自由の女
2003年01月31日(金) 私はどこへ行けばよかったのかしら? 私はどれを選べばよかったのかしら? この胸に光るのは 自由という名の 厄介な権力 誰もが追い求めていた力 誰もが懇願していた その力 手放そうと もがく この私 これが自由だというのか? 私は自由だというのか? 何が自由なのだ? 声が枯れるまで 叫ぶ それが 自由なのだと 気付かない 愚かさ 馬鹿な女 だと 罵ればいい ママ 2003年01月29日(水) ママは言うの 「いい子にしててね」 ママ わたし いい子じゃないの? ママは言うの 「頑張ってね」 ママ わたし がんばってないの? わたし いっしょうけんめい わたし ママのため わたし ママのため? ママは言うの 「ママのために偉くなってね」 ママ わたし えらくなんてなりたくないよ ママ わたし ママのためにいきたくないよ いま ほんとうにそうおもうの ママ? ねえママ? ママはだれのためにいきてるっていうの? 黄色い花 2003年01月26日(日) 君は毎日 教室に花を飾る それを誰のために捧げてるか だなんて 僕は思いもしなくて 君は毎日 花を抱えて登校するんだ 大きな花束 大きな花瓶 いつも鼻をつく匂いが 教室中にたちこめているんだ 誰に気付いてほしいのだろう 僕は見たんだ 君がひっそりと 日直の名前を書いて 微笑んでいるのを 一画がまるで魔法のように 僕は放課後 君が大事にしてた 黄色い花を 食べてやった 埃 2003年01月25日(土) 私は教室の中心で笑っていた とても軽やかに それはそれは明るい美少女のように 教室の隅に落ちる埃を 私は決して許せなかった けれど 埃たちはそれ以上に 私を恨んでいたのだ そう むしろ 私が埃 ただ踏みつぶされる運命の 小さな埃なのだ 誰も私を拾ってはくれない 埃に見えないように 私は無理に繕った その笑顔 埃じゃないよ と囁く その声がほしかった もっと早く私を見つけてほしかった もっと単純に私を愛してほしかった もっともっともっと つよがってやる。 2003年01月24日(金) 昔のほうがよかった なんて台詞言ってたら 私はもっと 馬鹿な人間になってただろう ただひたすら その服の裾にしがみついて 私は駄々をこねるだけだったろう 顔を真っ赤にして 泣いて 叫んで 自分に非がないことを 精一杯いいわけするだろう 優劣をつけられる気は さらさらないんだ 後悔はしない主義だ 過去は思い出だ 昔の私が羨ましい と言うやつ 出てこい 今の私は何だ 今の私が羨ましい と言うやつ 出てこい 胸はって言ってやる 未来の私のほうが凄いぞ 心の容量 2003年01月23日(木) 知っていたの? ねえ、あなたは知っていたの? 私がここからいなくなることとか、 あなたもいつかいなくなることとか、 そうそう、 みんなが、いなくなってしまうこととか。 私が先にいなくなったら、どうなるだろう。 あなたはどう思うだろう。 あなたが先にいなくなったら、どうなるだろう。 そんなことは、ないと思うけど。 みんなは、笑っているけれど、 ときに、泣くのはなんでだろう。 あんなに笑っていたのに、 どうして泣くのだろう。 何が不満なのだろう。 いつでも、満たされない。 それは、みんなが言うこと。 この心、満ちてしまったら、 思うけれど、 私の心はちっちゃいから、 あなたが入れば、きっと溢れてしまうだろう。 そうしたら、どうなるか、 なんて考えないよ。 あなたはほほ笑んで、 私を満たそうとはしないの。 あなたは私を、 呼吸できないように、生かすの。 可愛いウサギ 2003年01月22日(水) 僕は小さなウサギ 可愛いなんて言葉は似合わない だって どんなに写真写りがよくても だれも僕に慈悲もくれない キモチワルイ その言葉ばっかり ああそうさ なんて開き直り 馬鹿らしいと思うけど 自分を自分で卑下すれば 多少なりとも楽なんだ そうさ 僕は可愛くないウサギだよ 誰か愛してくれるんだろうか 誰が愛してくれるんだろうか 可愛いって言ってくれるだろうか 可愛いって そう言って ゆっくり撫でてくれる そんな人がいるだろうか ホロリ 2003年01月21日(火) ホロリホロリホロリ 何故泣くのだろう? ホロリホロリホロリ 何故涙はあるのだろう? ホロリホロリホロリ 何故涙はしょっぱいのだろう? ホロリホロリホロリ 何故涙は目から出るのだろう? ホロリホロリホロリ 何故こんなに泣き虫なのだろう? ホロリホロリホロリ ホロリホロリホロリ 体中にたまったゴミを すべて溶かし出してしまおう ホロリ 涙一粒 代理品 2003年01月20日(月) 君は私のために泣くから 理由は知らないけど 泣くから 私はこれで充分幸せなのよ と言ってあげたかった 君は私のために怒るから 私が怒りも泣きもしないから 代わりに怒るから 私はこれでいいのよ と言ってあげたかった 君は私の代理品でも なんでもないんだから 私のため なんて言って 偽善振りまかなくてもいいのよ 私のため なんて言って 君の欲望満たさなくていいのよ ありがとう だけいつも言ってあげるから 泣かないで 怒らないで 私は君に 泣きたくなる 怒りたくなる ねえねえ 2003年01月19日(日) ねえ ただひたすら待つだけの 私に何ができるって言うの 私に何が起こるって言うの ねえ 君はいろんな可能性を秘めてる なんて嘘なんでしょう? やる気を出させたいだけなんでしょう? ねえ 本当は気付いてるんだよ 私それほど馬鹿でもないんだよ でもそれ以上でもないんだよ ねえ 何もできないわけじゃない 何かをできるわけじゃない ねえ 私が悪い子って誰が決めたのかなあ 私が良い子って誰が決めたのかなあ ねえ 私生きてる 私 私として生きてる ねえ 私 私 ここにいる ここにいる ぎすぎす 2003年01月18日(土) 何かを我慢したら きっと上手くゆくんだろう すべてがすんなりと 流れてゆくんだろう だからどうした こんなに我慢してたら どうやって生きてゆくって言うんだ もっと我侭言ってみろよ そうすれば 自分の欲望 垣間見れる 何も怖いことなんてない 適度の欲望 適度の我侭 それから 適度の我慢 そんなもんで ぎすぎすしながらも 時間は流れてゆくだろう それでいいじゃん? 過食症 2003年01月17日(金) 愛してる って嘘は もうこりごり それは 甘い苦いお菓子 口の中に残って 消化しきれない それは 甘い温かい飲み物 お菓子を流し込む 私を眠りに誘う けど 私はまたお菓子を食べる それからまた飲み物を飲む 毎日 毎日 毎日 マイニチ そして結局 私は口から吐き出してしまう すべてを もうこりごり カラフルキャンディー 2003年01月16日(木) 何を基準に 幸せと言うのか 何を基準に 幸せと尋ねるのか 自分自身が基準ならば きっといつも 不幸せ なんて不機嫌そうに言ってしまう 誰でも嫌なことの一つや二つ… 甘いキャンディを舐める ピンク グリーン ホワイト オレンジ レッド イエロー くりかえしくりかえし 瓶の中のキャンディ数えては 今日のできごとをふり返る 今日は幸せだった? どうだったっけな 昨日はどうだった? どうだったっけな キャンディみたいに 甘い日々はなかったけれど ハッカみたいに 体中をスースーとさせるくらい 冷たいできごともなかったよ ピンクグリーンホワイトオレンジレッドイエロー 色とりどりに いろんな味をおためしあれ 言葉の生き物 2003年01月15日(水) 泣き言は簡単に言えるし 負け犬の遠吠えと言われたら 反論もできない 僕は人間だ 言葉を喋る それは何かを伝える道具で みんなが使う その威力は 強くも弱くもある ときに助けられ ときに煩わしく 僕に纏わりつく 好きも 嫌いも 一体になればいい 側にいたいも 離れたいも 一体になればいい すべて同じになってしまえばいい だけれど すべてに白黒があって 反対の意味を持つ 僕は君を傷つける こんなことを言いたいんじゃない こんなことを言いたいんじゃない 僕は君を傷つけたくない それでも僕は 君を傷つけるばっかりだ ああ だから なんで言葉など持つ 人間に生まれたのだろう こうして 言葉で問いかける 自分はとても悲しい生き物なのだ 無知な存在 2003年01月14日(火) 誰もが望んで ここに来るわけじゃない だけれど 存在するのなら存在するで 私たちはいなくなることを拒む 自ら動くことはしない 私たちは 存在を左右することはできない 本当は 私たちはいる 確かにいる そして 確かにいなくなる 抽象的なことも 具体的なことも 何も知らないけれど 何も知らないで ここにいるけれど それでいいでしょう? この私でいいでしょう? 私たちは 何もない私たちを あいしている 桜が降った日 2003年01月13日(月) 雪のかわりに 桜が降った 大量に どこかで 雪崩があったらしい ああ 雪崩じゃないか どうやら 甘い匂いがしたらしい 甘い味がしたらしい 甘さに酔ってしまうらしい 桜色のお布団と 垣間見える青いお空 どうやら 天国を見れるらしい どうやら 天使を見れるらしい だけれどそれは一瞬の儚い夢 気付いたときには そこは一面の赤いお布団らしい そこは生臭い匂いらしい 僕はそこへ花を供えに行ったけど 失敗したと思った どうせならば 大量に雪を供えたほうが よかったのかもしれない 林檎の木の下で 2003年01月12日(日) やっと着いた あの林檎の木の下で 何も思わなかったなんて それは嘘 僕らはきっと お互いを傷つけあって 憎みあってたかもしれない だけど 僕らはきっと お互いを尊敬してて 求め合っていたのかもしれない 木登りをして 林檎の実をひとつ採る 下にいる笑顔の君へ 優しく投げ落とす 僕の願いを投げ落とす 君はだけど ゆっくりとそれに 歯形を残し 唇に付いた汁を舌で舐める 僕は木の上で晴れた空を見る 林檎は赤く甘い 僕らは青く苦い 依存しあい 2003年01月11日(土) 君の書く言葉すべて 本当は見るのが怖い 君の口から出るすべて 本当は聞くのが怖い 本当はね 本当は逃げてしまいたい それでも気になってしまうから 私は君が好きだから きっとこのままずっと ずるずるとこのまま 離れてしまえばよかったのに そうすればもう こんな思いもしなかったのに それでもやっぱり 君の側にいたがる私がいるから あのときの私たちには戻れなくて 今の私たちからは動けなくて 明日の私たちがどうなってるわけもない よくなってるわけもない 今が過ぎて 今を思い出すとき 私たちは笑ってるだろうか そうならば もう私たちは はなればなれに なってるんでしょうね 約束破り 2003年01月10日(金) 私の吐く言葉は 全部 嘘なのかもしれない 別に 泣きたかったわけじゃない それに 私は絶対泣かない って言い切ったはず あの子の前で あの子の目を見て あの子との約束だと 私は決めて 頷きあったし 指切りをした あの子は笑った よかった ってね 私は泣いた 泣いた 泣いた 泣いた ずっと泣いた 謝っても駄目 針千本呑んだって 駄目 私はあの子を 裏切った 窓の外の傍観者 2003年01月07日(火) 冬に桜が咲いたならば きっと綺麗だろう 白い雪の中 薄っすらと桜色の花弁が はらはらと舞うのだろう 私は でも 寒くて 家から出られない こたつの中で じっとその場面を見つめるだろう みかんの皮を剥きながら 私は頬づえをついて テレビをつけるだろう そして ニュースで再び その場面を見るのだろう 雪の中の桜 アナウンサーはうっとりした顔をする 花見をする人たちも酔いしれる 私はそれを 心底腹を立てて 見ているだけなのだろう 私が家を出ないまま 桜も散って 雪も降らなくなって 何もなくなってしまうのだろう 何も見るものがなくなり 人々は離れて行くのだろう 私はそのとき 初めて外に出るだろう 何もなくなった桜を見上げ 何もなくなった青空を見上げ 誰もいない場面に 私が独り立つだろう それから また私は 家に入っていった人たちを 覗くだけなのだ 小鳥のさえずり 2003年01月06日(月) あの小鳥のさえずりのように 私のあなたに対する声も 綺麗ならいいのに 歌のように あなたの耳に入ればいいのに どうして 私の声は こんなにも醜いのだろう あなたが この世のもの すべてが美しい とおっしゃってくださるならば 私は何も躊躇わずに あなたに愛を 届けるのに 街角の坊や 2003年01月05日(日) ほら 手を出してごらん 置いてけぼりの坊や 僕がどこかへ 連れてってあげよう ほら どこへ行きたいか 言ってごらん どこへでも行こう どこにでも行ってあげよう なんだい どこにも行かないって? どうしてだい ここにいるって? なんでだい? ここで誰を待つんだい? ここで何をするんだい? どうするっていうんだい? 置いてけぼりの坊や ここじゃ何もできないのさ どこかへ行ったほうが利口なのさ ああ でも坊や 君はとても大馬鹿者だ そして とても純真すぎる 時間 2003年01月04日(土) そう いつも私たちは 大切なものを見失う 私たちはきっと 時間と生きるようにできているのに 私たちはまるで 時間に置いていかれているように 駄々をこねる もっと時間が欲しい もっと時間が欲しい もう間に合わない もう間に合わない 私たちは時間が進むにつれて 成長するはずなのに どうして 私たちは時間のせいにするのだろう どうして大人になんてなりたくない なんて言ってしまうのだろう しょうがない で片付けられて 怒ってしまう私たち しょうがない で片付ける 大人にはなりたくない 時間は過ぎてしまう 同じリズムを刻んでみよう きっと届く きっと勝てる 明日の自分 今の自分 川を渡る 2003年01月03日(金) 目の前に川 渡ろか? 帰ろか? 目の前に小石 一つ投げて 川に落とす 沈む沈む沈む 自分と重ねる 川の向こうに花 川の向こうに虫 戯れる戯れる戯れる その自然の生 一握りでつぶれてしまうだろう それが生 自分と重ねる だけどきっと 飛べる 飛ぼう 自分の生き方 2003年01月02日(木) 地球は勝手に廻るので 時間も勝手に動くんです だから 私たちは否応なく 成長するわけです 文句は言えません 大人になりたくないとか 言ってられない状況らしいです 別に大人になる なんてどうってことないけど 数字で分けられるのは 不愉快 子供の反発 って怒鳴られれば それはそれまでなんです 数字なんて大したことない 人に優劣なんて そんなもんないわけです 私は一番です そうなんです 誰でも自分が一番 だと思ってればいいんです 自分の生き方が 一番良いんです 最高なんです 今まで生きてきたことを 否定する理由なんて どこにもないわけです 後悔なんてそれまでにしましょう 私は私で生きていきます 極上の生き方をしてやります それで良いと思うんです 野獣を飼う 2003年01月01日(水) 私という名の動物を 飼い馴らすならば それはあなたしかできない そうよ あなたしかできないのよ この野獣 誰が抑えられると思ってるの 無理よ無理 弱肉強食のこの世界 生き延びるのは無理に等しい 餌をちょうだい ねえ 餌をちょうだい 飼い馴らされてあげる そうしたら 生きてあげる |