絵画制作日誌    Diary INDEXBACKNEXTHOME GALLERY


板に布張り&石膏塗り〜手がかゆい         2001年09月20日(木)

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午前2時。雨が降っている。

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今朝は本当に仕事のトラブルで焦った。でも、一応社長さんがうまく繕ってくれて何とかなったらしい。万が一やばくなったら、個人事業主(今、バイトでも社員でもないから)の私と取引停止を先方に伝えるから、という感じ。良かった。(^^;

ミスでの責任って、自分のならいいし、人や部下のも構わない。自分がやるのはまぁいい。でも、自分のせいで誰かが尻拭いするのを見るのは結構ツライものだ。

今日、明日と引き続き同じ仕事。3連ちゃん。でも、もうドジったりしない。

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デジクリのメルマガに、アマでうまい人はたくさんいるけれど、「クライアントの意向をくみ取り、締め切りをきちんと守る」というのがプロだ、と言っていて共感。デザイナーの話だけれど。適当にいいとか言われるけれど私が絵で食っていけないのはこの辺だろう。(^^; あと、プロは描く量も違うよね。

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◆今日の作業

石膏塗り。板7枚。片手間にできる、なんて思ったけれど、やっぱり時間との戦いだったよ。膠を湯煎するのだけれど、どんどん冷えて固まって来ちゃうから、急いで塗らなきゃ。途中で何かに熱中するともう忘れちゃうから、タイマーかけといた。火。

いつもスパゲティを茹でているシチュー鍋にタオルを引いて湯を入れて、湯煎している。もう画材と料理道具の区別がつかないよ。洗えばいいだろうって、家族はやっぱりイヤかなぁ。(ぽりぽり)


◆処方箋
 7%の膠水 1容量
 硫酸カルシウム(二水石膏) 1容量
 チタン白 1容量
 水 1容量

今回は200ccで。ビーカーで計る。

膠水に石膏とチタン白を静かに振り入れる。私はケーキ振るいの、手動でしゃかしゃかするヤツを使っている。ダマが全部除去されて良いのだよ。
気泡ができないように混ぜる。これもケーキ・クリーム用のゴムへらを使っている。100円ショップで手頃なのがあるのだよ。安いよなぁ。ああ、これがデフレってやつですか?
最後に水を入れる。おっと膠水を湯煎するときは沸騰しないようにくれぐれも注意!定着力がなくなるんだよね。

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◆布張り&石膏塗り

技法書にあった処方箋はもっと薄い。それでもう少し水を加える。
薄い石膏を先に板に塗り、それから寒冷紗を張るのはいい。気泡もできずらいし、板に浸透しているので、布も張りやすい。端を切って乾かす。乾いたら裏。裏は真ん中が空いてしまうのだが、そこにもあて布をして石膏を塗る。板は薄くても、裏表同じように塗布すれば、反りを減らすことができる。


布張りの時、手で押さえたり、ふき取ったりしながら作業を進めていたら、腕や手のひらがかゆくなってしまった。うーん。一応人体無害なはずなのだが、ちょっと敏感肌のようだ。膠がかゆいのか、石膏がかゆいのか。

ふとみるとゴムべら。
これをケーキにクリームを塗る容量で、柔らかく板になでつけると、ちょうど指でサイドの余った石膏をふき取るように角がぴしっとする。指にはかなわないさ、そりゃ。でもなかなかいいぞ。木べらよりいい。木べらは固くて好きじゃない。

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7枚布張りする途中で布がなくなった。

夕方、寒冷紗か綿布を求めて近所の安売り店へ。うーん、安くはないなぁ。
寒冷紗下さい、と言っても、若い店員さんは露骨に「はぁ?」という顔をしていた。
「なんでも昔は蚊帳の原料にしていたらしいんですけれど・・・」と言ったら、もっと変な顔された。知らないよね、寒冷紗。

後で相棒に聞いたら「あぁ、ガーゼのような感じで、荒くて固い布でしょ」。う〜〜〜ん、表現が的確。どうも工芸用品らしい。相棒も昔何か作ったときに利用したんだって。何を作ったのかは聞いたけれど忘れちゃった。

やっぱ、画材店で買うのが一番安いや。バイクで40分。
明日朝一で飛ばすか。

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お隣に食事時に行ったら、お義父さんがもう板を用意してくれた。それもたくさん!15枚くらいある。感動。早い!綺麗!本当に合板作ったんだろうか?市販とは違う感じだから作ったのかも。すげー。感動した。


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◆参考サイト
日刊デジクリ 9月19日号
 デジクリトーク デザイナーのアイデンティティ? 

by HPY


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ああ、やばすぎる〜〜〜         2001年09月19日(水)

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ああ、やべぇ〜〜。
久々の仕事でミスをしてしまった。慣れているからいつものように緊張しながら広報の仕事をした。が、朝結果を確認したら、他物件と入り交じって関係ない人にまでDMが行ったのが分かった。顔から血の気がさーっと引くってこういう感じかよ。。うわぁ。

至急会社に電話して、取締役に連絡して一応報告は終わったけれど、後がコワイ。朝からもう・・・。(T▽T)

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◆昨日の作業

前膠を塗る。7%溶液に水を同量追加し、3%溶液にしてから。
久しぶりに電熱器を出したが、どうも壊れているらしい。
大鍋にお湯を沸かして、下にタオルを引き、その中に膠溶液を入れて湯煎。
膠溶液は大量に作って冷蔵庫で保管してある。他のWebサイトによると、この状態で1〜2週間ほど持つらしい。モノが腐るのは水分のせいなんだよね。卵溶液もある技法書によると、冷蔵庫保管で半年持つらしいが、顔料と水を混ぜてしまうと1週間程度しか持たない。

よく「画鋲を裏から指して少し浮かす」と言われるけれど、画鋲がないので、コップを下に置いた。うん、この方が良いかも。画鋲だと机との空きがなさすぎて、結局新聞紙に垂れた膠液がつながったりするんだよね。

裏面も塗るが、その前に良く乾かす。
これは1日仕事ではなくて、何かの片手間にちょっとずつ作業していくと良いだろうな。
1層目、3%溶液を裏表サイドに塗り乾いたら、7%溶液で改めて塗る。下層が薄いのは、油の原理と同じか。

今日はいよいよ石膏塗り。技法書見たら、「寒冷紗を膠で張り付けてから石膏塗る」のではなくて、「石膏塗った上に寒冷紗を張り付ける」とあった。工夫しているなぁ。上から石膏を繊維の間に詰めるより、下から押さえて石膏が繊維の隙間から出てくる方がうまくできそうだ。

それは夜やろうと思っていた作業だが、会社から回ってきた仕事、チビを寝かせる等、不覚にも寝てしまった。あぁ、いつものことだ。
睡眠時間だけはたっぷりだな、このごろの私。

木材の方はお義父さんにお願いしたので、そのうちできあがるだろう。なんかね、注文するんではなくて、「余っている薄いベニヤを張り付けて作ってやるよー」なんて言っていたらしい。

ベニヤを作る〜〜〜?v(@▽@)v
やっぱ職人さんは考えることが違う。余計手間かかると思うんだけれど、今暇だからいいのかな。

4号、6号、12号サイズを切って貰う為に、簡単な切断図を書く。電卓で一生懸命計算したよ。

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今日こそは、描写の丁寧な下絵を描こうと思っていたのだけれど、仕事が心配だと何も見えないよ。さっきベランダの木(気に入っているのがたくさんある)見てたけれど、全然心に入っていかなかったものね。

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あ〜あ。やばすぎ。最悪、社長さん辞めちゃうかも、だって。(T▽T)

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保育園に送りに行く途中、チビに話しかけて気が付いた。「あぁ、もうどうしようーーー!」なんて言っていても、何にもならない。とりあえずどうするか。これは今の私では判断尽きかねるし、謝罪する、クビになる、ぐらいにしか私にはできないだろう。ていうか、社長さんクビにするなら、先にミスした社員クビにしてくれ。(あ、もう社員じゃないんだけれど)。
悩んでるよりも今できる作業をした方が良いな。

チビの前では、あんまり否定的な考えを露出したくない。口癖もすぐマネするし。影響大きそうだからなぁ。でもいないところでは溜息。ふーーっ。

by HPY


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二水石膏〜買って失敗か(^^;         2001年09月18日(火)

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うーん、ちょっと失敗したか。

何かの拍子に二水石膏という表記がWebにあり、わざわざ二水石膏を画材店で買った。一応、ボローニャとの差を画材店には問い合わせた。ボローニャは天然で、二水は合成。キメが細かい。粒が不揃いなボローニャの方が良い、というのも知っていた。でも、きちんと調べると、キメが細かい分支持体としては余裕がないというか、割れやすいんだそうだ。ちょっとまずいかな、という気持ちになっている。どうしよう、2kgも買っちゃった。ま、しょうがないか。金欠だし。(^^; ボローニャと二水、値段が倍くらい違うのよね。定価では、ボローニャ1kg/3,000円、二水1kg/1,500円。最初から2kg買うつもりだった。6,000円は今の私にはツライじゃないの。

と、まぁこんな経過で。なにしろたくさん描くが目標だから。(全然描いていないけれど)。とにかく夜中だがいそいそと前膠の準備をしている。

資料がないので、全てWebで調べる。何しろ、支持体作りは1年に1度くらいしかしないので(1年分まとめて作る)、その都度忘れちゃうんだよね。情けない。
せめてこの日記には記録しておこう。うん。記録って大事だなぁ。

◆支持体
用意したモノ。シナベニヤ、パーティクルボード。計7枚。
残りは明日、お義父さんに頼んで取引先の材木屋さんに注文しよう。
最小サイズが900×1800だって。うは。
どうも絵画の規格サイズと、木材の規格サイズがあわないんだよね。たくさん切らなきゃじゃん。ま、お義父さんは機械で切ってくれるからいいけれど。私が鋸持ったら1日かかっても切れないだろうけれど、職人さんなら1時間で切ってくれるだろう。

◆膠の用意。
100円ショップで買った容器に、1.5Lに、7%溶液を作る。
1Lに対し、膠70gの計算。前膠はこれを半分に薄めて塗るらしい。


◆参考サイト
古典画法・テンペラ教室
 http://www.hat.hi-ho.ne.jp/tomoyoshi/tenpane.htm

テンペラの材料
 http://www.artnavi.ne.jp/enogu_museum/b-1-6-0.htm

私の板テンペラによるイコン制作の方法 (1)
http://www.kcat.zaq.ne.jp/aaalk308/sei1.htm

三浦明範・静物画講座 4.支持体とプレパレーション(1)―材料―
 http://www.koalanet.ne.jp/%7Emiura-a/lecture04.htm

by HPY


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焦りと愚痴ばっかり         2001年09月17日(月)

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情けなくて泣きそう。(^^;

今日もロクに制作ができませんでした。しょんぼり。
なんか、スケッチブックに水彩描いても面白くなくて。水彩とテンペラ、よく似ていますが違うんですね。水彩で描くと、ぼやぼや〜っとしてしまいます。平凡。どこかで見たような風景。テンペラで描くと、きりっと重ねていく感じが好きです。絵の具に表現が左右されるのですが、本当にテンペラばっかりやっていたら、モノの見方まで大きな影響を受けています。


それで、テンペラは板に描きたい。板を用意しなければいけない。鋸で引くのが面倒くさい。お店でカットして貰うと高い。下の工場(お義父さんの家具工場)で注文&カットして貰えると良いのですが。今度頼もう。サイズをきちんと調べなければ。

サイズは適当で良いのですが、それだと完成したときに額の問題があります。特注になっちゃうんですね。額も作ればいいのですが。
ちなみに作ったことはあります。すごく時間がかかった。
本屋に「失われていく手仕事」という題名で職人が消えつつある、という本がありました。うんうん。なんかそんな感じ。安さにはかなわないのか。


昨日の「新日曜美術館」は雪舟特集でしたね。雪舟好きなんです。よくは知らないのですが、一度偶然雪舟の絵を見て、たまげた。天才だわこりゃって。ターナーよりも200年ぐらい前なのかな、なんか小さい絵ですがすごかった。東京の小さな美術館にありました。


やっぱすごいよね。絵描く人って。自分は全然ろくすっぽ描けない・描かないで、足元すくわれる思いです。あほだなぁ。今日は焦りと愚痴ばっかりでした。ちゃんちゃん。

by HPY


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台風、成長、伐採の危機         2001年09月15日(土)

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雑木林ここ数日間雨が多くて、雑木林に行っていなかった。台風の影響が凄まじい。枝は折れ、遊歩道には落ち葉が散乱している。

昨日、ベンチの傍の実の付いた草を描いていた。
今朝、ボランティアのお掃除部隊らしき人とすれ違う。あぁ、案の定、ベンチの傍は綺麗に片づけられ、私が描いていた草もなくなっていたよ。(T_T)

台風と言えば、うちのベランダの腐葉土が入った黒いビニール袋の前に生えていた雑草。制作途中で台風に根こそぎやられてしおれてしまった。
その後、完全に死んだわけではなく、下の方の何枚かの葉が復活。ちょっと一安心というか感動した。


それにしても、植物を描くと言うことは時間との戦いなんだなぁ。何回も何回も再認識。台風しかり、成長もするし、伐採も。


チビと1日遊んでいたら、脳味噌とろけそう。


お金がなくなってきたので、継続的なバイトを考えている。画材店で募集が出ていた。東京の本店で結婚前にもバイトしたことがある。条件は私にしては申し分なく、時給も良いし、時間も短い。でも、週5なんでそれなりに影響は大きいだろう。環境の変化が何もかも良い方向に行けばいいんだけれど。週5、土日どちらか含む、正月休みなし。膝も痛いし、夕食の支度を手伝わないで子供だけ押しつけていると、またお義母さんの負担が大きくなるし。でもお金は欲しいし。あと、会社辞め状態から9ヶ月、あまりにも他人がいない生活なので、外界と接したいという気持ちもある。

ずーっと悩んでいる。

by HPY


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膝と机         2001年09月13日(木)

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まだまだ本調子じゃないので、簡単に。

膝が痛いので母から借りた「ひざの痛みを治す」(大森薫雄:著)を読んだ。副題が「中高年者、登山・スポーツ愛好家に贈る」とある。それに違わず、痛みを和らげつつ登山や趣味を楽しみましょう、という医者からのアドバイス本。母らしい(笑い)。なんかね、膝が痛くて通院して、登山無理と言われるともう通院しなくなっちゃったり、楽しみを奪われて落胆したりする方が多いそうで。そうかもね。
イスに座って足をあげ、筋肉つけにゃ。


実家には大きな机があった。自分用にも学習机があったし、父の書斎の大きな机が好きだった。実家も引っ越してその机は置いていったけれど、小さいながら机はある。でも、一人暮らしするようになってから、とんと机とは無縁。でも机必須なのに、四畳半暮らしだから大きな机は入れられない。昔、鉛筆画やペン画を多く描いたのは、単に机があったからかもしれない。イーゼルはやっぱり安定悪くて、面相使っているときは特にいらつくんだよね。


7月の個展に向けての期間、床に正座か横座り、前のめりになるような姿勢を長時間していた。おまけに外にほとんど出ないし。あんまりそういう姿勢はよくないだろう、と仕方がないので大型のちゃぶ台(?)はしまい込んだ。また机がなくなった。イーゼルはイヤなのに。雑木林でも直座りでなくて、イスと座布団持っていかないとツライなぁ。最近雨が多いのであんまり行かないのだが。

大きくてどっしりとした机が欲しいもんだ。

by HPY


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ゲーム〜あまりにもお気楽ぶり・・・         2001年09月07日(金)

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木曜、金曜と父母会広報9月号を作成していました。
なんか微妙な余白の処理が気になって、何回も描き直すはめに。難しいですね、デザイン。もっともライティングもやっていたのですが。文字の方は適当に。

今週始め、また続きやってしまった。
やっていたのはスーファミのゲーム、ファイアーエムブレム〜紋章の謎です。
1部と2部とあって、1部は先週終え、これで満足・・のはずなのですが、今週は2部をやってしまいました。むずい。
1990年のファミコンゲームで、スーファミにリメイクされたものです。
Yahoo!オークションで攻略本買ってしまいました。とてもマニアックで楽しい。でも、身の破滅かも。2kgくら痩せてしまいました。何故かというと、メシも食わずに徹夜でやってしまうので。

会社に行っていたときもそうなのです。メシを食わない。特に昼・夜抜き。
あんまり体にいい事じゃないと思いますが、そのくらい集中していた時間がある、ということがすごい。怠け者の私にさ。
どうして絵ではそこまで集中できないんでしょうね。
会社に行っていたとき、丸3ヶ月ほどそういう状態が続き、さすがに身心ともにへとへとで疲れ切ってしまいましたが、絵でもそういう状態になりたいものです。

雑木林にはせっせせっせと通っています。が、アップできるような絵はありません。行ってぼーっとしているだけ。後はバイクに乗って、その辺を走っています。全く気楽なものです。道に迷うのですが、バイクだとどこまでも迷ってしまい、先に先にと行ってしまうので。

私は今、千葉県の東京寄りに住んでます。選挙では東京都民と呼ばれるそうです。
以前住んでいたところ(練馬、池袋、目黒)に比べると、まぁのんびりしていますが、思ったより自然はありません。ベッドタウンにふさわしく、家ばっかり。道は車だらけ。狭いのにトラックびゅんびゅん飛ばしています。道路をバイクで走っていると、本当にガソリン臭いです。空気の悪さに頭が痛くなってきます。でも、車に乗って排気ガスを吸わずにまき散らすよりも、バイクで被害にあいながらまき散らす方がいいかな、なんておかしな事思っています。

雑木林もかなり涼しくなってきました。くわがたの頭だけ、というのを見つけました。体は誰かに食われちまったようです。トンボがとてもたくさんいました。スケッチしてくれよーと言わんばかりに、じっと佇んでいるのですが、もっと近づかないとよく見えないよのね。


今日は部屋の大掃除をしようと思います。相棒の誕生日なのですが、何か欲しいものはあるか、と尋ねたら「掃除チケット50回券」なぞと言われてしまいました。子供のお手伝いチケットですね。これで主婦といえるのか(苦笑)。


後、テンペラ絵を描こうにも、もう支持体が一つもないので、大量に支持体作りをしたいものです。シナベニヤは何枚か用意しました。住んでるところの下が家具工場なので、余ったものを頂きました。今まで額の事を考えて、規格サイズにしていましたが、もし額を考えなければ細長い板に描きたいです。木の肖像画を描くなら、縦長の画面が描きやすいでしょう。

始めるには膠を水につけて豊潤させておかなければなりません。それから膠止め、布張り、石膏地という作業にかかります。これ、以前やったときも1週間くらいかかったんだよなぁ。真夏日の間に済ませておくべきでした。いつもいつも手順が悪い。それというのも、気持ちが乗るまでは何もできないという、性格の甘さがいけないのですが、それをいつも治そう、治そうとしていて破綻して失敗する。うまく気持ちを乗せる方法を編み出したいところ。


ま、こんな感じです。あまりにお気楽ぶりに呆れています。世の中不況だというのに、何も分かっちゃいないですね。これでも1年前はWebショップのコンサルティングもどきをしていたのですが、変われば変わるものです。

by HPY


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美術館はしご         2001年09月01日(土)

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久しぶりに日記を書く。
ま、過去の分もおいおい思い出したときに書くとして。
一言で言うと、今週前半はゲームに心を食われておりました。でも面白かった。(^^;ゲームのオープニングで、古代紋様の絵巻物のような絵が出てくるのですが、なんとなく感動して。リアルに描く→次段階は紋様や様式化なのかなぁ、なんて思ったりして。
後半は保育園のバザーポスター描きです。ポスターだけなら私が適当にパソで作成してコピーでいいのですが、できるだけ多くの父母の手を関わらせたいという意向がありましたので、ぬり絵バージョンを作成。具体的なものを描くと、塗る色が決まっちゃうので、三角をちりばめた抽象的な構成にした。きっとみんな一様には塗れないだろう。ふっふっふ。どんな風に塗られるか楽しみだ。

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土曜日は美術館に行きました。
日記サイト関係で知り合った、はんなさんのご好意で、芸大「油画を読む」展のチケットを頂きました。

まず、久しぶりに芸大行った感想。
正門が綺麗になっていて、芸大美術館もめちゃくちゃ綺麗に新築されていてびっくり!でもどこから入るのか分からなくて、ぐるっと一周してしまいました。これは私だけではなくて、他にも迷い込んだ人が何人かいた模様。

◆油画を読む。
うーん、作品は今イチ面白みには欠けたかもなぁ。
技法研究としては面白かったです。
明治時代の旧派、割と好きなんですけれど、当時キャンバスは高かったのか貴重品だったのか、みなさん何度も下の絵を消して上に描き足していく。赤外線で見ると、下の絵が少し分かる、というものですが、下の絵が乾かないうちに上に絵を描いてしまったりすると、後ほど剥離・ひび割れの原因となることを実証していました。

技法研究の中で耐久度実験は特に私には分からない。
過去の画家の技法を研究して、今の状態をチェックすると、使ってはイケナイ技法などももっとよく分かって2の足踏まないように気をつけることができるかもしれません。

そういうことで、技法的な学習は、
・下層部が乾いてから上層部に塗る。
・黒を使うときは特に注意。
・地塗りの重要さをおろそかにしない。

うん。基本再認識。
絵で好きだったのは山本芳翠。薄塗り・厚塗りどちらも。マチエールが美しく。画面の破損もない。洒落ている。

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上野でせっかくだから、都美館巡りをすることに。

◆院展
初めて見ました。最初の印象は、「レベル高ぇーーー」(@▽@)
次の感想は、「絵って何だろう・・(落ち込みバージョン)」
でも、何回もB1から2Fまで行ったり来たりしているうちに、なんかびびんないでもう少し面白い事を見つけました。
最近の日本画は、レリーフがはやっているのかしら?形に沿ってもりあげているものが目立ちました。例えば河原の石ころとか植物の葉とか。さながらローレリーフみたい。

「油画〜」で、油彩画壇で失ったものは風俗画かもしれないなぁ、と思っていましたが、ありましたありました。日々の日常風景を切り取ったような絵がたくさん。それはそれで面白かったです。私も日常風景を切り取ったような世界が好きなので。手放しで共感することはできませんでしたが。

いろいろいいな、と思う人がいましたが、伝統的な日本画は一枚だけ。
斎藤満栄さんの「香夢」。一番素敵でした。美しい。絵はがき買っちゃいました。

あと、気に入った方はたくさんいたので、メモしてきました。ついでに写真も。
2F
13室
 赤田美砂緒 ...庭園で赤い服・後ろ姿の少年の絵
15室
 平子真理 ...弓を持ち馬に乗る若武者。逆光で顔が見えないのがいい。
 国生直樹 ...白い雪(砂?)に足跡
11室
 桝田隆一 ...とうもろこし畑。勢い良く線を引く。(千葉県の人)
 
3F
17室
 牧野環 ...赤い造船
 桜井征信 ...河原の石と木
19室
 劉(?読み方分からじ) ...はすの花と光る水面
20室
 相澤豊治 ...冬の雪が舞って寒そうな田園風景
 山村典子 ...京風長屋に着物の子供が2人。白い風景。
 佐藤孝 ...都市の橋の下。わずかな光。
22室
 塚本敏清 ...すすき野。ピンとたったすすきが綺麗。
 早川貴子 ...かくれんぼ。傘と子供、小犬。

1F
5室
 角田信四郎 ...オレンジ色の花が
 斎藤満栄 ...伝統的な日本画を感じさせる。白い背景に白い花。たっぷり塗った花箇所のマチエールがめちゃ綺麗。

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足が痛いので、もうひとつだけ見ようと思う。二科展、主体展、行動展どれをみようか迷うけれど、入り口付近のリアルな絵が見たくなったので主体展にした。

主体展は油絵。日本画とは大分趣が違う。日本画が現実風景描写から始まるのに対して、好き勝手やってる感じ。自由だがその分作品レベルは院展に負ける感じ。どちらが良いかは知らない。日本画はどれも同じような感じでもあった。でも好き勝手に夢を描いても、実はどれもどこかで見たことあるようなイメージ。

1F
 寿永雅章 野原の絵
 これは結構面白かった。横長。三つ葉のクローバーがびっしり生えた野原の遠景に、女性と子供。技法的に何の絵の具を使っているか分からない。油絵の具じゃないと思う。テンペラ?アクリル?顔料の粒が見えたのでテンペラかもしれないが、もしかして岩絵の具だったりして・・・。うーん。画面はベニヤに綿布らしい。ベニヤは薄く、額縁も手製だが、下に紫の布を張り、その上に固定してある。額の縁はベニヤで濃い色でニス塗り。


────

◆練馬区美術館「光とその表現」展

練馬区美術館は大好き。知名度がさほどない作家を取り上げるのだが、いつもコンセプトが面白い。人も少な目なので、とてもゆったりした気持ちで絵を見ることができるから。アンケート用紙が置いてあるのだが、私以外にもいた数少ないお客はみんなアンケート用紙に記入していたよ。「アクセス数は少なくても客のレスポンスが良いサイト」という感じですかな。

一番良かったのは上田薫のコップの絵。
上田薫は巨大な生卵の作品で有名。フォトレアリズムとでも言うんでしょうかね。こんなのが上野の公募展にあったら、もう他の作品圧倒しちゃうな。迷いも悩みも画面から感じられない。いいな、と思って1日で描きあげました、という感じで楽しい。メタリックなクローズアップ、写真で近すぎるとぴんぼけで光の渦だけになるのだけれど、それをでかい画面に変なひねりなくして描く。爽快。
他にも光を意識した絵画作品はあったけれど、やっぱイメージ描くよりそのもの描いちゃった方が強いし私は好きだ。
うん、コップの絵が好き。

スーパーリアリズムというかフォトレアリズムというか、用語は詳しくないからどうでもいいけれど、これは印刷物にしてはいけない作品だなぁ、と思う。でかいし。

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TVでもやってたし、母に本も借りた。変形性膝関節症。これは真面目にリハビリしないとまずいなぁ。美術館巡りが終わって、帰宅したのは6時前、約7時間歩き回っていたわけだ。うーん、膝と足首が痛いよ。最後の方は泣きそうになりながら足ひきづって歩いてました。でも収穫ありで嬉。

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[参考リンク]
◆チケットくれたかわいい芸大生・はんなさんのサイト
 上野の森からこんにちは

◆院展・斎藤満栄さん関連サイト
作家のWebサイトはなかったのですが、ネットで調べたら先生をやっているようです。教えて貰いにいこうかな...
NHK文化センター青山教室 10月期講座のごあんない
同じくネットで調べて作品写真(1点)が載っていました。綺麗です。花の絵。
第6回天心記念茨城賞決定

◆練馬区美術館「光とその表現」展
http://www.city.nerima.tokyo.jp/museum/hikari.html

by HPY


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