広いからね。
こうしてみると花はほとんどいじってないのに、
背景を赤くしただけで相当印象が変わってくる。
赤は計画通りだけれど、もう少し色味を抑えたい。

下に散らばる花びらたちの描写をする。
ペン描写はテーブル色を塗るときに
相当塗りつぶされていたので、
白と中間色(暗)で掘り起こす。

ペン素描の意味はあったのかしら。
この細い線素描でなく、例えば筆でとれるなら
もうちょっと描画スピードがあがるのに。
いやいや、表に出るものだけが全てじゃないから、
絵の具の下に隠れても、素描は生きてるはず。うん。

テーブル色を暗めにして、
白い花、暗い背景と、
明暗構図をもう少しはっきりさせよう。
皿はまだいびつなので、
がんばって丸くしよう。

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花の名前が分かったのでこちらも記録。
ポリクローマ(チューリップ)。原種系。
一重咲き。ベースは白色で中心部は黄色。
草丈は低く、花びらはやや大きめ。

by HPY


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卓上の皿に入ったチューリップ(続き)         2004年03月05日(金)

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卓上の皿、チューリップ

透明色部分は絵の具層が薄いので、
いったん白の混ざった絵の具をのせて
厚さを調整する。
特にバック。ただ真っ黒に模様が…もなんなので、
チューリップの上に向かう三角、
背景の下に向かう三角と、類似型を持ってくる。

例の一日一素描でやったように、
ここから暗部にちょっぴり油彩をほどこす予定。
この時点で最初のペン素描は
完全に覆い被さり見えなくなる。皿も少し形を直す。

by HPY


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冷蔵庫快調、色並べ実験         2004年03月04日(木)

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花・続き

例の絵にテンペラ白をかける。
小さな無音冷蔵庫を買い、右の手元に置いてあるので
テンペラ絵の具はいい状態で取り出せる。

道具と言えば、パレットも変えた。
100円ショップの使い捨てパレット、
軽い気持ちで買ったけど、
絵の具を入れる穴の深さ大きさがちょうどいい。
軽いのは難だけど、横に何枚も置けるから
絵の具皿としても混ぜ皿としてもいい感じ。

いらついていた青は、結局、
プルシャンを薄めたり白を入れたりすることで解決した。
欲しかった色は、こんな色。

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ヨハネス・イッテンの展覧会には行けなくて本当に残念。
改めて「色彩論」を眺めてみる。
それで気負わないでもっと楽しく
色彩配置の勉強をする方法はないかなぁと、
抽象日記がてらに考える。
絵画教室のみんなとも考えてみたい。

色並べ・構成

by HPY


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さよならだけが人生か         2004年03月02日(火)

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舞台のはじまり

駒場で演劇の最終日公演を観た。
20人くらいしか入れない、小さな劇場。
早めに行ったので1番に入場し、
久しぶりに現代音楽を聴きながら、暗い中
ひとりで開演を待つ。
誰もいない、開演を待つ時間さえ楽しい。
舞台装置は何もなく、ただ照明が後ろからぼーっと光る。
この影はわたし。

昔「さよならだけが人生か」という舞台を見て、
えらく印象に残っているが、今回のもまた
忘れられない記憶となるだろう。
舞台装置はほとんどなく、役者の動きと音響だけで、
ここは海となり、古い家屋となり、
学校、堤防、路地、公園、
黒子は犬であり鳥であり虫であり内なる声であり
いろいろな景色を見る。

はじけるように飛び出した彼女、
人の顔をこんなに暗い背景のスポットライトで、
喜怒哀楽つぶさに間近で見ることができるなんて
嬉しすぎる!!! 一心に脳内カメラをまわす。

最後にひとつだけ舞台装置が。
それは机。
舞台後、感想を記入するフリをして、
美しい机を記憶に留めるようメモをとる。

舞台の終わり

◆参考リンク

東京公演は終了し、3月18日から大阪公演。
文学的な、苦悩、解決せずに続く日常、
でも観劇後はなぜかすがすがしかった。

by HPY


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ホウボウして         2004年03月01日(月)

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新緑

週末は熱を出した。
ま、とりたてて騒ぐほどでもないが、
いつもの通り、テンパって来るとひく風邪ってヤツ。
今回はのどが腫れて痛くて
全然ツバが飲み込めなかったので、
夜中に何度も起きてうがいをする。
こりゃ痰取りの介護人って大変だなぁと、
重病人の日常を思いめぐらしつつも、
数日であっさり帰ってくる。

熱が冷めて床から出ると、
日付が分からなくて、
綿密だった計画をくつがえされ、
口惜しいというよりは拍子抜け。
本当にコンクールに間に合うのかなぁ!!

久しぶりに行ったアトリエには
何故か誰もいなくって、
オークションで買った、無音冷蔵庫を
宅急便屋さんがホウボウして届けてくれた。

前回のジェルの上にテンペラなしで油彩を。
透明色が、水彩で描く時と同じように重なる。
少し剥がして、色とマチエールを楽しむ。

by HPY


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