『日々の映像』

2009年11月30日(月) ドバイ発より米国発が恐ろしい



1、株安、世界に連鎖 ドバイ信用不安、引き金
                   2009年11月29日  日経
2、「ドバイ株式会社」挫折 信用不安の引き金に
                    2009年11月28日 日経
3、ドバイ失速、国際金融に影 新興国リスク再び
                   2009年11月27日   日経
4、ドバイ、政府系企業債務の返済延期要請 5兆円、資金調達が難航
                   2009年11月26日  日経
 27日、円相場が一時1ドル=84円台後半にまで急騰し、14年4カ月ぶりの円高水準となった。その背景には投資資金のドル離れと、米政府による事実上のドル安容認がある。これに対して日本の民主党政権は経済政策や為替政策の明確な発言でない。今後も円高・ドル安は緩やかに進むとの見通しで日本の経済は深刻な打撃を受けるようである。
 ドバイという小さな国の信用不安で世界の株安などの連鎖が起こっているが、もっとも警戒を要するのは、米国の信用不安でないかと思う。2010年に米国発の

危機があるとの見方がある。これを情報は多くある、
20、米金融機関破綻「ピークは来年」 預金保険公社総裁
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10396865976.html
22、米金融機関、「経営に問題」3割増 9月末、3カ月で
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10399007296.html
23、米銀、融資手控え鮮明に 5~10月、焦げ付き恐れ国債増
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10399817524.html

 上記の情報の中で最も注目すべきは、米国で銀行による融資手控えが鮮明になっていることだろう。今年5月から10月にかけて商業銀行の貸出金が約4000億ドル(約35兆円)減ったというから深刻だ。ドバイ発より米国発が恐ろしい。
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1、株安、世界に連鎖 ドバイ信用不安、引き金
                 2009年11月29日  日経
 世界で株安が連鎖している。アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の信用不安をきっかけとした欧州株の急落を受けた27日の東京市場では、日経平均株価が300円を超える大幅続落となり、アジアの株式相場も全面安となった。外国為替市場では円相場が早朝に一時、14年4カ月ぶりの高値となる1ドル=84円台に急騰、回復基調にある企業業績への逆風も強まっている。
 朝方から自動車、電機などの主力株を中心に売り注文が殺到した。ドバイ首長国の資金繰り懸念を受けて欧州株が急落した流れを引き継ぎ、「感謝祭(26日)による休場明けの米国株の下落懸念や、一時的なリスク資金の収縮を招く恐れから、グローバルな投資家の日本株売りにつながった」(JPモルガン証券セールストレーディング部の宗岡功二部長)。
 ドバイでの大型工事を請け負っていた清水建設や大成建設など大手ゼネコン(総合建設会社)株がそろって年初来安値を更新したほか、トヨタ自動車やホンダなどの自動車株、ソニーやパナソニックなどの電機株も軒並み急落した。(28日 02:09)
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2、「ドバイ株式会社」挫折 信用不安の引き金に
                    2009年11月28日
 アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の政府系持ち株会社で今回の信用不安の原因となったドバイワールドは、元首のムハンマド首長が描く発展戦略をビジネスとして具体化する役割を果たしてきた。その行き詰まりは「ドバイ株式会社」の挫折でもある。事業再構築のメスがどこまで入るかが再生を左右する。
 「エベレストに最初に登頂したヒラリー卿のことは誰でも知っている。しかし、2番目は誰も知らない」。ドバイ株式会社の最高経営責任者(CEO)と評されるムハンマド首長が、ナンバーワンを目指す理由として引用する言葉だ。ヒト、モノ、カネを呼び込むには、中東トップのブランド力が不可欠と考えてきた。ドバイワールドは様々な分野でナンバーワンの追求にまい進してきた。(ドバイ=松尾博文)(11:00)
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3、ドバイ失速、国際金融に影 新興国リスク再び
                  2009年11月27日   日経
 【ドバイ=太田順尚】アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の資金繰り危機が表面化した。25日にドバイ有数の政府系持ち株会社の債務について、返済延期を求めると発表。大型開発で急成長してきたドバイへの信用懸念が広がった。新興国融資のリスクが改めて認識され、国際金融市場にも衝撃が走っている。
 返済延期の対象は、ドバイワールドと傘下の不動産開発会社ナキール。両社の債務の総額は590億ドル(約5兆1000億円)とされる。富裕層向けリゾート開発などを進めたが、金融危機後は資金調達が苦しくなっていた。12月に返済期限がくる35億ドルのイスラム債などの償還が難しくなり、返済延期を迫られたとみられる。(07:33)
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4、ドバイ、政府系企業債務の返済延期要請 5兆円、資金調達が難航
                2009年11月26日  日経
 【ドバイ=太田順尚】アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国政府は25日、政府系持ち株会社ドバイワールドと、傘下の不動産開発会社ナキールが抱えるすべての債務の支払いを猶予してもらうよう債権者に要請すると発表した。ドバイワールドの債務はナキール分を含め総額590億ドル(約5兆1000億円)に上るとされ、ドバイの支払い能力への国際的な懸念がいっそう深まる恐れが出てきた。
 政府は今回の措置を「企業再建の第一歩」と説明。債務返済を一時停止し、返済期日の少なくとも来年5月30日までの繰り延べを求める。両社については、ナキールが12月に35億ドル(約3000億円)のイスラム債の返済期日を控えるのをはじめ、来年初めにも複数の大型債務が返済期日を迎えるが、返済に向けた資金調達が難航したとみられる。
 ドバイワールドとナキールの債務は、ドバイが公表している政府と政府系企業を合わせた債務総額800億ドルの大半を占める。両社の債務返済延期はドバイの国際的な信用低下に結びつく可能性が高く、両社に対して債権を持つ日本企業にも影響が出る可能性がある。(12:33)






2009年11月29日(日) 日産、電気自動車の走行距離2倍の300キロを走る

報 道
日産、電気自動車の走行距離2倍に 電池新技術で300キロ
                 2009年11月29日  日経
最近収録した電気自動車関連ニュース
25、夜間電力で1キロ当たり1円。100キロ走って100円
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10335883009.html
26、ダイハツ、「軽」の燃費環境車並み 1リットル30キロ超、10年にも
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10359009390.html
27、日産やホンダ、太陽電池搭載車を開発 補助電源に活用
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10370445598.html
28、韓国のVB、低価格の電気自動車を発売
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10371652812.html
29、東芝、リチウムイオン電池の新工場建設を発表 250億円投資
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10375713825.html
30、三輪バイクに太陽電池搭載 インド新興企業、タクシー向け
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10389979796.html
31、日産、中国で電気自動車の生産検討 広州市政府と覚書
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10394701291.html

 あと3~5年先は完全に電気自動車に代わることが確定的になってきた。
日産自動車は従来に比べて充電できる電気の容量が2倍になる電気自動車用リチウムイオン電池の開発をしたという。1回の充電で従来の約2倍に当たる300キロメートルの走行が可能で、同社は2015年までに電気自動車への搭載を目指す。

300キロ走れば日常生活はほぼ100%間に合うといっても過言でない。それにしても、電気自動車に関しては一つに技術開発が企業の命運を左右する時代である。一回の充電で300キロであれば、日産自動車は電気自動車のトップランナーに躍り出たことになる。
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日産、電気自動車の走行距離2倍に 電池新技術で300キロ
                 2009年11月29日  日経
 日産自動車は従来に比べて充電できる電気の容量が2倍になる電気自動車用リチウムイオン電池の開発にメドをつけた。電池の心臓部である電極に充電容量が大きい材料を採用。これまで課題だった耐久性を解決した。1回の充電で従来の約2倍に当たる300キロメートルの走行が可能で、同社は2015年までに電気自動車への搭載を目指す。
 開発では東京大学と神奈川大学の協力を得た。成果は30日に京都市で始まる電池討論会で発表する。リチウムイオン電池では、主要部品である電極の性能が充電容量を大きく左右する。日産は正極の材料を改良。現在の主原料であるマンガンに、ニッケルとコバルトを加えた複合材料を採用した。 (09:01)












2009年11月28日(土) 来年の予算はどうなるの

報 道

1、10年度税収も「40兆円割る」 財務副大臣見通し
                  2009年11月28日  日経
2、09年度税収、38兆円以下も 仙谷行刷相が見通し
                    2009年11月28日  日経
3、国債発行、44兆円大幅超なら格付け見直しも 米英系格付け会社
                     2009年11月15日   日経

国にお金(税収」がないのに、各省庁の予算の要求は85兆円であるという。
これに対して、今年度の税収は報道2の通り38兆円なのだ。2010年度の税収も報道1の通り40兆円を割り込むのである。2年連続で国債発行が税収を上回る異例の事態となるのは確定的である。来年の予算はどのような形でまとまるのだろう。

米系格付け会社は日本経済新聞に対し、来年度の国債発行額が新政権のめどとする44兆円を大幅に上回った場合、「中長期的な財政安定への取り組み不足が浮き彫りになる」との認識を示した。財政規律が失われたとの判断につながり、日本国債の格付け見直しの要因になると語っている。円の信用が崩壊する危険が潜んでいるのだ。具体的には大幅な円安のなる時期が来ると思っている。

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1、10年度税収も「40兆円割る」 財務副大臣見通し
                  2009年11月28日  日経
 野田佳彦財務副大臣は28日出演したテレビ東京の番組で、2010年度の税収について「40兆円を割る」との見通しを示した。09年度に続き、40兆円を割り込む見込み。政府は来年度の国債発行額を44兆円以下に抑える方針だが、2年連続で国債発行が税収を上回る異例の事態となりそうだ。国債発行の上限額など来年度予算編成の「基本方針」は12月中旬に策定するとの見方を示した。 (19:05)

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2、09年度税収、38兆円以下も 仙谷行刷相が見通し
                    2009年11月28日  日経
 仙谷由人行政刷新相は18日の衆院内閣委員会で、2009年度の国の税収について「昨年10月からの景気の急降下で、7兆~8兆円か、それよりも大きく落ち込む」との見通しを示した。現在、約46兆円と見込んでいる税収が38兆円以下となる可能性を示唆した発言とみられる。法人税収が急減しているためで、44兆円と見込んでいた国債発行額が50兆円を超える可能性が出てきた。
 10年度の税収は09年度をベースに見積もるため、30兆円台にとどまる見通し。鳩山政権は10年度の国債発行額を44兆円以下に抑える方針だが、目標の達成は難しくなってきた。
 財務省によると、09年度上期(4~9月)の一般会計税収は10兆923億円と前年同期比で24.4%減った。特に法人税収は、企業業績が大幅に悪化したことから、企業が納めすぎた税金を払い戻す還付金が納付金を上回る還付超過(赤字)に陥った。 (00:45)
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3、国債発行、44兆円大幅超なら格付け見直しも 米英系格付け会社
                     2009年11月15日   日経
 英米系格付け会社フィッチ・レーティングスのソブリン部門統括責任者、デイビッド・ライリー氏は日本経済新聞に対し、来年度の国債発行額が新政権がめどとする44兆円を大幅に上回った場合、「中長期的な財政安定への取り組み不足が浮き彫りになる」との認識を示した。財政規律が失われたとの判断につながり、日本国債の格付け見直しの要因になると語った。フィッチによる日本国債の格付けは上から4番目の「ダブルAマイナス」。方向性については「安定的」としている。
 ライリー氏は「税収の落ち込みは政府や市場の想定よりも激しい」と指摘。その一方で、政府が持つ金融商品や不動産などの資産が他国に比べて多いことにも言及。財政を安定させる方法として歳出削減とともに、「民間へ資産売却も一つの策だ」と指摘した。(15日 11:38)














2009年11月27日(金) 温暖化ガス削減の動きが景気を回復させるか


1、GDP当たりの温暖化ガス排出、中国が40~45%削減目標
                  2009年11月26日  日経
2、米、温暖化ガスを05年比17%削減 大統領、COP15で表明へ
                 2009年11月26日  日経
3、米中は一段の削減努力を 気候変動、EU環境相理事会で一致
                  2009年11月24日  日経
4、豪、風・水力発電所の建設加速 1年で1.5倍、日本勢も積極参入
                2009年11月26日  日経

「リーマン危機」から1年、輸出なお前年の8割の水準で日本経済は回復していない。ここに来て、中国・米国が温暖化ガス排出量を2020年までに大きく削減する方針の表明を行った。
中国  2005年比で40~45%削減する目標
米国  2005年比で17%削減する目標
日本  1990年比で25%削減する目標

日本の削減する目標などに比べると、米国の削減幅は小さいといえる。しかし、米国は京都議定書今まで拒否する姿勢であったことを考えると、オバマ政権の削減目標は評価されると思う。注目すべきことは、2050年という長期目標では、05年比で83%も削減させるという。電気自動車に見られるように、脱石油の時代が到来する。

この流れが世界の景気をリードすることは間違いない。オーストラリアで風力や水力など温暖化ガスを排出しない「再生可能エネルギー」による発電施設の建設が加速している。発電量は計1268万キロワットと、それぞれ前年同期の約1.5倍に増える。同国政府は20年までに発電量の2割、450億キロワット分を再生可能エネルギーで賄う方針なのだ。


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1、GDP当たりの温暖化ガス排出、中国が40~45%削減目標
                  2009年11月26日  日経
 【北京=佐藤賢】中国政府は26日、国内総生産(GDP)を一定額生み出すために排出する温暖化ガスの量を2020年までに05年比で40~45%削減する目標を決めた。
 また中国外務省は同日、12月にデンマークのコペンハーゲンで開く第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)に温家宝首相が出席すると発表した。(17:24)


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2、米、温暖化ガスを05年比17%削減 大統領、COP15で表明へ
                 2009年11月26日  日経
 【ワシントン=御調昌邦】米ホワイトハウスは25日、温暖化ガス排出量を2020年までに05年比で17%削減する目標を発表した。オバマ大統領が12月にコペンハーゲンで開かれる第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)に自ら出席し、米国の数値目標として公約する。13年以降の温暖化ガス削減の枠組み(ポスト京都議定書)づくりに向け、国際的な温暖化対策に積極的に関与していく姿勢を示す狙いがある。
 50年までの長期目標については05年比で83%の削減とした。オバマ大統領が固めた温暖化ガスの削減目標は、現在米議会で審議中の法案にほぼ沿った内容だ。
 日本政府が表明している、20年までに1990年比で25%削減する数値目標などに比べると、米国の削減幅は小さい。ただ米国は現行の京都議定書を議会で批准できなかった経緯があり、議会と歩調を合わせる必要があったとみられる。(01:18)
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3、米中は一段の削減努力を 気候変動、EU環境相理事会で一致
                  2009年11月24日  日経
 【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)は23日の環境相理事会で、12月にコペンハーゲンで開く第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)での地球温暖化対策の「政治合意」に向け、温暖化ガスの二大排出国である米国と中国に一段の排出削減努力を求める方針で一致した。近く削減目標を公表する見通しの米国が合意形成にどこまで貢献できるかが当面の焦点になってきた。
 終了後に記者会見したEU議長国スウェーデンのカールグレン環境相は日本、ノルウェー、ロシア、韓国、ブラジル、インドネシアなどが排出削減に関する意欲的な目標を打ち出したことを歓迎する一方、「米国と中国など他の国に圧力をかけ続ける必要がある」と語った。
 EUは2020年までに温暖化ガスを1990年比で20%削減する目標を掲げ、他の先進国が野心的な目標を設定することを条件に最大30%まで削減目標を引き上げる方針だ。(24日 16:00)
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4、豪、風・水力発電所の建設加速 1年で1.5倍、日本勢も積極参入
                2009年11月26日  日経
 【シドニー=高佐知宏】オーストラリアで風力や水力など温暖化ガスを排出しない「再生可能エネルギー」による発電施設の建設が加速している。計画中のものを含めると、2009年10月末時点で89件、発電量は計1268万キロワットと、それぞれ前年同期の約1.5倍に増えた。同国政府は20年までに発電量の2割、450億キロワット分を再生可能エネルギーで賄う方針で、日本企業も含めた事業参加が相次ぐ見通しだ。
 政府系シンクタンクの豪農業資源経済局によると、建設着手済みの関連施設は9件、87万3千キロワット分で、投資額は合計で約20億豪ドル(約1600億円)。内訳は風力が8件、水力が1件で、風力には丸紅や大阪ガスが参画して豪南部で3億1千万豪ドルを投じて13万2千キロワット分の建設を進めている「ハレット4」事業などが含まれる。 (19:10)




2009年11月26日(木) 衰える日本人の言語力

資 料

1、哲学教育 論理的な思考力を鍛えよう
                      2009年11月23日 読売
2、学校読書調査:本を読むのが好き…中高生急増、7割超える
                      2009年10月26日 日経

 11月25日NHKのクローズアップ現代は「衰える日本人の言語力」であった。番組で企業が採用にあったって重視する第1は「読み書き考える力」(53%)であるという。12月3日から始まる「営業社員養成講座」の重点は「読み書き表現する力」を養成する場になる。

 一部を紹介すると「やさしい人間学」100項目
http://ameblo.jp/syogai1/theme-10015657548.html
を20日間約90時間学習する。参加型の学習で次の流れで展開する。
・1日(4時間30分)やさしい人間学5項目5ページが配布される。
・受講生23人はこの題材を読み関心のあった場所を書き纏めて自分なりの意見を添えて発表する。
・発表時間は一人5分以内である。
このような機会を100日の講座の中に35回あまり計画している。受講者は皆さんの前に立ってスピーチする機会が35回準備されているのでいるのである。思考力と表現力が養われることは確実である。

 思考力・表現力などにご関心のある方は、エンピツに収録した資料をお読みください。


哲学教育 論理的な思考力を鍛えよう
                      2009年11月23日 読売
 「哲学」の語源はギリシャ語の「フィロソフィア」(知恵を愛する)に由来する。
 明治時代の初期、賢哲の明知を愛し希求するとの意味で「希哲学」と訳され、さらに「哲学」と呼ばれるようになって定着した。世界の根本原理を追究する学問だ。
 14歳の少女を主人公とした哲学ファンタジー「ソフィーの世界」が日本でもベストセラーになり、哲学ブームと言われたのは、1990年代半ばのことだった。
 ブームは過ぎ去り、哲学は実用性に乏しい学問と見なされ、多くの大学の教養課程の履修科目から姿を消しつつある。
 しかし、思考力や論理性を徹底的に鍛える哲学教育の推進は海外で大きな潮流となっていることを見逃してはならないだろう。
 幸せとは何かといった思春期の子供たちが抱く素朴な問いは、古今東西の哲学思想との出会いにつながる。新しい生命倫理の問題など現代の複雑な課題に向き合う上でも哲学的思索は欠かせない。
 国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)は哲学教育の推進に取り組んでいる。高校生などを対象とした哲学教育は、欧米を中心に多くの国で導入されつつある。
 フランスでは高校の最終学年で哲学の基本が徹底的に教えられ、大学入学資格試験には哲学の難題が出題される。人間形成の上で大きな影響を受けたと振り返るフランス人も少なくない。
 フィンランドで今年5月に開催された国際哲学オリンピックは、世界22か国から高校生が参加し、宗教や芸術をテーマに哲学論文を書いて競い合った。日本代表も英語で哲学論文に挑み健闘した。
 哲学を広い意味からとらえ直して教育などに生かす試みは、日本でも芽生えつつある。
 東京都世田谷区では文部科学省の教育課程特例校の制度を利用して、すべての区立中学校で独自の教材を用いた哲学の授業に取り組んでいる。
 宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」を素材に「生きること」をテーマに考えさせたり、伝統織物を知ることで自然と人間の関係を学習させたりするなど指導に工夫を凝らしている。
 大阪大学臨床哲学研究室は、いくつかの高校と提携し特別授業を実施してきた。喫茶店などで社会人らが自由に討論する「哲学カフェ」も開催しており盛況だ。
 晩秋の夜、インターネットやゲームを離れ、哲学書をひもとくのも有意義な過ごし方だろう。
(2009年11月23日01時05分 読売新聞)
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2、学校読書調査:本を読むのが好き…中高生急増、7割超える
                   2009年10月26日  日経
 本を読むことが好きな中学・高校生の割合が7割を超え、8年前と比べともに10ポイント以上伸びたことが、毎日新聞が全国学校図書館協議会の協力を得て26日まとめた「第55回学校読書調査」で分かった。
 本が好きな児童・生徒は、「好き」「どちらかといえば好き」を合わせ▽小学生82%▽中学生で76%▽高校生72%。同じ質問を83年、01年と行っており、それぞれ▽小学生82%、80%▽中学生62%、62%▽高校生59%、61%だった。83年から01年は小中高すべてで横ばいだったのが、今回、中高生で急増したことが分かる。
 これまで、小学生は3回の調査すべてで8割台の高率。調査は6月、全国の小中高111校を対象に実施し、小学4年生~高校3年生1万564人から回答を得た。






2009年11月25日(水) 太陽光発電景気回復のリード役となるか


1、太陽光発電、補助申請10万件突破 経産相「確実に拡大」
                      2009年11月24日  日経
2、太陽電池の出荷、過去最高 7~9月、国内は2.6倍
                    2009年11月16日
3、リフォームローン、省エネ住宅向け利用急増 国の補助、追い風
                    2009年11月19日
4、大和ハウス、太陽光発電装置付きアパートを11月発売
                      2009年10月29日 日経
5、社説 「低炭素で豊かな生活」問われる企業 
                     2009年11月16日 日経
 要点をメモしよう。
1、余剰電力を従来の約2倍の値段で買い取る制度が始まった11月に入ってからは申請件数が1日800件を超えており、経産相は「太陽光発電の普及は確実に拡大している」
2、太陽光発電協会が16日発表した太陽電池の出荷統計によると、国内出荷と輸出を合わせた7~9月の総出荷は前年同期比31%増の39万7545キロワット(発電能力ベース)となり、3四半期ぶりに過去最高を更新した。
3、現在販売中のアパートの居住者の年間光熱費は18万3364円だが、新商品では余剰電力を従来の2倍の価格で売れる新制度による収入を差し引くと年間の光熱費は3579円で済む。
 要点中の要点は、各家庭が太陽光発電で180万円支出しても、年間約18万円の光熱費が安くなるので投資額を約10年で回収できるのである。
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1、太陽光発電、補助申請10万件突破 経産相「確実に拡大」
                      2009年11月24日  日経
 直嶋正行経済産業相は24日の閣議後の記者会見で、住宅用の太陽光発電への補助制度の申請件数が1月からの累計で10万件を突破したと発表した。電力会社が余剰電力を従来の約2倍の値段で買い取る制度が始まった11月に入ってからは申請件数が1日800件を超えており、経産相は「太陽光発電の普及は確実に拡大している」と述べた。
 経産省は今年1月、出力1キロワットあたり7万円を機器の購入時に補助する制度を始めた。標準的な家庭用の発電機器の場合、1世帯あたりの補助額は20万円超になる。
 経産相によると、申請件数は11月19日までに10万260件となった。国内住宅向けの太陽光パネルの出荷量は7~9月期に12万8000キロワットとなり、前年同期の2.7倍に拡大。太陽光でつくった電力のうち使わずに余った分を電力会社が従来の2倍の1キロワット時48円で買い取る制度が始まった11月に入ってから増加ペースに拍車がかかっている。 (16:00)
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2、太陽電池の出荷、過去最高 7~9月、国内は2.6倍
                         2009年11月16日
 太陽光発電協会が16日発表した太陽電池の出荷統計によると、国内出荷と輸出を合わせた7~9月の総出荷は前年同期比31%増の39万7545キロワット(発電能力ベース)となり、3四半期ぶりに過去最高を更新した。余った電力を買い取る制度の拡充などで、国内が2.6倍に急増。景気低迷で落ち込んでいた輸出もリーマン・ショック前の水準に回復した。
 国内出荷は住宅用が2.7倍に増えた。国や自治体の補助金制度に加え、発電した電力のうち余った分を従来の2倍の単価で電力会社が買い取る制度が11月に開始。投資回収までの期間が10年程度に短縮されることから、制度開始を前に新規の需要が拡大した。
 総出荷のおよそ3分の2を占める輸出は前年同期比3.5%増の26万861キロワットだった。主力の欧州向け輸出が前年同期とほぼ同じ水準に回復。オバマ政権が積極的な普及策を進める米国向けは1.5倍に伸びた。 (11:43)
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3、リフォームローン、省エネ住宅向け利用急増 国の補助、追い風
                    2009年11月19日
 太陽光発電機器の設置や、すべての熱源を電気でまかなうオール電化住宅への転換など、省エネ住宅へのリフォーム向けのローンを活用する家庭が増えている。信販大手、オリエントコーポレーションの4~9月の取扱高は前年同期比5割増の841億円に急増した。環境志向の高まりや政府の促進政策で省エネ住宅への改修ニーズが高まるとみて、大手銀行や地方銀行も、優遇金利ローンを投入し始めている。
 オリコの4~9月のリフォームローンのうち太陽光発電を対象としたローンの取扱高は266億円で、2008年度の取扱高(210億円)を上回った。11月からはネットで事前審査する「Webリフォームローン」を始め、融資の迅速化など対応を強化する。 (16:00)
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4、大和ハウス、太陽光発電装置付きアパートを11月発売
                      2009年10月29日 日経
                 
 大和ハウス工業は29日、太陽光発電装置を標準搭載したアパートを11月2日に発売すると発表した。IHクッキングヒーターなども備えたオール電化仕様。11月に始まる太陽光発電の売電制度を活用すると、従来のアパートと比べ居住者が光熱費を年約98%削減できるという。
 商品名は「セジュールエコハ」。高効率給湯器「エコキュート」や節水トイレ、保温浴槽などの省エネ機器を標準装備。ドアの上に欄間をつけたり、開け閉めが簡単にできる間仕切りや天窓をつけるなど、風通しをよくし、エアコン無しでも涼しく過ごせる設計にした。
 床面積98.3平方メートル、居住家族3人という条件で比較した同社の試算では、現在販売中のアパートの居住者の年間光熱費は18万3364円だが、新商品では余剰電力を従来の2倍の価格で売れる新制度による収入を差し引くと3579円で済むという。(29日 19:45)

5、社説 「低炭素で豊かな生活」問われる企業 
                     2009年11月16日 日経

 地球温暖化を防ぐには生活のあり方も変わらなければならない。しかしただ消費を手控え、つましく暮らそうと強いるのでは長続きしない。これまでより快適で、便利で、楽しく、お得な低炭素時代に適した暮らし方の提案があれば自然に広がっていくはずだ。そうした新しい生活への挑戦は、すでに始まっている。

 日本の二酸化炭素(CO2)排出量は昨年度12億1600万トンだった。

家づくりから工夫を
 家庭からの分は14.1%。少ないようだが、消費財の生産、商業やサービス業、買い物の移動などを足すと総量の約6割が個人の生活によるとの試算もある。生活のあり方が変われば影響は大きい。

 第1のカギは家づくりだ。

 東京都内に「経堂の杜(もり)」というマンションがある。環境共生型の家を専門とする会社が造った。北側にケヤキの大木5本を残し、南側には落葉樹を植栽。ベランダにはウリ科の植物で天然のすだれを作った。夏は日射を遮り冷気を入れ、冬は日照を確保。建物は断熱工法だ。気温が35度でも室内はエアコンなしで27度に抑え、冬は明け方でも14度までしか下がらない。好評から同種の集合住宅をほかに2棟手がけた。

 大手企業ではパナソニックや新日本石油が燃料電池などを用いCO2の排出をゼロにしたモデル住宅を完成させた。家を巡るさまざまな試みが具体的な形を見せつつある。

 日本の住宅の平均寿命は30年弱。米英の半分程度だ。高度成長期に建った家がいま寿命を迎える。短命を逆手にとり、エネルギー効率のいい家を増やす好機にしたらどうか。

 そのためには環境性能の分かりやすい表示が必要になる。ドイツでは素人にも分かるエネルギー効率の指標を家ごとに示す。クルマでいえば燃費だ。家の燃費が分かれば、家賃は高めでも燃費のいい家を建てる(借りる)という判断を、知識の乏しい消費者も下しやすくなる。

 家庭用の省エネ機器はまだ高い。助成金もいいが、普及させるための仕組みも工夫したい。北九州市の芝浦特機は、屋上に太陽光発電パネルを敷き詰めた賃貸住宅を次々に建てている。環境機器のオンウェーブ(東京)は家庭用の風力発電機を月単位で貸し、3カ月の順番待ちだ。大手電機メーカーはLED(発光ダイオード)照明の企業向けリースを始めた。LEDや太陽光発電も個人でお試し利用ができれば喜ばれる。

 第2は消費のあり方だ。日本コカ・コーラのヒット商品「い・ろ・は・す」は国内最軽量のペットボトルを用いたミネラル水。容器を4割軽くし年間3000トンのCO2を削減した。手で簡単につぶせ、邪魔にならず回収コストも下がる。環境と利便性の両立で消費者の支持を得た。企業はイメージ戦略を脱し、実利を伴う環境商品の開発を競うべきだ。

 流通はIT(情報技術)活用がカギになる。昨年度通販市場は百貨店やコンビニを抜いた。主力はネット通販だ。スーパーなどが撤退し買い物に不便な地域が増えている。衣食住の買い物がネットで間に合えば環境と高齢化の両方への対応となる。

 ただし配送でCO2が増えては温暖化防止につながらない。ヤマト運輸は2010年度までに02年度比で荷物1個あたりのCO2排出量を3割減らす。手段は低公害車の導入、鉄道への切り替え、自転車とリヤカーの活用などだ。同様の取り組みを他の物流企業も進めるべきだろう。

自転車を生かそう
 3つめは暮らしの舞台である町の未来の姿だ。中心部に住宅や都市機能を集め、公共交通機関を充実させるコンパクトシティーづくりが叫ばれている。世代をまたぐ長期計画として気長に取り組むことになる。

 とりあえずいまのインフラを生かし、環境負荷の小さい移動手段の競争力を増すことを考えてほしい。例えば欧州にならい、JR、地下鉄、バスなど異なる種類の乗り物を、初乗り運賃なしで自由に乗り継げるよう検討してはどうか。大都市ではロンドンのようにエコカー以外のクルマが中心部に乗り入れるとき課税することも考えられる。在宅勤務の推進も通勤のための移動を減らす。

 自転車を交通体系の中にきちんと位置づけることも有力な手段だ。電動アシスト付き自転車の年間販売台数が原付き(ミニバイク)を超えたいま、安全面から見て緊急の課題でもある。車道の一部を自転車専用帯とし、保険などのサービス、通勤時のルールも整備し、駅などに修理場付き駐輪場を設けるのもいい。

 快適なサービス、お得なモノ、心地いい移動を選んだら、結果的に温暖化防止につながった。精神論よりも、そうしたビジネスの提供や社会システムをつくることが大切だ。










2009年11月24日(火) 勤労感謝の日に想う 



社説:勤労感謝の日 汗して「稼ぐ」尊さ見直せ
                    2009年11月24日  新潟日報

 勤労感謝の日に関連した社説を掲げた新聞社は1社だけであった。このたび政府の緊急人材育成支援事業に基づいて「建築営業社員養成講座」に関連して失業者34人と面談して、24名がこの講座に参加することになった。これらの人たちと面談して感ずることは、「働く場所」がないことである。 

 サブプライムローン、リーマンショックに始まった世界不況は、働き方のいかんを問わず、世界中の人を巻き込んだ。派遣切りは正社員切りへと広がり、県内でもパナソニック、三洋など大きな進出工場の閉鎖や希望退職が相次いだ。
その地場の企業の閉鎖も相次いでいる。9月の県内有効求人倍率は0・44倍しかない。来年度高卒の就職内定率は10月末で55.8%といずれも過去最低水準となっている。
 
 日本も米国同様に働こうにも、その機会さえ奪われ、職を手にすることが困難な状況が続いている。オバマ大統領、支持率は50%以下となっている。 
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10393823878.html
 これは戦後4番目の早さであるという。10月の米失業率、29州で10%
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10394699324.html
を超えているのだから失業率が落ちで当然である。
米経済成長率、10年は2.9%になると予測
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10395387191.html
されているが、米国経済の構造からして就業率の回復は困難であろう。日本も同じ道を歩んでいると認識するしかない。
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社説:勤労感謝の日 汗して「稼ぐ」尊さ見直せ
                    2009年11月24日  新潟日報
 「稼ぐ」。本来は精を出して働く意味だが、いまでは金を儲(もう)ける意味で使われることの方が多くなっているのではないか。でも、新潟では違う。
 「よう、稼ぎなさるね」という語り掛けは「がめつく儲けている」という皮肉ではなく、「働き者だ」という褒め言葉だ。実直な新潟県人らしさが漂う言い回しである。
 金を儲ける「稼ぐ」と、額に汗する「稼ぐ」。世界同時不況が地域経済にも深いダメージを与え、いまだ出口を見いだせずにいる。そんな中できょう「勤労感謝の日」を迎える。一つの言葉に込められた二つの意味を考える良い機会としたい。
 サブプライムローン、リーマンショックに始まった世界不況は、金に金を生ませる投機的金融資本主義が行き着くところまで行った結果、引き起こされた。それは、地道に稼ぐ実体経済とは懸け離れたものだ。
 だがリーマンなどの破綻(はたん)の衝撃は、働き方のいかんを問わず、世界中の人を巻き込んだ。派遣切りは正社員切りへと広がり、県内でもパナソニック、三洋など大きな進出工場の閉鎖や希望退職が相次いだ。
 9月の県内有効求人倍率は0・44倍しかない。来年度高卒の就職内定率は10月末で55・8%といずれも過去最低水準となっている。
 働こうにも、その機会さえ奪われ、職を手にすることが困難な状況が続いている。米国の大手金融機関は、既に業績を回復しつつあるという。破綻のダメージは、それに巻き込まれ、働き口を失った人たちの方がはるかに深刻ではないか。
 汗が報われぬ、欲望のシステムから抜け出す道を探らねばならない。儲けという単一の価値だけで競うのではなく、地域に根差し、個性を生かした稼ぎ方を再評価することが大切だ。
 この危機的状況の中で、農業県新潟の伝統を受け継ぐ食品加工業は、9月中間決算でも比較的安定した業績を維持した。暗い話題が多い経済記事の中で数少ない明るい話題の一つだ。
 個々の企業努力や「内食」志向などさまざまな要因はあるだろう。だが、そこからは、派手さはなくとも得意技を生かす経済活動が持つ「耐性」を感じ取ることができる。
 まっとうに働き、価値を創造する稼ぎ方は、長期の安定的成長のためには不可欠だ。鍵を握るのは地域発の企業育成であり、それが雇用の安定、暮らしの安心にもつながる。
 「稼」という文字は、稲穂を表す「のぎへん」と、家という字でできている。もともとは農耕を意味する言葉だ。その地に暮らし、働き続けることに感謝できる社会でありたい。
新潟日報2009年11月23日


2009年11月23日(月) 政府はデフレにどう対処する。

報 道

1、社説:デフレ再燃―たじろがず新成長戦略を
                  2009年11月21日   朝日新聞
2、社説:デフレ対策 不安心理絶つ姿勢示せ
                  2009年11月21日  毎日
3、社説 閉塞デフレ脱却に政府・日銀は足並みを(11/21)
                  2009年11月21日  日経
4、「日銀はデフレと戦え」 OECD事務総長が会見
                  2009年11月21日  日経

 物価が持続的に下落するデフレへの懸念が強まり、11月の月例経済報告は「緩やかなデフレ状況にある」と明記した。政府によるデフレ宣言といえる。デフレには、さまざまな要因が絡み合っており、解決は容易ではない。税収の予想以上の減少で財源は乏しく、財政、金融政策をどう組み合わせるか、難しい。

 物価が下がることは消費者にとって一見、恩恵になるが、経済全体を眺めると、そう簡単ではない。企業の収益悪化が、賃金引き下げや従業員を減らすリストラにつながるのである。 それが消費抑制、節約志向を強め、物価下落を招き、さらなる景気後退の要因となりかねない。そして経済活動が縮小し、デフレスパイラルに中にいると言わねばならない。
 
夏のボーナスは前年比約10%も下がり、冬のボーナスはこの20年で最大の減少率になるとみられている。これでは個人消費の悪材料ばかり目立つ。一番重視すべきなのは失業者増に歯止めをかけ、雇用を改善することであるが現在の情勢では雇用を増やす企業は皆無に近い。

 名目国内総生産(GDP)は、2009年7~9月期の年換算額の480兆円で17年前の1992年の水準だ。バブル崩壊後数百兆円の公共投資を実行して横ばいのGDPなのである。日本経済は失われた10年でなく、失われた20年になりかねない。問題は鳩山政権にまとまった経済政策ビジョンがないことだ。世界でデフレのワナから抜け出せないのは日本だけなのである。経済の閉塞感を打破する政府のメッセージが必要だ。


1、社説:デフレ再燃―たじろがず新成長戦略を
                  2009年11月21日   朝日新聞
 政府が「デフレ宣言」を出した。月例経済報告の基調判断に「物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にある」という文言を盛り込んだ。政府が物価下落をデフレーションと認定したのは3年5カ月ぶりだ。
 デフレは総需要の不足が原因で、物価が全般的に下がり続ける現象である。販売や生産、消費の不振を招く巨大な圧力となる。
 日本はバブル崩壊後から消費者物価が下がり、先進国としては戦後初のデフレに陥った。政府は01年3月にデフレ宣言を出し、06年6月までデフレ状態と認めていた。長期にわたり物価下落が経済を圧迫してきたのだ。
 その後、景気回復につれてデフレはおさまったが、政府は「逆戻りする可能性が残る」との判断から「デフレ脱却宣言」を見送り続けてきた。
 そして今回、再びデフレ状態に舞い戻ったと表明。世界同時不況が引き起こした経済収縮で、デフレが悪化していることを認めざるをえなくなったといえよう。
 消費者物価の連続下落が7カ月。国内総生産(GDP)統計の国内部門の物価指数も年初から3四半期連続で下がっている。経済協力開発機構(OECD)の経済見通しで、日本経済がデフレに陥っているとしているだけでなく、デフレが11年まで続くと予測していることをみても、政府の「宣言」は妥当だ。
 宣言がきっかけで、「物価はこれからも下がる」という「デフレ期待」が国民の間に広がることを警戒する声も金融界などにある。人々の財布のヒモが固くなって、消費不振がさらにひどくなるのでは、という心配だ。
 だが、いま必要なのは「宣言」の副作用を心配することではない。不況を長期化させかねないデフレをきちんと認識したうえで、その克服策を打ち立てることだ。
 菅直人副総理兼経済財政相は、きのうの記者会見で日銀にデフレ克服策を求めたが、政府も日銀と力を合わせて、政策を総動員する必要がある。
 バブル崩壊後のデフレを緩和するのに威力を発揮したのは、米国と中国の経済成長に引っ張られた輸出の増加だった。それに刺激されて設備投資が拡大し、企業業績は回復した。
 いまは、鳩山政権が掲げる「コンクリートから人へ」の大方針に沿った福祉経済化や雇用対策、地球温暖化対策としての「グリーンな経済」づくりを基礎に、民間の投資や消費を引き出すような成長戦略を組み立て、実行に移すことが期待される。
 来日したOECDのグリア事務総長は今週、日本の課題について、女性の社会進出や環境技術の発展で「新たな成長をめざす必要がある」と指摘した。このエールにこたえたい。
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2、社説:デフレ対策 不安心理絶つ姿勢示せ
                  2009年11月21日  毎日
 政府は11月の月例経済報告で、日本経済について「緩やかなデフレ状況にある」とモノが余って物価下落が続くデフレにあると認定した。月例報告に「デフレ」の表現を盛り込むのは2006年6月以来だ。一方、景気の現状については「持ち直してきているが、自律性に乏しい」と判断を据え置いた。
 デフレ認定といっても、あわてたり、身構えたりする必要はない。今は、景気の緩やかな回復傾向とデフレが共存しており、景気後退とデフレが連鎖する恐慌へ、すぐに突き進む恐れはない。
 デフレを招いている要因は複合的だ。経済のグローバル化によって、中国など新興国による低価格の圧力が国境を超えて時間差を置かずにかかり続けている。また、昨秋のリーマン・ショック以降、実物経済の動きは世界的に低調で、モノが余って価格下落を生む状態にある。ここまでは世界共通の現象である。
 日本ではさらに別の要素も見逃せない。ムダな公共事業の削減や流通の簡素化、さまざまな規制改革、地価の適正化、そして技術革新などが「高コスト構造」と言われてきた日本経済を変えつつある。現政権によるダム計画中止や事業仕分けによる予算見直しなどは、結果的にデフレ圧力を伴う。こうした社会の仕組みの望ましい変化がデフレをもたらしている面もあるのだ。
 とはいえ、価格引き下げ競争によって企業の収益が悪化すると、賃金が落ち込み、5%台にとどまっている失業率が悪化する心配がある。その結果、さらに消費が落ち込んで物価が下がれば、景気後退との連鎖に陥っていく。こんな状況は避けなければならない。
 デフレは持てる人と持たざる人との格差も広げる。十分な現金を持っている人や安定した職がある人は、物が安くなった恩恵を存分に受けるかもしれないが、借金を抱える人は返済額が実質的に膨らむし、雇用が安定しない人は賃下げや失業の恐れに直面する。
 政府がデフレを認定したのは、今後の2次補正予算や来年度予算の編成で、さまざまな対策を盛り込む用意をしているからだろう。だが、目先の対応に追われ、望ましい変化の手を緩めてはならない。公共事業で需要刺激などナンセンスだ。持たざる人への手厚い対応で、社会不安を増大させないことも注文しておきたい。
 伝統的な金融政策が手詰まりの状態にある日銀も含め、国民生活を脅かしかねない事態に真剣に対処しているという姿勢を打ち出すことが大事だ。そうしたメッセージが不安心理の増幅を絶ち、デフレの深刻化を食い止めるだろう。
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3、社説 閉塞デフレ脱却に政府・日銀は足並みを(11/21)
                  2009年11月21日  日経
 菅直人副総理兼経済財政担当相は20日、日本経済について継続的に物価が下がるデフレとの認識を示した。政府がデフレの判断を示すのは2006年以来であり、景気悪化と物価下落の悪循環に陥らぬよう警戒が必要だ。政府と日銀は足並みをそろえ、経済危機に臨むべきである。

 最近の消費者物価指数は、振れの大きな食料を除き前年比2%以上のマイナスになっている。日銀が先月末に示した経済と物価の展望でも、消費者物価は11年度まで3年連続で下落する見通しだ。

「失われた20年」の恐れ

 こんな状況を踏まえれば、政府がデフレの認識を示したのは当然だ。

 給与や賞与が減り、職が失われるかもしれない。そんな不安から、家計の財布のヒモは固くなっている。物価下落下では企業の売り上げは伸びず、生産や投資が萎縮する。

 物価変動をそのまま映す名目国内総生産(GDP)は、09年7~9月期まで6四半期連続で減少した。年換算額の480兆円は1992年以来の低水準だ。日本経済はこのままでは失われた20年になりかねない。

 問題は政府の危機認識である。鳩山由紀夫政権は、まとまった経済政策が不在である。デフレの問題に正面から取り組んでいない。

 日銀も金融は十分に緩和的だとして、追加的な対応には消極的である。行動できないことを理路整然と説明するだけでは、デフレの解消はおぼつかない。新興国はいわずもがな、米欧に比べてさえ元気のない日本の株式は、先行きの展望が見えない閉塞(へいそく)感を物語る。

 今の日本経済はふらつくクルマのようなものだ。政府・日銀がぬかるみへの転落回避の努力を怠っているうちに実際に落っこちてしまえば、クルマを引っ張り出すのに要する労力は落ちる前の比ではない。

 物価が下落するなか景気が二番底に陥ると、企業や家計の中長期的な期待成長率や期待インフレ率を押し下げかねない。企業や家計にとって必要な策を直ちに実施すべきだ。

 まず、財政。経済効果の高い需要創出策を急ぐ必要がある。

 鳩山政権は麻生太郎政権が打ち出した09年度の補正予算を2兆9000億円執行停止する。ムダを省くのは良いとして、補正の執行停止で09年度の実質GDPが0.2%押し下げられると、菅副総理も認める。

 10年の前半には再びマイナス成長に陥るリスクがあることは、政府・日銀とも承知している。10年度予算と並行して09年度の第2次補正予算を組み、景気を下支えするという。ただすでに財政は悪化している。

 政府の債務の残高は今や名目GDPの1.8倍。財政規律が失われたとみれば長期金利が上昇するリスクがあるだけに、本予算の恒常的な経費を抑える配慮は要る。一方で、景気対策としての2次補正は即効性と柔軟性が欠かせない。公共投資についても下水道の整備など、いずれ必要となる生活基盤を充実させるなら排除すべきではあるまい。

 次に、金融政策。日銀は20日、景気判断を上方修正したが、経済の足取りが確かでないことは否定できないだろう。政策金利は低いとはいえ、景気悪化が深刻になるようなら一段の緩和も考慮すべきだろう。

 新しく導入される国際的な自己資本比率規制では邦銀の資本不足が指摘されている。銀行が増資に走り、企業は今後の貸し渋りへの懸念を募らせている。3月決算期末を控え、必要性が出てくれば企業金融支援を再検討する余地はある。

成長のメッセージこそ

 デフレは物価変動を考慮した実質金利を高止まりさせ、円相場を経済の実力以上に高くする傾向にある。財政面での景気てこ入れは、長期金利の上昇を通じた意図せぬ円高という副作用を招く恐れもある。

 政府・日銀が経済政策の運営で認識を共有できるなら、国債の買い入れ増額なども検討の余地があるだろう。経済財政諮問会議を廃止して以降、政府と日銀のトップが定例の話し合いの場を持っていない。そんな現状を一刻も早く改めるべきだ。

 こうした当面の策もさることながら、経済構造の根っこにある問題も見逃せない。基調としては10年ほど前から、物価が下落ないしほぼ横ばいの局面が続いている。背景には、中国など新興国の台頭で日本の賃金や価格がこれらの諸国にさや寄せしたり、多くの産業が需要の飽和に直面していることが挙げられる。

 それだけに、潜在的な需要の大きい医療、教育、保育などの分野の規制を一段と緩和することが大切だ。企業経営を後押しするためには、法人税負担の軽減も重要。貿易自由化交渉に弾みをつけることで、海外の需要を取り込むことも欠かせない。

 世界でデフレのワナから抜け出せないのは日本だけ。経済の閉塞感を打破する政府のメッセージが何より大切だ。

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4、「日銀はデフレと戦え」 OECD事務総長が会見
                 2009年11月21日  日経
 経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長は19日、東京都内で記者会見した。「日銀はデフレと戦うべきだ」と述べ、日本は物価の上昇が確実になるまで超低金利政策を維持すべきだとの認識を示した。一方、追加的な財政出動には否定的な見解を表明。鳩山由紀夫政権に対して「財政再建の中期目標を早急に打ち出すべきだ」と注文した。
 日本経済の現状については「金融危機で最も大きな打撃を受けたが、現在は持ち直している」と語った。ただ「デフレは設備投資の抑制につながり、経済成長の妨げになる」と述べ、物価の継続的な下落が日本経済の深刻なリスクになるとの見方を示した。日銀に対しては「今のタイミングで(金融緩和の)出口政策をとるべきではない」と語った。
 OECDは世界経済見通しの公表に合わせて、日本の経済政策に関する包括的な提言も発表した。子ども手当については再考を促し、むしろ保育所や就学前教育への支出を増やすべきだと訴えた。(00:26)


2009年11月22日(日) 麻生前政権、衆院選直後に2億5千万円を引き出す



1、麻生前政権、衆院選直後に2億5千万円=毎月ほぼ1億円-政府、 
                    2009/11/20  時事通信
2、官房機密費支出額公開 政権交代直前に2.5億円引き出しも
2009.11.20 19:39   産経新聞
3、機密費支出2億5千万円、政権交代直前に突出
2009年11月21日  読売新聞

内閣官房報償費として毎年予算計上されている官房長官の所管分約12億
3000万円である。衆院選で自民党が惨敗し、政権交代が確定した直後の今年9月1日に、麻生政権の下で2億5000万円が支出されていたことも明らかになった。どう見てもおかしいと言わねばならない。一体どこに使ったのか。


09年 4月 1日       10,000
    4月 9日       10,000
    5月14日       10,000
    6月15日       10,000
    7月 1日       10,000
    8月 3日       10,000
    9月 1日       25,000
    9月24日(鳩山政権)  6,000
   10月14日        6,000

官房機密費…◆ 正式名称は内閣官房報償費。支出に関する法律上の規定はなく、歴代内閣は政府答弁で「国の事務や事業を円滑に遂行するため、機動的に使用する経費」と説明してきた。使途の公表や領収書を提出する義務はない。外務省の機密費流用事件をきっかけに、02年度予算で前年を10%下回る14億6165万円に減額されて以来、毎年度同額を計上。官房長官に一任されている金額は12億3021万円で、残りは内閣情報調査室の費用に充てられる。 




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1、麻生前政権、衆院選直後に2億5千万円=毎月ほぼ1億円-政府、機密費支出額を公表                      2009/11/20時事通信
 平野博文官房長官は20日午後の記者会見で、2004年4月以降の官房機密費(内閣官房報償費)の国庫からの支出状況を公表した。それによると、毎月の支出額はおおむね1億円で、年間では12億円前後が出されていた。衆院選で自民党が惨敗し、政権交代が確定した直後の今年9月1日に、麻生政権の下で2億5000万円が支出されていたことも明らかになった。
 官房機密費は、官房長官の判断で領収証なしで自由に使えるとされる。民主党は野党時代に、使途を制限し透明性を高めるよう主張していた経緯があり、政権交代を機に一部を公表することにした。
 今回公表されたのは、内閣官房報償費として毎年予算計上されている約14億6000万円のうち、内閣情報調査室が所管する約2億3000万円を除いた官房長官の所管分。内閣官房の文書管理規則で定められた保存期間5年分のすべてが公表された。ただ、開示内容は情報公開法に基づき、官房長官による請求日と金額に限定され、使途や支出先は伏せられた。 
 公表資料によると、毎月、同じ日付で5000万円ずつ計1億円を支出。年度末の3月だけは支出がない代わりに、4月は2日に分けて計2億円が支出されていた。また、2月に関しては支出額が変動しており、小泉政権下の05、06年は約9600万円、安倍政権以降は約1億3000万円だった。鳩山政権では、今年9月24日と10月14日にそれぞれ6000万円ずつ支出された。
 平野長官は会見で、「情報公開法上、開示請求があった場合に出ている資料がある。この際まとめて出せるものは出すという考え方で精査し、お出しした」と説明。具体的な使途の記録については、相手先との関係から「取れない(残せない)ものがかなりあると思う」とした。
 一方、自民党の河村建夫前官房長官は20日午後、衆院選直後に2億5000万円を引き出したことについて「今、わたしは政権にある立場ではないので、答える立場にない」と記者団にコメントした。

◇官房機密費の国庫からの支出状況
【2008年度】
08年 4月 1日(福田政権) 10,000
    4月14日       10,000
    5月19日       10,000
    6月16日       10,000
    7月14日       10,000
    8月19日       10,000
    9月16日       10,000
   10月15日(麻生政権) 10,000
   11月14日       10,000
   12月15日       10,000
09年 1月20日       10,000
    2月16日       13,021
返納額                 28
支出合計           122,993
【2009年度】
09年 4月 1日       10,000
    4月 9日       10,000
    5月14日       10,000
    6月15日       10,000
    7月 1日       10,000
    8月 3日       10,000
    9月 1日       25,000
    9月24日(鳩山政権)  6,000
   10月14日        6,000
支出合計            97,000
注=単位万円、1000円以下四捨五入

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2、官房機密費支出額公開 政権交代直前に2.5億円引き出しも
2009.11.20 19:39   産経新聞
このニュースのトピックス:自民党
 政府は20日、過去6年の官房機密費(内閣官房報償費)の国庫からの月別支出額を公表した。年間の支出総額は毎年度12億円前後に上り、毎月の支出額は1億円でほぼ一定している。ただ、8月30日の衆院選で政権交代が確実になった後の9月1日に2億5千万円が支出され、突出していたことが判明した。平野博文官房長官は、河村建夫前官房長官から引き継ぎを受けて機密費を保管する金庫を確認した際、「中は空だった」としている。
 鳩山由紀夫首相は20日夜、この点について「政権交代が起きるときはこういうものではないか。あまり旧政権をとやかく言うつもりはない」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。
 この日公表されたのは、平成16年度から今年10月までの間、官房長官の請求に基づき内閣府会計課が国庫から長官に対し支払った金額。情報公開法に基づく開示請求により開示される範囲の内容で、官房長官が実際に機密費を何に使ったかは明らかになっていない。
 20年度まで毎年度の支出額は11億9500万円~12億3千万円。今年度は10月までで9億7千万円となっている。機密費は毎年14億6千万円が予算計上されており、支出総額との差額分については、平野氏は記者会見で「内閣調査室で使用している」と説明した。
 毎年、月に一度計1億円が請求されており、年度初めの4月だけ計2億円となっている。2月の請求額にはばらつきがあり、3月は請求されていない。毎年ほぼ使い切っており、年間支出額を年度末に調整した可能性がある。
 平野博文官房長官は記者会見で「過去(の分)を出すことは今後も出すということ」と述べ、同様の支出状況を今後も公表していく考えを示した。使途は公表しなかった。

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3、機密費支出2億5千万円、政権交代直前に突出
2009年11月21日02時02分 読売新聞
 歴代内閣が使途を明らかにしていない官房機密費について、平野官房長官は20日、2004年度以降の国庫からの月別支出額を公表した。
 毎年度4月に2億円が支出され、その後は月1億円程度が支出されていたが、今年は衆院選2日後の9月1日、当時の麻生内閣の官房長官だった河村建夫・衆院議員が2億5000万円を請求して支出を受けていた。政権交代が決まった直後、なぜ突出した額の機密費を引き出したのか、議論を呼ぶものとみられる。
 平野官房長官は、情報公開法で保存が義務付けられている過去5年分の記録のうち、月別支出額は過去の開示請求でも開示しているとして、歴代内閣で初めて公表した。
 08年度までの5年間、小泉、安倍、福田内閣の歴代官房長官は毎年4月に、2回に分けて計2億円を請求して支出を受けている以外、5月から翌年2月まで月1回、ほぼ1億円ずつ支出を受けていた。3月は請求がなく、年間の支出額は約11億9500万円~約12億3000万円だった。
 今年度も麻生内閣では、4月から8月までは例年通りの支出だったが、8月30日の衆院選で民主党が圧勝した2日後、河村前官房長官から2億5000万円の請求があり、全額が支出されていた。これについて、河村前長官は20日夜、「政権にある立場ではないので、特に述べることはない。内容、詳細、使途については非開示を原則としている」と語り、衆院選の費用を補填(ほてん)したのではとの質問には「それも非開示だ」と答えた。
 一方、平野長官はこの日の記者会見で、河村前長官から官房機密費に関する引き継ぎを受けた後、金庫の中には現金が全く残っていなかったとした上で、「前政権の官房長官が必要に応じて支出された。国民目線からおかしいと言っても、私の立場でコメントするのは差し控えたい」と話した。使途の公開の是非などについては今後1年間かけて検証する考えを改めて示した。
 
◆…官房機密費…◆ 正式名称は内閣官房報償費。支出に関する法律上の規定はなく、歴代内閣は政府答弁で「国の事務や事業を円滑に遂行するため、機動的に使用する経費」と説明してきた。使途の公表や領収書を提出する義務はない。外務省の機密費流用事件をきっかけに、02年度予算で前年を10%下回る14億6165万円に減額されて以来、毎年度同額を計上。官房長官に一任されている金額は12億3021万円で、残りは内閣情報調査室の費用に充てられる。 

(2009年11月21日02時02分 読売新聞)

2009年11月21日(土) 記憶に留めたいニュース

11月18日からブログ№60で記憶に残したいニュースを収録することにいたしました。
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 №60  記憶に留めたいニュース  1
 
ニュースを見ると記憶に残したい内容がある。分野を問わずこれらのニュースをブログ№60に収録します。
                      2009年11月18日

1、夫の携帯電話、気になる? 妻にアンケート、通話履歴盗み見61%
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10391030819.html
2、残業代不払い、1553社 労基署指導、08年度196億円
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10391032354.html㎡
3、ネットカフェ、本人確認を義務づけへ 警視庁が条例案
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10392341867.html
4、八ツ場ダム水質、基準超え隠す? 国交省資料で判明
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10392533071.html
5、求職中の主婦、働く理由は「生活費を補いたい」が最多
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10392533918.html
6、西友、32型で4万円切る液晶テレビ エコポイント対象
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10392534512.html
7、世界の人口68億人 09年版国連白書、アラブ諸国4%増
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10392537862.html
8、リフォームローン、省エネ住宅向け利用急増 国の補助、追い風
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10393062000.html
9、麻生政権、衆院選直後に2.5億円引き出し 官房機密費
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10393066134.html





2009年11月20日(金)  厳しい労働環境が続く。


報 道

1、8月の常用雇用、2カ月連続で減少 給与総額は減少幅縮小
                   2009年11月18日  日経
2、派遣労働者、最大の減少幅 7~9月、38万人減の102万人
              2009年11月18日  日経
3 、大卒内定、来春28%減 減少率最大、電機・金融絞る
             http://www.nikkei.co.jp/report/saiyo/
              2009年10月18日/日本経済新聞 

 ここでは2009年10月の大企業787社の2010年4月定期採用状況を掲げたい。詳しく把握したい方は以下をご覧ください。中小企業の採用は以下の数字より採用の減少率が高いことは言うまでもない。米国の失業率が10%を超えた
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10392265188.html
が、日本も同じ過程にあると言わねばならない。


2010年4月定期採用状況
        社数  今年  昨年
〈総合計〉 787 90,952 134,942     ▲32.6
▽大卒合計 861 73,911 103,626     ▲28.6
○文科系   624 22,417  32,036     ▲30.0
○理工系   624 22,344  31,904    ▲29.9
▽短大・専門計 731  4,961   8,366     ▲40.7
▽高卒計   756  12,636  22,779     ▲44.5

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1、8月の常用雇用、2カ月連続で減少 給与総額は減少幅縮小
                   2009年11月18日  日経
 厚生労働省が30日発表した8月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、正社員やパートなどを含む常用雇用者数は4404万1千人となり前年同月比で0.1%減った。減少は2カ月連続。景気の先行きに対する企業の懸念は強く、雇用を取り巻く環境は依然として厳しい。給与総額も減少傾向が続いているが、減少幅は7月に比べて縮小した。
 正規と非正規を合わせた社員(一般労働者)は3201万1千人と1.2%減少し、6カ月連続のマイナスとなった。一方でパートは1203万人と2.1%増えた。小売りやサービス業を中心に、正社員に比べ賃金水準が低いパートで労働力を補う動きが出ている。
 基本給に賞与などを合わせた現金給与総額は全産業ベースで1人当たり平均27万3360円。前年同月比3.1%減で、15カ月連続のマイナスとなった。特に残業代など所定外給与(1万6259円)が13.4%減と大きく落ち込んだ。業種別では製造業が5.0%減と最も減少幅が大きく、卸売・小売業の4.5%減が続いた。 (12:59)
関連特集
2、派遣労働者、最大の減少幅 7~9月、38万人減の102万人
              2009年11月18日  日経
 総務省は17日、7~9月期の労働力調査の詳細集計(速報)をまとめた。派遣労働者は102万人と前年同期比で38万人減り、比較可能な2003年以降で過去最大の減少幅となった。パートやアルバイトは増えたが、非正規雇用者全体で同36万人減と3四半期連続の減少となった。非正規雇用者の就労環境は厳しい状況が続いている。
 7~9月期の非正規雇用者は1743万人。このうちパートやアルバイトで働く人は1165万人と前年同期比8万人増えた。契約・嘱託社員も同8万人増の329万人となっており、派遣労働者の減少幅が目立つ。昨年7~9月はリーマン・ショックの影響が小さく、派遣労働者数が高水準だった反動が出ている。企業が派遣より人件費が安いパートなどにシフトしている点も響いた。
 7~9月期の全雇用者数(役員は除く)は5112万人と前年同期比52万人減。マイナス幅は縮小傾向にあるが、本格回復には至っていない。(00:33)

3 、大卒内定、来春28%減 減少率最大、電機・金融絞る
http://www.nikkei.co.jp/report/saiyo/
2009年10月18日/日本経済新聞 

 日本経済新聞社が17日まとめた2010年度採用状況調査によると、主要企業の大卒の採用内定者数(10年春入社予定)は今春入社した人数に比べ28.6%減の約7万4000人となった。2年連続のマイナスで、減少率は1995年度の調査開始以来最大だった。景気後退を受け、製造業や金融機関が軒並み採用を減らす。11年春の採用計画については8割の企業が「未定だが10年春と同水準」と回答しており、厳しい雇用情勢が続きそうだ。=詳細を19日付日経産業新聞に
 調査は主要1001社を対象に10月1日時点の内定者数を聞き、910社から回答を得た。
 10年度の大卒内定者数は05年度(約7万1000人)以来の低い水準で、金融不安が広がっていた99年度やデフレ懸念が強まった02年度とほぼ同じ。IT(情報技術)バブルが崩壊し6万人台だった00年度や01年度は上回るものの、学生にとっては「氷河期」に迫る厳しい情勢となった。
 製造業は6年ぶりにマイナスとなり、36.3%減の約2万5000人だった。電機が40.4%減、自動車・部品が56.4%減と、景気後退に伴う業績悪化などの影響で大幅減に転じた。09年3月期に巨額赤字に陥った日立製作所が3割減の650人、スズキが62%減の231人など軒並み採用を抑制する。
 非製造業は23.9%減の約4万8900人。大手金融機関の削減規模の大きさが目立つ。内定人数では最も多いみずほフィナンシャルグループが今春比では4割減らしたほか、4位の三井住友銀行も1000人減の949人とメガバンク2行で2000人近く減った。
 一方、鉄道・バスや電力は前年を上回った。東京電力は13年以降に新規の原発稼働が相次ぐことに備え、技術系社員の採用を大幅に増やした。
 11年度の計画については777社が回答。具体的な人数は未定とする企業も含め83.7%が「10年春と同水準」とした。「減らす見通し」は10.2%で「増やす見通し」(5.5%)を上回った。多くの企業はまだ採用計画を固めていないもようだが、景気回復の足取りは重く、雇用について慎重な姿勢を崩していない。
 政府は16日に緊急雇用対策本部を設置し、新卒者や低所得者を重点支援する方針を打ち出した。ただ企業には今秋以降の景気の「二番底」懸念もくすぶっており、学生の就職環境が好転するかどうかは不透明だ。



2010年4月定期採用状況
        社数  今年  昨年
〈総合計〉  787  90,952 134,942     ▲32.6
▽大卒合計  861  73,911 103,626     ▲28.6
○文科系  624  22,417  32,036     ▲30.0
○理工系  624  22,344  31,904     ▲29.9
▽短大・専門計 731  4,961   8,366     ▲40.7
▽高卒計  756  12,636  22,779     ▲44.5

(注)合計と内訳の人数、増減率が一致しないのは採用分類が異なる企業があるため.
            2009年10月18日/日本経済新聞 朝刊



2009年11月19日(木) 2008年度の自殺者3万2249人

報 道
1、学生・生徒の自殺最多 対策白書、総数11年連続3万人超
                  2009年11月17日  日経
2、主要国の10万人当たりの自殺率
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2774.html

アメリカ・イギリス・イタリヤ・ドイツなどの主要国の10万人当たりの自殺率は12人以下である。中でもイタリヤ・イギリスの10万人当たりの自殺率は資料2のグラフ2 の通り6人以下である。それに対して、日本の自殺率は25.5人と多い。この自殺率はイタリヤ・イギリスの4倍、アメリカの2.5倍である。
なぜ、このような結果になってしまうのであろう。即答は無いかも知れないが、日本の生活文化に根本的な問題が潜んでいることは確かである。

 今回失業者(失業保険が切れた人が対象)の講座を開く関係で、生活困窮者と懇談する機会が多くあった。この講座の参加条件をクリヤしないと参加できない。5名が参加資格なしとの判定となった。ハローワークの判定がかなり厳しいのである。経済的な問題・子供が自立できない問題などで自殺に追い込まれる現実を目前にした感じである。今回の活動で「引きこもりの子供を持つ母子家庭」3軒と話し合う機会があった。NPO法人生涯青春の会の活動の焦点の一つになると自覚した。

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学生・生徒の自殺最多 対策白書、総数11年連続3万人超
                  2009年11月17日  日経

 政府は17日の閣議で、2009年版の自殺対策白書を決定した。08年の自殺者は3万2249人(警察庁調べ)と前年より844人減ったものの、11年連続で3万人超の高水準となった。職業別では、学生・生徒の自殺が972人と過去最多だった。人口10万人当たりの自殺者数「自殺死亡率」は23.7で世界第8位、日米欧主要7カ国(G7)ではトップだった。

 自殺原因は2万3490人(全自殺者の72.8%)が判明。そのうち「健康問題」が1万5153人(64.5%)でトップだった。「経済・生活問題」が7404人(31.5%)、「家庭問題」が3912人(16.7%)と続いた。自殺死亡率の国際比較では「欧米の先進諸国と比較しても高い水準」と指摘した。
 過去最多となった学生・生徒の自殺への対策としては「夜間や休日など子供がいつでも相談できる体制の構築」の必要性を挙げた。一方、ブログやメールを介したいじめが自殺を招く恐れがあるとも指摘。青少年がインターネットを利用する際のフィルタリング(閲覧制限)の普及に加え、学校、家庭、地域が一体で情報モラル教育の推進に取り組むよう求めた。 (11:23)


2009年11月18日(水) コポイント「住宅版」の創設の気配

報 道

社説 「低炭素で豊かな生活」問われる企業 (11/16)
                     2009年11月16日 日経
コポイント「住宅版」の創設を検討 菅副総理が表明
                      2009年11月16日  日経
 コポイント「住宅版」が導入される気配である。多少住宅の情報がわかる立場で言うと、住宅産業が激変すると言わねばならない。具体的には次のようなことが出来ない既存業者のところに仕事が流れない現象となることは必至だ。

1、 北九州市の芝浦特機は、屋上に太陽光発電パネルを敷き詰めた賃貸住宅を次々に建てている。
2、 東京都内に「経堂の杜(もり)」というマンションがある。環境共生型の家を専門とする会社が造った。夏は日射を遮り冷気を入れ、冬は日照を確保。建物は断熱工法だ。気温が35度でも室内はエアコンなしで27度に抑え、冬は明け方でも14度までしか下がらない。
3、 パナソニックや新日本石油が燃料電池などを用いCO2の排出をゼロにしたモデル住宅を完成させた。家を巡るさまざまな試みが具体的な形を見せつつある。
4、ドイツでは素人にも分かるエネルギー効率の指標を家ごとに示す。クルマでいえば燃費だ。
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1、社説 「低炭素で豊かな生活」問われる企業 (11/16)
                     2009年11月16日 日経

 地球温暖化を防ぐには生活のあり方も変わらなければならない。しかしただ消費を手控え、つましく暮らそうと強いるのでは長続きしない。これまでより快適で、便利で、楽しく、お得な低炭素時代に適した暮らし方の提案があれば自然に広がっていくはずだ。そうした新しい生活への挑戦は、すでに始まっている。

 日本の二酸化炭素(CO2)排出量は昨年度12億1600万トンだった。

家づくりから工夫を
 家庭からの分は14.1%。少ないようだが、消費財の生産、商業やサービス業、買い物の移動などを足すと総量の約6割が個人の生活によるとの試算もある。生活のあり方が変われば影響は大きい。

 第1のカギは家づくりだ。

 東京都内に「経堂の杜(もり)」というマンションがある。環境共生型の家を専門とする会社が造った。北側にケヤキの大木5本を残し、南側には落葉樹を植栽。ベランダにはウリ科の植物で天然のすだれを作った。夏は日射を遮り冷気を入れ、冬は日照を確保。建物は断熱工法だ。気温が35度でも室内はエアコンなしで27度に抑え、冬は明け方でも14度までしか下がらない。好評から同種の集合住宅をほかに2棟手がけた。

 大手企業ではパナソニックや新日本石油が燃料電池などを用いCO2の排出をゼロにしたモデル住宅を完成させた。家を巡るさまざまな試みが具体的な形を見せつつある。

 日本の住宅の平均寿命は30年弱。米英の半分程度だ。高度成長期に建った家がいま寿命を迎える。短命を逆手にとり、エネルギー効率のいい家を増やす好機にしたらどうか。

 そのためには環境性能の分かりやすい表示が必要になる。ドイツでは素人にも分かるエネルギー効率の指標を家ごとに示す。クルマでいえば燃費だ。家の燃費が分かれば、家賃は高めでも燃費のいい家を建てる(借りる)という判断を、知識の乏しい消費者も下しやすくなる。

 家庭用の省エネ機器はまだ高い。助成金もいいが、普及させるための仕組みも工夫したい。北九州市の芝浦特機は、屋上に太陽光発電パネルを敷き詰めた賃貸住宅を次々に建てている。環境機器のオンウェーブ(東京)は家庭用の風力発電機を月単位で貸し、3カ月の順番待ちだ。大手電機メーカーはLED(発光ダイオード)照明の企業向けリースを始めた。LEDや太陽光発電も個人でお試し利用ができれば喜ばれる。

 第2は消費のあり方だ。日本コカ・コーラのヒット商品「い・ろ・は・す」は国内最軽量のペットボトルを用いたミネラル水。容器を4割軽くし年間3000トンのCO2を削減した。手で簡単につぶせ、邪魔にならず回収コストも下がる。環境と利便性の両立で消費者の支持を得た。企業はイメージ戦略を脱し、実利を伴う環境商品の開発を競うべきだ。

 流通はIT(情報技術)活用がカギになる。昨年度通販市場は百貨店やコンビニを抜いた。主力はネット通販だ。スーパーなどが撤退し買い物に不便な地域が増えている。衣食住の買い物がネットで間に合えば環境と高齢化の両方への対応となる。

 ただし配送でCO2が増えては温暖化防止につながらない。ヤマト運輸は2010年度までに02年度比で荷物1個あたりのCO2排出量を3割減らす。手段は低公害車の導入、鉄道への切り替え、自転車とリヤカーの活用などだ。同様の取り組みを他の物流企業も進めるべきだろう。

自転車を生かそう
 3つめは暮らしの舞台である町の未来の姿だ。中心部に住宅や都市機能を集め、公共交通機関を充実させるコンパクトシティーづくりが叫ばれている。世代をまたぐ長期計画として気長に取り組むことになる。

 とりあえずいまのインフラを生かし、環境負荷の小さい移動手段の競争力を増すことを考えてほしい。例えば欧州にならい、JR、地下鉄、バスなど異なる種類の乗り物を、初乗り運賃なしで自由に乗り継げるよう検討してはどうか。大都市ではロンドンのようにエコカー以外のクルマが中心部に乗り入れるとき課税することも考えられる。在宅勤務の推進も通勤のための移動を減らす。

 自転車を交通体系の中にきちんと位置づけることも有力な手段だ。電動アシスト付き自転車の年間販売台数が原付き(ミニバイク)を超えたいま、安全面から見て緊急の課題でもある。車道の一部を自転車専用帯とし、保険などのサービス、通勤時のルールも整備し、駅などに修理場付き駐輪場を設けるのもいい。

 快適なサービス、お得なモノ、心地いい移動を選んだら、結果的に温暖化防止につながった。精神論よりも、そうしたビジネスの提供や社会システムをつくることが大切だ。

エコポイント「住宅版」の創設を検討 菅副総理が表明
                      2009年11月16日  日経
 菅直人副総理・国家戦略相は16日午前の記者会見で、省エネ家電製品の購入を促す政府の「エコポイント」の住宅版の制度を創設する考えを表明した。2009年度第2次補正予算や10年度当初予算での経済対策に盛り込む方向で調整する。環境対策を施した住宅を新築したり改修したりした場合に、様々な商品やサービスと交換できるポイントを付与する仕組みとなる見通し。消費喚起による景気浮揚を狙う。
 会見で、菅氏は「『エコ住宅ポイント』で若干の支援をすることで、財政出動が小さくても大きな成果を得られる」と表明した。現在のエコポイント制度は温暖化対策の一環として、省エネ効果があると認定した薄型テレビ、エアコン、冷蔵庫を購入すれば、色々な商品やサービスと交換できるポイントを付与する仕組み。環境に配慮した自動車の購入を優遇する「エコカー減税」などとともに、麻生太郎前政権下の09年度第1次補正予算で導入した。(14:23)

2009年11月17日(火) 景気二番底が必至の情勢だ。

報道と論説

1、景気二番底に危機感 鳩山政権2カ月、「15カ月予算」に活路
                  2009年11月16日 日経
2、4.8%成長でも消えぬ二番底懸念 7~9月ピーク説も
                  2009年11月16日   日経
3 、2009年度の実質成長率、マイナス2.7%に・NEEDS予測
http://www.nikkei.co.jp/keiki/gdp/
4 、日本経済に二番底の懸念、早急に景気対策を=榊原早大教授
2009年 09月 9日 17:38 JST

昨日と同じ視点の記述である。鳩山由紀夫首相は、景気の「二番底」懸念への対応に追われている。今年度2次補正は編成の声も上がっているが、本予算の組み立てに追われているので大胆な景気対策は無理に気配である。

税収の減で本予算では、45~50兆円の国債の発行が予想されている。これ以上の国債発行の景気対策は常識の範囲では出来ないと思わる。元大蔵官僚の榊原早大教授は「日本の個人金融資産が1400兆円程度にのぼることなどを挙げ、『日本は世界最大の債権国。日本の財政状況が危機的とは思っていない』とし、『現在の国債市場は、10─15兆円の国債発行を十分に吸収できる。金利が若干上がっても、(現在1.3%台の長期金利が)2%を上回ることはない』」と語っている。果たして、鳩山政権はどのような決断をくだすか。
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1、景気二番底に危機感 鳩山政権2カ月、「15カ月予算」に活路
                  2009年11月16日 日経
 16日で就任2カ月を迎える鳩山由紀夫首相は、日米首脳会談に続いてアジア太平洋経済協力会議(APEC)出席と外交活動を展開する一方、国内では景気の「二番底」懸念への対応に追われる。2009年度第2次補正予算案を来年度予算案と一体編成する「15カ月予算」の形で景気対策を打ち出したい考えだが、新味のある政策メニューをそろえるのは難しい状況で、財源確保のめども立っていない。
 「歳出カットした部分を経済が厳しい中で使うのは国民生活を考えればありうべしだ」。首相は14日、シンガポールで同行記者団に来年1月召集の通常国会冒頭に提出する2次補正の財源に、自公政権で編成した1次補正の執行停止分2兆9000億円の大半を充てると明言。雇用、環境、景気など国民生活に直結した分野に重点配分する方針だ。政府は17日にも来年度予算も合わせた「15カ月予算」の基本方針を閣議決定する。切れ目ない対策と売り込むが、その第1弾となる今年度2次補正は編成期間が短く、大胆な内容を盛り込めるかは微妙だ。(シンガポール=大場俊介)(15日 18:14)
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2、4.8%成長でも消えぬ二番底懸念 7~9月ピーク説も
                  2009年11月16日   日経
 内閣府が16日発表した7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は市場の事前予想を大幅に上回り、実質の前期比年率で4.8%増の「高成長」となった。だが国内外での経済対策効果が数字を押し上げている面は否めず、市場では「7~9月ピーク説」が急浮上。この先の「二番底」懸念は消えない。
 個人消費が2期連続で伸びた背景にはエコポイントなど政策効果による耐久消費財の伸びがある。来年度以降の消費の「先食い」が指摘される分野だ。設備投資のプラス転換は明るい材料だが、前政権下の公共事業の押し上げ効果は早くもはげ落ち、輸出の好調も海外の政策効果が無視できない。追加経済対策の必要性と財政規律の確立のジレンマに悩む政府にとって、経済政策運営の難しさは増す。
 実質の高成長とは裏腹に、名目成長率は6期連続のマイナス。物価下落が背景だ。デフレ懸念にどう向かいあうのか。「来年4~6月期にマイナス成長になる可能性がある」(幹部)とみる日銀にとっても、重い課題が突きつけられている。 (12:29)
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2009年度の実質成長率、マイナス2.7%に・NEEDS予測
http://www.nikkei.co.jp/keiki/gdp/

 日本経済新聞デジタルメディアの総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、11月16日に内閣府が公表した2009年7~9月期の国内総生産(GDP)速報を織り込んで予測したところ、09年度の実質GDPは2.7%減と2年連続のマイナス成長ながらも08年度よりマイナス幅は縮小する見通しとなった。10年度は1.4%増で3年ぶりのプラス成長に復帰する。
景気後退期抜けを示す
 GDP速報によると7~9月期の実質GDPは前期比プラス1.2%(年率換算で4.8%)で2期連続のプラス成長を確保した。内閣府は景気動向指数の基調判断を11月に上方修正したが、GDP速報も日本経済が既に景気後退局面を抜け出した可能性が高いことを示した。7~9月期の高成長の主役は民需。前期の成長を押し上げた外需は、輸入が増加したため寄与度が前期の1.5ポイントから0.4ポイントへと低下。公共投資も5四半期ぶりに前期比で減少した。そうした中でも2年半ぶりの高い成長率になったのは堅調な個人消費に加え、設備投資が1年半ぶりのプラスになったため。住宅投資は引き続き落ち込んだものの、民需全体の寄与度は0.8ポイントと1年半ぶりに成長率を押し上げた。

4、日本経済に二番底の懸念、早急に景気対策を=榊原早大教授
2009年 09月 9日 17:38 JST

 [東京 9日 ロイター] 榊原英資早大教授(元財務官)は9日、日本記者クラブで講演し、日本経済は年末から来年初にかけて二番底を打つ可能性があると述べ、9月中旬に発足する鳩山由紀夫政権は新規国債の発行を財源に、景気対策を早急に打つべきと提言した。
 国債増発に伴う金利上昇懸念に対しては、日本は世界最大の債権国であり、10─15兆円の国債発行は市場で吸収可能と述べ、影響は限定的と語った。
 世界的な金融・経済危機の広がりを背景に、ドルの信認に懸念を示す声も出ているが、少なくとも今後20年はドル基軸通貨体制は変わらないとの見解を述べた。
 <景気対策財源は国債発行で賄うべき、長期金利は2%超えない>
 榊原氏は冒頭、自身を民主党のサポーターの1人と述べる一方、民主党のマニフェスト(政権公約)について「マクロ政策に対する記述がほとんどない」ことに苦言を呈した。
 その上で、日本経済は「微妙な段階にある。このままいけば年末から来年初にかけて、二番底を打つ可能性がある」と懸念を示し、鳩山政権に対して「そう遠くない時期、この1カ月間くらいに景気対策を打つべきだ」と提言した。具体的には、現政権が実施したエコ・ポイントやエコ減税などの継続、民主党が掲げる「子ども手当」や高速道路料金の無料化、ガソリン税などの暫定税率廃止を景気対策として実施すべきと主張。
 こうした対策の財源については「予算の執行を止めれば経済が無茶苦茶になる。不況の時は国債を新規発行しなければ景気対策にならない。当面は財源問題に配慮せず、新規施策を打つことが大事だ」と国債発行で賄うべきとし、民主党が表明している予算の執行停止や組み替えによる財源確保は「中長期的に財政規律が大切なのは間違いない。4年間かけて、じっくり無駄な歳出を削ればいい」との考えを示した。
 国債増発に伴う長期金利の上昇が懸念されるが、榊原氏は日本の個人金融資産が1400兆円程度にのぼることなどを挙げ、「日本は世界最大の債権国。日本の財政状況が危機的とは思っていない」とし、「現在の国債市場は、10─15兆円の国債発行を十分に吸収できる。金利が若干上がっても、(現在1.3%台の長期金利が)2%を上回ることはない」と語った。
<今後20年はドル基軸に変化ない、米国と対等な関係を>
 また、榊原氏は世界の現状を「20世紀型、米国資本主義の崩壊」と表現、「モノを中心とした経済の崩壊だ」と語った。
 米国が昨秋の「リーマン・ショック」の震源地となり、世界的に金融・経済危機が広がる中で米ドルの信認に懸念を示す声も聞かれるが、榊原氏は「相対的に弱くはなっているが、米国が世界のリーダーであることは10─20年は変わらない。ドルが基軸通貨であることは、少なくとも今後20年は変わらない」と指摘。
 今後の日米関係について「米国は力を持ち、速く変化を実現できる国であり、連携していかなければならない」としながら、「米国と日本が対等な関係であることをはっきり認識すべき。対等な関係で議論することは当然だ」と語った。
 アジア共通通貨構想に対しては「長期的な課題として考えていい。ただ、(実現は)20─30年先の話だ」と指摘。「中国が為替介入を撤廃するのも10年はかかる」との見方を示した。
 <新政権への参画、「オファーあれば考えたい」>
 さらに、榊原氏は、政治主導をめざす鳩山新政権に対し、「官僚をうまく使っていくことが重要」とし、具体策として1)事務次官や局長などの人事サイクルを首相任期と同一にする、2)省庁設置法を廃止する、3)改革派の閣僚と連携する--ことなどをアドバイスした。
 新政権が設置する首相直属の「国家戦略局」に参加を要請された場合の対応を問われ、「何らかのかたちで新しい改革をサポートできるオファーがあれば考えたい」と語った。


2009年11月16日(月) 政府、「デフレ」を宣言へ 雇用更に悪化

報道
1、政府、「デフレ」を宣言へ
                    2009年11月16日 日経
2、デフレの原因は内需
http://d.hatena.ne.jp/nyanko-wonderful/20090908/p3

政府は日本の物価が持続的に下落する「デフレ」に陥っていると認定する方向で最終調整に入った。雇用条件が更に悪化することが避けられない。民主党が進めている事業仕分けは、国全体の経済からいえば重箱の隅を突いているだけなのである。国の景気を回復させるビジョンが求められると思う。

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政府、「デフレ」を宣言へ
                    2009年11月16日 日経
 政府は日本の物価が持続的に下落する「デフレ」に陥っていると認定する方向で最終調整に入った。7~9月期の国内総生産(GDP)速報値で、国内の物価動向を示す内需デフレーターが51年ぶりの低水準にとどまったため。政府は2001年3月から06年8月までの月例経済報告で、日本経済がデフレの状態にあるとの判断を示しており、3年ぶりに同じ判断を復活させる見通しだ。
 早ければ20日に公表する11月の月例報告に盛り込む。7~9月期の物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期比0.2%上昇した。ただ国内需要デフレーターは2.6%下落し、1958年7~9月期(3.9%減)以来の大幅な落ち込みとなった。 (17:38)
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デフレの原因は内需
経済
中国デフレ論は大ウソ。デフレの原因は内需。特に民間消費が死んでいる。
05~07年のGDPデフレータは輸入のせいで下がっているが、これは05~07年の実効為替レートがここ20年で最も下がっているのが大きい。事実、輸入と反転する形で輸出デフレータはプラス。輸出のおかげで成長率もプラス(参照:図録▽実効為替レートの推移(日本・米国・ユーロ圏))。
但し、この期間、民間消費が回復しなかったので、「いざなぎ景気超えの景気拡大」=景気回復とまではなっていない。
一方、内需デフレータは05年頃からプラスに向かっていたが、08年前半の原油価格高騰(【図解】ニューヨーク市場の原油価格推移 国際ニュース : AFPBB News)によってコストプッシュ型インフレに陥ってしまう。成長率は内需デフレータの伸びと反転する形でマイナスへ。輸出も07年の終わりを境に下がっていき、リーマンショックで一気に落ちる。金融危機の影響をさほどうけていない日本が大幅に成長率が低下した理由は、内需回復に力を注がず、輸出頼みの景気拡大を続けてきたため。2007年までにしっかりした金融・財政政策が打てていれば、さらには06年のゼロ金利・量的緩和解除さえ無ければ状況は変わっていたはず。
小泉政権以降、公的需要の成長率はほぼゼロ、もしくはゼロ以下。96年の橋本政権時と、99年の小渕政権時にのみ2%程度伸びている。このときは内需はまだマシ。99年時も小渕政権の大型財政出動がなければ内需のマイナス幅は大きくなっていた。財政出動は不況時には効くのでは?
98年と02年の実質成長率の落ち込みの原因は、総固定資本形成の伸びが大きくマイナスになったため。02年の落ち込みは不良債権問題の処理と関係しているのではと思うが、ここでは余り考えないでおこう。

用語の解説
GDP = 民間最終消費支出 + 政府最終消費支出 + 総固定資本形成 + 在庫品増加 + 輸出 - 輸入
民間最終消費支出 ・・・ いわゆる個人消費のこと。
政府最終消費支出 ・・・ 文字通りの意味。公務員の人件費なども含む。
総固定資本形成 ・・・ 住宅投資、企業の設備投資、公共投資の合計。ここでの「投資」は機械や建物などを購入することで、株式投資などの「投資」とは異なる。
在庫品増加 ・・・ これも文字通りの意味。平たく言えば売れ残り。
輸出および輸入 ・・・ 文字通りの意味。輸出と輸入以外のGDPを国内需要(内需)という。
GDPデフレータも、GDPと同様に各項目に分解できる。実質・名目成長率も同様。
http://d.hatena.ne.jp/nyanko-wonderful/20090908/p3



2009年11月15日(日) 日本の貧困層


1、「貧困ビジネス」対策待ったなし 無料低額宿泊所で高額徴収
          2009年11月14日  日経
2、無料低額宿泊所、来春めどに対策 厚労省のチーム初会合
2009年10月31日 日経
3、生活保護170万人突破 7月、前年比15万人増
                    2009年10月9日  日経
 
住むところを失った生活保護受給者らを受け入れる「無料低額宿泊所」で、高額な料金を徴収される実態が次々と明るみに出ている。貧困者を対象としビジネスである。鳩山政権は入居者の弱みにつけ込んだ「貧困ビジネス」対策に乗り出したが、具体的な検討はこれからだ。

全国で生活保護を受給している人が、7月時点で171万9971人に上っていたことが8日、厚生労働省の集計で分かった。今年6月からは1カ月で2万1102人も増えており、昨年7月に比べて14万8267人増と大幅に増加している。最大の問題は将来生活保護でなければ生きていけない予備軍が数百万人いることだろう。

最近収録した貧困層に関するニュースである。
32、貧困ビジネス
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10358256898.html
33、生活保護費、老齢加算復活見送り 厚労省方針、母子加算を優先
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10359010894.html
34、「貧困率」測定・公表へ 厚労相方針、格差是正の指標に
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10359847927.html
35、ハローワークで住居紹介 失業者向け対策、菅戦略相が表明
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10363485111.html
36、日本の貧困率、06年は15.7% 97年以降で最悪、OECDで4番目
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10371296316.html
37、奨学金の延滞債権、132億円が住所不明 検査院、改善求める
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10373402911.html


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1、「貧困ビジネス」対策待ったなし 無料低額宿泊所で高額徴収
     2009年11月14日  日経
 住むところを失った生活保護受給者らを受け入れる「無料低額宿泊所」で、入居者が高額な料金を徴収される実態が次々と明るみに出ている。設置や運営に法的な規制がなく、「無料低額」とはいえ費用の上限は決まっておらず、悪質な無届け施設も後を絶たない。新政権は入居者の弱みにつけ込んだ「貧困ビジネス」対策に乗り出したが、具体的な検討はこれからだ。
 今月7日、JR川口駅(埼玉県川口市)前の公共施設に、「宿泊所で高額な利用料を搾取された」という男性約20人が集まった。特定非営利活動法人(NPO法人)「ほっとポット」(さいたま市)のスタッフや弁護士らが約2時間、一人一人の相談を受けた。(07:00)
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2、無料低額宿泊所、来春めどに対策 厚労省のチーム初会合
2009年10月31日 日経
 生活保護の受給者などが入居する無料低額宿泊施設のあり方について、厚生労働省は30日、山井和則厚労政務官をトップとする検討チームの初会合を開いた。山井政務官は「良心的な施設がある一方、入居者の生活保護費を食い物にする『貧困ビジネス』を行う悪徳業者がいる」として、法規制も含め、来春をめどに対策をまとめる考えを示した。
 会合には、元派遣村実行委員会村長で内閣府参与の湯浅誠氏や、路上生活者を支援する特定非営利活動法人(NPO法人)「ほっとポット」の藤田孝典代表理事らのほか、生活保護費を不正に取り上げられたとして千葉県内の業者を告訴した元入居者2人も参加した。(07:00)
無料宿泊所、439施設1万4089人入居 厚労省、貧困ビジネス調査へ
                      2009年11月20日
 生活保護の受給者などを対象にした「無料宿泊施設」が6月末時点で全国に439施設あり、入居者が1万4089人に上ることが20日、厚生労働省の調査で分かった。法的な位置づけのない無届け施設も1437施設あった。
 入居者の生活保護費を不正に得る行為が一部では横行しているとされ、同省はこうした「貧困ビジネス」について調査を進め、法規制も含めて対策を検討する。
 調査結果によると、今年6月末時点で社会福祉法に基づく無料低額宿泊施設439施設の入居者のうち1万2894人が生活保護受給者だった。(20日 14:48)
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4、生活保護170万人突破 7月、前年比15万人増
               2009年10月9日
 全国で生活保護を受給している人が、7月時点で171万9971人に上っていたことが8日、厚生労働省の集計で分かった。今年6月からは1カ月で2万1102人も増えており、昨年7月に比べて14万8267人増と大幅に増加した。
 厚労省は「7月は完全失業率が過去最悪となるなど、雇用情勢の悪化が主な要因」とみている。
 受給者が170万人を超えるのは、月平均で174万4639人だった1963年度以来の高水準。
 受給世帯数は、124万4660世帯に上り、今年6月より1万4653世帯増加。昨年5月以降、毎月過去最多を更新している。〔共同〕(00:06)







2009年11月14日(土) 日米首脳会談


 報 道
1、日米首脳会談―新しい同盟像描く起点に
                2009年11月14日  朝日
2、社説:日米首脳会談 連携の舞台が広がった 
                  2009年11月14日  毎日
3、社説 首脳会談が覆い隠した日米同盟の現実(11/14)
                     2009年11月14日  日経
4、毎日新聞世論調査:日米密約の存在「認めるべきだ」60%
                    2009年10月30日 毎日

 鳩山由紀夫首相とオバマ米大統領は、選挙公約と現実との落差に苦悩する政治的立場にある。 オバマ大統領は、「テロとの戦い」の主舞台と位置づけたアフガニスタンが泥沼化しつつある。 鳩山首相は総選挙で訴えた沖縄・普天間飛行場の県外、国外への移設の問題で苦境に立つ。 そのために幅広い領域での合意を成果として強調したが、日米関係をきしませている普天間問題は先送りした。
 
 半世紀に及んだ自民党政権にとってかわった鳩山民主党政権にとって、日本の安全保障と外交の基本を米国との同盟に置くこと、地球規模の課題でも信頼できる同盟パートナーであり続けること、の2点を米大統領と確認しあった意味は大きいとおもう。

 報道4の通り「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則は日本の国是とされ、核搭載艦船の寄港や領海通過も「持ち込み」として禁じている。しかし実際は持ち込まれていたのだ。従来の政府が認めてこなかった、核兵器を搭載した米艦船の日本への寄港を容認した日米間の密約の存在について、毎日の世論調査で「認めるべきだ」と回答した人は60%を超えている現実がある。もはや隠す必要がないだろう。
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1、日米首脳会談―新しい同盟像描く起点に
                    2009年11月14日 朝日
 ニューヨークでの初顔合わせから2カ月。鳩山由紀夫首相とオバマ米大統領が初の本格会談を行った。
 ともに国民の支持を得て政権交代を果たしたが、今は選挙公約と現実との落差に苦悩する似たような政治的立場にある。
 大統領は、医療保険制度の改革で議会説得のまっただ中。「テロとの戦い」の主舞台と位置づけたアフガニスタンは泥沼化しつつある。
 首相は「コンクリートから人へ」の予算の組み替えの真っ最中。総選挙で訴えた沖縄・普天間飛行場の県外、国外への移設の問題で苦境に立つ。
 そんな両首脳にとって、今回の会談は失敗が許されないものだった。そのために幅広い領域での合意を成果として強調したが、日米関係をきしませている普天間問題は先送りした。
 だが、そのことはこの会談の意義を損なうものではない。
 さまざまな分野で協力を強化する日米同盟の「深化」。半世紀に及んだ自民党政権にとってかわった鳩山民主党政権にとって、日本の安全保障と外交の基本を米国との同盟に置くこと、地球規模の課題でも信頼できる同盟パートナーであり続けること、の2点を米大統領と確認しあった意味は大きい。
 中国の経済的、軍事的台頭が著しいこの地域にあって、日米が同盟を基礎に連携し、結び合うことは双方の国益にかなう。地域の安定を保ち、繁栄を続けるためにもそれが欠かせない。両首脳が語り合った同盟強化の根底には、そんな共通理解があるはずだ。
 中国自身も地域の安定は望むところだ。来週、中国を訪れる大統領には、良好な日米関係を基盤としつつ、中国とどのように連携していくか、大きな構図で語ってもらいたいと思う。
 首脳会談では、地球温暖化対策や「核なき世界」への取り組みなどで一致してあたることを合意した。
 鳩山首相が選挙で訴えてきたテーマでもある。従来の、安保と経済に偏りがちだった日米協力が新しい次元に入るということだろう。日本の有権者は歓迎するに違いない。21世紀の同盟のあり方を描き出す起点としたい。
 同盟とは、互いの国民が納得感を持ち、信頼しあえるものでなければならない。その点で、普天間をめぐる合意を検証するため閣僚級の作業グループができたことには意味がある。3年前に合意された辺野古移設以外の選択肢がありえないのかどうか、日本の新しい民意を背景に協議できることになったからだ。
 首相は普天間問題の難しさについて、大統領に直接、説明した。一方で、できるだけ早く結論を出す考えも伝えた。同盟の根幹にかかわる問題だという認識に立って、首相にはその言葉通りの取り組みを求めたい。
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2、社説:日米首脳会談 連携の舞台が広がった 
                  2009年11月14日  毎日
 鳩山由紀夫首相とオバマ米大統領が首相官邸で会談し、来年の日米安保条約改定50年へ向け同盟関係を発展させていくことを確認した。日米両国やアジア・太平洋地域の安定に寄与してきた同盟関係を、地球温暖化やエネルギー問題、核拡散など21世紀の世界が直面している地球規模の課題に対処するために強化しようという試みは時代の要請に沿ったものだ。両首脳の合意を評価したい。
 ◇「変化」訴える両政権
 日米同盟の再構築が必要とされる背景には国際環境の大きな変化がある。日米安保は冷戦終結を受けた1996年の日米共同宣言で再定義された。だが、21世紀に入り国際テロやイラン、北朝鮮などの核問題、さらには国際社会での中国の急激な影響力増大といった新たな状況が生まれている。気候変動やエネルギー、貧困への対応も急務だ。
 こうした中で、「変化」を訴える政権が両国に誕生した。両首脳が掲げる理念と目指す目標は同じ方向にあるように見える。日米同盟の信頼性を高め21世紀にふさわしい協力関係をつくるための同盟再構築は時宜にかなったものといえるだろう。
 「緊密で対等な日米同盟」を唱えている鳩山首相は、会談後の記者会見でも「大統領から『対等な日米関係であるべきだ』との話があった。私から核廃絶の問題を聞き、対等な思いで疑問を提起した」と語った。
 圧倒的な軍事力を持つ米国との協力関係では、日本は軍事以外の分野での役割を広げる中で相互補完的な関係を構築することを模索すべきだろう。鳩山首相も会見で「日米同盟は安全保障のみに限らない。防災、医療・保険、教育、環境問題など、さまざまなレベルで日米がアジア・太平洋地域を中心に協力していくことによって深化させることができる」と述べた。
 アフガニスタン復興のために日本が決めた民生支援(5年間で50億ドル)はその一環に位置づけられよう。現地の治安悪化で本土への要員派遣が困難である以上、現段階では資金拠出が中心になるのはやむをえない。
 両首脳が「核兵器のない世界」へ向けた連携強化や地球温暖化対策での協調行動で合意し共同文書として発表したことも評価したい。
 「核兵器のない世界を目指す」と宣言したオバマ大統領のプラハ演説以来、核廃絶・核軍縮へ向けた国際的な機運はこれまでになく盛り上がっている。9月の国連安全保障理事会首脳会合では米国が提案した「核なき世界」を目指す決議が全会一致で採択された。
 鳩山首相もこれに呼応し、唯一の被爆国として果たすべき道義的責任を強調し、世界の指導者に広島、長崎への訪問を呼びかけた。来年11月に横浜市で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際に予定される大統領再訪日の機会での実現を望む。
 地球温暖化対策は、12月にデンマークで開かれる国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で、法的拘束力を持つ「ポスト京都議定書」の採択が来年に先送りされることが確実になっている。温室効果ガスの大幅削減案を示した鳩山首相と国際協調を志向するオバマ大統領は今回の合意に沿って「ポスト京都議定書」の枠組みづくりを主導する責任を負った。
 ◇残った「普天間」問題
 一方、安全保障が同盟の重要な柱であることは論をまたない。同盟の基盤である日米安保条約は、日本による基地提供によって米軍の前方展開を保証し、その抑止力のもとで日本の安全を確保することを前提にしている。しかし、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題がこじれ、その前提が揺れている。
 この問題は閣僚級作業グループによる協議を通じ早期に結論を得ることで一致している。会談でも鳩山首相が「作業グループでできるだけ早い時期に解決する」と述べたのに対し、オバマ大統領も「迅速に作業を終わらせたい」と語った。
 しかし、米側は名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設という現行計画案の実施を求める姿勢を変えていない。一方の日本側は岡田克也外相が普天間の米軍嘉手納基地への統合の可能性をさぐるなど政府方針を決め切れない状態だ。
 同盟関係を発展させるには日米安保体制の信頼性を高めることが不可欠である。普天間問題について首相が「最後は私が決める」と言うだけでは国民の不安や米側の疑心をぬぐうことはできない。
 また、日本は「核の傘」を中心とする拡大抑止に依存する一方で、鳩山首相が非核三原則の堅持を表明している。日米同盟の下での東アジア共同体構想の位置付けも不明確だ。発足後2カ月がたつ鳩山政権は、こうした点を含め総合的な外交ビジョンを提示すべきである。


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3、社説1 首脳会談が覆い隠した日米同盟の現実(11/14)
                     2009年11月14日  日経
 「首脳会談に失敗なし」という言葉がある。鳩山由紀夫首相とオバマ大統領との日米首脳会談は典型だった。それは必ずしも「成功」を意味しない。周到な準備が同盟の最前線にある現実を覆い隠した。

 首相は10日に大統領と電話で話し合い、東京での首脳会談を「未来志向の日米関係強化に向けた機会としたい」と述べた。「未来志向」が奇異に響いた。

 歴史問題で日中、日韓関係がぎくしゃくした時に使われた言葉だったからだ。現状から視線をそらすのに使う外交表現である。10月のゲーツ米国防長官との会談の冷たい空気を考えれば、首相がこの言葉を選んだのは自然だった。

 両首脳は13日の会談で、アフガニスタン支援や地球温暖化対策などでの協力を話し合い、温暖化問題と核軍縮で共同文書を発表した。鳩山、オバマ両氏の初の出会いとなった9月のニューヨークでの会談でも、環境や軍縮など総論で合意がしやすい問題を取り上げた。

 日米首脳会談は、2回続けて両国関係の中核である安全保障問題に正面から取り組むのを避けた。日米関係は安保問題だけではないし、安保問題は沖縄の普天間基地の移設問題だけではない。が、意見調整を要する最も重要な問題が、今回は普天間問題だった。

 日米の外交当局は事前に閣僚級の協議機関を設ける合意をし、それを首脳会談の主要議題からはずした。首脳会談は外交の場である。意見が違う問題があれば、最終決着させるのが本来の機能である。一致できる問題だけを取り上げるのは、外交よりも「社交」に近い。

 外交修辞を取り除いて眺めれば、日米同盟の最前線は、問題解決の見通しを立てようとしない鳩山首相に対する不信感を強めていた。今度の首脳会談は、それをぬぐい去る結果になっただろうか。儀礼に近い首脳会談が2回も続けば、両首脳の外交的な言葉とは裏腹に日米同盟には距離感がでてくる。

 それは鳩山政権にとって「対米追随」からの脱却かもしれないが、危機に助け合うのが同盟である。重要なのは「同盟の深化」といった美しい言葉よりも、具体的行動である。それなしの同盟は、危機に機能しない、絵に描いたモチになる。

 首相は普天間問題を「できるだけ早く解決する」と述べた。具体的行動とは、この言葉の実行である。遅くとも年内に解決できなければ、既に始まっている日米同盟の空洞化は止まらない。

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4、毎日新聞世論調査:日米密約の存在「認めるべきだ」60%
                    2009年10月30日 毎日
 毎日新聞は民主党政権が発足した9月、憲法や外交・安全保障に関する全国世論調査を面接方式で実施した。従来の政府が認めてこなかった、核兵器を搭載した米艦船の日本への寄港や領海通過を容認した日米間の密約の存在について、「認めるべきだ」と回答した人は60%で、「認める必要はない」の32%を大きく上回った。非核三原則については「堅持すべきだ」が72%を占め、「見直すべきだ」は24%だった。
 核持ち込みを巡る日米間の密約は、1960年の日米安全保障条約改定時に結ばれたとされ、米公文書などで存在が明らかになっている。民主党は衆院選前、密約を裏付ける文書を公表すると公約したが、世論調査では民主党支持層の59%が密約を「認めるべきだ」と答え、自民党支持層でも56%に達した。
 「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則は日本の国是とされ、核搭載艦船の寄港や領海通過も「持ち込み」として禁じている。非核三原則については、20、30代の約8割が「堅持すべきだ」と答え、若い世代ほど守る意識が強い傾向がうかがえた。また、密約を「認めるべきだ」と答えた人も、「認める必要はない」とした人も7割以上が「堅持すべきだ」と回答した。
 鳩山由紀夫首相は衆院選前、「(核兵器を持ち込む)必要性があったからこそ(密約によって)現実的な対応がなされてきた」と述べ、密約公表と併せて三原則を見直す可能性に含みを持たせたが、首相就任後は国連安全保障理事会の会合で三原則の堅持を明言した。【須藤孝】






2009年11月13日(金) 基金・積立金の仕分け作業が始まる。

報 道

1、基金・積立金、7000億円返納 事業仕分け
               2009年11月13日
2、社説:事業仕分け開始 国民が「劇場」の監視役だ
             2009年11月2日  毎日新聞

毎日新聞の社説はは次の説明で始まる。
・・・まるで「予算劇場」だ。中央省庁の事業の必要性がひとつひとつ傍聴人もいる会場で厳しく吟味され、次々と「廃止」や「地方移管」などの審判が下されていく。・・・
447事業について民間の識者や国会議員らからなる3チームの仕分け人が公開の場で予算計上の要、不要などを判定する。国民に開かれた作業で予算の透明度を高め、既得権益と絡んだ無駄に切り込む政治的な動きは初めてのことだ。

67事業で基金や、特別会計の積立金などを全額、国庫に返納するよう求める判定が相次いだ。返納を求めた基金や積立金の08年度末の残高を単純に合計すると約7000億円になった。与党の閣僚の一部から不満の声が上がっているが、国民に支持があるのでこの流れは止められないだろう。
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1、基金・積立金、7000億円返納 事業仕分け
               2009年11月13日
 政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)の作業グループは12日、2010年度予算の概算要求の無駄を洗い出す「事業仕分け」を続行し、24項目、67事業について議論した。国が財源を拠出する財団法人などの基金や、特別会計の積立金などを全額、国庫に返納するよう求める判定が相次いだ。返納を求めた基金や積立金の08年度末の残高を単純に合計すると約7000億円になった。
 基金を解散するなどして国庫に返納すれば、一般会計の税外収入などになる。過去最大の約95兆円に膨らんだ10年度予算の概算要求を削るだけでは財源確保は苦しいため、いわゆる霞が関の「埋蔵金」の活用を狙った格好だ。(07:00)
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2、社説:事業仕分け開始 国民が「劇場」の監視役だ
             2009年11月2日  毎日新聞
 まるで「予算劇場」だ。中央省庁の事業の必要性がひとつひとつ傍聴人もいる会場で厳しく吟味され、次々と「廃止」や「地方移管」などの審判が下されていく。
 政府の行政刷新会議による事業仕分け作業が始まった。来年度予算編成を控え、447事業について民間の識者や国会議員らからなる3チームの仕分け人が公開の場で予算計上の要、不要などを判定する。
 来年度予算の概算要求が95兆円を突破する中、どれだけ予算を削れるかの総額に関心は集まりがちだ。だが、国民に開かれた作業で予算の透明度を高め、特に中央官庁の既得権益と絡んだ無駄に切り込むことが肝要である。
 鳩山内閣肝いりの事業仕分けの最初の焦点は、対象とする事業の選定だった。診療報酬、地方交付税、在日米軍の思いやり予算など「聖域」を設けず対象とする方針を刷新会議は打ち出した。制度改正が必要な分野で予算をただちに削ることは難しいかもしれないが、今後の改革に向け俎上(そじょう)に載せたことは賛成だ。
 概算要求の圧縮を鳩山内閣が迫られる中での作業である。だからといって、まるで魔法の杖(つえ)を持つように仕分け人に予算削減を期待することは適切であるまい。
 「仕分け」の意義は所管省庁の手を離れ、仕分け人が公開の場で客観的に費用対効果を論じる税金の使途の透明化にある。1チーム10人程度のメンバーが短時間の議論で本当に事業の必要性を見極められるか、確かに懸念はある。だが、インターネットで中継される作業を通じ仕分け人も「目利き」の熟練度が問われ、結果責任を問われる。予算の編成過程が国民から監視される意義は小さくない。
 国民が最も成果を期待しているのは独立行政法人への不透明な支出など、中央官庁の既得権益が絡む無駄の一掃だ。仕分け対象事業のラインアップを見る限り、この部分が踏み込み不足だ。作業に協力する財務省の筋書き通りなどと言われぬよう、「官」が痛みを感じる削減にこそ大なたを振るってほしい。
 また、国から地方への事業移譲を審判する際には、自治体の裁量を増し分権効果が期待できるかがポイントだ。地方に生じる費用負担の問題も重要だ。政府に新設される「地域主権戦略局」と連携して議論を進めることが望ましい。
 人前で説明がつかない予算はつけない--。こんな当たり前のことが財政規律の一歩なのかもしれない。仕分け作業終了後、刷新会議は予算計上の是非を最終判断する。その結果も含め、政府は国民に分かりやすく開示すべきである。
【関連記事】
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事業仕分け:亀井氏が人選批判「外国人平気で入れている」
事業仕分け:公開の場で「無駄根絶」開始 行政刷新会議
事業仕分け:有識者56人を決定…刷新会議
事業仕分け:対象は447事業…刷新会議、11日作業開始
毎日新聞 2009年11月12日 2時30分

2009年11月12日(木) 政治の体制が劇的に変わる

報 道
1、「政治改革本部」、トップに小沢氏 民主、まず国会改革案
                  2009年11月11日  日経
2、法制局長官の答弁禁止 国会改革で小沢幹事長
                 2009年11月7日 日経
3、鳩山政権、政策決定は政府が主導 与党関与は限定的
                 2009年11月7日   日経

2010年度予算の概算要求の無駄を公開で洗い出す「事業仕分け」の2日目の作業に入った。この仕事は今までは大蔵官僚がやっていた仕事であった。これが公開の場で国会議員主導で議論されるにだから政治が様変わりしている。

いちばん大きく変わろうとしているのは、国会改革案ではないかと思う。民主党は国会や選挙、政治資金の制度改革案を検討する「政治改革推進本部」の新設を決めた。小沢氏自らが陣頭指揮を執り、まずは官僚答弁禁止など以下の国会改革案をまとめるという。
・官僚答弁禁止と行政監視強化、
・国会会期の通年化など。
・戸別訪問の解禁
・選挙活動へのインターネット利用を検討する。
・企業・団体献金禁止の具体策も練る。
 小沢一郎民主党幹事長の構想の実現が着々と進んでいる。政策決定の政府主導が明確になる一方、与党の関与は大幅に絞られる流れなのである。

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1、「政治改革本部」、トップに小沢氏 民主、まず国会改革案
                  2009年11月11日  日経
 民主党は9日の役員会で、国会や選挙、政治資金の制度改革案を検討する「政治改革推進本部」の新設を決めた。本部長には小沢一郎幹事長、本部長代行に輿石東幹事長職務代行がそれぞれ就任し、幹事長室主導の体制となった。小沢氏自らが陣頭指揮を執り、まずは官僚答弁禁止など国会改革案をまとめる。
 小沢氏は同日、海江田万里氏に事務局長への就任を要請。国会改革の具体策を早期にまとめ、一部は議員立法で今国会提出をめざすよう指示した。
 当面の課題は官僚答弁禁止と行政監視強化、国会会期の通年化など。続いて、戸別訪問の解禁、選挙活動へのインターネット利用を検討する。衆院選マニフェスト(政権公約)に掲げた企業・団体献金禁止の具体策も練る。(09日 23:01)

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2、内閣法制局長官の答弁禁止 民主、政治改革本部が原案提示
                           2009年11月12日  日経
 民主党政治改革推進本部(本部長・小沢一郎幹事長)は11日、初めての全体会議を開き、国会改革の原案を提示した。官僚が答弁に立つ「政府参考人」は廃止。例外扱いの「政府特別補佐人」についても内閣法制局長官は答弁禁止の対象にする方針を明確にした。質問内容をあらかじめ聞きにいく「質問取り」を官僚任せにしないため、政務官の増員も打ち出した。
 小沢氏は冒頭「我々の活動の場である国会が官僚支配のままであっては何の政治主導か、ということになる。国会の論戦を政治家同士の論戦にする」と強調。「できるだけ早い時期に党、与党、国会としての成案を得たい」と早期実現に意欲を示した。
 原案は海江田万里事務局長が示した。政府参考人制度は「行政運営の細目的、技術的事項についての質疑が必要になる場合」の官僚答弁を認めるものだが、「政治家同士の議論を阻害している」と廃止を提起した。(11日 23:27)


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3、鳩山政権、政策決定は政府が主導 与党関与は限定的
                     2009年11月7日   日経
 鳩山政権で政府・与党の一元化を持論とする小沢一郎民主党幹事長の構想の実現が着々と進んでいる。各省庁の政策会議が6日始動し、政策決定の政府主導が明確になる一方、与党の関与は大幅に絞られつつある。与党内には不安や戸惑いもくすぶるが、政権交代の立役者となった小沢氏が主導する改革だけに党内の不満は封じられている。
 「党運営の基本はあらゆる選挙で勝利するための日常活動と、国会で政府の法案を成立させて民主党政権の実績をつくることだ」。小沢氏は9日付党機関紙のインタビューで政府・与党一元化構想の中での与党の役割をこう説明する。政策決定は政府にまかせ、党は選挙での勝利に備えることに全力を傾ける。(09:45)





                        2009年11月15日
  各  位
新潟市中央区堀之内南2-5-17
(株)林建築設計事務所
 代表取締役 林 正夫 
 担当者 石田 双三

          御礼とゲスト参加のお誘い

 この度の受講生募集にあたりご協力を賜り厚くお礼を申し上げます。
石田が担当する「やさしい人間学」は以下の日程で開催されます。受講生募集のご協力を賜った皆様から、更にこの講座のご理解を賜る意味で、ゲスト参加のお誘いをさせて頂きます。当日配布する資料がありますので、参加される場合は、石田又は林スクールまで申し込みください。この講座の資料代・参加費は無料とさせていただきます。ゲスト参加の日数は何回でも結構であります。

12月8日 (火) ①13:00~ ②14:40~ ③16:20~
12月11日 (金) 以下 同
12月17日 (木)
12月22日 (火)

1月6日 (水)
1月12日 (火)
1月15日 (金)
1月18日 (月)
1月21日 (木)
1月26日 (火)

2月3日 (水)
2月8日 (月)
2月12日 (金)
2月15日 (月)・・一般営業社員養成
2月18日 (木)
2月23日 (火)
2月25日(木)

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12月3日(木) 入学式の準備

1、司 会 石田道子
2、受講者の自己紹介・・・・・・・・・・・・石田道子
3、ご協力者のご紹介・・・・・・・・・・・・石田道子
4、キャリヤコンサルタントのご紹介・・・・・石田道子
5、講師の挨拶と講座概要説明
  五十嵐 
  佐藤正春
  林 正夫
  石田双三
6、むすび・・・・・・・・・・・・・・・・ ・石田道子


2部
懇親会









2009年11月11日(水) やしい人間学109、 志は気の師なり


 12月3日から始まる建築営業社員養成講座の受講者が計画の20名を超えた。
今日も参加者の面接・新潟労働局、雇用能力開発機構などへの報告に追われた。そんな関係で日々の映像を記述する時間がなかった。よって、2010年1月から配信予定の「やしい人間学」の109を掲載させていただきます。

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やしい人間学109、 志は気の師なり
 
10月5日小説家の神渡良平の講演会に参加する。得ることの多い素晴らしい講演会であった。この時に聞いた話であるが、孟子(もうし)は次の言葉を残したという。
「志は気の師なり」
「志(夢・希望)は元気(気)元(師)である。」
と理解することが出来る。志が人としての活力の源泉であると指摘している。人は志(希望・夢・ビジョン)があれば、ベートーベンの指摘のように心が鍛えられるのである。また、確たる希望を持つことはヘレンケラーの言葉の通り人を成功に導く根幹なのである。

やさしい人間学№56でベートーベンの語録を引用した。
「希望よ お前は心を鉄に鍛える」
やさしい人間学№11に、ヘレンケラーの語録を引用。
   「希望は人を成功に導く信仰である」
 
ともかく、その人の志によって、人生の展開が全く異なってくるのである。

         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 n
孟子(前372-前289) もうし

中国・戦国時代に活躍した思想家です。

 教育熱心な母のもとで育った(孟母三遷・孟母断機)と伝えられる孟子は、孔子の門人として、その儒学思想を学んでいます。群雄割拠の当時、諸国の王に対する王道・儒学の師として、理想の君主、仁義・道徳による政治などを説いてまわりました。

 孟子の思想としてもっとも代表的なのが、「性善説」です。人間はもともと善い心を持っているはずである、が、ときに欲によって悪い行ないをしてしまう、だから、礼を身に付け教育を受けることによって、欲を抑えつけ、本来の善・仁の心を持ち備えるべきである、というような考え方です。孟子は、このような思想に基づき、仁義・考悌・道徳の重要さ、さらには、君主がそれらによって社会を治めれば民衆に平安がもたらされる、と説きました。また、道徳政治を実現するために必要な経済的安定と、その具体策にも言及しています。

 このような孟子の教えが記されているのが『孟子』です。いまでこそ四書(論語・孟子・中庸・大学)のひとつとして、『論語』とならぶ古典とされていますが、宋の時代になるまではあまり重要視されていなかったようです。
 ちなみに、「五十歩百歩」の例え話も、この『孟子』に収録されています。

http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/np/moushi.html

2009年11月10日(火) 日本の財政空前の厳しさ

 報 道
1、長期金利1.475%、4カ月半ぶり高水準 国債増発懸念ぬぐえず
                 2009年11月9日  日経
2、長期金利上昇、鳩山政権の責任を否定 官房長官
                 2009年11月9日  日経
3、長期金利が上昇、2カ月半ぶり1.4%台
                 2009年10月28日朝日
4、国債利払い費、税収の2割超す 09年度見通し、政策財源に使えず
         http://ameblo.jp/syogai1/theme-10011822315.html
5、法人税収、4~9月マイナス1.3兆円 国債の増発、不可避に
http://ameblo.jp/syogai1/theme-10011822315.html

 今日ある経営者と懇談した。あまりにも不況の実態が深刻なのである。その社長は「日本は持つのか」と質問してくる。状況は深刻で2~3の事例を挙げよう。

1、国債利払い費、税収の2割超え国債の金利が報道4に通り10兆円前後になっている。

2、法人税収が4~9月マイナス1.3兆円と空前の税収減である。税収より赤字決算で還付金のほうが多いという驚くべきデータである。 

3、長期金利が一段と上昇する気配を見せている。報道1の通り10年債利回りは10月6日の1.24%を底に上昇傾向にあり、約1カ月で0.2%以上も上がった。最大のポイントは「金利が0.2%上昇すると、国債の利払い費が1カ月で3000億円以上も膨らむ」という事実である。箇条書きで実績と仮定を示すと以下。

金利が1.24%から1.47%と0.23に上昇した 
 月間3000億円・年間3兆6000億円の利払い費の増加

金利が1.24から1.69%と0.46%に上昇すると
 月間6000億円・年間7兆2000億円の利払い費の増加

金利が1.24から1.92%と0.69%に上昇すると
 月間9000億円・年間10兆8000億円の利払い費の増加

金利が1.24から2.2%と0.92%に上昇すると
 月間1兆2000億円 年間14兆4000億円に利払い費の増加

 補足説明の必要はないだろう。国債の利払い費はすでに10兆円超えている。
更に長期金利が1.24から2.2%と0.92%に上昇すると年間14兆4000億円に利払い費が増加する。この段階になると国家破産の様相になってくる。過去の借金という巨大な負の遺産があるので、民主党政権になって、急に庶民の暮らしが良くなることはあり得ない幻想なのである。

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1、長期金利1.475%、4カ月半ぶり高水準 国債増発懸念ぬぐえず
                 2009年11月9日  日経
 長期金利が一段と上昇する気配を見せている。9日の債券市場では、指標の新発10年物国債利回りが前週末比0.025%高い1.475%まで上昇。約4カ月半ぶりの高い水準となった。財政運営の不透明さに伴う国債増発懸念がぬぐえないことが主因で、近く1.5%台に乗るとの予測も多い。市場は金利の面から新政権への「けん制」を続けている。
 10年債利回りは10月6日の1.24%を底に上昇傾向にあり、約1カ月で0.2%以上も上がった。単純計算で国債の利払い費が1カ月で3000億円以上も膨らんだことになる。
 長期金利が上がると、いずれは定期預金金利の上昇につながって消費者にメリットがある半面、銀行の企業向け貸出金利や住宅ローン金利の押し上げ要因にもなるため、景気回復に冷水を浴びせる可能性がある。財政不安に根ざした「悪い金利上昇」となると、長期債務を抱える企業の株価が低迷するなどの副作用も懸念される。
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2、長期金利上昇、鳩山政権の責任を否定 官房長官
             2009年11月9日  日経
 平野博文官房長官は28日午前の記者会見で、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが1.4%台に上昇したことについて「金利の問題は非常に大事な指標なので慎重に注視しなければいけない」と語った。鳩山内閣での財政規律の悪化を懸念した上昇との見方には「鳩山内閣の判断で上がったと言うには、過去のトレンドから(判断すると)まだそういうことではないと認識している」と否定した。 (12:17)
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3、長期金利が上昇、2カ月半ぶり1.4%台
2009年10月28日朝日
 住宅ローン金利などに影響を与える長期金利が、じりじり上昇している。27日の東京債券市場では、代表的指標の新発10年物国債の流通利回りが前日比0.015%幅高い年1.405%を付けた。1.4%台は約2カ月半ぶり。
 長期金利は6日に1.240%に下げて以降、27日まで横ばいの日を除くと11営業日連続で上昇し、一度も下がっていない。毎年この時期は翌年度の予算編成への思惑から長期金利が動きやすくなるという季節要因があるものの、新政権の予算編成方針が不透明なため、外国人投資家を中心に財政問題への懸念が強まっているとの見方が出ている。


2009年11月09日(月) 新型インフル、サービス業に大きな影響

報道

1、新型インフル、サービス業の3割「減収要因」 日経調査
                  2009年11月8日  日経
2、新型インフルへの危機感「サービス業」58.3%悪影響
                  2009年10月22日外食日報

 スーパーの買い物でマスクをする人が増えてきた。飲食店にマスクをして入ることは出来ない。感染のリスクを考える人は、飲食店に行かない傾向が、月を追って増えると思う。新型インフルで最も影響が出るのは飲食店でないかと思う。
日本経済新聞社がサービス業を対象に実施した新型インフルエンザに関する調査で、31.1%の企業が「減収要因になっている」と答えているが、12月にはいると、この影響が増加することは必死である。

業種別では、旅行で9割以上、遊園地・テーマパークやホテル、保育サービスでも半数以上が減収要因と回答している。感染を恐れる消費者が利用を控えているサービスに影響が出ているパターンである。サービス業の関係者は、大幅な減収を想定して資金手当てをする必要があるようだ。
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1、新型インフル、サービス業の3割「減収要因」 日経調査
                  2009年11月8日  日経
 日本経済新聞社がサービス業を対象に実施した新型インフルエンザに関する調査で、31.1%の企業が「減収要因になっている」と答えた。業種別にみると、旅行では9割以上、遊園地・テーマパークやホテル、保育サービスでも半数以上が減収要因と回答。感染を恐れる消費者が利用を控えているサービスに影響が出ている。
 調査は日本経済新聞社がインターネットで主要サービス業678社に対し、10月末から11月上旬に実施。209社の回答を得た。調査・集計は日経リサーチが担当した。
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新型インフルへの危機感「サービス業」58.3%悪影響
2009年10月22日外食日報

 民間信用調査会社の帝国データバンクがこのほど行った「新型インフルエンザ対策」についての企業動向調査によると、7割超が何らかの取り組みを実施しており、新型インフルエンザ流行により55.5%の企業が業績に「悪影響」が出ると回答している。全業種の中で最も危機感が高かったのは「サービス業」で、「高い」と回答した企業が58.3%(875社)に上った。 

 △危機感は「高い」と「低い」が4割台で拮抗 新型インフルの流行に対しどの程度危機感を抱いているかとの問いには、46.9%の企業が「高い」と回答したものの、「低い」と答えた企業も44.0%に達しており、「高い」と「低い」が拮抗した。外食産業を含む「サービス業」は危機感が最も高く、58.3%となった。

 △従業員向け対策では「消毒液等の設置」が最多 新型インフルに対し何らかの策を講じているかとの問いでは、「実施」と回答した企業は今春の時点では55.4%だったが、7月以降では73.0%に上昇しており、流行の拡大に伴い企業の危機意識が高まっていることが伺える。現在、実施している対策のうち、事業継続に関する対策では「マスクや手袋などの衛生用品・食糧の備蓄」が45.9%と最も多く、次いで「社員・職員への新型インフルの教育・啓発」39.3%、「関連情報収集・連絡体制の整備」38.0%、「職場での感染予防・拡大防止策の策定」37.5%と続く。また、従業員向けの対策では、「手洗い用の消毒液等の設置」が51.7%と最も高く、次いで「咳エチケットの励行」が33.9%。中でも「消毒液等の設置」は今春の32.9%から18.8ポイントも上昇している。

 △従業員の罹患で「業績に影響ある」は56.3% 自社の従業員が新型インフルに罹患した場合、業績に影響があるかとの問いには56.3%が「影響ある」と回答。大企業の51.5%に対し中小業では58.0%に上った。業種別には「サービス業」が64.9%と最も高い回答となった。人との接触機会が多い職種やギリギリの人員で事業を行っている企業では、売上や納期、稼働率、顧客の反応など様々な分野に広がる影響を懸念している。また、社会全体に感染が拡大した場合、「悪影響」と回答した企業は55.5%となった。

 △対策実施上の障害は「人手・時間の不足」22.6% 新型インフル対策を講じる上で最も障害となる事項をあげてもらったところ、「特にない」との回答が31.2%あったが、「人手・時間の不足」22.6%、「何をすべきかわからない」17.5%との回答もみられた。

(注)この調査は帝国データバンクが2009年9月16日~30日に実施。調査対象は全国2万1569社で、有効回答企業数は1万890社(回答率50.5%)。
(2009年10月22日外食日報)
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2009年11月08日(日) 財政難 たばこ増税実現目指すか

報 道

1、厚労相 たばこ増税実現目指す
                 11月1日   NHKニュース
2、社説2 たばこ「欧米並み」に一理
                  2009年11月3日  日経

 民主党政権は、ななり強引な政治変革を進めているので何が出てくるか分からない。長妻厚生労働大臣は東京都内で記者団に対し、国民の健康を守るという観点から、来年度の税制改正で、たばこ税の引き上げを実現したいという考えを強調している。長妻大臣は「外国を見ると、日本と比べてたばこの値段が高い国が多い」ことを指摘している。

 喫煙による健康への悪影響を抑える意味でも、割安な日本のたばこを欧米並みに高くして税収を得るのは妥当な考え方なのである。タバコの税金について以前詳しく書いたことがある。
・ 20本300円のたばこ一箱にかかる税金は、約175円。
・ 09年度予算のたばこ税収は合計約2兆円。
・ 4割が国、6割が地方の財源となる。

厚生労働省によると1ドル=90円換算でのたばこ価格は
ドイツが     466円
フランス     556円
英国       843円
米ニューヨーク州が705円
日本        300円

 日本もたばこ増税で一箱600円に上げれば数兆円規模の増収につながる可能性がある。日本の喫煙率は男性で約40%と英仏より10ポイント程度高い。たばこに対する負担が軽いことと無関係ではない。たばこを高くして禁煙を誘導するのは愛煙家以外の国民の支持が得られる政策なのだ。民主党政権がこの問題にどう対処するか。

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厚労相 たばこ増税実現目指す
11月1日   NHKニュース

長妻厚生労働大臣は東京都内で記者団に対し、国民の健康を守るという観点から、来年度の税制改正で、たばこ税の引き上げを実現したいという考えを強調しました。
たばこには、現在1本当たり9円程度の税金がかかっていますが、厚生労働省は来年度の税制改正で引き上げるよう求めています。これについて、長妻厚生労働大臣は「政権交代をしたのだから、これまでの枠にとらわれず、いろいろな発想を持って、いろいろな立場の意見を聞いて判断すべきだ。たばこは健康にとってマイナスの面があり、たばこ税はそうした点から考えた方がよいと思う」と述べ、国民の健康を守るという観点から、来年度の税制改正で、たばこ税の引き上げを実現したいという考えを強調しました。また、どの程度引き上げるかについて、長妻大臣は「外国を見ると、日本と比べてたばこの値段が高い国が多いので、そうしたことも参考にしながら議論を進める必要があるのではないか」と述べました。


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2、社説2 たばこ「欧米並み」に一理
                  2009年11月3日  日経
 鳩山由紀夫首相を筆頭に、民主党の閣僚から2010年度の税制改正でたばこ増税を検討すべきだとの意見が相次いでいる。喫煙による健康への悪影響を抑える意味でも、割安な日本のたばこを欧米並みに高くして税収を得るのは妥当な考えだ。

 首相はたばこ税の「増税という方向がありうべしかなと思う」と語り、たばこ増税を税制改正要望に載せた長妻昭厚生労働相も「欧州並みの金額にする発想がある」と述べた。菅直人副総理・国家戦略担当相も増税に賛成する態度を示した。

 日本で一般的な20本300円のたばこ一箱にかかる税金は、消費税を除き約175円。09年度予算のたばこ税収は合計で約2兆円で、実質4割が国、6割が地方の財源となる。自民党政権下では03年と06年に増税をしたが、いずれも小幅だった。

 厚生労働省によると1ドル=90円換算でのたばこ価格はドイツが466円、フランス556円、英国843円、米ニューヨーク州が705円だ。日本もたばこ増税で一箱500~700円程度に上げれば、兆円規模の増収につながる可能性がある。

 税収不振が深刻な来年度の予算編成でたばこ税収が「干天の慈雨」のように映るのは確かだ。それが閣僚の前向きな発言につながった面もあろう。帳尻合わせで「取りやすいところから税を取る」という単純な発想ではいけないが、たばこ増税は理にかなっているのではないか。

 たばこは肺がんや心筋梗塞(こうそく)などの原因となる。勤め先や駅など公共の場で分煙が進んできたとはいえ、たばこの害は吸う本人だけでなく周りで吸い込んでしまう人にも及ぶ。たばこを高くして禁煙を誘導するのは合理的な考え方だ。

 世界の流れにも合う。日本は価格や課税の措置でたばこの消費を減らそうとする世界保健機関(WHO)の「たばこの規制に関する枠組み条約」を結んでいる。日本の喫煙率は男性で約40%と英仏より10ポイント程度高い。たばこに対する負担が軽いことと無関係ではないだろう。

 愛煙家には確かに耳の痛い話だ。葉タバコ農家や日本たばこ産業などへの影響にも目配りが必要だが、新政権は人々の健康を守る観点で、たばこ増税の議論を進めてほしい。








2009年11月07日(土) 地方の雇用環境ますます悪化



1、9月景気「回復局面入り」確認 基調判断を上方修正
                 2009年11月7日  日経
2、社説:連合 非正規労働の改善こそ
                毎日新聞 2009年11月4日
3、パート労働者:解雇、1カ月で242人増 厚労省調査
                 毎日新聞 2009年10月30日
4、9月失業率:5.3%に改善 求人倍率は0.43倍
                  毎日新聞 2009年11月4日

 報道1に9月景気「回復局面入り」確認とあるが、これはデータ上のことで、雇用条件はますます悪化することは必至と認識する必要がある。その主な理由は次の通りである。

1、9月の就業者数は前年同月比で98万人減の6295万人。
 
 補足・・96万人中で仕事がないからと求職活動をあきらめて人もいるだろう

2、完全失業者数は前年同月比92万人増の363万人で11カ月連続で増えた。

3、雇用調整助成金は、申請事業所数が前月から1060カ所増え8万982事業所になった。対象従業員は199万4383人。

 補足・・雇用調整助成金がなかったら約200万人の失業者が出る背景にある。厳しい言い方をすれば日本は失業者363万人と企業内失業者が200万人いることになる雇用調整助成金の』期間が切れると解雇が増える危険性がある。

4、求人倍率は0.43倍で回復の見通しがない

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1、9月景気「回復局面入り」確認 基調判断を上方修正
                 2009年11月7日  日経
 内閣府は6日発表した9月の景気動向指数で、景気の基調判断を上向きに見直し、景気が回復局面にあると表明した。生産や輸出の持ち直しなどによって、足元の景気の状況を示す一致指数が改善し続けているためだ。ただ雇用や所得環境は好転しておらず、回復の実感は乏しい。現在の景気回復は「戦後最短」で終わるとの見方もある。
 企業の生産や出荷などを表す各指標が改善していることを背景に、一致指数(2005年=100)は前月より1.3ポイント高い92.5。3月から6カ月連続で上昇した。これを受けて内閣府は、景気の基調判断を前月までの「下げ止まり」から「上方への局面変化」に引き上げた。4カ月ぶりの上方修正となる。
 内閣府の定義によると、景気は悪化→下げ止まり→局面変化→改善といったルートをたどる。「局面変化」は景気の山・谷が数カ月前にあった可能性が高いことを示す。今回の「上方への局面変化」は数カ月前の「谷」のあと景気が上昇に転じたことを意味する。(01:11)

2、社説:連合 非正規労働の改善こそ
毎日新聞 2009年11月4日
 連合は来年の春闘で初めて組合員以外の非正規雇用労働者に対しても処遇改善などの課題に取り組む方針を決めた。連合が結成されて20年、今年は総選挙で全面的に支援した民主党が政権を取り、政策決定に直接影響力を発揮できる立場となった。組合員の既得権を守るだけでなく、全労働者の3分の1を占めるパートや派遣など非正規雇用労働者の処遇改善に取り組むのは当然である。連合が労働者全体の利益のために責任を果たそうとする組織へと脱皮できるかどうかが問われている。
 失業率は2カ月続けて改善を見せているが、雇用情勢は相変わらず厳しい。政府は年末に向けての緊急雇用対策を発表したが、新たな財源措置はなく、麻生政権の雇用対策の運用改善にとどまるのが実情だ。雇用調整助成金を受けている人は現在約250万人に上るが、年明けから支給期限が切れる人が続出し、新たな雇用創出をしなければ大量の失業者が出る恐れがある。このため大企業はベースアップ(ベア)を求めず賃金水準を維持することを春闘の基本的考え方とした。連合傘下の組合員の8割が働いている中小企業ではベアを求めるが、そうしなければ景況感の改善が見られない中小企業の労働者の賃金水準や雇用自体を維持できないとの危機感があるためだ。
 非正規雇用労働者に関する具体的取り組みとしては、「正規労働者との均等・均衡処遇の実現」「社会保険・労働保険を含む処遇に関する労使協議の徹底」を挙げる。どの企業でどのくらいの非正規雇用労働者が働いているのか労使とも基本的なデータがないのが実情で、雇用契約のない人に関する労使交渉ができるのかどうかも議論が分かれる。しかし、連合は「既存組合が労使交渉のテーブルに載せなければ解決の緒に就かない」との強い意志を示し、労使交渉を拒否した企業名を公表することも検討している。
 労組に入っている人は雇用労働者の18・1%に過ぎず、連合も発足当初の800万人から現在は675万人にまで減った。自民党の小泉政権下では経済財政諮問会議などで経営側の意向が政策決定に強く反映されるようになり、連合の存在意義は低下していくばかりだった。民主党政権の誕生と時を同じくして新会長に就任した古賀伸明氏は「18%の利益を追求するのではなく、働く者全体の幸せをどう追求するかで国民の共感を呼ぶかどうかが決まる」と話す。正社員、大企業、官公労の意見を代弁する組織から、すべての労働者の声を反映する組織を目指すというのである。春闘も業種別の闘争よりも、働き方ごとの取り組みへ変わる必要があるのではないか。
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3、パート労働者:解雇、1カ月で2421人増 厚労省調査
                    毎日新聞 2009年10月30日
 厚生労働省は30日、昨年10月から今年12月までに職を失ったか、失うことが決まっている派遣などの非正規雇用労働者が24万4308人(10月21日時点)に上るとする調査結果を公表した。前月調査時より5556人増えた。
 内訳は▽派遣労働者58.6%▽期間労働者22.8%▽請負労働者7.8%▽パート労働者10.8%。このうちパート労働者は、解雇が1万7162人で、前月比2421人増と突出して増えた。雇用調整の主な対象が派遣などから直接雇用のパートに移ってきていることが、いっそうはっきりした。
 一方、従業員を休業させた際に休業補償の助成が受けられる雇用調整助成金は、申請事業所数が前月から1060カ所増え8万982事業所になった。対象従業員は逆に11万6458人減の199万4383人。対象者が200万人を切ったのは7カ月ぶり。厚労省職業安定局は「大企業や中堅企業の申請が減り、引き続き経営が厳しい状況にある中小・零細企業の申請が増えた」と分析している。【東海林智】
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4、9月失業率:5.3%に改善 求人倍率は0.43倍
毎日新聞 2009年11月4日
 総務省が30日公表した労働力調査(速報値)によると、9月の完全失業率(季節調整値)は5.3%で、前月より0.2ポイント改善した。失業率が下がったのは2カ月連続で、過去最悪だった7月の5.7%より0.4ポイント改善した。一方、厚生労働省が発表した有効求人倍率は0.43倍で、過去最低だった8月を0.01ポイント上回った。有効求人倍率が改善したのは07年5月以来、2年4カ月ぶり。【塙和也】
 米欧などでの景気テコ入れの効果で、製造業の海外需要が回復し始めており、雇用も持ち直してきたことが改善した要因とみられる。ただ、世界的な経済不況が発生した昨年秋以前に比べると失業率、求人倍率とも依然として最悪の水準にある。
 長妻昭厚労相は同日の記者会見で「全体の流れは依然厳しいという状況は変わっていない。厳しさに対する現状認識を変えることもない」と述べた。
 9月の就業者数は前年同月比で98万人減の6295万人。完全失業者数は同92万人増の363万人で11カ月連続で増えた。離職者の理由別では、「自己都合」が114万人。リストラや倒産などによる「勤め先の都合」が113万人だった。
 失業率を男女別に見ると、男性は0.2ポイント改善の5.6%、女性は0.1ポイント改善して4.9%だった。
 その一方で、若年層の完全失業率(原数値)は15~24歳で9.8%、25~34歳で7.3%と高い水準を続けている。特に15~24歳男性の失業率は11.1%と各年代別で唯一、10%台を超えた。
 今後について同省職業安定局は「依然として厳しい状況が続くと懸念している。(改善が続くかの)判断にはもう少し時間がかかる」としている。
 また、9月登録分の求人・求職者でみた新規求人倍率(季節調整値)は0.79倍で前月比0.03ポイント上昇した。有効求人倍率が最も高かった県は香川県の0.62倍。最も低かったのは沖縄県の0.27倍だった。
毎日新聞 2009年11月4日


2009年11月06日(金) 日本の財政



今日は講座の参加希望者の面接数件と夜はブログのトラブルで日記を記述する時間がなかった。よって、今日はブログで記述している日本の財政を引用させていただきます。
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15、日本の財政「とても不安・不満」68% 財務省が意識調査
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10350884934.html
16、9月末の外貨準備高、1兆525億ドル 過去最高を更新
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10362693779.html
17、国債利払い費、税収の2割超す 09年度見通し、政策財源に使えず
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10372314146.html
18、法人税収、4~9月マイナス1.3兆円 国債の増発、不可避に
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10379426749.html
19、IMF「日本の財政赤字悪化」 09年GDP比10.5%を予測
                       2009年11月4日 日経
 【ワシントン=御調昌邦】国際通貨基金(IMF)は3日、日米欧に新興国を加えた主要20カ国(G20)の財政見通しを発表した。日本については2009年の財政赤字が国内総生産(GDP)比で10.5%と予測し、前回7月の試算から赤字幅が0.2ポイント拡大するとした。14年の財政赤字も前回比0.4ポイント悪化の8.0%と試算。将来の財政再建の必要性を強調する内容となった。
 IMFは10月に公表した世界経済見通しに基づいて財政面を分析。日本の14年時点の一般政府の債務残高は対象となった20カ国で最も高いGDP比245.6%。前回より6.4ポイント悪化した。
 日本は英国やアイルランドなどとともに、大規模な財政調整が必要になると指摘された。社会保障費の増加を背景に「特に日本は財政支出増加の圧力を受け続ける」という。(00:54)

管理人補足
2009年4-6月のGDP523兆円であるので、IMFの予想に基づくと次の財政赤字になることを示している。
523兆円×・105=56兆円







2009年11月05日(木) 人生は『質問力』できまる

今日は講座の参加希望者の面接数件と夜は作家神渡良平先生の講演会に参加したので、日々の映像を記述する時間が全くなかった。よって、昨日記述した
やさしい人間学№108の草稿「人生は『質問力』できまる」を配信して日々の映像に変えさせていただきます。
                         管理人

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やさしい人間学№108

人生は「質問力」で決まります

10月11日新潟市中央図書館でマツダミヒロ
 http://www.shitsumon.jp/2009/10/202203.html
のセミナーに参加する。その後は多忙でこのセミナーのことは頭に残ってが、情報を整理する暇がなかった。アメブロでマツダミヒロさんのブログ・HPに出会ったので、何回かに分けて「質問する」重要性を整理したい。表題の「人生は『質問力』で決まります」とは本田健さん
http://www.aiueoffice.com/
の言葉である。

 セミナーで最も印象に残ったのは、ペアを作って「お互いの共通点」を発見するコーナーであった。このことについてマツダミヒロさんの文章を引用。
「それは会話の中で<共通点を見つける>こと。心の距離を縮める方法の一つとして、共通点を見つけることがあげられます。知らない土地へ行ったときに、出逢った人がたまたま同じ地元の同じ高校の出身、と知っただけで、昔から知っていたような感覚になることがあります。共通点があるだけで、心の距離が縮まるのです。でも、意識をしないと普段の会話の中で共通点を見つけることは難しいもの。
 意識をするだけで共通点はすぐに見つかり始めます。この人と自分の共通点はどこだろう? この質問を自分に投げかけながら5分も話をすれば10個以上の共通点は見つかりますよ。共通点をたくさん見つけて、心の距離を縮めてくださいね!」

この共通点を話し合う意義は大きく、12月3日から講座に生かす予定である。
文章が硬くなるが、質問する、話しを聞く姿勢は、人としての美徳の最たるものであると思う。この人の話を聞く姿勢が少なく、自分の多少の知識を喋りまくる人がたまにいるが、真の友人が出来にくいように思う。

なお、マツダミヒロさんのHPから質問に関する語録を引用します。

上質な質問が、上質な人生を創る。
マツダミヒロ
「質問する力」こそが、人生やビジネスにとって最大の武器になる。
大前研一
コミュニケーションの秘訣は、質問にあり。
齋藤孝
人生は「質問力」で決まります。
本田 健
質問で人生は変わる
マツダミヒロ
http://www.shitsumon.jp/meigen/














2009年11月04日(水) 給与16カ月連続減・・貯蓄なしの家庭が30%を超えたか

報道と資料

1、給与16カ月連続減 日本、賃金より雇用が際立つ
                    2009年11月3日 日経
2、今夏の賞与9.7%減、下落率は過去最大に 厚労省調査
                     2009年11月2日 日経
3、民間平均給与、最大の減少 08年1.7%減、429万6000円
                     2009年10月25日 日経
4 、ワーキングプア
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20080227
5、<家計貯蓄率>06年度、最低に…低下に歯止めかからず
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20080112

 民主党政権は給与の実態について、どれだけ真実を公表するだろう。給与の16ヵ月連続の減少は異常である。政府は給与に連動する健康保管料の減少率などで、給与の実態は詳細の把握できる立場にある。しかし、いままで行政の長が国民に密接なテーマである給与の動向報告を国民に行った例がない。

 詳しくは新聞報道の通りであるが、民間企業に勤める人が2008年1年間に受け取った平均給与は429万6000円で、前年より1.7%(7万6000円)減少している。この平均給与は1990年(425万2000円)以来18年ぶりの低い水準なのである。さらに、2009年1月以降も連続して給与が減少している。

 ここで2008年度の年間の給与額別の人数分布を整理して置きたい。
「200万円以下」       ?   1000万人と言われている。
「300万円以下」      39.7%、  2007年38.6%
「300万円超500万円以下」 30.7%   2007年30.6%
「500万円超1000万円以下」 24.8%  2007年25.7%
「1000万円以上」 4.8%

 年収300万円以下の世帯で貯蓄が出来ないことは当然である。以下の通り
2006年度時点で預金を持っていない家庭を資料5から引用すると次の通りだ。
1、昭和52~昭和61年     4.6~6.4%
2、平成2年            7.3%  
3、平成11年           10.8%
4、平成15年           16.3%
5、平成17年(2006年)       23.8% 
6、 平成20年           30.0%・・・を超えていると思う。

 民主党政権はこの実態を国民に明らかにすべきである。事実を明らかにしなければ、国民の信頼を得ることは出来ない。
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1、給与16カ月連続減 日本、賃金より雇用が際立つ
                    2009年11月3日 日経
 主要国の中で日本の賃金下落が際立っている。厚生労働省が2日発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、従業員1人あたりの現金給与総額は9月まで16カ月連続で減少した。これに対し、米国や英国、ドイツでは賃金の上昇傾向が続く。日本企業は人員の削減を抑える代わりに、給与や賞与の削減で景気悪化に対応してきた。賃下げよりも人員整理に動きやすい米欧企業との違いが鮮明になっている。
 日米英独4カ国の政府や中央銀行がまとめた統計を基に、従業員1人あたりの賃金(月平均)の変動率を前年同月比で比べた。米国の雇用統計は時給(同)を指標にしているため、労働時間をかけて調整した。
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2、今夏の賞与9.7%減、下落率は過去最大に 厚労省調査
                     2009年11月2日 日経
 厚生労働省が2日発表した毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、6~8月に支払われた2009年夏の賞与は全産業ベースで1人当たり平均36万3104円と前年に比べ9.7%減った。企業の賃金抑制が響き、02年の7.1%を上回る過去最大の落ち込みとなった。一方、9月の現金給与総額も1.6%減と16カ月連続で減少。家計の消費回復には時間がかかりそうだ。
 夏季賞与が前年同期の実績を下回るのは3年連続。07年夏、08年夏がそれぞれ前年同期比1.4%減、1%減だったのと比べると、今夏の急激な落ち込みが際立つ。
 業種別の減少幅では鉱業の52.0%減が最大。飲食店・宿泊業が29.7%減、製造業が16.4%減と続いた。調査対象の14業種のうち、前年水準を上回ったのは運輸、建設、複合サービス事業の3業種のみ。残りの11業種は前年水準を下回った。(02日 14:11)
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3、民間平均給与、最大の減少 08年1.7%減、429万6000円
                    2009年10月25日
 民間企業に勤める人が2008年1年間に受け取った平均給与は429万6000円で、前年より1.7%(7万6000円)減少したことが25日、国税庁の民間給与実態統計調査で分かった。減少率は01年の1.5%を上回り過去最大。景気後退を背景に賞与が大きく落ち込んだことが響いた。
 平均給与は1990年(425万2000円)以来18年ぶりの低い水準。内訳は「給料・手当」が前年比1.0%減の365万円、企業業績の影響を受けやすい「賞与」は64万6000円と6.0%減った。業種別平均給与は不動産業・物品賃貸業が11.1%、金融業・保険業が6.1%それぞれ減った。
 給与額別の人数分布では、「300万円以下」の割合が前年の38.6%から39.7%、「300万円超500万円以下」も前年の30.6%から30.7%に上昇する一方、「500万円超1000万円以下」は前年の25.7%から24.8%に低下した。(25日 21:50)









2009年11月03日(火) やさしい人間学の配信準備

 やさしい人間学の№1~100までは主に過去の記述の引用が中心であったが、№101以降は新たな記述によって構成することになる。新規の記述は書籍を読むとか、何かの記述動機がないと書けないものである。年間100題は少ないようであるが、3日に1題でそれなりの分量である。

 だだ、やさしい人間学を書くと決めると、それなりの情報が目に留まることは、日々の映像を13年間4700回記述した経験で知っている。しかし、テーマがテーマであるので、記述の構成がまとまった時に記述するしかない。

 今日も体調を整える意味で外出は控えた。すると、時間があるのでやさしい人間学の記述の構成がまとまっている2~3のテーマがあったので、以下の6題を記述する。

101、やさしい人間学の記述の動機
102、人間を目標に向かわせるパワーの源は
103、コミュニケーションの重要性
104、自分が他人に受け入れられるには
105、書籍の紹介「なぜ日本人は壊れたのか」
106、才能とは、自分の力を信じることだ。

 ここでは№106を紹介します。
          
 ・・・・・・・・・・・・・・・

ブログ№106
才能とは、自分の力を信じることだ

 この言葉は20世紀ロシアの偉大な作家として世界的に知られているゴーリキー、マキシームの言葉である。明快でこれほど分かりやすい言葉はない。

「才能とは、自分自身を、自分の力を信じることだ。」
ゴーリキー、マキシーム

 №99に引用した本田宗一郎(本田技研創業者)の言葉、№102のジェームズ・アレンの言葉は同じ視点の語録といえよう

「何かを深く信じれば、誰でも自分の中に大きな力を見つけだし 自分を乗り越えることができる。」        本田宗一郎(本田技研創業者)

「人間を目標に向かわせるパワーは、『自分はそれを達成できる』という信念から生まれる。」            ジェームズ・アレン


ゴーリキー、マキシームのプロフィール
(1868.3.16~1936.6.18)
ロシアの作家。幼少から苛酷な体験を土壌として変革の文学を志し、戯曲「どん底」、小説「フォマ・ゴルジェーエフ」、「母」などによって‘社会主義リアリズム’文学を確立、20世紀ロシア偉大な作家として世界的に知られている。
ゴーリキー(本名ペシコフ、アレクセーイ・マクシモヴィチ)はヴォルガ川流域の町ニージニー・ノヴゴロドに生れた。5歳のときの指し物師だった父が死に、9歳で母を失ったため厳しい境遇のもとにおかれ、染料工場主だった母方の祖父に育てられた。11歳のときからは事実上独立し、商店の徒弟、ヴォルガ川を往復する汽船の皿洗い、イコン作りの弟子など、多種多様の職業に就き、ロシアの下層社会の生活を身をもって体験する。こうして早くから知った人生の無残さや暗鬱さは、のち小説、戯曲、回想録のなかに、蓄積された体験としてほとばしることになる。

続きは以下のURLでご覧下さい。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ango/7795/pis20/gorkiy/gorkiy.html

2009年11月02日(月) 新型インフル、国内死者43人 1週間で100万人感染

報 道
1、新型インフル、2歳児ら死亡 国内死者43人に
                  2009年11月1日 日経
最近収録した情報
361、米、新型インフル非常事態指定で緊急対策を強化
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10374249179.html
362、新型ワクチン補償など2法案を国会提出―政府
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10375710782.html
363、新型インフル感染、40分で判定 栄研化学が検査薬
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10376475148.html
364、インフル、休校など1万超す 1週間で6割増
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10378005276.html
365、新型ワクチン接種、副反応は0.009%―重篤例は0.0007%
http://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventrypreview.do
366、新型インフル、1週間で100万人超す 5道県、警報レベル
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10378715727.html

 昨日から微熱があった。ここのところ毎日面接で人にあっていたので、新型インフレに感染したかと思った。土』曜日の夜日曜日にかけて一切の活動を中止して休息にあてた。日曜日の夕刻には熱が盛っていたので、新型インフレではないようだ。

 それにしても、上記報道の通り新型インフルエンザの感染の広がりは大変なものである。1回は感染すると覚悟を決める必要があるようだ。

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1、新型インフル、2歳児ら死亡 国内死者43人に
                  2009年11月1日 日経
 京都市と兵庫県、盛岡市は1日、新型インフルエンザに感染していた京都市右京区の30代女性と兵庫県伊丹市の女児(8)、盛岡市の女児(2)が死亡したとそれぞれ発表した。国内の死者は疑い例も含め計43人で、2歳児は国内最年少。
 盛岡市によると、女児は10月29日午後8時ごろ、39度台の高熱を出して自宅で療養していたところ、1時間半後には容体が急変し呼吸停止状態となった。市内の病院に救急搬送され集中治療室(ICU)で治療を受けるとともに、簡易検査でA型陽性だったためリレンザの投与を受けた。
 10月30日には詳細(PCR)検査で新型インフルエンザ感染が確認され、1日早朝に多臓器不全のため死亡した。女児に基礎疾患はなかった。
 京都市によると、女性は10月30日昼に発熱。病院でタミフルを処方されたが、1日未明に容体が悪化し、死亡した。詳細検査で新型感染が確認され、京都市は基礎疾患がなかったか調べる。〔共同〕(20:56)

2009年11月01日(日) 余剰電力今日から2倍(48円/1キロワット)で買い取り 

 報 道
1、大陽光発電買い取り:国民に負担転嫁 風力・地熱、対象拡大に課題       毎日新聞 2009年11月1日 毎日
2、太陽光発電:余剰電力倍額買い取り 11月1日にスタート
                  2009年10月30日 毎日
3、【主張】太陽光発電 負担増の理解得られるか
2009.11.1 03:15 産経
4、太陽電池をフル生産へ 熊本県大津町 ホンダ子会社 住宅用の販路拡大
2009/10/28付 西日本新聞朝刊
5、ブログでの最近の収録ニュース
世界の太陽電池市場、20年に10兆円 08年の5倍、民間調査
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10330180573.html
エディオン、太陽光発電設備を本格販売 年5000件受注目指す
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10363486826.html
太陽電池部品、年産18万キロワット規模 三洋、工場新棟に設備
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10364356298.html


住宅等の設置された太陽光発電の余剰電力を従来価格の2倍で買い取る制度が明日からスタートします。買い取り金額は1キロワット時当たり48円。これは現在の購入電力の2倍に当たる。そもそも家庭が現在購入している1キロワット当たり24円が高いのである。
日本の電力料金は米国の2倍以上なのである。
http://esd.env.kitakyu-u.ac.jp/jirei/gp_result/PDF/16pp/16pp03.pdf#search
日本のシステムの中で最も高コスト体質は電力業界ではないかと思う。

買い取りに係る増加金額は消費者に跳ね返ってくるので益々庶民の電力料金が上昇するのである。民主党政権は、長年政官業が一体となって出来上がった世界一の高コスト体質にメスを入れることが出来るのだろうか。

 補助制度の窓口の太陽光発電普及拡大センターによると、4月に3000件程度だった補助申請が10月には約1万4000件に急増した。4~6月の太陽電池国内出荷も前年同期比82.5%増(太陽光発電協会調べ)と過去最高を記録している。
問題を抱えながらも時代の波に乗る企業とそうでない企業の明暗が出てくるようだ。
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1、大陽光発電買い取り:国民に負担転嫁 風力・地熱、対象拡大に課題       毎日新聞 2009年11月1日 毎日
 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>
 太陽光発電の余剰電力を電力会社が現在の2倍で買い取る制度は、太陽光発電の普及を加速させる一方で、太陽電池などの関連産業を支援する狙いがある。20年の温室効果ガス排出量を90年比25%削減する目標を掲げる民主党は、2年以内に買い取り対象を太陽光以外の自然エネルギー全体に拡大する方針だ。ただ、買い取り対象を増やせば電気料金への転嫁も増えるため、温暖化対策と国民負担のバランスなど課題もある。
 日本は当初、太陽光先進国だったが、05年、太陽光発電の全量買い取り制度を実施したドイツに「累積導入量世界一」の座を明け渡した。日本政府が住宅用太陽光発電に対する国の補助を打ち切り、設置が伸び悩んだためだ。
 世界の太陽電池メーカーなどでつくる欧州太陽光発電産業協会によると、08年の日本の太陽光の発電年間導入量はスペインやドイツ、韓国などを下回る6位に低迷。世界一奪回と地球温暖化対策の両立に向け、政府は今年1月に補助制度を復活させ、2月に余剰電力の買い取り制度導入を決めた。
 補助制度の窓口の太陽光発電普及拡大センターによると、4月に3000件程度だった補助申請が10月には約1万4000件に急増した。4~6月の太陽電池国内出荷も前年同期比82・5%増(太陽光発電協会調べ)と過去最高を記録。「買い取り制度の導入に向け、関心は膨らんでいる」とみられる。
 民主党は太陽光の余剰電力だけを買い取る自公政権の制度を「不十分」と批判してきた。直嶋正行経済産業相は11月中に、風力、地熱などすべての再生可能エネルギーの全量買い取り制度を検討するプロジェクトチームを設置、2年後の導入に向け制度設計を急ぐ。
 ただ、太陽光の余剰分だけでも1世帯当たり月最大100円の電気料金値上げが見込まれる。買い取り対象を再生可能エネルギー全量に拡大すれば「負担は数倍になる」(経産省幹部)可能性もある。集合住宅など発電設備の設置が難しい家庭などに電気料金の負担の理解を得られるかが課題だ。
 直嶋経産相は「全量買い取りは温暖化対策や環境産業育成の観点から重要だ。有識者をまじえて精力的に検討したい」と強調する。だが、天候で発電量が変わる自然エネルギーを送電線につなぐ際の技術的問題など、乗り越えるべき課題も残されている。【柳原美砂子】
【関連記事】
太陽光発電:余剰電力倍額買い取り 11月1日にスタート
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ソーラーカー:シャープが東海大と開発…豪のレース参戦へ
ソーラーシステム訪問販売:トラブル対策要請--経産省
東京朝刊
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2、太陽光発電:余剰電力倍額買い取り 11月1日にスタート
                2009年10月30日 毎日
 政府は、家庭の太陽光発電で余った電力を電力会社が現在の2倍の価格で買い取る制度を1日にスタートさせる。太陽光発電の設備負担を軽減し、急速な普及を図る狙いだ。民主党政権は風力や水力などすべての再生可能エネルギーを買い取る新制度の創設を公約しており、2年以内の買い取り対象拡大を検討。温暖化対策の切り札にしたい構えだ。
 電力会社は自主的に家庭の太陽光発電を1キロワット時当たり24円前後で買い取っているが、新制度は同48円で10年間の買い取りを義務付ける。価格を2倍にするのは、設置費用を回収する期間を短縮させ、普及を促すため。普及で設置価格が下落すれば、買い取り価格も引き下げる。
 電力会社は1年間の買い取り費用を、翌年度の電気料金に上乗せして回収。設備がない家庭も含め、すべての電気利用者に薄く広く負担してもらう。来年4月から前年分が電気料金に転嫁される。11年度以降は1世帯当たり月30~100円程度になる見通し。【柳原美砂子】
 ◇太陽光発電普及加速と関連産業育成狙い
 太陽光発電の余剰電力を電力会社が現在の2倍で買い取る制度は、太陽光発電の普及を加速させる一方で、太陽電池などの関連産業を支援する狙いがある。20年の温室効果ガス排出量を90年比25%削減する目標を掲げる民主党は、2年以内に買い取り対象を太陽光以外の自然エネルギー全体に拡大する方針だ。ただ、買い取り対象を増やせば電気料金への転嫁も増えるため、温暖化対策と国民負担のバランスなど課題もある。
 日本は当初、太陽光先進国だったが、05年、太陽光発電の全量買い取り制度を実施したドイツに「累積導入量世界一」の座を明け渡した。日本政府が住宅用太陽光発電に対する国の補助を打ち切り、設置が伸び悩んだためだ。
 世界の太陽電池メーカーなどでつくる欧州太陽光発電産業協会によると、08年の日本の太陽光の発電年間導入量はスペインやドイツ、韓国などを下回る6位に低迷。世界一奪回と地球温暖化対策の両立に向け、政府は今年1月に補助制度を復活させ、2月に余剰電力の買い取り制度導入を決めた。
 補助制度の窓口の太陽光発電普及拡大センターによると、4月に3000件程度だった補助申請が10月には約1万4000件に急増した。4~6月の太陽電池国内出荷も前年同期比82・5%増(太陽光発電協会調べ)と過去最高を記録。「買い取り制度の導入に向け、関心は膨らんでいる」とみられる。
 民主党は太陽光の余剰電力だけを買い取る自公政権の制度を「不十分」と批判してきた。直嶋正行経済産業相は11月中に、風力、地熱などすべての再生可能エネルギーの全量買い取り制度を検討するプロジェクトチームを設置、2年後の導入に向け制度設計を急ぐ。
 ただ、太陽光の余剰分だけでも1世帯当たり月最大100円の電気料金値上げが見込まれる。買い取り対象を再生可能エネルギー全量に拡大すれば「負担は数倍になる」(経産省幹部)可能性もある。集合住宅など発電設備の設置が難しい家庭などに電気料金の負担の理解を得られるかが課題だ。
 直嶋経産相は「全量買い取りは温暖化対策や環境産業育成の観点から重要だ。有識者をまじえて精力的に検討したい」と強調する。だが、天候で発電量が変わる自然エネルギーを送電線につなぐ際の技術的問題など、乗り越えるべき課題も残されている。【柳原美砂子】

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ソーラーシステム訪問販売:トラブル対策要請--経産省
ソーラーシステム訪問販売:「補助対象」とウソ トラブル急増
毎日新聞 2009年10月31日 23時23分(最終更新 10月31日 23時58分)
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3、【主張】太陽光発電 負担増の理解得られるか
2009.11.1 03:15 産経

このニュースのトピックス:主張
 太陽光発電の余剰電力について、従来価格の2倍で電力会社がすべて買い取る制度が1日スタートした。太陽光発電の導入を促すことで温室効果ガスの排出削減につなげる狙いがある。
 ただ、買い取るコスト分は電気料金に転嫁されるため、今後料金は段階的に引き上げられる。太陽光など自然エネルギーの利用拡大は地球温暖化防止に不可欠ではあるが、負担増については国民の納得できる説明が求められる。
 今回の制度は、住宅や工場などが太陽光で発電した電力のうち、使い残した分を電力会社が従来の2倍にあたる1キロワット時48円で買い取る仕組みだ。一般家庭では年間約10万円の収入になるとされ、太陽光パネルの設置費用が10年程度で回収できる計算だという。
 すでに家電量販店などでは太陽光パネルの専用売り場が設けられるなど、導入機運は徐々に高まりつつある。
 一方、買い取り費用はすべての電力利用者が全体として負担する仕組みとなっている。平成23年度からは、一般家庭で月額平均の電力料金は約30円値上げされ、最大で同100円程度まで引き上げられる見通しだ。
 この制度は自民党政権時代に決定されたが、民主党は政権公約で太陽光だけでなく、風力や地熱などについても買い取る方針を盛り込んだ。経済産業省は来年3月までに、買い取る対象や価格などの概要を決める方向だ。
 ただ、こうした自然エネルギーは太陽光を含め発電コストが割高で、電力料金はさらに引き上げられる可能性がある。
 こうしたコスト増分を、すべて電気料金の引き上げのかたちで利用者の負担に回す現在の制度がはたして適正なのかどうか、再検討する必要はあるだろう。
 いずれにせよ、太陽光を含めた自然エネルギーは発電量全体の1%にすぎず、今後比率が高まったとしても、せいぜい数%のレベルとみられている。自然エネルギーへの過度な期待は禁物だろう。発電過程でCO2をほとんど排出しない原子力発電を含めたバランスある電源構成を目指すべきだ。
 東京電力の柏崎刈羽原発は、新潟県中越沖地震の影響で7基中6基が今も運転を停止している。安全の確保は当然だが、原発の稼働率向上は温室効果ガスの排出量削減に直結する。政府の積極的な取り組みが求められている。
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4、太陽電池をフル生産へ 熊本県大津町 ホンダ子会社 住宅用の販路拡大
2009/10/28付 西日本新聞朝刊

 ホンダは27日、太陽電池の製造・販売子会社、ホンダソルテック(熊本県大津町)の増産計画を明らかにした。太陽光発電の余剰電力を電力会社が買い取る制度が11月に始まるのを受け、「一般家庭向けを中心に、需要が拡大する」と判断。現在5割程度の工場稼働率を、2010年中にもフル稼働させる方針だ。
 営業面も強化し、住宅メーカーや工務店などに委託している個人住宅用の販売店網を現在の186店から10年3月末までに250店に拡大する。
 ホンダソルテックは06年12月にホンダの完全子会社として設立。銅などの化合物を素材にした次世代型の薄膜太陽電池を製造している。生産能力は年間27・5メガワット(9千世帯分)。
 07年に住宅用、08年に産業用に参入したが、想定よりも需要が伸びず、販売実績は累計で住宅用が約550カ所、工場や興行施設など産業用が約50カ所にとどまっている。
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石田ふたみ