■ INSOMNIA<インソムニア><☆☆☆.5> |
2002年01月20日(日) |
24時間太陽が沈まない街、アラスカ。発見された少女の遺体は髪を洗われ、爪を切られ、全裸のままゴミ袋に入れられていた…猟奇事件のベテラン、LA警察のウィルは犯人像を特定していく。しかし同時に彼は、内部監査について相棒と対立しているという問題を抱えていた。やがてそれはある事件に発展し、ウィルのもとに取り引きを望む犯人から電話がかかる…。
監督-----クリストファー・ノーラン 出演-----アル・パシーノ ロビン・ウィリアムス 音楽☆☆☆ ストーリー☆☆☆ 映像・演出☆☆☆☆ 俳優☆☆☆☆ 総合評 ☆☆☆.5
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映像---アラスカの大自然はどこまでも冷ややかで美しく、奇妙な薄暮に包まれた世界がやがて狂気に染まっていく。ややザラついた自然な映像がとてもシックで好みだと思っていたら、監督が「メメント」撮った人で製作総指揮がソダーバーグ監督だった。深く納得。
ストーリー---いわゆる敏腕捜査官vs殺人鬼の追跡劇とは一味ちがう。善悪の境がどこまでも曖昧になり、追う者と追われる者の立場の優劣は交互に目まぐるしく入れ替わる。ラストはやや予想がついたものの、優れた役者たちの魅力がいかんなく発揮された作品。個人的には落ちつき過ぎた感が、なきにしもあらず。(ノルウェイのカルト映画のリメイクとのことですが、もとの方が陰惨そうだ…)
キャスト---地元警察の新人女性刑事を、ヒラリー・スワンクが好演。この人、地味なJ.ロバーツ的イメージがあったのだけど、好きになってしまいそう。アル・パシーノとロビン・ウィリアムズの演技対決も、もちろん見応えあり!
私見---いい意味で予想を裏切られた内容と、映像の美しさでたいへん満足。犯人と捜査官って、やはりある意味で「真実を共有している同類」なんですね…その差を分かつものは一体何であるのか。ちょっと「ザ・ウォッチャー」にも通じるものがあり、ぞくぞくしました。おっさん名優同士でなんなのですが。唯一、残念だったのがBGM。やたら感情を盛りたてようとしているのか、とにかくうざったくて閉口した。
http://www.insomnia-movie.jp/
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■ ABOUT A BOY<アバウト・ア・ボーイ><☆☆☆.5> |
2002年01月10日(木) |
ノース・ロンドンに住む38歳の独身男ウィルは、クリスマス・ソングの一発ヒットを放った親の遺産で暮らしている。女性にモテるのをいいことに、家族も仕事も持たない優雅でお気楽な生活に満足していたが、ある日12歳の少年マーカスと出会ってしまい……。
監督-----クリス&ポール・ウエイツ 出演-----ヒュー・グラント ニコラス・ホールト 音楽☆☆☆ ストーリー☆☆☆ 映像・演出☆☆☆ 俳優☆☆☆ 総合評 ☆☆☆.5
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ストーリー---他愛のないシーンの積み重ねで時にはダサくて下品スレスレ(なんたって英国)のギャグもあったりするけれども、とても脚本(台詞)がいいです。もともとの原作が良いんでしょう。クオリティの高いコメディ小品になっていると思います。先はだいたい読める展開なれど、安心して楽しく見られる作品。
キャスト---ヒュー・グラント、王道の演技に磨きがかかりすぎて輝かしい(注:褒めています)。微妙な表情の変化がものすごく可笑しくって見所です。
私見---お金に満ち足りた環境でルックスが良い男なら、ウィルよりもっと酷くなる奴だってたくさんいると思われる。ウィルはマーカスやその周囲の人たちと出会って、元来自分の中にあった良い面に気が付くことが出来たんですね。母を想う少年の素直さもぐっときます。.5は、脚本の良さに。
http://www.uipjapan.com/aboutaboy/
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■ ALMOST FAMOUS<あの頃ペニー・レインと><☆☆☆☆☆> |
2002年01月01日(火) |
ウィリアムは弁護士を目指す優等生の15歳。厳格な母に反抗する姉の影響からロック・ミュージックと出会い、人生が一変してしまう。伝説的なライターのレスターに気に入られ、ついにはローリングストーン誌の編集者の目にとまり、ブレイク寸前のロックバンドのツアーに同行取材することに。そこでウィリアムは、グルーピーのリーダー的存在、ペニー・レインと出会うのだった。
監督----キャメロン・クロウ 出演-----ケイト・ハドソン パトリック・フュジット 音楽☆☆☆☆ ストーリー☆☆☆☆☆ 映像・演出☆☆☆ 俳優☆☆☆☆ 総合評 ☆☆☆☆☆
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ストーリー---監督の自伝的作品なのですが、とにかく脚本がものすごく良くて、すべての人物に共感できつつ、人生や運命がもたらす良い面、悪い面が自然に受け入れられるという感じ。少年の目を通しているにも関わらず、大人の辛さもしっかり伝わってくるんです。もちろんウィリアムとペニーの切ない関係も良くってねえ……私がこの時代の音楽好きだということもあるんでしょうが、久々に胸震える名作に出会ったという感じです。
キャスト---初心な少年、ウィリアム役の名演技がなければここまで純粋な印象にはならなかったような気がします。頭は良いのに生き方は不器用な少年が、青年に成長していく姿がもううるうるです。ケイト・ハドソンも美少女というだけでなく、その裏の哀しさなんかも上手に表現していて素敵でしたね〜。
私見---少年が親離れし、世間や人間関係を学んでいく姿や、一途な恋に落ちてしまうところなど、本当に清々しいというか、目頭が熱くなってしまったなあ。ケイトはお母さんのゴールディ・ホーンとは違った魅力があって、すごくいい。こりゃークリス・ロビンソンも恋に落ちるわ、と思ったっす。
http://www.spe.co.jp/movie/almostfamous/
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Written by S.A.
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