1998年12月02日(水) |
江沢民主席魯迅の母校へ |
一昨年読んだ本の中で、電撃に打たれるような思いで読んだのが「中国近代文学の父」(11/30毎日から)と言われる魯迅(1881〜1936)の人間像に関する本であった。中国近代文学の父という枠をはるかに超越して、中国国民の精神の改造を行った人なのである。孫文が中国革命の父であれば、この魯迅は精神革命の父に当たる。 魯迅は、長い封建的社会が続き、当時の中国人の「内面に巣くっていた無気力さや無感動・無感覚・・・いわば朽ち果てた精神状態への痛烈な叱咤」(「旭日の世紀を求めて」から引用)を行い民衆の意識を根底から変革していく戦いを行なったのである。昨年5月頃まで趣味として書いていたこのエッセーの書く意味・その根幹をこの魯迅より教わったような印象がある。 魯迅は、中国の現代の大人物として最も尊敬されている。この魯迅は1904年秋から1年半仙台医学専門学校(現東北大学医学部)に留学していた。江沢民主席はこの精神の父にと言うべき魯迅を偲んでの東北大学への訪問であったのだろう。 「江沢民主席は、魯迅が留学時代に学んだとされる東北大学の階段教室を見学。魯迅が留学時代が座ったとされる席に腰を下ろし、感慨深そうだった」(11/30毎日)江沢民主席は、95年余り前の魯迅の若き日に思いを馳せていたのだろう。少なくとも中国近代の大指導者が、日本の藤野教授を心より敬愛していたことだけは記憶に留めたい。
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