やんの読書日記
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2007年01月01日(月) レパントの海戦 


塩野七生作
新潮文庫

大国オスマントルコと
海洋国ヴェネチアの戦争は
ギリシア・ローマ時代から続いた
地中海世界の終わりを告げる戦いだったらしい
奴隷を使って地中海をこぎ渡るガレー船が
この機を境に帆船へ、大航海時代へ
スペイン、ポルトガル、イギリスの時代へと移っていく

商業国ヴェネチアがどうやって大国トルコに勝ったか
人海戦術で数の理論をとったトルコに対し
ヴェネチアは大砲を供えた大型船を用意した
それにも増して
異教徒イスラムに対するキリスト教信者の
信念がものを言ったのだと思う

キリスト者としての信念は
前作の「ロードス島攻防記」で
それとなく理解できていたが
博愛平等を重んじる人々の心意気が
この作品でも感じることができた

海戦はたったの5時間
その後のヴェネチアはトルコとの単独講和をした
地中海の平和と領土に住む人々の利益を重んじる国
その後に国力が衰えることになったとしても
それはその時代には先進的なことだったのだと思う


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