鬱陶しい長雨の中、シネコンに足を運びました。「シザーハンズ」を手掛けたティム・バートン氏の最新作「ビッグフィッシュ」が目当てです。劇場はウィークエンドを悪天候で潰された行楽客で溢れていましたが、何故かこの作品は席に空きが多く、満員で観られなかった前夜の二の舞だけは避けられました。

「シザーハンズ」は１０年以上前に、友達のお母さんに勧められて観た事があります。両手がハサミの人間が巻き起こすグロテスクな悲劇といった印象ですが、その中に一本、血の通った暖かみのようなものがあったと記憶しています。今日観た作品にも同様のペーソスが感じられ、この監督が目指しているものを、おぼろげながら掴んだような気がして嬉しくなりました。ただ、この作品は題材が題材なだけにその本質を把握するには私はまだ若過ぎるようです。多分、あと１５歳ぐらい年齢を積み重ねてから観ると、また感想が変わるんだろうと思います。

余談ですが、館内は室温が若干高く、鑑賞中は額から汗が止め処もなく出てきて困りました。今日はマスクをしていたのでムレ具合もなおさら酷く、当然のどもカラカラです。それだけに、終劇のあとに舐めたアイスクリームの美味しさと言ったら！

橋本繁久

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