<テンプレ> -------------------------------------------------------------------- 翌日何の気もなく教場へはいると、黒板一杯ぐらいな大きな字で、天麩羅先生とかいてある。おれの顔を見てみんなわあと笑った。おれは馬鹿馬鹿しいから、天麩羅を食っちゃ可笑しいかと聞いた。すると生徒の一人が、しかし四杯は過ぎるぞな、もし、と云った。四杯食おうが五杯食おうがおれの銭でおれが食うのに文句があるもんかと、さっさと講義を済まして控所へ帰って来た。十分立って次の教場へ出ると一つ天麩羅四杯なり。但し笑うべからず。と黒板にかいてある。さっきは別に腹も立たなかったが今度は癪に障った。冗談も度を過ごせばいたずらだ。焼餅の黒焦のようなもので誰も賞め手はない。田舎者はこの呼吸が分からないからどこまで押して行っても構わないと云う了見だろう。一時間あるくと見物する町もないような狭い都に住んで、外に何にも芸がないから、天麩羅事件を日露戦争のように触れちらかすんだろう。憐れな奴等だ。小供の時から、こんなに教育されるから、いやにひねっこびた、植木鉢の楓みたような小人が出来るんだ。無邪気ならいっしょに笑ってもいいが、こりゃなんだ。小供の癖に乙に毒気を持ってる。おれはだまって、天麩羅を消して、こんないたずらが面白いか、卑怯な冗談だ。君等は卑怯と云う意味を知ってるか、と云ったら、自分がした事を笑われて怒るのが卑怯じゃろうがな、もしと答えた奴がある。やな奴だ。わざわざ東京から、こんな奴を教えに来たのかと思ったら情なくなった。 『坊ちゃん』夏目漱石より -------------------------------------------------------------------- <自分で作ってみた> 翌日何の気もなくブリーフィングルームへはいると、黒板一杯ぐらいな大きな字で、カップラーメン先生とかいてある。 おれの顔を見てみんなわあと笑った。おれは馬鹿馬鹿しいから、カップラーメンを食っちゃ可笑しいかと聞いた。 すると傭兵の一人が、しかし四杯は過ぎるぞな、もし、と云った。四杯食おうが五杯食おうが俺の金で俺が食うのに文句があるもんかと、さっさと飛行ブリーフィングを済ましてバンカーへ帰って来た。 十分で戦闘を済ませて、次のブリーフィングへ出ると一つカップラーメン四杯なり。但し笑うべからず。と黒板にかいてある。 さっきは別に腹も立たなかったが今度は癪に障った。冗談も度を過ごせばいたずらだ。 マッコイから20ドルで買ったミサイルのようなもので誰も賞め手はない。外人部隊はこの呼吸が分からないからどこまで押して行っても構わないと云う了見だろう。一時間飛ぶと見物する町もないような狭い基地に住んで、外に何にも芸がないから、カップラーメン事件を米ソ冷戦のように触れちらかすんだろう。 憐れな奴等だ。紙切れ一枚で、こんな教育されるから、いやにひねっこびた、砂を噛んだエンジンみたいな人間が出来るんだ。無邪気ならいっしょに笑ってもいいが、こりゃなんだ。兵隊の癖に乙に毒気を持ってる。 おれはだまって、カップラーメンを消して、こんないたずらが面白いか、卑怯な冗談だ。お前等は卑怯と云う意味を知ってるか、と云ったら、カップラーメンで食費削って金貯めて笑われて怒るのが卑怯じゃろうがな、もしと答えた奴がある。やな奴だ。わざわざ東京から、こんな所に戦争しに来たのかと思ったら情なくなった。 -------------------------------------------------------------------- 駄目だ、む、難しい・・・。オチがないヨ。 反骨精神あふれる一本気の江戸っ子のシンじゃなくって、偏屈で気鬱なシンになっちまった。でもカップラーメンのころのシンって、こんな感じっていえばこんな感じですが。 オタ女のアイドル漱石先生ですが、漱石センセの話は濃厚な友情関係が続出して、その道の通にはタマリマセンネ。 あたし、夏目センセの文体というか口調好き。センセの文体はときどき凄く色っぽくて頬が紅くなる。ついでにあの妙な当て字も好き。 正岡子規との書簡なんて、君がいなくなっちゃて寂しいから睾丸を握りながら、君のことを思っています、それまではアヂュー、など、い、今なんていったーッ?!という内容が超絶技巧漢文を駆使した文体で書かれていていて、読んでいて脳貧血を起こします。握り睾丸ですよ、握り睾丸。 文豪から入っちまうと、ライトノベルなんてぬるくて読んでられません。ヤングアダルト?BL?ハア?そんまもんに天下のくしゃみセンセは負けてはいません。『それから』なんて凄いですよ。超絶技巧漢文と英語の翻訳文みたいな理屈臭い日本語の応酬に失禁ものですぜ。つゆだくつゆだく。本当、ナナメ読みするのに最高のテキストですね!夏目先生は。国の誇りです。私は夏目センセの本を読むたびに日本に生まれてよかったなと思います。つうか真面目に読んでいると夏目漱石は偏屈気鬱で胃潰瘍おこすって。 新札の樋口一葉はくせのある文体のため、読むにはそれなりに古文慣れしていないとちょっと苦しく、最もメジャーな『たけくらべ』ですら吉原の話なので、ある程度の年齢になっていないと意味が理解出来ないなど、名前のわりに実際読んでいる人は少ないのではないかと思うのですが、その点我らが夏目センセは、高校生ぐらいになれば誰でも手に取れて善いですね。 漱石は生まれてすぐ、里子に預けられちゃって、その養父が破産してまた生家に戻っており、これが人格形成や作品に影響をもたらすわけなのですが、財布の中から消えていく千円札を見るにつけ、山岸凉子センセあたりに夏目漱石×正岡子規で漫画にしてもらいと、そんなことを思う今日このごろです。
さあ、悪魔ども、この質問に答えてみろ! Q1.風間真と海音寺八兵衛の血縁関係は? A.父子 B.叔父と甥 C.祖父と孫 Q2. 風間真と海音寺美鈴の血縁関係は? A.兄妹 B.いとこ C.またいとこ Q3.海音寺八兵衛と風間真の実母の血縁関係は? A.兄妹 B.父娘 C.祖父と孫 Q4.風間真の実父と実母は誰? A.風間英人・風間(海音寺)祥子 B.風間英人・名無しのロシア人との混血児 C.名無しのロシア人との混血児・風間(海音寺)祥子 Q5.神崎悟の実父は誰? A.風間英人 B.海音寺八兵衛 C.名無しのロシア人との混血児 Q6.風間(海音寺)祥子を殺害したのは? A.風間英人 B.海音寺八兵衛 C.神崎悟の実母 わ、わからん・・・。あの二人の血縁関係って、複雑で一度じゃ頭にはいらねぇ。 <解説> ▼風間真 孤児院出身のいわゆる捨て子。混血児らしいが両親のことは一切不明。混血児であるために、いわれのない差別も受けたことがあったようである。 自力で学費を稼ぎ、苦学して大手航空会社のパイロットの職を得る。が、友の裏切りにあり外人部隊に放りこまたのは、すでによく知られたところである。 どうやら金に不自由していたのは何も外人部隊に入ってからのことではなく、普段からのことだったようだ。 そんな天涯孤独の風間真の正体は、元内閣総理大臣・風間英人の次男。さらに母は政界の黒幕・海音寺八兵衛の愛娘。つまり父が総理大臣で、祖父が政界の黒幕(しかも財閥に肩を並べる資産家)という超お坊ちゃまだったのである。スーパーセレブな坊ちゃま風間真。 ただし、総理大臣のご令息といっても、実際のところは血はつながってはいない。母の不義によって出来た子なので、実父は風間元総理ではなくロシア人の混血児らしい。したがって、真はロシア人とのクォーターということになる。実父についてそれ以上のはっきりしたことはわからない。 真が生まれたのは風間が総理に就任した年であった。 しかし、この生後間もない総理の次男は、突如何者かに連れ去られてしまう。 現役総理大臣のご子息誘拐という大事件に、世間は揺れに揺れ、マスコミは騒然とし、警察はもてる限りの力を上げて調査を進めたと思うのだが、どういうわけだがこの子息の行方はようと知れなかった。その日、都内の孤児院で行方不明になったのと同じ月例の乳児が捨てられているのが保護されているのにもかかわらずにである。 孤児院の方では、当然保護した捨て子の届出をし、各種手続きをしたと思うのだが、不思議なことに、この捨て子と行方不明の乳児は結び付けられることはなかった。 さらに、コート、ストッキングという遺留品が多いのにもかかわらず、神崎実母もまた捜査線上にあがってくることはなかったのである。 そして、この捨て子は “風間真”と名づけられたわけだが、身一つで捨てられていたのに、何で本名がわかるか?とこれまた奇妙なことである。 もしかしたら、もの凄い偶然で同姓同名だったのかもしれない。あるいは、“風間真です。よろしく”とういう手書きのメモが残されていたのかもしれない。はたまたことの真相を知る政界の裏からのさしがねで金を握らされた院長が、一役噛んでいるのかもしれない。いや案外総理大臣の赤ちゃんが行方不明になっちゃったから、あなたの名前はそれと同じにしましょうねというワイドショー好きの院長先生の趣味で決まったのかもしれない、等々、命名にまつわる諸説は今日に至るまで数え切れない。 先に話を進めるため、ここではその諸説はおいておくが(これに関しては社会派推理作家・竹本清張による「風間事件」に詳しい。もちろん嘘)とにもかくも、夫人のもとに幼子は戻ることはなかったのである。 こうして風間真と名づけられた乳児は、孤児として育てられることとなった。波乱に満ちた人生の幕切れである。彼の壮絶人生は、なにも契約書にサインをしたときに始まったのではなく、この世に生を受けたときから、すでに始まっていたのである。 しかし、この事件はこれだけでは終わらなかった。 子どもを失い心身に支障をきたした妻のため風間元総理は別荘を買い与えるのだが、その別荘にて、風間夫妻は謎の転落死を遂げるのである。 元総理夫妻の謎の死。他殺説、自殺説、事故説、政界の陰謀説、謀国の謀殺説・・・捜査は二転三転し、困難を極めた。 そして不可解な点が多すぎるこの事件は、渦中の人物風間英人の謎の死が決定打となり、真相は解明されることがなく、藪の中におかれた。なお、不思議なことに、このときも、事件現場のすぐ近くで、風間元総理のかつての妻が息子と無理心中して事故死しているのだが、この事件との関連は取り上げられることはなかった。 こうして現役総理大臣子息失踪事件は迷宮入りし、下山事件、木星号事件、3億円事件とならぶ、戦後の未解決ファイルとして殿堂入りした。この日本中を震撼させた「風間事件」への人々の興味は今も尽きることはなく、今日に至るまでさまざまなミステリー小説・漫画・映画の題材として、繰り返し取り上げられている。そしてその代表作がエリア88なのである。 ▼神崎悟 風間英人元総理の長男。風間元総理は、生涯3回結婚しているが、神崎悟は2番目の夫人の子ども。3番目の夫人の子どもが風間真。神崎というのは母の旧姓。 4歳のとき、両親の離婚が成立し父とは別離。母に引き取られるが、母は無理心中をはかり死去。本人のみが生き残る。母亡き後は、孤児院にて育つ。 真とは戸籍上の異母兄弟。ただし、実際のところ、真は不義の子なので、風間の血を引いておらず、神崎悟との血のつながりはない。 父は元総理、母は名門神崎家、神崎悟もまたハイソな出身であった。 しかし、そんなお坊ちゃまも、母亡き後は、金で苦労したらしく、学費をまかなうのも大変だったらしい。 神崎は母を捨てた男を長い間探していたようだが、真と違い身元がはっきりしているのだから、市役所の戸籍課にいって、自分の戸籍を調べれば相手の男が誰か一発でわかりそうなのに、何故か神崎はそれをしない。300円も払えばすぐにわかりそうなのに、何故か神崎はそれを行おうとはしなかった。おそらく大和航空入社のため、戸籍取り寄せたときに、偶然自分の父が誰なのかわかったのだろう。もしかしたらその金も払えないぐらい神崎は貧乏だったのかもしれない。はたして本当に神崎家は名門だったのだろうか?本当は神崎母は身寄りのないただの山だしの女中だったんじゃないのか?名門だったら、何故母の死後、誰も引き取り手が現れず、父の名もわからないのだろう? その後、神崎は大金を使って詳細な調査を依頼する。貧しい彼にとって、その金はさぞ苦しかったに違いない。 そして世界に誇る日本の警察の必死の捜査にもかかわらず、解決をみなかった「風間事件」が、一介の調査屋と神崎悟の手によって、一つの答え形をみたのは、まさにこの時であった。 こんなことを書いていると、外人部隊の話なんてどうでもよくなるぐらい、この生い立ちだけで、ドラマがあるな。
昭和の少女漫画読みが3人集まると、アンソニーかテリィで激論が交わされますが、私は断然テリィ派です。 こんにちは。新谷かおると少女漫画(いつシリーズ化したんだ)、第3回目は、いがらしゆみこ『キャンディ・キャンディ』です。 『キャンディ・キャンディ』は、新谷かおるに資料を貸してもらい、構図を直接描いてもらってアドバイスをもらっていたいう記事を見て読んで以来、ずっと読み返したい読み返したいと思っていたのですが、おりからの著作権問題のため、現在原作本がオールストップの再販未定の絶版、古本は高騰、コンディションのいい本がなかなか手に入らず、悔しい思いをしていました。ところが、大変喜ばしいことに、クリスマスの朝、私のあしながおじさんさんが、どこで掘り出してきたのか、『キャンディ・キャンディ』の本をプレゼントしてくれましたのです。それは部数がさぼど出回っていない貴重な特装版で、状態も良く、一冊一冊手製のハトロン紙のカバーが巻きつけてあり、前の持ち主がかなり大切にあつかっていたと思われる品物でした。(本当は自分で買った、自作自演) 今日はそんなキャンディ・キャンディ(と新谷かおる)についてです。今日は長いぞ、心してかかれ。 まず結論を最初にいってしまうと、めちゃめちゃおもしろかった、非常に感動した。今回通しで『キャンディ・キャンディ』を全編を読み返してみたわけだが、読み終わったあと、感動の熱をここまで高めて引かせない作品というのも、珍しいのではないかというぐらい激しく感動した。特に後半、ステア戦死から、最終回に向けての追い上げが素晴らしい。このあたりからは、まさに神降臨といっても過言ではなく、ストーリーも絵も神掛かった勢いがあり、ラストにむけてほどばしるパッションとエナジーに、落ちる涙をこらえることができず、ページをめくるたびに滂沱した。 そして今まで一番自分の身近にいたアルバートさんが、実は丘の上の王子様だったという第1話にリンクする有名なラストシーン。この幕締めの完成度の高さは他に例をみない。 完成度の高さで絶賛される『ポーの一族』や『リバーズ・エッジ』にすこしも引けをとらないのではないだろうか。 昭和が生んだ名作少女漫画は数多しといえども、ここまで〆がきっちりまとまった漫画もまた珍しいかろう。 永遠に終わらなさそうな大衆少女漫画のトップアンカー『ガラスの仮面』や、話は知らなくてもお蝶夫人の名前だけは知られている後半宗教かかって変な方向にいってしまった『エースをねらえ!』や、オルカル死後は精彩を欠き、やっぱオスカル様がいないとつまんないわよねーの知名度だけは他を抜きん出ている『ベルサイユのばら』や、終わり時を失い駄作に転落し、追い討ちをかけるように作者本人がリメイク版までつくってしまった『ときめきトゥナイト』や、話がどこまでいったのかわかんなくなって途中2,3巻飛ばして読んでもそれに気がつかない無限ループ漫画『王家の紋章』や、今度は夏目漱石×正岡子規で書いてもらいたいよ山岸センセの後味の悪いラストに賛否両論分かれる『日出処の天子』など、最後に少々難あり意見の分かれるの漫画も多い中、この作品ほど、綺麗にまとまった話は少ないといっていいだろう。 創作にはラストシーンがよくって、それがために向こう100年語りづがれる名作というのが存在するが、キャンディもまさにその部類に存在する漫画であろう。終わりよければすべてよしじゃないが、この最終回はケチのつけどろこがなく、これにはおしみない賞賛を贈りたい。そして、執筆者の方々には敬意をはらうことやぶさかでない。 また、絵に関しても、いがらしゆみこのふくよかなペンタッチの絵柄も作品のカラーに合っていて可愛らしく、画面の書き込みが多すぎず少なすちょうどよく、大ゴマ小ゴマの使い方もメリハリがきいていて見やすく、話もローティーンの子でもついてこれるわかりやすさで、読みやすいのではないかと思った。 昔の漫画を褒めるときの常套句として、“古さを感じさせない”とか“少しも古臭くない”、“現代でも充分通じる”というのがあるが、キャンディの場合は、そもそも、あしながおじさんや、赤毛のアン、秘密の花園、ポリアンナ、8人のいとこといった名作少女小説の漫画版として書かれたため、斬新とか革新的とかいわれる話ではなく、当時からトラディショナルでノスタルジックな(悪く言えば古臭くて幼稚)話であった。連載時の時点ですでに、少女たちに“懐かしい”という気持ちを抱かさせる漫画だったのである。わたしこういうお庭のある家に住みたいと“昔”から思っていたのよねーと、また10歳にも満たない少女達に言わせる漫画だったわけである。 私は連載時の読者だったので、当時のフィーバーぶりを直接知っているのだが、レイクウッドの薔薇の門、石の門、水の門、ああいう庭っていいなぁとか、最終回にでてくるアンソニーのママ(アルバートさんの実姉)ことローズマリー・ブラウンの肖像画がかかっている部屋、ああいう肖像画がおいてあるお屋敷っていいなぁなど、キャンディに出てくる家や洋服や暮しぶりに“昔懐かしさ”を思える少女は少なくなかった。逆に昔→子ども→幼稚→幼稚っぽくて恥ずかしいから嫌いという子も多く存在した。 したがって、今みても、キャンディはあいからずトラディショナルでノスタルジックである。 と、大絶賛してしてしまったのだが、どうしてもなつかし指数で評価が激甘になってしまっていかん。なので、ここで頭を冷静にして、現役小学生にも鑑賞に堪えうる作品であるかどうか実際に読ませて、感想を聞いてみることにした。 何事も調査である。もしかしたらおもしろいと思っているのは、PTAオバ厨だけで、今の小学生にはうけないかもしれないからな。ことに絵に関しては、リアルタイムでおいかけていたため、自分の中の絵の原点というかポールポジションになっており、古くても、そうと客観的判定できないので、他人の意見も耳を傾ける必要性があるだろう。現に『デザイナー』の絵は古臭い古臭いと絶叫したくせに、キャンディの絵はそれほどでもないかナァ?と思っているあたりが、オバ感性化の証拠ではないか。私は今、時代の変化を冷静に見つめる必要がある。 それには実際に読ませて、現代でも通用するか、試してみるのが一番いいだろう。というわけで、一緒に暮らしている現役女子小学生のうまちゃんに協力して読んでもらった。 そうしたところ帰ってきた返事が「感動した!」であった。 じゃあ、カードキャプターさくらと、セーラームーン(漫画限定)と比べて、どれが一番おもしろい?と次にこんな質問をしてみた。ともに歴代なかよしの売り上げ増加に貢献した代表作である。するとその返事はまたしても、「キャンディ・キャンディ!」であった。 それじゃあ、種村有菜とどっちがうまいと思う? 「キャンディ」 「でも絵古臭くない?」「少し。目がフサフサフサってなっている。でもお家とかバックの絵は普通だと思う」 やったよ、ゆみこ、さくらとセーラームーンに勝ったよ!有菜っちに勝ったよ。現役小学生に認めてもらったよ!やったね☆ゆみこ。 さらにここでうまちゃんは既に原作者である水木杏子の小説版『キャンディ・キャンディ』を読んだことがあるので、今度は小説版と漫画版、どちらがおもしろいかと尋ねてみた。彼女は名木田恵子(水木杏子の別ペンネーム。水木センセは女子小学生の間ではわりと読まれている児童文学作家)の児童小説も読んだことがあるので、それも含めてきいてみた。その答え。 「漫画のほうがおもしろい」 ゆみこ、勝ったよ!現役小学生は水木より、いがらしを選んだよ!よかったネ☆ (よあかない。水木センセの話があってのあの漫画だし、ゆみこ独りじゃあんなにおもしろい漫画はかけなかったと思う。いがらしは絵は可愛らしいけど、お話の作り方がもうひとつって感じがする。この人は原作がついている話はおもしろいがついていない話はつまらない。もっとも、漫画キャンディキャンディは名作であっても、小説版キャンディは児童文学としては凡庸な作品にすぎないと思うが。勝敗はゆみこ水木共同創作による漫画にあり。) 以上のことより結論。キャンディは現代の少女達の間にも充分通用し、読み継がれるに値すべき漫画である。(サンプル調査1名) 今日でも、あしながおじさんや赤毛のアンをはじめとする少女小説が多くの少女(とおばさん)に読み継がれているのを思えば、キャンディもそういったものが好きな女の子達(と母親)の間で通用するのは自明の理であり、現代でも充分受け入れられる要素の漫画である。 名前ばかりが有名すぎるのがわざわいして、反って手にとってもらえないのが難点だが、少女漫画読みたる者、基本図書として読んでおいて損はない作品だと思う。 それに関してちょっと気になったのだけれど、少女漫画評論をのぞいみると、24年組あたりの評論は掃いて捨てるほどあるし、岡崎京子や高野文子あたりはサブカル気取り論客もどきがうんざりするほど語りつくし、川原泉や佐々木倫子あたりは教養人から愛され語られもてはやされ、エンタメ嗜好というと美内すずえが決まって常連で、時代を語るというと吉田まゆみや岡野玲子あたりの名前が挙がる・・・等々さまざまな作品が取り上げられているのだけれど、意外や意外キャンディに関する記述というのは、その知名度に相反して、それほど多くはないような気がする。それはもしかしたら、幼年向けと思われているのに関係しているのかもしれないが、もしそうだとしたら大変もったいないことである。 キャンディは幼年向けに改変して作られたキッズアニメがヒットしたために、必要以上に児童向きと思われているのようだが、原作のほうはそこまで幼年向きではないことをつけくわえておく。同人女が好きそうなロンドンの寄宿舎学校や、一つ屋根の下話でもあるので、もしかしたら大きいお姉さん方にも暖かく迎え入れられるかもしれない。 そして本日の主旨である新谷かおると空戦だが、(うっかり忘れそうになった)おお、これか!あるよあるよ、いやに書き込みに力のはいったコンバットシーンがあるよ。 一目でわかる少女漫画のレベルを超えた空戦の構図がいきなり登場しているよ。ステアが機銃一挺のフランス機に乗っていて、敵のドイツ兵がプロペラ同調機構のドイツ機に乗っている。これまでもステアが飛行機に乗る場面はあったけど、それと比べたらぐっと本格的な戦闘機絵だ。 おいおい想像していたよりずっといいじゃないか。上手いよ、ゆみこ!特に、ステア機が海に落ちていくところのコマ、ドイツ軍機が左上にあって、ステア機が右後方に墜落していくやつ、遠近感があって非常にさまになっているよ。ここのコマの奥行感はキャンディ随一だな。見ていて、私も海に落っこちそうになったもの。これが資料的・航空学的に正しいのかどうかわたしにはわからんが、この構図自体は絵になっているのではないかと思った。 そして、ここで出てくる戦闘機がなんて名前なのかせっかくなので、調べてみることにした。年代が話から推定するに、1915年ぐらいなので、そのへんの資料を探せばわかるだろうと思って、ちょっと調べてみたのだが、わからなかった。駄目だ、私にはみんな同じに見えてしまって、どれだか判別がつかん。かろうじてステア機は、そのスタイルからズバット7じゃないかとあたりをつけるが、敵兵が乗っているドイツ機が、さっぱりわからん。プロペラ同調機構の登場は、1915年ドイツのフォッカー社だそうなので、そのあたりをさぐってみるのだけれど、みんなおんなじにみえてしまって、探し出せない。 そこでお知恵を拝借。 http://www.geocities.co.jp/Playtown-Rook/2648/aeroplane/model17.html ここのサイトさんの説によると、ステアの乗っているのはズバット7で、ドイツ兵の乗っているのがフォッカー D-7らしい。 ズバット7の登場は1916年、フォッカー D-7の登場は1918年春以降。なので、年代的にはこの機体の使用は正しくないということになるらしい。どうせならそこまでこだわって欲しかったのが、ちょっぴり残念なところだ。 そういうところはここに限らず他にもある。テリィがステア達に別荘の倉庫にしまってあった飛行機を見せる場面、おやじが若い頃好きだったと言っているのだけれど、複葉機なんてテリィの親父の若い頃には当然まだないはずなので、あそこも年代があわないことになる。時代考証に突っ込みをいれるときりがないので、あれはアードレーファミリーに気遣って、大貴族のテリィが金に物を言わせてわざわざ用意したものと解釈しておくことにでもしておこう。 アンソニー落馬死を馬術的・動物学的観点からみたものと、ステア墜落死の航空学・航空史観点からみたものと比較した場合、正確ではどちらに軍配があがるだろう?1910年頃の馬術と第一次世界大戦時の空戦に精通している人がいたら、是非とも聞いてみたいところだ。 さて、長くなった本文であるがいよいよまとめることにしよう。 ステア戦死はキャンディキャンディ最大のクライマックスである。ここを頂点にキャンディは最高潮の盛り上がりをみせる。書いているほうの力の入れ具合も半端ではなく、それは絵一コマからもひしひしと伝わってくる。 これらが新谷氏の協力によって出来上がっているのか、本当のところはわからない。いがらし氏のホラかもしれないし、記憶違いかもしれない。また仮に資料を借りたとしても、それをこの場面で使用したという保証はどこにもない。 でももしそうだったら嬉しいなぁというのが、私の願いであり感想である。 終(うまくまとまった) ※キャンディキャンディ/いがらしゆみこ・水木杏子 なかよし1975年4月号〜1979年3月号連載。 第一次世界大戦がはじまるちょっと前のアメリカ。孤児キャンディはアメリカきっての大富豪アードレー家の養女となる。どんな逆境にもまけず明るく生きるキャンディ。愛する人との死、別れを経て、キャンディは看護婦になる道を選ぶ。タイプの違うカッコいい男の子たちが大量に登場し(全員美形で超大金持ち)、誰が一番いいかで大激論になってはや四半世紀の名作少女漫画。ちなみに当ページの制作者は最初に述べたとおり、テリュース派である。
これまた古い話題で失礼。BS漫画夜話(04年4月放送)の一条ゆかり特集で、一条ゆかりの『デザイナー』は新谷かおるがアシスタントでメカを書いていたんだよ、ということやっていたそうで、どんなんだろうと興味を持ったので私も読んでみました『デザイナー』。 この漫画を読むのははじめてで、少女漫画界の女王・一条ゆかり初期の代表作だと聞いていたので、それなりに期待をこめてページをめくったのですが、ふ、古い、絵が古くせぇ。開口一番まずでた感想がそれでした。いやあごっつい昔の純少女漫画絵柄ですね。今じゃ見かけない絵柄だよ。 昔の漫画なんで、それなりに時代かかった絵だろうと想定していたんだけど、ホントに古いですね、絵だけで、時代が透けてみえます。一条ゆかりは有閑倶楽部の初期ぐらいの絵のイメージが一番強いので、若かりし頃の画風にまずは驚きました。どのぐらいのころに書かれたものなんだろうと思って巻末をみたら、1974年、りぼん掲載でした。女王も昔はこんな絵を書いていたんですね。 でも、絵は抜群に巧いや。うん、巧い。こりゃ凄い若手が台等してきたって感じですな。将来有望な若手の登場に、ベテラン勢もさぞあせったことでありましょう。 そして、問題の新谷かおる・弓月光・聖悠紀らが書いたというメカ。これか、なるほど!メカやオーディオや背景が少女漫画離れしていて、キマッテいるよ。それまでの少女漫画にありがちな現実無視のファンシーな背景やメカニックと違って、緻密でリアルな画がゴージャスな一条絵のバックに登場していますよ。特に車はいろんな車種が登場してこだわって書いております。そしてオーディオ類も書き込みが細かい細かい。特に感動したのが、町並みと看板。看板の文字のレタリングが実物みたいで、で整っていて美しいこと美しいこと。 背景が白い顔漫画とか、トーン頼りのライトな漫画とか、ラブリーなお花ばかりが咲き乱れる脳内ポエム漫画とは、一線を画した画面構成ですね。 話のほうはというと、デザイナーを目指すチャームな女の子のどたばた青春ラブコメ・・・じゃなくて、もうドロドロの純・少女漫画。いかにも一条女王らしい。孤児、出生の秘密、交通事故、親子どんぶり、近親相姦、男色、自殺、妊娠、双子、とこれでもかというくらい少女漫画エッセンスがてんこ盛りに盛られてた密度の濃い話になっています。 長さ的はコミック本で2冊、文庫なら1冊なので、そんなに長いわけではありませんが、中身が濃くて読むのにえらい疲れました。大長編を読んだときなみに、ぐったりと披露しましたよ。 ちょっとストーリーを紹介すると、主人公の亜美は孤児で人気のトップモデル。しかし交通事故でモデルの道断念をよぎなくされる。そこに突然現れたのが正体不明の謎美少年実業家。彼が亜美にデザイナーに転向することを薦めるのだけれど、この少年はいつも傍らに妖しげなしもべを抱えていて、この二人の関係が妖しさ大爆発。デザイナーとなった亜美のライバルはファッション界をリードする人気デザイナー鳳麗香。がしかしこいつが、なんと亜美を捨てた実の母なのだ。しかも、心を寄せていた男性がなんとなんと、実の父その人だったからさあ大変。相手が血を分けた親子だけに、プライドを賭けた戦いも激しさがひとしお。やがて亜美は美少年実業家と愛し合うようになるのだけれど、なんという運命の悪戯か、結婚直前になって実は二人は双子だったという大どんでん返しが待っていた!ガーン!もう後は自殺をするやら、精神崩壊するやら、それは読んでのお楽しみ。 それにしても注目すべきはこの少年実業家。これが超がつく美形で、ありえないくらい王子様のようなフリフリの洋服を着て仕事をしていたり、ここは日本だよな?と確認したくなるぐらいの大豪邸にメイドつきで住んでいたり、かぐわしき薔薇を持って登場したり、なれた手つきでレミーマルタンのグラスを傾けたり、ありえないことのオンパレード。なかでも極めつけが、彼の傍らにいつもたたずむ部下との妖しい関係。私は不覚にも私は、新谷メカやゆかり女王のプライドを賭けた対決よりも、倒錯した主従愛にくぎづけになってしまった。ああ、たまらんこの関係。ゴメン、かおるたん。所詮俺はそんな人間さ。私の腐女子精神もまだまだ衰えちゃいないな・・・フッ・・・。あああッ何を書いているんだ俺は。 このように、『デザイナー』は一条ゆかりのゴージャスな絵、著名漫画家たちの手による背景を支えるこだわりのある緻密な絵、それに70年代が生み出した濃いメロウなストーリー、この3本の組み合わせが一体化し、ハーモニーを生みだし完成度の高い作品になっているのです。 新谷かおる・弓月光・聖悠紀・大矢ちきら脇をかためる豪華執筆陣が魅力の『デザイナー』興味を持った方はお読みなってみるとよろしでしょう。(最後によいしょ)
佐伯かよの氏の古い漫画を読んでいたら、マダム・ピンセントが出てきてびっくりしました。 マダムビンセントだけじゃなく、ベルベットちゃんと豹もいました。 ビンセント親子って、佐伯センセの持ちキャラだったんですね。知りませんでした。知っている人にとっては何をいまさらな話題ですが、私は初めて知りました。いまさらな話題で失礼。 マダム・ビンセント?誰だっけそれ?な人も多そうなので説明しておくと、マダム・ビンセントとはプリンス・サキとムッシュ・サワがヨーロッパを訪問中、ロンドンを訪れた際に立ち寄った王室宝石鑑定家の女性です。絵はかよの夫人の筆によります。 ここ一回こっきりしか出てこないし、その後の話の展開にも全く関係ないので、何のために出てきたかよくわからん人で、登場したことですら忘れられがちですが(私も忘れていた)、一応復習しておくと(今本を取り出した)、サキはこの人から戦士の魂という宝石を貰うのです。そして帰国後それはシンに譲られます。その後、この宝石はビンセント親子ともども忘却の彼方に捨て去られ、再び姿を見せることはありません。戦士の魂なんて名前をつけるのですから、伏線として使い道もあったでしょうが、作者のほうでも忘れてしまったのでしょうか(みんなも忘れた)、これ以後登場することはありません。 意味不明のキャラと思っていましたが、そうか、佐伯センセの漫画のキャラだったんですね。作者のお遊びと読者サービスも兼ねていたわけですか。 この親子が出てくる漫画のタイトルは『ダイヤモンド・チェイサー』といいます。もしかしたら他にもシリーズがあるかもしれませんが、私が読んだのは取り合えずこれ。1980年発表とあったので、ちょうどエリ8連載時に書かれた漫画ですね。この夫妻はお互いにお互いの漫画の絵を描きあっているようですが、この話にも新谷筆によるミッキー・サイモンそっくりの運転手が出てきます。かよの夫人の漫画にはよく新谷氏が書いたちょい役が出てきますね。 この話によると、ベルベット嬢にもマダム同様宝石鑑定眼があるみたいで、2匹の豹は彼女のボディーガードみたいです。夫人はサキが話していたとおり、政界財界の裏事情にも通じたつわもののようです。 プリンス・サキとムッシュ・サワの凸凹コンビはイイですね。わたしこの組み合わせ好き。二人のヨーロッパ底抜け珍道中は、絵も崩れがちで、話もへなちょこでおかしーや。バンバラ編と同じ漫画とはとても思えないもんな!この二人に限っては、このまんまよその漫画家さんの漫画に出演してもおかしくない気がいたします。願わくば、スケバン刑事で麻宮サキと神恭一郎と共演してもらいたいものです。バンコランとパタリロでも可。エーベルバッハ少佐とジェイムズ君でもいいよ。 佐伯漫画は、バックに新谷かおるがついているおかげで、メカが少女漫画・レディコミ離れしておりますね。ページをめくるといきなり新谷パースの飛行機がバーンと出てきて、たまげるときがたまにあります。なんかちんこが勃ってきた。(嘘)トークの中には新谷かおるの話題もしばしば出てくるのですが、聞くところによると、娘さん3人(うち二人は双子)はみんな漫画家だそうで、家族そろって漫画家稼業だなんて、恐ろしい一家でございます。 最後に、ベルベットがチェスに誘うと、サキはこんどまたゆっくりくるよ、その時まで腕を磨いておくんだねと笑って答えて帰っていくけど、その時はきっとこなかったんだろうな。そう思ったら、悲しくなった。
新谷かおる公式ページ、みなさんはもうご覧になりましたか。 朗報がのっておりますよ。 倉庫を片付けてたら、完売してたはずの「エリア88.SPCIAL EDITION」(単行本未収録の外伝)が43冊出てきたってことで、ただいま通販で販売中だそうです。限定43部。1冊500円。欲しい人はこの機会を逃さないようにしましょう。早い者勝ちだから急げ。(高い値段で買った私っていったい・・・ぶつぶつ) このサイト内の八十八夜(新谷かおる氏のサークル)の通販のところで、なぜかいがらしゆみこの作品が取り扱われていたのですが、なぜにしていがらしゆみこの作品がここにあるのでしょう?佐伯かよの夫人の作品が置かれているのはわかるけど、なぜここにいがらしゆみこが?新谷センセといがらしセンセって親しい間柄なのだろうか。それとも親しいのは佐伯センセのほう?そういえば、倉敷にあるいがらしゆみこ美術館には新谷氏が寄贈した絵があるって話を聞いたことがあります。他にも三宅島のチャリティー活動にいがらし氏といっしょに新谷佐伯夫妻の名前が連なっていたのをみかけたことあるのだけれど、この人達は、家族ぐるみでつきあいがあるんですかね? もし新谷かおる記念館なるものが出来るのなら、いがらし氏にはキャンディ・キャンディのステアとその愛機ズバット7(たぶん)の絵でも寄贈してもらいたいですね。 キャンディ・キャンディの空戦は新谷が資料協力アドバイスしたっていうのは、本当なんですか、いがらし先生?あと、著作権問題はどうなりましたか。キャンディ・キャンディ関連の書籍、ビデオが全部出版停止で困っているんで早くなんとかしてください。私、今、井上和彦のアンソニーと富山敬のテリィが見たいんです。だから早くなんとかしろー。 ところでこの公式ページ、掲示板のレスのところで佐伯ってあるんだけど、これってまさか佐伯かよの夫人?もしかして家内制手工業?
「あ、涼子?オレオレオレ、オレだよ。オレ。ちょっとドジっちゃってさあ。これからいう口座に150万ドル振り込んでくれない?」 「お嬢様、どうかなさいましたか」 「ううん、なんでもないの。ただのいたずら電話みたい。オレオレ詐欺っていうのかしら?」 「あら、いやだ。振込め詐欺ですわね。最近、はやっているんですのよ。お嬢様もへんな詐欺に引っかからないように、充分お気をつけなさいまし。」 「ええ、もちろんよ。安田さん」 「りょ、涼子・・・・・・」 振り込め詐欺がはやっているのでみなさんも気をつけましょう。 振り込む前にもう一度その振込み先を確認しましょうね。
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