絵画制作日誌    Diary INDEXBACKNEXTHOME GALLERY


劇的交代。朝は蝉、昼は秋。         2001年08月24日(金)

----------

まるで通勤するような気持ちで雑木林まで出かける。今日は昨日より更に速い。

わんこを2匹連れたおじさんがベンチに座っているので、軽く挨拶すると「昨日もスケッチしていた人ですよねー」と話しかけてきた。
なんかいろいろと駄話がしたかったようだけれど。とりあえず会話は続かせない。向こうに興味があってもこっちは興味がなかったからなぁ。「いいご趣味ですねー」とお決まりのセリフ。このセリフにむかつく人は多い。ま、どうでもいいんだけれど。


雑木林今日は昨日よりも準備がいい。

◆画箱
画箱を持っているだけでこんなにやりやすいとは思わなかった。筆もくしゃくしゃにならないし。昨日は全部リュックにごちゃごちゃに入れたので、穂先がかなり傷んだよ。

◆椅子 (座布団)
空気クッション持参。ベンチでは尻が痛くなるので。
今日は地べたに座ったので、ビニールシートも持ってくれば良かった。

◆ゴミ対策
空き瓶。鉛筆の削りかすを入れた。ビニール袋は必須だが、見かけが汚いし風で飛んだりするので。
もうひとつの空き瓶には水彩用の水が入っている。

◆食料
ペットボトルに水。食パン。単に弁当作るのが面倒だったから。食パンかじって水飲んだ。貧乏くさくていいな、なんて思いながら。

雑木林は思いの外涼しい。クーラーなんてもちろんないけれど、涼しく過ごしやすい。昨日は来るなり蚊、ハチ、ハエ、甲虫、バッタ、蟻、いろんな虫が偵察しに私の元へやってきた(ような気がする)。今日はハチが一応偵察に来ただけ。慣れてきて、「虫に無視された」なんてくだらないこと考えてほくそ笑む。

正午を境に、朝の光と昼の光がまるで違うのに気がついた。
そしてバックミュージックも。
朝のうるさいまでに蝉の声、昼は鈴虫・秋の声に変わった。
まだ秋らしい情緒はないけれど、蝉の声は後退し、鈴虫が前面に出てくる。
その変化や劇的。

────

こんなににぎやかな雑木林で感じたり見たりしているのに、描く絵の方は全くたいしたことない。感じたことが反映されていない。(苦笑)

思ったことは、水彩絵の具、日本画顔彩、テンペラ絵の具、鉛筆と画材から出る表現の差。
水彩絵の具は発色が良く、のびもいい。白色はない。白は普通紙の色を活かす。ということは厚塗りはしないということ。これはイメージ、雰囲気を表すのに適した画材ではないだろうか?風景を描くにはいい。

でも、私はテンペラ絵の具ばかり使っていたので、水彩をうまく扱えない。ひいては、風景を雰囲気出してまとめる事ができない。一つの対象を見て、ぐじぐじ追いかけて描く事に熱中してしまう。面相筆が好きで。あぁ、こんな所にもテンペラの影響が。

白・黒で構成を考えて、その上に有彩色を混ぜずに置く。これが私のテンペラの描き方。対象を細かく描くために、形と色彩と分けている。

────

雑木林午後2時。疲れたのでひとまず引き上げる。
帰り、ホームセンターに行ったけれど、シナ合板はなかった。
支持体がなくなってきたので、そろそろ作らなければと思っている。


家に帰り、ベランダの定位置で喫煙。
クーラーの上にぼろぼろにさびついたマンホールの蓋(相棒が拾ってきた)のようなものがあって、その上に園芸用土が入った黒いビニール袋がある。
その前に、何故か草が芽生えている。結構大きくなった。それを見るのが好きだ。

でももう8月だから、こいつはもうすぐ枯れてしまうんだろうなぁ・・・。
そう思ったらどうしてもテンペラがやりたくなった。写真じゃなくて、想像じゃなくて、構成でもなくて、直描きがしたい。ものを見て記録したい。

そんで描きだした。6号サイズ・板。石膏地。いろいろと模様をつけた緑系地塗り済み。鉛筆デッサンはどうせ見えないので、筆と絵の具で下絵を描く。
イエローオーカーであたりをつけ、黒色はテールベルト。白色はチタン白。
鉛筆より早い。

────

植物見て描いていると、途中からどんどん形が変わるんだけれどさ。
夕方になるとうなだれて。枯れたり成長したり。特に切り花。それが細密画系には困りもの。

アントニオ・ロペスの、「マルメロの陽光」を思い出す。蜜柑が重くなるとロペスも描き直すんだよね。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



雑木林でのスケッチ(前哨戦)         2001年08月23日(木)

----------

雑木林雑木林に行った。
朝から準備して。
バイクで。
地図で調べて。

道は意外なほど簡単で、うちの前の通りをずっと真っ直ぐ行って、線路を2つ超え、Y字路ではメインの方を選ぶとすぐに雑木林についた。工事をしていて、「やや!もう林をつぶしているのか!」と焦ったら、ただの下水道工事だった。


つくなり、トイレに行きたくて困った。
お墓があるので、その不思議な石造物を見ながら、寺だか神社だかどちらか分からないけれど境内に入ってトイレを借りた。
神社らしきものがあって、そこに「市の名木」と立て札が。
なるほど、でかいわ。


でかすぎて描けん。

────

雑木林神社にお賽銭をあげる。あげないと悪いような気がして。置いてあった小冊子を貰う。

再び雑木林に入って、適当なベンチに座って小冊子を読む。

ドロップアウトや失敗、会社辞めるのも、気持ちの持ちようで脛傷になったり、誇りになったりするんだなぁ・・という感想。


まるで自分の部屋のように、ベンチに座り、ペットボトルには冷水、冊子を読み、絵を描いている。後ろの小道をイヌの散歩、ウォーキングの人たちが通っているらしいが、それはさほど気にならない。

雑木林気になったのはあまりのうるささ。生き物の気配。なんか誰かに見られている気がしてしまうが、虫しかいない。

いきなりでかいバッタみたいな虫が落ちて来たり。

いきなり大枝がザシャー!と落ちたりして。

かさかさとゴキブリのようなタガメのような黒い平べったい甲虫が這い出して。

黄色い絵の具にはハチが止まってる。

なんてにぎやかなんだろう、林。


────


あ、このスケッチブック、相棒のだ。ヤベー。
今日は前哨戦なので、適当なところで引き上げて、画材屋にスケッチブックを買いに行った。バイクでぴゅーん。でも道に迷うし、日焼け止め塗るの忘れたので、腕は真っ赤っかになったよ。


夜は仕事だったんだけれど、いつもよりも眠い。こっくりこっくり。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



暮らし。「人・家・木」の絵を描きなさい。         2001年08月22日(水)

----------

チビが軽く熱出し、生意気にもお友達問題も絡んで、登園拒否している。一日休ませた。チビのペースにあわせると、眠くなることこの上ない。結局自分のぺースで夢中になって何かやる時以外、私はとことん無気力というか、省エネモードに突入してしまうようだ。
本を読んで聞かす。聞いてなかったようだが構わず読み進める。
「イタリア・ギリシャの暮らし」ジュニア文庫。


イタリアとギリシャの歴史を簡単に再認識。
TVでやっていたネロとアグリッピーナ、ポンペイの悲劇が生々しくだぶる。
俗に「暗黒の千年」と言われる厳格な中世キリスト教時代末に、ローマとアテネ古代遺跡の発掘が進み、それを一つのきっかけにして爆発するルネッサンス(人間性の復興)。わずかな量の文章だが、やはり感動的。その背景には常に経済があり、うん、政治よりも経済。富裕層が芸術に出資するかという感じ。
没落は大航海時代と共に始まる。地中海貿易があまり重要でなくなり、富裕層が没落し、芸術も中心地ではなくなる。ふーん。


また私の憧れの「シエスタ」の習慣が載っていた。(^^)やっぱでも田舎以外では廃れつつある習慣なんだそうだ。あぁ、のんびり生きたいと思うのはもう罪悪なのかしら?それとも日本人だから強烈に罪悪感を抱かざるを得ないのかしら?なんて思ったり。
でもイタリアには「スローフード」運動があるらしい。ちょっと面白い。ファーストフードの対義語。「早食いをやめて、家族と顔を合わせてゆっくり美味しい家庭料理を味わいましょう」、という運動らしい。


もう怠け者なので、こういうのんびりしたところばかりに目が行く。でもそれは本当に怠け者だから(なんだろうけれど)、他に意味はないのかしら、アンチテーゼはないのかしらと、あやふやな言葉が宙を舞う。それをそれとなく楽しむ私。


────


人生に必要なのは「愛情と働くこと」と晩年フロイドは言っている、と毎日新聞にコラムがあった。ほうほう、究極はやっぱりこれか。おっ千と千尋か?なんて思ったりして。

コラムを書いた人は、アートセラピー&精神病研究の人らしいのだが、「家と人と木を入れて絵を描きなさい」というお題に、若いエリート社員がもっとも最小限の構成しか入れない絵を描く傾向があるとめちゃくちゃ危険視していた。

「家と人と木」。自分でも記号的に描いてしまうかもしれない。たくさん描いてもいいんだよって、きっと一つずつしか描かないんだろうな。でも、もっと家や人や木を親しく見ている人だったら、多彩な絵が描けるよね。
木は種類によってあらゆる形があるし、季節によって色も形も変える。それは街で見られる木々でも当然そう。
家も人知を尽くしてあらゆる形がある。


でも実は、私がいろんなものを見るようになったのは、高校を出てからだ。それまでは何も感じず何も見ていない子供だったと思う。もちろん植物音痴、季節感ゼロ。(^^;

ものを少しでも見て心に留められるようになったのは、絵を描きだして2年ほど経った頃かなぁ。一人暮らしをしていた。
初めて桜を見ることができた、その事を覚えている。
それまでは桜も梅も桃も区別つかず、つぼみなんて目に留まったこともなかった。初めて見つけたのは、お風呂屋さんに行った帰り道。雑司ヶ谷商店街裏付近、路上に大きな桜があって、街灯に照らされていた。気持ちはみじめで孤独だったけれど、出会えて嬉しかった。綺麗だったなぁ、桜。


家もそう。発見した時を覚えている。
一人旅に行って、屋根の角度が地域ごとに違うことには驚いた。景色はどこも同じではなかった。(駅や駅前商店街は同じだったけれど)

空・海・山は大きくて恐かった。
空は四角く囲われていないと変な感じだった。

人の顔が長野の顔、茨城の顔、岡山の顔、大阪の顔、み〜〜んな違うことも大発見!池袋の光と西武球場付近の光は違うこと。初めて行ったときは、夢のようだった。なんて光が暖かいんだろうって。天国みたいだぁーって。うん。変だよね。でも南の国に来た気分だったのよ。


────


警告コラムなので、これは80年代から始まった早期教育の弊害だとか言っている。その「家・木・人」の絵、最小限すぎて昔は精神病患者しか描かないような絵だったという方が気になった。お義母さんは、「絵を描かせて、その人の精神状態の何が分かるのかしら?」と言っていたけれど。
心にぽっかり穴が空く、ではなくて、最初から大空きで、周囲に埋め込むように小さな記号しかなくて、やっぱり真ん中は空洞だったりして。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



気力がない。         2001年08月21日(火)

----------

書くことがない日は本当に何もやっていない日なので、情けないこと限りない。
こんなことを書いてもしょうがないんだけれど、制作日誌と普通の日記を兼ねているので、なんか書かなくては行けないような気がしてきた。

が、後日こういう文章読んでると改めて落ち込むじゃんね。
底まで行ったら再起することができる、ということで、今までやってきたけれどさ。なんか、底まで行かなくてもいいんじゃないの、そのまま進めばいいんじゃないの、という気もしないでもない。


もう文章さえ回りくどい。時間稼ぎばかり。


絵も描けない、本も読めない、外にも行けない。何をやっているかというと、パソコンでだらだらと他のサイトを見て回るか、眠っている。
膝を痛めてからあんまり運動しないようにしているから、体もなまってしょうがない。頭を全く使わない日が何日も続くと、一日中ぼうっとして腐ってきているようだ。それを休憩とみるにはちとむごい。腐ってる感じなのだよ、ホント。


前回、「自分の生きる証明なんていらないやもう」なんて思ったのがそもそもの間違い?4〜6号クラスにしか手を出していなかったのに最近、それが突然30号描こうなんて大画面をイーゼルにたてて想像で描きだしたのが間違い?いや、何も間違ってはいないのだが、トライしようとしたことに対して気力が萎えていた感じ。トライしようとした気持ちも事実だし、萎えているのも事実。


バイクを引き取りに行って、少し走った。雨が降ってきたんで引き上げる。


とりあえず今しなければならないこと、したいことは、外で木を描くことだ。木を直接絵の具などでスケッチする。細密描写する。これをしなければ一歩も前に進めない。


台風のせいじゃないのよ。私の住んでいる所は全く台風の害がなかったと思う。ちょっと強い雨風が数時間降りました、程度で。それに雨降ってもベランダに小さいながら木があるし。言い訳はただ一つ、気力がないのでやりませんでした。会社員なら許されないだろうなぁ。あ、こりゃこりゃ、どぉしましょ。


限りなく自嘲モード。
でも、楽しくはないけれど眠るのは贅沢だなぁ・・とほくそ笑んでる自分もいたりして。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



バイクのキー         2001年08月20日(月)

----------

本当に部屋が汚い。
いや、部屋の見えるところは綺麗にしたのだが、棚の中がひどい。何がどこにあるのか分からない。領収証の整理をしないと、今年も確定申告が思いやられる。

いらいらして引きだしを軽く整理してたら、おっバイクのキーを見つけた!
こないだは免許証見つけたじゃん。これで自賠責に入ればバイクに乗れる!!
改めて見たらひどいよ砂埃が。ある程度拭いて、掃除できるところは掃除し、近所の自転車&バイク屋さんへ出かけた。

「あの、スクーターなんですけれど、整備して貰えますか?」
「以前にも整備して貰ったことがあるんですが、ここ2・3年ほど全然乗ってなくて・・・」

ちょっと渋い顔された。バイク好きの整備の兄ちゃんなら2・3年乗っていないバイクなんて言語同断だろう。スズキのLet's。50cc原付。幸運の黄色いバイクと呼んでいた。(50ccなんてバイクじゃねぇ、と言う人もいるかも。そりゃ私だってもちっと大きいヤツ・・250cc以下でオフロード車とか乗りたかったなぁ。金も根性もなかったけれど。で、結婚してから中型免許取ろうとしたら、向こうのお家の方々に猛反対。そんでいそいそと妊婦・産婦・ママやってたら乗れる状況じゃなくなってしまった。ははは。東京在住で特に必要感じなかったし、絵ばっかりいつも焦ってたんで、車の免許もない私。だせー。^△^)


で、バイク持っていったら傑作。「あ!西川さん?」「え?」
私の顔見ても分からないのに、バイク見たら名前覚えてるの。3年前だよ確か、整備して貰ったの。なんだかなぁ、さすがって感じ。
整備代は6000円くらい。ガソリンは変質して真っ赤。ひゃー。バッテリーは切れかかってるし、見かけの破損はないけれど、放っとかれてめちゃくちゃ可愛そうな私の「幸運の黄色いバイク」。笑いながらやさしいおじさんがフォローしてくれる。明日には乗れそう。これで雑木林にも行けるぜ!って、明日は台風だってよ。(笑)

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



木が描けない。         2001年08月19日(日)

----------

雑木林木が描けない。考えてみればまともに向き合って木を描いたことほとんどなかった。
描いたことないクセに、画面に大きく取り入れて想像で描くのは身の程知らずのような気がしてきた。車で20分ほどの所に、私のイメージにあった雑木林があるので行く。不思議なことに(?)雑木林は夏だった。私のイメージは冬なんだけれどなぁ。鬱蒼と生い茂る。

蚊に食われまくって、相棒は早々に退散。私とチビは虫除けティッシュを露出部に塗りたくっていたので軽傷。私は何故かズボンの上から尻を食われたよ。くそ。


雑木林セミがわんわん鳴いていて、不思議な気分。地面は何故茶色いかというと、枯葉の層だから。幹が何故暗く黒く見えるかというと、木の向こうの空に焦点を合わすと逆光で強すぎるコントラストだから。木を描くにしても、真っ直ぐにのびる杉もあるし、節くれ立ったポプラもあるだろう。この雑木林にはポプラはなかった。ポプラは駅近くの公園にあるんだ。そこにも行ってみなくては。

緩い複雑な坂と遊歩道。しゃがんでみても、木々の下草の向こう側に、低い地面を見ることはできない。この程度の斜面では水辺はあっても見えないだろう。

そんなことも分からないで絵なんか描けるか。なんかわけ分からない木を適当に描くのはイヤだなぁ。

想像で描いているのに、この辺の整合性がすごく気になってきた。木は何の木か分かるようにしたいと思う。えっと、雑木林に行った感想は、木を描くのなら、木の肖像画を描きたい。この計画に自分で目眩がする。


雑木林だんご虫を見つける。だんご虫はいいヤツだ。枯れ葉を食べて、腐葉土にする。エライヤツだよだんご虫。相棒と話す。本当に世の中の役に立ついいヤツだ。

自分が生きている証明なんか
いらないやもう。

だんだん妄想がひどくなる。こりゃ今月中に早々に終わらそう、なんて思わずに、木々の一本一本こだわって描く方が良いものができるんじゃないかしら?
木が生きていた証明を知らせるために、木の肖像画でも描こう。木の下の方に小さな若木があったりするとほっとする。切り株の傍に出ている新芽にも。まるで親子みたいじゃん。

平成16年までと立て札があった。この雑木林は私有地を市に貸し出したもので、16年が返還日。あと3年もしたら、この辺も住宅街になってしまうかもしれないなぁ。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



買いだし         2001年08月18日(土)

----------

土曜日は画材屋に行った。
買うものは白色顔料。チタン白はなんか中単位がなくて、1kg取り寄せに。
胡粉は白雪と白寿とあって、値段が1.5倍くらい違う。とりあえず安い方で。300g。あと、パール金・銀なぞを買ってみる。サンシックンドリンシードは確かにルフラン社ではなかったと思うけれど、掲示板の垂れ込み通り(^^)、クサカベ・ホルベインでは出していた。色、妙に赤黄色いのだけれど・・?
自分で作ったヤツは、半透明だったような気がする。やっぱ自分で作ろう。でも急いでいるのでNewton社のを買う。舶来品に弱い私。(^^; 昔知り合いがのたまっていたのだが、オランダ製が一番オイルとして優秀と言っていたが本当だろうか?メーカーの事を言っていたのだろうか?ゴッホの作品はあれだけ荒描きでも確かに亀裂剥落などはない。黄色が変色しているらしいけれど。絵の具使いが荒い印象派以降の作品の中では堅牢だという文章を読んだことがある。真相不明。

パンドルに関する知識も間違っていたようだ。乾燥画面のツヅキを描くのには、パンドルではなくてルツッセ。ルツッセも買う。クサカベ製。

店のクーラーが利きすぎて寒い。と思ったら雨が降っていたらしく、外も寒い。ぶるぶる震えていた。あ、洗濯物、やられた。(>.<)

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



胡粉〜チビ帰宅。         2001年08月17日(金)

----------

全然集中してません。せっかくフルに使える一日だったのにねぇ。
お昼は近所のなじみの喫茶店でホットケーキを食べました。
昨日から誰もしゃべってないんで、マスターに話しかけられて一安心。たくさんしゃべりたかったけれど、技法書持ってたんで読みに没頭していたらタイミングを失いました。

「寂しい」元のチビ&相棒は、やっぱり全然電話をよこさない。夕方5時頃、思いあまって先方に電話をかけるが間違い電話。(T▽T)しょうがないので義妹さんの携帯にかけたら繋がって、チビとしゃべって落ち着いた。帰ってくる時間が分かって、その時間がせまると集中力が出る。締め切り恐怖症のクセに、締め切りないと何もしないのかおのれは!という感じ。はぁ。(-.-)


今日の作業

走る大したことはしていない。資料やモチーフなしで描くのはものすごく久しぶりなので、エネルギーがたまらないと描けないのでひたすら見ている時間が長くなる。

決めたのは、やっぱ水辺を入れよう、ということ。
坂の傾斜は3次元的にうねってた方が面白いな、と思ったこと。
木立を描きたいのだが、やっぱりよく分からないこと。

走る実は今日は描くよりもオイルの整理の方が重要だった。卵溶液がなくなったので、また作らなくてはなのだが、佐藤一郎著の技法書をよく読むことにした。

あ、卵に混ぜる調合油と、油絵の具用の調合由の配分が大分違う。(^^;やべー。
一緒くたにしていた。どうりで描きづらいと思った。

絵の具の白はチタンだけだと混色すると、白の混じった不透明色!!という感じになるし、シルヴァーホワイトは有毒性が強くて使わないことにしたし、どうしてくれよう、と案じていた。
走るそこで今日は胡粉を使うことにした。油絵の具として練ると、体質顔料として透明になってしまうらしいが、テンペラではうまくいった。シルヴァーホワイトのように半透明で、混色もうまくいくぞ。よしよし。絵の具をボールでたくさん作って、混色は2色以内、刷毛ではらうように置く。絵肌はさながら日本画のようだなぁ、と思った。

道は青にする。水のような青。水のように細い道を走り去る子供。その細い道をどこに引くかが問題。道幅が広すぎて気に入らない。細くするとものすごく神経質に配置しなければいけないような気がしてきた。斜めの角度もこれじゃおかしい。全く緊張感がないものねぇ・・・・。あ、胡粉もチタン白もなくなっちゃった。あ〜ぁ、明日買いに行かなきゃー。

────

この辺でチビ&相棒帰宅。夜10時過ぎていたのでチビは車の中で寝てしまったらしい。でも、布団に寝かせると目を覚まして、一泊二日のママ抜き大旅行の様子を話してくれた。うちのチビはたくさんしゃべる子だけれど、その日は1時間くらいかけてお話ししてくれた。嬉しかったねぇ。(^^)

海行って、海は大きくてコワかった話、畑行って芋掘りして、ガオレンジャーのビデオ見て、ウルトラマンのおもちゃ買ってもらって、夜は花火して、線香花火が「パッ・・パッ・・」と綺麗だったと話してくれた。うんうん。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



ちょっと寂しい。。。         2001年08月16日(木)

----------

今日は午前中、チビ連と公園で遊んだ。
相棒と中学生の従兄弟は、例の紙飛行機を公園で飛ばしている。
30秒は飛ぶ設計、とあるが10秒くらいかな、相棒が作ったヤツは。
重心がちょっとおかしいかも、と言っていた。
でも、飛ぶのはすごい。10秒も飛ぶと本当に上昇気流を見つけている感じが分かって感動的。だいたい地面から5mくらいのところで一つ気流に乗り、はずれて地面から1mくらいのところで再び気流に乗り上昇し、それからふわっと着地する。

3歳のチビ連と母親2名は、チビ連がちょっと高いアスレチックに登っているのを微笑ましく見ている。ちょっと前は登れなかったからなぁ。進歩進歩。(^^)
その後、セミの抜け殻見つけたりして。

────

午後はカブトムシのおもちゃを買って与えた。お菓子のおまけ、ギィギィいいながら動くヤツ。ヘラクレスオオカブトとコーカサスオオカブトを買ったのだが、最初は仲良く遊んでいたのにその後、うちのチビが「僕もヘラクレスがいい〜〜〜」と泣き出したのには参った。ヘラクレスの方が知名度あるし、羽箇所が黄色いんで目立つんだよね。チビには同じ物を買わないとケンカになる、という話はよく聞くが、泣き出しちゃうんだもの。弱ったなぁ。

でも、いろいろと物語作って遊んでいたら、さっさと泣きやんだ。

────

その後、従兄弟達は海辺の町に帰った。チビと相棒は一緒についてって、今日は一泊お泊まりして、明日海で遊ぶ予定。夏休みらしいじゃん。

で、私はその間家に残って制作予定。。。
だったんだけれどねぇ。(T_T)
とりあえず、鬼のように汚い部屋を掃除した。2人がいないとこんなにも掃除がはかどるじゃん。帰ってきたらびっくりするぞぉ。(^▽^)


でも、夕方4時頃になるともう心配になってきちゃって、全く連絡ないのは交通事故で2人も死んじゃったんじゃないかしら、とか。相棒のPHSにメール打つ。反応無し。田舎だからPHSじゃ電波届かないのかなぁ。おろおろ。


寂しい。。。。。


お義母さんたちには、「制作に集中したいので、夕食は一人で適当に作って食べますから呼ばないで下さい」とお願いした。だから夜もずっと一人。



夜9時。ますます寂しい。。。。



初日だからだよね、と思った。神経質なのか、環境の変化についていけないのはいつものこと。それにしても寂しいなぁ。部屋は綺麗になったけれど。一人でお風呂に入る。

独身時代は一人暮らしが好きだったので、高校出たらさっさと家は出た。でも、こんなに寂しくはなかった。以前、30越した独身の人がぼやくのを見て、「寂しい?ふざけんな一人で生きろ!」と思ったのは、ついこないだの話。


「死」なんて子供が産まれるまでは全く恐くはなかった。いつかは死ぬんだし生き物としてそれは当然。それが天寿だし。生きてるときが大事だし、死は生きる苦しみから脱出できる最後の手段、とさえ思っていた。でも、子供がお腹にいるときから、「死」は恐くなった。自分は別にいいんだけれど、この子が死んじゃったらどうしようって。相棒はとりあえず30代後半なので、死んじゃったらそれは天寿(^^; (イヤだけど)。歳が少し離れているので、絶対向こうが先に死ぬじゃん。男の方が寿命も短いし。それはなんとなく分かる。(イヤだけど)

でも子供が死んじゃうのは絶対ヤダ。もし海で水の事故で死んじゃったら・・・。どぉしよう!? もうこの部屋は私一人で使うのか・・・。すごーーーく茫洋とした寂しさを感じて虚しくなって、何にもやる気がなくなってしまった。えーーん。(T▽T)


走る情緒不安定になって、いろいろとWebや掲示板を覗いたりした。ここに行けば誰かいると思ったけれど独り言みたいだなぁ。秘やかな人の会話を聞き耳立てて傍で聞いている気分。徹夜で制作する予定だったんだけれど、絵の具を乾かす空きの時間に耐えられない。眠くはないが技法書見ながら、結局チビと寝る時間に寝てしまった。


────

走る一応今日の作業

モデペを初めて使う。地面の所にでこぼこをつけ、絵の具溜まりを作るため。ちょっとエッジが効きすぎたし、端がぽろぽろこぼれるので紙ヤスリを軽くかける。

地塗り1。イエローオーカー・テンペラ。ボールにいっぱい作って刷毛塗り後布で拭き取る。動きを出したいので、斜めラインが入るように。
地塗り2。バーントアンバー。イエローオーカーに似た色を選択。
走る地塗り3。青、緑、黄色をたらす。画面は水平。
地塗り4。空。空は黄色だと思うんだよね。青じゃない。遠景に海を描きたくなる。海は見えないはずなのに。じゃ、湖でもいいや。とりあえず保留。

下描き1。赤茶系でライン。走っている人の位置を決める。傾斜のきつい丘ができる。樹木が乱立している。資料は乏しく、思い出す。林の中でイヌが走っていた事をイメージするが、よく分からない。三浦さんのHPを見る。写真を資料にしたとき、現場でスケッチをしたときの話が出ていて、改めて感銘を受ける。思い出す、あるいは現場に行ってスケッチしようと思う。走る

────
◆参考リンク
三浦明範 ART SQUARE
 静物画講座 16.見るということ

2ch
昭和の三大画家は?(洋画・日本画別)
オンライン美術館
ためになる美術本、おもしろい美術本

自分が色日記を作るときに影響された本・少年アート(中村信夫 著)がお薦め本として紹介されていた。なんか嬉しい♪

しかし、Web掲示板ばっかり見ているなんて、よっぽど暇なんかなぁ、と落ち込むけれど、有用な情報があるし結構楽しい♪ 2chはなんかコワクて発言できないんだけれど、ちょっと偏屈で美術に詳しい人がいっぱいいるような気がする。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



サンシックンドと、ワガママ表現方法         2001年08月15日(水)

----------

サンシックンドリンシードサンシックンド・リンシードを作っている。

サンシックンド・リンシードとは、リンシードオイルを日光に晒した晒し亜麻仁油と呼ばれる物。Webのどこかに書いてあったけれど、市販はニュートン社しかしていないらしい。そういえばと気をつけて画材店で探してみたら、なるほどないわ。私が持っているのはサンブリーチド・リンシード。ルフラン社。

サンブリーチド・リンシードは、リンシードの黄色を除去するために骨炭を入れ濾過した、漂白リンシード。岡鹿之助の「油絵のマチエール」にそう記されていた。なるほど。
サンシックンド・リンシードは大学時代試しに作ってみて、あまりの使いやすさに驚嘆したことがある。でも面倒くさいのでその後作ることはなかった。今回きちんと処方箋が記されている資料を見つけたので、またトライする気になる。製造は日光の強い夏がお薦め。

◆サンシックンド・リンシードの作り方
広口ガラス瓶に、リンシードと水を半々に入れて日に晒す。ガラス板等で浮かしておく。ガラス板は埃よけ、浮かすのは空気の通り道を確保するためだ。ガラス板はないので、ラップを浮かしておく。ま、これでも目的はかなっているので問題ないだろう。
水と油の境目にゴミがたまるので、水を時々取り替える。3〜4週間で漂白され黄味が半透明になり飴状になる。
小皿にリンシードを薄く入れ、日光に晒しておくと、量は少ないが数日でできる。

────

オイルは大事だよね。支持体の重要さ、地塗りの重要さ、筆の重要さときて、やっとオイルまで辿り着いた。ブランク中に全部忘れたから。

────

制作は今日もできない。今日は従兄弟と義妹さん、相棒が「千と千尋〜」を観に行ったので、チビ2人を子守する役を買って出た。義妹さんやお義母さんは普段、縁の下の力持ちである主婦業を営んでいるのだから、余計なお世話かもしれないが、遊びに来たときくらい主婦業は休んでゆっくり遊んでもらったりしたいと思っている。
いろいろとお世話になっているし、それくらいはしなけりゃぁなぁ。

でもさすが(?)専業の方は主婦業に対する責任感が強い。私は?遊んでばっかりじゃん。普段も今も(汗)。主婦じゃねぇ。多分。身の回りのことは最低限だし、どうせ一人暮らしても必須だし。自分の身の回りの世話。プラス、チビの世話くらいかなぁ。分かんない、一人暮らしの時に比べて、ご飯はしっかり作って食べるようになった。う"ーん"。生活に真面目な人たちといると、自分がとても遊びに人に見えて落ち込むときもあるよ。


みんなが映画観ている時、近くのおもちゃ屋さんで遊んだのだが、同じ年齢(3歳)の子が2人いると、互いの違いが浮き彫りになってそれなりに面白かった。従兄弟のチビ助は仮面ライダーやウルトラマンのお面をかぶってその気になってポーズ決めている。うちのチビは新幹線のおもちゃ遊び場で、延々と長ーーーーい鉄橋作っていた。

ずっといい子だったのに、お母さん(義妹さん)が戻ってきたら従兄弟のチビ助はものすごくワガママいっぱいになってびっくり!!ワガママ通すために、床に寝転がって足をバタバタ!という黄金の子供ポーズを決めてくれた。呆れたお母さんが無視してすたすた向こうに歩いてしまうと、猛烈な早さで4つんばいでお母さんの前まで前進し、また仰向けにひっくり返って泣き叫ぶ、構わずお母さんが歩き出すと、また猛烈な早さで4つんばいでお母さんの前まで前進し、また仰向けにひっくり返って泣き叫ぶ・・・を繰り返すので、店内でげらげら爆笑してしまった。

────

夜はビビンバを自己流で作った。美味い。私が司令塔(?)で作ったのは相棒だけど。ビビンバは相棒が作る方が美味しいんだよ!と言い続けている。
明日はみんなが帰る日。海の見える町に住んでいる。チビを海遊びさせたいので、相棒とチビもそのまま遊びに行って一泊する予定。私はいかない。その間に制作せにゃぁ!このお盆休みの分、挽回しなくちゃなぁ!

ものすごく久しぶりに「誰もいない、自由な時間」を得て嬉しい。うっかり寝ないようにしようっと。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



打ち合わせ〜紙細工         2001年08月14日(火)

----------

今日は打ち合わせ。近いので自転車で行く。相棒の競技用細いフレームの自転車。途中、歩行者を抜かそうと車道に降り、抜かしてまた歩道に乗り上げようとしたら転んでしまった。ショックー。(T▽T)フレーム細いんで溝にとらわれやすい。抜かそうとした人があまりにも無関心に転んだ私の横を通り過ぎていくので、「おいおい、こけたのはおまえのせいなんだよ!もっと歩道開けろよ!!」と叫びたくなってしまった。逆恨みしてから我に返る。


そんで打ち合わせ。スムーズに話が流れた後、肖像権と著作権の話で頭を抱えてしまう。うーん。難しいのね。複製化社会って。ま、それは後ほど調べるとして・・。

膝が痛くなって、普段の歩き方がヘタなんじゃないかと言われた、という話をすると、「山で下山するときに膝がやられるときがある。足の裏で物を掴むように歩くと良い」というお話。その後うちに帰って、普段はスリッパを履いているんだけれど脱いで、物を掴むようにイメージしながら、パソの部屋から台所までそ〜〜っと歩いたりした。


────

チビと紙細工今日も作業したかったのでチビ助を保育園にやる予定だったのだが、相棒が「俺が遊んでやるよ」というので、家庭保育。午後、やっぱり昼寝に巻き込まれた。ははは。「ママとじゃないと寝ない〜〜〜〜!!」と泣き叫ばれたりして。うーん。一度布団に横になると、半徹明けでなくても寝付きが良い私。(-_-;;

午睡開けはもうぼーっとしているし、今日はチビの大好きな従兄弟が3人も来る予定なので、もはや制作モードに入れなかった。
なんとなく手が空いたので、チビの幼児雑誌のふろくの紙のおもちゃを一生懸命作っていた。難易度高く、結構面白いのよ。とにかくチビ連は大喜び!!何ヶ月分もたまっているので、とりあえず3つくらい作ってもう一つは徹夜しても仕上げる!!と息巻いてたりして。紙を切り抜いて、爪を折ってのりで貼り、セロテープで補強、動きはたいてい輪ゴムで・・。それだけの世界なんだけれど、これは雑誌に「紙のおもちゃ制作担当班」なるものがいるのでしょうか。よくできているなぁ!!


相棒は朝から紙飛行機を作っている。大人用・競技用の紙飛行機。シンプルな形をしているのに、なんか失敗していた。バルサ板や鉛を入れて補強する。なんでも滞空時間7分30秒という記録があったりするらしい。「上昇気流への乗せ方」が説明書に書いてある。面白そう。

夜、その従兄弟3人が来て、室内で遊びまくる様子はもう阿鼻叫喚の世界でした。男4人兄弟って、こんな感じなのね。相棒と義妹さんと、明日の計画を練る。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



わんこの絵〜ラスト         2001年08月13日(月)

----------

わんこお盆休みなので朝から相棒はいるんだけれど、チビは保育園に預けての作業。

今日の作業。
午前中は30号地塗。昔の地塗り(石膏地)が薄いんで、少々不本意だがアクリルジェッソを4層ほど足す。そういえば地塗りは10層も塗るというセンセがいたので、その効果はどうか?、という質問を大学時代にしたことがあったな。

乾燥後、やすりがけ。


────

午後、わんこの絵がやっぱり気に入らないので描き直す。失敗よりも粗いのがイヤだ。特に下地の茶部分が汚れにしか見えないので、テンペラ白〜茶で描き直す。

────


途中、相棒が昔描いた顔のエスキースを押入から引っぱり出してきて観る。何百もある顔の絵、1から順番に粘土で雛形を作って加工したいというのでたまげる。私は過去の自分というのをあんまり大事にしない人なので、10年前のエスキースを採用するということは多分ないだろう。イメージが強いのか確かなのか、分からないけれどやってみな、という気持ち。とても楽しみ。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



わんこの絵〜更に速く描けたけど・・         2001年08月12日(日)

----------

わんこ今日の作業。

今日は日曜なので、いつもの通りチビと遊んで一緒に昼寝のパターン。でも、夜になってはっとした。そういえば明日までじゃん。わんこの絵。そんで、3枚目のわんこを急いで描いた。徹夜。


モチーフと地塗り、トレースは終わってるので、インクで素描を始める。その合間に、わんこ2をオイルかけ。このオイルをわんこ1でいきなりサンブリーチド塗って失敗したので、技法書読んで確かめる。
あ、サンブリーチド・リンシードの作り方、サンシックンド・リンシードの作り方が載ってる。明日からオイルの調合に精を出そう。今回はサンブリーチド・リンシード+ペトロル+ダンマル・スタンドのブレンド。ブレンドは目分量。これが結構良かった。

そんで、わんこ2はオイルかけただけでは当然済まないので、油絵の具で少しグラッシしながら色をのせる。


わんこ3。
インクは茶・黒。白色はテンペラ。インクは複数の色の混合で色を作ってある、という話通り、水で薄めると茶はいろんな色を見せる。黄緑色が濃くなって困った。
ドライヤーで強制乾燥しながら描き進める。
元の写真がメールでもらったJPEGデータのため、細部がよく分からない。一番困ったのは口の形がつぶれて全然分からないこと。
早朝、相棒が起きてきて、「これ、いいね」と写真をプリントアウトしたものを指さした。くそ。
朝、なんとなく形になったので一応先方にご連絡。火曜日受け渡しとなった。

でも・・・。形が粗い。こんなの出していいのか?
この程度で西川の絵として人に見せられるのか?
うーん、いったいどうしてくれよう?

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



映画の舞台美術〜千と千尋と神隠し         2001年08月11日(土)

----------

「土曜日は美術館に行く日」なので、Webで知り合った方のグループ展と上野の芸大美術館に行こうと計画をたてる。が、チビ連れなのでついでに上野の動物園によろうか、と話をしていたら、お義母さんとチビが「千と千尋〜」を見たいと言うので、久しぶりに映画を観に行った。


ストーリーは相変わらずでご都合主義も多いのだが、私はいつからか宮崎駿監督の映画は、動きのディテールに見応えがあり、ストーリーや何故そうなるのか、という事は気にならなくなってしまった。今回の音楽はあんまり好きじゃなかった。
その映画館の音響がうまくないからかもしれないが、音楽が巨大でセリフがこもって聞き取れない。


でも、面白かった。観た後気持ちいい感じ。特に背景の舞台美術が面白かった。
鬼の襖絵が気に入ってた。それなのにカオナシが行儀悪くてたくさん汚してくれて、ちょっと「あ〜ぁ、勿体ない」とか思ったり。建物の螺旋階段のような作りも面白くて、絶えず人がばたばたと階段を上ったり降りたりして、室町時代の繁華街みたいだ。


「面白い絵とはこういうことか」なんて思った。
私の絵はいつも「面白さ」とは縁遠い。個展でも言われたけど。
「くそ真面目」な絵でも全然いいんだけれど、「面白い絵」というか、「面白い」ということはなんだろうって。
単純に形をデフォルメしたり、ないものをあるように描いたりするのが面白いんだろうか?狂気の世界や悪夢、ファンタジックな夢を描くことが面白いんだろうか?いやいや、そんな安直なものではなくて・・。


物を丁寧によく観ていく。私はまだここまでしかできないが、その先にこそ一番とんでもない世界があるのかもしれない。それとも自由自在に操れるようになるのだろうか?まぁいろいろ、思った。でも、千と千尋の舞台美術は本当に楽しかったよ!


◆参考リンク 千と千尋の神隠し
千と千尋の神隠し
 http://sentochihiro.com/
 
北海道新聞社 時代を翔る アニメ監督 宮崎駿
 http://www5.hokkaido-np.co.jp/bunka/miyazakihayao/

Spirited Away
 http://www.asahi-net.or.jp/~hn7y-mur/chihiro/
 学生さんの詳細レポート、フォーラムなど。

2ch 宮崎駿最新作「千と千尋の神隠し」
 http://salad.2ch.net/anime/kako/989/989862966.html
 掲示板。勝手にみんなわーわー言ってる。でも5月頃はけちょんけちょんにけなしてたのに、ロードショーが始まったら面白かった!と流れが変わる。

2ch アニメ業界の待遇を考える
 http://salad.2ch.net/test/read.cgi?bbs=anime&key=996617289
 何故かこんなものも読んでしまった。工場の工場員のような下っ端アニメーターたちの月収・年収の話。好きなことを仕事にしているとはいえ、泣けます(T▽T)。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



わんこの絵〜最速!         2001年08月10日(金)

----------

わんこ今日の作業。今日はBGMなし。

わんこの絵、その2。だいたい完成。私にしては最速!
2日(賞味12時間)でここまでこぎつけた。嬉しい。やればできるじゃん。(でも、受験生の時はもっと早かったよな)

テンペラオンリーで描いたら、割とスムーズに筆が運んだ。バックの処理で土壇場で迷う。線的な模様を入れたいのだが、ぴたっと来ない。何回も塗り直したら余計おかしくなっちった。やっぱ詰めは弱いか。ここからが勝負なのか。混合技法のものと並べると、マチエールが弱いような気がする。テンペラオンリー。白っぽいというか。うーん。これにオイルでもう少し描き足そうかな。

昨日の日記に書いたもので間違い訂正。わんこの足の指は、前4本、後5本だ。

ラファエルの筆はやっぱり欲しくて、やっとオークションで質問できたけれど、今度は入札ボタンが分からない。うーん。明日は土曜日なのでちと画材屋行って、大きさを確認してこよう。

Yahoo!の掲示板が面白くて、発言したらコメントがあって、返事を書きたいのだがなんか難しくて時間ばかりかかってまとまらない。何が言いたいんだか、ここでも悩む。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



わんこの絵〜土壇場         2001年08月09日(木)

----------

わんこ今日の作業。

2日ぶりに制作できた。何でできないんだろう毎日は。クヤシイけど、自分の問題。

わんこの絵。備考。
テンペラは描きやすく、これだけで完結してもいいくらい。オイルとの重ね塗りの必要なんか感じなくなってしまった。でも、一応セオリーなので一層かけてみる。オイルはサンブリーチド・リンシード。ちょっとぎらぎらっというかテラテラっとした感じ。

それはいいのだけれど、その上にテンペラがのらない。構わずのせると水玉のようにはじく。これは効果としては面白いけれど、描写には向かないなぁ。そんで白色が強くなったので、オイルをまたのせると、あ〜ぁ、またはげちゃった。

今日はランプブラックを使ってみた。たくさん使うと全体的に黒ずむけれど、随所効かせなら形が締まっていいんじゃないかと思う。

わんこ1はだいたい終了。感傷的な絵だなぁ。オイルが乾くのを待つ。

────

わんこもう一つのわんこ。
これは下地も決まって描きやすい。足がよく分からないので注意して描く。イヌの足って前足の指5本、後ろ4本だよね。親指は上の方で。うんうん。

斜めがきついので、頭でっかちになっていたのを徐々に訂正する。
色がちと暗い。モノトーン。全体的な塊が捉えられたら、背景色に色を入れよう。官能的なヤツ。青がいいかな。

オイルは最後の最後まで待ったをかける。オイルかけると線描が難しいような気がするので。

────

Yahoo!オークションでラファエロの筆を見つけた。欲しい。だんだん欲しくなってきた。登録しようとしたら、ちょっと質問するにもクレジットカードの番号入れなくちゃいけなかったりしてちと面倒。うーん。でも欲しいな。今日はラファエロの筆ばかり使って描いた。やっぱ使いやすい。太いのも面相も。

────

それにしても、2日ほどぼーっとしていたらもう9日になってしまった。やばい。これはやばいぞ。(^^)

保育園のバザーのポスターデザイン画を今月中に描くことになった。色は他の人に塗ってもらって、その原画描き。キャラクターはイヤだから、幾何学模様にしたいな。頭の中でものすごくイメージわくんだけれど、いかんせん手が動いていないのがクヤシイ。要は集中力。分かってるんだけれどなぁ。

今日は少し暑い。寒いよりいいや。昨日は図書館行ったけれど、冷房キンキンで膝が痛くてもう。冬が思いやられるよ。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



SOHO'S REPORTと「花畑の中のイヌ」         2001年08月06日(月)

----------

わんこ掃除洗濯炊事に時間をかけると制作時間が減って損のような気がしてたが、なんとなく家事労働を制作に役立てよう!、という気になってきた。

制作中はほとんど動かない。机の前に座って、何時間でもじっとしている。起きてすぐ制作すると、一日中ほとんど動かないことになる。それじゃぁだるいよね。(^^)

決まり事を作ってマジックで書いて、冷蔵庫に張り出した。相棒が見たらまた笑うな。

◆決まり事
(1)お昼はきちんと作って食卓で食べる。(パソ・ながら禁止)
(2)食器はすぐ洗う。
(3)洗濯・掃除は午前中に終わらす。
(4)時々軽く体操する。
(5)10時〜6時制作(仕事。約7時間)
(6)1日1絵(毎日1枚何かを完成させる)
(7)朝、その日の目標をたてよう!気まぐれ排除。

★すてきな1日を過ごしましょう!
★目指せ!収入!!


写してみるとアホくさ。
でもまぁ生活の積み重ねだからね。背に腹は変えられんのじゃ。

────

メールマガジンで、SOHOの「さかいめの無い生活」というレポートが泣けた。
(T▽T) 
夫婦で自宅オフィスを構えているのだが、公私混同甚だしくその混乱ぶりが目に見えるよう。「食事中に仕事の話禁止」とか。
SOHOというか自宅で行う自営業者の生活ぶりは、なんとなく知っている。職種は違うが、お義父さんがそうだし、かつて相棒がそうだった。仕事が来ると猛烈に働くところまでは会社員と同じだが、時間や日程が読めないので、忙しいときはパジャマでパソコンの前に座っている、通勤がないので家から一歩も出ず、運動不足で太る、1人で缶詰になって仕事して一日中どころか何週間も誰ともしゃべらないので猛烈に寂しい&虚しい時がある、等々。

気軽にできるイメージもあるようだが、自己管理・仕事配分能力がめちゃくちゃ問われる仕事形態だと思う。一番難しいのは営業よりも自分の健康管理かも。(^^) 精神面も含めて。過労死しても労災おりないんで、その点も含めて気をつけよう>自営業者。

────

わんこそんでわんこの絵。剥離をオイルで封じ込めたが、耐久性は疑問だなぁ。インク使っちゃったし。でも、オイルで閉じたのでテンペラを使えるようになった。これも考えてみれば不思議だ。テンペラとオイルの混合技法、これでいいのかしら?

と思ったら、2度目の剥離。いやこれは、テンペラ絵の具が充分乾かないうちに、油層を塗ったので、テンペラ層がはげてしまった。あーもったいない。(^^)
SM(サムホール)は面積が小さいんで、すぐ全体が水びだし。乾くの待たなきゃ。

バックはポピーの花畑にしようと思った。黄色とオレンジの華やかな!うふふ、ものすごく感傷的&世俗的な絵になりそう。今までの私だったらまるで考えられない美意識。世俗と感傷。でも、それもまたいいかもしれない、なんて思っている。


◆参考サイト
SOHO'S REPORT
 http://www.soho-union.net/report/
 Back Number (まぐまぐ) 
 2001.08.06 さかいめの無い生活

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



のび太イズムと睡眠学         2001年08月05日(日)

----------

わんこわんこの絵。

先週中に終わらすはずだった、わんこ絵を眺めている。油地にジェッソ塗って布で擦ったときに剥離した。それも記録としてとっておこう。それにしても、「写真をプリントしてその上に描く」「画家のデッサンの手間を省く」とそのキャンバスを支給されたのだが、全然楽じゃないぞ。(^^)しかも私のような描き方の場合、全く意味がない。どこまでもデッサンだから。

私の絵を称して、「ドローイング」と言った人がいたが、写実的な絵はどこまでも「色彩デッサン」、そんな感じかも。いいのか悪いのかは知らない。

────

常に緊張感を保ちたい!のだが、少し疲れるといつもひたすら休んでいる。そんなとき、「のび太イズム」というサイトを見てしまって、しかも全部(^^)。
昼寝のページでちょっと愕然とした。

睡眠学を学ぶと称されたそのページ、「中途半端な眠りはかえってだるくなる傾向が強いものである。」って私もそうじゃん。(^^)
(以下引用)
「ノンレムとレムの機能の違い」「ノンレム睡眠とは大脳をトコトン休ませる必要のある高等動物で生まれた機能でもある。」「短眠型と長眠型」「睡眠学では5時間以内をショートスリーパー、10時間以上をロングスリーパーと呼び、いつの世でも一定の割合で存在する。短眠型はてきぱきと効率よくこなし些細なことにこだわらず、長眠型は物事に敏感で逃避傾向が強い人が多いと言われてる。短眠型の代表としてエジソンが挙げられる。しかし長眠型が劣っているという見解は誤りである!創造性を発揮したり論理的な思考を繰り返してるタイプが多く、かのアインシュタインは長眠型なのである。」

睡眠時間が決める性格形成、などなど。なんか面白いんですよ。眠い眠いと悩んでないで、睡眠学の本でも読んで、睡眠について理解するのもいいな、と思った。

なにしろ混沌としているのはあまり好きじゃない。
体系化するとすっきりするからなぁ。

◆参考サイト
のび太イズム
 http://www2u.biglobe.ne.jp/~ajikidai/nobi/nobi.htm
のび太の昼寝(睡眠学)
 http://www2u.biglobe.ne.jp/~ajikidai/nobi/nobi7.htm

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



目黒区美術館・顔の踏み絵         2001年08月04日(土)

----------

足跡実にどうしてくれよう。

平日制作してひとりよがりにならないためにも、土曜日は是非美術館に行きたい。
先週はチビ連れなのに無理して土日歩き回ることになってしまった。
チビも疲れて平日一日保育園休ませたし、私も足が痛くなったりして病院へ行った。
無理はできない。悔しいけど。工夫しよう。

で、相棒に運転手になってもらって、実家へ行くことにした。
チビは東京のばばの所に行きたがっていたので、午前中預けて、午後から目黒区美術館へ。区民ギャラリーで友人がグループ展をしている。

結論から言うと、面白かった。
一人の世界に閉じこもりがちなアートの世界、それの殻を破るには、何が有効だろうか?一つは世俗的なものを恐れずに描くことではないかと思わせられた。中心となる作家は抽象画を良く描くが、それは具体的なものを抽象化した抽象画。全くの形ない物を描くのとは違う。その作家が、似顔絵を描いた。そして一面に床に敷き詰める。観る人は靴を脱ぎ、透明シートの上を歩きながら作品を見る。それが面白い。

もっとも面白かったのは、描かれた顔のほとんどが友人・知人であったことも関係しているだろう。知っている顔。それほど認識が違うのだ。そして相棒の顔、私の顔、チビの顔もあったよ。チビもやっぱり連れてくれば面白がったろうな。

そのグループ展を満喫し、もう一つ展覧会を観たかった。
が、きちんと調べなかったので、時間もなく見ることが出来なかった。
ちょっとがっかり。


はしごすることができなかったもう一つの原因は、相棒が珍しく「疲れた」と言ったこと。ヤツも作品が作りたがっている。友人のグループ展や個展を観るたびに、焦りと希望を漏らす。いつも同じセリフ。「俺も作りてーなぁ」。そして私の返答もいつも同じ。「小さいものから始めなよ」。でも今日は違った。

脱皮できなかったセミ「月曜から金曜、朝から晩まで働いて、土日はこうやって家族サービスをしなければならない。俺には制作する時間がない!」と怨み節。まぁ、気持ちは分かる。それで慌てて、相棒の自由時間を作るセッティングを。
朝は、「お盆は私、コンクール出品作品を描きたいから、海にでもチビと2人で行って来てくれ。私は久しぶりに昼夜構わず制作したい」と説得していたのに。
でも、「じゃぁ、私は諦めるから、お盆に3日間相棒の制作を邪魔しないよう、チビと2人で何処かに行ってるよ」、と具体的にセッティングすると相棒はしょんぼりして「いいよいいよ、時間があっても俺きっと何もできないから。何か作りたいけれど、具体的にどうしてもこれが作りたい、というものがないから。」

これまた珍しく弱音。結婚する前、作品が完成しなくて落ち込んでいる私に、「俺は構想10年だよ。忙しくてなかなか取りかかれないけれど、俺は諦めない!絶対いつか作品を作る!」と力強く励ましてくれたのに。


学生の時は横並びでスタートしたのに、やる人、やらない人、大分差がついてきた。やった人を羨んでも良いけれど、就職もしないで一銭にもならない芸術活動するには、どれくらいの世間の偏見に耐え、世俗の喜びを捨てて制作してきたことか。私は知っている。こういう言い方すると本人はイヤだろうけれど、生活の賭け方が違うような気がする。20代の気楽な時期を過ぎ、迷いの30代前半を過ぎ、30代後半になった友人たちの作品を見て、改めて感じる。

「小さいものから作ると良いよ。イメージが湧いたらとりあえずメモを取るとか。」
私から相棒へ送る助言は、やっぱりこれしか言えなかった。


そんで、一応土日はやっぱり相棒の力を借りなくても、チビ連れで外出できるよう、車の免許でも取ってみるかな。

◆参考リンク
鷹美術アトリエを懐かしむページ
 http://homepage2.nifty.com/hpy2/Taka-B/

新世紀ドクダミ草の祭壇 X
 http://homepage.mac.com/art_exhibition/

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



画材の研究サイトを調べる         2001年08月03日(金)

----------

昨晩は足がだるくて腫れぼったくイヤ〜な感じ。
夕食作るのに椅子に座って作っていた。

────

今日はその延長でぼけっとしてた。
せっせせっせと筋肉つけるためにリハビリ。珈琲入れながら。
途中で画材について調べだした。
Yahoo!の掲示板に最近よく遊びに行くのだが、どうしても「油彩地の上にジェッソ」は危険だと思う。剥離の原因になることはセオリーだ。
それを反証したくて調べモノをしていた。あんまりネット上には有効な情報がなかったなぁ。アート系はまだまだ。ショッピングも学術系も。

────

あと、自分の方の課題。
テンペラで素描をするとき、何が一番描きやすいか。
転写するときは墨を使え、とよく言われるが、墨は耐水でないからにじんだりすれたりしてイヤなんだよなぁ。だからインクだったのに。
例のイヌはインクオンリーで描くことにする。でも途中で何回か白色をかけて色を戻すと思うので、下地にジェッソは施しておく。

クサカベジェッソ(油彩に適したGessoという新製品)の説明を読んでいたら、上に水彩絵の具を薄くかけるとはじく場合があると書いてある。昔、アトリエ仲間がテンペラやりたくてアクリルジェッソ塗ったけど、最初水をばんばんはじいたのは、ジェッソの成分や性質に関係していそうだ。そのうち調べてみよう。

西洋絵画の画材と技法サイトの過去ログを一気に読む。
自分が思っても見なかった疑問や回答があってなんか面白かった。

────

◆参考サイト
Yahoo!掲示板 
 絵画の技法・材料情報交換所

西洋絵画の画材と技法 
 ビギナーズ掲示板 過去ログ

文房堂
 おすすめ画材紹介コーナー

ポップアート
 .なるほど分かった!画材Q&A 油絵編

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



剥離原因・インクもまずい         2001年08月02日(木)

----------

まずは昨日反省から。

ワンコの絵はがれたのはよ〜く見たらインクの上層にあるジェッソ。この貰ったキャンバスは油性地だ。全然気がつかなかった。どうりで最初インクがのらないはずだ。

その上に載せた油の色や食い付きが悪いのは、下地に吸収地がないから、浸透していかないせいだろう。オイルもビンに残っていた古いオイルを使ったのもまずかった。

────
今日の作業。

とりあえずA4サイズだと描きづらいので、ボードにボンドではりつける。ボンドはコラージュで使う道具でもあり、耐久性や油キャンとの相性は大丈夫だと思うのだが。

シェパード・シャール君の鉛筆画を描こうと、ケント紙を水張り。
鉛筆画の予定だが、なんとなくインク画にしたくなってきた。
下絵をトレースして墨入れ、それから絵の具をのせていくのがテンペラ画のセオリーだが、その意味がやっと分かったような気がする。
今回私がやろうとしたのはまさにそれだ。インクであたりを決め、その上に大きく絵の具をのせていく。結果的にインクの線は見えなくなる。

────

プリントアウトしたキャンバス地の写真の上に描いても全く意味がないことが分かったので、もう一枚のイヌの絵は、下地・有色地塗り済みのキャンバスボードに描くことにする。

まず写真をコピー。コピーはどうせ不鮮明なので、大きさの感覚しか分からない。荒い白黒のバランスとか。
カーボンでトレース。白黒つぶれて輪郭線は信用できないし形は全然分からないので、ボールペンで形を確かめながらクロッキーする感じ。

ワンコの絵テンペラ茶系でアウトラインを決め、大きな明暗を決める。
前回の茶色のイヌがばたばたと訂正ばかりだったので、今度は少し慎重に。
必要な絵の具しかのせない。この決意と緊張感もテンペラ独特のものかも。

────

インクで下絵は、後ほど上層ににじみ出てくるのでまずい、と技法書に出ていたが、それもずっと意味が分からなかった。墨ならよくてインクがまずいのはなぜよ?

「西洋絵画の画材と技法 」サイトで質問したら、やっと分かった。
インクは染料。粒子が細かいので、浸透してしまうのだ。
そしてもうひとつ気がついたこと。
私はインクの透明性が気に入って今回素描していたわけだが、テンペラは不透明。
透明はレーキ(染料)、不透明は体質顔料、という感じなのかな。
油絵描くには透明色と不透明色を理解しなければならないという発言を読んだことがあるが、また課題が増えたな。( ̄▽ ̄;A

◆参考になったサイト
西洋絵画の画材と技法
 http://homepage1.nifty.com/cad-red/

Nisaki's 絵具学
 http://www4.justnet.ne.jp/%7Esienna/color/index.html

油彩画講座
 http://www.kaigai.net/ohnoart/oil_art_school/

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



ワンコの絵 〜 下地考         2001年08月01日(水)

----------

「足が痛いから保育園に行けない〜〜〜。ママが行ってた病院にボクも行く〜〜。」
免罪符とばかりに連発するチビをなだめすかして保育園に。たいてい登園しちゃえば楽しく過ごして、迎えに行っても帰りたくないと言うに決まってる。この日もそうだった。

送ったついでに薬局に行って、膝の処方箋をもらう。昨日は時間切れで行けなかったので。げ、痛め止めの飲み薬の他に胃薬まである。なんかきつそう。湿布がかぶれてカユイので、塗り薬に代えて貰う。

会社に出す請求書。
今月から時給になってしまったので、計算するのが超面倒くさい。しかも額は3分の1程度。同じ作業して計算方法が異なるとこうも違うモノか。やる気はさっさとなくなったけど。時給計算だと、効率悪い方がトクじゃん、なんて思ったり。まぁ、1時間近くかかったけど、はんこ押して郵送。
掃除・洗濯・茶碗洗い・布団干しなど、珍しくまめまめしく家事をする。
昨晩は同報配信発行、請求書、ファイリング準備の画像加工と、4時くらいまで起きていたが、今日は眠くないぞ。

────
ワンコの絵
午後、イヌの絵に取りかかる。仕事分。プリントアウトしたキャンバス地に直接描けるか、という実験も兼ねている。

うーん。描きにくそう。写真が下にあると邪魔だなぁ。地もキャンバス地とはいえ薄いし。いつも板に石膏地きちんと施して描いていたからなぁ。でもこれで成功すれば、七面倒な石膏地のありがたみは薄れる。とりあえずあたりだけとって、後はジェッソで消す案を考える。

以下作業手順。

(1)インクで平筆・ラフな下絵を施す。
  →はじくので失敗。

(2)インク・ペンで墨入れはOK。
 黒だと沈みがちなので茶で施す。
  ぷかぷかして描きづらいなぁ。水張りする。
 
(3)アクリルジェッソを薄く溶いて塗る。墨入れは薄く出て、
  写真箇所は消えていい感じ。
 
(4)上から再度墨入れ。ペンは下のジェッソを削ってぼろぼろにしてしまう。
  くそ、どうしてもペンは使えない。
  油絵とペンを併用するのが夢なんだけれどなぁ。
 
(5)でも、明暗、形を作る平筆のノリはいいので、そのまま描写。
  お、いいじゃん。茶・黒のインク、平筆、面相(大)、面相(極小)で描写すると、
  鉛筆画では得られないのびやかさと、テンペラでは得られない透明感、
  水彩では得られない緻密な描写と堅牢感がある。気に入った。
  (後で思えばここで一端記録しておけば良かった。)
 
(6)濃いめに描いたところでジェッソをもう一枚かます。
  これでジェッソはおしまい。白色絵の具として使えたらいいんだけれど、
  油との併用はできないからなぁ。
 
(7)テンペラで描写。いい感じ。(挿し絵参照)

(8)油絵の具で一枚のせる。これがなんとなく汚い。

(9)テンペラで全体的に大きく色を乗せる。だんだん汚くなる。
 おかしいなぁ。水張りしたけどぼよぼよ波打ってきて描きづらい。
 強制乾燥!とばかりにドライヤーをかける。
 
(10)汚くなっても平気。落としちゃえば、と布で大きく拭く。がりがりと落とす。
  これが大失敗。落とせねーじゃん。(^△^;)
  下地がほとんどないから、ジェッソの下地が代わりにボロボロと
  はがれてくれてこりゃ困った。
  アクリルジェッソは化学物質が横に被膜を作っているだけで、
  全然下地に食いついていかない。浸透していない。
  脆弱な支持体だなぁ。それにこれは塗り直しを許さない地だ。
  本当に一発描きしないとだなぁ。値段的にも。
  ま、この辺は勉強させてもらいます、という感じもありますが。
  保存面でも不安が大きいなぁ。後日ぽろぽろはがれたりしないだろうな。

2時間目に大成功で驚喜していたのですが、3時間目に大失敗でちょっと落ち込みましたです。ま、いっか。ノリがいいとものすごく作業早いということが分かったので、次もさっさと訂正しよう。

それに、普段やっている石膏地がいかに描き進めやすいかいかということを再認識しました。浮気して古女房の良さを知る。(←おっさんくせー)

────
夜は洗濯物をひたすらたたんでました。今日は3回も洗濯機回しちゃったので。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY