+--- Cinema Memo ---+


■ 彼はネオでもアナキンでもなく「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 2004年07月10日(土)

※原作は読んでないので、あくまで映画のみの感想です。

監督さんが変わり、出演者もぐっとティーネイジャーっぽくなってきた本作、個人的には過去2作よりずっと見やすかったです。原作ではまだ13歳ということですが、ハリーやハーマイオニーの苦悩や成長がきちんとストーリーに絡んでいたので、前回のような「単なる謎解きもの」のような物足りなさは感じませんでした。
映像はほどよいダークさ(タイトル文字もシルバーだ)で、特撮やスタジオ撮影でない本当の風景――街や自然や雪など――をうまく取り入れてるとこがとてもよかったし、子供たちのやりとりの部分も、衣装を含め(いかにもイギリス的でラフなクールさ)かなり今っぽいタッチでナチュラル。
あとジョン・ウィリアムズさんの音楽も例の冒険調からやっと作風に似合った落ち着いたものになってきて、それもかなり大きかったように思います。

ただ、全体的に急ぎ足のために説明不足な部分もかなりある。たとえば扉に描かれた絵画の夫人を脅かした真犯人は誰で、本当の目的がなんだったのか、さっぱり触れられていない。ここ、けっこう重要な部分だと思うのですが。
(もちろん原作を読めばわかるんだろうけど…逆に原作を読んでいる人にとっては、映画はかなり物足りないと思われ。小説と映画の時間感覚の差異は致命的、かつ今後も避けられない問題だけれど、それぞれの利点を頭の中で統合して楽しむしかないのではないだろうか)。

自らの持つ大いなる魔力にますます自覚を深めるハリー。彼にはフォースの使い方を教えるジェダイマスターもいなければ、予言を示唆し導くオラクルもいない。アナキンでもなく、ネオでもなく、彼は彼の道を行くしかない。

さてミーハーネタ的には、なんといっても双子兄ぃがクール! 英国ミュージシャンのかほりさえ…ロンの成長っぷりもいい感じ。この子は将来けっこういい個性俳優になれるのではないか。
ルーピン先生の配役は、ユアン・マグレガーが候補に挙がった時期もあったらしいのですが、見終わった後の感想は、「う〜ん彼でなくてよかったかも(^^;」それにしてもポッター父の世代のホグワーツ、かなり美味しい顔ぶれではないのか…なんとなくそっちを映像で観てみたい気がする。

ちなみに本編終了後、クレジットの最後のおまけですが、前回のように映像ではありません(本編に関係ないハリーの音声のみ)なので最後まで長いクレジットを律儀に見る必要はないかも。けっこう館内で失望の溜息が聞こえたので…(^^ゞ



■ <番外>今年のウインブルドン 2004年07月01日(木)
外人好きな私としては、映画とともに外せない海外スポーツです。
でもって、のっけからなんですがテニス選手の体型は、スポーツ界でも一二を争う整いぶりではないかと常日頃思っております。そして、一対一という孤独でハードな闘いの過酷ぶりが、ひしひしと感じられる競技でもあります。
男女問わずその動きの美しさは言うに及ばず、時々画面に映る観客席には、セレブな顔ぶれがちらほら。きっと洋画好き・若手俳優好きの方も楽しめると思いますよ〜! もっと日本でも人気が出て放映数が増えるといいんですが。

さてwowow導入に伴い、全仏全米は押さえられるものの、全英――ウインブルドンだけは某国営放送がハイビジョンの方に大幅に優先権を移しやがったもんで、深夜リアルタイムで応援している寝不足な今日この頃(しかも今年は雨中断・中止が多くて…)。

数年前、全豪大会で対戦していたレイトン・ヒューイットとアンディ・ラディックのふたりを観て以来、ずっと彼らを応援しているのですが、一昨年ウインブルドンの若きチャンピオンとなったヒューイット、なんと昨年のオープニングマッチでいきなり敗れるという信じられない結果となり、その間にラディックはすくすくとランキングを上げ…そしてそして注目の今年、いよいよウインブルドンのセンターコートでふたりの対決が見られるのかっ!? と息巻いていたわけです。

が、現時点でラディックは準決勝まで残ったものの、ヒューイットは準々決勝で昨年度チャンピオンのロジャー・フェデラーに敗れてしまいました(そんな気がしてたけど…フェデラーはダントツ強いです。その前のカルロス・モヤとの対戦もちょっと後半危なかったし)。
しかし、ヒューイットは三回戦で今大会で引退するゴラン・イバニセヴィチと当たり、その試合はとても素晴らしいものでした。会場は15年も活躍して01年やっと頂点を極めた苦労人・イバニセヴィチを惜しみ応援する声がほとんど。ヒューイットにとってはアウェー戦のようなものでした。
しかもイバニセヴィチがまた、エースを決める決める。ミスしてもユーモアを持って切り返し、全身全霊で最後のセンターコートを味わい、愛惜する姿や表情は涙ものでした。が、それでもヒューイットはじっと辛抱を続け、地道にブレイクを決めてストレート勝ち。彼にとっては本当に厳しい、しかし実り多き試合だったに違いなく、観てるこちらも思わず目頭がっ……! 今年のベスト試合のひとつでありました。

いつかヒューイットとラディックのセンターコートでの試合を見てみたいものです…!!

NHKのウインブルドン公式サイトはこちら
http://www.nhk.or.jp/wimbledon/index.html




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Written by S.A. 
映画好きへの100の質問



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