武ニュースDiary


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2023年11月03日(金) 金城武の誕生日に寄せて(翻訳)

三連休ですね。
11月になってしまいましたが、先月の誕生日に、
Facebookの」「白色豆腐蛋糕日記」で、金城さんの誕生日を祝う文章がありました。
金城武杂货铺さんの微博で紹介されていたのですが、
ファンとして共感を覚える内容でしたので、遅まきながらご紹介しようと思います。
長めですがいっぺんに。



Happy 50th Birthday、金城武! 

いころの私は勝手気ままだった。
でも、若いからこそ、先を考えず、人生に立ち向かってもいけるのだ。
しかし、それゆえ、私はあなたに感謝したい、
生涯忘れることのない思い出をくれたことに」(「君のいた永遠」)

つてアニタ・ムイは、金城武のことを漫画の中から飛び出してきたような人だと表現した。
ウォン・カーウァイは、金城との仕事は面白い、何事にも元気いっぱいだからと言い、
何度も一緒に映画を撮ったピーター・チャンは、
「ぼくの映画の主人公に若い人間は一人もいない、
でも、金城武はずっと使いたいと思っていた。
《ウィンター・ソング》で、やっとその願いがかなった。
この作品は彼のために書いた」と語る。
そして、金城は映画のオファーを断り倒しており、名利には非常に淡白だとも話す。

優は中年になると、賞獲りや集客能力への欲が強くなってくるものだが、
金城武は、空をゆく雲のごとく、人々の視線からフェイドアウトして久しい。
5年前に撮影した「風林火山」は一体公開されるのか、いまだにわからない。

くらは金城武の旧作を時々見直すことがある。
ウォン・カーウァイの「恋する惑星」を見れば、彼が朝早く懸命に走って汗をかき、
失恋の涙を蒸発させようとするのをまねしてみる。
「君のいた永遠」「ウィンター・ソング」に純情を見る。
「ウォーロード」のメイキングには、彼が演じるジャン・ウーヤンが
凌遅の刑に処されるシーンが入っている。
カメラが映し出すその汚れ、煤けた顔には明らかに苦痛が見てとれる。
が、戦場で殺戮を繰り返してきた身でありながら、
なんの混じりけもない純真さも垣間見える。

城武の美しさについては、ぼくら中年世代が憧れた純粋さと言った方がいい。
どの役も、彼が演じると、善人悪役にかかわらず、共感を呼び起こすのである。
かかってこない電話を待ち続ける、「恋する惑星」の落ち込んだ失恋少年であっても。
日本のドラマ「神様、もう少しだけ」を思い出して、また見ることもある。
彼が深田恭子と手をつなぎ、青空の下を走る姿を、
あの命を懸けたロマンスを目にすると、羨ましくもあり、心が痛くもなる。
ぼくらにとって遥かかなたの到底手の届かないものだからだ。

城武はもう50歳だ。
年若い友人たちにこの名を口にすることがあると、思わず言ってしまう。
この三文字は、ぼくらの青春時代、美男子の代名詞だったのだと。
無名小站や批踢踢、Yahoo奇摩家族などのSNS上、
あるいはあちこちの大型掲示板を回っていて、
誰かが「金城武」と名乗っているのを見かけると、親しみを覚える。
以前、金城武に憧れた同志だとわかるからだ。

城武の魅力は、つまるところ、その神秘性にあるのかもしれない。
映画界の多くの名監督や大スターの周囲を見渡しても、彼の姿は見つけにくい。
しかし、毎年10月11日になるたび、突然思い出すのだ、また金城武の誕生日が来た、と。
青春の海原に放り込まれた大きな石が、心の奥にさざ波を立て、
いつまでも忘れることができない。

れから後、何年経とうと10月11日には――ネットコミュニティは様々に姿を変えつつ、
そこで金城武のイメージも曖昧であり続けるだろうが――
あの純粋で優しい歳月は、やはり包囲網のように襲ってくるだろう。
好きだった人を思い出し、香港映画や日本のドラマ熱中した青春を、
せっせと映画館巡りをした昔を思い起こし、
それをずっと忘れずにいる自分に気づくことだろう。

ラベンダーの香りをかぐたびに、昔スクリーンで見た、
白い衣装の金城武が長髪をなびかせながら、ラベンダー畑から歩いてくる姿を思い出すように。

人は、形あるものは捨てることができる。
けれども、形を持たない、懐かしさからは永遠に抜け出せない。

する惑星」で彼はこう問いかけていた。
「いつからそうなったんだろう、なんにでも期限が書いてある。
秋刀魚にも、肉の缶詰にも、ラップにまで期限がある。
ぼくは考え始めていた、この世界に期限のないものはないのだろうかと」

ある。金城武に期限はない。


   BBS   ネタバレDiary 17:00


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