『日々の映像』

2008年03月31日(月)  ガソリン価額はいったん25円が下がる

 新日本石油は28日、ガソリンの暫定税率が切れた場合の4月の卸価格について、配送拠点である油槽所からの出荷分は暫定税率分の約25円を含む価格とすると発表した。ガソリン税は製油所から出荷した時点で課税される「蔵出し税」で、市中の在庫がなくなる7―10日間は今まで通りの価額になる。しかし、これが自由経済であるので、4月1日から25円値下げして販売するスタンドが出るかもしれない。

 首相の発言は期限が切れた後、野党側との調整がつかない場合には、税率維持を盛った租税特別措置法改正案を衆院で再可決する構えだ 暫定税率は参院が同改正案の審議を拒んで期限が切れても、衆院の可決から4月末に全議席の3分の2を握る衆院で再可決すれば、いったん下がった税金を引き上げられる。町村信孝官房長官は同日、都内の講演で「恐縮だがまた上げさせていただきたい」と語っているので、この主張通りに政治が動けば可決され、また25円の値上げが行なわれる。

 果たして政治はどう動くのか・・・さまざまな混乱が予想される。まずはポリタンクがなくなるだろう。庶民がガソリンを安い内に買いだめする可能性がある。・・・仮需が発生してところによってはスタンドのガソリンが切れるところが出るのでないか。いったん下がったガソリンをまた値上げできるのか、福田内閣の一寸先が分からない。

暫定税率期限切れの際の地方税収減600億、国が補てん検討
2008年3月30日読売新聞
道路財源一般化 予算改革の絶好機を逃すな
                    2008年3月30日 毎日新聞社説 
ガソリン税 最後まで混乱回避に努めよ
2008年3月29日 読売新聞社説
ガソリン製油所出荷、卸値25円下げ・新日石
                      2008年3月29日 日経
ガソリン、値下げ競争が早くも激化・青森や静岡
                    2008年3月30日 日経
首相、ガソリン暫定税率「現行水準を維持」・再議決の方針
                         2008年3月29日日経
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暫定税率期限切れの際の地方税収減600億、国が補てん検討
2008年3月30日読売新聞
 政府・与党は29日、ガソリン税などの暫定税率が4月1日以降、期限切れになった場合、地方自治体に生じる4月分の税収減約600億円について、国の財源で全額補てんする方向で検討に入った。

 与野党の対立で暫定税率を維持できない事情を踏まえ、自治体に配慮する必要があると判断した。特例交付金の創設や、地方交付税の増額、臨時の地方債発行を認め、国が償還財源を負担する案などが浮上している。
 暫定税率が失効した場合、政府・与党は、暫定税率維持のための租税特別措置法改正案など税制関連法案を4月下旬に衆院で再可決する考えだ。自治体が実際に減収になるのは、軽油引取税などの4月分だけとなる公算が大きい。
 財源補てん策のうち、税収減を完全にカバーできるのは、特例交付金を創設して自治体に一括交付する案だ。地方交付税増額だと、東京都や愛知県などの「不交付団体」には交付できず、不公平感が生じる。臨時の地方債について、自治体側には「国が地方債の償還財源を確実に負担するかどうか分からない」といった懸念の声も出ている。
 政府・与党は、補てんに充てる国の財源について、赤字国債は避けたい考えだ。自民党内には「特別会計の積立金から『埋蔵金』を見つけて充てるべきだ」との意見も出ている。
 一方、国の歳入は、4月末の衆院での再可決を前提とすると、千数百億円減少する。政府は、28日に成立した2008年度予算に基づき、道路整備の計画をまとめるが、事業を絞り込む方針だ。仮に、再可決が遅れた場合には、河川などの整備に充てている建設国債を増発し、道路財源に回す必要に迫られる恐れもある。
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道路財源一般化 予算改革の絶好機を逃すな
                                   2008年3月30日 毎日新聞社説 
 
08年度政府予算が28日成立した。その一方で、道路特定財源問題は、福田康夫首相の一般財源化提案で新段階に入った。道路整備計画も期間を10年から5年に短縮し、最新のデータをもとに厳格かつ客観的な評価で本当に必要とされる道路に限ることを表明した。
 このことの意味は大きい。政府提出のままの成立では、道路特定財源は暫定税率が10年間継続し、ほぼ全額が道路整備に使われる。それでは、小泉純一郎政権以来の公共事業改革に逆行する。それに対して、道路財源の一般財源化は財政再建にも好ましい影響をもたらす。このことは野党もしっかりと認識する必要がある。
 財政赤字が問題化した80年代以降、財政再建は概算要求基準(シーリング)で、各費目の伸び率をゼロやマイナスにする歳出削減が柱になってきた。ほぼすべての費目を横並びで減らすというやり方だ。ただ、道路などの公共事業は景気対策として補正予算で増額されるなどしてきた。
 その一方で、国民生活にとって緊急性の高い医療や介護、教育などでは予算不足が深刻化している。メリハリの利いた歳出改革になっていないためだ。言い換えれば、道路整備などの利権化している費目の予算はほぼ手付かずで生き残ってきたということだ。
 これでは、予算が国民に必要な公共サービスをまかなうという役割を果たすことができない。そこで、抜本的な歳出改革や予算改革が欠かせない。
 道路特定財源というもっぱら道路整備に使われる税金を一般財源にすることは、歳出構造の変革を意味している。もちろん、そこでは、道路整備計画を厳選することが条件になる。福田首相は公約した以上、道路関係議員や国土交通省の抵抗を押し切らなければならない。道路財源が解き放たれれば、財政再建の姿は大きく変わる。
 大胆な歳出費目の見直しを行うと同時に、財政健全化にも寄与する仕組みを作るためには、暫定税率を維持した水準での一般財源化が適当だ。温暖化対策が急がれている時に、化石エネルギーへの課税軽減は時代錯誤である。
 暫定税率という異常な状態を解消しつつ、複雑な石油関連、自動車関連の税制を簡素化することにはだれも異論がないだろう。その内容をめぐっては、侃々諤々(かんかんがくがく)の論議を行えばいい。
 こうした改革は、長年の懸案であるメリハリの利いた予算編成を可能にする。道路整備予算にメスが入れば、いや応なくほかの公共事業の見直しも進む。
 民主党は暫定税率の08年度からの廃止にこだわっているが、福田提案は「土建国家」からの脱却のみならず、予算改革にもつながる。与野党が論を戦わせ、具体案で競うことこそが国民利益につながる。

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ガソリン税 最後まで混乱回避に努めよ
2008年3月29日 読売新聞社説
 国民生活の混乱回避に向けて、与野党は最後まで最大限の努力を続けてもらいたい。
 与野党は、31日で切れるガソリン税以外の租税特別措置の期限を、5月末まで延長することで合意した。不動産の登録免許税の減免や石油製品のナフサの免税などが対象だ。
 そのための「つなぎ法案」を今月中に成立させることで、ガソリン税以外の混乱は避けられる。
 だが、国民の関心が最も高いガソリン税の暫定税率では依然、与野党の主張の隔たりが大きい。民主党は、「2009年度から道路特定財源を一般財源化する」などとした福田首相の提案を拒否する姿勢を変えていない。
 道路特定財源は08年度から完全一般財源化させる。暫定税率は即時廃止し、年2兆6000億円の減税を実施する。官僚の天下りは完全廃止する――。
 民主党が、こうした「小沢3原則」を掲げた狙いは明白だ。
 政府・与党が同意できないような高いハードルを設定して、暫定税率を期限切れに追い込み、福田内閣を揺さぶることである。
 自らの主張が100%通らない限り、与党とは合意しない。民主党は、そんな政局一辺倒の姿勢で良いのか。党内でも、「09年度からの一般財源化」という福田提案を評価する声が出ていることを無視すべきではないだろう。
 08年度予算は成立しても、参院では、予算執行に必要な税制関連法案の審議が始まっていない。
 法案の衆院通過から既に1か月が経過している。民主党が、「予算審議が優先だ」などと、理屈にならない理屈で審議入りを先送りしているためだ。
  だが、審議を尽くそうとしていないのは、明らかに民主党の方だ。この点については、共産党からも民主党批判が出ている。
 「つなぎ法案」の合意は、河野衆院議長と江田参院議長が仲介した。この合意をテコに、両院議長は、ガソリン税についても、与野党の調整に動いてもらいたい。それが、議長斡旋をまとめた当事者の責任である。
 ガソリン税の暫定税率の期限切れまで、あと3日しかない。
 政争で国民生活や地方財政を混乱させるようでは、政治の無為無策が際立つばかりだ。
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ガソリン製油所出荷、卸値25円下げ・新日石
                      2008年3月29日 日経
 新日本石油は28日、ガソリンの暫定税率が切れた場合の4月の卸価格について、配送拠点である油槽所からの出荷分は暫定税率分の約25円を含む価格とすると発表した。これに対し製油所から直接、出荷する分は従来より25円安い価格とする。元売りからガソリンを仕入れる給油所では、地域によって店頭価格がばらつくことになりそうだ。
 ガソリン税は製油所から出荷した時点で課税される「蔵出し税」。このため製油所からガソリンが届く油槽所では4月に入ってもしばらく高価格の在庫が残る。新日石は在庫がなくなるまでの7―10日間ほどは卸価格に暫定税率分を含める。
 製油所と油槽所の出荷量はほぼ半々で、地域ごとに価格差が生じることになる。例えば関東では、製油所が近い神奈川県の給油所は安い価格で仕入れられるが、油槽所経由で配送される栃木県や群馬県の給油所は高価格の場合が多くなる。

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ガソリン、値下げ競争が早くも激化・青森や静岡
                    2008年3月30日 日経
 ガソリンにかかる暫定税率が今月末に期限切れになることを見越し、給油所の値下げ競争が早くも広がっている。据え置いている給油所も多いものの、青森や静岡では一足早く値下げに踏み切る給油所が登場。4月1日からの大幅値下げを宣言する例も増えている。
 暫定税率が切れるとガソリンの税負担は1リットルあたり約25円軽くなる。給油所は3月に仕入れた課税済みの在庫があるうちは値下げしにくいが、競争激化でいち早く価格を下げる例が出てきた。(07:00)
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首相、ガソリン暫定税率「現行水準を維持」・再議決の方針
                         2008年3月29日日経
 福田康夫首相は29日、首相官邸で日本経済新聞などと会見し、ガソリンにかかる揮発油税などの暫定税率について「少なくとも(1リットルあたり約25円の)今の水準は維持しなければならない」と表明した。
 暫定税率は3月末の期限切れが不可避の情勢になっている。首相の発言は期限が切れた後、野党側との調整がつかない場合には、税率維持を盛った租税特別措置法改正案を衆院で再可決するとともに、2009年に向けた見直しでも民主党が求める撤廃には応じない考えを示したものだ。
 首相は暫定税率の維持について「まだまだ話し合いの余地はある」と語り、民主党との話し合い決着になお期待を示した。ただ、暫定税率は参院が同改正案の審議を拒んで期限が切れても、衆院の可決から60日がたつ4月末に全議席の3分の2を握る衆院で再可決すれば、いったん下がった税金を引き上げられる。町村信孝官房長官は同日、都内の講演で「恐縮だがまた上げさせていただきたい」と語り、再可決への理解を求めた。 (29日 20:37)

2008年03月30日(日)  困窮、受診手控えて死亡した人

 毎月のように日本の貧困層のことを書いている。これらの事態についてNHK
はほとんど報道していないように思う。(私がテレビを多く見ないせいかもしれない)2008年2月8日にも書いたが、健康保険料を納付できない家庭が全国2,551万の国保世帯に対し、その18.6%に当たる475万世帯に達しているのである。この事実を国民の何割が知っているのだろう。

 何も報道しないから国民の大半が分らない・・・ここに「臭いものに蓋をしろ」という政治的な無言の圧力があるように思えてならない。03月26日の毎日新聞で医療を受けないで死亡した人の内容が報道されていた。死亡した31人のうち、年代別では60代が16人で最も多く、次いで50代8人、70代4人などとなっている。30代も2人いたというから痛ましい。 この31人の死亡は氷山の一角のように思う。

 国民健康保険料を納付できない家庭が475万世帯に達しているのに、今後10年で高速道路建設に50兆円も投入するのである。どこか狂っていると思うのは私だけだろうか。


      
<国保滞納>31人が死亡…困窮、受診手控え 民医連調査
毎日新聞 -2008年03月26日

民健康保険料の滞納・恐ろしいデータ
               2008年2月8日日々の映像
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20080214
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<国保滞納>31人が死亡…困窮、受診手控え 民医連調査
毎日新聞 -2008年03月26日
全日本民主医療機関連合会(民医連)は25日、国民健康保険(国保)の保険料が支払えなかったことなどにより、07年1~12月の1年間に全国で少なくとも31人が死亡したことが分かったと発表した。民医連加盟の病院や診療所など約1700施設を対象に調査した。いずれも医療機関への受診を控えて手遅れになったという。

 民医連によると死亡した31人のうち、男女別では男性23人、女性8人で男性が3倍近い。また、年代別では60代が16人で最も多く、次いで50代8人、70代4人など。30代も2人いた。

 不況で廃業し、アパート代も払えず工場に住んでいた元自営業者が、国保料を滞納したため保険証がなく、受診が遅れて死亡した例などがある。31人中4人は保険証を持っていたが、病気や高齢で働けず経済的に困窮して受診を控えたという。

 厚生労働省によると07年6月現在、国保を滞納しているのは約475万世帯(約19%)。1年以上保険料を滞納した人に交付される「資格証明書」は約34万世帯にも上る。【河内敏康】



2008年03月29日(土)  パート・派遣社員ゼロ競争

 会社の雇用体制が人材を集めるカギであると思う。
正社員とパート社員の待遇差是正を目指す改正パートタイム労働法の施行を4月に控え、小売りや外食大手の74%がパートから正社員への登用制度を導入している。

 最も目立つのはキヤノンである。
 キヤノンは製造現場での派遣契約を年内に全面的に打ち切り、正規雇用に切り替えるという。子会社を含め国内で働く1万2000人の派遣社員のうち、約5割を期間契約の社員として年内に採用する。
 
 キヤノン本体とグループ会社18社が製造現場での派遣の活用をやめる。昨年末に生産人員の3割を占めていた1万2000人の派遣社員を順次減らし、年内にほぼゼロにするというから素晴らしい。キャノンはパート・派遣社員ゼロ競争のトップランナーとして、日本の雇用環境の変化に貢献して欲しい。

パート正社員化、74%が制度導入・日経調査、法改正にらむ
2008年3月25日日経
キヤノン、工場の派遣社員ゼロに・年内メド6000人直接雇用
                        2008年3月16日 
派遣労働者:06年度は最多の321万人
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20071230

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パート正社員化、74%が制度導入・日経調査、法改正にらむ
2008年3月25日日経
 正社員とパート社員の待遇差是正を目指す改正パートタイム労働法の施行を4月に控え、小売りや外食大手の74%がパートから正社員への登用制度を導入した。日本経済新聞社の施行直前調査で判明した。すでに正社員となったパートは約1万人。厚生年金制度や賞与制度を導入に取り組む企業もほぼ5割あり、パートの待遇改善を人材確保につなげる動きが広がっている。

イオン、高島屋、日本マクドナルドなど主要38社(雇用パート約50万人)の回答をまとめた。すでに7割強の企業が正社員への登用制度を持ち、導入予定や検討中を含めるとほぼ9割に達する。)
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キヤノン、工場の派遣社員ゼロに・年内メド6000人直接雇用
                        2008年3月16日 日経 
 キヤノンは製造現場での派遣契約を年内に全面的に打ち切り、正規雇用に切り替える。子会社を含め国内で働く1万2000人の派遣社員のうち、約5割を期間契約の社員として年内に採用。正社員への登用も進める。コマツも2009年3月末までに工場の派遣社員全員を期間社員に切り替える。待遇改善で優秀な人材を確保し、生産技術や品質など国際競争力の向上に役立てる。サービス・流通で進む非正社員の正規雇用の動きが、製造業に本格的に広がり始めた。
 キヤノン本体とグループ会社18社が製造現場での派遣の活用をやめる。昨年末に生産人員の3割を占めていた1万2000人の派遣社員を順次減らし、年内にほぼゼロにする。うち6000人は最長2年11カ月の期間社員として採用。意欲があれば正社員に登用し、08年度に1000人程度を見込む。残る6000人分の仕事は「業務請負」に切り替え、作業を外部委託する。(16日 07:00)




2008年03月28日(金)  基礎年金は税方式以外にない


現在の年金組織を固めている官僚組織は形を変えても現体制を守りたいのだろう。その典型が「基礎年金全額税方式は困難」という論理である。基礎年金を全額税方式にすると、年金を払え終えた人は2重払いとなる。2重払い部分を還付するなりの方法を取れば出来ないことはないと思う。

 官組織の視点で見よう。全額税方式になると国民年金の徴収をしている1万人以上の組織がいらなくなる。官僚があらゆる論理を振りかざして反対するのは目に見えている。基礎年金を全額税金で賄うか、現行の保険料徴収を維持するか-。政府の社会保障国民会議は年金制度の改革論議を始めた。

 税方式賛成論は民主党など野党に加え、与党にも広がりつつあるようだ。国民年金は以下に引用した通り700万人も納付していないのだ。こ現行制度を維持することは、20年後膨大の数の無年金者を生むことになる。早く税方式の切り替え、日本国民であったら、民主党の提案のように月7万円の最低保障年金を創設すべきである。(参考、フランスは5万円の最低保障年金がある)


基礎年金どうなる 社会保障国民会議スタート
2008年3月24日中日新聞
全額税か保険料か…基礎年金改革 政治課題に
2008年3月5日 読売新聞
基礎年金「全額税方式は困難」保険料方式は「未納」課題       
 2007年10月25日 読売新聞
宙に浮く年金は2025万件も
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20080318

<国民年金>収めていない人約700万人
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20080312
自分の年金を守るには
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20080116

無年金者118万人に
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20080111

「消えた年金」の照合不可能と開き直る。
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20071215

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基礎年金どうなる 社会保障国民会議スタート
2008年3月24日中日新聞
 基礎年金を全額税金で賄うか、現行の保険料徴収を維持するか-。宙に浮いた年金記録約5000万件の問題で年金不信が高まる中、政府の社会保障国民会議は年金制度の改革論議を始めた。税方式賛成論は民主党など野党に加え、与党にも広がりつつある。両方式にはどんな長所と短所があるのか。 (後藤孝好)
 現行の基礎年金は、保険料を25年以上納めた65歳以上の人が満額で月6万6000円を受け取ることができる。税負担は約3分の1で、政府・与党は2009年度に2分の1に引き上げる方針。厚生労働省は「保険料を納めた人が年金を受け取れる点で、給付と負担の関係が明確だ」とする。
 一番の問題は未納だ。給与から保険料を天引きされる厚生年金の会社員は未納が起こらないが、自営業者やフリーターらが加入する国民年金は納付率が60%台に低迷。免除者を未納に加えた場合の実質納付率は50%を割り込んでいる。
 25年以上保険料を納めなければ年金をもらえず、無年金者や低年金者が増加。無年金者らは生活保護に頼ることになり、国民皆年金は看板倒れになっている。
 保険料方式で起こる未納や無年金の問題の解決策として、注目を集めているのが全額税方式だ。
 民主党の案は全額税金で賄う月7万円の最低保障年金を創設。現役時代の年収が600万円以下の人には満額支給し、600万円超-1200万円未満は徐々に減らして、1200万円以上は保険料による所得比例年金だけを支給する。
 自民党の議員連盟「年金制度を抜本的に考える会」の案は、月7万円の最低保障年金を全国民に支給。配偶者と死別した人には、月数万円の遺族年金も支給して生活を支える。
 麻生太郎前自民党幹事長も、実質納付率の低下など現行制度は崩壊しているとして税方式を提唱。社会保障国民会議メンバーの塩川正十郎元財務相も、老後の低所得者層を中心に全額税で賄う生活年金を支給する案を提示した。
 税方式につきまとう懸案は、保険料に代わる巨額の税財源が必要となることだ。
 政府の試算では、65歳以上の全員に月6万6000円の年金を支給すると、年間約22兆3000億円かかる。2008年度予算案の基礎年金の税負担は7兆5000億円で、不足分を消費税で賄うとすれば、6%程度も引き上げなければならない。
 自民党議連の案も、消費税率を現行の5%から12%へ引き上げる方針を打ち出したが、大幅増税は国民生活への影響が大きい。一方、民主党案は増税しない代わりに所得制限を設けたが、最低保障年金をもらえない人が出てくる。
 税方式を導入する場合には制度の移行時に、これまでまじめに保険料を納めた人と、未納の人の公平性をどう確保するかという難題も解決しなければならない。

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全額税か保険料か…基礎年金改革 政治課題に
2008年3月5日 読売新聞
福田首相が設置した社会保障国民会議は4日、雇用・年金問題を話し合う「所得確保・保障分科会」の初会合を開き、公的年金の基本となる基礎年金(国民年金)改革の議論がスタートした。焦点は、現行の「社会保険方式」か、全額を消費税などでまかなう「全額税方式」かの選択だ。政府・与党は、公式には社会保険方式の堅持で一致しているが、自民党内からも公然と全額税方式を求める声が出ており、基礎年金改革が政治課題となりそうだ。(政治部 湯本浩司、社会保障部 石崎浩)
迫る期限
 「全額税方式化を含めた議論をすべきだ」
 分科会の初会合で、日本経団連の岡本康男委員が基礎年金改革論議の口火を切ると、委員の一人、塩川正十郎東洋大総長(元財務相)は、全額税方式を基本とした独自の年金改革案を提示した。複数の委員から、現行の年金制度は「わかりにくい」など、不満の声も上がった。
 基礎年金改革の議論が高まっているのは、基礎年金の国庫負担を現行の3分の1強から2分の1に引き上げる期限が2009年度に迫ったためだ。国庫負担引き上げは基礎年金を保険料と税で運営する現行の社会保険方式を維持しつつ、制度を持続可能なものにする改革だ。引き上げに必要な財源約2兆3000億円の確保のため、年末には消費税率の引き上げを含めた税制改正議論が不可避となっている。
 だが、保険料の未納問題や年金記録問題による年金不信が解消されない中で、「国庫負担引き上げだけで信頼が回復するのか」という疑念が、保険料を廃止して、税だけでまかなう全額税方式という抜本改革を求める声につながっている。
議論の行方
 16人の分科会委員には、日本経団連の岡本委員のほか、連合の古賀伸明事務局長ら、明確に全額税方式を主張している団体の有識者が少なくない。「政府の公式の会議で、現行制度を否定する議論が行われることは異例」と言われるのも、こうした要素が作用している側面がある。
 社会保障国民会議は三つの分科会の議論を踏まえ、6月に中間報告、10月に最終報告を取りまとめる方針だ。ただ、厚生労働省や与党の厚生労働族の議員は、現行の社会保険方式の維持を主張している。
 福田首相も、全額税方式の議論そのものは是認しながらも、2月の国会答弁では「(社会保険方式の)現行制度が、将来においても妥当性が高い」と述べるなど、全額税方式に慎重な姿勢を示している。
 年金改革は次期衆院選の争点となることも予想されるだけに、選挙の時期もにらみ、中間・最終報告書に全額税方式についてどこまで記述されるか、注目が集まっている。
「再編」憶測
 次期衆院選や、政界再編への思惑なども手伝って、与野党でも年金改革を巡る議論が活発になっている。
 参院第1党の民主党は、全額税負担による月7万円の「最低保障年金」の創設をうたった独自の改革案を提唱している。
 自民党でも、麻生太郎前幹事長が基礎年金の全額税方式を打ち出す論考を発表し、財源として消費税率を「10%」に引き上げることを提案している。野田毅・元自治相が会長を務める有志議員の勉強会「年金制度を抜本的に考える会」は2月に、月7万円の最低保障年金や新たな遺族年金の創設など、独自の改革案をまとめたところだ。野田氏は「将来的には消費税率が12%程度必要」との見通しを示している。
 全額税方式を模索する自民党内の動きには、「民主党案と近く、政界再編をにらんだ動きではないか」との見方もある。
 これに対し、自民党厚生労働族の重鎮である丹羽雄哉前総務会長は真っ向から反論を挑んでいる。2月26日の衆院予算委員会で、額賀財務相から「全額税方式の導入には消費税率を15%に引き上げる必要がある」との答弁を引き出し、「消費税をこれだけ引き上げることを国民が容認してくれるのか」と問いかけた。
 基礎年金 公的年金のうち、すべての職業に共通する部分。1985年の年金改革で導入された。老後生活の基礎的部分を保障する制度という位置づけで、原則として40年加入すると満額の月約6万6000円が支給される。
税方式 未納問題は解決、財源年22兆円必要
 税方式の大きな特徴は、保険料の未納が起きなくなることだ。
 厚生年金や共済年金の対象とならない自営業者、短時間労働者などが支払う国民年金保険料(現行月額1万4100円)は、納付率が66・3%(2006年度)まで落ち込んでいる。
 未納者はその期間分の年金を受け取れないため、「年金財政への悪影響はさほど大きくない」(厚生労働省幹部)とも言われる。だが、社会保険庁の推計によると、年金受給に必要な原則25年の加入期間を満たすことができず無年金になった人は、これから納めても間に合わない現役世代を含め118万人にのぼる。生活保護を受ける無年金の高齢者が急増し、巨額の税財源が必要となる恐れも指摘されている。
 税方式にすれば、基礎年金分の保険料がなくなるため、未納問題は解決に向かう。保険料徴収の行政コストも削減できる。
 また、サラリーマン世帯の専業主婦は、現行では自分で保険料を納めなくても老後に基礎年金を受け取れる。税方式にすれば、この制度に対する不公平感も解消すると指摘されている。
 税方式では、巨額の税財源をどう確保するかが課題となる。政府の試算によると、65歳以上の全員に基礎年金の満額(月約6万6000円)を税方式で支給する場合、年約22兆3000億円の税財源が必要となる。基礎年金にはすでに税が年約7兆円投入されているが、不足分を消費税でまかなう場合、税率を現行より6~7%引き上げなければならない。
 その一方、自営業者は国民年金保険料の支払いが不要となる。厚生年金も、現在は年収の約15%を労使折半で負担している保険料のうち、基礎年金財源に回されている約5%分の引き下げが可能になる。
 ただ、すでに保険料を払い終えた高齢者にも、新たな消費税負担が生じる。「若い世代ほど不利になる、年金制度の世代間不公平が緩和される」(鈴木亘・東京学芸大准教授)という指摘もあるが、高齢者の理解を得られるかは未知数だ。
 制度の切り替えに伴う移行措置をどうするかも課題となる。これまで未納だった人にも満額の基礎年金を支払えば、まじめに払っていた人との間で不公平になるためだ。
 払っていた人に、基礎年金のほかに上乗せ年金を支給する案もあるが、必要な税財源はさらに多くなる。
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基礎年金「全額税方式は困難」保険料方式は「未納」課題       
 2007年10月25日 読売新聞
 経済財政諮問会議の民間議員が25日の会合で、基礎年金をすべて国庫負担にして税で賄う「全額税方式」を導入した場合、公平性を確保しながら移行するには「困難な課題がある」と指摘した資料を提出することがわかった。
 資料は、全額税方式と現行の保険料方式について利点と問題点をあげ、国民に「選択肢」を示すことが狙いで、現行の保険料方式も未納者や未加入者が増えている「未納問題」の解決が課題だと指摘している。
 資料によると、全額税方式は、消費税率に換算して5~7%分(12兆円~16・3兆円)の財源を確保する必要があり、保険料を納付し終えた60歳以上の人に追加の税負担を求めたり、未納者に年金を支払うことも考えられる。このため、公平性を確保しながら制度を移行するには「困難な課題」があると指摘した。
 全額を税で賄うと生活保護の性格が強まるため、基礎年金と生活保護の違いをどう考えるかも課題にあげた。現行は労使で保険料を折半しており、全額税方式で不要になる企業負担分(3・7兆円)の取り扱いも問題点と指摘した。
 一方、保険料方式を維持した場合は、未納問題の解決につながらず、問題の先送りになることなどを指摘した。2009年度に国庫負担を現在の3分の1から2分の1に引き上げるのに消費税率1%分(2・5兆円)の財源が必要になるとの試算も示した。
 基礎年金 20歳以上60歳未満の国民すべてが加入することになっている公的年金。自営業者らが加入する基礎年金を国民年金と呼ぶ。会社員が加入する厚生年金や公務員が加入する共済年金の基礎部分にもなっている。25年以上の加入が受給条件で、保険料を40年間納めると月額約6万6000円が支給される。


2008年03月27日(木)  世界の穀物価額の狂乱

穀物価額の狂乱が続いている。
2月19日の終値で1ブッシェルあたり大豆12.6ドル、小麦10・7ドル、トウモロコシ5.3ドル。いずれもここ1年で2倍、小麦は2年で3倍にはね上がっている。

 米国産トウモロコシは07年度、エタノール向け需要が初めて輸出向けを上回った。レスター・ブラウンの「穀物争奪戦:スーパーマーケットとガソリンスタンドの戦い」にリポートされている通り「工業が食物を奪う」事態が現実化して来ている。

 エタノール問題のほかに、世界の穀物需給に重大な影響を与えるのは中国の穀物の輸入なのである。大豆の世界最大の輸入国である中国「07年度に日本の約8倍、過去最大の3400万トンの輸入を見込む」という規模なのである。

 米国のワールドウォッチ研究所(レスター・ブラウン所長)は2030年、世界は約5億トンもの穀物不足に陥ると予測している。その最大の原因は、中国の穀物輸入量が2億1600万トンに急増すると予測しているのだ。現在の世界の穀物輸出量は約2億トン。中国だけで消費してしまう計算で、世界の食料需給に中国の存在が大きな影響を与えるのである。

 中国は大豆を含めて食料の自給の向上こそ最大のテーマとすべきである。大豆を「日本の約8倍の3400万トンも輸入」するなどは、世界の食料の需給バランスを根本から崩すことになると思う。

参考記録・資料

農水省・輸入小麦、4月から30%引き上げ
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20080219

穀物争奪戦:スーパーマーケットとガソリンスタンドの戦い
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20070227

トウモロコシ・サトウキビで車が走る 
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20050614

食料危機は来るか
http://www.maff.go.jp/soshiki/koukai/keikaku/den-en/pamphlet/yutaka/b02/b02.html

 



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穀物マネー狂乱 家計を直撃
2008年03月20日

小麦などの穀物が高騰している。新興国の需要増とバイオ燃料ブームに加え、大量の投機マネーが価格を押し上げる。日本ではこの春、食品の値上げラッシュだが、こうした傾向は当面続きそうだ。
「高くても日本が買う」
 世界の穀物価格を主導する米国の商品取引所。春小麦市場は、品不足の中、1月末から11営業日連続で値幅制限の上限へ値上がりする「ストップ高」になり、「狂乱相場だ」と関係者を驚かせた。「いくら高くても日本が買う」とのうわさも飛び交い、2月25日には1ブッシェルあたり25ドルと、例年の5倍に達した。
 大手商社の米国担当者は2月下旬、取引先から「春小麦は高騰が早すぎて価格がつけられず、売れない」と告げられた。
 日本の農水省が買い付けた小麦を製粉業者へ払い下げる価格は4月に3割の値上げが実施されるが、市場価格の上昇幅ははるかに上回る。商社担当者からは「次回の価格改定がある秋にも大幅な値上げは避けられない」との声が上がる。
 相場を連日押し上げる主役のひとつがファンドマネー。サブプライム住宅ローン問題で株式市場が低迷し、小麦など価格上昇が見込める商品市場への資金流入が加速した。企業年金や生命保険などが経済指標に連動して運用する「インデックスファンド」。先物取引市場で売られた小麦の約35%はインデックスファンドが保有する。
 小麦が06、07両年に豪州など主要産地で不作に見舞われたことが高騰のきっかけだったが、より影響が大きいとされるのがバイオ燃料の元となるトウモロコシ。手厚い補助金を追い風に、世界が頼りにする米国産トウモロコシは07年度、エタノール向け需要が初めて輸出向けを上回った。エタノールに価格競争力がついており、「工業が食物を奪う」事態が現実化してきた。
 トウモロコシの生産が拡大した結果、小麦や大豆などの作付けが大幅に減り、穀物高騰の連鎖が始まった。
 シカゴ商品取引所では、主要穀物すべてが高騰している。19日の終値で1ブッシェルあたり大豆12.6ドル、小麦10.7ドル、トウモロコシ5.3ドル。いずれもここ1年で2倍、小麦は2年で3倍にはね上がった。日本では、パスタやカップめんから、マヨネーズ、ジュースに至るまで食品の値上げが止まらない。
 特に心配なのは生産が落ち込んだ大豆。07年度末在庫率は4.6%と、約半月分しかない歴史的な低水準となる見通しだが、大豆には世界最大の輸入国・中国の存在がある。中国は07年度には日本の約8倍、過去最大の3400万トンの輸入を見込む。「穀物が耕地を奪い合い、減産が見込まれるとすぐに高騰する状態は続く」と住友商事の担当者は話す。
 ■商社、自前集荷強化へ
 日本への穀物買い付けを担う各商社も、海外で安定供給に向けた投資を急ぐ。いま力を入れているのが、外資に依存しない自前の集荷能力の向上だ。
 飼料輸入シェアで最大手の全農は、米国トウモロコシの穀倉地帯・中西部にある集荷業者2社を買収した。穀物メジャーによる独立系業者の買収が相次ぐ中、「今決断しなければ、来年は売り手がないかも知れない」との危機感が背を押したという。
 三菱商事も、オハイオ州にある集荷業者を子会社化した。乱高下する相場に対応するための資金繰りが中小の集荷業者にとって負担になりつつあることから、「資金力のある商社が強みを発揮できる」(同社)とみる。
 日本企業で数少ない、100%出資の小麦集荷網を持つのが丸紅。米西海岸に近いポートランドの輸出基地では11万トンの貯蔵設備をさらに2.7万トン、増設する計画が進む。
 ブラジルの穀倉地帯、バイーア州などで計約10万ヘクタールの農場を経営する現地大手、マルチグレーンに、三井物産が25%を出資した。商社が農場経営に直接関与するのはあまり例がないという。

2008年03月26日(水)  第4回の社会の情報交換会を開く

 今日第4回の「社会の情報交換会」を開く。主催者を除く参加者13名全員が5~10分のスピーチをする。イメージしていた内容が現実のものとなって結実した。内容が充実していたので、第1グループの「社会の情報交換会」はすっきりと固まったといえる。小田慎治さんが第3グループ、遠藤大さんが第5グループの社会の情報交換会を主催することになっている。詳しくは省略
ここでは今日配布して案内を掲示します。

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         第4回社会の情報交換会のご案内

1、社会の情報交換会とは
社会の情報交換会とは「社会の情報を題材にしたスピーチの会」です。12~13名の方から毎月スピーチをしてもらう形式の「脳いきいき社会の情報交換会」です。スピーチに参加することに脳を活性化させようという趣旨の会合です。

2、情報の基礎
情報交換会はNPO法人生涯青春の会の理事長が毎日書いている『日々の映像』を主な題材として社会の情報交換を行ないます。その他の情報の発表も歓迎いたします。

3、情報交換会の内容
・スピーチをする人は、参加のつど持ち時間5分以内で毎回スピーチする。
・スピーチ終了後、スピーチをした人への質疑応答の時間を設けます。

4、会 場・開催日
・会場  ナレッジスクエア
新潟市西区善久760-1  (新潟日報正面右側・看板の表示あり)
・開催日 3月26日〔水〕 第4水曜日  19:30~
・参加者         10名~15名の小人数での開催です。

5、交換会の進行
*社会の情報に関するスピーチ     10人前後    約50分  
*スピーチした人に対する質問と懇談          約40分
 (開始前30分は名刺交換と交流会とします)

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燕での社会の情報交換会のご報告
1、会 場 
燕市 勤労者総合福祉センターあおぞら  燕市大曲3015
2、開催日 4月13日 13:30~15:00 終了後自由参加のコーヒータイム
3、問い合わせ  燕市山王淵714-11 燕支部幹事 小田慎治
E-mail seen-oda@utopia.ocn.ne.jp  
  携帯メ-ル seen.oda.0423@softbank.ne.jp
TEL 0256-66-2567  090-2955-6698
4、備考
 15名参加の情報交換会ですので、突然の参加はご遠慮ください。参加を希望される人は、小田慎治さんのE-mailに申し込んでください。


2008年03月25日(火)  ミクシイに参加して2年

友人のMOONさんに薦められてミクシイに参加したのは2006年の3月上旬でした。しかし実際に書き始めたのはコミ「高齢者福祉情報」を始めた3月26日であった。よって、今日で満2年になるが、ミクシイを通じて多くの友人知人が出来て、2年前では想像もできないほど人の輪が広がっている。

明日からミクシイ3年目に入るが、今後1年で今までの2年に相当する以上の人の輪が出来ていくように思う。ミクシイは民間会社であるが、コミュニケーションの輪を提供している点で社会の大きく貢献している企業である。私は私の立場で、社会に少しでも貢献したいと思っている。


ミクシイふたみ・・・・登録者             311名

2年間の累計訪問者人数             36050名               

コミ「高齢者福祉情報 」・・・・・登録者       1595名
http://mixi.jp/view_community.pl?id=698599
コミ「生涯青春の会」  ・・・・登録者          132名
http://mixi.jp/view_community.pl?id=695969
コミ「癒しの森 」 ・・・・・・登録者           110名          
http://mixi.jp/view_community.pl?id=726735
コミ「コミ・セミNET 」・・・・・登録者          224名
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1729733

コミ「高齢者福祉情報資料室」・・・・登録者      62名         
http://mixi.jp/view_community.pl?id=2437079
コミ「健康情報」 ・・・・・登録者           29名
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1643187

 
4月に入ってからコミュニテイ「ヘルシー・ライフ」をスタートさせる予定です。名前の通り「健康な生活」をしていく上での必要な情報を集録していきます。書籍・化学薬品無添加商品の紹介などお役立ち情報を掲載していく予定です。



2008年03月24日(月)  若年性認知症


「生涯青春の会」発足の原点となったのは、2005年に「癒しの森」で以下のことを記述したことがきっかけであった。詳しくは省略するが認知症は、生活習慣病が主要原因であるので「認知症になるな!」の旗を掲げて活動をして今日に至っている。

ボケ老人になる原因 (2005年3月30日の癒しの森から)
http://www.enpitu.ne.jp/usr3/bin/day?id=30290&pg=20050330

老人性痴呆は生活習慣病である(2005年4月4日の癒しの森から)
http://www.enpitu.ne.jp/usr3/bin/day?id=30290&pg=20050404

3月22日の読売新聞に若年性認知症に関する報道があった。このテーマはここで何回も書いてきたが、情報を提供する意味で以下の報道をエンピツに収録した。

若年性認知症については、旧厚生省の研究班が1996年度にアンケート調査を実施、全国の患者数を2万7000~3万5000人と推計している。その後12年を経過しているが、現在の若年性認知症の患者数は分かっていないが、推定10万人という見方がある。若年性認知症は65歳未満の患者で、働き盛りで発症するため本人・家族の精神的、経済的負担は深刻なことは、ここでいうまでもない。

2005年3月30日に書いた「ボケ老人になる原因」の中で、金子先生の言葉の一部を引用します。 
1、ボケになるかならないかはその人の「生き方」によって左右されます。
2、「どういう人がボケやすいのでしょうか?」と質問されたら、私は迷わず「感性の乏しい人」と答えます。
3、脳は体の筋肉などと同じで、使わなければその分確実に衰えていきます。

 過日若年性認知症について懇談した時「日本で最も若い認知症は38歳」であったとの話が出ていた。

若年性認知症 患者に働く場
地域で支え 生き生きと
2008年3月22日 読売新聞
各地に「家族会」 情報共有
働き盛り「若年性」 手薄な介護
2007年12月4日 読売新聞
専門医診断 患者数推計、支援策探る
  2006年12月13日 読売新聞

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若年性認知症 患者に働く場
地域で支え 生き生きと
2008年3月22日 読売新聞
 若年性認知症の患者を地域で支える動きが少しずつ広がっている。「社会に役立ちたい」という患者の願いに応え、仕事や生きがい作りにつなげようと、さまざまな工夫をこらしている。

 東京・町田市のデイサービスセンター「おりづる苑せりがや」は毎週土曜日、若年性認知症の患者だけが利用する“おりづる工務店”に早変わりする。
 工務店の仕事は、市内の8保育園と提携した掃除やペンキ塗り。午前10時、出勤するとタイムカードを押す。登録しているのは男性6人。みな名刺を持つ。この日は、床のワックスがけと通用口の清掃の依頼があった。同苑管理者の前田隆行さんは「働き盛りで発症した人たちばかり。実際にはお金にならないボランティア活動だが、なるべく仕事の雰囲気を出すよう努めている」と話す。
 一般に高齢者のデイサービスセンターでは、室内でゲームなどをすることが多い。ところが、若年認知症の利用者は「まだ体が動く」「社会経験を生かした仕事をしたい」という意識が強く、高齢者と一緒のゲームにはあまり興味を持たないという。
 そこで、同苑では、保育園の協力を得て、昨年1月から工務店を始めた。利用者の要介護度は3~4だが、みな自分のペースで働き、「仕事は楽しい」と話す。家族からも、「家の中でぼんやり座っているばかりだったが、工務店に通うようになって表情が明るくなった」「一日の出来事を自分から話すようになった」といった声が上がる。
 前田さんは「将来は賃金がもらえる仕事ができるように発展させたい」という。「おりづる工務店」の活動は、さわやか福祉財団理事長の堀田力さんら専門家でつくる「認知症になっても安心して暮らせる町づくり100人会議」から、先駆的な活動として今月、表彰された。
 こうした活動は広がり始めている。東京・新宿区にある支援施設「ジョイント」は、NPO法人「若年認知症サポートセンター」が昨秋に開設した。公園の清掃や、ちらしの封筒入れなど「就労型」活動を行っている。
 認知症介護研究・研修東京センター主任研究主幹の永田久美子さんは「ちょっとした工夫や支援で、若年性認知症の人たちも地域でいきいきと暮らすことができます」と話している。
 若年性認知症 65歳未満で発症する認知症。働き盛りで発症するため本人・家族の精神的、経済的負担は大きい。患者は全国で数万人いるとみられている。
(2008年3月22日 読売新聞)――――――
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各地に「家族会」 情報共有
働き盛り「若年性」 手薄な介護
2007年12月4日 読売新聞
 働き盛りの人がかかる若年性認知症。患者数が少ないことなどから遅れてきた支援体制の整備が、少しずつ進み始めた。支援の第一段階とも言うべき「家族会」も、各地で設立されている。(中館聡子、写真も)
共感の場

支援する人々と近況について話す中村さん夫妻(左の2人)=北海道北竜町で
 「同じ境遇の家族と出会い、今やっと、『何も心配しなくてもいいよ。楽しく過ごそうね』と、夫に言えるようになりました」
 昨秋発足した「北海道若年認知症の人と家族の会」(札幌市)が11月10日、北海道旭川市で開いた「若年認知症フォーラムinあさひかわ」。認知症の夫(62)を持つ中易(なかやす)節子さん(58)は、皆の前でそう語った。
 夫がアルツハイマー病と診断されたのは2002年夏。当時57歳だった自動車整備工の夫は、「日報を付ける時、日を間違えてしまう」など、仕事のミスをよく話すようになっていた。渋る夫を説得して脳外科を受診した。
 「このころが一番つらかった」と中易さん。夫は58歳で退職し、退職金を取り崩して暮らす日々が始まったが、どこに相談していいか分からず、ただ夫を見ていた。昨年、患者の家族と知り合い、悩みを打ち明けて気持ちが落ち着いた。障害年金の手続きや受け入れてくれる施設など、必要な情報を教えてくれたのもありがたかった。
 「兄弟に借金して何とか生活してきたが、今後を考えると不安」「私自身もうつ状態になり、自殺まで考えた」――。この日集った10人の家族は、それぞれに悩みを語った。同会では、こうした集いを2か月に1回開いている。木村邦弘会長(62)は「参加者が『初めて思いを話せた』などと満足してくれる場になれば」と話す。
重い負担

介護の大変さや経済的な悩みなどについて語り合う家族ら=北海道旭川市で
 65歳未満で発症する若年性認知症。記憶障害などにより日常生活が困難になり、国内には約4万人の患者がいると推計されている。社会の一線で活動していた人が発症することが多く、精神的、経済的負担が本人と家族に重くのしかかる。
 若年性であっても介護保険は使えるが、サービスは高齢者向けがほとんど。中には若年性の人の受け入れを拒否する事業所もあり、公的な支援はまだまだだ。
 こうした中、当事者らが助け合う家族会が、各地で発足している。01年、奈良県と東京都で結成されたのを手始めに、昨年は若年性認知症をテーマにした映画「明日の記憶」の公開もあり、北海道や群馬県で相次いで誕生。現在、全国で少なくとも10グループが活動、千葉県など複数の地域で設立の準備が進んでいる。
 多くの家族会の設立にかかわってきた宮永和夫医師(新潟県南魚沼市立ゆきぐに大和病院長)によると、家族会は、同じ悩みを持つ人同士の共感からもたらされる癒やしの場であり、できるだけ早く現実を受け止める環境を整えるための学習の場でもある。
 宮永院長は、「本人と家族だけでなく専門家もかかわり、それぞれがやれることをやっていくことが大事」と訴える。
地域とともに

 地域を巻き込む試みも登場している。北海道北竜町の家族会「空知ひまわり」は、この夏東京から患者の中村信治さん(58)の一家が引っ越してきたのをきっかけに、11月に結成された。「施設での対応は難しい面もあり、在宅生活を支える地域ケアの充実が必要だと考えた」と、同町出身の発案者で東京の家族会「彩星(ほし)の会」代表の干場功さん(68)は話す。
 同町では、04年に現職町長が若年性認知症を理由に辞職したことなどもあり、町民の理解が深い。家族会は、支援者となる賛助会員を含めて10人前後。今月中旬には町民対象の勉強会を開き、将来的には患者や家族を支える町民サポーターを育成したいという。
 中村さん一家は現在、妻の博子さん(44)が町内の特別養護老人ホームで働き、中村さん自身も同ホームのデイサービスに通う。「病気を隠さず、昼間、夫が外に出ても安心していられるのがありがたい」。町内の中学に通う長女を含め、一家の表情は明るかった。
主な家族会の連絡先
彩星の会(東京都)03・5919・4185(月・水・金曜日のみ)
朱雀の会(奈良市)0742・47・4432
愛都(アート)の会(大阪市)06・6972・6491
▽北海道若年認知症の人と家族の会(札幌市)090・8270・2010(木曜日のみ)
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専門医診断 患者数推計、支援策探る
 2006年12月13日 読売新聞
厚生労働省は、65歳未満で発症する若年性認知症について、初の本格的な実態調査を行うことを決めた。今年度中に3県で先行調査を実施、2007年度以降、約10の都道府県に拡大する。
 専門医の確定診断に基づき、全国の患者数を推計するほか、医療・介護保険の利用状況を把握し、支援のあり方を探る。
 若年性認知症は記憶障害を中心とする病気で、アルツハイマー病や脳血管障害などが原因となる。働き盛りや子育て中に発症するため、本人や家族の経済的、精神的負担が大きいが、高齢者に比べると、受け入れ施設は少なく、公的な支援は十分に整っていない。
 調査は、厚生労働科学研究の「若年性認知症の実態と対応の基盤整備に関する研究」(主任研究者=朝田隆・筑波大大学院教授)で、今年度は、群馬、茨城、愛媛の3県で実施する。患者が受診する医療機関や、デイサービスセンター、民生委員などを通じて、対象となる疑いのある患者を把握。若年性認知症にあたるかや、詳しい病名を専門医が確定診断する。さらに、本人や家族から、生活や介護の様子や悩みなどを聞き取る。
 若年性認知症については、旧厚生省の研究班が1996年度にアンケート調査を実施、全国の患者数を2万7000~3万5000人と推計している。
(2006年12月13日 読売新聞

2008年03月23日(日)  犯罪の匂いが高い年金記録消滅


 年金問題に次の2つの問題がある。
1、年金の受領記録があるが誰のものが分からない。特定は出来ない記録は3000万件の達する

2、国民年金の加入者が保険料納付の証拠となる領収書を持っているのに、社会保険庁のコンピューターにも原簿の手書きの紙台帳にも一切記録がない「消えた年金」が、1541件に達している。

 総務省の年金記録問題検証委員会は、「保険料着服事例を調査した結果、『横領事案等が伏在する可能性は否定できない』と、職員による着服事例が多数に上る可能性を指摘している。」これほどの信用失墜の事態があうだろうか。国民は納めた年金の領収書はありが、国庫の納付されていないのだ。

 政府が国民の信頼を少しでも取り戻したいと考えるのであれば、横領事件の立件のため数百人単位の捜査チームを投入すべきである。

年金記録:1541件消滅…照合で回復困難
2008年3月22日毎日新聞 
年金3000万件、特定は困難か
2008年3月16日 読売新聞)
不明年金記録『公約遂行と国民だれ一人信じない』 野党は批判 責任追及へ
2008年3月15日 朝刊
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年金記録:1541件消滅…照合で回復困難
毎日新聞 2008年3月22日
 国民年金の加入者が保険料納付の証拠となる領収書を持っているのに、社会保険庁のコンピューターにも原簿の手書きの紙台帳にも一切記録がない「消えた年金」が、少なくとも1541件に上ることが21日、分かった。コンピューター上の記録が消えた例も6978件に達し、改めてずさんな記録管理の実態が明らかとなった。同庁は4月以降、コンピューターと紙台帳の照合作業に着手するが、どちらにも記録が残っておらず、照合だけでは回復が難しい年金記録が大量に存在することを裏付けた。
 社保庁によると、06年8月~07年12月の年金記録に関する相談受付件数は約731万件。うち、コンピューターには納付記録がないが、手書き台帳に記録が残っているなどして納付が認められたのが6978件。中でも本人は領収書を保管しているのに、公的記録が一切残っていない例が1541件(07年9月時点)あった。同庁は06年12月時点の集計でこの例を55件と公表しており、9カ月で30倍近くに達した。
 記録が消える原因は入力漏れや原簿の紛失などだが、総務省の年金記録問題検証委員会は、27件の保険料着服事例を調査した結果、「横領事案等が伏在する可能性は否定できない」と、職員による着服事例が多数に上る可能性を指摘している。
 「消えた年金」は、コンピューター上の記録が誰のものか分からない「宙に浮く年金」とは別問題。1541件のケースは本人が領収書を保管していたために記録が訂正されたものの、昔の領収書を残している例はまれで、消えた年金の実数ははるかに多いとみられる。証拠がない場合、総務省の年金記録確認第三者委員会に申し立てるが、これまで受け付けた4万5600件中、処理を終えたのは全体の9.1%、4150件にとどまっている。【大場伸也、野倉恵】
毎日新聞 2008年3月22日 2時30分
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年金3000万件、特定は困難か
2008年3月16日 読売新聞)
 該当者不明の約5000万件の年金記録の名寄せ結果で、社会保険庁が14日に、持ち主の特定が困難な「未解明な記録」とした2025万件以外にも、多数の特定困難な記録が存在する可能性が高いことが15日、明らかになった。
 社保庁が「死亡した人」の記録などとして、一定の解明ができたと分類した記録の中にも、さらに検討が必要な記録が数多くあるためだ。与野党双方から、「実際の特定困難な記録は、全体の6割の3000万件程度に達する可能性がある」との見方が出ている。
「死亡」記録の再検討必要
 社保庁は14日、5000万件の名寄せの結果を〈1〉持ち主の特定が困難で、今後解明を進める2025万件〈2〉死亡した人などの記録として、一定の解明が済んだ1898万件〈3〉持ち主が特定される可能性がある1172万件――に3分類して発表した。〈2〉と〈3〉を合わせた約3000万件について舛添厚生労働相は14日、「(記録の中身が)明白になった」と強調した。
 だが、〈2〉に分類された「死亡した人などの記録」は、遺族からの死亡の届け出によって判明したものだ。社保庁は「死亡の届け出の際、年金記録の処理も終わったはずだ」とみなして、「解明済み」の記録に分類したが、実際には、遺族が宙に浮いた記録の存在に気づかず、処理されなかった可能性が高い。該当するのは約315万件に上ると見られる。
 民主党の長妻昭政調会長代理は、「本来の年金を受け取れずに亡くなった人の記録が相当数含まれているはずだ」と指摘する。昨年7月に施行された年金時効撤廃特例法により、未支給の年金は、配偶者だけでなく、生計を共にしていれば、子や孫も含めた遺族が全期間分をまとめて受け取れることになっており、社保庁は、持ち主の遺族を特定する義務がある。
 また、社保庁は、同一人物とみられる記録が複数ある場合、「1件の持ち主が名前や生年月日で特定できれば、残りも自動的に特定できる」と説明。特定困難な記録として、まとめて「1件」として分類した。
 しかし、それらが同姓同名の別人かどうかの確認はしておらず、自民党の年金行政改革議員連盟(会長=中川秀直・元幹事長)は、「本来は、複数の記録を、すべて特定困難な記録に算入すべきだ」と疑問視している。このような複数記録は479万件に上るという。
(2008年3月16日 読売新聞)
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不明年金記録『公約遂行と国民だれ一人信じない』 野党は批判 責任追及へ
2008年3月15日 朝刊
 野党各党は十四日、「宙に浮いた」年金記録約五千万件の四割に当たる二千万件以上が解明できていないことが判明したことを受け、昨年の参院選で与党が訴えた「三月末までに五千万件の名寄せを終える」との公約に違反するとして一斉に批判した。
 民主党の鳩山由紀夫幹事長は記者団に「参院選で政府・与党は『一人残らずきちんと照合する』と聞こえる発言を繰り返したが、あまりにもひどすぎる結論だ」と指摘。
 さらに、町村信孝官房長官が「公約は遂行してきた」との発言したことに「公約が果たされたと信じている国民はだれ一人いない」と反論した。
 社民党の重野安正幹事長は記者会見で、「福田首相、舛添要一厚生労働相の政治責任は非常に重い」と、首相らの責任論に言及。
 国民新党の亀井久興幹事長も記者団に「言ったことと結果が違ったことについて、政治責任はある」と強調した。
 野党側はもともと、年金記録不備問題が、名寄せ期限の三月末を控えたこの時期に再燃するとみており、満を持しての批判再開。特に、福田内閣を「四月解散」に追い込みたい民主党にとって、ガソリン税(揮発油税など)の暫定税率問題に加え、格好の批判材料を手中にした形だ。
 同党の簗瀬進参院国対委員長は記者会見で「道路、年金、あたご(イージス艦と漁船の衝突事故)は(参院予算委員会の)集中審議で厳しく、詳細に追及していく」と、政府・与党を徹底的に揺さぶる方針を表明した。

2008年03月22日(土)  米国のイラク開戦から5年、大義はどこにもなかった

 2003年3月20日米英両国軍がイラクの首都バグダッドに激しい空爆とミサイル攻撃を加えてイラク戦争が始まった。フセイン政権はわずか20日後に崩壊した。米国にとっての泥沼はここから始まった。米国がイラクを支配したと言っても所詮は点(都市)と線(道路)でしかない。それは、イラク政権崩壊後の米軍兵士の死者4000人が証明している。

 ブッシュ大統領は「イラクは大量破壊兵器を保有している」「フセイン政権は国際テロ組織アルカイダと連携している」と言ってイラク戦争に踏み切ったのである。この情報のいずれもが、ほかならぬ米国の公式報告で覆されたのだ。すなわち、イラク攻撃の大義などなかったのだ。そして、米国を泥沼に落とし入れたブッシュ大統領ら指導層に、その自覚がないのだから深刻だ。政権が変わることを期待するしかない。

イラク開戦5年 米国の過ちに何を学ぶ
     2008年3月20日日報社説
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イラク開戦5年 米国の過ちに何を学ぶ
     2008年3月20日日報社説
 
二〇〇三年三月二十日、米英両国軍がイラクの首都バグダッドに激しい空爆とミサイル攻撃を加えてイラク戦争が始まった。フセイン政権はわずか二十日後に崩壊した。

 五月一日、ブッシュ米大統領は「大規模な戦闘は終結した」と述べ、事実上の勝利宣言を行った。しかし、イラクでの泥沼の戦闘はここから本格化したといっていい。

 バグダッドでは今月に入ってからも死者数十人を出す大規模な爆弾テロが相次いでいる。世界保健機関(WHO)が今月発表した資料によれば、開戦からの三年間でテロや宗派抗争、米軍の攻撃などに巻き込まれて亡くなったイラク人は十五万人を超える。

☆大義はどこにもない

 〇七年以降も年間二万人前後が死亡していると推定され、実際どれほどの人が犠牲になったのかは不明である。犠牲者の増加は、米国に対する憎しみとなって跳ね返る。一方で米軍兵士の死者は四千人に迫る。

 イスラム教シーア派とスンニ派の対立抗争は収まらず、北部のクルド人支配地域をめぐってはトルコが軍事介入する事態となっている。これが開戦から五年を迎えたイラクの実相だ。

 「イラクは大量破壊兵器を保有している」「フセイン政権は国際テロ組織アルカイダと連携している」。ブッシュ大統領がイラク戦争に踏み切った理由である。そのいずれもが、ほかならぬ米国の公式報告で覆された。イラク攻撃の大義などなかったのだ。

 ブッシュ大統領やチェイニー副大統領は開戦五年に当たって「フセイン政権を排除したのは正しかった」「イラクでの困難な試みは成功した」とイラク攻撃の正当性と成果を強調する。

 イラク戦争で米国を支持、支援しブッシュ大統領を擁護した世界主要国の指導者は、ほとんどが一線を退いた。各国のイラク派遣軍も縮小の一途だ。明らかに米国は孤立を深めている。

☆複雑化する対立構図

 来年一月にはブッシュ大統領は退陣する。自らが始めたイラク戦争に決着を付けられないまま去ることは確実である。これだけでも十分に不名誉だ。大統領がいまなすべきは、「間違った戦争だった」と認めることだ。

 その上でイラクからの段階的撤退に道筋を付けなければならない。米軍なしでイラクの治安を維持するのは不可能に近い。イラク軍は弱体だし警察力も整備途上である

 宗派対立はより複雑になっており、政府の抑えが利かない。スンニ、シーア両派では内部の権力闘争が始まっている。ここにイランやアラブ諸国の思惑が絡まる。混迷する中東情勢を一層悪化させる要因が潜在しているのだ。

 米国はイラク戦争で高まった中東の反米感情に気付かねばならない。タカ派のチェイニー副大統領らは、核問題を抱えるイランへの武力攻撃の選択肢を捨てていないとされる。あくまでイラク戦争を正当化し、教訓を学ぼうとしない姿勢は理解し難い。

 大義を欠いた戦争を可能にしたのは、9・11米中枢同時テロの衝撃波である。テロ攻撃の直後、ブッシュ大統領は「これは戦争だ」と規定した。先制攻撃論を振りかざし、テロ組織の根絶やし作戦に踏みだした。

 この対テロ戦争論こそが、逆に世界中にテロ分子をばらまいた根源とはいえないか。〇一年にタリバン政権が崩壊したアフガニスタンでは、いまだにテロ組織が暗躍し、多国籍軍を悩ませている。テロとの戦いは戦争で終結することはないという証左だろう。

 世界がイラク戦争から学ぶべき点もまさにそこにある。武力による鎮圧では最終的な解決にはならない。民生を支援し、真に民主的な政府の樹立を手助けすることこそ、テロ組織の活動を封じ込める近道である。

☆力の政策から対話へ

 米国はかつてのイラクやイラン、北朝鮮を「テロ支援国家」と位置付ける。口実さえあれば直接的な攻撃も辞さない構えだ。唯一無二の軍事超大国である米国が、このような方針を掲げていては世界の安定は望めない。

 日本政府はイラク戦争の大義を認め、自衛隊を派遣して復興支援まで行った。福田康夫首相は大量破壊兵器が存在しなかったことやアルカイダとフセイン政権を結び付ける確たる証拠がなかったという米国の報告書をどのように受け止めているのか。

 イラク戦争以来、テロ組織は全世界に拡散してしまった。パンドラの箱を開けた米国の責任は重大だ。アフリカやアジア、中東など、貧困と圧政が存在する地域にテロ組織は寄生する。これらの国や地域をどう再生するか。イラクをそのモデルとしたい。

 イラク戦争は米国の威信を大きく傷つけた。ブッシュ大統領ら指導層にその自覚がないだけに問題は深刻だ。手前勝手な「正義」を他国に押しつける愚に気付くときだ。

 米国民の多くがイラク戦争を「間違いだった」としているのが救いである。ブッシュ大統領はいつまで裸の王様でいるつもりなのか。

イラク戦争は米国の威信を大きく傷つけた。ブッシュ大統領ら指導層にその自覚がないだけに問題は深刻だ。

2008年03月21日(金)  日銀総裁空席:政治の深刻な機能不全


 5大新聞の社説が総て同じ問題を取り上げるのは珍しい。それだけ日銀総裁空席の問題は大きな問題なのだ。少なくとも日本銀行総裁のいすが空席になったことは、前代未聞の異常事態なのである。

何よりも、日銀総裁という重要な人事が決められないという事実が、「必要な政策決定ができない福田首相」と言う烙印を押された感じである。この問題で民主党を批判する論調もある。しかし、福田首相自身が日銀総裁の人事問題の早期決着を図らなくてはならない。総裁人事案を、改めて練りあげ、野党の理解を得る努力が必要なのではないか。

多くの視点は社説の通りであるが、日銀総裁も決められない政治の機能不全は深刻である。加えて今月末で期限が切れるガソリン税の暫定税率の成立のメドが立たず、4月以降、ガソリン価格や予算執行面で大混乱が予想される。いったい、この国の政治はどうなっていくのだろう。


混迷政治―福田さん、事態は深刻だ
                  2008年3月20日 朝日新聞社説
日銀総裁人事 一日も早く空席を埋めよ
            2008年3月20日・読売新聞社説
日銀総裁空席 政治の罪はきわめて重い
                2008年3月20日毎日新聞社説
総裁空席が示す政治の深刻な機能不全
       2008年3月20日経済新聞 社説
日銀総裁空席 日本がつぶれてしまう 
            2008年3月20日 産経新聞社説

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混迷政治―福田さん、事態は深刻だ
                  2008年3月20日 朝日新聞社説
 日本銀行総裁のいすが空席になった。世界経済が揺れるなか、前代未聞の異常事態である。
 直接の引き金をひいたのは民主党など野党の反対だ。参院の採決で、元大蔵事務次官の田波耕治氏の起用に同意しなかった。だが、そもそもの原因は福田首相の手際の悪さにある。
 民主党の対応には首をかしげるところがあったにせよ、同意を得られる人事案を出せなかった結果責任は首相が負わねばならない。2度も失敗した見通しの甘さが自らの首を絞めてしまった。
 振り返れば、福田氏が首相になってからのこの半年、政治の停滞ぶりは目を覆わんばかりだ。
 前半の3カ月余は、インド洋での給油活動の継続・再開の問題に費やされた。後半の3カ月は、ガソリン税の暫定税率と道路特定財源をいかに死守するかにきゅうきゅうとしている。政治はほとんど前に進んでいないのではないか。
 年度内に決着させるはずの道路財源の問題は、あと10日ほどしかないのに野党との修正協議はまだ始まってもいない。「国民生活は混乱させない」と言っていたのに、結局、時間切れで4月からガソリンの値段が下がる公算が大きい。衆院での与党の多数を使って、再び増税するつもりなのだろうか。
 「日銀総裁の空白は許されない」と言いながらしくじったのと、まったく同じていたらくになりそうだ。
 悪いのは参院で足を引っ張る野党の方だ、と首相は言いたいのだろう。だが、それは政権を引き継いだ時から覚悟すべき現実ではなかったか。
 参院で多数を失った以上、かつてのようにことが進まないのは当然だ。ある戦線では大胆に兵を引き、別の戦線では徹底的に持ちこたえる。そんなメリハリの利いた戦略判断が大事なのに、この政権にはそれがほとんど感じられない。
 迷走ぶりでは民主党も負けていない。
 小沢代表が大連立に色気を見せたかと思えば、今度はあらゆる課題で政府与党との「対決」を叫び出す。日銀人事をここまでこじれさせた一因には、武藤敏郎副総裁の昇格に同意するかで揺れた党内事情もあったのではないか。
 日本の政治はなぜ、こんなことになってしまったのか。この異様な行き詰まりを打開するには衆院の解散・総選挙しかないのではないか。そんな思いを抱く国民は多いに違いない。
 福田内閣が発足した日、私たちは「1月解散のすすめ」と題した社説を掲げた。首相はできるだけ早く国民に信を問い、政権の正統性を確立しなければ、自信をもって政治の運営には当たれまい。そんな趣旨だった。
 さもないと政治の身動きがつかなくなる恐れがある、と感じたからである。
 その危惧(きぐ)が現実のものとなってきた。日本への世界の失望も深まるだろう。事態の深刻さを首相は直視すべきだ。
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日銀総裁人事 一日も早く空席を埋めよ
(3月20日付・読売社説)
 
日本銀行の総裁の座が戦後初めて、空席になった。この深刻な事態を招いた政治の機能低下は、目に余るものがある。
 世界の金融市場は、危機的な状況にある。一日も早く、新しい日銀総裁を決定しなければならない。
 19日で任期切れを迎えた福井俊彦日銀総裁の後任に、田波耕治・国際協力銀行総裁を充てる政府の人事案が、参院で民主党などの反対多数で否決された。
 この結果、空席となった総裁の職務は、衆参両院の同意を得て副総裁に就く白川方明・京大教授が代行する。
 「代行でも、日本の金融政策遂行に問題はない」「総裁人事問題が長期化することは、やむをえない」といった見方がある。だが、これは、無責任というものだ。
 「代行」の立場で、金融システム危機などの緊急時に、迅速で大胆な政策対応ができるのか。代行が長引けば、市場は金融政策の先行きが不透明だと受け止め、日銀への信認を低下させる。
 先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)など、国際舞台における日本の発言力も損ねてしまいかねない。
 何よりも、日銀総裁という重要な人事が決められないという事実が、「必要な政策決定ができない日本」というイメージを増幅させてしまう。
 福田首相は、難航を続ける日銀総裁の人事問題の早期決着を図らなくてはならない。総裁人事案を、改めて練りあげ、野党の理解を得る必要がある。
 首相が提示した日銀総裁の同意人事案は、2度にわたって葬られた。「不同意」とした野党は、「総裁不在」がもたらすこうした“負の事態”に、責任を分担しなければなるまい。
 特に、これを主導した参院第1党の民主党の責任は重い。
 民主党は、現在の国際金融危機をどこまで認識し、これに対処するには、日銀総裁としてどんな人材が適任と考えているのか。
 首相の提示した人事案に対し、その候補者の資質や能力、志向する金融政策などについて十分吟味したのだろうか。
 「財務省出身者だから」などという、説得力に欠ける反対理由を挙げるだけでは、政治の責任は果たせまい。
 日銀総裁人事は、与野党が責任を持って、決定しなければならない人事だ。これ以上、政争の具とすることなく、「同意」へ知恵を働かせるべきだ。

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社説:日銀総裁空席 政治の罪はきわめて重い
                      毎日新聞 2008年3月20日
日銀総裁人事は再び白紙に戻り、空席が現実になってしまった。日銀は日本の経済運営の根幹に位置し、海外からも動向が注視されている。そのトップが不在となる。こうした状況をつくってしまった政治の罪は重大だ。
 元財務事務次官の武藤敏郎副総裁の総裁昇格に続き、田波耕治国際協力銀行総裁の起用も、参院で不同意となった。
 政府は、副総裁への起用で新たに同意を得た西村清彦日銀審議委員と、すでに同意を得ている白川方明(まさあき)京都大大学院教授を副総裁に任命し、総裁職は白川氏が代行する。
 米国の住宅バブル崩壊による金融市場の混乱は、深刻の度をますます深め、大手証券会社の破綻(はたん)回避のため米連邦準備制度理事会(FRB)が乗り出すという事態にまでなっている。
 金融システムが危機に陥る事態を回避するため、主要国の中央銀行は密接に連絡を取り合って、事態に臨んでいる。そうした緊迫した状況の中で、日銀総裁が空席になってしまった。
 日銀総裁が当面不在でも支障はないという声がある。しかし、中央銀行は、信用秩序の根幹であり、その存在をおとしめてはならないというのは、根本的な原理のはずだ。
 そうした冷笑主義的なあきらめが堆積(たいせき)していけば、日本の危機は深まるばかりだろう。
 争点となった財政と金融の分離は、中央銀行が政治に巻き込まれ、国益を大きく損ねてしまったという手痛い過去の経験からきている。その結果、政治の圧力が日銀に及ばないようにするため、財金分離の原則が重視されるようになった。
 しかし、日銀の運営にとって重要なトップ人事が今回、政争の具となり、泥だらけにされてしまった。日本の中央銀行の権威は、例のないほど手ひどく損なわれてしまった。
 同時に、中央銀行の独立性について、政治がまったくわかっていないことも明白になった。
 与野党とも互いに責任をなすり付けているが、日本の政治システムに向けられた不信について、もっと深刻に受け止めるべきだ。
 福井俊彦総裁は任期満了となった。金融市場の混乱という要因もあるが、金利機能の正常化には、もっと早くから取り組むべきだったのかもしれない。白川氏には、その点も総括して、総裁代行の職責を果たしてもらいたい。
 与野党の攻防は、今月末に暫定税率が期限を迎える道路特定財源の取り扱いに移るが、4月には先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開かれる。
 世界経済の見通しは厳しくなっており、次回のG7は特に重要だ。その席に出る日銀総裁が「代行」でいいはずがない。
 空席という事態を早急に解消すべきだ。
毎日新聞 2008年3月20日 0時04分
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社説1 総裁空席が示す政治の深刻な機能不全
2008年3月20日経済新聞
 日銀総裁も決められない政治の機能不全は深刻な事態である。国際金融情勢が緊迫する中、総裁は異例の空席となり、副総裁の白川方明氏が当面、総裁職を代行する。今月末で期限が切れるガソリン税の暫定税率についても成立のメドが立たず、4月以降、ガソリン価格や予算執行面で大混乱が予想される。福田康夫首相は窮地に立たされている。

 参院は先に政府が提示した武藤敏郎副総裁の総裁昇格案を否決したのに続き、19日の本会議で田波耕治国際協力銀行総裁を日銀総裁とする人事案を否決した。人事案が2度も否決され、福田政権は大きなダメージを受けた。日本の国際的な信認の低下も懸念される。

 武藤氏と同じ財務省次官経験者を再び提示した福田首相の判断力や政治センスに与党内からも疑問の声が出ている。ねじれ国会の現実が厳しいのは確かだが、福田首相に強い指導力や果敢な決断力が感じられないのは残念である。

 参院の主導権を握る民主党は「財政と金融の分離」「財務省と日銀のたすき掛け人事に反対」などの理由で人事案を否決した。民主党の反対理由にも一理あるが、今は国際的な金融有事である。日銀総裁空席の事態をつくってまで反対するのは行き過ぎである。民主党の対応は無責任であり、福田政権を窮地に追い込むためだけに日銀人事を混乱させているとみられても仕方あるまい。

 福田政権には日銀人事に続いて、道路財源問題が大きな試練としてのしかかっている。ガソリン税の暫定税率を含む租税特別措置法案は参院でいまだに審議が行われず、月内の成立は時間的にも厳しくなってきた。暫定税率が3月末で期限切れとなり、新年度入りする4月以降、ガソリン価格引き下げをめぐる混乱や、国と地方の財政に穴が開くなどの支障が現実味を増しつつある。

 事態打開には道路特定財源の修正協議で与野党が月内に合意することが不可欠である。道路財源の無駄遣いに対する世論の怒りは頂点に達しつつある。自民党は今こそ道路族議員の抵抗を排し全額一般財源化に踏み出すべきであり、首相は不退転の決意で党内をまとめる必要がある。

 民主党は暫定税率廃止を掲げて期限切れに追い込む構えだが、自民党が真剣な修正案を提示してくれば、話し合いに応じて修正に動くべきである。年度内に結論を出すという衆参両院議長のあっせんをほごにしてはならない。安易な強硬路線や政局優先主義は参院第一党としての責任放棄である。

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【主張】日銀総裁空席 日本がつぶれてしまう 政治混乱の拡大食い止めよ
2008.3.20 産経新聞
 日本は、政治の無策と鈍さゆえに国難ともいえる事態を招いてしまった。日本銀行総裁が空席という戦後初めての異常な状況を現出させた責任は、福田康夫首相と小沢一郎民主党代表にある。
 「空席」という結果責任から首相は免れない。一連の人事の迷走は統治力に疑問符が付けられた。他方、小沢代表はこの問題を政争の具として利用し続けた。「日本売り」への危機感もみられず、無責任というそしりは免れない。
 両氏は総裁の空席を1日でも短くするよう協議して事態を収拾するのが責務である。
 しかも、この政治の混乱と混迷は日銀人事にとどまらず、道路特定財源問題や揮発油(ガソリン)税の暫定税率の取り扱いなどにも波及する様相だ。そのつけを負うのは国民である。国民の利益を守るための打開策を自民、民主両党に強く求めたい。このままでは国がつぶれてしまう。
 ≪侵された日銀の独立性≫
 総裁不在は経済に悪影響を与えるだけでなく、国際的な信用も失う。なぜなら、日銀は「通貨の番人」として、日本の物価の安定と金融システムの維持に責任を負っているからだ。
 その最高責任者の不在は戦後、例がない異常事態である。しかも、政争の結果、空席となったわけで、海外から政治の介入で日銀の独立性が侵されたと受け止められるのは必至だろう。
 日本経済を取り巻く状況は不安定さを増している。低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題で、米国景気には後退懸念が出ている。ドル安も止まらない。
 これに伴う円高は、日本の輸出企業の収益を直撃する。企業業績の悪化は、個人の所得を減らし、消費を冷やそう。
 日銀は当面、白川方明新副総裁が総裁代行として政策委員会の議長を務めることになる。日銀きっての理論派として金融政策に精通しているとはいえ、対外折衝の面での力量は未知数だ。
 4月中旬には先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が予定されている。経済大国としての責務を果たす上からも総裁不在を長期化させてはならない。
 混乱はこれにとどまらない。
 民主党は歳入関連法案の成立を阻む方針で、年度内に成立しなければ揮発油税の暫定税率が4月以降、廃止され、国と地方合わせて2・6兆円の歳入欠陥が生じる。混乱を回避するため、道路特定財源の一般財源化問題も含めた与野党の修正協議も待ったなしだ。
 日銀人事をめぐり、民主党の小沢代表は「福田内閣は機能不全を起こしている」と指摘したというが、混乱をもたらした責任の多くは民主党にある。その認識がないまま機能不全の言葉を使うところに問題の根深さがある。
 ≪有能な人材の登用を≫
 昨年の参院選で与党を過半数割れに追い込んだことをもって、民主党は「新しい民意」を得たと主張する。大連立構想で一時、党内の混乱はあったが、ねじれ現象を最大限利用し、福田内閣を窮地に追い込む戦略をほぼ一貫してとってきた。
 福田内閣支持率の下落傾向が続いている。一方、民主党の政党支持率が急伸したのだろうか。
 党幹部の間には、空白回避に向けて日銀問題を収束させるべきだとの意見もあったものの一部にとどまったという。政局至上主義の空気が党内に蔓延(まんえん)し、異論のある幹部も沈黙しているなら憂慮すべき状況だ。
 ねじれ現象に加え、そのような姿勢の民主党を相手に、福田内閣が政策運営や国会対応で苦慮せざるを得ない面はあるが、政府・与党が一体となって修正協議などに対応できる態勢になっているとはいえまい。日銀人事をめぐる迷走をまた繰り返すのだろうか。
 多数の道路族議員を抱える自民党で、道路財源の法案修正は党内調整にもエネルギーを要する作業となる。課題を実現するため、首相が必要だと判断すれば、有能な人材を官邸や閣内、党執行部に再配置することも決断すべきだ。
 ねじれ現象に向き合って政治の機能不全を脱却し、いかにして国民生活を守るか。そのことこそ、首相と小沢代表が競い合うべきテーマである。
 自ら行動し、指導力を発揮する場面があまりにも少ない。国民の目にはそう映る。

2008年03月20日(木)  足下の社会問題を取り上げる(2)  

自分の死に場所

高齢者福祉情報資料室
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=29121422&comm_id=2437079
に毎日新聞の「明日の私:どこで死にますか」を収録した。
内容は 
介護施設/1 「後悔しない最期」目指して
介護施設/2 「身内以上」に職員が看取り
介護施設/3 看取り増えるグループホーム
介護施設/4 有料老人ホーム
であった。
特筆すべきことは特別養護老人ホーム、グループホームでの看取りが増えてきたことである。2006年当時、以下の通り死亡する人が増えるのに、一般病床・療養型病床数を減少させる厚生省の方針でどうなることかと思っていた。しかし、特別養護老人ホーム、グループホームでの看取りが増えてくれば、より人間らしい最後を迎えられるのではないかと思う。上記の「身内以上」に職員が看取り、「看取りが増えるグループホーム」に感動的な記述がある。看取りを行なおうとする特別養護老人ホーム、グループホームの関係者に敬意を表します。
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この数字が時代の流れだ(自分の死に場所)
               (2006年10月24日の高齢者福祉情報から)   
 10月15日医師の藤・霽月さんから以下のデータの書き込みがあった。藤さんが講演で使っているスライド原稿である。「死亡者数が1.7倍に増えるのに、病床は半減する。病院で死ねるなんて思わないほうが良いですよ」というアドバイスだ。現在は約80%の人が病院でなくなっているが、これが難しくなってくるのだ。自分の死の場所を明確にする必要に迫られる時代といえる。

      死亡者数推計   一般病床数  療養型病床数  床数計
2003年    1067000人
2006年              96万床    38万床      134万床
2009年   1219000人
2012年              65万床   15万床       80万床
2015年   1376000人
2021年   1514000人
2027年   1615000人
2033年   1680000人
2039年   1699000人



2008年03月19日(水)  足下の問題を取り上げる(1)

精神疾患の患者数は250万人 

 チベット問題を書きたいところであるが足下の社会問題を取り上げたい。
  社会の情報交換会で免疫学者であり新潟大学の阿保徹教授の著書「 薬をやめると病気は治る」(マキノ出版)を学習することにしている。体調の悪い方は熟読を薦めたい本である。社会の諸問題の中で欺瞞を感ずるテーマが多くある。これらも社会の情報交換会で取り上げていく予定である。社会の諸問題の中で精神障害者増加も大きな問題である。精神障害者に大量の薬が処方されていることに大きな疑問を感じている。精神疾患の患者数は250万人を超えているのである。精神科に通院している人は是非「薬をやめれば病気が治る」と言う原理を学んで欲しい。薬漬けで精神まで可笑しくなるという側面あると言わざるを得ない。
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障害年金受給 10年前の1.5倍
               2006年04月18日の高齢者福祉情報から
  高齢者福祉情報に障害者福祉情報を加えることにした。その理由は健常者から障害者になる例が多いからである。うつや統合失調症などが原因で障害者になる人が増加している。よってこのコミュ二ティの名前を「高齢者・障害者福祉情報」と変更したい思いである。

 うつや統合失調症など、精神面の障害者となり年金を受ける人が10年前の1.5倍に増えているという。背景には、「社会的ストレスの増加や精神科にかかる敷居が低くなって患者数が増えていることがある。今後も、精神面を理由にした障害年金受給者は増えるとみられ、年金財政を圧迫する要因のひとつになる」という。

 社会保険庁によると、精神障害や知的障害などを理由にした平成16年度の障害年金の受給権者は、10年前の52万人から56%増加し、計81万人になった。中でも、障害基礎年金の受給権者に占める精神面を理由とした受給権者の割合は44・4%に増加し、半数に迫る勢いとなっている。

どうして、こんなに精神障害や知的障害は増えるのだろう。 増大の理由について、厚生労働省精神・障害保健課は「社会的ストレスが増えていることと、精神科にかかることに抵抗感が少なくなったことがある」としている。問題は精神疾患の患者数である。平成14年に259万人と、9年前(157万人)に比べて65%増となっている。


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・ダライ・ラマ14世、ラサ暴動関与を強く否定(読売03月18日) http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=20&id=436269

・ダライ 暴動収拾不能なら退位(毎日新聞 - 03月18日 )
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=436237&media_id=2

・ チベット自治区管轄の成都軍区、警戒態勢に(読売新聞 - 03月18日)
・ http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=436163&media_id=20

・ 暴動参加者の検挙、ダライ・ラマと対決姿勢-中国(時事通信社 - 03月18日 )
・ http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=436071&media_id=4

・ 暴力続くなら退位 ダライ・ラマ(時事通信社 - 03月18日)
・ http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=436063&media_id=4

・ オリンピックを政治問題に絡めるべきではない=中国首相(ロイター - 03月18日)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=435883&media_id=52

・中国政府 ユーチューブを遮断(時事通信社 - 03月18日 ) http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=435794&media_id=4

・ <チベット暴動>温首相、対応を正当化(毎日新聞 - 03月18日)
・ http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=435725&media_id=2



2008年03月18日(火)  宙に浮く年金は2025万件も

 年金記録の照合作業なのに、かえって不信が増幅する結果となるようだ。社会保険庁は5000万件の宙に浮いた年金記録の照合作業を進めてきたが、特定困難な記録が全体の4割、2025万件になることを明らかにした。
 ずさんな記録管理を続けてきたツケがこのありさまだ。迷子記録が予想をはるかに超える数字に驚く。今回の年金記録で官僚組織に対する不信は実に深刻だ。これだけの問題が起こっているのに、責任者が誰も法的な処分を受けないのだから「お役人さま天国」と言わねばならない。



社説:宙に浮く年金 不信解消の道がまた遠のく
  毎日新聞 2008年3月15日
「訂正必要なし」と返答の8割、実は「必要あり」 ねんきん特別便
2008.3.3 産経新聞


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社説:宙に浮く年金 不信解消の道がまた遠のく
  毎日新聞 2008年3月15日 

どこまで続くぬかるみぞ、といった暗たんたる思いになる。年金不信をぬぐうために行った持ち主のわからない記録の照合作業なのに、かえって不信が増幅する結果となった。不信は年金にとどまらず、その場しのぎで言い逃れする政治にも向かう。
 社会保険庁は5000万件の宙に浮いた年金記録の照合作業を進めてきたが、特定困難な記録が全体の4割、2025万件になることを明らかにした。
 ずさんな記録管理を続けてきたツケがこのありさまだ。迷子記録全部の持ち主が判明できるとは考えなかったが、予想をはるかに超える未統合に改めて驚く。
 昨年12月公表された持ち主不明の記録は1975万件だった。社保庁は、生年月日がずれても同一人と判定できるソフトを開発し、2次照合を進めた。3カ月間で新たに260万件の持ち主がわかったという。
 その一方で、12月時点で氏名の欠落していた記録も別に470万件あった。当初社保庁は「氏名が復元できたら持ち主にたどり着ける」と軽く考えていたが、実際はほとんど記録の氏名が判明したのに持ち主までたどり着けなかった。その結果、差し引き50万件の不明記録増だ。
 08年3月照合完了という政府公約について、舛添要一厚生労働相は「約束を守った」と胸を張る。釈然としない。昨年夏の参院選で、当時の安倍晋三首相は「最後の一人まで記録をチェック、年金を支払う。そのため政府は3月までに突き合わせを行う」と約束した。
 年金記録問題が3月にメドが立つと期待を寄せた人は多い。しかし、政府は「一通りの作業を約束通り終えた」という認識のようで、ギャップは大きい。
 照合作業とは、あくまでも手段に過ぎない。年金記録問題の目的は、まじめに保険料を払っていたのに年金を受け取れない人を救済することにある。「やってみたが、やはりダメでした」としか感じられない態度では、制度への信頼など得られるはずがない。
 照合作業は長期化が避けられない様相だ。政府は今後(1)住民基本台帳ネットワークシステムとの照合(2)手書きの記録台帳との突き合わせ--などで持ち主探しを進める。だが展望が開けているわけでない。暗礁に乗り上げたら、インターネットなどで不明年金番号を公示し「あなたのではないですか」と呼びかけることも考えている。
 エンドレスの作業に国民があきらめてくれるのを待っているのなら、もってのほかだ。政府が行うべきはまずメリハリをつけた行程表を示すことだ。混乱の極みを招いた責任者の処分もうやむやのままである。国民は公的年金制度が果たして持続可能なものかどうかに疑いを抱いている。国民が制度を相手にしなくなったら、年金は元も子もなくなる。

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「訂正必要なし」と返答の8割、実は「必要あり」 ねんきん特別便
2008.3.3 産経新聞

 年金記録に漏れがないかの確認を促す「ねんきん特別便」で、記録訂正の可能性が高いにもかかわらず、「訂正の必要がない」と返答してきた人について、改めて電話や個別訪問で確認したところ、実際には、約8割に記録訂正の必要性があったことが3日、社会保険庁の調査で明らかになった。社保庁は2月から特別便を見やすく改良したが、依然3割が「訂正の必要がない」と返答しており、改訂版特別便の効果が限定的なことも分かった。
 調査結果は、3日の自民党の議員連盟「年金記録問題に関する検討会」に示された。
 社保庁は昨年12月から、基礎年金番号に統合されず宙に浮いた記録5000万件と社保庁のオンライン記録を照合した結果、「氏名・性別・生年月日」の全部もしくは一部が一致した人に特別便を送付したが、1月時点で、回答者の約9割もが「訂正がない」と回答していたことが判明。社保庁は急遽(きゆうきよ)、1月25日から電話や個別訪問による再確認である「入念照会」を行ってきた。
 入念照会は、基礎年金番号の記録と、宙に浮いた記録に期間重複がなく、他に結びつく可能性のないケースに限定して行われ、2月15日までに照会を終えた1万7103人のうち、78・5%にあたる1万3426人が実際には記録訂正が必要たった。

「訂正の必要がない」と回答した理由についても調べたところ、「間違いがないと思っていた」44・0%、「すでに記録確認を行っている」12・1%、「他に年金制度に加入した記憶がない」10・5%などだった。
 特別便を受け取った人のうち、「訂正の必要がない」と回答している人は2月19日現在約53万人にのぼり、社保庁はこのうち半数近くが実際には記録訂正に結びつくとみている。
 一方、社保庁は「特別便が分かりづらい」との批判を受けて2月6日から、加入履歴の詳しい見方を説明した見本を同封した改訂版特別便を送付しているが、この回答状況についてのサンプル調査結果も公表した。
 サンプル調査は、改訂版特別便を受け取った1000人を対象に行われた。回答があった436人のうち、「訂正の必要がない」と返答した人は137人で31・4%を占めた。
 改訂前の同内容のサンプル調査では「訂正の必要がない」は45・0%で15ポイントほど減ったが、依然3人に1人が、記録訂正の可能性が高いにもかかわらず「必要ない」と回答していることが明らかになった。

特別便の改良効果が限定的だった形だ。社保庁は今後、これらの人についても入念照会を行っていく予定だが、特別便をさらに分かりやすくするよう再改良を求める声も強まりそうだ。
         ◇
 ■ねんきん特別便 
 宙に浮いた年金記録5000万件の照合作業の結果、記録漏れの可能性が高い人に対して、昨年12月から発送を始めた。ところが、回答者の約9割が「訂正の必要はない」と返答。“なりすまし”防止で特別便に記録漏れ部分のヒントを明示しなかったため、記録漏れに気付かなかった人が多かったとみられ、今年1月下旬から相談窓口で過去の勤務先名などのヒントを積極的に教える相談対応に変更した。2月6日発送分の特別便からは加入履歴の詳しい見方を説明する見本を同封した。1月末までに発送済みの108万人に対しても、3月下旬に見本を追加した特別便を再送付する。

2008年03月17日(月)  中国 チベット暴動 (2)

 中国チベット暴動の関する報道は読売新聞の目次のみを以下に引用したがおびただしい数である。3月16日大手新聞社3社の社説はチベット暴動に関することであった。少なくとも天安門事件を上回る大事件に発展することは必至の情勢である。

今回の暴動に背景は
「チベットではこれまでも、僧侶のデモや治安当局との衝突が繰り返されてきた。その発端は、新中国の建国から間もない1951年に人民解放軍がラサに進駐したことにさかのぼる。1959年に起きた動乱を解放軍が武力鎮圧し、ダライ・ラマは亡命した。中国政府は1965年にチベット自治区を成立させたが、1989年には独立を訴えるデモが騒乱となり、戒厳令が敷かれたこともある。今回の衝突はそれ以来の規模と見られる。」( 朝日者社説から)とあるように事の発端は1951年に人民解放軍がラサに進駐したことにさかのぼるのである。


チベット騒乱―流血の拡大を止めよ
                   2008年3月16日 朝日新聞社説
社説:ラサ暴動 北京五輪にダライ・ラマ招け
                     毎日新聞 2008年3月16日 
社説1 天安門事件を連想させるチベット情勢
                        2008年3月16日 日経
中国:五輪控え政権にダメージ チベット暴動
毎日新聞 2008年3月15日 


デモ鎮圧の中国甘粛省中心部、厳戒下の“シャッター街”に (3月16日)
チベット暴動関与者への中国側の捜査が本格化 (3月16日)
ダライ・ラマ14世が会見、チベット暴動で国際調査を (3月16日)
インド・ダラムサラで亡命チベット人が「団結」の集会 (3月16日)
米国務長官、チベット暴動で中国政府に「自制」求める (3月16日)
ラサへの「渡航延期」求める危険情報、外務省が発表 (3月16日)
「群衆に装甲車突入」…ラサ住民 (3月16日)
政府、チベット情勢注視…邦人の無事は確認 (3月16日)
中国軍ラサ鎮圧か、チベット仏教寺院など依然厳戒 (3月16日)


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チベット騒乱―流血の拡大を止めよ
                   2008年3月16日 朝日新聞社説
 中国チベット自治区のラサで、僧侶や住民と治安当局が衝突し、多数の死傷者が出ている。状況はまだよく分からない点が多いが、中国政府は武力行使を控えて、流血の事態の拡大を防ぐべきだ。
 ラサでは最近、中国の統治に反対する僧侶らの抗議活動が行われていた。現地からの情報は限られているが、国営通信社はきのう、10人死亡を伝えた。死者はもっと多いという未確認情報もある。
 街の中心部で警察の車がひっくり返されて煙を上げる写真や、投石している住民の画像が国外に流れている。状況はかなり緊張している。
 インドに亡命しているチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は「抗議行動は、現在の統治下でチベット人に深く根ざした憤りの現れだ」との声明を出した。同時に、チベットの住民に非暴力を訴えた。
 中国当局者は「ダライ一派が組織的、計画的に策動したことを証明する十分な証拠がある」と述べたが、ダライ・ラマ側は否定している。
 チベットではこれまでも、僧侶のデモや治安当局との衝突が繰り返されてきた。その発端は、新中国の建国から間もない1951年に人民解放軍がラサに進駐したことにさかのぼる。
 59年に起きた動乱を解放軍が武力鎮圧し、ダライ・ラマは亡命した。中国政府は65年にチベット自治区を成立させたが、89年には独立を訴えるデモが騒乱となり、戒厳令が敷かれたこともある。今回の衝突はそれ以来の規模と見られる。
 外国メディアの取材が制限されているため、最近の事情には不明なところが少なくないが、当局の取り締まりで表面的には平静が保たれていた。そんな中、数日前からラサで僧侶や住民による中国政府への抗議活動が起きていた。
 8月の北京五輪を前に、中国の人権状況にはいつにも増して厳しい視線が国際社会から注がれている。ダライ・ラマ14世にノーベル平和賞が贈られたように、チベットに対する国際的な関心は極めて高い。
 中国当局は武力を使うような強硬策を自制し、住民との対話によって事態の沈静化を進めなくてはならない。このうえさらに住民側に死傷者が増えるようだと、五輪にも深刻な影響が出かねないことを覚悟すべきだろう。
 非難合戦でダライ・ラマ側との対立を深めるばかりでは、平和的な収拾は遠のいてしまわないか。
 中国には新疆ウイグル自治区でも独立運動があり、テロ事件も起きている。気功集団への弾圧や、人権活動家の投獄などの報道もある。
 今後、五輪を成功させることを最優先に、事前の治安対策が強まることも予想される。だが、手荒な対応はかえって中国の評判を落とすだけだ。日本政府はあらゆる機会を利用して、中国側に自重を求めなければならない

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社説:ラサ暴動 北京五輪にダライ・ラマ招け
                     毎日新聞 2008年3月16日 
 中国のチベット自治区ラサで大規模な民族暴動が発生した。多数の死傷者が出たという。
 国家の威信をかけた北京五輪が8月に迫り、中国の人権問題に対する国際的な関心も高まっている。民族暴動の武力鎮圧は解決にならない。そればかりかダルフール問題でくすぶっていた北京五輪ボイコット論を再燃させかねない。
 おりもおり北京では「調和社会」の建設をかかげる胡錦濤氏が国家主席に再任された。胡主席の後継者の習近平氏は副主席に選ばれて、北京五輪指導小組の責任者に指名された。五輪の成功も、暴動の処理も、第2期胡錦濤政権の指導力が問われている。
 今回の暴動の発端は、僧侶のデモに対する治安当局の弾圧だった。ダライ・ラマ14世がインドに亡命した「チベット動乱」から49年の10日、多くの僧侶がデモをした。当局がこの僧侶を連行した。これにチベット人民衆が怒り、漢民族の経営する商店を焼き打ちするなど暴徒化したという。
 チベット動乱30周年の89年3月にもラサで暴動が起きた。その3カ月後が北京の天安門事件だ。軍事力で天安門広場のデモを制圧した中国は、その後世界から孤立した。あの悪夢を中国指導者はまさか忘れていないだろう。
 いま情勢が不穏なのはチベットだけではない。東トルキスタン独立運動のある新疆ウイグル自治区でも最近、飛行機にガソリン入りの容器を持ち込んだ容疑で女性が逮捕されている。
 民族問題と並んで貧富の格差に伴う社会不安も広がっている。北京ではテロ緊急対応司令部が設置された。人権擁護や民主化を主張する弁護士らが拘束されているという。
 企業では、労働法制改正の余波で解雇撤回や賃上げを求める労働争議が広がっている。土地を強制収用された農民が補償を要求して抗議行動をしている。大富豪が増えた半面で、貧困階層は食料品などの物価高騰に悲鳴を上げている。
 胡主席の提起した「調和社会」の建設は、これらの問題を解決する正しい方針である。
 北京五輪の聖火リレーでは、チベットの聖山チョモランマの頂上にチベット族と漢族の合同登山隊が聖火を運ぶ。それなら、なぜ五輪の開幕式にダライ・ラマ14世を招待しないのか。
 胡主席が貴賓席でチベット人の精神的指導者と語り合う度量を見せたら中国のメンツはつぶれるだろうか。その心配は無用だ。これこそ「調和」であり、中国のソフトパワーを高めることになる。
 現在のダライ・ラマは独立論者ではなく高度の自治を求めている。その自治の範囲については五輪後にじっくり話し合えばいいことではないか。北京五輪を、災いを転じて福とする機会にすべきだ。
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社説1 天安門事件を連想させるチベット情勢
                        2008年3月16日 日経

 中国チベット自治区の中心都市ラサで14日、大規模な騒乱が起き、新華社によれば10人が死亡した。中国当局はチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世を名指しで非難しているが、力で抑え込もうとすれば悲劇の連鎖が続きかねない。胡錦濤政権の自制を求める。

 中国の支配に抗議するチベット仏教の僧侶らのデモは10日に始まった。ダライ・ラマのインド亡命につながった1959年の「チベット動乱」から49周年にあたる日だ。

 14日に抗議行動はエスカレートし、ラサ中心部のチベット仏教の聖地、ジョカン寺(大昭寺)周辺の繁華街で火災が発生した。警察車両への焼き打ちも起きた。新華社は、公安当局が催涙弾や威嚇射撃で対応したと伝え、10人の死者は「善良な市民で、焼死した」としている。

 新華社によれば騒乱は15日には終息した。ただ、当局はジョカン寺などの周辺をなお封鎖しているとの情報もある。外国メディアの現地入りを原則禁止するなど当局が厳しい情報統制を敷いているため、実情はよくわからない。

 ラサでの大規模な騒乱は、戒厳令の実施にまで発展した1989年の「動乱」以来、ほぼ19年ぶりだ。5カ月後の北京五輪をにらみ、国際社会にチベット問題をアピールする思惑があったとみられる。

 北京では5日から全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開かれている。今年の全人代は胡錦濤国家主席(共産党総書記)の後継者候補である習近平氏を国家副主席に起用する節目の大会で、胡政権の揺さぶりをねらった可能性も大きい。

 実は89年の「動乱」では、当時チベット自治区のトップだった胡錦濤氏が自ら制圧を指揮した経緯がある。再び流血を防げなかったのは、胡政権にとって打撃だ。

 地元の当局者はダライ・ラマが関与した組織的、計画的な暴動だと一方的に非難した。半面、ダライ・ラマは声明を発表して「深い懸念」を示すと同時に、当局と市民の双方に自制を求めている。

 89年にラサで戒厳令が施行されたあと、北京では学生たちの民主化運動を武力で制圧する天安門事件が起きた。日米欧は対中制裁に踏み切り、中国は国際的に孤立した。

 北京五輪をひかえて中国の人権状況への国際的な関心が改めて高まっている。中国はいまや世界経済のけん引役で、国際的に孤立するようだと影響は大きい。人権への配慮を欠いた中国当局の高圧的な対応を憂慮する。
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中国:五輪控え政権にダメージ チベット暴動
毎日新聞 2008年3月15日 
 【北京・大谷麻由美】分離・独立運動がくすぶる中国西部、チベット自治区の区都ラサで14日、チベット族による暴動が発生したことで「新中国成立以来、最大の国家イベント」とされる北京五輪を8月に控えた胡錦濤指導部が大きなダメージを受けるのは必至だ。
 また、北京では全国人民代表大会(全人代=国会)が開催中でもあり、今年の全人代で2期目に入る胡錦濤指導部が今後、国内の安定にどのように対処していくか。国際社会は中国の人権問題と絡めながら、これまで以上に監視を強めていくとみられ、新たな対中摩擦になる可能性もある。
 胡錦濤政権は「調和の取れた社会」実現を国内外にアピールしてきた。これは地域格差の解消、安定した国際環境を整えることにあるが、5月に予定される胡主席の訪日時にも、国際人権団体などの大規模な抗議活動が展開されそうだ。
 チベット自治区や隣接する青海省では、インド亡命中のチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世を敬愛する住民が現在も多い。
 中国当局はチベットへの鉄道敷設などインフラ整備を進め、「アメ」を与えるとともに、ダライ・ラマ14世の関係者と水面下の交渉も加速化し、懐柔策も取る一方、分離・独立運動への取り締まりを強化するなど「ムチ」も同時に続け、チベット統治に自信を深めていた。それだけに今回の暴動に大きな衝撃を受けているのは間違いない。
 14日は中国政府がチベットほか、新疆ウイグル自治区、台湾などの分離独立を封じ込めるために設けた「反国家分裂法」の制定からまる3年。また10日は、ダライ・ラマ14世が亡命するきっかけとなった1959年の中国軍によるチベット武力鎮圧から49年目だった。
 中央政府への反発を強める分離・独立運動が「記念日」に合わせて行動を起こした可能性も否定できない。また、台湾では22日に総統選が控えており、台湾の独立を求める団体と連動した可能性もある。
 今回のデモへの対応次第では、五輪ボイコット運動へと発展しかねない。海外の非政府組織(NGO)などはチベット問題を理由に、企業に北京五輪での協賛を取りやめるよう働き掛けている。五輪開幕式の芸術顧問をいったんは引き受けていた米映画監督スティーブン・スピルバーグ氏は、スーダンのダルフール問題を理由に顧問を辞任した。近づく五輪を前に、胡錦濤指導部は難しい対応を迫られそうだ。
 ◇59年に武力弾圧 89年には戒厳令
 中国は1951年、チベットに人民解放軍が進駐。ダライ・ラマ14世をトップとするチベット政権と「チベット平和解放に関する協定」を結んだ。59年3月に社会主義化の影響を恐れた農奴主ら約2万人が蜂起したが、武力で制圧された。ダライ・ラマ14世は亡命し、インド北部のダラムサラを拠点に亡命政府としての活動を続けてきた。
 89年3月に再び大規模な暴動がラサで発生し、当時の胡錦濤・チベット自治区党委書記(現国家主席)が戒厳令を敷いた。同年、ダライ・ラマ14世はノーベル平和賞を受賞した。90年代前半にも抗議活動や僧侶の拘束が相次いだが、最近は自治区内での目立った抗議活動は起きていなかった。06年7月にはラサまで乗り入れる青蔵鉄道が開通し、観光ブームにわいていた。


2008年03月16日(日)  中国 チベットの暴動

 中国は1党独裁政治である以上、反政府組織が五輪を前後して現政権にダメージを与える行動に出るだろうと記述していた。今回のチベット暴動は、偶発的か、計画的に起こったのかは分からないが現政権のイメージダウンになることは確かである。チベット自治区の歴史を知る機会がなかったが、ここは、中国の漢民族の文化的な影響がほとんどなかった地域のように思う。

チベット自治区統計局によると、中国で最も人口の少ない省クラス行政区だ。総面積は120万平方キロ余りで中国全土の8分の1を占めるが、人口はわずか270万人ほどである。人口密度は1平方キロあたり3人未満。蔵(チベット)族を主体に、回族、モンパ族、ローバ族、ナシ族、ヌー族、トゥロン族など十数の少数民族が代々居住するほか、民族として認定されていないトン、シェルパもいる。モンパ族、ローバ族、ナシ族の民族郷も設置されているという。いつ中国政府の支配下になったのか、詳しい方がおりましたら教えてください。ともかく、広大な面積で僅か270万人のチベットの人たちを力で抑え込む愚行はやめて欲しいものだ。

チベット自治区の司法当局は15日、区都ラサの14日の暴動に加わった僧侶らに対し、自首するように呼びかける通告を出している。報道では「住民の密告も奨励」とあるとおり、前時代的なあらゆる手段を講じて事態収拾を図ろうとしている。密告を奨励する事態収拾のやり方は、さらに国際的な批判を受けるだろう。
中国チベット自治区の声明は
1、18日午前零時までに自首すれば減刑する
2、他の犯罪者の検挙に協力すれば刑の免除もあり得る。
3、期限までに自首しない者や犯罪者をかくまった者には厳罰で臨む
と警告し、住民には積極的に犯罪者を告発するように呼びかけている。


チベット:暴動に加わった僧侶らに自首呼びかけ 司法当局
http://mainichi.jp/select/today/news/20080316k0000m030092000c.html
チベット:ラサは戒厳令状態 寺院に遺体 連行し銃殺も http://mainichi.jp/select/today/news/20080315k0000e030061000c.html
チベット:亡命者の取り締まり強化へ 中国寄りのインド http://mainichi.jp/select/world/asia/news/20080315k0000e030062000c.html
チベット:暴動で「死者80人」情報も 滞在日本人ら保護 http://mainichi.jp/select/today/news/20080315k0000e030046000c.html
チベット:「人々の怒りに、対話で応じよ」ダライ・ラマ http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20080315k0000e030018000c.html
中国:五輪控え政権にダメージ チベット暴動
http://mainichi.jp/select/world/news/20080315k0000m030148000c.html

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チベット:暴動に加わった僧侶らに自首呼びかけ 司法当局
 毎日新聞 2008年3月15日
【北京・大谷麻由美、ニューデリー栗田慎一】中国チベット自治区の司法当局は15日、区都ラサの14日の暴動に加わった僧侶らに対し、自首するように呼びかける通告を出した。住民の密告も奨励しており、あらゆる手段を講じて事態収拾を図る姿勢を見せている。一方、インド北部を拠点とするチベット亡命政府は15日、武力鎮圧で約100人が死亡したとの未確認情報があると指摘し、国連の即時介入と現地調査を求める声明を発表した。
 通告は暴動について「計画的な犯罪行為」と指摘。18日午前零時までに自首すれば減刑し、「他の犯罪者の検挙に協力すれば刑の免除もあり得る」としている。「期限までに自首しない者や犯罪者をかくまった者には厳罰で臨む」と警告し、住民には積極的に犯罪者を告発するように呼びかけた。
 国営新華社通信によると、ラサでの14日の暴動ではホテル従業員や商店主らを含む10人が巻き込まれて死亡したが、夜には鎮静化した。一方、AFP通信はチベット独立支援団体の話として、西部・甘粛省夏河で14日からチベット僧侶を含む数百人が通りをデモ行進し、15日には治安部隊がデモ隊に催涙ガス弾を発砲したと報じた。夏河にはラサのポタラ宮に次ぐ規模のチベット仏教僧院ラブラン寺がある。
 こうした中、チベット亡命政府は15日の声明で「平和的なデモが無差別殺人で抑圧されている」と非難。中国政府が暴力的な鎮圧を続ければ「チベット人は方向性を失う」として暴力の連鎖の深刻化に懸念を示した。
 声明はまた、チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世を暴動の「首謀者」とする中国政府の主張に対し、「全く根拠がない」と全面否定した。
 一方、ニューデリーでは15日も中国大使館の塀をよじ登ろうとするなどした亡命チベット人ら約50人が警察に逮捕された。亡命チベット政府の拠点、北部ダラムサラでも約300人がデモ行進を行ったが、大きな混乱はなかった。インド政府は中国側での暴動に関連し、国内の亡命チベット人による政治活動を厳格に取り締まる方針を確認している。
毎日新聞 2008年3月15日
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チベット:ラサは戒厳令状態 寺院に遺体 連行し銃殺も
毎日新聞 2008年3月15日 
【北京・浦松丈二、大谷麻由美】中国チベット自治区ラサの旅行社女性職員は15日午前、毎日新聞の電話取材に「街にほとんど人がいない」と語った。中国当局は戒厳令を敷いていないとしているが、市内要所に治安部隊が展開しており、ラサは事実上の戒厳令状態にあるとみられる。
 職員は「少し前から暴動のうわさが流れていた。14日午後は学校や病院が何カ所も放火されたが、短時間で消火された。当局の対応は速く、夜にはテレビやラジオで鎮圧のニュースが流れた」と話した。一方で、暴動はラサ郊外にも拡大している模様で、外国人旅行者の受け入れは停止されている。
 新華社通信によると、ラサ中心部では14日午後1時10分ごろ、僧侶ら抗議活動の参加者と地元警察の衝突が激化した。午後2時ごろから、僧侶が主要道路の2路線に面した商店に放火。寺院周辺の少なくとも5カ所で火災が発生し、多くの商店や銀行、ホテルが焼け落ちた。火災で停電や通信が遮断された。
 米政府系「ラジオ自由アジア」が目撃者の話として伝えたところでは、観光地として知られ、旧市街地区にあるチベット仏教寺院ラモチェ寺の中で2人、庭で2人が死亡しているのが見つかった。別の場所でも2遺体が発見された。また、26人のチベット人が黒い車両で連行された後に銃撃されたという。
 ラモチェ寺の約110人の僧が、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の写真を掲げ「チベット独立」を叫んで行進し、制止しようとした地元警察と衝突した。暴徒化した一部のチベット人は漢族系商店を襲撃。商品を略奪し、路上で燃やすなどの行為に出ているという。
 目撃者は「中国人が経営する店は次々に放火される。チベット人の店は、中国(漢族)系と見分けるために目印としてスカーフを店先に付けるよう言われている」と述べ、混乱ぶりを伝えた。
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チベット:亡命者の取り締まり強化へ 中国寄りのインド
毎日新聞 2008年3月15日 

 【ニューデリー栗田慎一】中国チベット自治区での暴動に対し、インド政府は14日、亡命チベット人による国内での政治活動を厳格に取り締まる方針を確認した。シン政権は中国との関係改善を進めており、インド亡命中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の政治活動を認めていない。方針確認はこれに基づくものだが、隣国インドには世界最多の約10万の亡命チベット人が在住しており、取り締まり強化はインドへの国際的な批判を招く恐れもある。
 ニューデリーでは14日、中国政府による暴動鎮圧に反発する亡命チベット人ら約30人が中国大使館前に参集。中国政府が禁じている「チベット旗」を手に抗議活動をしようとしたところ、警戒中の警察隊に身柄を拘束された。
 デリー警察幹部は「亡命チベット人は国内での政治活動を禁止されている」と語り、今回の暴動を意識した特別態勢ではないことを強調した。
 一方、地元テレビによると、13日に亡命チベット人ら約100人が身柄を拘束された北部カングラ渓谷では14日、約500人がろうそくの火をともして中国の暴動鎮圧に抗議。しかし抗議は平和的に行われたことから、警察は逮捕に乗り出すことはなかった。
 対中関係が悪化していた59年、インド政府はダライ・ラマ14世をインドに受け入れ、中国国境に近い北部ダラムサラをチベット亡命政府の拠点として提供した。しかし、中印両国の関係改善が進んだ近年、インド政府は中国政府の意向を酌みチベット人の新たな受け入れをしていない。
 中国政府の武力鎮圧が激化すれば、インド政府は対中関係と国際世論の間で難しい対応を迫られる。
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チベット:暴動で「死者80人」情報も 滞在日本人ら保護
 【北京・大谷麻由美】中国チベット自治区の区都ラサで14日発生したチベット仏教僧らによる大規模な暴動で、国営新華社通信は15日、「10人の死亡が確認された」と報じた。暴動は14日夜に沈静化し、市内は平静を取り戻したという。一方、米政府系の「ラジオ自由アジア」は、ラサ市民の話として死者数は80人以上に達するとの見方を伝えた。地元武装警察は日本人旅行者3人含むラサ滞在中の外国人580人を保護した。日本人を含む外国人に負傷者はいないという。
 同自治区政府のシャンパプンツォク主席は15日、「これはテロだ。われわれは(人に向けて)発砲してない」と語り、武力鎮圧を否定した。新華社によると、当局者は「地元警察は武力を行使しないよう命じられたが、デモ隊を解散させるためにやむを得ず一定量の催涙弾を発射し、威嚇射撃を行った」と述べた。
 ラジオ自由アジアによると、ラサ市内には暴動鎮圧のために数百の装甲車両が出動し、群集に向かって発砲したという。市民の一人は「あちこちで衝突があり、死者数は80人以上に達するのではないか」と証言したが、詳細は不明だ。
 新華社によると、死亡したとされる10人は「いずれも罪のない市民で焼死した」という。ホテル従業員、商店主の各2人が含まれている。犠牲者はチベットで活動する漢族の可能性がある。僧侶については触れていない。
 新華社によると、自治区当局者は動乱について「ダライ・ラマ一派が組織し、念入りに計画、画策したという十分な証拠がある」と指摘し、インドに亡命中の同仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の支持者らが起こしたと断定した。
 中国当局は8月の北京五輪への影響を最小限に抑えるため、早期に事態収拾を目指す構えだ。だが、首謀者を「ダライ・ラマ一派」と指摘したことで、ダライ・ラマ支持者が反発を強めそう。僧侶や市民を一層刺激する可能性もある。

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チベット:「人々の怒りに、対話で応じよ」ダライ・ラマ
毎日新聞 2008年3月15日
 【ニューデリー栗田慎一】チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は14日、亡命政府があるインド北部ダラムサラで声明を発表し、中国チベット自治区での抗議行動と中国当局の対応を「深く憂慮している」と述べ、強い懸念を表明した。中国指導部には「武力を使うのをやめ、チベットの人々の怒りに、対話で応じるよう訴える」と呼びかけた。
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中国:五輪控え政権にダメージ チベット暴動
毎日新聞 2008年3月15日
 【北京・大谷麻由美】分離・独立運動がくすぶる中国西部、チベット自治区の区都ラサで14日、チベット族による暴動が発生したことで「新中国成立以来、最大の国家イベント」とされる北京五輪を8月に控えた胡錦濤指導部が大きなダメージを受けるのは必至だ。
 また、北京では全国人民代表大会(全人代=国会)が開催中でもあり、今年の全人代で2期目に入る胡錦濤指導部が今後、国内の安定にどのように対処していくか。国際社会は中国の人権問題と絡めながら、これまで以上に監視を強めていくとみられ、新たな対中摩擦になる可能性もある。
 胡錦濤政権は「調和の取れた社会」実現を国内外にアピールしてきた。これは地域格差の解消、安定した国際環境を整えることにあるが、5月に予定される胡主席の訪日時にも、国際人権団体などの大規模な抗議活動が展開されそうだ。
 チベット自治区や隣接する青海省では、インド亡命中のチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世を敬愛する住民が現在も多い。
 中国当局はチベットへの鉄道敷設などインフラ整備を進め、「アメ」を与えるとともに、ダライ・ラマ14世の関係者と水面下の交渉も加速化し、懐柔策も取る一方、分離・独立運動への取り締まりを強化するなど「ムチ」も同時に続け、チベット統治に自信を深めていた。それだけに今回の暴動に大きな衝撃を受けているのは間違いない。
 14日は中国政府がチベットほか、新疆ウイグル自治区、台湾などの分離独立を封じ込めるために設けた「反国家分裂法」の制定からまる3年。また10日は、ダライ・ラマ14世が亡命するきっかけとなった1959年の中国軍によるチベット武力鎮圧から49年目だった。
 中央政府への反発を強める分離・独立運動が「記念日」に合わせて行動を起こした可能性も否定できない。また、台湾では22日に総統選が控えており、台湾の独立を求める団体と連動した可能性もある。
 今回のデモへの対応次第では、五輪ボイコット運動へと発展しかねない。海外の非政府組織(NGO)などはチベット問題を理由に、企業に北京五輪での協賛を取りやめるよう働き掛けている。五輪開幕式の芸術顧問をいったんは引き受けていた米映画監督スティーブン・スピルバーグ氏は、スーダンのダルフール問題を理由に顧問を辞任した。近づく五輪を前に、胡錦濤指導部は難しい対応を迫られそうだ。
 ◇59年に武力弾圧 89年には戒厳令
 中国は1951年、チベットに人民解放軍が進駐。ダライ・ラマ14世をトップとするチベット政権と「チベット平和解放に関する協定」を結んだ。59年3月に社会主義化の影響を恐れた農奴主ら約2万人が蜂起したが、武力で制圧された。ダライ・ラマ14世は亡命し、インド北部のダラムサラを拠点に亡命政府としての活動を続けてきた。
 89年3月に再び大規模な暴動がラサで発生し、当時の胡錦濤・チベット自治区党委書記(現国家主席)が戒厳令を敷いた。同年、ダライ・ラマ14世はノーベル平和賞を受賞した。90年代前半にも抗議活動や僧侶の拘束が相次いだが、最近は自治区内での目立った抗議活動は起きていなかった。06年7月にはラサまで乗り入れる青蔵鉄道が開通し、観光ブームにわいていた。
毎日新聞 2008年3月15日 0時05分 


2008年03月15日(土)  動揺の震源地米国 円相場は一時、1ドル=98円台。

  世界の経済金融情勢が動揺している。東京市場では株安と円高が進み、一時は12年4カ月ぶりに1ドル=100円の大台を突破した。円高というより、ドルの全面安。動揺の震源地である米国の経済自体が売られている状態だ。 悲観的な報道が多くあるが次のデータを記憶に留めたい。


1995年4月   1ドル79.75円
2003年4月   日経平均株価バブル崩壊後の最安値 7607円

・ドル安、NY一時98円台 米証券大手資金繰り支援受け
2008年03月15日 朝日新聞
・世界経済動揺―首相は日銀人事で決断を
                     2008年3月15日朝日社説
・円相場、一時99円台・95年10月以来の円高水準に
                    2008年3月13日 日経新聞
・12年ぶり東京1ドル=99円台 株は2年半ぶり安値
2008年03月13日 朝日新聞
・今週の~大前研一ニュースの視点~
 『米ブッシュ大統領の表情が物語る、米金融市場の悲壮感』

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ドル安、NY一時98円台 米証券大手資金繰り支援受け
2008年03月15日 朝日新聞
 14日のニューヨーク金融市場は、ニューヨーク地区連邦準備銀行などが米証券大手ベアー・スターンズへの資金繰り支援に乗り出すという異例の事態を受けて信用不安が高まり、ドルと株がともに急落した。外国為替市場の円相場は一時、1ドル=98円台に入り、95年9月末以来約12年半ぶりの円高水準をつけた。「安全資産」に投資を振り向ける動きも強まり、金相場は史上最高値を更新した。
 14日朝は、2月の消費者物価指数が前月比横ばいだったと発表されたことなどを受けてインフレ懸念が和らぎ、ドルと株が買われた。だが、ベアー・スターンズに関する発表後、米金融機関に対する経営不安や信用収縮への警戒感が強まり、相場は一転した。
 外国為替市場の円相場は、円が一時1ドル=98円92銭まで上昇。午後5時時点は前日より1円51銭円高ドル安の1ドル=99円04~14銭。
 株式市場では、大企業で構成するダウ工業株平均が一時、310ドル超も下落。終値は前日終値比194.65ドル安の1万1951.09ドルだった。ベアー・スターンズの株価が同27.00ドル安と47%も急落。ほかの金融株も軒並み売られ、相場の足を引っ張った。
 一方、金相場は指標となる先物価格が一時、1トロイオンス=1009.00ドルまで上昇。終値(999.50ドル)とともに史上最高値を更新した。
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世界経済動揺―首相は日銀人事で決断を
                     2008年3月15日朝日社説
世界の経済金融情勢が動揺している。東京市場では株安と円高が進み、一時は12年4カ月ぶりに1ドル=100円の大台を突破した。円高というより、ドルの全面安。動揺の震源地である米国の経済自体が売られている状態だ。
 発端は、米国の低所得者向け住宅融資(サブプライムローン)を組み込んだ証券の暴落だった。住宅相場の下落が進み、最近は暴落が優良顧客向け住宅ローンへも広がって、第2段階に入った。関連する証券がすべて売られている。
 投資証券の暴落と関連する融資の焦げ付きがふくらんで、大手の投資ファンドや証券会社に対しても経営危機説が流れ始めた。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が「中小金融機関の多少の破綻(はたん)はありうる」と発言して、市場はさらに揺れた。
 ドル離れした資金は、値上がりが期待できる石油や金、穀物など資源絡みの市場に流れ込む。ドル安とエネルギー・資源高の悪循環という様相が深まり、米国を中心に物価上昇と景気悪化の板挟みになる懸念が募っている。
 欧米の通貨当局は、短期資金の市場へ大量の資金を供給して火消しに躍起だ。
 いま日本にできることは限られているが、常に欧米当局と情報交換して、市場の急変に備えておかなければならない。場合によっては、主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)を緊急に開くことになるかもしれない。
 そんな不安定な事態のなかで、日本の金融政策のトップ、日本銀行の総裁が決まらない。福井俊彦総裁の任期切れは19日に迫る。福田首相は、野党に拒否された武藤敏郎副総裁の昇格案を再び提案するか、新たな候補に差し替えるか、この週末をかけて考えるという。
 首相には「ベストの人選」と大見えを切った武藤氏を断念することにためらいがあるようだ。意地もあろうし、自らの政権の求心力もかかっている。
 だが、ここは考えどきだ。武藤氏にいくらこだわっても、出口はないというのが客観的な状況ではないか。
 私たちは、武藤氏に対する民主党の反対理由に十分な説得力があるとは思わない。だが、政局への思惑もあって、その反対姿勢は崩れそうにない。
 さらに江田五月参院議長は、いちど不同意となった人事案が再び提示されても、「一事不再議」の原則から審議できないとの見解を示している。首相がもう一度と思っても、参院では門前払いにされる可能性が強いのだ。
 経済の状況によっては、機敏な金融政策やG7としての対応が迫られることもありうる。その時に日銀総裁が不在とあっては、国の利益にかかわりかねない。
 首相は新たな人選を急ぎ、週明けの国会に提示すべきだ。民主党も政局的な思惑を離れ、冷静に判断してもらいたい。
 局面を打開するための勇気と決断を、首相に求めたい。
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円相場、一時99円台・95年10月以来の円高水準に
                   2008年3月13日 日経新聞
 円相場が12年ぶりに1ドル=100円の大台を突破した。13日の欧州外国為替市場で一時1ドル=99円77銭まで上昇し、1995年10月以来、12年5カ月ぶりの円高・ドル安水準をつけた。米欧などの金融当局は資金供給の協調行動に踏み切ったばかりだが、米景気の後退懸念が強く、ドル相場は全面安の様相を呈している。
 13日の東京外為市場の円相場は午前11時過ぎに1ドル=101円を突破した。午後に日経平均株価が下げ幅を広げるのと歩調を合わせるように円高が進行。夕方には欧州勢が円買いに追随し、日本時間の同日午後5時半ごろ、ロンドン外国為替市場で1ドル=100円を突破した。その後はドルに買い戻しが入り、午前11時(日本時間午後8時)現在、前日終値に比べ2円15銭円高・ドル安の1ドル=100円20―30銭で推移している。 (21:05)
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12年ぶり東京1ドル=99円台 株は2年半ぶり安値
2008年03月13日 朝日新聞
 13日の東京外国為替金融市場は円高ドル安が急速に進み、95年11月以来12年4カ月ぶりに1ドル=100円を突破、一時99円77銭まで円が買われた。円急騰による輸出企業の業績悪化懸念が広がり、株式市場では日経平均株価の終値が2年半ぶりの安値になった。米国景気の後退懸念が強いため、ドル安の流れが止まる兆しは見えていない。
東京外為市場の円相場は、ドル売りが進んだ海外市場の流れを引き継いで朝方からドルを売って円を買う動きが強まり、前日に比べて一気に3円以上も円高が進んだ。
 午後5時時点は、前日同時刻と比べて2円90銭円高ドル安の1ドル=100円17~20銭。ロンドン市場が開いた午後5時過ぎには、1ドル=99円77銭まで値を上げた。ロンドンではその後、やや下げ、正午(日本時間午後9時)現在は、1ドル=100円20~30銭で取引されている。ドルは対ユーロでも売り込まれ一時1ユーロ=1.56ドル台をつけ、史上最安値を更新した。
 米欧の5中央銀行による資金の大量協調供給で前日はドルを買い戻す動きもみられたが、市場では米国の金融不安の改善には時間がかかるとの見方が強い。米国が大幅利下げに踏み切るとの観測もドル売りの流れを加速させた。「今後発表される米経済指標の内容が悪ければ、1ドル=95円程度まで円高ドル安が進むこともありうる」(大手銀行為替担当者)との見方も浮上している。
 東京株式市場では、東証1部上場銘柄の86.8%が値下がりした。日経平均株価の終値は前日比427円69銭安い1万2433円44銭。10日につけた今年最安値(1万2532円)を更新、05年8月末以来2年半ぶりの安値だ。
 取引開始直後から、自動車、電機など輸出企業株中心に売られた。午後に入ると、米ヘッジファンドの経営不安も一部で報じられ、「売りが売りを呼ぶ展開」(大手証券)に。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は前日比39.26ポイント低い1215.87。
 日本銀行の福井俊彦総裁の後任人事の迷走で「総裁空席」になれば、海外投資家らの「日本株売り」につながるとの指摘もあり、「株価が1万2000円を割る事態もある」(同)との見方も出始めている。
 東証より遅れて取引が始まった他のアジア市場の株価指数も軒並み下落。中国・香港が前日比4.78%、同・上海が同2.42%、台湾が同2.65%、韓国が同2.6%の下落率だった。欧州でも英国、ドイツ、フランスの主要株価指数はいずれも、一時2%超の下落となった。
 一方、原油高も止まらない。12日のニューヨーク商業取引所の原油市場は、国際指標の米国産WTI原油の先物価格が一時1バレル=110.20ドルまで上昇、史上初の1バレル=110ドル台をつけた。
 米欧中銀が供給した資金が「商品市場に回って原油価格を上げ、さらに株式市場の資金が商品市場に移っている」(大手証券)との声もある。
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・今週の~大前研一ニュースの視点~
 『米ブッシュ大統領の表情が物語る、米金融市場の悲壮感』
 
米金融市場
悲壮感が急速に台頭
1万2000ドル割り込み取引終了 1週間で400ドル超下落
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●米国の景気は、確実に「recession(後退)」に突入した

 米金融市場では、サブプライム問題を受けて景気減速や
 信用収縮の深刻さを示す材料が相次ぎ、
 悲観論が急速に台頭してきました。

 先日のニューヨーク株式市場ではダウ工業株30種平均が
 合計で400ドル超下落、
 1万2000ドルの大台を割り込んで取引を終えました。

 これまで、米ブッシュ大統領は米国の景気に対して、
 一貫して「recession(後退)ではない」という態度を
 示してきました。

 先日の演説でも、
 「景気は減速はしているが、後退はしていない」
 という論調でしたが、私は聞いていて、
 何やら悲壮な印象を受けてしまいました。

 7日、米労働省が発表した2月の雇用統計によると、
 非農業部門の雇用者数は前月に比べ6万3000人落ち込んだ
 と言います。

 1月も当初発表の1万7000人減から
 2万2000人減に下方修正しているので、
 2カ月連続のマイナスです。

 このような現状を見れば、米国の景気の状態は
 「recession(後退)」だと判断するのが普通だと思います。

 事実、私と同様、米国の経済アナリストなども、
 ブッシュ大統領の演説を聴きながら、
 「recession(後退)と言うべきだ」
 という意見を述べていました。

 ただし、彼らの場合には、「仮に今、”recession(後退)”
 になったとしても、今年の後半には回復する見込みだ」
 という見解のようですが、

 この点については、私には単なるなぐさめとして
 言っているだけで、何ら明確な根拠がある発言とは思えません。

 また、ブッシュ大統領の演説の内容について、
 特に私が問題だと感じるのは、今の米国の景気対策として
 「即効性」のあることは述べていないということです。

 これは、先月ブッシュ大統領が署名したという
 緊急景気対策法案の効果についても同様です。

 米国民への戻し減税を柱とし、法人の設備投資を対象とする
 税控除を含め、対策規模は約1520億ドル(約16兆5000億円)
 を誇る景気対策案ですが、

 税金の還付として、小切手の送付が始まるのは5月からのため、
 家庭が直ちにキャッシュを手に入れられるわけではありません。

 ブッシュ大統領は効果に絶大なる自信を見せていた
 と言いますが、経済学者が言う、急激な「recession(後退)」
 に突入してしまった米国の景気動向を考えると、
 5月では間に合わないのです。

 2月~3月になって急激にお金が入ってこないで
 困っているというのに、5月まで待つとなると、
 この3ヶ月間はどうしのげばいいのでしょうか?

 私には、致命的な3ヶ月になってしまうと思えます。


●FRBの金利政策も、景気対策には全く効果を発揮していない

 米国の景気対策が全く機能していないという点について、
 別の観点から考察した面白い記事をビジネスウィーク誌の
 コラムの中で発見しました。

 この記事によると、景気対策のため、FRBがフェデラル金利を
 下げているけれども、全く効果が出てないという指摘です。

 なぜなら、確かにフェデラル金利は下がっていますが、
 例えば、「トリプルBのコーポレート債」や
 「30年のモーゲージ債」などの金利を見てみると、
 これらの金利は一向に下がっていないからです。

 つまり、今一番お金に困っていて、金利を下げてもらいたい
 と思っている人が借りているローンの金利や
 相対的に信用リスクが高い企業が発行する債券の利率は
 下がっていないのです。

 FRBのフェデラル金利は、いわゆる優良企業に貸し出している
 金利です。この金利が下がれば、GEやIBMなどは感謝したい
 ところでしょうが、これは当初の目的とは全く異なります。

 銀行は自分だけは低金利の恩恵を受けつつも、
 結局リスクが高いと判断されるところには貸さない、
 あるいは金利は高く設定したまま貸し出す
 という方法をとっているのでしょう。

 景気対策の本来の狙いとしてお金が流れるべきところには、
 全く行き渡っていないという状況になっています。

 この指摘は、的確で重要な指摘だと思います。
 結局、このような本質的な部分を外してしまっている
 というのが、ブッシュ大統領の限界なのかも知れません。

 先日のブッシュ大統領の演説では、
 焦りと悲壮感さえ伺えましたが、それもそのはずで、
 ブッシュ政権発足以降のダウ平均株価の推移を見ると 
 納得します。

 ブッシュ大統領としては、9.11事件以降低迷してきた株価を、
 03年から07年にかけてずっと上昇させてきた
 という自負があったのでしょうが、

 ここに来て急激な下落を見せて、結局、
 8年前の大統領就任時と変わらない水準に近づいてきました。

※「ブッシュ政権発足以降のダウ平均株価推移」チャートを見る
→ http://vil.forcast.jp/c/aisNaa6r4qdeijac

 こうなってくると、一体、この8年間は何だったのか?
 と問いたくなる気持ちかも知れません。

 さすがのブッシュ大統領も打つ手がなく、
 演説ではその顔に自信の無さが表れていました。


                      以上

2008年03月14日(金)  石原銀行 唯我独尊の成れの果て

新銀行東京は、そもそも石原都知事の「鶴のひと声」で設立が決まったのだ。よって、ほとんどの報道は「新銀行東京」とは言わず「石原銀行」と呼ぶ。この銀行は「東京都の中小企業を救う!」と、石原都知事が2期目の選挙公約にぶち上げたのがきっかけだった。

 2005年に開業したばかりなのに、ずさんな融資により今年3月で累積損失1016億円、都が出資済みの1000億円も含め資本の8割以上が失われる段階になっている。債務超過に陥っている融資先企業も、昨年末の段階で全体の3割に当たる4000社に達しており、さらに焦げ付きが膨らむといわなければならない。詳しくは以下に引用した報道の通りであるが「唯我独尊の成れの果て」との批判が一番当たっているようだ。
 

石原銀行 まだ傷口を広げるのか
        2008年3月13日中日新聞社説
「石原銀行」は必要か
    2008/3/12 コメント(3)

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石原銀行 まだ傷口を広げるのか
2008年3月13日中日新聞社説

石原慎太郎東京都知事が議会に新銀行東京への追加出資の了承を求めた。譲渡先も現れない銀行に税金を使って増資-では釈然としない。黒字経営の確たる見通しがなければ傷口を広げるだけだ。
 「追加出資が負担の最も少ない方法だ」。石原知事は四百億円の追加出資の妥当性を審議する議会でこう述べた。清算の場合、過去の同規模の金融機関の破綻(はたん)を例にとると、損失額が一千億円に上ってしまうので追加出資を認めてほしい。これが知事の主張である。
 新銀行は二〇〇五年に開業したばかりなのに、ずさんな融資により今年三月で累積損失一千十六億円、都が出資済みの一千億円も含め資本の八割以上が失われる見込みだ。追加出資の財源は税金であり、都民がすんなり応じられる額ではあるまい。
 増資しないと銀行の健全度を示す自己資本比率が国際決済銀行の基準である4%を割り込み、業務改善命令の対象になる。自ら主導してきた銀行であり、つぶせない。旧経営陣の責任を強調する知事の答弁からは、そんなメンツも見えてくる。
 融資の焦げ付きは今後四年間で三百億円、既に回収不能にある債権と合わせると六百億円に上ると見込まれている。債務超過に陥っている融資先企業も、昨年末の段階で全体の三割に当たる四千社に達しており、さらに焦げ付きが膨らむことを覚悟しておかねばならない。
 知事は「都民に役立つ銀行として再生させたい」とも述べた。追加出資後は六店舗を一店舗に、行員も減らして四年後に黒字化を図るのだという。融資額を四分の一に減らし、一方で収益は二倍にする。「経営規模を縮小して、どう収益増を図るのか」。知事は都民の疑問に、はっきりと答える必要がある。
 新銀行は昨年来、十一の金融機関と譲渡交渉を試みたが、いずれも断られた。新銀行の資産を再評価すれば、とても応じられない。それほどまでに劣悪と判断されたのだろう。
 その結果が追加出資だ。資本増強は引受先を周到に探し、協力を求めるのが通常のパターンだが、新銀行の筆頭株主は出資比率八割の都であり、税金投入という“奥の手”が使える。安易と言わざるを得ない。
 新銀行は中小企業を貸し渋りから救おうと創設されたが、今では中小金融は不良債権処理を終えた大手銀行や地域金融機関の草刈り場だ。新銀行は、その役割を終えている。
 「進むも地獄、引くも地獄」。知事の弁である。同じ地獄ならば、議会も税金投入の最少化が期待できる事業清算を正面から論議すべきだ。
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「石原銀行」は必要か
2008/3/12 コメント(3)
唯我独尊の成れの果て?経営破たん寸前の新銀行東京をめぐり大荒れだった昨日(3月11日)の都議会予算委員会。野党議員から「ふざけたことを言うんじゃないですよ」と叱責され、苦笑いが精一杯の石原都知事の姿である。

今朝の「とくダネ!」は、小倉キャスターが「3年で1000億円を超す赤字で都議会は紛糾しています。石原都知事の答弁は如何なるものだったのでしょうか」と経営難に陥っている新銀行東京を取り上げた。
当初から『石原銀行』と皮肉を込めて呼ばれた新銀行東京。もとは、「大手銀行の貸し渋りで資金繰りに悩む中小企業を救済したい」と、石原都知事が2003年の選挙公約に掲げ、無担保・無保証を看板に05年4月から開業した。
開業当時からの代表執行役は、トヨタ自動車出身の仁司泰正・元代表(07年6月退任)だったが、当初から審査がずさんで、返済の意思のない詐欺師まがいの事業者にも融資をし、すぐに焦げ付くなど不良債権が累増。08年3月期決算の累積赤字は1000億円を超える見込みだ。
東京中小企業家同友会が会員200社を対象に行ったアンケート調査では、「新銀行東京は中小企業に役立っているか?」に、「役立っている」と答えたのはわずか21社。121社が「役立てっていない」と答えている。
同時に、仁司・元代表執行役はもちろん、石原都知事に対する責任論も急速に高まっているのだが、石原都知事は謝罪と得意の強弁を使い分け、基本的には強気の姿勢を崩さない。
冒頭に触れた昨日の予算委員会の紛糾部分を再現すると…
石原「400億円の追資を認めて頂かないとこの会社は潰れますよ。潰れたらもっともっと大きな損害が出て犠牲者が出るんですよ。あなた先のことを考えなきゃ」
吉田信夫(共産)「1000億円の赤字を作った人間にそんなこと言われる筋合いないですよ。あなたが、いかに先の見通しがなかったかってことじゃないですか。ふざけたことを言うんじゃないですよ」
小倉は「高金利、無担保で貸して誰が考えてもうまくいくわけがない」。呼応してタレントのデーブ・スペクターが「街金より借りやすいという話があったですが、なぜもっと早く監督しなかったのですかね」と。
得意の強弁も今や通用しなくなった石原都知事。07年の都知事3選は余分だったのでは?

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新銀行東京 旧経営陣だけの責任なのか(3月12日付・読売社説)
 こんな甘い融資姿勢では、銀行が傾くのは当然だろう。

 経営危機に陥っている「新銀行東京」が、その主因は、銀行設立時の代表執行役らが放漫な貸し付けを推し進めたからだ、などとする調査報告をまとめた。

 報告書によれば、当時の経営陣は、相手企業の返済能力を十分に審査せず、限度額いっぱい融資することを貸し付け担当者に奨励した。返済が滞っても、融資から半年以上たっていれば、担当者は責任を問われなかった。

 貸し渋りに苦しむ中小企業に融資する、という設立目的があったにせよ、銀行としての限度を逸脱している。

 大甘の融資によって救われた企業もあるだろうが、問題企業もまた群がって来たことは容易に想像できる。牛肉偽装で摘発された食肉卸会社に対し、不祥事が発覚した直後に融資を実行したことも判明している。

 新銀行東京は、東京都が資本金の8割以上、1000億円を出資している“子会社”だ。都は、設立当初の経営陣を民事・刑事両面で追及する、という。

 都民の税金で支えられた銀行で乱脈融資があったとなれば、見逃すことはできない。旧経営陣の責任を問うのは当然だ。

 しかし報告書は、都の責任についてはまったく触れていない。石原知事はじめ都の幹部が被害者のように振る舞うことに、納得できない都民が多いのではないか。

 新銀行東京は、石原知事が2期目の公約の目玉に掲げ、前面に立って設立を推進した。

 不況下の中小企業を救う、という名分だったが、3年前の開業時は景気が上向き、大手金融機関も中小企業向け融資に力を入れ始めていた。新銀行の設立自体、再考すべきだったのではないか。

 先行きが懸念される中でのスタートだった。都は開業時から経営の細部まで注意を払っていたはずだ。そうでなければ怠慢ということになる。杜撰(ずさん)な実態を全く知らなかった、では通らない。

 都が被害者の立場を強調するのは、そうしなければ、新銀行東京に対して400億円もの追加出資を行う議案を都議会で通しにくいという事情もあろう。

 だが、石原知事は失策を認め、勇気を持って、銀行業からの撤退を表明する時ではないか。

 さらに傷口を広げることに、都民の理解は得られまい。店じまいを前提に、少しでも軽い損失で済む撤退策を探る方がいい。

(2008年3月12日01時26分 読売新聞)


2008年03月13日(木)  中国の人権状況に懸念 米国務省が年次報告書で

 中国は世界で№1の外貨準備高を抱えるに至っている。これからは一党独裁での人権状況に、世界の厳しい目が向けられていくと思う。米国務省は6月11日、07年の世界各国の人権状況をまとめた年次報告書を発表し、中国について、「言論の自由や、チベットや新疆ウイグル自治区での宗教の自由への規制が強まっている」と指摘している。

五輪が半年後に迫った中国で、人権の擁護や民主の拡大を求める活動家らへの締めつけが強まっている。特に、「人権」や「民主」を求めただけで「国家政権転覆扇動」の罪に問われて逮捕されるケースが増えているのだ。日本の戦前の治安維持法に類似しているように思う。関心のある人は朝日新聞の記事に目を通してください。


中国の人権状況に懸念 米国務省が年次報告書で
              008年03月12日09時56分  朝日新聞
消息不明の北京の弁護士帰宅 「公安当局に連行された」
2008年03月08日20時06分 朝日新聞
中国で逮捕続々 「人権」主張は国家転覆扇動罪
2008年02月09日 朝日新聞

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中国の人権状況に懸念 米国務省が年次報告書で
              008年03月12日09時56分  朝日新聞
 米国務省は11日、07年の世界各国の人権状況をまとめた年次報告書を発表し、中国について、言論の自由や、チベットや新疆ウイグル自治区での宗教の自由への規制が強まっていると指摘した。著名な人権活動家で国家政権転覆扇動容疑で当局に逮捕された胡佳氏のケースなど、個別の人権侵害例も多く取り上げており、北京五輪を控えてイメージ改善に力を入れる中国の反発は必至だ。
 報告書は、北朝鮮やキューバと同じ「世界最悪の人権侵害国」としていた位置づけからは中国を除外し、司法改革などに一定の評価も与えた。
 北朝鮮については「抑圧的体制が市民生活のほぼすべての分野を規制し続けている」などと指摘した。
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消息不明の北京の弁護士帰宅 「公安当局に連行された」
2008年03月08日20時06分 朝日新聞
 6日夜から消息が不明になっていた中国・北京の人権派弁護士滕彪氏が8日午後、自宅に戻った。滕氏は朝日新聞の電話取材に「北京の公安当局に連行された。多くは語れないが、無事だ」と語った。
 法律家として人権保護に取り組む滕氏は、昨年末に「国家政権転覆扇動」容疑で逮捕された人権活動家の胡佳氏と親しく、「胡氏と五輪に関する発言をしないように」と警告されていた。今回の連行理由や、胡氏の事件との関係については「今は何も言えない」と答えるにとどめた。

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中国で逮捕続々 「人権」主張は国家転覆扇動罪
2008年02月09日 朝日新聞
 五輪が半年後に迫った中国で、人権の擁護や民主の拡大を求める活動家らへの締めつけが強まっている。特に、「人権」や「民主」を求めただけで「国家政権転覆扇動」の罪に問われて逮捕されるケースが増えている。国際人権団体は、北京五輪の誘致にあたって中国政府が掲げた「人権状況を改善する」との国際的な約束を守るよう求めるが、五輪が近づいて状況はむしろ悪化しているとの見方が強い。
 今月初め、浙江省杭州市の中級人民法院(地裁)は、著名なインターネット作家の呂耿松氏に対し、国家政権転覆扇動罪で懲役4年の実刑判決を言い渡した。
 呂氏は中国の人権弾圧、共産党・政府高官の腐敗などを批判する文章をネット上などで発表してきた。昨年9月に逮捕された。判決が言い渡された法廷では「民主必勝、専制必敗」などと叫んだという。
 米国ニューヨークに本部を置く人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチが北京五輪の開催まで半年を期に発表した声明によると、過去1年に逮捕されるか有罪判決を言い渡された著名な活動家は呂氏で6人目。中国の公安当局が国家政権転覆扇動容疑を名目にした逮捕件数は06年から07年にかけて20%増加したという。そのうえで、同容疑・罪の拡大解釈と乱用が「活動家を黙らせる武器になっている」と批判した。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルやパリに本部を置く「国境なき記者団」なども、中国の人権状況の悪化に懸念を示している。
 目立つのは、北京五輪開催で国際社会の注目が集まることを人権状況の改善につなげようとする取り組みへの弾圧だ。黒竜江省で「五輪より人権を」と署名集めをした楊春林氏も国家政権転覆扇動容疑で逮捕された。
 一般市民への締めつけも強まっているとの見方が一般的だ。
 中国が巨大な市場として脚光を浴びるようになるに従って、主要先進国が人権分野で中国側に厳しい注文をつける場面は少なくなっている。ヒューマン・ライツ・ウオッチのリチャードソン・アジア部長は声明で「国際社会が北京五輪に絡んだ弾圧に沈黙すれば、その弾圧に青信号を出したのと等しい」と警鐘を鳴らしている。
    ◇
■この1年に「国家政権転覆扇動」で逮捕、有罪判決を受けた著名な活動家
・呂耿松氏 2月に懲役4年の判決。浙江省在住のインターネット作家。逮捕後、国際ペンクラブなどが早期解放を求めていた。
・胡佳氏 昨年12月に拘束され、1月に逮捕通知が家族に届いた。北京市在住で妻子も軟禁されている。エイズウイルス感染者の人権擁護に取り組み、北京五輪を期に今年を「中国人権年」とするよう訴えた。
・陳樹慶氏 昨年8月に懲役4年の判決。作家で民主化を求める非公認政党・中国民主党の準備委員会メンバー。
・楊春林氏 昨年8月に逮捕。黒竜江省の元工場労働者で「五輪より人権を」と訴え、署名活動にあたっていた。
・厳正学氏 昨年4月、懲役3年の判決。芸術家。インターネットで文章も発表。懲役刑の被告などに科される「労働改造制度」に反対する署名活動などに取り組んだ。
・張建紅氏 昨年3月、懲役6年の判決。ウェブサイトを運営し、「中国政府を中傷した」などと批判された。
(ヒューマン・ライツ・ウオッチや中国の国営新華社通信などによる)


外貨準備高
(アメリカドル換算、単位 100万ドル) 時点
— 世界全体 合計 $ 7,208,609 --

1 中国
(香港とマカオ経済特区は含まない) $ 1,589,900 January 2008

2 日本
$ 1,007,981 February 2008

— ヨーロッパ
(EU member states which have adopted the euro, incl. ECB)
$ 556,965 January 2008

3 ロシア
$ 490,700 February 2008

4 インド
$ 301,235 February 2008

5 台湾
$ 277,840 February 2008

6 大韓民国
$ 262,400 February 2008

7 ブラジル
$ 193,851 March 2008

8 シンガポール
$ 171,735 February 2008

9 香港
$ 160,300 February 2008

10 ドイツ
$ 147,255 January 2008

11 フランス
$ 128,513 January 2008

12 マレーシア
$ 116,300 February 2008

13 アルジェリア
$ 110,000 December 2007

14 イタリア
$ 103,459 January 2008

15 タイ
$ 100,500 February 2008

16 イギリス
$ 99,128 January 2008

17 メキシコ
$ 90,380 February 2008

18 イラン
$ 76,100 November 2007

19 スイス
$ 75,559 January 2008

20 トルコ
$ 74,900 February 2008

21 アメリカ合衆国
$ 71,613 January 2008

22 リビア


2008年03月12日(水)  <国民年金>収めていない人約700万人

  国民年金の免除者381万人、滞納者481万人、合計で862万人が国民年金保険料を払っていない。免除者らを除く保険料滞納者は全加入者1896万3000人の25.4%にあたる481万9000人なのである。この内訳を少々分解しよう。

免除者 法定免除者  1126000人・・・身体障害者
申請免除者       2156000人
半額免除者        533000人
  計           3850000人
http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/zaisei/data/data01/kokumin/kk-15.html
加入者 納付者  14144000人
    滞納者     4819000人・・・加入者に対して25.4%
     計      18963000人
免除者         3815000人
    合計      22778000人
国民年金対象者2277万人中、納付している人の合計が1414万人なのである。収められないといって保険料の納付を免除者してもらった人215万人、滞納している人481万人合計で700万人に近い人が国民年金を納付できないのだ。一部、嫌で納付しない人の数は10万人以下である。この700万人が高齢者になった時事実上の無年金者となる。この現実から目をそらすことは出来ないのだ。
「税方式」(消費税)でこれら700万人の支援を考えるしかないと思う。

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国民年金>滞納者25% 「経済的に困難」65%も
3月10日20時8分配信 毎日新聞

 社会保険庁は10日、自営業者らが対象の国民年金の保険料納付状況などを調べた「05年国民年金被保険者実態調査」の結果をまとめた。免除者らを除く保険料滞納者は全加入者1896万3000人の25.4%にあたる481万9000人で、02年前回調査より7.2ポイント(155万2000人)増。滞納理由のトップは「経済的に支払いが困難」の65.6%だが、「年金制度の将来が不安・信用できない」も14.8%を占めた。

 滞納者とは過去2年間の納付義務がある月に一度も保険料を払っていない人。年々増えており99年比45%増。年齢別では25~29歳層の滞納率が最も高く、38%となっている。02年度に免除を受ける年収基準を厳しくしたため全額免除者が70万人減って滞納に転じたことや、年金不信の広がり、低所得者の増加などが滞納者数を押し上げたとみられる。

 納付者の年間平均所得が158万2000円なのに対し、滞納者は104万6000円。ただ、納付者の43.3%は所得が50万円未満。一方、滞納者のうち50万円未満の所得の人は48.6%で、両者の間に極端な差はなかった。滞納者の46.7%は生命保険に、7.5%は民間の個人年金に加入しており、両方に入っている人も6.1%いた。

 調査は3年に1度実施し、抽出調査を基に全体数を推計している。国民年金保険料に関しては、納付月数で計算する「未納率」(05年度は32.9%)が一般的だが、滞納率は不払い者の数で計算する。【吉田啓志】

【図説特集】 選択の手引 政府と民主党の年金改革案は?
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【関連記事】 年金改革:「税方式」柱に提言 自民の考える会
【関連記事】 年金がわかる:パートの加入条件緩和の動き
【関連記事】 年金問題:東京社保事務局、1億円未払い 38人分、複数受給でミス ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


2008年03月11日(火)  医師の喫煙率、男性医師は21.5%、女性医師は5.4%

 日本の医師の喫煙率が高いのが、問題になっている。勿論日本の平均喫煙率から見れば半分程度なのであるが、健康を指導する医師の喫煙率が21%を超えていることは如何なものか。

 日本医師会会員の喫煙率は、男性医師は21.5%、女性医師は5.4%であることを報告している。男性医師の場合、産婦人科が26.3%で最も高く、泌尿器科が26.2%、外科が24.6%、精神科が22.1%、消化器科が21.5%、整形外科が21.4%、皮膚科が20.9%、内科が20.5%で続いている。

 他国と比べると、英国では2%(2000年調査)、米国3%(1991年)、スウェーデン6%(2001年)と日本の喫煙率の高さが際立っている。禁煙ジャーナルに投稿された東京都港区&小田原医師会の木村守医師の記事を引用します。

 「日本の医師の喫煙率は27%(朝日新聞9月18日夕刊)となっているが、日本ほどたばこに関し非常識な医師が多い国はない。これは私のアイディアだが、まず日本の医大はどんなに試験の点数がよくても喫煙学生は入学させないこと。たばこは百害あって一利なしと徹底的に教えこむこと…厚生省と日本医師会は、医師免許証取得時に禁煙を条件とし、喫煙医師の免許証を剥奪すべきである。」


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日本医師会会員の喫煙率、男性医師は21.5%、女性医師は5.4%関連ジャンル:循環器
 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jcs2006/200603/500031.html

日本医師会会員の喫煙率は、男性医師は21.5%、女性医師は5.4%であることが報告された。日本大学の兼板佳孝氏(写真)が3月25日、「禁煙推進セミナー」で発表した。

 対象者は2003年12月時点での日本医師会員から無作為に抽出した男性医師3000人、女性医師1500人の計4500人。入院や死亡者、留学などで住所が不明だった102人を除外し、4398人に送付した。回答は3776件で、回収率は85.9%だった。アンケートの回答が不十分だった143件を除外した3633件を解析対象とした。調査時期は2004年2月~7月。

 調査の結果、喫煙率は、男性医師は21.5%、女性医師は5.4%だった。前回の2000年調査では、男性医師が27.1%、女性医師が6.8%で、男性医師ではこの4年間で有意に減少していた(p<0.01)。

 診療科別喫煙率をみると、男性医師の場合、産婦人科が26.3%で最も高く、泌尿器科が26.2%、外科が24.6%、精神科が22.1%、消化器科が21.5%、整形外科が21.4%、皮膚科が20.9%、内科が20.5%で続いた。

 女性医師の場合は、泌尿器科が最も高く33.3%と突出していた。整形外科が10.5%、皮膚科が7.9%、産婦人科が7.5%、外科が7.1%と続いた。

 男性医師の喫煙率が有意に減少していたが、他国と比べると、たとえば英国では2%(2000年調査)、米国3%(1991年)、スウェーデン6%(2001年)などであり、世界的に見て依然として高水準にあることに変わりない。

 フロアとの質疑応答では、「生まれてくる子どもに対する悪影響を考えると問題だ」「産婦人科なのに喫煙コーナーがある施設があるのは論外」など、特に産婦人科で喫煙率が高いことを問題視する意見が相次いだ。

(三和 護=医療局編集委員)




医師を中心とした禁煙キャンペーンのあり方
喫煙ドクターの医師免許を剥奪せよ!

           広島市安佐市民病院 名誉院長 岩森  茂
http://www.hiroshima.med.or.jp/kenkojoho/smoking/337.htm

!これは禁煙ジャーナル '00年11号に投稿された東京都港区&小田原医師会木村守医師の記事です。
 余りにもドラスティックですが、決して私の言葉ではないことをまず断っておきます。
 その内容は「日本の医師の喫煙率は27%(朝日新聞9月18日夕刊)となっているが、日本ほどたばこに関し非常識な医師が多い国はない。これは私のアイディアだが、まず日本の医大はどんなに試験の点数がよくても喫煙学生は入学させないこと。たばこは百害あって一利なしと徹底的に教えこむこと…厚生省と日本医師会は、医師免許証取得時、禁煙を条件とし、喫煙医師の免許証を剥奪すべきである。医大附属病院にたばこ自販機と灰皿があるのは非常識である。
 一方喫煙看護婦も大学附属病院では雇わないこと、現在都道府県医師会長をはじめ役員の多くがたばこを吸っていると云われている。外国人から日本の医師のだらしなさを指摘されても全く弁明の余地がない」以上大略を転記させて頂いたが、一部は同調できても全体としては突飛とも思われる点が少なくない。即ち入学試験時喫煙学生は殆ど未成年のため法律違反者であろうが、自主申告とすればザル法であり、それ以前に医学教育担当者の禁煙者であることが要求される。医師法の中に禁煙の規則はなく、喫煙医師の免許証云々はナンセンスであろう。
 病院内喫煙制限法は絶対賛成であるが、クライアントの喫煙は制限するにしても完全空間分煙である限り、灰皿はおいてもかまわないと思う。喫煙医師・ナースの雇用に際し非喫煙者を条件とすることは可能と思われるが、公務員の場合その規制はない。国民の健康を守る責務をもつ医師が堂々と人前喫煙をする事を厳しく律しても、禁煙のマナーが守られている限り、私は愛煙医師の喫煙は大らかに眺める。要は防煙・分煙・禁煙のルールを充分理解して頂き、周囲の人に受動喫煙害を与えない医師、そして未成年喫煙に厳しく対処して下さる医師であって欲しいと願うのである。

2008年03月10日(月)  中国野菜輸入4割減

中国野菜輸入とは、生か、生のまま冷凍された野菜が調査の対象で、2007年に中国から輸入した野菜は約54万トンであるという。10トントラックで5000台分の野菜が輸入されているのだ。この54万トンの中には、加熱や塩漬けなど加工された野菜は含まれていない。

 これだけの野菜がどこで消費されているのだろう。輸入量が多いキャベツを例にとれば、中国産のキャベツがスーパーで売っているのを見たことがない。以前に書いたことがあるが、消費しているのはほとんど外食産業なのである。スーパーでは、産地を表示するよう義務付けられているが、外食産業にはこの義務がない。カツに付けられたキャベツに小さな中国産の旗を立てると3分の2の人は食べないと思う。

 ここで何を言いたいか。外食を多くしている人は、大量の中国産の野菜を食べているという現実がある。ギョーザ事件が起こった時、ロイヤルホストの幹部のコメントが、「中国産の食材なしは考えられない」と新聞に掲載されていた。この店でカツ定食を頼むと「冷凍カツ」がレンジされて出てくる。冷凍カツはどこから輸入されているか、ここで使われるキャベツはどこのものか、外食産業だけは、消費者に説明しなくても良いというシステムは、可笑しいと思う。
 





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中国野菜輸入4割減、ギョーザ事件影響?キャベツ66%減(2008年3月6日22時00分 さん 読売新聞)
 農林水産省が6日発表した植物防疫統計(速報)で、2月第1~3週に日本が中国から輸入した生鮮野菜が前年同期より約4割減ったことが明らかになった。

 1月末に発覚した中国製冷凍ギョーザの中毒事件以後、日本の食品メーカーなどが中国産品を敬遠し、輸入が大幅に落ち込んだためとみられる。事件を受けて中国当局は検疫体制の強化を打ち出しているため、今後さらに輸入が減ることも予想される。
 2月の第1週(3~9日)から第3週(17~23日)までに、国内73か所の植物防疫所に「中国から輸入する」と申請があった生鮮野菜は2万704トンで、前年同期の3万4329トンから39・7%減った。
 輸入量が多かった上位10品目のすべてで減った。なかでもキャベツ(66・7%減)、里芋(65・7%減)、オランダイチゴ(45・3%減)などの減少幅が大きかった。1月も輸入量は9・1%減少した。
 2月に入ると減少幅が急に拡大、第3週は60・8%減だった。今年1月中旬以降、中国中南部を襲った50年ぶりの大雪で農作物の収量が減ったことも影響していると見られる。
 植物防疫統計は、生か、生のまま冷凍された野菜が調査の対象で、加熱や塩漬けなど加工された野菜は含まれていない。2007年に中国から輸入した野菜は約54万トンだった。

ギョーザ中毒事件、2度目の合同捜査会議…国内混入を否定 (3月4日 )
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080131-1068087/news/20080304-OYT1T00602.htm
中国「食の安全」担当局長、「日程上の都合」で来日延期 (3月2日 )
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080131-1068087/news/20080302-OYT1T00657.htm
「日中で鑑定の試薬に違い」来日の中国側検査担当者 (3月1日 )
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080131-1068087/news/20080301-OYT1T00048.htm
警察庁長官、鑑定データを中国公安省に要求 (2月29日 )
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080131-1068087/news/20080229-OYT1T00832.htm
ギョーザ事件の中国側見解、泉国家公安委員長「理解しがたい」 (2月29日 ) http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080131-1068087/news/20080229-OYT1T00316.htm

2008年03月09日(日)  第28回スピーチの会

今日は第28回のスピーチの会であった。
スピーチに参加した人は40人(午前のみの参加者5名)で次の14名からスピーチをしていただいた。
24歳の藤井千歳さんから92歳の梅田千代さんとこれほど年代の異なる人たちが集まる会合はおそらくここだけでないかと思う。 

・ 風間貞夫さん  演題「新潟英和レスリング・クラブ」会員募集
・ 齋藤文夫さん  演題「文弥人形の紹介」
・ 相馬正幸さん  演題「初めまして、自己紹介」
・ 本田明子さん  演題「オーロラ外国語教室のご案内」
・ 藤井千歳さん  演題「ベリーダンスの紹介」
・ 高沢 徹さん   演題「自己紹介・太陽光発電」
・ 伊藤啓子さん  演題「社会の情報交換会第4グループの発足」
・ 佐藤 實さん  演題「EM菌の紹介」
・ 宗村友之さん  演題「柳下洋子出版祈念パーテーの紹介」
・ 宮入 正陽さん  演題「コミュニケーションについて」
・ 萩野玲子さん  演題「映画の出演オーデションに参加して」
・ 梅田千代さん  演題「映画の出演オーデションに参加して」
・ 斉藤信夫さん  演題「障害者の就職活動について」








2008年03月08日(土)  たばこ一箱1000円時代になるか

 笹川陽平日本財団会長は「タバコ一箱の値段を1000円にすべきだ」と提案している。時を同じくして日本学術会議は、欧米先進国に比べ半分から5分の1程度のたばこの税負担(1箱当たり約189円)を、約2倍程度の引き上げを検討すべきだとの要望書を国に出した。 

 笹川日本財団会長の主張は、日本で320円に売られているタバコは、ロンドンでは5ポンド(1045円)。各国と比べても日本のタバコの値段は安く、増税によって喫煙規制が進むのが世界の大勢であるとしている。これらの主張に確たる反論が見当たらないようで、たばこ一箱1000円時代になるかもしない




「1箱1000円」の時代は来るのか
                 3月6日11時 J-CASTニュース
たばこ税2倍に、日本学術会議が国に規制を要望
読売新聞 -2008年3月4日
たばこ規制:日本学術会議がたばこ税倍増など提言
                    毎日新聞 2008年3月4日 

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「1箱1000円」の時代は来るのか
                 3月6日11時 J-CASTニュース
「タバコ一箱の値段を1000円にすべきだ」と笹川陽平日本財団会長が提案している。時を同じくして、日本学術会議がたばこの増税と値上げを内容とした要望書を国に出した。1箱1000円時代はやってくるのか。

■消費量が減っても税収増になる

 産経新聞の2008年3月4日付けコラム「正論」に、笹川日本財団会長の主張が掲載されている。それによると、日本で320円で売られているタバコは、ロンドンでは5ポンド(1045円)。各国と比べても日本のタバコの値段は安く、

  「日本も1箱1000円とするよう提案する。現在の3倍以上になるが、たばこ増税は喫煙規制が進む世界の大勢であり、厳しい財政赤字の中、実現すれば大きな財源になる。国会には超党派の議員立法として正面から取り組んでいただくようお願いしたい」

と書いている。1箱1000円になれば、消費量が3分の1に落ち込んだ場合も3兆円を超す税収増が見込める計算で、未成年者の喫煙も抑制できるため、消費税より先に議論すべきテーマだとしている。

 日本学術会議も同日、たばこの増税・値上げをするべきだとだという要望書を国に提出。ホームページにも「脱たばこ社会の実現に向けて」と題しその内容を掲載した。日本学術会議の試算によると、税金を現在の一箱あたり約189円に300円加えた場合、喫煙者は300万人減の3310万人になり、たばこ消費量は800万本減の1910億本。税収は2.05兆円増え4.29兆円になるのだという。この要望書作成に携わった大野竜三愛知淑徳大学医療福祉学部教授はJ-CASTニュースの取材に対し、

  「タバコの値段が上がれば喫煙者が減少するが、税収が上がるというのは世界中で実証されている。ただし、私達は税収に重きを置いているのではなく、あくまでたばこが体に悪いことを知ってほしいというのが狙い。是非『脱たばこ社会』を実現させたい」

と話している。

■根っこまで吸って健康を害してしまう?

 京都大学大学院経済学研究科が07年5月21日に発表した喫煙に関するアンケート調査によると、たばこの値段が1000円になった場合、9割以上が「禁煙を決意する」という結果になっている。調査は喫煙者600人を対象に行われた。Q&Aサイトでも「1000円になったら禁煙するか」というテーマが上がっている。いずれ1箱1000円になるのではないか、という話は世の中に結構流れている。

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たばこ税2倍に、日本学術会議が国に規制を要望
(読売新聞 - 03月04日)

日本学術会議は4日、国に対し、たばこ税の大幅引き上げなどを柱とする、強力なたばこ規制策を求める要望書を提出した。

 たばこは、がんや心臓病をはじめとする深刻な健康被害を及ぼすことから、世界保健機関(WHO)が、包括的なたばこ規制に取り組むための枠組み条約を2003年に採択。わが国も批准しているものの、男性の喫煙率は欧米先進国に比べ依然高く、対策は立ち遅れている。

 「脱たばこ社会の実現に向けて」と題した要望では、欧米先進国に比べ半分から5分の1程度のたばこの税負担(1箱当たり約189円)の、約2倍程度の引き上げを検討すべきだとして、値上げの影響による需要の低下や税収の変化を試算した。それによると、年間のたばこ消費量は現在の2700億本が4分の1減少し、喫煙者数は最低でも200万人以上の減少が見込まれた。一方、税収は現在の2兆2000億円から約1兆2000億円の増収につながるとしている。
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たばこ規制:日本学術会議がたばこ税倍増など提言
                毎日新聞 2008年3月4日 20時50分
日本学術会議は4日、たばこ税の大幅引き上げなど7項目のたばこ規制強化に関する提言をまとめ厚生労働省に提出した。同会議は「国民の健康と環境を守るには、速やかな脱タバコ社会の実現が必要」と訴えている。
 学術会議は、たばこの規制に関する分科会(大野竜三委員長)で、06年6月から検討してきた。欧州の科学者が作成したたばこ規制対策の評価基準で、委員12人が日本の対策を評価したところ、平均25.5点で、欧州30カ国と比べると最下位だった(1位はアイルランドの71点)。
 提言では自動販売機の設置禁止、喫煙率削減の数値目標設定のほか、たばこ税(1箱当たり189円)を現在の2倍程度にすることの検討を求めた。この場合、年間消費量は現在の約2700億本から4分の1減少、喫煙者数は少なくとも200万人減少すると試算した。一方、税収は年間約2兆3000億円から約1兆2000億円増えるという。また喫煙は、がんなどの疾患や火災、環境汚染の原因になっていると指摘。経済的損失は年間約7兆3000億円に上るとする試算を引用し、年間のたばこ税収を上回るとした。
 世界保健機関(WHO)の02年の比較では、日本の成人男性の喫煙率は47%で、英国27%、米国24%に比べ高い。
 大野委員長は、日本たばこ産業(JT)の株式の50%を財務相が所有している事実に触れ「JTは民間会社だが、株主の比率を見れば政府が持っていると思われても仕方がない」と述べた。【須田桃子】

2008年03月06日(木)  高齢化社会の基本的な情報

時折、認知症高齢者が高速道路を逆走して、事故を引き起こした報道を見受ける。
岡山県倉敷市矢部の山陽自動車道での逆走事故は74 歳の会社役員(男性)であった。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=25391830&comm_id=2437079
この事故で男性1人が首を強く打って重傷、運転していた左官男性と他の同乗者計6人が頭や首などに軽傷を負った。

 一般に認知症に対する認識が弱いので2006年8月23日高齢者福祉情報に記述した認知症の年代別の割合を引用したい。

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認知症の年代別の割合 (2006年8月23日高齢者福祉情報から)
生涯青春の会で12月から2月まで3回~6回「脳いきいきセミナー」を開催することにした。その準備に以前熟読した認知症の専門医である金子満雄(金子クリニック)先生のページ開く。このホームページが、生涯青春の会を作って認知症の予防運動をしようとの決意を促がしてくれたのである。
金子クリニックホームページ http://mkaneko.jp/

 その中に認知症の年代的な割合が出ている。この記述を引用したい。
「私たちが全国数百ヶ所の保健師、医師や保健所の協力の元に実施してきた痴呆健診によって、以下のようなことが分かってきました。
早期痴呆を含めた年齢群ごとの全痴呆頻度は加齢とともに増加し、50歳代で5%、60歳代で12%、70歳代で30%となり、80歳代で初めて50%を越えます。90歳代ではほぼ75%に達し、そして100歳を越えると97%に達します」

再度確認しよう。以下が認知症になる割合である。

50代     5%・・・100人中5人が認知症
60代    12%・・・100人中12人が認知症
70代    30%    10人中3人が認知症
80代    50%     2人に1人が認知症
90代    75%     4人中3人が認知症
100歳以上 97%    100人中97人が認知症となる

貴方は70代で10人中3人の仲間に入らないだけの生き方をしていますか。
貴方は80代で10人中5人の仲間に入らないだけの生き方をしていますか。
と問いたい。






2008年03月05日(水)  黄砂:西から東の広い範囲で観測

中国の黄砂の被害が深刻さを増している。
韓半島に4万トンから8万トンの砂ぼこりを撒き散らすというから深刻である。
今年初めての黄砂が3日、西日本や東日本の広い範囲で観測された。気象庁によると、黄砂は本州では仙台市まで飛来した。長崎、熊本両市などで一時、視界が2~5キロ、東京や大阪などでも5~10キロまで低下している。

朝鮮日報の社説によれば「黄砂が頻繁に襲来し、被害も深刻化したが、その背景には中国における急速な砂漠化がある。中国では毎年済州島の2倍に近い土地が砂漠化している」中国政府も2001年、「防沙治沙法」を制定し、「緑の万里長城」を構築するプロジェクトを進めている。しかし、砂漠に木を植える速度よりも、新たに砂漠化が進む速度が多いのが現実なのだ。中国は黄砂の発生場所などは「国家機密」として国際的に公開していない。この姿勢に問題があると思う。
 


黄砂:西から東の広い範囲で観測 今年初めて飛来
2008年3月3日毎日新聞
黄砂、まるで泥の雨 九州 視界不良、花粉 症悪化懸念も
2008年03月03日 朝日新聞
黄砂、3日に東日本まで飛散の恐れ、気象庁注意呼びかけ
2008年03月03日 朝日新聞
黄砂飛来 街かすむ 九州、今年初
2008年3月3日 西日本新聞
今年初の黄砂 宮城でも観測
2008年3月3日 河北新報
社説:いつまでも中国の黄砂を浴びるわけにはいかない
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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黄砂:西から東の広い範囲で観測 今年初めて飛来
毎日新聞 2008年3月3日
 今年初めての黄砂が3日、西日本や東日本の広い範囲で観測された。気象庁によると、黄砂は沖縄・与那国島から九州、四国のほか、本州では仙台市まで飛来した。長崎、熊本両市などで一時、視界が2~5キロ、東京や大阪などでも5~10キロまで低下した。
 東京都心部では午後2時半ごろから空が黄色く染まり、国会議事堂や高層ビルがかすんで見えた。【酒井祥宏】


黄砂、まるで泥の雨 九州 視界不良、花粉 症悪化懸念も
2008年03月03日17時35分 朝日新聞

 春が来るたびにおなじみの風景だが、西日本の広い範囲が3日覆われた黄砂は、各地の暮らしに影響を及ぼし始めた。砂混じりの雨にドライバーは顔をしかめ、晴れた地域では多くの人が屋外に洗濯物を干すのを控えた。花粉症に苦しむ人の症状を悪化させる恐れがあり、健康被害への懸念も強まっている。
 朝から雨の福岡市では車や建物が汚れた。タクシー運転手の男性(56)は午前7時に出勤したら、2日夜に洗ったばかりの白い車体に黄色い砂の筋がついていた。「ワイパーを動かすとフロントガラスに跡がくっきり。まるで泥の雨ですよ」。北九州市でも細かな砂混じりの雨が降り、関門海峡は煙った。下関地方気象台によると、3日朝から視界が10キロ程度に落ちている。
 鹿児島市のタクシー会社の洗車機の前には長い車列ができた。担当者は「朝からフル稼働。近年は桜島の火山灰もほとんど降らず、ふだんはこんなに長く待たせないのに……」。2日に観測された長崎県対馬市も3日朝から、霧に覆われたようにかすんだ。マスク姿の人が目立ち、買い物中の女性は「今日が一番ひどい。洗濯物は外に干せません」と話した。
 中国や韓国では、黄砂で心臓病などが悪化し、お年寄りの死亡率が高くなるという調査結果もある。九州大は中国の研究機関と連携し、研究を進めることにしている。
 大分県立看護科学大の市瀬孝道教授(環境毒性学)は「黄砂に含まれる石英や水晶といった二酸化ケイ素のほか、カビの死骸(しがい)や細菌が人体に入り、アレルギーを引き起こす」と言う。
 花粉症の人にとってはダブルパンチだ。黄砂が花粉症を新たに発症させる可能性もある。市瀬教授は「花粉症やインフルエンザ用のマスクも効果がある」と助言する。
 福岡・天神の大賀薬局では数日前から、「黄砂が気になる」と花粉症用のゴーグルやマスクを買う客が目立ち始めたという。店員は「体内に入れないのが一番なので、花粉症ではない人にもお勧めしています」。
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黄砂、3日に東日本まで飛散の恐れ、気象庁注意呼びかけ
2008年03月03日朝日新聞
 東アジアの砂漠域からの黄砂が、今年初めて九州を中心に観測され始めた。3日には東日本にまで広がった。気象庁は「西日本や沖縄・奄美地方では視程が5キロ未満になる所があり、交通への障害が発生する恐れがある」と注意を呼びかけている。
 同庁によると、今年初めての黄砂は2日に長崎県内で観測され、3日には、福岡、石川、岐阜、宮城、福島県などで観測された。見通しが5キロ未満になると車の運転や飛行機の運航に影響が出る恐れがあるという。
 同庁は黄砂は3日午後には関東にも飛散するとみている。

黄砂飛来 街かすむ 九州、今年初
3月3日14時37分配信 西日本新聞

 九州・山口全県を含む東海地方の以西で2日午後から3日にかけて、今年初めて黄砂が観測された。気象庁は4日も沖縄・奄美地方から東北地方南部まで日本の各地で黄砂が予想され、視界が悪くなると注意を呼び掛けている。

 気象庁によると、黄砂は沖縄県や北陸地方でも観測された。午前中の視程は長崎、熊本両市で約3キロ、福岡市で約5キロとなり、街並みがぼんやりとかすんだ。福岡市の天神を歩いていた主婦=同市中央区=は「ベランダが汚れて困るし、1歳の子どもに健康被害が及ばないか心配。根本的な対策が取れないんでしょうか」と困った様子。一方、同市内のガソリンスタンド店員(22)は「洗車のお客さんが増えて、正直言ってうれしい」と対照的だった。

 黄砂は、中国大陸の砂漠域の砂が偏西風で飛来し、空が黄色くかすんで見える現象。硫黄酸化物などの大気汚染物質が含まれていることがある。
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今年初の黄砂 宮城でも観測
3月3日14時23分配信 河北新報


 西日本から東海、北陸、東北南部までの広い範囲で2日夜から3日にかけて、今年初めて黄砂が観測された。気象庁は沖縄・奄美から東北南部の広い範囲で4日にかけ黄砂が予想され、視界が悪くなるとして、交通機関などに注意を呼び掛けている。

 気象庁によると、黄砂が観測されたのは九州・沖縄、中国、四国、近畿の全府県と三重、愛知、岐阜、福井、石川、福島、宮城の各県。熊本、長崎では視程(見通しの利く距離)が5キロ未満に、鳥取、松山、福岡、那覇などでは10キロ未満に落ちた。

 黄砂は中国大陸の砂漠域で巻き上げられた砂が偏西風で飛来し、空が黄色くかすんで見える現象。硫黄酸化物などの大気汚染物質が含まれていることがある。
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社説:いつまでも中国の黄砂を浴びるわけにはいかない
朝鮮日報/朝鮮日報JNS

 先週末、全国が黄砂の砂じんで覆われた。浮遊粒子状物質の環境基準は1立方メートル当たり150マイクログラムだが、ソウルを初めとするかなり多くの地域が2000ミリグラムを超えた。砂ぼこりで目の前の建物がかすんでしまい、呼吸に困難をきたすほどだった。
 11日夜、再び黄砂に見舞われる可能性が高いという。黄砂は韓半島(朝鮮半島)に飛来しながら、韓半島に4万トンから8万トンの砂ぼこりを撒き散らす。その砂ぼこりのなかには、硫酸塩などの大気汚染物質が混じっており、なかには口蹄疫菌が混じっている主張もある。
 最近、黄砂が頻繁に襲来し、被害も深刻化したが、その背景には中国における急速な砂漠化がある。中国では毎年済州島の2倍に近い土地が砂漠化している。中国政府も2001年、「防沙治沙法」を制定し、「緑の万里長城」を構築するという「三北防護森プロジェクト」も進めている。しかし、専門家の説明によると、依然として砂漠に木を植える速度よりも、新たに砂漠化が進む速度が、面積にして30%ほど多いという。
 韓国政府も2000年から中国の要請によって内蒙古などの5か所で造林事業を進めている。韓国の造林経験と専門知識を活用し、中国の砂漠を森と野原に還元させる取り組みに支援を行わなければならない。
 さらには、韓中日環境長官会議などを通じて、中国政府により画期的な砂漠化防止策を立てることを促す必要がある。中国の国土管理の失敗によって、もっとも大きな被害を被っている立場であるだけに、堂々と要求できる問題だ。
 短期の観点から求められるのは、体系的な黄砂予報システムの整備だ。気象庁はわずか7日前には、今回の黄砂がそれほど深刻ではないだろうと予報していた。しかし、8日未明と午前に突如注意報と警報を発令し、「予報なのか実況中継なのか」との非難を浴びた。今回の黄砂は、西海(ソヘ)を渡ってくる通常の経路ではなく、満州から北朝鮮を経て押し寄せる風が直撃したと気象庁は説明している。
 黄砂がいつも決まった経路に乗ってくるはずはない。韓国政府もここ数年間、中国の5か所に60万ドルを支援し、黄砂共同観測所を設置した。北朝鮮にも共同観測システムを揃えるべきだった。韓国が毎年肥料を支援したり、コメを与えている北朝鮮に、情報を共有するための黄砂観測システムさえ持てないことに国民は閉塞感を覚えている。
朝鮮日報/朝鮮日報JNS


2008年03月04日(火)  ギョーザ事件 この程度で幕引きか

 中国製冷凍ギョーザの中毒事件をめぐり、日中の警察当局の言い分が真っ向から対立している。製造過程での混入を疑う日本側に対し、中国公安省は「中国での混入の可能性は極めて低い」と言明している。日本での混入の可能性はゼロとはいい切れないが、国民が納得できるような立証に努めるべきは言うまでもない。

 ともかく中国側は、「製造元の従業員に容疑者と思われる人物はおらず、原料野菜や生産工程、輸出の過程にも『異常はない』」としている。これでは捜査打ち切りと言わんばかりの説明である。このことで、結果的に冷凍ギョーザなどの食料輸入が減少することはむしろ好ましいことである。

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ギョーザ事件 これで幕引きなら納得できぬ
毎日新聞 2008年3月1日 

 中国製冷凍ギョーザの中毒事件をめぐり、日中の警察当局の言い分が真っ向から対立している。製造過程での混入を疑う日本側に対し、中国公安省は「中国での混入の可能性は極めて低い」と言明した。
 訪中して公安省次官と会談した警察庁次長が帰国し、「警察のトップ同士が早期解決に合意した」と成果を語った翌日、態度をひょう変させたのだから驚く。警察庁は、面目をつぶされた形だ。捜査資料も提供しているというから、中国側の記者会見での説明はうがちすぎていると映る。
 暴力団対策や覚せい剤密輸の捜査を通じて、日中の警察の関係は極めて良好で、実務者同士が電話で情報を交換するほどだったという。警察庁側はさらに協力関係を深めようとしたのだろうが、胡錦濤国家主席の来日や北京五輪を控える時期だけに、中国側には政治的な思惑が入り乱れ、覚せい剤の捜査のようには両国の利害が一致しなくなったらしい。
 中国製冷凍ギョーザの中毒事件をめぐり、日中の警察当局の言い分が真っ向から対立している。製造過程での混入を疑う日本側に対し、中国公安省は「中国での混入の可能性は極めて低い」と言明した。
 日本ではメタミドホスなどを入手できないし、密封状態で輸入された冷凍ギョーザに何カ所かで混入されたとは考えにくい。中国側が正常な製造ラインでの混入はあり得ないと強調することは理解できる。だが、自国での事件、事故の可能性を一方的に否定するのは説得力に乏しい。包装袋に水溶液が浸透するかどうかはデータを提供し合い、科学的に実証すべきだ。
 日本側としては被害が発覚した兵庫、千葉両県の警察を中心に粛々と捜査を進めるべきだ。国外犯による殺人未遂などの容疑が固まった場合に、外交ルートを通じて当該国に代理処罰を要請するのが手順でもある。国外犯の対象となる犯行であるかどうかを精査した上で、日本での混入の可能性が皆無ではないことにも留意しつつ、国内外の世論が納得するように、精緻(せいち)な立証に努めるべきは言うまでもない。
 この間、人為とみられる農薬の混入と中国産野菜の残留農薬問題が混然となって問題化したことにも留意したい。捜査当局としては、残留農薬対策などは所管官庁の手に委ねて、犯罪性の有無をしゅん別した上で絞り込んだ対象を内外に明確にする必要がある。
 幼児らを一時は重篤な症状に陥らせた中毒事件の責任をあいまいにすれば、中国製品離れが加速することは必至だ。日中両国の市民のため、公正で科学的な捜査によって解明が進むことを期待したい。国際犯罪対策上も、日中の警察の不協和音は許されない。
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ギョーザ会見 一件落着は、まだ早い
2008年2月29日東京新聞
 ギョーザ中毒事件に関し中国公安当局は二十八日初めて開いた記者会見で農薬が中国で混入された可能性は「極めて低い」と述べた。しかし、これで事件の捜査を一段落させるわけにはいかない。
 公安省刑事偵査局の余新民副局長は記者会見で、残留農薬が引き起こした食品安全問題ではなく「人為的な混入」による事件と断定した。
 製造元の天洋食品(河北省石家荘市)の生産管理は厳格で工場内での混入は困難とし、従業員についても「毒物を入れた疑いのある人物は発見されていない」と明言した。
 日本の警察当局は農薬が包装内部から検出されたため生産工程で混入された疑いを強めている。これに対し余副局長は一定の条件では農薬が包装の外から内側に浸透することがあるという実験結果を公表した。
 日本側が農薬の不純物から中国製とみていることにも、農薬の生産場所を特定はできないと反論した。
 さらに、日本の警察当局が中国側の求める日本の現場視察や物証確認に応じていないとして「深い遺憾」を表明し不信をあらわにした。
 ギョーザ事件の捜査は日本側が中国での農薬混入の疑いを強め、中国側は、それをほぼ否定し日本での犯行をほのめかす混迷に陥った。
 背景には双方とも相手国での犯行を疑わせる報道が広がり、互いに不信を募らせる国民感情がある。
 余副局長が、警察庁の安藤隆春次長が訪中し協力を加速することで合意した直後に記者会見し、日本側への不満を、あえて口にしたのも中国の国民感情への配慮だろう。
 しかし、ちょっと待ってほしい。ことは外交交渉ではなく、事件捜査なのだ。五歳の女児が一時重体になるなど深刻な被害は日本で起きた。
 余副局長も認めたように事件の真相は、まだ明らかになっていない。問題のギョーザを輸出した中国が、自国に問題のないことを言い立て、日本の捜査に反論することに、どのようなメリットがあるのか。最初の記者会見で結論めいた発言をして「幕引き」を図っていると疑われるのは決して本意ではないはずだ。
 日本の警察当局は中国側の不満表明に困惑している。中国側が資料を提供しない段階で手の内を明かせない駆け引きがあるのかもしれない。しかし、中国の事情も理解し、さらに踏み込んで捜査協力する度量を示すべきだ。
 両国当局が互いに不信を募らせ捜査が混迷すれば、四月に来日を予定している胡錦濤国家主席の歓迎ムードに水を差す。その陰で真の犯人はほくそ笑んでいるのかもしれない。

2008年03月03日(月)  深刻な年長フリーター

 総務省が2月29日にまとめた2007年の労働力調査によると、フリーター人口は前年を6万人下回る181万人であるという。問題は就職氷河期で正社員として就職できなかった「年長フリーター」なのである。
 
 年齢層別に見ると次の通りである
・24歳以下のパートタイム・アルバイト89万人で6万人減少
・25~34歳のパートタイム・アルバイト92万人で前年と同じ
・35~44歳のパートタイム・アルバイト38万人で6万人増加
35~44歳のパート・アルバイトはフリーターの定義からは外れている。
ともかく「元フリーター」が定職に就かないまま年齢を重ねているのだ。この38万人が65歳になった時は、生活保護以外に生きる道がないという厳しい現実が待っている。 

 年長フリーターの皆さんは時代の波に翻弄された犠牲者でもある。バブル経済が崩壊し、企業の経営状態が悪化すると、正社員の採用が極端に抑制され、低賃金かつ解雇しやすいアルバイトが、代替の労働力として活用されたのだ。そのため、就職活動をしていた多くの若者が正社員になれずアルバイト等で生活せざるを得なかったのである。

 http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20080303






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フリーター
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC
フリーターとは、日本で正社員以外の就労形態(アルバイトやパートタイマーなど)で生計を立てている人を指す言葉。フリーアルバイターとも言われるが、本項では一般的な呼称である「フリーター」を使用する。

定義
当初、この言葉には明確な定義は存在せず、雇用形態がアルバイトであることや、若者であることなどが、大まかなイメージとしてあるにすぎないものであった。
その後、1991年(平成3年)厚生労働省が実態調査のために以下のような定義が設けられた。
年齢15歳から34歳で、在学していない者(女性については、加えて未婚の者)のうち、以下の条件を満たす者と定義している[1]。
現在就業している者については、勤め先における呼称が「アルバイト・パート」である雇用者
現在無業の者については、家事も通学もしておらず「アルバイト・パート」の仕事を希望する者
他に、平成15年版 国民生活白書(内閣府)では「15~34 歳の若年(ただし、学生と主婦を除く)のうち、パート・アルバイト(派遣等を含む)及び働く意志のある無職の人」注と定義している[2]。
注:「働く意志のある無職の人」は、失業者及び就職活動を行っていないが働きたいという意思がある人
[編集] 無職との違い
無職とは無職業の略称であり、職業が定まっていない状態を示す。それに対しフリーターは、アルバイト等に従業しており、以下のいずれかの要件を満たしていれば、それが職業とみなされる。なお、フリーターとは就労形態を現す用語であり、職業の区分として用いるのは誤りである。
職業の定義
毎日・毎週・毎月等の周期を持って行われている。
季節的に行われている。
明瞭な周期を持たないが続けて行われている。
現に従事している仕事を引き続きそのまま行う意志と可能性がある。
日本標準職業分類一般原則より
[編集] ニートとの違い
フリーターは、ニートと混同される場合があるが、本来はフリーターが非正規雇用という形で就労するのに対し、ニートは仕事をしていないという違いがある。ただし、調査によっては重複する場合もある。
平成15年版国民生活白書は「働いておらず、かつ仕事を探していないが、働く意思のある人」がフリーターに含まれており、ニートの定義と一部重複する(表のうち、「非労働力」で「就業意志有り」となっている男性の部分が重複する)
[編集] 法的な分類
法律では、フリーターと近似した労働者を定義している法律としては、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(通称:パート法など)がある。
労働基準法などでは、正規雇用・非正規雇用などの区分はなく、単に労働者(被雇用者)となる。
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生活雑貨のロフト、パートの希望者全員を正社員に
(読売新聞 - 03月02日 19:03)

 生活雑貨専門店を展開するロフト(本部・東京都新宿区)は、パートタイマー、契約社員、正社員の3区分を撤廃し、パートの希望者全員を16日から正社員にする。



 小売業の人手不足感が強まる中、働き方次第で管理職などへ昇格できる道を開き、優秀な人材を確保する。パートから正社員への登用を積極的に進める企業は増えてきたが、パートを一括で正社員化するのは珍しい。



 ロフトは現在、正社員約400人、契約社員約280人、半年契約のパート2650人が働いている。パートは店内レジや商品陳列などが主な仕事で、このうち2350人が正社員になることを希望している。



 パートから正社員になれば、60歳定年制が適用される。これまで売り場責任者(リーダー)には契約社員、本部の幹部には正社員しかなれなかったが、能力や実績次第で登用される。勤務時間は現在と同じ週20~40時間の中から選べるが、リーダー以上は週32時間以上働く必要がある。



 ロフトによると、職務制度の見直しで総人件費は約1割増えるという。




2008年03月02日(日)  生涯青春の会で「抒情歌を歌う会」を発足させる

 当会の理事である伊藤正博さん(公認会計士)の提案で「抒情歌を歌う会」を発足させることになった。ここでは3月5日付けの会報で紹介した内容を引用いたします。大きなポイントは、このコーラスグループの諸経費は、伊藤さんの資金援助で賄われることです。

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生涯青春の会 抒情歌を歌う会(ネーミング募集中)発足準備 (会報から)
 この度、当会の理事である伊藤正博さん(公認会計士)から、失なわれて行く日本の抒情歌を皆さんと共に歌う会を発足して欲しい、とのご提案がありました。 歌は世につれ、世は歌につれと言いますが、私達は、昔から伝わる美しい日本の心と、活力みなぎる逞しい歌を耳にしたり、口ずさんだりして、育ってきました。
 歌うことは、ストレス解消にもなるし、お腹の底から声を出すことで、血流も活発になり、健康に良いといわれています。 詳しいことは、希望者と話し合って決めて行きたいと思います。 尚、このコーラスグループの諸経費は、伊藤さんの資金援助で賄われます。 参加希望の方は、石田まで申し込んでください。
                      幹事  石田道子







2008年03月01日(土)  社会の情報交換会の新しいグループに付いて

社会の情報交換会の新しいグループに付いて。

今日は3月5日に発行する会報の一部を紹介させていただきます。

社会の情報交換会新たなクループについて
(1)燕の小田慎治さんか中心になって、社会の情報交換会(仮称第3グループ)を発足させることになりました。会場は燕市。4月に発足の予定。
(2))伊藤啓子さんが中心になって、社会の情報交換会(仮称第4グループ)を発足させることになりました。会場はナレッジスクエア。4月発足の予定。
(3)遠藤大(まさる)さんが中心になって、社会の情報交換会(仮称第5グループ)を発足させることになりました。会場は未定。5月に発足の予定。

2月28日の書き込みで次のように書いた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=728789668&owner_id=3230765#comment

「社会の現状に対して適切な認識を啓蒙するため『社会の情報交換会』を開き始めています。昨日はスピーチ形式の『第3回情報交換会』を開きました。ゲスト参加の数名を含めて参加者は17名(主催者2名は除く)で、スピーチに参加した人は15名でした。基本方針は参加者15名前後で、参加者の8割以上が『社会の情報』に関するスピーチする形式の交換会です。

 3月は2会場(中高年中心)、4月は2会場(主に若者中心)を追加して4会場で開催する計画です。この会合は、生涯青春の会設立時の目的を達成するための一つの活動になります。中高年を中心に表現すれば『脳いきいき社会の情報交換会』となります。最大のポイントは参加者から毎回5分のスピーチをしてもらうことなのです。毎月『何を話すか』というテーマで脳の活性化を促そうという企画です。

 若者は毎回『5分間のスピーチ』に参加することは、最良の自己鍛錬の場となると思います。スピーチをすることは、ある面では実に厳しいのです。月々成長している人と、そうでない人が明らかになっていくのです。社会の情報交換会の場は、ファイティング・スピリットに溢れる青年もいますので、これらの青年の息吹が伝播する場にもなっていくと思います。

目標としては新潟周辺でこのような『社会の情報交換会』を10会場に開催したいと思っています。今回のスピーチ形式の『交換会』は初めてで、自己紹介を中心とするスピーチが半分ぐらいでしたが、次回から社会の情報に関するスピーチが増えていくと思っています。」





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石田ふたみ