以前にも書いたことがあるが、日本の新聞は悪いイメージのニュースはデカデカと報道する。反面、好ましいことは報道しないか、または報道しても小さな扱いのように思う。日本が造船世界一の座に返り咲いたことを100人中何人知っているだろうか。テレビも扱わないし、経済新聞で小さく扱われるだけだ。よって、殆どの人は知らないのであろう。「日本造船工業会がまとめた2001年の新造船受注量は・・前年比24%増の797万トンとなった。韓国は同38%減の641万トンとなり、日本が3年ぶりに造船世界一の座に返り咲いた」(2月1日 日経から)日本の賃金水準で、世界一の受注をするのだから、日本の造船技術がいかに勝れているかの証になると思う。 ◇ ◇ ◇ ◇ 1月にキャノンのことを少々記述したが、2001年12月決算は、「連結営業利益が2818億円と前の期に比べ15%増え、4年ぶりに過去最高を更新した」(2月1日 日経から)という。連結売上高が2兆9000億円であるから、売上比で10%余りの営業利益という優秀さである。(連結税引き後の純利益1670億円)複写機市場では、勝組のキャノンとリコーがアメリカのゼロックスなどからシェアを奪っているのだ。 ◇ ◇ ◇ ◇ 2月13日に書いた雪印グループの再建に関連して外資は困ると言う農林省の指導には驚いた。この指導には当然法的な根拠がない。「雪印グループの再建に関連して政府が異例の『外資排除』を示したのは、酪農家保護だけでなく、牛乳生産に対する行政による管理ルールを守り通したいとの思惑があるためだ」(2月8日 毎日から)という。乳牛は自由経済のルールで流通しているのではなく、官主経済ルールの中に入っているのだ。このような分野の製品は総べて国際価格より高くなる。 農林省のトップである渡辺事務次官は外資導入に関連して「競争力も大事だが、生産と供給の仕組みが壊れては困ると言う声が強い」(同)と強調している。日本の企業はどんどん海外へ進出している。反面、優れた海外の企業を受け入れないというから、国際的に見れば見当違いの議論をしているように思う。 話題に上っているネスレはスイスに本社のある会社だ。「ネスレは酪農から出発し、100年の歴史を持つ会社だ。ブランド管理能力に非常に優れ、同社は世界に約500の工場を持つ世界最大の食品メーカー。日本にも1913年に進出し、『ネスカフェ』・・・などでなじみがある」(同)ネスレが雪印のような問題企業を丸抱えにすることは考えられない。 それでは日本の食品メーカーの中で、雪印の支援と再建に乗り出す企業があるのだろうか。 「事件がどこまで広がるか予測がつかない。今どんな企業も怖くて『雪印支援』は言い出せない」(2月6日 毎日から) 地に落ちたスノーブランドを買う企業は限りなくゼロの印象だ。行政と政治がこれだけ口を挟む企業を支援する企業が出るわけがない。 商社が雪印を支援する可能性があるのだろうか。「大手商社は、雪印を丸抱えで支援することに極めて消極的だ」(2月8日 毎日)というから、雪印グループ全体は消滅へ向かって進むような気がしてならない。 ◇ ◇ ◇ ◇ 2月15日に「大気圏はわずか10キロメートル」と題して少々記述した。地球からわずか20キロの成層は、気温(マイナス50度)と共に、太陽の強い紫外線が直撃するので、巨大な飛行船を浮かべるには超ハイテクの技術が求められる。計画の概要はこうだ。「ヘリウムガスを詰めた全長250メートル、直径60メートル、重さ30トンの巨大飛行船約15機を日本上空に浮かべ・・・気流に流されないように機体後部のプロぺラを使い、定点の半径1キロ以内にとどめる。・・・最大のメリットは、地上の通信基盤がない地域でも、飛行船さえ浮かべれば、一気に高速通信ができる点だ。・・・米と英は2003年に実行化一歩手前の長さ150メートル級の飛行船を成層圏で飛行させる」(2月11日 毎日から)という。高い打ち上げコストがかかる衛星より安価となり、通信技術に一つの革命が起こるのかも知れない。これらの実現化を目指す「日本成層圏通信」(同)という民間企業が発足している。 ◇ ◇ ◇ ◇ 2月17日に記述した日本国債の格下げについて補足しておこう。Aa3から1段階引き下げA1になるとチェコ・ハンガリー並みの信用、2段階引き下げのA2にかると、ギリシャ、南アフリカ並みの信用というから困ったものだ。この信用の大幅な下落は、富士山が爆発する火山性地震であるといわねばならない。 ◇ ◇ ◇ ◇ 1月も倒産の多い月だった。「帝国データバンクが発表した1月の企業倒産は件数で前年同月比19.3%増の1620件」(2月16日 毎日)で戦後最悪であるという。1月11日にも記述した特別保証制度を利用したにもかかわらず、倒産した企業が1620件中515件(32%)も占めている。この割合も過去最高となっている。 ◇ ◇ ◇ ◇ 2月12日少子化に関連して、結婚しない(結婚できない?)女性が16.8八%、結婚しても子供を産まない(産めない)女性が13.2%になるとの推計を書いた。この推計は、労働省の人口問題研究所のもので、今までの4回の調査で当たったことがない。よって、この推計より悪くなる可能性が十分にある。 1997年1月からこの日々の映像を書き始めて、6年目に入った。毎年この少子化の問題を数回記述してきたので、おおよそ20回あまり書いたような気がする。これらの記憶を少々辿り、かつ、2月6日・7日の日経の「なぜ止まらぬ少子化」も一部参考にして、この少子化の問題を記述してみたい。 少子化の第1の原因は、一定の年齢に達しても結婚しない人(結婚したいとは思っているが出来ない人)の激増ぶりである。この統計的なデーターは、昨年の11月7日に記述したので再度引用してみよう。先ず、25歳から29歳までの未婚率は次のとおりだ。 男性 69.3% (95年調査では66.9%) 女性 54.0% (95年調査では48.0%) 男性の場合ならまだ良いとしても、女性で25歳から29歳で50%以上の人が未婚であるから大変なデータ―であると思う。 次に30歳から34歳の未婚率は次のとおりで、前回の調査より一気に上昇している。 男性 42.9% (95年調査では37.3%) 女性 26.6% (95年調査では19.7%) このデーターは驚くべきことだと思う。30歳から34歳になっても、女性の4人に1人以上が未婚なのである。更に加筆すれば、35歳から39歳の男性で25%、女性で13.9%が未婚との統計となっている。(昨年10月31日の国勢調査の確定値から引用)これらの未婚率の統計から、2月12日に記述したように、1985年生まれの女性(現在17歳)の未婚率が16.8%に達するとの推計になっている。 男性の未婚について少々記述したい。30歳から34歳で42.9%が未婚で35歳から39歳で実に4人に1人が未婚と言う驚くべきデーターなのだ。都市部へ行くと更にこの未婚率が上昇する。なぜだろう。少々総論となるが「問題の根っこにあるのは、若者の自立を支援しようという発想が、社会全体に乏しいことだ」(2月6日 日経・宮本千葉大教授)細部は省略するが、同教授の指摘は出生率の高い国は、職業訓練や住宅確保など若者に対する社会的自立支援策が充実していると言う。考えてみれば、住宅コストの高い都市部にあって若い夫婦の住宅の支援策は皆無に等しい。都市部は、この経済的な側面が未婚者を増加させている一因であることは確かである。 農村部へ行くとどうか。日本全国の統計では、前記したとおり35歳から39歳の男性で25%が未婚となっているが、これをはるかに超えている集落がいくらでもある。私が知っているAという集落は、100軒中33軒にお嫁さんがいない。男性の年齢は35歳から50歳である。長男が35歳から50歳であるので間もなく両親はいなくなる。これが1つの国であれば、間もなく人口が半分に減少する。この集落のことを思い浮かべると、日本の未来を見るような錯覚に陥る。この農村部に独身の男性(お嫁さんが来ない)が多いことに関して、集落の関係者と話す機会も多くあった。この日々の映像に何回となく記述もした。ここでこの問題をダラダラと記述するつもりはない。ただ1つだけ記述すると、お嫁さんが来ない農家の長男は、一般的に個(自分の考え・個性)が乏しいのである。 しかも、先月の余録に記述したように、18歳以前に完成した狭い社会観・常識の中で生きている人が多いような気がしてならない。一度積み上がった常識の中で生きているので、当然話題も少ない。これでは、お嫁さんの来てがないのも当然のように思える。 農村部の長男に個が乏しいのは、日本の社会の縮図のように思う。日本は公(網の目のように張り巡らされた行政・地域の慣習)を優先して、個が押しつぶされていく構造がある。農村部の長男はこの公に従順な「いい人」が多い。いい人とは言い換えれば、ただ官の支配・地域の慣習に従うだけで自分がないのだ。 都市部に話を移そう。最近は会っていないが、しばらくの間25歳の独身女性4人と懇談する機会があった。4人ともに「いい人が見つかったら結婚したい」という意志を持っていた。彼女達が目出度く結婚したとする。しかし、1月の余録に書いたようにコミュニケーションが保たれず離婚する人(統計的な数字は省略)が多い。これも少子化の大きな原因の1つだ。この離婚のことはここでは記述を省略する。 若い夫婦は、だいたい共稼ぎで人生のスタートを切る。妻が正社員(25歳から34歳の働く女性の正社員の割合65%・・・2月7日 日経)の場合は、育児休暇が取得できる。しかし、現実はどうか。「正社員でさえ嫌がらせが横行している。非正規社員が働きながら子供を産むのはかなり困難だ」(2月7日 日経・谷女性ユニオン東京副執行委員長)法律的には正社員は育児休暇が取れることになっている。しかし、現実は出産と共に会社を辞めさせようとする企業が多いのが現実だ。よって、高いレベルの仕事をしている女性ほど結婚しても出産をしない人が多いのだ。そして、30代の中ごろになってから、そろそろ子供を持とうと考える。しかし、現実はそうはうまくいかない場合が出てくる。 2月6日の日経で、「楽観は禁物、産み時を逃す」と題して、30歳を過ぎると妊娠しにくくなる解説が載っていた。「ある研究によると、妊娠のしやすさは、30歳を過ぎると年々低下する。誤算に気付いた時は、得てして後の祭りだ」(21世紀政策研究所)そして「産めない」夫婦、女性が誕生する。1992年まで30歳以上を高齢初産と規定されていたが、やはりこの傾向は否定できない現実なのだ。前記したように、30歳から34歳での女性の未婚率は26.6%だ。100人中26人が未婚なのである。これらの人たちが結婚しても「産めない」部類に入る確立が高まる。子供はいつでも産めるという幻想を持つべきでないのだ。この2月6日の解説を読んで「・・・なるほど、人間も生物なのだ。女性としての妊娠の能力が出るのは15歳前後だ。それから20年も経ってから、妊娠しようと思ってもだめの場合が多いのか・・・これが生物としての摂理なのだ。・・・」と納得した。 さて次は結婚しても「産まない」夫婦の話に移そう。 前記したように、25歳から34歳の女性の35%は、契約社員、パートなどの非正規社員だ。育児休業は、正社員だけの適用となっており、契約社員・派遣社員は取得する権利がない。よって、これらの女性達は、生活水準の大幅な低下か、出産断念かという二者択一を迫られることになる。若い女性達を福利厚生が少ない(ほとんどない)安い労働力として使う動きが更に強まっている。「人件費削減などで企業は非正規雇用を進めており正社員と非正規社員の比率が逆転する日も遠くない」(2月7日 日経)という。パート・契約社員の割合は、25歳から34歳で35%となっているが、結婚適齢期の21歳から30歳のパート・契約社員の割合は50%近くになっている感じだ。これでは前段に引用したとおり「非正規社員が働きながら子供を産むのはかなり困難だ」という対象夫婦が増加していく。社会全体で、人件費抑制の名のもとで、若い女性たちをいじめておいて、少子化が問題だなどという話は滑稽だ。社会全体で少子化へ進めと力を合わせて協力し合っているように映る。この日本は1月27日に書いたように人口7000万人減へ向かって進むしかないのか。 2月7日の日経から子供を産んで欲しい女性達の人数を見てみよう。表のとおり、25歳から34歳の女性は500万人だ。この内、65%に当たる325万人が正社員、175万人が非正規社員という内訳だ。出産が可能な20歳から34歳までの女性は約750万人になる。これだけの女性がいながら、1ヵ年の出生数は100万人少々なのである。よく少子化の問題が議論される時、年金が破綻するという論説が多い。しかし、一番の問題は農村部の崩壊だ。農村部は3割減反で苦しんでいる。私は懇意にしている農村部の有力者に「時間の問題で5割減反になる」と話をした。なぜ政治は少子化の有効な対策が取れないのだろう。 政治に詳しい同氏は「児童手当などの予算を増すことは、利権につながらないからね」とつぶやいていた。ドイツは、0歳から18での子供を持つ家庭に、1人1ヶ月15000円の児童手当が出る。子供が3人いると45000円だ。諸物価が日本より大幅に安いので、日本の物価水準で言えば6~7万円の支援と同じだ。こんな支援予算は、利権が生まれないので、法案が成立する可能性はゼロだろう。100年後の日本は、道路だけ出来て人がまばらの社会になる。
2002年02月27日(水) |
松下今期赤字4380億円 |
庶民が使用する家電などは、すべて、中国を初めとしたアジア諸国で生産される時代となった。松下幸之助の経営理念は通用しない時代になったのかもしれない。なにしろ、電気大手流通業者が大量のエアコンを中国に委託生産して、日本に持って来る時代である。「松下電気産業は、2002年3月期の連結最終損益が4380億円の赤字になる」(2月22日 日経から)と発表した。なにしろ、今期は、売上高が11%8400億円も減少して、連結営業損益が2270億円の赤字(前期は1880億円の黒字)となるのだ。 この流れを踏まえて、半年前から松下のリストラが発表されていた。前記の2270億円の赤字に加えて、「1万3000人の早期退職に伴う特別退職加算金1660億円、保有株式評価損1000億円」などが加わって、今期の赤字が4380億円になってしまう。松下電気社員の1割を超えるリストラは、時代を考えさせる象徴のようだ。 ソニーは、ゲーム機のヒット効果で来期は2700億円の営業利益になるという。松下には「売れるヒット商品生み出せず」(2月22日 日経から)という背景がある。それにしても1万3000人の希望退職者、「同業他社が欲しがるような優秀な人材ががなり流出している」(同)という。リストラの後遺症は否定できないと思う。
現在の中国政府は、革命によって誕生している。「過去の歴史を知らない者は、未来に対しても無知である」という言葉がある。その意味で、米中間の主な出来事に目を転じておくことに意味があるだろう。 中国は毛沢東、周恩来の時代から鄧小平の時代、江沢民の時代と続いた。そして、「革命第4世代へ権力禅譲」(2月22日毎日)の時期を迎えている。 現在、中国の経済発展のペースが続くと、50年後のGOPはアメリカを超えると言われている。日本の企業が国際競争を継持するには、中国へ行かざるを得ない状況が作り上げられている。恐るべき中国の戦略と言えまいか。
2002年02月25日(月) |
銀行 ・ 預金はいらない |
四月のペイオフを前にしてイメージにない動きがある。「一部の地方銀行が普通預金の金利を下げ始めた」(2月19日 日経から)その内容を示すと次のとおりだ。 横浜銀行0.01%から0.002% (その他静岡銀行も0.005%とする) 横浜銀行を例にとると、0.01%を0.002二%にしたことは、普通預金の金利を5分の1にしたのだ。100万円の利息を年間100円から20円(税引き前)にした形だ。庶民の感覚で言えば、100円の利息でも払えないのかと言いたくなる。 これにはそれなりの理由がある。銀行は預金保険機構に預金残高に対して「年0.084%」の保険料(預金100万円に対して840円)を支払わなければならない。よって、普通預金が増えると収益を圧迫する恐れが出ているのだ。「景気低迷でその資金の運用が一段と難しくなっていることが金利下げの背景にある」(2月19日 日経)
すなわち、現在の運用難では、銀行は預金はいらないのだ。普通預金は2003年までペイオフの対象外。よって、定期預金から普通預金にお金が移動し始めている。それにしても、普通預金100万円をして庶民が受け取る利息が20円で保険料が840円なんだから狂った現象といわねばならない。
18日から日経で「活力を生む税制」というシリーズが始まった。これと平行するかのように、20日から「税を正す」という題で経済力の最前線に立つ企業経営者の意見が掲載されている。これらを読むと、日本の製造業が日本から脱出していく理由がよく分かる。日本の企業に蓄えられた知的資産・技術は超一流であると思う。ただこの企業が、どこの国で物を作るかは、企業の選択になっている。更に言えば、企業が国を選ぶ時代となっているのだ。 輸出型の企業は人件費・社会的コスト・税金が高い国で物を作っていたのでは生き残ることが出来ない。一連のシリーズの中から日本の税金をほんの少しだけ取り上げてみよう。 日本の法人税は41%~42%だ。これに対してアメリカは34%だ。なぜ、日本がアメリカより8%近くも高いのだろう。「アジア主要国・地域は20%台(ここでは平均して25%とする)」(2月20日 日経から)となっている。日本企業の子会社がアジア地域の国で利益を上げると、25%の税金でよいのだ。1年ほど前だろうか、日本の主要企業は、海外子会社の利益を配当と言う形で、回収しなくなったと言う報道があった。この時は意味が良く分からなかったが、2月19日の日経の「日米の税務コスト」を読んで納得した。要旨は次のとおりだ。「親会社が低税国の子会社から配当を得ると、日本で追加課税が発生する。利益を現地での再投資に向ければ、恒久的な節税手段となり、連結ベースの実行税率を引き下げることが可能となる」実行税率とは税引き前利益に対して何%の税金を払ったかである。 日本企業は平均で47.1%であるのに対してアメリカの企業は33.6%と13.5%も低いのである。なぜ、こんなに大きな差になるのか、1つだけ記述すれば、キャノンの実行税率が低いのは、前記したとおり低税国の子会社が利益を出していることによる。 キャノンの御手洗社長は、「税をただす」の中で次のように指摘していた。「日本の税制には思想がないことだ。思想がないので単に取れるところから取ろうとしている印象が強い。・・・米国の税制には善意を刺激し育てていくという思想がある。・・・増税の際は政府が国民に説明することが重要だ。税制に思想がなければ理解も出来ない」と批判していた。 以前にも類似したテーマを何回となく記述したが、日本の税制には企業を育てようなどという思想は限りなくゼロなのである。ベンチャー企業は、開業当初、赤字決済を続ける場合が多い。米国では創業から20年間、赤字の繰越控除ができる。しかし、日本はたったの5年なのである。なぜ、この程度の税制をアメリカと同じに出来ないのだろう。 個人の場合はどうか「米国は、ベンチャー企業への投資に優遇税制を適用している。ある企業への投資の欠損は、別の企業の譲渡益や給与など幅広い所得から控除でき、繰り返し控除も期間は無制限」(日経から)となっている。これに対して日本はどうか「控除対象が株式譲渡益だけ・・・期間は3年に限っている」という具合だ。なぜ、アメリカと同じ考え方に立てないのだろう。個人を税の面で押しつぶして、国全体の活力が生まれるとは思われない。個人の所得税の場合はどうか。レーガン政権の86年から、それまで11%~50%の累進税率を15%と28%にした。日本の高所得者は懲罰的な税率となっている。
2002年02月23日(土) |
金を逸したクワン・スルツカヤ |
ソルトレークシティ冬季五輪も終わりに近づいてきた。冬季五輪の花女子シングルが行われた。2月21日時点のショートプログラムでは、クワンが1位、スルツカヤが2位であった。私は、ミシェル・クワンのスケートに魅了されて、長野五輪の時を含めて、この日々の映像に3回ほど記述した。クワンのファンなので、フリーの演技でも1位となって金に輝くと確信していた。 長野五輪の時はクワンが2位、スルツカヤが5位であった。その後の成績は表のとおりで女子のシングルでは、この2人が1位と2位を分け合うという実力振りである。よって、金と銀はこの2人で分け合うものと思っていた。しかし、勝利の女神はこの2人にはほほ笑まなかった。「春の気配が漂い始めたソルトレークに集まった1万6000人以上の観客は、一生忘れえぬ大逆転の証人となった。」(2月23日 毎日)との解説のとおり、クワン・スルツカヤの女王2人を飛び越えて、ショートプログラムで4位だった16歳のサラ・ヒューズが大逆転の金に輝いた。 このサラ・ヒューズのしなやかな銀盤の舞、これが16歳とは思えない演技であった。思えば98年の長野五輪では15歳のリピンスキーが金メダルに輝いた。人は訓練によって、無限の可能性があるように思う。ヒューズは「3歳でスケートを始めた。・・・99年13歳で初出場した世界選手権でいきなり7位、翌年は3位、昨年も2位と順調に階段を上り、昨年の11月のスケートカナダでついにクワンとスルツカヤを破って表彰台の真中に立った」というから今回の金が偶然の出来事でないのだ。ヒューズの言葉を引用しよう「もっと心躍る瞬間をこれからも味わいたい。」
2002年02月22日(金) |
子を餓死させる哺乳動物 |
地球上での哺乳動物の歴史は、7000万年もの長さだ。そして、さまざまな哺乳動物に進化し、サルから人へと進化したのは、500万年前といわれている。哺乳動物で家族を形成しているのはライオンだ。野生のライオンのテレビ番組を見てきたが、子ライオンに哺乳もせず。食糧も与えずに餓死させる例があるなど聞いたこともない。 身近なメス犬に例をとると、餌は人が与えるがメス犬が子犬に哺乳しないで餓死させたなどは聞いたことがない。 哺乳動物の中で、子供に食べ物を与えずに餓死させるのは、最も高等な哺乳動物のはずの人間だけのようだ。2月17日神戸で子供を餓死させた事件と、金沢で2児放置事件が報じられていた。神戸の事件は、「1歳7ヶ月の二男が死亡」したものだ。長男(2歳)も栄養失調で母親(24)が逮捕された。この長男も標準体重の半分しかなかったと言う。 ショックを受けたのは金沢の事件だ「長男(4)長女(1)をアパートの暖房のない室内に2日間放置し、衰弱させた」ものだ。母親(29)は友達とスノーボードに行っていた。この1歳の長女は1ヶ月のやけどの跡があり手のひらの一部は壊死していたと言う。長男(4)も体温が34度しかない状況で死の一歩手前だった。何とむごいことをする哺乳動物だ。
2002年02月21日(木) |
犯罪多発捜査追い付かず |
どこの国でも負の面がある。中国は数百年も続いたワイロの国としての一面があった。毛沢東の時代、建国から30年余りは、さまざまな路線闘争があった。一つの見方としては、中国社会を覆っていた負の面をいかに克服するかにあったように思う。それでも数百年も続いてきたワイロの習慣を限りなくゼロにするのは難しい。2月18日の毎日によると逃亡した汚職公務員3800人をテレビ放送するコーナーを設けて指名手配するという。この番組で、汚職公務員の手口や人物像を解説して逮捕につなげようとしている。 日本は経済の繁栄と共に、新たに負の面が大きく生まれている。それらを側面的に立証るのが刑法犯の激増だ。上記(2月18日毎日から)のとおり昨年の刑法犯の認知件数は「戦後最悪の273万5612件」であるという。そしてこの検挙率が表のとおり急落してとうとう「最低の19.8%」まで落ち込んだ。この負の増大を防ぐ方法はあるのか。
2002年02月20日(水) |
フジタ・三井・住友建設と合流 |
ブッシュ大統領の訪日を前にして、15日からさまざまな報道があった。この中から、不良債権、ゼネコンの再編の動きを取り上げたい。まず不良債権に関して、12月に首相官邸を訪れた米政府関係者は、「不良債権問題はもはや日米の安全保障問題だ」(2月15日 毎日から)と対応の遅れに強い懸念を示している。不良債権の象徴になっているダイエーに関して更に厳しい指摘だ。「ダイエーへの対応は、日本政府や銀行が不良債権をどう処理するかの試験だった。利益の上がらない企業をなぜ延命させるのか」「企業は倒産させることが重要だ。・・先送りはコストを拡大させるだけ」(2月15日 毎日)などの指摘だ。ダイエーは、銀行の支援策があると言っても、不安がくすぶっている。 フジタが三井建設・住友建設グループに合流するという。これは明らかに政府主導のゼネコン再編。 「三井・住友建設も政府の意向を受けたメーン行の強い要請を今度は受け入れざるを得なかった」(引用 同)との報道でよく分かる。しかし、強引に合流させただけで企業を軌道に乗せることは容易なことではない。この3社の株価(18円~53円)は更に下落するのではないだろうか。この三井・住友・フジタのグループと鹿島を比較してみよう。 三井住友フジタ 売上1兆1652億円 有利子負債1兆4750億円 負債127% 鹿 島 売上1兆9099億円 有利子負債 7175億円 負債38八% 鹿島の有利子負債は売上に対して三八%、これに対して一方のグループは127%という多さだ。三井住友銀行のこのグループに対する支援は明らかになっていない。 この業界にとって最も厳しいのは、公共工事の減少と過当競争による受注単価の下落だ。三社の合流は、不良の先送りの印象を持つ人が多いと思う。
国の税収が日本の5倍で250兆円余りの国がある。それはアメリカだ。国防の予算に日本の10倍以上の58兆円を投じる国がある。それはアメリカだ。世界の国々を中学の同期生180人(ここでは世界180カ国とする)にたとえると、ブッシュさんという人は、桁外れの腕力を持った学年委員長だ。 この学年委員長は、3人のワル(北朝鮮・イラン・イラク)を名指して、「テロ組織ばかりか、それを支持する国や大量破壊兵器の入手をたくらむ国までやっつける」(2月18日 毎日)と宣言する。この超実力者の学年委員長は、「オレが実力行使をする時は同調しなさい」と富士山村出身の小泉に語りかける。 何が正義なのか・・・これはなかなか難しい。この学年委員長の「正義感はすさまじい」(2月1日毎日から)「他国がやらないなら(お前達が協力しないなら)我々(俺一人)がやる」とまで断言する。180人の同期生は、この委員長がいつ腕力を使うのか、かたずを飲んで見守るしかない。 この学年委員長に一言いいたい。ワルを腕力で叩きのめすだけではだめだ。 尊敬される委員長になるには、ワルを立ち直らせるだけの能力が必要だ。ただ、味方と敵と2分するだけの単純さでは困る。これは歴史が証明している。
過日農業団体の税制に関する話を聞いた。ここは補助金を受けているので、自分達が出資した分の設備の償却が認められないという。この件の細部は省略する。個人の税金に関しても我々庶民の目から見ると数々の矛盾がある。この個人の所得税に関するとは、財務省主税局の官僚の理論に政治家が洗脳されているように思う。 少々例を並べたてよう。 1、社債が債務不履行になった場合は、法人は損金に認められるが個人は認めない。 2、銀行が倒産して預金(1000万円以上)がパーになっても、個人の損金と認めない。 3、夫が自分の事業を妻に手伝わせ、報酬を払っても、夫の経費と認めない。(所得税法56条・2月13日 日経から) コンビニの奥さんの賃金は経営上の損金と認められない。 4、妻がパートに出て年収が103万円を超えると、夫の配偶者控除が消える。この103万円が一つの壁になっている。パートで働いている主婦の95%は、年収103万円以内のパートを希望している。 こんなことが、いつまで経っても改定されない。財務省主税局は賢いのかバカなのかよく分からない。ただ、効率的な税制理論だけが先行しているように思う。
2002年02月17日(日) |
日本国債の格下げ検討(ムーディズ) |
昨年「日本の富士山(財政)は爆発する」と題して記述した。昨日記述したように膨大な円資金が金に変わることも爆発前の火山性微震のようだ。1月7日に記述した円からドルへの逃避は、爆発前の小噴火のように思える。 米格付け会社のムーディーズが「日本政府が発行する円建て国内再建の格付けをAa3から格下げる方向で見直す」と発表した。上記の指摘しているポイントのとおり、デフレ・銀行システムの脆弱さ・公的企業の政府の負担増・信用リスクの悪化などを挙げている。 前回の格付けは、01年12月であった。その時は「次の結論は18ヶ月以内に結論を出す」(2月14日 日経から)と表明していた。それから、2ヵ月しか経っていないのに格下げの可能性を発表している。しかも、「経済を安定軌道に乗せるメドがたたないと見れば異例だが次回は日本国債を一気に2段階格下げする可能性がある」(ムーディズ、日本国債格付け担当、トム・バーン氏)と表明している。 アメリカの民間会社が、日本の国債の格付けをするのはけしからんとの見解もある。日本の国債は98年まで米国、英国などと同じくAaaであった。その後格付けが3段階も下落して来た。いったい、膨大な国債を誰が買っているのか。 国内銀行の保有は60兆円少々なのだ。細部は省略するが、国債の50%以上は公的資金(郵便貯金・公的年金の積立・日銀)が買っている。
2002年02月16日(土) |
お金持ちは金に走る? |
ここのところ、連日のように金価格の上昇のニュースが続いている。 最近3ヵ月は表(2月9日 日経)のとおり1グラム1100円から1300円以上へと騰勢を強めている。この原因は「ペイオフや株安に備えた資産の保全として、個人の間で金を買う動きが広がっている」(1月8日 日経)という。新聞を良く読むと桁外れの取引が毎日続いているのだ。「7日の売買は、34万671枚(1枚は1キログラムで約132万円)と過去最高を更新する大商いとなった」(同)とある。これを計算すると1日で4500億円もの取引が行われているのだ。 金を買うなどは無縁の人も多いだろうが、もう少し引用してみよう。「東京・大手町の三菱マテリアルの小売店舗では7日、金を購入する人が絶え間なく訪れた。従業員が昼食を取れないほどの繁忙ぶりで・・売れ行きが好調だった前月の2倍のペース」(2月8日 日経)というから驚く。 個人が金を買って、どこかに保管しているから、供給側は海外から輸入しなければならない。「日本勢の買い」(2月9日 日経)のため、ロンドンの金が上昇している。冷静に考えれば、日本の円預金が引き落とされて、金に変わっているのだ。背景は銀行に円の預金をして置いても、いつ破産するか分からないと思っている資産家が一定の割合でいることである。なにしろ「30キロ(消費税込みで4200万円)以上の大口買いが目立つ」(2月9日 日経)というからビックリだ。この金の取引の急増は、株価の低迷・ペイオフ・MMFの元本割れなどが影響しているという。 少々深刻に思うことは、「金は価値変動が大きくリスクのある商品だが『紙くずにはならない』ことが評価の理由」(2月8日 毎日から)という認識である。現在七五歳以上の人は終戦後、戦前から持っていた預金、保険証券などが紙くずになった実体験を持っている。金を買う人が多いことは、円の預金も当てにならないと思っているのだろう。
2002年02月14日(木) |
ダイエーまた希望退職1400人募集 |
過日大手企業に勤めていたOBと希望退職が与える影響について話を聞いた。同氏は「希望退職を募集すると、社外で通用する優秀な人間から退職する。これを何回もしたら、残るのはクズの社員だけになる」と言っていた。 ダイエーが95年から何回希望退職を募集したか分からない。「ダイエーは昨年3月にも1000人の希望退職を募集したが、売り場の従業員不足などを招き売上を落とした経緯がある」(29日日経から)この時は、応募者がオーバーして混乱が起こったのだ。 そして、今回また1400人の希望退職の募集だ。これは「不採算店50店舗の閉鎖」(同)に伴うもの。それにしても表(1月9日 日経から)のとおり、95年の2万1500人から01年8月まで1万1200人まで削減したのだ。これから更に、自然減600人、希望退職で1400人と2000人を削除するという。ダイエーは、社員2万2000人余りから、9200人に削減することになる。見込みがないと思えば、前記したとおり、優秀な人間から退職していく。ただ頭数とシステムだけで企業が動いていくとは考えられない。
雪印の信用の失墜は目を覆うばかりだ。2月6日時点でも雪印乳業の売上は、牛乳・ヨーグルト共に売上が3分の1に減少している。雪印食品は工場稼動率が20%以下となって事実操業停止の状態だ。このままいたずらに時間が経過すると、社員の給料、物件費など毎月数10億円の赤字を計上して数カ月以内に重大な局面を迎えることになる。 大手だといっても「同社の生乳買い上げ量は年間生産量840万トンの約14%」(2月6日毎日から)というから、雪印乳業が事業から撤退しても、日本国内の乳市場が大混乱するわけではない。信用の回復と再建のためには、ここの株式を過半数を取得する企業が出ない限り、ここの再建は絶望的だと思う。しかし、新聞の伝える処によると、同社の社長は「外部資本の受け入れ」「地域分社化」「雪印の名を残したい」などと雪印グループ全体が存亡の危機に直面しているのにピントがずれた発言をしている。 提携先としてネスレ・伊藤忠の名前があがっている。ところが、農林省の生産局長が「外資系は困ると伝えてある」(2月7日毎日)という。国会議員も「商社も困る」(同)と横やりを入れている。ただでさえ、再建が難しいこの会社に官と政が口を出すのだから、引き受ける企業グループが出て来てもなかなか難しいだろう。
2002年02月12日(火) |
子供を産まない女性追って3割に? |
2月3日に少々触れたが、日本の将来人口は厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が5年に1度推計する。ところが、この推計が過去4回とも大きく外れている。 この研究所の推計が大きく外れた原因は、結婚しても子供を産まない夫婦の増加と、未婚者の激増である。詳しくは省略するが、表(2月6日 日経)のとおり、1985年生まれの女性(現在17歳)は「未婚者(16.8%)を含め、50歳時点で子供はいない人は全体の3割を突破」(同)するという。多少補足すると、結婚しても子供を産まない人が13.2%に達して、30%の女性が50歳になった時点で子供がいないというのだ。現在でも1960年前半生まれ(平均で約37歳)の人達で、結婚しても子供を産まない女性が8.4%に達している。この割合が30年代後半(平均で65歳)生まれの2倍となっているのである。これらの統計から、現在17歳の女性は結婚しない人が16.8%、結婚しても子供を産まない人が13.2%に達するのだ。これでは、少子化は止められない。
2002年02月11日(月) |
不良債権と大手銀行の株価 |
今月は銀行の不良債権に関することは書かないつもりでいた。しかし、ここに来て日経の平均株価が下げ止まらない。この株価下落の立役者は銀行だ。日本の都市銀行は、みずほホールディングス・UFJホールディングスなど4大グループに編成された。2月5日の日経によると、次ページのとおり、この4大グループの株価(ここでは時価総額)が、2年前と比較して約3分の1になっている。数字でいえば、2000年2月の時価総額は約30兆円であったが、2002年2月は、10兆円少々になっている。2001年2月と比較しても約半分の時価総額となった。 ある程度お付き合いで、これら大手都市銀行の株を保有していた企業も多いはずだ。銀行は以前にも記述したが、株主企業に含み損を撒き散らしている感じだ。それにしても、日本の4大金融グループの株式の時価総額が、トヨタ自動車1社より少ないのだから深刻といわねばならない。 なぜ、こんなに株価が下落するか、言うまでもなく、不良債権がいっこうに減らないためである。2月2日に発表された不良債権は表のとおり、大手都銀で22兆5000億円だ。半年前と比較して2兆5000億円も増加している。「01年9月期の不良債権は36.8兆円(金融再生法ベース)で、01年3月期より3.1兆円増加し、99年3月期の再生法基準導入以来、最大となったことが1日、金融庁のまとめで分かった」(2月2日毎日から)という。この期(01年3月~01年9月)は、4.7兆円も最終処理したのであるが、「景気低迷に伴い(不良債権が)5.2兆円が新規発生。処理を進めても新たに不良債権するペ ースに追いつかない状況が続いている。」(2月2日同)というからどうにもならない。 小泉政府は「構造改革なくして景気回復なし」と言って、特殊法人などの改革を進めようとしているが、社会全体からすれば、重箱の隅をつついている感じだ。
2002年02月10日(日) |
季節の薬湯(くすりゆ) |
新聞は生活の身近なテーマを常に取り上げて報道する。これらを総て頭に入れたら大変な物知りになるような気がする。ここでは、2月2日の経済新聞から季節のくすり湯について少々記述しよう。「冬至はユズ湯、端午の節句はショウブ湯など、日本に古来伝わる薬。入浴の効果を高める働きをもっていることが分かってきた。」という。 ここで、大根の薬湯を引用してみよう。「発汗量や血流が圧倒的に多くなるのが、大根の薬湯。大根の葉を陰干しして、浴槽に入れて水から沸かす。さら湯だと普通は入浴後10分ほどで汗が引いてくるが、大根の葉湯で実験すると30分経っても発汗が続いた」という。汗をかけば新陳代謝がよくなり、老廃物が体外に出るという効果があるわけだ。 ミカン湯などは、家庭で行おうと思えばできる。ミカンの皮を捨てないで干しておけばよいのだ。さわやかな香りがあり、さら湯よりはリフレッシュするうえビタミンCがあるので美肌に役立つ。 以前、ここに書いたが、我が家では少々の風邪の時は医者の薬は飲まない。ミカンの皮を常に干しておき、これとショウガを入れて煮出して煎じる。ここにハチミツをいれて飲む。かなりの発汗作用があって風邪が治ることが多い。 薬湯については、だいたいのことは知っているつもりであったが、松の葉が血行促進を与えることを初めて知った。大河内教授の話によると「抗酸化力の面からすると温泉と薬湯は肌の老化を遅らせるのに同様の効果がある」という。ただし、ヨモギ・ドクダミ・アロエ・ショウガは刺激が強いので、肌の弱い人は注意が必要とのこと。
2002年02月09日(土) |
中高年1000人の性調査 |
中高年のコミュ二ケーションはどうなっているのだろう。 中高年の夫婦が、性行為を含めてより良いコミュ二ケーションを持つにはどうしたらよいか・・・毎日新聞で2月1日から3日間に渡って、さまざまな調査結果とアドバイスが掲載されていた。この報道は、セクシュアリティ研究会が40歳~70歳の1020人に夫婦間の性行為について72項目聞いた結果に基づいていた。中高年夫婦の性を浮き彫りにした初の学術調査であるという。 3日間に渡って統計が示されていたが、筆者のイメージの中に全くなかったことは次の3項目であった。 ① 性交痛はありますか 約50% ② 40代の夫婦の性交回数年数回・まったくないの合計 40% 40代で性交痛を感じている人が、いつもある・だいたいある・時々あると答えていつ女性が約半数を超えていることに驚いた。夫婦のコミュ二ケーションがうまくいっていない証拠のように思う。その反面、性交痛が無いと答えた中で75~79歳の女性が30%を超えていたことに驚いた。夫婦のコミュ二ケーションがうまくいっている証拠のようだ。 40代の夫婦の性交回数は、年数数回しかないというのはどうゆうことだろう。夫婦の夫婦のコミュ二ケーションがうまくいっていない典型のように思う。
2002年02月08日(金) |
自殺防止対策有識者懇談会 |
日本は自殺大国だ。昨年は自殺者の数で日本人男子の平均寿命が縮んでしまった。日本の社会は、敗者に対して冷たい。よって、これを熟知している中高年が、この冷たさと厳しさから逃れるために死を選ぶのではないだろうか。 厚生労働省は、標題の懇談会を開いた。この懇談会では「中高年の一番の悩みは『役割喪失』うつ病などの病名をつけられると職場復帰が非常に難しいため、相談に行かない」(2月2日 毎日)ことが問題であるという。その職場のルール(掟)に対応出来ない人は、排除される構図だ。これが怖いから、少々体調がおかしくとも相談に行かない。そして、追いつめられて自殺を選ぶ。この偏見の強さが「自殺防止の壁になっている現実が指摘された」(同)という。日本の社会は公(会社など)を優先して個を押しつぶす構図がある。
田中外相をはずした小泉内閣支持率が53%に急落した。小泉内閣にとっては、深刻な打撃だろう。支持率が50%を超えているから良しとの見方もある。この支持率に反転があるのか、更に、失速していくのか、どうも後者のような気がする。田中外相更迭まで発展したNGO排除問題で「最も責任があるのはだれか」との問いに対して「鈴木議員47%・小泉首相31%・田中氏4%・野上氏8%」これが毎日新聞の世論調査の結果だ。今回の騒動で田中氏に責任があると思っている国民は100人中4人しかいない。しかし、国会の空転を治めるために、田中氏の意思とは関係なく「詰め腹」にした。これでは支持率が急落するわけだ。田中氏は外相として「資質に問題がある」との指摘もあった。それでは鈴木宗男氏は国会議員としての資質に問題がないのか。
2002年02月06日(水) |
大手電気三社は大幅赤字 |
電気大手3社は、表(2月1日日経から)のとおり空前の最終赤字になる。3社は、パソコンや通信分野が低迷したためとしている。そして、3社ともにこれまた空前の人員削減を行う。ここではNECの事例を少々引用しよう。「NECは、既に発表済みの半導体部門の人員削減や工場売却などを合計すると、2001年度の人員削減総数は1万4000人に達する。」と発表した。この内訳は国内8000人で海外6000人。部門別では「半導体が6000人、情報が4000人、通信3000人、本社事務部門1000人」であるという。そして、2002年3月末の連結人員数は、15万人から13万6000人に減少する。 新聞では「NEC1万4000人削減」とでかでかと出ているが、その中身を読むと、プリンター・通信機器などの4工場を売却しているのだ。よって、国内で8000人もの人達が職を失っているわけではない。それにしても、この3社の赤字は空前のものだ。
野上外務次官は、衆院予算委での外相との答弁食い違いが問題になった時「外相と刺し違える」(1月31日 日経から)と断言していたという。そして、更に「ああいう非常識な大臣と辞めなくてはいけないのは無念だが、責任を取る」とも語っていた。何が常識で、何が非常識なのかが良く分からない。 外務省は昨年1月の機密費の事件以後もハイヤー代、ホテル代水増しの不正が明らかとなって、逮捕者も出している。これは、外務省での常識だったのだろうか。そして、事務次官以下全員が外相と対立する。どちらが常識的で、どちらが非常識なのだろうか。更に、不思議な現象がある。「田中氏と合わせて更迭された野上義二事務官が省内で英雄視されている」(1月31日毎日から)という。予定どうりに騒動を起こして田中外相を追い出したのであるから、外務省内では英雄視されるのだ。 外相の後任に就任要請されていた緒方貞子氏は外相の就任を固辞し、新外相にウィットに富む発言をしていた川口順子氏が就任することになった。扇国土交通相・森山法相・遠山文部科学相・そして川口外相・・・どうも女性大臣の方に信頼がおけるような風向きになって
ホームレス襲撃事件は、表(1月28日日経)のとおり、毎年のように起こっている。今回、東京東村山で起こった事件は、3度に渡って襲撃したこと、最後の犯行が「1時間40分に及んだ」というから、執拗で冷酷この上もない。これを実行したのが、中学2年生の少年たちというからビックリだ。最後の暴行が1時間40分にも及んだというからショックな話である。いくら集団心理が作用したとはいえ、角材で叩きつけている相手は人間なのである。 この歯止めのない暴走ぶりをどう理解すればよいのだろう。少なくとも弱者への「思いやり」の心は微塵もない。背筋か寒くなる。死亡した鈴木邦彦さん(55歳)は、どれほどの痛みを感じながら死に至ったのだろう。逮捕された少年らと同じ2年生の女子生徒は「髪を金髪に染め学校でも目立っていた」として事件はそんなに 驚いていないと言う。
2002年02月03日(日) |
児童扶養手当減額の動き |
少子・高齢化の問題が具体的に報道される。1月26日の全国紙は、国立社会保障・人口問題研究所が発表した内容を特集していた。ここでは、その内容は割愛する。1月31日の日経でも、表の年代別の人口の推移他のデーターを示して、社会にひずみが広がることを指摘していた。このような背景の中で「母子家庭を経済的に支援する児童扶養手当を多くの世帯で減額することが、政府与党で検討されている」(1月27日 毎日から)というから首をかしげたくなる。 母子家庭で扶養手当の支給を受けている世帯は、「70万8000世帯」(引用同)だ。70万8000世帯の母子家庭で、どれだけの子供たちがいるのだろう。常識的な推定では1世帯平均1.5人で106万人になる。この数は、年少人口の約5%余りになる。少子化という大問題の中で、本来は支援を継続すべきだが反対の動きとなっている。国は「離婚の増加と長引く不況で現行制度では続かない。」という立場を取る。 70万8000世帯に満額支給すると、3610億円が必要になる。国はこれを表のとおり大幅に削減しようとしている。 国は「子は宝」という概念がゼロなのだろうか。国が少子化を推進しているように映る。
失業率はどこまで上昇を続けるのだろう。厚生労働省が1月29日に発表した有効求人倍率は、表(1月30日毎日から)のとおり、0.5すなわち100人の求職者に対して、求人数が51人余りとなっている。 失業率は、最悪5.6%に達した。完全失業者が、表のとおり11月の350万人より337万人に減少しているのに、失業率が1ポイント上昇したのはおかしいように感じられる。これは、職を離れて働かなくなった人が増えたことによる。「就業者数は6362万人で前年12月より78万人減少」(引用同)したことになっている。日本の統計は、以前にも何回か記述したが、働く意思を示さないと失業者の中にカウントされない。1年前まで働いていた78万人の中にも適当な職があれば働きないと思っている人もかなりいるのではないか。
外務省の騒動は、「言った」(田中前外務大臣)「言わない」(野上前外務次官)で、2人の対立は頂点に達した。田中真紀子氏がウソを言っていると思っている国民は殆どいない。田中氏は、記者の問いにあまりの悔しさからか涙を流す。この涙を小泉首相が「涙は女の武器」と発言した。1月30日の予算委員会でこの涙について女性大臣が次のように答えていた。超一流の才女たちの発言はそれぞれ味がある。(以下1月31日の日経から) 扇千景国土交通相は「涙というのは宝石だと思っている。抑えきれないこともあるし、男の方でも破綻して泣いていらっしゃる方もいる。人間性の一番正直なところだと思う」と。森山真弓法相は「男性にも泣かれると女性はとても弱い。お互い様ではないでしょうか」と。川口順子環境相は「私は素晴らしい男性の前で涙を流して『それは女性の武器だ』と一度言われて見たいと思っている」と。遠山敦子文部科学相は「感想を求められた時に素直にお話になるのは、一つの人格の魅力だと思う」と。この4人の才女先生たちの発言の中で、ウィットに富んだ『一度言われてみたい』が一番気に入った。騒動の中身はここでは省略としたい。ただ、一番驚いたのは、鈴木宗男衆議院議員のNGO関係者への発言の内容だ。これはあとで少々触れたいと思っている。
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