「にこにこばかりもしてられない。」
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突然のことから あわただしく日が過ぎて 事務も一段落 今後の方針もおおまかにまとまり ここで少しスローダウン、と決めた。
アサギマダラというチョウがいる。 このチョウは渡りをする。 あの翅で1000キロもの海を渡る。 途中で落ちて死ぬチョウもいるだろう。 もしも海に船があれば ほんのすこし止まり木で休みたいだろう。
アサギマダラのようだ。 海が広すぎる。 真っ暗で見えない海を渡る。 一気に渡ってしまわなければ水に落ちるだろうか。 ここでもし止まり木に停まって翅を休めたら 飛び立てるんだろうか。
スローダウン、と決めた。 区切りがついた。
足をとめた。
そのとたん 折れそうになってる。
ごはんが作れなくなってる。 毎日の献立が考えられなくなってる。 がんばれ、と思うが がんばれない。
そうか。こういうことか。 きついな。 大事な人を失うってことは。
とっくに折れてるのかもしれない。
土、日とゆっくり話をして実家の処分が決定した。 方針が決まった。 新生活をはじめようとする兄。 自宅に戻って余生を生きようとする叔父。 「そのあと」のそれぞれの生き方のことはまだこれからだ。
よく考えてすすめてゆくために あわてないでおこうね、と確認して それぞれが、自分のことをゆっくり考える時間を持つことにして 帰ってきた。
母からの宿題の手紙を、兄にも読ませた。
「人に優しく 自分に優しく ニヤニヤ笑って生きて」ゆくために 今からの人生をどう生きてゆきたいかを 自分の胸に落ち着くまでよく考えてほしい。 できない理由を探さずに できる工夫をしてほしい。
一生懸命、応援はするけれど 道は自分で開いてね
どんなに仕送りをして助けてあげられたら楽だろうと思うけど それをしたらわたしがお兄ちゃんのこれからの人生をめちゃくちゃにしてしまうと思って がまんしてるのをわかってほしい。
ゆっくり悲しんで ゆっくりすすもうね。
言わなけりゃ。 わたしがちゃんと言わなけりゃ、ね、おかあちゃん。 そう思ってがんばった。
できたばかりの母の位牌は、兄が実家に持ち帰った。
ひと区切りついた。
母の戒名を付けてくださった先生に 一度お目にかかってお礼を申し上げたいんです、とお電話をしたら 「どうぞ、ご放念ください。」と重ねて辞退なさる。
どうしよう、と思っていたら 「おかあさまのおいでになっていた歌会にぜひいらっしゃい。」 と2月の例会にお誘いいただいた。
「ぜひおいでになってください。12時からです。」
歌会は、おそろしい。 詠んだ歌をよってたかって評をして切磋琢磨する会だと知っている。 どれだけ母から「真剣勝負」の道場のようなところだと聞いていることか。 それも「言葉の剣」の剣豪たちの切りあいですよ。歌会なんてとこは。
ひええ、そんなおそろしい、と口ごもっていたら 先生お察しくださったのか 「座ってるだけでよろしいですよ。歓迎します。」と優しい物言いでお誘いいただいた。
おめにかかりたい一心で 先生主宰の歌誌の会員になることになりました。 なんていうご縁かと思う。
1年分の原稿を11月に送っていた母。 今年の12月号まで 誌上で母に会えます。
斬り捨てられないようにそうっと見物だけしてきます。
2010年02月02日(火) |
めんどうみいいんかい |
実家の処分をするのに 叔父さんとちゃんと話をしたい。
半分は叔父さんの名義だ。 叔父さんの意志が大切だ、と思っている。
どうしたい?とおじさんに尋ねたいのだが ここにイトコくんがはさまった。 「僕が長男だから。」「親父ははっきりしないし、施設だから。」
窓口がイトコくんでも別にかまわない、と思っていた。 高齢の親のサポートを子どもがするのは当たり前だ。と。
な、ん、だ、け、ど。
イトコくん、話しづらいぞ?
この機会に、この際実家は処分してはどうだろう。 叔父さんが施設にこの先もいるのなら、叔父さんのためにお金を使えるようにしたほうがよくないだろうか。 手続きも交渉も簡単ではないので、わたしたち兄妹の相続分だけ売却するよりも、 現地いるわたしたちがまとめて取引をすすめたほうがよいのではないか。 売却したら名義分をちゃんと振り分ければ問題ないと思うがどうか。
というふうに わたしとしてはなんの魂胆もなくとっても良心的に話しているつもりなんだが
どうもイトコくんは、わたしたち兄妹が「サギ師」に見えがちらしい。 うまいことゆって、オレの財産をどうにかするつもりじゃないのか的な言葉を ときどきうっかり言うんだなこれが。
トホホ。 こんなところに「関係の貧困」が。
おにいちゃんに、「心が折れたよ。」と電話で話したら 兄「あっそう。そっちがそうならこっちもやったるでぇ〜〜〜いひひ〜」 妹「やーめーてぇぇぇ〜。」 と、いちびりだしたので 居住権をたてに実家総取り、とかヤラシイことをしないうちに 叔父さんに会いに千葉へ行ってきます。
あっちもこっちも面倒を見ないかんとこが多すぎるのでないか。 面倒見委員会か。
とほほ。
おかあちゃんのお葬式のあと 2000円値切って買った29インチのテレビが リコールに当選しました。
パリって割れてた外装にいちゃもんつけて2000円値切ったのに (ああ、今思い出しても身が縮む。なんであんなことしたかわたし。) その外装が不具合だそうできれいな部品に交換してもらえるそうです。
おにいちゃんはその記事をネットで読んで 「ヤホー」とサンヨーに連絡して さっそく修理に来てもらうそうです。
「あんな、おまえが値切ってくれたやん。テレビ。 あれな、うふふふふふふふ。リコールやねん。 8000円やったのに。 いひひひひひひひ。新品。うははははは。」
笑いが止まりません。
「よかったよなぁ。おかあちゃんにお礼言うときや〜。 おかあちゃんがなにかねじ曲げてくれはってんで。」
こんな末恐ろしい状況でも ああやってごきげんさんで明るく「なんとかなる〜ぅ」と暮らしておられます。
笑ってる場合ちゃう、と首吊ったりしないノーテンキさが おにいちゃんの一番いいところ。 そんでしかも、なんとかなるのよね。これが。
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