やんの読書日記
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塩野七生作 新潮文庫
に聖地をイスラム世界からとりもどそうとした十字軍時代 巡礼者の安全を確保し医療活動を行っていたのが騎士団 ロードス島を根拠地にしていた聖ヨハネ騎士団の物語だ 「キリストの蛇の巣」とイスラム世界から呼ばれたロードス島が トルコのスレイマーン一世に攻められて落ちていくまでを描いている
ヨハネ騎士団の若い騎士が主役となっているのだが スレイマーン二世の君主としての立ち回りの方が 印象深い。蛇の巣として本当は徹底的に攻略したいはずなのに かえって彼の方が騎士ではないかというくらいの 立派な交渉をしている。 しかし、たった数百の騎士が何万ものトルコ軍団に 徹底抗戦する場面は粘り強いという月並みな言葉では 言い表せないくらいすごいものがある。 それはきっと騎士道精神という言葉で表わされるのかもしれない
ロードスで破れ、マルタ島に移り 最後はローマへ移住した聖ヨハネ騎士団が 現存して活動しているということを知って なぜか青い血ということの意味が分かるような気がした。
2005年04月10日(日) |
ヒエログリフを書こう! |
フィリップ・アーダ著 吉村作治監修 林啓恵訳
古代エジプト展で見た石版 ほとんどが死者の埋葬品に使われたもので 人物と動物、食べ物にヒエロブリフという 象形文字がびっしり、それも美しく整然と 彫り付けられている。 一体なにが書いてあるのか それを解読したのがフランス人のシャンポリオン ということは昔世界史で習ったことがある。
この本は複雑なヒエログリフの 基本的な読み方や成り立ちを解説しているのだけれど 右からも左からも、縦書きもできて 王族の名前はカルトゥーシュというロープのわっか の中に書かれているのだそうで ツタンカーメンやアレクサンダー大王、クレオパトラも カルトゥーシュに書かれているらしい。 読み書きのできる書記が実力を持った時代 学問とは普遍的なものなのだということが分かって 感動した。 自分の名前がヒエログリフで書けるといいな!
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