+--- Cinema Memo ---+
■ 英雄、あるいは死に場所を探す若者「トロイ」
2004年06月07日(月)
※今回はねたばれ、及び腐女子系の視点が多めなのでお気をつけください※
ブラピの筋肉&美臀部がなにかと話題(一部だけですか?)の「トロイ」ですが、以前「ブラック・ホーク・ダウン」の時のエリック・バナがとてもよかったので彼に期待して観に行きました。個人的には、ドラマを味わう大河歴史ものという域までは届かず、映像とキャスティングを楽しむスペクタクルものという印象でしたので、そういう感じで感想を述べてみます。
そのキャスティング…なんか殿方は端役にいたるまで妙に美意識の一貫性が見られたような気がしませんか!? 美形元祖、今も現役美爺のピーターオトゥールは言うに及ばず、アキレスの従弟とか、腹心の部下(こわもてオヤジなのにすごく綺麗な目だった)とか…しかしそれに対して女性の方は…ごほごほ…アレで傾国の美女ですか…?
・アキレス…ブラピ、長髪が似合わないのは「インタヴュー・ウィズ・バンパイア」で証明済み。伝説の戦士というよりは、現代的なアスリートのイメージ? エリック・バナ演じるヘクトルとの対比もあってか、猛々しい印象はなくナイーブな顔立ちが裏目に出たような気もする。その分、単なる英雄ではなく「死に場所を探す迷える若者」の印象が強かったかな。
・ヘクトル…今回の影の主役、美味しいところすべてイタダキーのエリック・バナ(ひとりまともな役とも言う)。最近人気の頼れる兄貴系(ヴィゴ・モーテンセン、ヒュー・ジャックマンなど)の中では一番好きな俳優さんですが、ハルクは怖くて見られない……。シャープで力強く、堂々とした貴公子を好演。奥さんには王子としての建前を優先するわりに弟に大しては掟破りも辞さないあたり、唯一そこが謎(でも腐女子的にはとっても心をくすぐられちまった設定であった)。
・パリス…あまりのへタレ王子っぷりがかえって潔く、思わず愛い奴じゃ! と父王&兄王子の気持ちにシンクロしてしまった(;´Д`) 海賊のときは羽根付き帽子でしたが、今回のギリシャ風の衣装もよくお似合いのうえ、ちょこっと上半身裸シーンも披露して頂き、ファンには美味しい一本ではないかと。
アキレスの部隊をちょっと特殊部隊っぽく描いたり、華々しい英雄というより、死に場所を探すアウトローとしたところは、現代的な解釈で新鮮だった。
個人的には王がヘクトルの遺体を引き取りにくるところが、ピーター・オトゥールの演技にさすがにじーんときてしまった(この王も、息子達に優しい名君なのだが、信仰だけは曲げられなかった、というあたりも切ない)…その後、アキレスがヘクトルの遺体に向かって「兄弟」と呼びかけるところもよかったですね。
映画的には全体がややモッサリした感じで、3時間は長く感じたのも事実ですが。同じような戦闘シーンが多いのと場面転換時の編集や音楽が古臭いのとで、ちょっともったいないような気もしました。
☆おまけ☆
ハリー・ポッターの予告をとうとう見る。マルフォイ君が本当に成長しちゃってて笑った。イギリスの子役って、この手のごつい系に育っちゃう子っているよね(ケアリー・エルウェスとか…)監督が変わって、かなりダークで美しい映像にも期待。
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Written by
S.A.
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