「雷魚」「Miss t×××」と続いて、LIVEの盛り上がりは最高潮。 そして次に始まった曲は「J's song」 いつもの流れじゃない。何かがおかしいとそのとき思った。
曲が終わり、拓磨が喋り出した。
今までLIVEでいろんなこと喋ったけど 気付いたら話は違う方向に行くことが多かった。 今日これから話すことも、もしかしたら違う方向に行ってしまうかもしれないけど聞いて欲しい。
何を話すんだろうと思った。 でもそんな重大なことではないと勝手に思ってた。 でも次に放った拓磨の言葉は・・・
Wyseは解散します。
意味が分からなかった。何を言っているの?って思った。 そしたら一気に会場がメソメソし始めて。 なんでみんな泣いてるの?冗談でしょ?って思ってた。 それから会場が泣いている中、拓磨がその経緯について話し出す。 このときずっといつものように冗談だって言って欲しかった。 いつ言うんだろうってずっと思ってた。 でもついに冗談という言葉は出てこなかった。
去年ドラムが1人抜けた時、もう1人メンバーが欠けることがあるなら 解散だって事は暗黙の了解だった。
誰が抜けるって言ったの?MORIくん? 私はとっさにMORIくんが抜けたいって言ったのかなって勝手に思った。
月森には唄うことよりもバンドを続けることよりも他に夢が見つかった。
絶望的だった。Wyseから月森さんが抜けるとWyseではなくなる。 それだけVocalの存在は大きいし、月森さんの声は無くてはならないものだ。 別に月森さんを責めるという気持ちにはならなかった。 ただ「なんで?どうして?」そんな言葉がずっと頭の中を駆け巡っていた。
仲間なら無理矢理引き止めるよりも、応援して背中を押してあげるべきだ。
本当にそう思う。本当の仲間ならね。 でもね、まだ私には他人のことを応援することはできない。 まだまだ自分の事で精一杯。
結局、拓磨は涙を流してしまった。 みんなからは「頑張って」という言葉が次々に出てくる。 そんな言葉に「うるさい。喋らせろ。」と一喝。 気持ちは分かるけど、泣いたのは拓磨だよ・・・。
拓磨の涙を見ると今年の1月18日の大阪なんばHatchを思い出す。 あのときの拓磨のあの涙はなんだったのか。 あの時LIVEが出来るという幸せを噛み締めたばかりじゃないか。 あの時の涙が嘘になってしまう。 そんなの拓磨のせいでもないし、誰のせいでもないんだけど。 私はただあのときみたいにまた「冗談だよ」って言って欲しかった。
最後は広瀬社長とも話し合って、みんなで唄って終わろうと思う。
始まったのは「chain」 月森さんは出だし、涙で唄えなくなる。 そのとき唄ってあげなくちゃって思い、思いっきり唄ったよ。 涙は流れなかったんだよね。全然。 悲しかったけど、悔しかったけど、でもその時には実感はなく。 まだどこかで信じていない自分がいて。
曲が終わりメンバーが去った後のアンコール。 この状況で出てくるのかなと半信半疑だった。 でもメンバーは出て来てくれた。
もう最後グダグダするのは嫌だから1曲だけ。
「I,believe」が始まった。みんなで歌って終わった。
終わってすぐ、友人と話したけどなんか普通に話してた。 次のツアーどうしようかねとか次のツアーのタイトルベタすぎるよねとか。 もう普通の話。 帰りの電車でも、いつものように自転車置き場で何時間話したりもしたけども すごく冷静に話をしていた。
11月10日にLIVEが決定したと発表されたときから なんで平日に東京1ヶ所でLIVEをやるんだろう。 絶対何かが起こると思っていた。 去年の11月10日はヨコリンが脱退した日だったから余計に。 今思えば、この時は本当になんの意図もなく決まったLIVEだったんだよね。 ただ、何かここ最近のWyseのメンバーの言動がおかしいとは思っていた。 冗談で解散を発表しちゃったりしてと思ったこともあった。 でもLIVE前に次の新作とツアーの情報を知ってからは、安心しちゃったんだよ。 実は噂は既に流れていたらしいけどね・・・。
結局この日は涙なんて流しやしなかった。 恐らく、2月13日も涙は出ないんじゃないかと思う。 そしていつものように翌日に急に気持ちが込み上がってくるんじゃないかと思う。 それならそれでいいかな。 出来ることなら、笑って2月13日は過ごしたいと思う。
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