やんの読書日記
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東京子ども図書館編
小学校の給食の時間に流されていた「おはなしでてこい」だったか「ラジオ図書館」で 良く聞いたお話だ お母さんがおつかいをまるでできない息子に向かって「エパミナンダスやエパミナンダスや、おまえはほんとに頭がないねえ」 その言葉が繰り返し流れると教室のみんなが わーと大喜びする。 給食のおかずのにおいまで思い出すような なつかしい昔話が10編も載っている。 東京子ども図書館といえば、石井桃子さんや 松岡杏子さんが作った文庫が前進の図書館だときいている。読み聞かせで子どもに人気のあったお話を集めたものだそうだ。 もう中学生になった次女を前に久しぶりの 本読み。なつかしい時間が流れた。
フィンランド民族叙事詩
ベスコフの絵本「北の魔女ロウヒ」を読んで その元になった物語がカレワラだと知り 原典を読んでみたくなった。 フィンランドの神話が詩で歌われているのだが、この本はカレワラ物語という訳で、詩は少なく物語りになっている。 カレワラの賢者ワイナモイネンの嫁とり。それを邪魔する娘の母親ロウヒはポポヨラという土地の女主人で魔女。 絵本に著されている、ロウヒとワイナモイネンのいきさつはカレワラの最後に出てくる。 スケールが大きくて、掛け合いの言葉がすべて詩でできていて、言葉がとてもきれいだ 原典がぜひ読んでみたい
鶴岡真弓、松村一男 河出書房新社
メリングとサトクリフと、ハリーポッター アーサー王の中に息づくのはケルトの理念 初めてケルトの文学に触れたのはメリングの 「妖精王の月」そのころケルトの理念は まったく理解できなかった。 妖精がそこらじゅうにいて、人とすぐに まじわってしまうこと。死を恐れないのは からだの死を信じず、魂の再生を信じているからだということ。めくるめく渦巻き模様に そのことがあらわされているということ メリングを何冊か読み、サトクリフのクーフリンとフィン・マックールを読み、アーサー王を読むうちにケルトの人々の心理がわかるようになった。
本書はケルトの理念がわかりやすく図解されていて、ついでにケルトの歴史もわかって 今後の読書の糧になった。 ヨーロッパの歴史は、ローマとゲルマン人ののものだと思っていたことが間違いだと 気づいた事。それ以前にケルト人が文化を持っていた事を初めて知った。 カエサルのガリア戦記にその事が詳しく記されていると言う。現在残っているのは ブリテン島に移住した島のケルトの末裔で アイルランド、ウェールズ、スコットランドにもっとも残っているとか。 今度はガリア戦記を読んでみたい
吉川英治作 講談社文庫
一時中断していたがドラマの関係で再度挑戦 原作は、武蔵がいやに落ち着いている 映画や過去のドラマの武蔵は男っぽいし 情熱的なところもあるが 吉川武蔵は、悟りの境地にいるようだ 伊織と出会って、法典ケ原で開墾しながら 農民と混じる武蔵が私は好きだ。 ドラマなどで最大限に見せ場を作っていた 一乗寺下り松、巌流島がかなりあっさり書かれていたので驚いたが、戦う武蔵ではなく 人間武蔵を描いていたのだと感じた 気づいた事は、登場人物がめまぐるしく 出会いとすれ違いを繰り返していて それが三国志や、八犬伝とよく似ていると 言う事だ。昔読んだ三国志をまた読んでみたくなった
2003年06月06日(金) |
The Blue Day Book |
ブラッドリー・トレバー・グリーヴ写真と文 竹書店
高校生の長女が学校の図書館で借りてきた本 誰でも落ち込む日がある そういう副題つきの動物写真集だが どの写真にも、動物の悩んだ顔と彼らが悩んでいる原因?が書かれている。
誰でも落ち込む日がある そういうみじめな日は最低の気分で むっつりとだまりこみ孤独で、 ぜんぜん元気なんかでない そんな、おちこませる言葉が動物の楽しくなさそうな顔と一緒に書かれている
動物たちも落ち込んでるのだろうか 寂しそうで、ちょっとかわいそうな顔を見て 娘がゲラゲラ笑う ペリカンがくちばしでモルモットをくわえている姿、長い舌をだらりとさげた熊 ユーモラスだけど、よく見ると悲しそう。 自分の気持ちを動物に移しこんで 表現している。 ありのままの自分に自身を持つこと しかし、自分を笑いとばす余裕もわすれずに こわがらずに自分の限界に挑戦することだ ひるまずにチャレンジしてみよう 言葉を読むともっといい
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