『日々の映像』

2003年07月31日(木) 余 録

 7月1日にたばこの税金のことを書いた。たばこをやめられない人にとって今回の負担増はため息が漏れるだろう。加えて、今年5月の健康増進法施行以来肩身が狭くなる一方だ。学校の先生など職業によっては、たばこを止めざるを得ない人が出る状況なのである。

 川崎市の教育委員会は7月2日「私立学校一七五校の敷地内を9月から全面禁煙とする方針を固めた」(7月3日・朝日から)という。同日東京都教育委員会も、04年度から都立の高校・高専・盲・ろう学校など二六七校の総てを原則禁煙とすることを決めている。この禁煙の流れは、順次公共施設へと広がっていくだろう。 

 政府は七月一日、たばこの包装に記載する健康被害への警告表示を厳格化する方針を固めた。新表示は、喫煙が肺がんの原因になることや、脳卒中・心筋梗塞・肺気腫の危険を高めることを指摘する内容となる。要は、たばこの有害性を直接的な言葉で表現するようになる。
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 7月3日に水道メーターの矛盾を書いた。現在の技術水準から行けば水道メーターの耐用年数は大幅に伸びると思う。それを僅か八年で取り替えるというから、信じられないことなのだ。この費用は総て消費者の負担となる。日本の公共料金が高くなる象徴的な取り決めのように思う。しかし、日本の場合は、1度システムが決まるとそれが利権になって、なかなか変更できない。

 自動車の車検の例を取ろう。世界で乗用車の車検がある国が何処にある。車検制度は何時決めたのだろう。これも1回決めると一つの利権になって変更ができない。これが日本の社会の実態なのだ。
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 7月4日、風力発電に関する地球政策研究所の見解を書いた。このエッセイを書きながら次のように思った。「人類は進み方によっては栄え続けることが出来るのだ」と。なにしろ風力は豊富で無尽蔵、かつクリーンなのである。ドイツは新たな原子力発電所の建設を中止して風力エネルギーの確保に力を入れる。風力発電量は世界でトップの1200万キロワットだ。デンマークは総発電量が290万キロワットだが、消費電力の20%を賄っている。人類が無限の風のエネルギーに抱かれて暮らす時代が来るのだ。風に一詩を贈ろう。

   朝が来る
   太陽が陸地を暖める
   すると海から陸への風が流れる
   その時のお前の名前は海風
   夜になる
   陸地が早く冷える
   こんどは陸から海への風が流れる
   その時のお前の名前は陸風    
   地球は回る
   神秘に近い昼と夜のリズム
   そしてリズム正しく吹く爽やかな風
   そうか、風はおまえの呼吸だったね
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 7月5日のセクハラ、レイプの続きを書こう。アジア女性センターは大田誠一議員の辞職と森元首相の公式謝罪を求めている。ここでは、太田誠一議員への抗議文の部分だけを引用したい。東京強姦救援センターの抗議文はそのまま引用させてもらった。

     大田誠一議員の辞職を求めます

 6月26日、全国私立幼稚園連合会九州地区公開討論会で、大田誠一衆院議員が行った「集団レイプをする人はまだ元気がある、正常に近い」という発言には、すでにさまざまな批判なされており、本人も釈明を繰り返しています。しかし私たちは、氏の釈明、また同席していた他の議員やメディア関係者による大田氏を擁護する発言から判断する限り、この発言に含まれる深刻な問題はいまだ十分に認識されていないと考えています。

 第一に、大田議員本人、他の自民党議員、司会をしていた田原総一郎氏までが「レイプは許されない」と言いながらも、「あれはジョークだった」と弁解・擁護を続けています。被害女性の受ける深刻な精神的肉体的な苦しみに対する想像力と、望まない性関係は人権侵害であるという認識が、根本的に欠けているのです。

 さらに私たちは、この発言がなされた文脈そのものの問題性を指摘したいと思います。大田議員は問題の発言の釈明として、「男性に配偶者を求める覇気が欠けていることが少子化の原因」「それほど強く異性を求めているのであれば、きちんと結婚する相手を求めるべきだ」と述べています。つまり大田議員は、男女の性関係には、レイプするくらいの男性の「覇気」、すなわち女性への支配が必要であり、男女の関係は婚姻という形以外にはあってはならないと考えていることになります。しかし、どちらかが相手を支配し、圧迫するような性関係は、結婚しょうとすまいと、女性にとっては性暴力以外のなにものでもありません。

 私たちは、大田議員の集団レイプ容認発言とこれに対する周囲の弁明や擁護に抗議し大田議員の辞任を求めます。
           2003年7月3日
                      アジア女性資料センター
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            抗  議  文 
                            2003年7月2日
衆議院議員 大田誠一殿

 私たちは、貴殿の、2003年6月26日鹿児島市内での公開討論会で、大学生サークルの集団強姦事件に関連して「集団レイプする人は、まだ元気があるからいい。まだ正常にちかいじゃないか」との発言に、抗議し、議員の辞職を要求します。

 左記発言は、女性への強姦を肯定し、助長するものであり、取り上げられた事件の被害者に対しては、加害者のしたことと同じ加害行為に匹敵します。また、強姦が、女性への人権侵害であり重大な犯罪であるという認識に欠けるこうした言動は、国民の半数を構成する女性を侮辱するものであり、国民を代表する国会議員にふさわしくないと考えます。自ら職を辞し、その責任をとることを要求します。
                   
                     東京・強姦救護センター

2003年07月30日(水) 国民年金の未納者が四割に

 年金に対する若者の不信が広がっている。社会保険庁は24日国民年金の実態を公表した。これによると「02年度の保険料納付率は、62・8 %で前年度を8・1ポイント下回り、過去最低の記録を更新した」という。しかし、この納付率は未加入者を除いており、単純計算の納付率は59・7%なのである。

 問題の一つが若年層の納付率で、21~24歳が47・4%、25~29歳が49・4%と低いのである。国民年金のことは、ここで何回か取り上げてきたが、不信に加えて、制度(国が1人1人から年間159600円を集めるシステム)そのものが疲労しているように思う。02年の加入対象者は2270万人で納付状況は左記である。

 納付者 2270万人×59・7%=1355万人×159600 =2兆2743億円
 未納者 2270万人×40・3%=915人×159600円=1兆4603億円

 以前も類似した視点で記述したが、社会保険庁が、前記の2兆2743億円を集めるために、どれだけの行政経費を使っているかとの疑問である。次の疑問は、公的年金の積立金が147兆円もありながら、将来不安を撒き散らし過ぎると思うことである。これは厚生官僚が一度集めた147兆円を取り崩さないとの前提に立っていることが一つの原因だ。

2003年07月29日(火) 金総書記の真の狙いは  

 7月27日で朝鮮戦争の休戦協定の調印から50周年を迎える。しかし、緊張関係は高まるばかりだ。北朝鮮は「8000本の使用済み核燃料の再処理を6月30日に完了したと米国に通告した」(世界日報から)という。関係国は、北朝鮮と対話か対決の選択の岐路に立たされている。
 
 それにしても、なぜ、わざわざと燃料棒の再処理が終わり「直ちに核兵器製造に取り掛かる方針である」と通告しなければならないのだ。ここに隠された何かがあるような気がしてならない。仮に関係国が対決の姿勢を取った場合、同国は暴走するのだろうか。

 金総書記は「われわれはいつか1度は、米国の奴らと最後の決戦を繰り広げるであろう。敵の銃には大砲で、強行には超強行で対抗するのが私の戦争観である」(7月27日・世界日報から)と都国内向けに説明している。しかし、戦争をすればイラクと同じ運命になるぐらいは認識しているはずだ。捨て身の軍事行動という暴発はないと思う。

 最後は「ぜいたく放題で生きてきた金総書記は、自分が生き残ることに執着している」(同)との捉え方が適切のように思う。核を持つのも自分が生き残る手段なのだ。最後は対面をかなぐり捨てても「自分が生きる」選択をするのでないか。

2003年07月28日(月) 昨年の自殺者3万2143人

  昨年の自殺者が5年連続で3万人を超えた。自殺の問題は、日々の映像を書き始めてから足掛け7年、毎年5~6回は記述して来た。自殺者をどうしたら減少させることが出来るのか・・・実に難しい問題であるが、放置して置くことは出来ない。社会全体の問題として、自殺まで行かないよう支える体制が必要だ。

 昨年は長引く不況の影響で、中高年の「経済・生活苦」の自殺が過去最高の7940人にもなっている。この中高年自殺は、家族に深い心の傷を残すのみならず、残された家族の生活を一変させてしまう。

 24時間態勢で「自殺」の相談に応じている社会福祉法人「いのちの電話」という民間のボランティア団体がある。この「いのちの電話」という団体を宣揚させていただく意味で、多少記述して置きたい。

① 所在ほか・千代田区富士見1~2~32 03 3263 5794 ②日本で46のセンターがある ③無報酬の8000人のボランティアが交代で24時間体制の相談に応じている。④ 相談員は足掛け2年間の研修を受けている。日本の社会で自殺を止める為にこれだけのボランティア方々いるという事実をしっかりと心に留めたい。

2003年07月27日(日) フセインの長男(ウダイ)次男(クサイ)死亡

  米英共に、イラクの大量破壊兵器をめぐる情報操作疑惑が大きな問題になっている。米国では、ブッシュ大統領の支持率の低下となって表れ、英国ではブレア首相の辞任にまで発展するのかと思うほど、大問題へと発展している。 英国の民主主義は権力の欺瞞を許さないという伝統がある。疑惑が大問題になっているのに、そこへ追い討ちをかけるように、情報操作疑惑の渦中にあった専門家が自殺したのだから、政権批判が頂点に達している。

 米国は、ほぼ毎日のように続くフセイン残存勢力の攻撃で死者を出し続けている。18日のバクダットの最高気温は「46度」(19日・世界日報)を記録している。8月に入ると50度になることがあるのだ。米軍は早く残存勢力との決着を着けたいところだろう。

 7月23日米軍は、イラク北部のモスルで潜伏していたウダイ、クサイ両氏急襲して、四時間に及ぶ銃撃戦で殺害したという。殺害の内容は、邸宅から手りゅう弾が投げ込まれたため銃撃を開始したとのこと。米軍が到着する15分前「灰色のベンツ2台が走り去った。ここにサダムが乗っていたのでないか」(24日・世界日報)との報道だ。フセインはベンツに乗って逃げているようでは、殺害されるのは時間の問題のようだ。国が人を殺すときは罪にならない。昔も今も同じ掟が支配している。

2003年07月26日(土) 記録的な異常気象

 7月23日の大暑になっても、平年を大幅に下回る気温の日が続いている。23日は東京で20・1度(平年比マイナス8・5度、以下省略)大阪24・8度、新潟21・7度という気温である。この低温は世界的な異常気象下の1つの出来事なのかもしれない。

 7月21日、九州各地に記録的な集中豪雨があった。この巨大な積乱雲の発生は、台風、高気圧、梅雨前線、上空の寒気という今までに例のない気象現象が発生した。水俣市では、1時間に72ミリという観測史上2位の記録的な集中豪雨であった。そのため山間部に土石流や土砂崩れが発生、家屋5軒が流されて3人死亡、16人が行方不明になった。この被害は死者19名、死体の見つかった人3名という表現のほうが真に迫っている。今日26日も肌寒く米作の冷害が心配される状況である。

 日本では低温多雨現象であるが、欧州では記録的な高温少雨の気象となっている。イタリアでは河川が干上がって農作物の被害が広がっている。なにしろ、イタリアのミラノ35度(平年28度)南フランスは40度を記録している。アルプスの高地であるスイスで、7月15日「37度を記録した」(16日・世界日報から)というから、地球が熱でうなされているようだ。

2003年07月25日(金) オレ・オレ、私・私の詐欺事件

 今日も昨日に続いてため息が出るようなテーマを記述する。オレオレ詐欺の容疑者10人が逮捕されたのは6月下旬のことであった。それから1ヶ月で類似した事件が各地で起こっている。なにしろ、孫を装って「オレ、オレだよ、交通事故を起こした。示談金がいる」「オレ、オレだよ、女性を妊娠させた。金がいる」などと言って、金を振り込ませるというからなげかわしいことである。

 お年寄りが「オレ、オレだよ」といわれて「ああ、〇〇ちゃんか」と詐欺にはまって行く。よくぞオレオレ詐欺を考え出したものだ。神奈川県では「5月上旬ごろから『オレオレ詐欺』の被害が相次ぎ、被害届け20数件で、被害額は1500万円を超え全国的には400件を超えているのである。

 薄気味が悪いのは、特定の老人に「孫」「孫娘」がいることが分からなければ、オレオレ詐欺は成立しない。犯人はこの個人情報をどうしてつかんでいるのだろう。岐阜県中津川市の71歳の女性に「ばあちゃん、わたし、わたし。妊娠して中絶費用がいるの」(17日・共同通信から)と泣き声の電話があって37万円の被害に遭っている。若者が70~80歳の老人を詐欺の対象としている、なんとも、なげかわしい世相である。(余録で補足)

2003年07月24日(木) 預金通帳の盗難被害年間3万軒

 日々の映像は、1997年から社会の出来事の中から1日1題を選んで記述してきた。記述回数は2400回をこえる。これだけ社会の出来事に関するエッセイを書いているのに、毎月始めて記述するテーマが出てくる。今日記述しようとするテーマはその中の一つだ。

 検察庁の発表によると預金通帳の盗難は「全国で年間約3万軒」であるというから驚く。このような社会なのだと深刻な認識をしなければならない。プロの窃盗グループは、通帳があれば印影をスキャナーで読み取り、パソコンを使って短時間で印鑑を偽造してしまうのだ。 

 盗難になった通帳から郵便貯金の被害だけで28億円もある。「全国の郵便局で、盗難通帳を使った不正な預金引き出しが昨年度1年間で1400件総額28億円に上まっていたこが21日、日本郵政公社の調査で分かった」(7月22日・毎日から)というから驚く。一般銀行の集計は行なわれていないが、この被害額は推定で「100億円」(同)であるという。

 被害者の多くは「窓口での本人確認を行なえば、被害を未然に防げた」として、金融機関に返還を求める訴訟が全国各地に起きている。銀行は「肉眼での印影照合で十分で、銀行に責任はないとしている」銀行は都合の悪いテーマのときは、一企業的な姿勢になる。郵便局は「確認が不十分だった」として返還に応じるケースが多いようだ。(余録で補足)

2003年07月23日(水) 国立大学法人化法が成立

 インターネットは社会をどれだけ変貌させていくか分からない。米教育省が発表した統計によると「00年度~01年度にかけて大学レベルの(インターネットによる)遠隔教育コースに入学した学生の数は(2年前の2倍以上の)290万人に上っていることが分かった」(7月19日・世界日報から)という。ことの良否は別として教育環境が激変している。

 7月9日、国立大学を独立した法人に移行させる「国立大学法人法案」が参院本会議で可決成立した。明治以来の大改革との論評もあるが、米国の例によるまでもなく社会の変化に、立法府が追いつかないとの印象がある。

 今回の法案は ①大学の裁量権の増加 ②教職員の非公務員化 ③私立大学の手法の導入 ④競争力の強化などが骨子となっている。そして、学長の強い権限の下、人事や資金調達などの裁量が大幅に拡大する。半面「第3者機関による評価で国からの運営交付金が異なるなど激しい競争時代に突入する」(7月9日・時事通信)という見方が妥当なのだろう。 

 日本の大学は私立を含めて、国から膨大な補助金に依存している。今後は大学独自の特許収入、寄付金などで財政的に自立できることが、大学の自主性・自律性が発揮される条件なのだろう。しかし、言うは易く行なうは難しで、目標は遥か彼方に霞んでいるようだ。


2003年07月22日(火) 頭痛の4人に1人はうつ病

 妻の友人で薬害に苦しむ人がいる。特に頭痛薬の常飲は危険だ。一般的に頭痛があれば、風邪か肺炎などの病気ではないかと思う。

 筑波大の前野哲博助教授(診療医学)の調査によると「頭痛を訴え受診した人のうち、風邪などはっきりした原因が分からない患者の4人に1人は実はうつ病だった」(7月13日・朝日から)頭痛に絞って、うつ病の有病率を調べた例はこれまでなかったという。身近に頭痛を訴える人がいたら、むやみに薬を飲まないように、アドバイスをしたいものだ。

 調査は原因不明の202人の頭痛や全身のだるさを訴える人に対して「精神疾患簡易構造化面接法」と呼ばれる方法でうつ病のスクリーニング検査を実施した。この結果頭痛を訴える人の26%、全身のだるさを訴える人の34%がうつ病と判定されたのだ。特に頭痛が半年以上続いている患者は、1ヶ月未満の患者に比べ、うつ病である確立が約七倍高いという。

 うつ病によって体に変調をきたす、十分に理解が届く。機会を見てどうしてうつ病になるのか・・・のテーマを記述してみたい。友人からのメールによると、中国の精神病患者は1600万人で全人口の13・47%を占めているという。

2003年07月21日(月) 小泉内閣メールマガジン     

 小泉マガジンは半年余り前から開いてきたが、7月17日のマガジンは、小説家の曽野綾子さんの「総理の魅力」という1000文字余りの寄稿があったので、じっくりと読んでみた。特に小泉総理のことに触れているのでなく、1般論を展開しているものであった。「男性でも女性でも、2人きりになると、なぜか相手の身の上や、ちょっとした人生観・哲学などを語りたくなるような魅力を持ち合わせなければ、1国の総理や閣僚としての力は発揮できない」と指摘していた。

 哲学というと、元祖ソクラテス、その弟子プラトン、歴史的にはデカルト、カントの名前が出てくるように、とてつもなく難しい世界のように受け止められる。しかし、哲学を最も簡単に表現すれば「人間の生き方の根本」を考察するものであると思う。

 この人生観・哲学(その人の生き方)とは、その人を形成している文化の基盤である。よって、総理や閣僚でなくとも、豊かな心で人生を送るためには、最重要なテーマであるといえる。7月17日に書いたジェームス・アレンの言葉を引用すれば「あやまった思い(人生観・哲学)をめぐらしつづけることで、獣のような人間へと下落する」とある。正しい思いとは何か、この探究心が哲学であると思う。

2003年07月20日(日) 国会議員の秘書給与詐欺2人目

 土井党首の進退問題が浮上するのは必至の情勢となった。辻本清美と秘書二人だけでなく、土井党首の政策秘書であった五島昌子を詐欺容疑で逮捕したからだ。五島元秘書は長く土井党首に仕え、党内に大きな影響力を持っていたことから、土井党首の監督責任が問われることは確実と見られる。しかし、昨夜の記者会見で党首辞任を否定した。しかも明確な謝罪の言葉がなく、捜査批判を繰り返す姿勢に非難強まる情勢だ。

 辻本前衆院議員は、与党追及の社民党の顔であった。それが勤務実態のないまま、2人の女性を秘書として登録、国から給与をだまし取った詐欺容疑というから情けない。だまし取った「1883万円に金利を加えて昨年8月2331万円を衆院に返納した」(18日。朝日から)という。それでも、詐欺行為であるとして今回の逮捕となったようだ。

 秘書給与の流用で、民主党の山本譲司元衆院議員が詐欺罪に問われ「懲役1年6ヶ月の実刑が確定している」(同)田中真紀子さんも秘書給与のゴタゴタで議員を辞めている。この1件はどうなって行くのだろう。7月16日「違法行為をしている人は安らかに眠ることはない」と書いたが、国会議員の中で安らかな眠りのない人はまだいるのだろうか。国民の多くは、もっと多くいると受け止めているのでないだろうか。  

2003年07月19日(土) 小6少女4人謎の監禁      

 過去に例を見ない事件がまた起こった。東京都稲城市の小学校六年の少女四人が13日家を出たまま行方が分からなくなった。17日正午少女たちは4日ぶりに保護された。監禁されたマンションには、遺体が発見されるなど前代未聞の事件が明るみに出た。

 少女たちは手錠姿で見つかった。震えるような表情をしていたという。それゆえ、密室の中で何が起こっていたのかと、無事保護されたとの報道に対して関係者の表情は一様に固い。18日時点で東京都教育委員会は臨床心理士などの専門家の派遣を決めている。  

 この事件の全容がどの程度明らかになって行くのだろう。犯人はリビングルームのビニールテントの中で死亡していた。テントの中は目張りされ燃え残った練炭が置かれていたというから、一酸化炭素中毒死自殺の可能性が高い。今の時点では自殺の可能性としか書けないようだ。 

 この事件のさまざまな推測記事が出ている。今の段階では小学6年生の少女たちが、危険なナワにはまってしまったというしかない。17日両親らと対面したとき「4人は抱き合って号泣しながら『ごめんなさい』と繰り返すばかりだった」(18日・スポニチから)という。少女たちは、自分たちの行動に反省の部分があったのだろう。

2003年07月18日(金) 脳梗塞の良薬はない  (3号に引用)           

 歌手の西条秀樹(48歳)が6月21日、脳梗塞で都内の病院に入院した。入院時はろれつが回らず、特にラ行とカ行が話せなかったという。7月15日から仕事に復帰するというが、どの程度回復したのだろう。(余録で補足)

 7月12日、厚生労働省の研究班は、日本で唯一の承認薬(血栓溶解剤)であるウロキナーゼについて「治療を進めるだけの根拠が明確でない」(毎日から)との指摘を行った。これには驚いた。この薬を使って意味がないならば、日本で脳梗塞を治療する薬はないのだ。なんとも心細い話であるが、これが現実なのだ。

 研究班は「ウロキナーゼについての臨床試験データを検討したところ、承認時の有効性の評価が、患者の自覚症状や医師の主観に基づくなど客観性が乏しく、信頼性の高い試験はほとんどなかった」と指摘しているからショックな話だ。加えて、「安易に使われ、副作用で出血死が起きている」との指摘も以前からあったという。

 研究班は、血栓溶解剤として欧米で使われて、国内では未承認の新薬「tPA」について「有効性が期待される」としている。これほど問題点が明確になっているのであるから、早い対応が求められる。年間8万人の脳梗塞死は、有効な薬がないまま死亡しているのだ。

2003年07月17日(木) 少女監禁、佐藤被告懲役14年確定

 2000年1月8日、犯罪史上例を見ない事件が明らかになった。1990年2月小学校四年の女の子(当時9歳)が佐藤被告に誘拐される。それからなんと9年2ヵ月後に、19歳で発見されたのだ。この事件のことを何回もここで書いたので、記憶が鮮明に残っている。何故こんなむごい事件を起こす人間が出てくるのだろう。

 ジェームス・アレン(1864~1912・イギリス)の著書「『原因』と『結 果』の法則」(サンマーク出版)から数行を引用しよう。

  私たちの心が邪悪な思いで満ちているとき
  私たちには いつも痛みがつきまとう
  雄牛を悩ます荷馬車のように

  もし私たちが清い思いばかりをめぐらしたなら
  私たちは喜びばかりがつきまとう
  私たち自身の影のように
 
 少しだけ文章を引用しよう。
 「私達は、自分自身の思いによって、すばらしい人間に創り上げることも出来れば、破壊してしまうことも出来ます。・・・誤った思いをめぐらし続けることで、獣のような人間へと下落する・・・」

2003年07月16日(水) 土屋埼玉県知事、献金隠しで辞任

 英国が誇る劇作家シェークスピアを知らない人はいない。今日はシエークスピアの言葉を借用したい。ヘンリー四世の一場面の出てくる言葉だ。「王冠をいただく頭は安らかに眠ることはない」この言葉をもじって「違法行為をしている人の頭は安らかに眠ることはない」としたい。

 元参院議長から知事に転じて3期、全国知事会会長を務め、勲一等を受賞していた土屋知事が、「地方行政研究会」の献金隠しに絡み、知事公舎・自宅が捜査されたことを受けて辞任した。地方行政研究会は1億円強を違法処理していたことで、土屋知事の長女市川桃子(53)が容疑者として逮捕された。

 違法行為の仕組みは単純である。地方行政研究会は「1995年の設立当初から収入、支出とも『6割』しか報告しない方針だった」(7月15日・毎日から)のだ。残る4割は最初から表に出さず政治活動以外に使っていた。

 これほど単純な違法行為をしながら、よくぞ今まで安眠して来たものだ。研究会の職員らは「知事の団体なんだから摘発されるはずがない」(7月13日・読売から)と安心していたという幼稚さだ。しかし、逮捕立件は避けられず、もはや安らかに眠ることはない。

2003年07月15日(火) 長崎殺人事件「打ち首」発言の余波

 先週の余録で「打ち首」発言のことを少し書いた。鴻池国務大臣は、この稚拙な発言によって、辞任に追い込まれるのではないか。地元の神戸は、この発言に対して「あきれた」「大臣こそ幼い」と批判している。

 同新聞の社説は「鴻池発言・稚拙、あまりにも稚拙」と題して「腹立たしさを通り越して、情けなくなってきた。・・国民を代表する国会議員としての資質さえあるかどうか疑わしい。・・このような稚拙(ちせつ・子供じみて幼稚)な思考の持ち主が、閣僚として存在していることを、もっと深刻に考えるべきなのである」とため息が聞こえてくるような内容であった。

 鴻池国務大臣は「打ち首は例え話」と釈明しているが、ホームページの鴻池語録に目を通してみると、類似した発言をしているのだ。一番やっかいなことは、自分の幼稚な思考が全く分からず、閣議後の記者会見という公の場で堂々と発言していることだ。

 この大臣が青少年問題を担当していると言うから、小泉首相も頭が痛いのではないか。首相の任命責任に批判が広がる可能性もある。政治家の批判は誰でも出来る。ただ、この程度の人物を国会に送り出す、選挙民のレベルも問われてしかるべきだ。

2003年07月14日(月) 長崎・駿ちゃん殺人事件の余波

 被害者の親は、わが子の痛ましい姿に身を切られる思いだろう。加害者を出した中学校のショックも計り知れない。それにも増して、少年を知っている子供たちのショックも大きい。一番苦しむのは加害者の親で、耐えられない苦痛に苛まれる。少年犯罪の悲惨さである。
 
 このような事件が何故起きたかという分析の前に、事件に対して社会がどのような視線を向けるかが重要なテーマだ。補導少年を出した中学校の生徒で「衝撃的な事件のショックから心身に変調を訴える生徒が相次いでいる」(13日・毎日から)という。ここで特筆しておきたいことは、生徒たちが何処へ行っても「あの中学の生徒」と白い目で見られ、ひどく傷ついているという。ほかの生徒は関係ないのだ。なんで白い目で見るのか・・・この程度の庶民が多いのかと嘆きたくなる。

 このような事件があると、必ずあるのが嫌がらせ電話である。教職員は途切れのない嫌がらせ電話の応対で精神的に疲弊している。怒鳴られた経験の少ない先生たちが「殺人者を育てる学校か!」「責任を取れ!」などと怒鳴られるのであるからたまったものでない。学校関係者は、市・県の教育委員会に多くの報告書を出さねばならない。広島県のようなこと(校長と市の教育委員会次長の自殺)が起こらないように配慮しなければならない。(余録)

2003年07月13日(日) 国の借金と消費税

 三年ほど前は、3ヶ月毎の国の借金を集計したことがある。2年ほど続けたが意味がないと思って止めてしまった。財務省は2002年度末の国の借金の総額(地方自治体の借金は入らず)を発表した。これによると「前年度末に比べ10・1%、61兆円増え668兆円となった」という。財投の借入(31兆円)が含まれているといっても、1年で61兆円を超える借金の増加は凄まじい。

 もはや、財政破綻の問題を先送りできない段階に来ている。政府税制調査会の石弘光会長(一橋大学長)は7月6日、「税率は10%でも財政破たんを免れるかどうか分からない。・・いろいろ対策を講じたとしても10%は最低だろう」(7月6日・時事通信から)と述べ、税率が10〇%を大幅に上回る可能性を示唆している。消費税が10%になるのか、15%になるのか、その可能性は5分5分だと思う。 

 分かり切ったことであるが、消費税が15%になった場合の計算をしてみよう。4人家族で年間消費税を含めて315万円で暮らす家庭があったとしよう。税率が15%になると、同じ消費で345万円の支出になる。年間の増税分30万円がない人は、支出全体を約30万円(月25000円)節約しなければならないのだ。

2003年07月12日(土) イラク・フセイン残党勢力の動き

 アメリカは、イラク攻撃によってとんでもない負の遺産を抱え込んでいると思う。6月21日「米兵イラク各地で襲撃される」と題して記述した。この日以降もほぼ毎日のように米兵への襲撃が続いている。世界日報が伝える死者は、7月2日現在で65人、その後も死亡者が続いている。

 イラク残党勢力の攻撃に新たな動きが出ている。それは、米軍に協力するイラク人が攻撃の対象になって来ていることだ。警官の集まりに爆弾が仕掛けられた。爆発は訓練を終了したイラク人卒業式に起こり、死者7人、負傷者を40人以上となっている。イラク国民は考えなくてはならない。残党勢力が「米軍に協力するものは殺す」とのプレッシャーを掛けてきたのだ。イラクには殺すか、殺されるかというドロ沼が広がっている。

 イラク復興支援特別措置法案が成立した。支援活動の内容は、バグダットでの水の浄化・補給・配給・支援物資の航空輸送のようで、陸上部隊の派遣は10月になるようだ。問題は、日本人が復興支援のつもりでも、残党勢力の思考からすれば、米軍の子分の軍隊が来たと理解するだろう。悲劇は物事をどう考えるのかという思想が生み出すようだ。米軍に協力する日本の自衛隊も、彼らにとっては敵であり攻撃の対象になる (余録で補足)

2003年07月11日(金) 髪の毛薄くなる 男性63%が心配

 ライオンが実施した髪の毛意識調査によると「はげ」が年代に関係なく共通の心配事であることが明らかになった。髪の毛が薄くなることが心配と回答した人の合計は、20代でも59%、他の年代はいずれも60%を超え全年代の平均は63%。薄くなる原因として20代、40代、50代は、遺伝を1位に上げている。30代だけが髪が薄くなる原因の1位にストレスと答えている。はたして、この理解が正しいのか。

 いつも思うことであるが、我々が身に付けている常識は意外といい加減なものだ。よって、この脱毛のことをNHKホームページ(髪いきいきヘアケア健康術)からその要点を拾ってみよう。 

 まず、脱毛は①男性型脱毛と②成年型脱毛がある。①の脱毛(若はげ)は男性ホルモンの影響で二〇歳過ぎから髪の毛が薄くなってくる。これは遺伝の影響が強いタイプ。②の脱毛は30代後半から50代前半頃から薄毛が目立ってくる。この脱毛は、ストレスや食生活などの環境原因が強いタイプ。次に示すことに気を付ければ、一定の予防が可能とのこと。

 ①良質たんぱく質、ミネラル、ビタミンB群・E・A・Cの食事。②十分な睡眠③頭皮の血行をよくする。④洗髪で古い脂分を取り除く。詳しくはホームページへどうぞ。

2003年07月10日(木) 中2男子生徒殺害 3少年送検(沖縄)

 沖縄北谷町の犯行は6月28日に行われ、事件が明るみに出たのは7月6日であった。中学2年の座喜味勉君(13歳)が左記の4名によって撲殺されたのだ。「長時間に及ぶ暴行や遺体を埋めるなどの残忍さに衝撃」(7月8日・琉球新報から)との引用によるまでもなく、沖縄県としては大変な事件なのである。

  同じ中学に通う3年男子生徒 (14歳)  逮捕送検
  同中学卒業の高校1年男子生徒(16歳) 逮捕送検
  別の中学に通う3年女子生徒 (14歳) 逮捕送検
  同じ中学に通う2年男子生徒 (13歳) 補導、児童相談所から家裁に送致

 勉君が継続的に暴行を加えられていたことは事前に明らかになっていた。なぜ防げなかったという重い課題を突き付けられている。今回の事件は被害者、加害者共に不登校気味の生徒だった。不登校の生徒が沖縄県だけで1800人もいるのだ。

 琉球新報は悲鳴に近い社説を掲げていた。「こういうニュースを読むと、痛ましい。被害者の家族の悲しみ、悔しさが伝わってくる。(加害者の)少年たちの家族の将来も暗転させる。・・もはや非常事態との認識で・・臨まなければ・・事態はそれほど深刻だ」と。

2003年07月09日(水) 駿ちゃん(4歳)の突き落とし殺人(長崎)

 社会に衝撃を与える事件が起こる。長崎で4歳の幼児が8階建ての立体駐車場の屋上から、20メートル下に突き落とされて殺された事件だ。この事件を起こした犯人がなんと中学1年生であったことが、重苦しい衝撃となって連日膨大な報道が続いている。 

 事件の夜、幼い子供の悲鳴を聞いた人がいた。可愛そうに、僅か4歳の駿ちゃんは8階の屋上から悲鳴を上げながら落下、大地に叩きつけられて即死した。なぜこのような事件が起こるのか。犯人の年齢と殺害の方法に大きな衝撃が広がっている。年少少年の事件が実に多い。14歳以下の少年で刑罰に触れる行為をした触法少年は年間で約2万人もいるのだ。

 ヤフーのインターネット世論調査では現在の刑事罰年齢を引き下げるべきだとする意見が85%を超えている。しかし、刑事罰の年齢を14歳(中学3年生)から12歳(中学1年生)に引き下げただけで、年少少年の犯罪が減少するとは思えない。

 ここで何回も書いてきたが、家庭、学校、社会全体の教育力が弱まって来ているのだ。なぜそうなって来たのか、我々1人1人が真剣に話し合い、意見交換をする必要があると思う。加害者の両親の報道はないが、呼吸が止まるほどの襲撃を受けていることだろう。若い親たちは対岸の火と見るべきでない。あなたが同じ立場になることもあり得るのだ。(余録)

2003年07月08日(火) 将軍様の食卓は酒池肉林

 北朝鮮が正常な国であれば、金総書記が何を食べようが、何を飲もうが批判されることはない。しかし、「北朝鮮は数百万が餓え死にし・・」(6月24日・朝鮮日報から、以下同)とあるように、自国で餓死者を出しながら、将軍の食卓が酒池肉林では興味以上の意味を持つ。将軍様・・の表題は朝鮮日報のコラムからそのまま引用したものだ。

 このコラムに中で「日本人専属料理人が暴露した『敬愛なる将軍様』の食卓は、酒池肉林という言葉以外表現する術がない」と批判している。倉庫には世界各国から取り寄せた酒が1万瓶、20種類を超えるフランス産チーズやワインが並んでいるという。そして宴会ではキプチ組の女性たちを全裸で踊らせるなど「まさに、酒が池をなし、肉が林をなしているではないか」と批判していた。

 韓国は苦悩の選択をしなければならない。こんな指導者のいる隣国に対して太陽政策を続けられるのか。この金総書記の食卓が世界の嘲笑の対象になると共に、権力の狂った道徳性が、金総書記の致命傷になっていくと思う。

 パーテーが開かれているとき、米CNNテレビの北朝鮮住民の飢餓の惨状に関する報道を見ながら、呆気に取られていたという。将軍様は、人民の苦しみを全く理解していないのだ。

2003年07月07日(月) モスクワ・コンサート会場入口で自爆テロ

 ロシア政府は、過去の政策による負の遺産を抱えている。それは約10年前チェチェンの独立を認めなかったことだ。チェチェンは100キロ×150キロ余りの区域で半分以上が5000メートル級の山岳地帯で、人口は100万人しかいないのだ。

 私の手元に国際NGOメドュサン・ドウ・モント(MdM・世界の医療団)のメールニュースがある。この資料によると、第一次チェチェン戦争(94年~95年)の死者は10万人、第2次チェチェン戦争(99年から今も続いている)は死者10万人、負傷者15万人であるという。この国際NGOのリポートに基けば、チェチェンの大人の半数余りが死傷したことになる。「不当な逮捕・拘束・裁判抜きの処刑・拷問が日常化している」(MdMのリポートから)という。チェチェン人の攻撃をただのテロと決めつけられないのだ。
 
 5月16日、チェチェン行政庁舎爆破のことを書いた。その後も、チェチェン独立派の攻撃が続いている。6月5日空軍パイロットら20人死亡、6月19日3人死亡・7人重軽傷、6月20日死者6人・負傷者34人(この三件内容省略)。7月5日モスクワのロックコンサートでチェチェン人と見られる女性2人の自爆で16人死亡・30人が負傷した。モスクワでのチェチェン人の攻撃は、プーチン政権に大きな打撃を与えている。(余録で補足)

2003年07月06日(日) 凄まじい闇金融問題         

 5月に引き続く6月にもこのテーマを書こうとした。しかし、手元にある15枚以上の資料のなかから、何を半ページにまとめれば良いのだと思いつつ記述するのを止めてしまった。闇金融問題は、分からないことが多いし、しかも全く考えられないことが起こっている。ここで記述出来るのは疑問点と多少の手口だけである。

 5月に「全国ヤミ金融対策会議」(代表幹事・宇都宮健児弁護士)が「全国約5230業者について、出資法違反の疑いで、18道府県に告発状を提出した」(朝日から)という。告発された業者は法定の数倍から100倍の高利で貸付、「家に火を付ける」「ガラスを全部割る」など繰り返し脅していたという。これだけの被害を民間が取りまとめ告発しないと警察は動かないのだろうか。この辺にヤミ金融が勢力を拡大出来る原因があるようだ。

 ヤミ金融業者からの「架空請求」の事例が広がっている。なにしろ、電報や電子メールで身に覚えがない貸金返済を求めて来るのだ。これらの相談が02年度に1万6600件もあったというから信じられない。この脅迫まがいの請求は、振り込む銀行の口座番号がある。よって、これらのいかがわしい口座が早いインターネットの手続きで自動的に閉鎖されるシステムが必要だと思う。

2003年07月05日(土) セクハラ問題 その3

 6月5日にセクハラ問題その2を書いた。それから1ヶ月で起こった1番のセクハラ事件は、6月28日に書いた共産党の筆坂議員のセクハラ辞職であった。この問題は7月に入っても混迷を深めている。なんと、7月2日志位委員長セクハラ防止策として「国会議員らが自宅以外で飲酒することを原則禁止する内部規定の徹底を図る方針を明らかにした」(7月2日・時事通信から)これには驚いた。 

 この規定は1970年代に作られ、公務の飲酒も許可が必要で、国会議員や本部職員1000名弱が対象であるというのだ。それから2日経ってまた驚いた。なんと「自宅外飲酒の原則禁止の内規はない」というのだ。志位委員長は「セクハラの再発防止の1つとして飲酒の問題を述べたのは間違いだった」(7月4日・毎日から)と発言を撤回した。

 志位委員長の発言の背景には、外で飲酒させると何をしでかすか分からないという人間観があったことは確かである。公党の委員長がこの程度の文化なのかとがっかりした。それにしても、セクハラ、レイプに関する政治家のお粗末な発言が続く。「集団レイプをする人はまだ元気がある。正常に近いじゃないか」との大田誠一衆院議員の発言に、アジア女性センター、東京・強姦救援センターは辞職を求める抗議文を発表した。 (余録で補足)

2003年07月04日(金) 風力発電、地球政策研究所の見解

 6月27日アメリカのシンクタンク「ワールドウオッチ研究所」の示すデータを少し取り上げた。この研究所は世界的に有名で、この日々の映像でも1年に数回データを引用してきた。この研究所の所長をされて来たスター・ブラウン氏が今年春に地球政策研究所を立ち上げた。

 多くのことを記述する紙幅はないが同研究所は、環境に対する世界の意識を高める役割を果たすとともに、「何が大事なのか」「何を考えるべきなのか」を提言している。更に言えば、人類が進むべきビジョンを示している。6月下旬、地球政策研究所が風力エネルギーの見解を発表している。

 米国に例を取ると、将来的に必要な全エネルギーの確保がを風力によって可能になる時代が来るとの見通しを発表した。風力発電のコストを同研究所は「1キロワット時当たりのコストは、80年代の38セント(45円)から現在は4セント(5円)に急降下。今後は1~2セント(1・2円~2・4円)に下がる見込みである」という。風力のみでアメリカが消費する全エネルギーを確保出来るという提言は素晴らしいと思う。すでにデンマークでは国内消費電力の20%を風力で補っている(余録で補足)

2003年07月03日(木) 水道メーター談合また強制捜査

 水道メーター談合でメーカー25社34人が刑事告発されたのは、1997年2月15日のことであった。日々の映像を書き始めて、初めて大きな事件を書いたので良く覚えていた。都が発注する約80万個(全国で約500万個)の水道メーターに群がる企業の談合であった。ここでは、13ミリのメーター価額の推移を見てみよう。

   1996年    4070円  
   1997年    1600円
   1999年前半  1260円
   1999年後半  2640円
   2000年    2430円

 同じメーターが、1996年には4000円余りで落札されていたのだ。そして1997年に告発されると、なんとその後の落札価額は1600円~1260円と3分の1余りに下落する。

 今回の逮捕は、1260円から2倍強の2640円に引き上げるための談合が逮捕劇の背景なのだ。

 水道メーターは、計量法によって8年ごとに取り替えることを義務付けている。いったい8年と決めたのは何時のことだ。これほど単純な部品が8年少々でダメになるなどは、今の技術では考えられない。全世帯のメーターを8年で取替えるのだから、全国で毎年500万個余りのメーターが必要になってくる。こんな無駄をしている国が世界にあるのか。(余録)

2003年07月02日(水) 電話セールスの時代が終わる? 

 日本の大半の人が、電話セールスの不快を経験している。この稿を入力しょうとしていると、マンションの電話セールスがあった。不快の意思表示で早々電話を切った。この電話セールスが世界の流れとして終焉になる可能性が出てきた。ブッシュ大統領は「電話セールス撃退作戦」を始めると発表した。

 具体的には「電話による商品やサービスのセールス・勧誘を受けたくない人に、米連邦取引委員会が作成する名簿に登録してもらい、業者が登録した人に電話セールスをした場合には、最高1万1000ドル(132万円)の罰金が科せられる」との内容である。これほど単純で分かりやすい政策はないと思う。すでに毎秒千件の拒否名簿への登録が進んでいるという。この撃退作戦の実施は10月からである。

 業者はセールスリストから、登録した人を削除しなければならない。事実上電話によるセールス活動が終焉する方向に進むと思う。ブッシュ大統領は、「夕食の団欒をしている時や、親が子供に本を読み聞かせている最中に、最も不快なのが突然見ず知らずの人間から掛かってくるセールス電話だ」と指摘して、名簿への登録を呼びかけている。全米で劇的な効果が生まれると思う。この動きが日本に波及する可能性は十分にあると思う。

2003年07月01日(火) たばこ一箱(270円)の税金は170円

 たばこに関することを時折書いている。02年11月9日にたばこの税金のことを書いた。なにしろ、平成13年時点の税収は2兆2500億円なのである。愛煙家がこれだけの税金を払っているのだ。その中身に目を通してみると、たばこを吸う人に同情したくなる数字である。今日から標準的なたばこ20円値上げとなったがその内訳は次の通りだ。
 
           価 格    税 金   税 率
6月30日まで   250円   153・34円   61・3%
7月 1日から   270円   170・70円   63・2%

 270円のたばこ一箱の税金が実に170・7円なのである。よって、たばこを吸う人は、税金を吹かしていると思うしかない。この税金のアップで消費が減少しなければ、2500億円の税収増になるのだが、消費が減少するので税収増にはならないだろう。 

 インターネットサイトが実施した意識調査では12%が「たばこをやめ」、36%が「本数を減らす」と回答している。私の経験からいって、本数を減らすことはなかなか大変である。健康のために禁煙の選択をすることが1番良いと思う。私は昨年6月の退職を機に禁煙した。禁煙パッチを使うことで容易に禁煙が出来るものである。(余録で補足)

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石田ふたみ