『日々の映像』

2003年02月28日(金)  余    録

2月1日約10年間の失業率の推移を記述した。自己破産の増加も相当のペースで続いている。最高裁のまとめによると、昨年1年間の自己破産は次のとおりだ。
  個人   21万4634件  前年の件数16万1378件の33%増
  法人      8927件
 以前、ここで自己破産の過去のデータを示したことがある。失業率が2%台であった92年当時は、個人の自己破産は4万人台であった。しかも自己破産の内訳は、カードでの買物が原因となる若者の比率が多くあった。 今の自己破産は、ここで記述するまでもなく、職場環境の激変又は失業で、住宅ローンの返済が出来ないという比率が多いのだ。
 バブル崩壊の影響をまともに受けた個人は、100万人単位の数にのぼる。自己破産に関連してアメリカの例を何回も記述したが、破産しても再起できる社会の体制が必要だ。アメリカの自己破産の人数は桁が違う。「米連法裁判所は14日、2002年に米企業や個人が申請した破産件数が前年比5・7%増の157万7651件(内企業の件数は3万8540件)になり、過去最高を更新した」(15日 日経から)アメリカ社会で、これだけの破産があっても大きな問題となっていない。 
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 2月6日究極のジミ婚を書いたが、ここで多少補足したい。衣装、ヘアメーク、写真撮影の提供と参加人員役30人の結婚式を取り行なっているのだ。それにしても、これらの経費一式が4万9000円とは驚いた。この結婚式を最初に始めたマリエでは、毎月70組あまりの結婚式が行なわれるとのこと。考えてみれば、この売上が1か月340万円だから、少々のスタッフを抱えることができる。
 あとは、これから結婚しようとする若い人達の価値観である。この結婚式は言ってみれば西洋式かも知れない。教会へ行って式を挙げそのまま新婚旅行に出るアメリカ人などは式そのものにかかる経費はほんのわずかである。この「ジミ婚」(言葉が適切とは思われない)は、案外と若い人たちに受け入れられて行くかも知れない。
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 3月中旬に世界60カ国400都市で、数百万人が参加した反戦デモが行なわれた。しかし、ライス米大統領補佐官(国防担当)は、「人々には、異議を申し立てる権利がある」というだけだ。このこわいお姉さんは、反戦デモにとらわれず大量破壊兵器の破棄に応じなければ、武力行使に踏み切るという姿勢を明確にしている。
 アメリカ社会はブッシュ大統領の登場と、9・11のテロ以後、世界が困惑するほど変化しているように思う。米海兵隊の経験のある元津田塾大教授のダグラス・スミス氏は、ブッシュ大統領をこう批判している。「彼はキリスト教原理主義者。世界の中には善と悪しかないと思えるほど物事を単純に二元論で分けている。イラク攻撃にしても、世論や欧州諸国の反対意見を無視してよいと考えている。妙に自信を持っており、こんな人間が権力を振るうこと自体、とても怖い」(サンデー毎日、戦争狂「ブッシュイズム」の徹底研究から)
 米軍の湾岸展開の兵力は、20万人を突破している。イギリスも数万人の展開が完了している。昨日イギリスの議会は、ブレア政権のイラクへの攻撃方針を賛成多数で支持している。よって世界の世論を無視して、キリスト教原理主義者のイラクへの攻撃は3月にはいると開始されるのだろう。これは抱擁力のあったアメリカ文化の崩壊を意味すると思う。
 アメリカ本来の文化の一端を知る意味で、アメリカの詩人ホイットマン詩集「草の葉」の序文の初めを引用しよう。「アメリカは過去を拒まずたとえ古い形式の下で古い政治体制のさなかで生み出されたものであっても、たとえ身分制度の思想であれ、古めかしい宗教であれ、ともかく拒まず・・意見や風俗や文化は未だに古い殻をつけたままだからとて、決して苛立つことはなく・・」この序文を一口にいえば150年前の米社会の偉大な抱擁力である。

2003年02月27日(木) 増資に厳しいガイドライン

 銀行は増えつづける不良債権で、自己資本が一定の基準以下になろうとしている。これらに対応するため、みずほの1兆円の増資計画に見られるように、各行とも増資の方針を打ち出している。ただし、これが銀行側の計画どおりに進むかどうかは、混沌としている印象を受ける。
 その第1が第3者割当増資を監視するために、金融庁がガイドラインを示したことだ。具体的には次のような事項の禁止を決めている。①出資に応じる企業に株式の購入資金を融資する「見せかけ増資」の禁止②融資の打ち切りをちらつかせて出資を強要する「優越的地位の乱用」の禁止③金利減免などを行なっている要管理先以下の企業の、増資引受先とすることを事実上禁止するなどである。
 この増資に関して、銀行の対応に重大な問題が認められる場合には、銀行法に基づく業務改善命令を発動するという強いものだ。それにしても、国内最大規模のみずほの1兆円増資は、右記の厳しい条件をクリアして進むのだろうか。この1兆円の内海外で1500億円の優先株を発行する。しかし、配当利回りの仮条件が海外で「一年0・25~0・75%」(26日 読売から)というから、正常のビジネスでは引受先があるとは思えない。

2003年02月26日(水) 受刑者の情願も法相に届かず

 2月22日受刑者が3か年で500人も死亡していることを書いた。この中で、どれだけの暴行殺人が明らかになっていくだろう。「府中刑務所と横須賀刑務所で保護房に収容された男性受刑者が急死した3件について再調査する」(20日 読売から)というから法務省刑事局では、既に不自然な死亡を多く掌握しているのだろう。問題はどれだけ明らかになるかである。法務省から離れた独立した調査機関を設置しない限り、少々だけ明るみに出てあとは闇の中に消えていくだろう。

 日本の国会も独立した調査機関を作り、権力によるこの人権無視の暴行を徹底的に調べようという動きはない。悲しいことだが、それだけの人権感覚はないと思う。もし、徹底的に調べたら、刑務所の職員1万2000人の内、膨大の数の処分者が出ることになるだろう。心ある幹部は、今回の事件をどの範囲で終わらせるかに苦慮していることと思う。

2月21日、衆議院予算委員会でこの問題に関する集中審議があった。ここで明らかになったのが、受刑者が法務大臣に提出出来る不服申し立てが出来る「情願書」の扱いである。なんと受刑者から申し立てが、ここ数10年間大臣の所まで届かず、矯正局長らが開封して処理して来たのだ。内部の違法行為を内部で握りつぶす体制を維持してきたのだ。「70年代半ば以降、法相が情願の文書を読むケースはなかった」(23日 毎日)というから一つの法律違反でもある。

 監獄法では受刑者の権利が制定され、同法の施行規則では「刑務所長が封を開けずに直接法相に届ける」(同)ことになっている。実際は今まで大臣には、この情願が一切届くことはなかった。野党は、法相の政治責任を追及する姿勢をとっているが、明らかに的外れの追求だと思う。森山法相も受刑者からの情願書があるなどは知らなかったのだ。森山法相は「今後情願書は、私が見る」(同)と答弁している。

今後のことより、1年間に3000通もの情願書は何処に保管されているのだろう。少なくとも過去3ヵ年約9000通の情願書に何が記述されているのかを調べるべきだ。しかし、刑務所側を不利にするような情願書はおそらく焼却処分されているのだろう。刑務所は圧倒されるような人権無視、人権軽視の闇の空間だ。

2003年02月25日(火) 日本の将来は「暗い」か、「明るい」か

 同じニュースでも、朝日と読売では報道のしかたが違う。イラク攻撃に関して、両紙の報道に大きな違いがある。どちらの報道が正しいのか、という二者選択的な捉え方をする必要はないだろう。アンケート調査でも、新聞社によって違いが出てくる。これは質問の設定などによっての違いなのだろう。これらの違いを前提に置いて読売の調査をみてみよう。
 読売新聞社が中学生以上の未成年者5000人を対象に実施した「全国青少年アンケート調査」によると、青少年の4人に3人が日本の将来は「暗い」と答えいる。その他の項目を取上げると次のとおりだ。(22日読売から)
1、日本の将来は「暗い」と思う           75%  (62%) 
2、日本は努力すれば、だれでも成功できる社会である 75%
3、日本の国民であることを誇りに思う        65%  (85%)
4、親が年をとったら子供が面倒を見るべきだ     80%
 右下の(62%)(85%)は、20歳以上の世論調査のデータである。日本の国民であることを、未成年者の65%、成人の85%が誇りに思っている。これは、イメージを超える数字であった。4の問いの80%も実に高い数字である。

2003年02月24日(月) 米ナイトクラブの壊滅的な大惨事

 韓国の大惨事は公的な場所で起こっている。これと同じような大惨事が民間の施設で起こったらどうなるのだろう。今月17日シカゴのナイトクラブで、少々のトラブルから催眠スプレーが使われた。この匂いを客がテロと勘違いして出口に殺到、なんと21人が死亡した。これとて民間施設での事故であるから大変なものだ。クラブの経営者は、損害賠償で破産だ。
 こんどは米ロードアイランドで、信じられない大惨事が起きた。「約300人の観客がおり、犠牲者の多くが出口付近でみつかった。避難のため観客が殺到し押しつぶされた」(22日毎日から)この短い説明で事件の概要が分かる。押しつぶされた観客は、その後の猛火で焼き尽くされたのだ。遺体の損傷が激しいため、身元を確認できたのは、死者96人中僅か15人にとどまっている。残る81人は、DNA鑑定を行なう必要があるというから深刻だ。
 死者の他に負傷者が180人もいる。この内、重傷の25人の生死確率は半々であるという。よってこの大惨事の死者は、100人を超えることになる。燃えやすい防音壁が原因とは言え、こんな死傷率の高い火災事故は前代見聞のことだ。もう一度死傷者を書き留めよう。
観客300人中、死亡九六人、負傷者180人(この内12名は死亡の確率が高い)で、無事避難できたのは、僅か24人しかいないのだ。

2003年02月23日(日) 受刑者の死亡・三年で五〇〇人

 名古屋刑務所で驚くべき事実が次々と明らかに成っている。16日に書いた暴行は「受刑者の手足を刑務官4人が押さえ」(16日読売から)とあるように、皮手錠のうえ4人に押さえつけられ・・肛門を丸出しにさせられる。ここに副看守長の乙丸容疑者が、肛門をめがけて高圧の放水をしたものだ。暴行の役者は、この五人だと思っていたらそうでないのだ。「乙丸容疑者が暴行した際、上司の看守長が現場にいながら黙認していた」(15日読売から)というのだ。刑務所の職員の大半は、人権という感覚がほとんどないと言わねばならない。
 このような暴行でどれたけの受刑者が殺されたのだろう。刑務所という恐ろしい隠蔽の空間がどれだけ明らかになるだろう。ともかく、この3か年で500人を超える死亡があるのだ。法務省刑事局は「過去3年間の受刑者死亡例を総べて再調査することを決めた。・・・地方検察庁に保存されている500人を超える死亡者に関する資料を集め、死因や死亡時の状況について詳細に点検する」(20日読売から)という。
 日本の刑務所の定員は、5万人少々なのだ。5万人の内、僅か3か年で500人が死亡しているのだ。死亡した全員の年齢などは、発表されないだろうが、その大半が30代、40代であろう。この年代の人達が5万人中500人も病死するわけがないのだ。

2003年02月22日(土) 妻の入院と手術

 1月下旬妻が歯医者さんから指摘され、新潟大学歯学部付属病院で検査を受けた。結果は思いもよらない顎腫瘍(アゴ・歯茎のがん)であった。私ども夫婦は、どんな病気でもありのままを伝えることにしてあった。よって、主治医から私が呼ばれたが、すぐに妻を呼び病状の説明を受けた。結論として左歯茎と首筋のリンパのガン組織であった。首筋のがんは拡大が認められないので、一昨日、歯茎とほほの部分の摘出手術が行なわれた。
 私がここで少々書きたいと思ったのは、妻の手術の事実でなく、手術開始までの主冶医を中心とするスタッフのがん患者に対する配慮であった。手術・麻酔担当の医師が2日前ぐらいから、患者に不安を与えないようあらゆる配慮と会話を行なうのである。私はこれらの会話,或るは医師の患者に対する心の波動を身近に見ていた。そして感じたのは「医の文化」であった。妻は多くの友人の激励と医師の先生方の配慮で、心安らかに手術室へむかった。2月20日午前8時45分のことであった。
 9時30分から手術が始まり、予定の12時に終了した。麻酔が切れたのは、午後1時であった。驚いたことは、手術跡があまり痛くないというのだ。細かなことは書けないが、現代の医術に驚嘆した。

2003年02月21日(金) 基本的な思想・人生観  

 北朝鮮発の報道・言論に接すると、人も、国家も基本的な思想がいかに重要であるかとしみじみと感じる。基本的な思想が国家をも破滅に導くことは、多くの歴史が証明している。日本から見ると異常と思える言論も、北朝鮮の思想・哲学からすれば次に言葉も異常ではないのだ「米帝国主義と死に物狂いで闘うことに重点をおくべきだ」(16日・読売・北朝鮮党機関紙の社説)と訴えている。
 米政府は、北朝鮮が核の放棄をしなければ、武器輸出に的を絞った制裁を発動することを検討している。これに対して,朝鮮中央放送は「米帝とわれわれは今、銃や砲声のない戦争をしている」「核問題をめぐる対決での勝利はわれわれのもの」(同)と子供だましに近い強硬姿勢を示している。更に朝鮮戦争の休戦協定の履行を放棄し、断固たる措置を取らざるを得なくなるとも言っている。
 38度線の休戦協定を放棄して北が南進でもしょうというのか。ハッタリもここまで来ると、読むだけでいやになる。米政府は「北朝鮮はレトリックを使って他国を脅迫し、経済その他の利益をよこすよう迫ってきた歴史がある。もはやそのようなことは通用しない」〔19日・読売から〕といっている。すなわち、相手にしないと言っているのだ。

2003年02月20日(木) 韓国、地下鉄放火死者一三三人

 2月14日の3人の自殺は、1人の若者が「1人で死ぬのは寂しい」と言って自殺を呼びかけたものだ。韓国の地下鉄の放火は「1人で死ぬのは悔しいので、他の人たちと一緒に死のうとおもった」と供述している。死にたい人は、人に、社会に、迷惑を掛けないで静かに死んで欲しいものだ。
 死者130人を超える放火事件は、韓国でも最悪であろうし、世界でもあまり例を見ない大惨事になった。多くの初期段階のミスが報道されており、このような火災事故は全く想定されていなかったようだ。救助に通常の消防隊では対応できず、陸軍も動員されるというものものしさだ。そして、米軍から防毒マスクなどの提供を受けるなど国家的な大事件になった。
 韓国民に激しいショックを与えていることは、精確に何人死亡しているのか分からないことだ。21日現在の死亡確認の内、97人は損傷が激しい頭骨で確認したもので、遺体の確認はDNA鑑定をしないと分からないという悲惨さだ。これだけの大惨事になったには、排煙設備そのものにも問題があったようだ。ともかく、第三者を巻き添えにしようとした重大の事件で、類似した事件が必ず起きるとの前提に立たなければならない。

2003年02月19日(水) 脳卒中の簡単な判別法

 以前脳卒中の見分け方を書いたことがある。この時書いた内容より簡単に、脳卒中などの発症を判別できる方法が発表された。米ノースカロライナ大学医学部の研究グループが考案し、このほど開かれた米脳卒中協会の国際会議に発表した。
 この判別の基準はいとも簡単だ。1、患者が両手を上げ、そのまま維持できるか。2、簡単な文章を繰り返し話すことができるか。3、笑顔をつくれるかどうかーの3種類。この3項目の内1つでも当てはまれば,すぐに救急車を呼ぶ必要があるのだ。ボランテアかこの3種類の方法で脳卒中の診断が出来るかどうか調べたところ,両手挙手が97%,、口述は96%、笑顔は74%の割合で異常を判別することができたという。一番分かりやすいのは両手挙手である。これならば、自分で脳卒中の初期を知ることができるのでないか。  
 小渕前首相の逝去後、脳梗塞や脳卒中のことを何度か記述した。この病は、発症後直ちに手当てできれば、死亡や半身まひなどの重い後遺症を避けることができる。小渕前首相の場合は報道されていたように、発症から2時間以上たってから治療が始まったのである。これだとどうにもならない。発症後2時間以内の治療がポイントなのだ。脳卒中、脳梗塞に関しては,少々具合が悪いから休むという判断をすると、そのままあの世行きになる。

2003年02月18日(火) 万引き少年の扱い

 コンビニの存在は、青少年にとってマイナスに働く要素が多いと思う。私が青少年の頃は、食事と言えば親が作ってくれるものしかなかった。今はお金さえあれば、親の世話にならなくとも食事をすることが出来る。家庭崩壊の報道があるが、コンビニの存在も社会的要因の一つになっていると思う。
 ブックオフのような古書店が増加している。新刊書を読み終えて,ここに持って行けば買い取ってくれる。コンビニのように、世の中が便利になったと単純に評価出来ない負の一面が生まれるのだ。中高生が、これらの古書店に本を販売することを目的とした万引きが増加している。書店によっては利益の大半が万引きによって失われているのだ。
 経済産業省の調査では「約340店の万引き被害額は,年平均で210万円。〔1か月17万円余〕万引きをした人の6割が中高生だった」〔17日ヤフー〕というからこまったものいだ。店によっては、この万引きが死活問題になっている。やむを得ず万引き被害から店を守るために「捕まえたら警察に通報する」という店が増えている。川崎市で先月、万引きした男子中学生が逃走し,電車にはねられて死亡する事件があった。ある書店店長は「少年の自業自得」と切り捨てる。社会全体で青少年を育もうという余裕がないのた。

2003年02月17日(月) 産業廃棄物問題 

 一般家庭から出るゴミは、市町村がその処理に当たっている。これとて膨大な量で安定処理が難しいとする市町村もある。
 
家庭以外から出るゴミは産業廃棄物で、その処理は民間で行なうことになっている。この産業廃棄物の処理場の設置が難しい。問題の一つは、この産業廃棄物処理業に上場しているまともな企業が全く参加しないことである。極単な説明をすれば、いかがわしい企業しかこの産廃事業に参加しない傾向が強いのである。大企業は廃棄物を出すだけで、あとはいかがわしい企業が処理するでは、違法行為があるのは当たり前と言わねばならない。

 いかがわしい企業とは、暴力団や右翼団体と結びつきのある先である。これらの産廃業者を監督する都道府県、政令都市の担当職員が日常的に危険にさらされていると言うから考えさせられる。少々事例を取り上げてみよう。「熊本県でも2年前不法投棄を監視していた警備員が車から引きずり出されて殴られた」「千葉県では職員が廃棄物パトロールの現場で業者に取り囲まれるのは日常的、ここ数年は防弾チョッキを着用している」「岩手県では、県外からの廃棄物搬入を抑制する条例を施行した。条例案を作成しとぃた昨年夏から秋に、県環境生活部には『死ね』『消えた人間は何人もいるぞ』と脅しまがいの電話が相次いだ」この引用は、2月17日毎日のほんの一部である。

一番有名なのは、岩手県と青森県境の山中に不法投棄された82万立方メートル廃棄物だ。この処理に数百億円も掛かる。一晩で車がほとんど通らない堂々とした林道は無数にある。よって不法投棄はこれからも続いていくのだろう。問題は前記したように、産業廃棄物は総べて民間の責任で処理せよ!という国の方針に無理があると思う。

鹿沼市では01年4月に環境対策部の幹部が業者に連れ去られ射殺される事件が起きている。これらのことから、環境対策部門に現職警察官を配置して環境行政を進めている。毎日新聞の調査によると、現職警察官を環境部門に配置しているのは「三重県10人、千葉県9人、埼玉県8人・・・」と続く。検察庁によると、昨年4月現在の出向者は「全国で149人」であるという。この業界を、ただ取り締まるだけではどうにもならない。今の体制が続けば産業廃棄物の処分場が益々減少するのではないだろうか。

2003年02月16日(日) 受刑者に暴行を加えて殺す

 10数年前日本の刑務所の人権無視に関するリポートを読んだ。記憶に生々しく残っているのは、刑務官が受刑者を家畜同然の扱いをしている処もあるとの記述であった。人間であることの根底を破壊してしまう行動もあるのだ。その最たるものは、身体検査と称して、全裸にして肛門にガラス棒を押し込むというのだ。これらの記憶が生々しく残っており、昨年11月の名古屋刑務所の暴行死に対して、かなり激しい筆運の一文を書いた。
 
ところが、肛門にガラス棒を押し込むぐらいはまだまだ子供だましの暴行のようだ。「名古屋刑務所で01年12月、男性の受刑者(当時43)が皮の手錠を装着され急死した問題で、この受刑者の死亡前日、刑務官から房内で全裸にさせられ、下半身に強烈な勢いの水を消防用ホースで吹き付けられていたことが、名古屋地裁特捜部の調べで分かった。特捜部は、水圧の非常に高い放水によって、受刑者の肛門部に大怪我をさせ、死亡につながったとして、12日副看守長、乙丸幹夫容疑者(46)を逮捕する」(12日 朝日から、記事の要旨のみ)

 消防用ホースの水圧で肛門部の裂傷があったというからまさに暴行だ。暴行というより死に至るのだから拷問といったほうが正しい。この事件は受刑者の自傷行為が原因と報告され、「法務省も疑念を抱くことはなかった」(13日 毎日から)というからおかしい。刃物持っていない受刑者がどうして肛門を切り裂くことが出来るのだ。 さすがに、刑務官の中で良心の呵責に苦しむ人が出たようだ。「昨年末になって刑務所関係者から、乙丸容疑者による暴行事件を告発する文書が検察当局に寄せられ・・・」とあるように、内部告発がなければ、この拷問殺人は闇から闇に葬られていたのだ。 不思議に思うことは、この受刑者の肛門部のけがを別の刑務官が見つけ、医師の止血処置や縫合手術を受け、同刑務所内の集中治療室に収容された。しかし、死亡した。ご丁寧に司法解剖までしている。しかし、何故肛門直腸の裂傷があったのかは不問のままだった。隠蔽(いんぺい)という恐ろしい穴を覗いているようだ。

 隠蔽の事例を書き止めて置こう。このような死亡の場合、遺体の写真添付が当然必要だ。しかし、証拠隠滅が行なわれたようだ。「画像消去という意図的な隠滅工作をした疑いが強まった」〔17日 毎日から〕という。なにしろ、検察側の事情聴取に対して「口裏合わせのプロジェクトチームを結成」〔同〕していたというから、組織的な隠蔽工作は明確だ。

2003年02月15日(土) 風邪薬の副作用死 

 市販の風邪薬で副作用死があることをはじめて知った。市販の風邪薬「コルゲンコーワET錠」を1週間に42錠服用、この副作用「スチーブンスン・ジョンソン症候群(SJS)」で死亡した人がいるのだ。このSJSの症状は、解熱剤などの副作用で全身に水泡が出来るなどの症状が特徴であると言う。「厚生労働省によると、SJSは国内で年間300例前後の発症例が報告され、内一割弱が市販薬による」(13日 朝日から)数は少ないとはいえ、市販の風邪薬にも副作用があることを知っておくべきである。知らないことは時として恐ろしい結果を生むことになる。
 この風邪薬で死亡した女性デザイナーの遺族は、製造元の「興和」と販売元の「興和新薬」を相手取り、総額1億5000万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。この女性(31)を診察した皮膚科の医師が「コルゲンコーワの副作用によるSJS」と説明しているのだ。それにしても、1998年2月初期にコルゲンコーワを服用、同月10日に入院、9月に入って皮膚や粘膜のただれが激しくなり、その後中毒性表皮壊死(えし)症に移行して死亡している。市販の風邪薬に、副作用の表示がなかったことが裁判の焦点になるようだ。それにしても、皮膚がただれ、皮膚が壊死する恐ろしい副作用だ。

2003年02月14日(金) 自殺の相手を探しています

 昨年10月東京都練馬区のマンションで、インターネットで知り合ったと見られる男女2人が七輪練炭による一酸化炭素中毒で死亡した。このときこの日々の映像に記述しようかどうしようかと迷った。インターネットで「自殺」と検索すると何百というホームぺージが出てくる。その総べてが自殺に誘導するページとは思われないが、少なくとも若い人達に生きる力を与えようとするものでないと思った。1~2のページを開いたが、私にとっては意味のないので閉じる。
 悪(筆者は自殺を悪と認識している)の伝播は早い。埼玉県入間市のアパートの空き室で、男女3人が練炭による一酸化炭素中毒死と見られる集団自殺があった。男性(26)の掲示板の呼びかけで20歳前後の女性2人が行動を共にしたのだ。インターネット時代は、何がプラスで何がマイナスに働くかを冷静に受け止めなければならない。一緒に自殺しませんかと言う誘いは悪魔のささやきと心得るべきだ。この男性のものと見られる書き込みの一部を引用して置こう。「心中相手を探しています。方法は練炭による中毒死です。・・・やっぱり独りだと寂しいですからね」と。追って第3の練炭自殺が出てくるだろう。自殺の方法として流行するのだろうか。

2003年02月13日(木) 青森の放火殺人犯に死刑判決

 1年少々前、宝石店の女子店員五名が焼き殺された事件があった。この紙面で死亡した1人1人の名前を記述して哀悼の意を表した。母を、娘を、妻を失った遺族らの心の傷は癒えることはないだろう。自己の物欲のために5人の女性を縛り上げ、ガソリンをかけて焼き殺す、これほどの人命軽視の行動はないだろう。人の命を何だと思っているのだ!
 青森でも同じような事件が01年5月に起こった。消費者金融「武富士」弘前支店が放火され、5人が焼死、4人が重軽傷を負ったものだ。昨日のトップニュースは、この被告(44)に対する死刑の判決であった。「犯行の結果は重大で被告の生命をもって償わせるのが相当」(12日 読売から)としたのである。判決によれば、借金60万円の返済に困り武富士に押し入ったものだ。わずか60万円のために9人もの人達を死傷させる、この行動も人命軽視の最たる行動であろう。
 昨年の12月4日に死刑反対に関する概要を記述した。どんな事件が起ころうとも国家権力が人の命を絶つ(死刑)ことは出来ないとする思想だ。今回ような事件が起きると、死刑存続派の勢いが増すことになる。しかし、この男1人死刑にしても何も変わらない。人命軽視の思想こそ、このような事件を起こす犯人なのだ。

2003年02月12日(水) 酒に弱い人はアルツハイマー病に成りやすい

 以前ここでアルツハイマー病と痴呆の違いを書いたことがある。ここではこの違いを省略したい。レーガン大統領は、94年にアルツハイマー病であることを公表した。アメリカのように近代医学が発達した国で、レーガン元大統領の症状の進行を止めることが出来ないのだ。ナンシー婦人はインタビューで「元大統領は、もはや夫人のことさえ分からなくなっているようだとして『思い出を語り合えないのが、アルツハイマーの最もつらいところ』と語っている」(8日 読売から)レーガン税制を始め今なおアメリカ国民に人気の高いレーガン氏が、ナンシー婦人も見分けられないと言うから悲しいことだ。
 
 酒に弱い人は、活性酸素などによる酸化のダメージを受けやすく「酒に弱い人は強い人よりアルツハイマー病に1・6倍なりやすいとの研究結果を発表しており、今回はその仕組みの一端を明らかにした」(1月29日読売・日本歯科大老人病研究所)詳しくはここで記述できないが、アルコールを分解する遺伝子がアルツハイマー病の発症を抑える可能性があることを突き止めたという。ただここまで分かっても我々には何の意味もない。参考になったことはビタミンEがアルツハイマーの予防になるようだ。人間としての尊厳を保つ意味で、痴呆とアルツハイマーにはなりたくないものだ。

 一年少々前、宝石店の女子店員五名が焼き殺された事件があった。この紙面で死亡した一人一人の名前を記述して哀悼の意を表した。母を、娘を、妻を失った遺族らの心の傷は癒えることはないだろう。自己の物欲のために五人の女性を縛り上げ、ガソリンをかけて焼き殺す、これほどの人命軽視の行動はないだろう。人の命を何だと思っているのだ!
 
 青森でも同じような事件が01年5月に起こった。消費者金融「武富士」弘前支店が放火され、5人が焼死、4人が重軽傷を負ったものだ。昨日のトップニュースは、この被告(44)に対する死刑の判決であった。「犯行の結果は重大で被告の生命をもって償わせるのが相当」(12日 読売から)としたのである。判決によれば、借金60万円の返済に困り武富士に押し入ったものだ。わずか60万円のために九人もの人達を死傷させる、この行動も人命軽視の最たる行動であろう。
 
 昨年の12月4日に死刑反対に関する概要を記述した。どんな事件が起ころうとも国家権力が人の命を絶つ(死刑)ことは出来ないとする思想だ。今回ような事件が起きると、死刑存続派の勢いが増すことになる。しかし、この男一人死刑にしても何も変わらない。人命軽視の思想こそ、このような事件を起こす犯人なのだ。

2003年02月11日(火) 財政の破滅は目前

 1月5日、日本経団連が発表した消費税16%構想を記述した。2004年すなわち来年より毎年1%ずつ消費税を上げて行き、2014年以後は16%に固定するとの提言である。この提案に対して、日商、経済同友会など経済界がこぞって同調する空気なのである。日本の財政は破綻に等しい内容である。公共事業などを大幅に削減するか、増税するかの2つの選択しかない。公共事業を2分の1、3分の1にするなど財政支出の大幅カットの話はない。しからば増税かと言えば、消費税引き上げの論議のイニシアチブを政治が率先して執っている訳ではない。

 小泉首相は、「私の在任中、消費税は引き上げない」という。何故在任中は引き上げないのかの論拠があるなら説明して欲しいものだ。現在の国債の発行残高(約450兆円)からいったら「議論の展開を見て考えていかなければならないテーマである」くらいの説明を国民に対して行なうべきである。 塩川財務相は、将来の望ましい消費税率として「ドイツあたりが一番いいんじゃないか」(5日 日経から)と抽象的な表現しかしていない。「ドイツあたり」と言っているが、ドイツ16%、フランス19%、イタリア20%の消費税なのだ。
 ドイツあたりの言葉を単純に解読すると、消費税は16%~20%にしたいというのが本音なのだろう。
 しかし、この引き上げを選挙目前に控えて国民に自信を持って説得するだけの自信がないだろう。よって、小泉首相は「私はやらない」と紋切り型の逃げの答弁になっているように思う。塩川財務相の「ドイツあたりが」との説明は、財政の責任者の言葉としてはあまりに抽象的といえよう。

 支出の削減も出来ない、増税も出来ない、ただひたすら国債という膨大な借金を繰り返して予算を作る、これほど無責任のことはないと思う。今年は35兆円の国債の発行だが、来年以後は40兆円台に乗るのだ。「新たな国債発行額は04年以降に40兆円超となることが避けられず、歳入の半分近くに達する。07年度以降もこの歳出入構造を放置すれば、2016年度には国債の発行残高は現在の約2倍の900兆円に膨れ上がる」(2月5日 朝日から)この雪だるま式に増える借金に対する有効な対策が示されないのだから不思議だ。日本の財政の破綻を横目で見ながら、何もしない、何もできない、では無責任という名の名画を見ているようだ。

2003年02月10日(月) 賃上げ抑制の動き加速

 統計上02年は、定昇を含めて1・1%、3167円の賃上げが行なわれたことになっている。しかし、実際の所得は2年連続で減少している。「厚生労働省が3日発表した統計調査によると、2002年に労働者に支払われた平均月給総額は、前年比2・3%減少した」(3日 読売から)
この調査は従業員5人以上の3万3000社のデーターなので、
ほぼ実態を正しく示しているのだろう。
 問題は、今年春の賃上げである。定昇を含めて昨年の3167円を大幅に下回る雲行きだ。具体的な動きを拾ってみよう。
 今年三月期に経常利益が1兆5000億円になると伝えられているトヨタ自動車労働組合(組合員5万8000人)は、1月上旬にベアを見送ることを決めている。よって、定昇分の確保と一時金アップのみの要求だ。
 ホンダは更に踏み込んで定昇制度を廃止するという。「ホンダは、年齢に応じて給与が上がる定期昇給制度を止め、仕事の評価などにより支給額が変わる成果主義的な賃金制度を導入することを明らかにした」(1月25日 産経から)ホンダの場合は、ただ賃金を抑制する目的以外に、技術開発などに勝ち抜くことが狙いのようだ。ホンダの雨宮副社長は「やる気のある社員に報いる制度にした」(8日 毎日から)と話す。すでに自動車大手3社は成果主義に移行している。
 みずほなど大手行の給料カット方針が伝えられている。ここは、他の産業に比べて高給であったので当然の成り行きなのだろう。
 富士通が実質賃下げの方針を明らかにしている。「毎年給料が上がる年功的な賃金である基本給の伸び(定昇分)の圧縮を組合に提案する方針を定めた」(7日 日経から)という。この方針は、すでにNECが打ち出しており、日立・東芝・三菱電機なども追随するという。
 春闘のリード役であった電気大手が実質賃下げに踏み切る雲行きで、他産業への影響も大きい。戦後続いてきた日本の年功賃金制が名実ともに崩壊することになった。この賃上げ抑制或いは引き下げの動きが日本の経済にどのような影響を与えるだろう。少なくとも消費が強く抑制されていくだろう。しかし、最近は親の遺産を受け取る世代が多くなっているので、
劇的な消費の減少はないと思う。

2003年02月09日(日) 過去二〇年の企業倒産の推移

 過去を知らない者は、未来も分からないという言葉がある。よって、この日々の映像で、身近な経済指標などは取上げていこうと思っている。1月26日、真実を言うかごまかすかの記述の中で、過去20年の家計貯蓄率、同10日には賃上げ率を示した。今月1日は、過去12年の失業率を取上げた。
 昨年の企業倒産は、表のとおり1万9458件と長期の不況を裏付けている。中でも上場企業の倒産が29件とここ数年では倍以上の件数となった。ここでは過去20年間の企業倒産に目を転じてみよう。負債総額では明らかに1991年が一つの時代の区切りとなっている。バブル崩壊の轟音だ。その後の12年間で、表の数字を合計すると19万社が倒産している。
   年      件数      負債(百万円)          
  1980   17884    2706989
  1981   17610    2691593
  1982   17122    2355323
  1983   19155    2563991
  1984   20841    3625877
    ・      ・         ・
    ・      ・         ・
    ・      ・         ・
  1990    6468    1944541 
  1991   10723    7960029
  1992   14167    7563028
    ・      ・         ・
    ・      ・         ・
  2000   19071   23987424
  2001   19441   16212985
  2002   19458   13755678
  
             (資料:帝国データバンク)
  

2003年02月08日(土) 中国の企業誘致の規模

 昨日に続いて中国のことを記述したい。安い労働力によって「世界の工場」としての地位を築いているスケールを冷静に受け止める必要がある。中国の輸出は、日本のみでなく、米国やアジア各国に増大している。汎用品では「メード・イン・ジャパン」製が「チャイナ」製に勝てる訳がない。よって、中国の工業化の発展と共に日本製品の世界シェアは減少する方向が十分に予測される。
 なにしろ、外国企業の中国への進出が一年に数万社に及んでいる。「02年に新たに登録された外資系企業は、3万4171社にのぼり、一日90社以上が設立された」(1月15日 朝日から)というから想像も出来ないほどの外国企業の誘致なのである。
 これら外国企業の中国への直接投資額は「過去最高の527億ドル(約6兆3000億円)」に達している。この6兆円を超える対外直接投資は、世界最大規模になっている。これだけ膨大な企業誘致を可能にする体制を作り上げた中国指導部の戦略を直視しなければならない。特殊な技術がベースとなっている製品以外は「チャイナ産」に負ける構図が展開されていくのだ。物を造る企業は、この大前提を明確に捉える必要がある。このような背景の中で、金融をなお緩和して物価を上昇させる・・・などというインフレ論はおかしい。 


2003年02月07日(金) 日本の輸入相手の第一は中国

 昨今はあらゆる物が下落するというデフレが続いている。電気大手が足並みを揃えて賃下げを行なう雲行きだ。このような流れから、更に消費が落ち込んで、いわゆるデフレスパイラルの死の谷へ落ち込む危険がある。よって、政府はインフレ目標(物価上昇目標)を想定するなど未知の施策を試す動きだ。上がりすぎた物価を抑え込むための政策はあるが、デフレを治める決定的な対策はないに等しいのだ。
 日本にデフレの嵐を吹き込んだ犯人の一人は中国製品の輸入だ。自由貿易が基本であるから 安いと言って文句をいう訳にはいかない。中国製品といってもその大半は、日本企業が中国で作る製品だ。「02年の輸入額の内中国からの輸入シェアは18・3%」(1月30日 朝日)となっている。衣料品、玩具、靴などは店頭を席捲している。
 この輸入の内33%は機械機器で占められている。一つ例をあげると、NECはパソコンの70%に当たる120万台を中国に拠点を持つメーカーに委託する。これでは、物価が上がることは考えられない。1月18日に記述したが中国産の5万円を下回るパソコンが登場してきた。この格安パソコンの販売会社アメリカの企業だ。インフレ目標論者は、中国の秩序と工業化の脅威、そして新たな挑戦者の姿を知らないのだろうか。

2003年02月06日(木) 広がる究極の「ジミ婚」

 社会の風景・価値観は、新しい挑戦者によって変化していくように思う。100円ショップは、流通の新しい風景を生み出した。結婚式を49000円で引き受ける結婚式場が生まれている。「プチ・マリエでは、チャペルでの挙式に加え、新郎新婦の衣装、ヘアメーク、着付け、写真撮影をセットにしたウェディングプランを平日49000円で提供している」(1日 日経から)というから驚きだ。       
下記のとおり同じような式場が会場もある。この究極の格安料金挙式が何処まで広がるのだろう。  
 
プチマリエ
平日49000円(土日祝日10000円増し)渋谷、浜松町の2会場

ジョイズ・チャペル
平日48000円(土日祝日10000円増し)東京・新宿
東京駅から徒歩4分という立地条件が魅力

小さな結婚式
平日48000円(土日祝日10000円増し)東京・青山、神戸など全国に8会場「人前式」で挙式、2人の個性を生かした演出が出来る

チャペルプレス・アス・オール
平日48000円(土日祝日10000円増し)東京・秋葉原、天王洲、大阪・中央の3会場  ロマンチックなムードの「トワイライトウェデング」が人気

チャペル・グリーンベル
平日48000円(土日祝日1万円増し)京都・北白川、大阪・箕面の2会場
低価格挙式のパイオニア、貸衣装業者が手がけ、ウェデングドレスは200着以上
  

2003年02月05日(水) シャトル事故、大陸横断の大捜索

 スペースシャトル「コロンビア」の本体の直径は5メートル、長さは表のとおり、37.24メートル、重量は90トンもある。これだけの物体が時速2万6000キロ(秒速5.5キロ)の猛スピードで大気圏に突入して来るのだ。この摩擦熱が1500度にもなるというから想像を絶する。これだけ過酷な条件の飛行をNASAでは100回は運行出来るとしていた。そして、図のとおり1981年の初打ち上げ以来、今回が28回目の飛行であった。
 一連の報道を読むと重大の過信が事故の背景になっているように思う。「米国の研究者が94年にスペースシャトル打ち上げの際、何らかの破片が機体の翼に当たって、多数の耐熱タイルを損傷している」(5日毎日から)との報告を発表していたのだ。すでに9年前に判明していたシャトルの欠陥が改善できなかったことが今回の空中分解事故につながったとの見方が有力になって来ている。
 しかし、最終的には、どこの部分の破片がどこで見付かったなどの具体的な証拠によって分析されるのだろう。この破片の捜索がとんでもない広がりを見せている。「新たに破片が見付かった西部カリフォルニア、アリゾナから東海岸のフロリダまで、北米大陸を横断する東約4000キロの広大な地域だ」(6日 読売から)と言うから気の遠くなるような捜索である。この捜索で30の政府機関と数千人の市民ボランテアが参加している。はたして、トラブル初期に落ちた破片の回収が出来るだろうか。この空中分解の原因が不明のままでデバーなどの打ち上げは不可能だ。アメリカの威信にかけての大捜査が続く。




2003年02月04日(火) シャトル事故、遺体の肉片が散在する町

 コロンビア乗組員の遺体の肉片が散在する町で、人々はショックと悲しみに直面している。「道ばたで、草原で、住宅地で、遺体の一部も含む落下物はあちこちに横たわり、いや応なしに人々に目に飛び込む」(3日朝日から)ヒューストンから230キロの人口3万人の静かな町(ナカドチェス)は、コロンビア乗組員7人の遺体の一部が落下して来て大騒ぎになっている。
 遺体の一部を見つけた病院勤務のマイク・ギビスさんは「私が見たことは、他の人には決して見せたくないものだ。ゾットするよ」(同)と証言している。この事故捜索でどれだけの政府関係者が動員されているか分からない。「普段の静かな町並みが一変。連邦政府当局者やマスコミ関係者らの車両が慌しく行き来し、・・・既に見付かった落下物は1400個以上。数百人規模の捜索チームが動員され・・・」(同)なにしろテキサス州とルイジアナ州に及ぶ1000キロ以上が捜索範囲なのだから大変だ。
 米大統領が改めて宇宙計画の継続を強調しているが、NASAの元エンジニア(安全担当)が書いた書面(3500件の欠陥があるとするもの)が明らかになるなど、この破滅的な事故が予見されていたのだ。

2003年02月03日(月) シャトル事故、膨大な報道  

 アメリカのマスコミから、連日のように続いていたイラク攻撃に関するニュースが消えた。下記の見出しは、毎日新聞の2月3日21時52分のものだ。
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2003年02月02日(日) シャトル事故、力の象徴墜落

 アメリカの「力」の象徴スペースシャトル「コロンビア」が悲劇に見舞われた。今日のニュースは、1986年1月の「チャレンジャー」爆発事故以来2度の惨事一色に塗りつぶされていた。
 アメリカ人にとって、スペースシャトルは特別の意味を持つ。よって、この事故は、同時多発テロに相当する悲劇なのである。ここでは、報道の見出しを引用しよう。「時速2万キロ(秒速5.5ロ)大気圏への再突入時に高温で破壊」「コロンビア空中分解7人全員死亡」「力の象徴墜落、米国に衝撃、威信傷付く」「墜落コロンビアの映像、米TVが送り続ける」「白い塊が数個、轟音」「NASA長官会見、これ以上の悲劇はない」「米大統領、悲劇の日だ。だが、宇宙への旅は続くだろう」「イスラエル初の宇宙飛行士、国民に強い衝撃」「宇宙ステーション計画大幅に遅れに」(以上2日の報道から)
 スペースシャトル「コロンビア」の空中分解事故は、アメリカの技術信仰の頂点が破壊されたようなもので、今後さまざまな影響が出てくるだろう。一連の記事を読んでの驚きの1つは「コロンビア」が建造からすでに20年も経過していることだ。大気圏再突入の衝撃を考えると、機体への過信が大惨事の原因のように感じた。

2003年02月01日(土) 失業率の推移

 バブル崩壊前の失業率は、表(日経から)のとおり2%少々であった。この時代は、有効求人倍率が1.3から1.4もあった。それが93年以降は0.6前後になってしまった。これは、バブル崩壊を裏付けるデータの一つだ。
 総務省が1月31日に発表したデータによると、2002年の平均失業率は5.4%と過去最悪となっている。
 失業率の推移は、表のとおり93年からじりじりと上昇、昨年の12月時点では5.5%となってしまった。
 消費者物価は、3年連続で下落するなど、デフレに歯止めがかからず景気は一段と厳しさを増している。いったいこの失業率は、どこまで上昇するのだろう。容認できる限界は6.5%だとの説もある。

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石田ふたみ