全ては本人の為に考えていることである - 2005年07月31日(日) ここ暫くかなり厳しいことをこの日記で綴っているが、何故敢えてここまで厳しいことを言っているのか?それは客観的に見てそう感じているのと共に、当の本人にもう少し意識をして欲しいと思っているからである。どんな人でも自分自身は一生懸命にやっていると思っているだろうが、それを判断したり評価したリするのは自分自身ではない。そういう中でどう努力していけるか?それと周りをどう巻き込んでいけるかである。 自分ひとりでなんて何にも出来ないんだから、如何にして周りに協力して下さる人や影響を及ぼしてくれる人を見い出せるかがポイントである。彼には勉強になるからとか、協力者になるかもしれないから行ってみなさいと言ったお店が数軒あるけど、果たして何処までそれを聞き入れ実行しているかである。 それからこれまで手掛けて来たお店の中で懸念していたことが外れたことは殆どない。だからこの人はここで躓くと言ったことは外れないといういうことである。ホント不思議と外れることはない。だからこういう仕事をやっていけるのかもしれないが、今回のケースに於いては通常の懸念しているレベルの遥か高い次元での問題が生じそうであるからあえて厳しい言い回しとなっている。 後は当の本人が早くそれに気付いてくれることを願っているのだが、プランナーとして見る限りはまだまだ半分も気付いていないと思っている。しかし、だからと言って放っておく訳にはいかないし性根を入れて頑張ってくれるまで言い続けていく心算である。 これまで懸念してきたことが外れたことはないから余計にしっかりと分かって欲しいんですよ。分かりましたか? - 鎌倉で昼酒、大磯でワインと花火!そして - 2005年07月30日(土) 今日は3時までに仕事を終わらせて恒例の鎌倉・鶴岡八幡宮へのお参りに行って来た。平日に行ってお気に入りの蕎麦屋で昼酒をしたかったのだが、またまた週末になってしまい至福のひとときは諦めていたのである。お参りを済ませダメ元でお店の前まで行くと今日に限って行列が出来ていないし、お店の中を覗いても6人掛けの大テーブルが空いている。 やったね!久々の昼酒だよ、今日は!外が見える席に座り、まずはビールと板わさを頂くことに。窓の外に垂れ柳が風に揺れ動く様を眺めながら至福の昼酒を堪能。次はお酒を冷やで頂くことにし、序でに焼き海苔もオーダーした。ここはきちんと炭の入った木箱で提供してくれるし、程好い炭の香りがかすかに漂ってきます。これまた蕎麦屋酒、昼酒の愉しみでもある。ここの酒は菊正宗。やはりこういう古き良き風情の佇まいの蕎麦屋にはピッタリの酒ですね。ビールには塩豆が、日本酒にはそば味噌が突き出しとして付いてきますが、これまた双方共に相性が抜群です。 土日でこんなに空いているなんて久し振りである。諦めかけていた中での思い掛けないこのひととき。次第に先客が帰り店内は数人しかいなくなった。以前、夕暮れ時に一人だけという貸し切り状態になったことがあるが、それ以来の静けさので中の蕎麦屋酒かもしれない。すると6人の団体客が入って来て少し雰囲気が変わってしまったのが残念至極であるが、まあ仕方がないよね・・・。だってここ数ヶ月は毎回行列で入れずじまいだった訳だし、それが今日は夏休み中にも拘らずこれ程の静けさを堪能できたんだからね。 お酒も無くなり、蕎麦で〆ようと思ったが折角だからもう一杯頂くことにし、今度は樽酒をオーダーした。樽酒は冷やしてあるのだがちょっと劣化しているのが残念であった。でも、それくらいは我慢ガマン。至福のひとときを堪能させて頂いているんだからね。少しづつ混み始めて来たので〆の蕎麦を頂くことに。頼んだのはやっぱりいつも通りの辛味おろし。蕎麦湯へは薬味の葱を入れ、少し残しておいたお酒と一緒に最後の楽しみを。 お会計の際に女将さんが「いつもありがとうございます」と優しく語り掛けて下さり、大満足の中でお店を後にしたのであった。やっぱりこういうお店での昼酒はホントなんとも言えないいい気分だね。少し散策をしながら酔いを醒まし、ほろ酔い加減が残るまま駅まで行き、次なる目的地である大磯へと向かった。 先日オープンしたお店へ客としての抜き打ちチェックに行くのであるが、今日は地元の花火大会ということで立て込んでいる状況下でどのようなオペレーションをしているかを見てみたかった。7時半頃に大磯へ着き、お店まで向かうと花火を見に来る人達で人通りがいつもとは比べ物にならないくらいであった。丁度お店の前を通って会場へと向かうのでオープンしたてのお店にとっては良い宣伝にもなると思っていた。 店の近所で店主を見掛けたが俺には気付いていない。良かった・・・。ここで気付かれては何にもならないからね。でも、店主が外に出て来れるというのは客がいないということか?まあ、みんな花火を見に行っているんだろうし仕方がないか・・・。でも、店の前に立って驚いた!看板も入口を照らすスポットライトも消されている。これじゃ店がやっていないと思われてしまうじゃんか!店内には客はいなかったし、一体何やってんだろう? 店主が外からお店へ戻る時に気付くだろうと思い、少し離れたところから様子を伺っていたが終に電気が付くことはなかったのである。これじゃ何の為に商売をやっているの?って思っちゃうよ。勿体無いという以前の基本的な意識の問題である。 お店へ入ろうかと思ったが残念ながら既にそういう気持ちが消え去っていた・・・。そこで近所にあるオープンの際に来て下さったフレンチレストランへ行ってみることにしたのである。奥様から「今日はやっているんですかねぇ?」と聞かれたが「やっているんじゃないですか・・・」と答えるしかなかった。勿論、電気が消えているのを分かって言って来た言葉であるのでそれ以外に言葉が見つからなかった・・・。 地元野菜の料理と肉料理と共にグラスワインをオーダーし、店内の様子を窺うと殆どが常連客らしく店主と奥様との会話を楽しみながらお食事をされている様子は良い感じだったね。暫くして花火が始まり、店主が椅子を外に出して下さり「みんなで見ましょうよ!」と。ワイングラス片手に良いポジショニングでの花火見学。夏だねぇ〜!たまや〜!!! お店へ戻ってからは奥様と店主と暫し話しをしたが、やはり永年この業界でやってきている方だけにオープンの際に来てかなりのところまでチェックというか、客観的にリサーチをしていたのである。「早くこのお店へ行って下さいね・・・」と言ったにも拘らずまだ来ていないとのこと。時間がないということなのだろうか・・・?本当に勉強になることが沢山あるんだから、要は本人の貪欲なる探究心と意識の問題だけどね。 本当は大磯のお店のチャックで来た訳だけど、状況が変わり?このフレンチレストランで美味しいお料理を頂くことになってしまった。グラスワインを2杯飲んだ後に、もう一杯違う銘柄のものを頂こうと思ったが、皆さんが飲んでいる「フランスビール」とやらを試してみたくなり順序が逆になってしまったがそれを頂くことにした。かなり炭酸が効いている感じの味わいで中々美味しい。量は少ないのでもう1本・・・ 時計を見ると既に10時少し手前で、シマッタ・・・向こうのお店はラストオーダー終わっているよ。直ぐにお会計をしてお店へと向かったのである。店長には外部照明の件を言うと最初に出た時は気付かなかったが、次に出た際には気付き電気を付けたとのことであるが、どうして最初に気付かないの?とぶつけた見たけど、残念ながら俺を納得させられる答えは返って来なかった。一体何やってんだろう?昼じゃなく夜だよ!夜に看板も入口も暗かったら気付くじゃんか!貴方はここの店主ですよ!スタッフが付け忘れたのがそもそもの原因であるが、貴方は外へ出ても目の前の状況に気付きもしなかったんですよ。これじゃ今日は休みかな?ってみんな思っちゃうよ。 今日はメニューも絞り込んでちゃんと準備をして向かえた地元の一大イベントの日であるにも拘らずに、これじゃ何にもならないんじゃないですか?少なくともこれからこの地で商売を続けていこうという意識があるのなら目の前の状況に気付かなければならないんじゃないですか?これじゃあ、怒る気にもならない・・・ もっとちゃんとやってよ・・・ 一体何考えて商売やってだよ・・・ 開業間もないという次元じゃないよ・・・ 悔しいやら・・・ 情けないやら・・・ もどかしさだけが心に残るやるせなさ・・・ 他にも手抜きをしている箇所が幾つかあった・・・。何故言ったことを守らない?簡素化することによっての弊害を分からないのと、一歩踏み込んで面倒臭いことをさせるのにはきちんと理由があるということを分かっちゃいない。営業終了後にカスターセットをパントリーに下げてお醤油を別の容器に移して醤油注しを洗浄してもらっているが、トレイに楊枝入れと七味入れを残し、醤油注しだけを下げていることに気が付いた。多分、ホールスタッフからこうしようという意見が出たのだと思うけど、何故全てを一旦下げるようにしているのか?パントリーに下げて一箇所に集めることによって楊枝も七味もチャック一緒に出来るし、カスターそのものが汚れているかどうかの確認も出来るんだよ。ホールの暗い中ではチェック出来ないでしょうが・・・。 もし、楊枝入れにゴミでも入っていたらどうするの?テーブルに置いたままではまずチェックなんかしないよ。そういうことが分かっているから態々下げてもらっているんだよ。多分、他にも簡素化しているところが沢山あるはずである。それを増やし続けていけばどうなるか?その答えも分からないようだったら、この先はないと思った方がいいね。厳しい言い方かもしれないが商売を舐めたら絶対に上手く行かないよ。そういう姿勢がお客様には全てしっかりと伝わるんだよって俺は何遍言った?何考えてんだよ! とにかくやる気があるところを見せてくれよ!今のままじゃホントに無理だよ。そんな甘いもんじゃないよ、商売は。蕎麦打ち、汁取り、他にも大切なことは沢山あるが、今貴方に欠けているのは、それ以前の「意識」と「姿勢」の問題です。 - ぬる燗は熱燗を冷ましたものではないよ! - 2005年07月29日(金) ぬる燗の酒が大好きである。故に燗の具合に関してはかなり五月蝿い方でもある。熱燗はほとんど呑むことはないが、燗イコール熱燗と思っている飲食店が結構多いね。普通の燗具合で頼んでも熱過ぎる燗が出て来るし、ぬる燗なんて出来ないよ!みたいな低次元の店もあったりする。酒によっては燗が冷めてきて程好い美味さになるものもあるけど、何を使っているかどうか分からないようなレベルのお店の酒はとてもじゃないがそんなことはない。 一旦熱くなったものを冷ましたところで一度飛んでしまった酒の美味さは戻る筈もなく、単なる不味い液体と化してしまうことになる。それを平気で出す店や燗をした酒に常温の酒を足してぬるくするというとんでもない店もあるし、ぬる燗とは何たるかを全く理解していない。でも、そういう酒を平気で出すような店は他のものも同じように手抜きやいい加減な仕事をしているところが多いのではなかろうか? ぬる燗を頼んでもうもうと湯気が立ち上るような酒を持って来て「熱くなったんですけどダメですか?」なんて聞かれても困っちゃうよな。そんなものダメに決まっているじゃんか!でも、まだマシなお店だよね。きちんと非を認めて聞いてきたんだからね。それを冒頭のように何処かで冷まして持って来るとんでもない店は許せない。 それと「燗を付け直します」と言いながら実は最初の酒を冷まして持って来るような店もある。一口飲めばそれ位分かっちゃうのに平気でそういう悪戯なことをするのは一体どういう神経か?徳利からチロリに移して冷水で冷ましたものを再度徳利に入れて持って来られたこともあったが、なんで酒の温度が低いのに徳利だけが異常に熱いんだい?態々徳利ときちんと温めて出し出しているのかな?なんて思ったけど、とてもそこまでの神経が廻っているとは考え難いし、そういう直ぐにバレちゃうような低次元のことを平然と行うような店には二度と行かない。 とにかく「ぬる燗」は「ぬる燗」である。燗を付け過ぎて不味くなったものを平気で出す様ではダメということ。茹で過ぎて不味くなった蕎麦を平気で出すのと同じだよ。商品としてメニューにある以上はそれ位のことをしっかりと理解して欲しいな。 - 「土用の丑の日」の筈が・・・空白の2時間 - 2005年07月28日(木) 先日、土用の丑の日と勘違いし鰻を食ったけど、本番の今日もやっぱり食べないといけないかな?なんて勝手に思い込んで行って来ました、いつもの横浜駅西口地下街のお店へ。 案の定、数人が並んでいたのでスタバへ行って時間潰しをし、30分後に再挑戦したがやはり数人が並んでいた。少し待てば直ぐに座れそうだが並んでまで食べる心算はない!ホント頑固である・・・。それと数卓ある2人掛けのテーブルはまだ座ったばかりという感じなので空くまでに時間が掛かるだろう。こういう場合は4人掛けに誘導されるだろうが、一人で座るのは申し訳ないので再度時間潰しをしに本屋へと向かった。 手掛けたお店でもお昼のピーク時に一人出来て4人掛けに一人で座らせろというお客様を何度も見掛けたが、こういう厚かましさは俺に持ち合わせてはいないので、よほど空いているときでないと一人で飲食店に入る際は4人掛けは遠慮している。仕事柄そうなってしまうのかもしれないが、我侭なるお客様が結構多いというのは悲しいいことでもある。 暫くして再々挑戦したが行列が長くなっている・・・。仕方がない、やはり並んで食べよう・・・って思わずに、また店を離れた俺は偏屈か?同じお店へ戻るのはやめて先日リニューアルした東口のそごう10Fの飲食フロアーに鰻屋さんがあったように記憶していたので行ってみることにした。オープニング時ほどではないが数軒は行列が出来ているね。お目当てのお店へ行くとそんなに並んではいないようだと思ったが、入口の角を曲がったところに大行列が・・・。これじゃ無理だね・・・。メニューを見たら美味そうな鰻重の写真が「さあ、食べてごらん。美味しいよ!・・・」って優しく微笑みかけている。 しかし、並んでまで食べるのは俺の信念に反する行為であるので、断腸の思いで店を去ることにした。すると目の前には例の蕎麦屋があった。(7月3日の日記参照)ちょいと覗くと案の定ガラガラ・・・。それを隠す為にかどうか、いつもは開いている障子窓が閉め切られている。やはりこのフロアで一番苦戦しているのはここではなかろうか?こういう立地で不可欠なデザイン面に於いてもあまりにもチープ過ぎるし、資金力はありそうだから何とか続けては行くだろうが難しそうだね・・・。 もう時間も遅いし、仕方がないのでここでもいいかな?って思ったけど、また激怒してしまいそうな自分が想像出来たのでここはやめて東口地下街の和食屋さんへと向かったのだが、満卓状態で残念ながら入れず仕舞いであった。 こうなったら初心に帰り最初の西口のお店へと向かうことにした。やはり素直な心で初心に戻ることは大切である。そういう心が功を奏してかどうか空席が一杯であった。やったね!これで漸く鰻にあり付けるよ! とりあえずビール飲んで、肴はさっきチェックしたらかなり減らしていたのであるもので我慢しよう。もう時間も遅いのでそんなに客が来ることもないだろうからゆっくり出来そうである。喜び勇んで入口の前に立つと目に飛び込んでいたのは・・・ 「本日の営業は終了いたしました」という、見たくもないなんともない札がこっちを向いて「バァ〜カ」と笑いながらぶら下がっている。嘘だろぉ〜?まだ9時過ぎじゃんか!9時半ラストオーダーじゃなかったのかい?鰻がなくなったのか、疲れてしまったのかは定かでないが、結局この2時間近くの俺は一体何をしていたのであろうか?近くに一軒鰻を出している和食屋があることはあるが、ここはとてもじゃないが入る気にはならないお店だからやめて、仕方なく東横線の乗り場へと向かった。 何処かで買って家で食べることも考えたが、もうこの落胆の思いから立ち直る術はなく近所の定食屋さんへと向かい、漸く夕食にありつけたのであった・・・。ひょっとして今日だけは鰻を置いているかなとの期待もあったが当然ながらありませんでした。メニューはビール2本に焼き茄子、シラスおろし、ニラ肉豆腐の定食でした。 教訓「食いたければ並べ!嫌なら食うな!」ってところでしょうか。 - 見積り調整難航中!チェックが大変だ・・・ - 2005年07月27日(水) 西浦和のお店の見積りが各社から出揃った。当然ながら合計金額も違うけど、見積りの拾い出し方も違うので、こちらで同じ条件に直してから細かくチェックしなければならなかったり、業者さんによって得意不得意なもののあるので、単品で見ると大きな違いも出て来る。その辺もきちんと考慮してチェックしなければならないし、見積り落しや平米数の違いなどを訂正した中で条件を同じにして公正なる判断をすることになる。 一式の見積りは基本的には認めていないので、きちんと各工事の明細を出して頂いているので差し引き増減がし易いのは助かる。しかし、巷には未だに一式幾ら・・・という出し方しかしてこない業者さんもいる。これじゃチェックのしようがないし、後からのトラブルになる可能性が大である。 他で進めている案件に於いてちょっとどうかな?という業者さんがいる。一応入札には参加して頂く心算ではあるが、正直なところ話しを聞いただけでの感想であるがちょっと怖い気もする。怖いというのは恐ろしい・・・ということではなく、日頃手掛けているお店のレベルが知れているという点である。当然、ミリ単位でシビアな仕事をしているとは思えないし、デザイナーの下で仕事をした経験がどれ程あるか?遠方の現場だけに常駐も出来ないし、チェックにもそうそう行くことが出来ないので町場の内装屋さんでは不安が大きい。もし、見積りの出し方がいい加減であったら選考からは外れて頂くことになるであろう。 話しは戻るが、見積りのチェックに於いて気を付けなければならないのは、業者さんがまとめたのと同じ位の時間を掛けなければしっかりとしたチェックは出来ないということである。同じく全ての工事の数量や平米数をちゃんと拾い出し、単価の確認もしなければ公正なる判断は出来ないということである。 - 「蕎麦屋だからこれでいいのでは・・・」って? - 2005年07月26日(火) 正直なところ飲食業界に於ける「蕎麦屋」のポジショニングは決して高いところにある訳ではない。だからかどうか、いろいろな業者さんから「おそば屋さんならこれでいいんじゃないですか?」とレベルの低いものを提案されたりすることがある。確かに殆どのお店はその程度のもので満足して使っているからということもあるだろうが、ちょっと寂しい気もするね・・・「蕎麦屋だから・・・」というこの言葉。 それと蕎麦屋中心の商いをしているところでも「殆どのお店はこれですから・・・」ってレベルの低いものを提案されたりもするが、それも違うんじゃないのかなって思うんだよね。ポッチーランドとして手掛けているお店の殆どは食材に関してはかなりのモノを使っているが、やはり素材の良し悪しは味に大きく関わってくるし、特に新規開業の場合は素人が始める訳だから「素材」である程度引っ張らないと難しい面も出て来る。 例えば鴨は3500円/Kg近いものを使っているが、蕎麦粉にしても1袋2万以上が当たり前であり、町場のお店はこの半分とか3分の1も行かないものを使っているところも多い。鴨なんかは食べればその素材の良し悪しがハッキリと出るし、他の素材に関しても出来る限りいいモノを使うことによって味がぶれないという一番不安な問題点をある程度は解決出来る。何処かのサイトにうちが手掛けたお店はプロデュース料が加算されているから価格設定が高いなんて馬鹿げたことが書かれていたが、これだけの素材を使ってあの価格なら町場お店の方が高いと思うけどね。 但し、それだけの素材を使っているのに満足なものが出せなかったりするのはまだまだ力不足、素材を使いこなせていないということでもある。だからと言って使いこなせないから素材を悪くするのも可笑しな話しで、とにかくいいものを使うことによって素材の良し悪しをしっかりと見極められる「見る眼」を養って欲しいとも思っている。 だから「蕎麦屋だから・・・」とか「他ではこれだから・・・」という次元の話には乗らないようにして欲しいね。先日、とあるお店のご主人と話しをした際も同様のことを危惧していたけど、まだまだ下に見られてしまう蕎麦業界全体の発展は取り囲む周りから意識を変えていかないと内部にある大きな壁を崩すことは出来ないのではなかろうか・・・。 - 商売の難しさを早く理解することである・・・ - 2005年07月25日(月) 脱サラで商売を始める人の多くは、その大変さも、泥臭さも、また面白さも分からないままに飛び込んでいる。当然と言えば当然なことではあるが、それをどの段階でしっかりと自覚出来るかがポイントである。今では成功を収めたといわれている人でも開業時にはそうではなかったり、失敗を繰り返しながら身に付けていった術もあるだろう。日々の努力というか、きちんとした目的意識を持ち合わせることによって成長を遂げていくものだと思っている。 例えば蕎麦屋なら「蕎麦を打って、汁を作って、他の仕込をして、それを茹でて出しました。そして片付けをしました・・・」これじゃダメだということである。そんなもん当たり前のことだし、その程度の認識や意識では長続きする店になんてなる訳がない。それから、あまりにもいろいろと弄り過ぎるのも決していい結果を招くものではない。ちゃんと分かって弄るのなら構わないが、あまりにも無謀というか、何も考えないでとりあえず何となく変えてみました・・・では結果など出る筈もない。それ位のことちゃんと分かってくれよ!って正直思うことは多々ある。しかし、どうしてもいろいろと手を加えたくなってしまうんだろうね。それをやっているうちはまだまだ素人ということ。 商売の本質も見えないままに変なプロ意識だけを持っても、決して上手くいくはずがないということをちゃんと理解しなければならないのに、知識も経験も浅い中での変なプロ意識は百害あって一利なしである。とにかく、最初のうちは基本に忠実に仕事をして欲しいと願うばかりである。 - 大磯のお店、5日間の立会いを終えて・・・ - 2005年07月24日(日) 今日で大磯のお店のオープニングの立会いが終わった。しかしながら、タイトルにも書き出しにも「無事に・・・」と加えることは出来なかった。今宵は客として席に座っていろいろとチェックしたけど、それの感想や立会中で感じたことなどを閉店後に話した内容を今後どれだけ理解して実行出来るか?厳しいことも沢山言ったけど何処まで理解して頂いたかは正直なところ不安です。暫くの間は様子を見続けなければならないだろうし、場合によっては強制執行の発令も視野に入れなければならないと思っている。 商売の基本中の基本。いや、寧ろそれ以前のことからしっかりと振り返り、何故蕎麦屋を開業しようと思ったのか、何故そこで学ぼうと思ったのか、そして・・・いろいろあるけど敢えてここでは・・・。 廻りから見て「本気」と映るかどうか?それが基本です。折角の良いチャンスが巡って来ての開業ですよ。こんなに良い条件で開業出来る方なんてそうそういないんです。その恵まれたチャンスをしっかりと活かして欲しいから廻りの人達は真剣にぶち当って来て下さっているのです。それを分からないのは残念ながら当の本人だけ。入ったばかりのスタッフだって分かっているんですよ。 やるからには妥協せずにレベルの高いお店になって欲しいし、そういうものを求めているお客様が沢山いる立地条件なんですから、都内のお店のようにミーハーなマニアやオタク系の人は来ない、ガチンコ勝負をしなければならない厳しい立地でもあるけど、それだけに本当に恵まれてもいるんですよ。 とにかく一生懸命に頑張れば誰もが認めてくれるはず。今は商売の大変さも泥臭さも分からないままに未知なる世界の荒波に飛び込んでいるので何も見えていないが、次第にそれらが見えて来た時に乗り越えられる力だけは付けておいて欲しいと思う。大切なのは自分自身であり、しっかりとしたスタイル、コンセプトを構築し長続きするお店になってもらいたい。 ガンバレ!若き経営者よ! - 尺度の違いが大きな勘違いにもなる・・・ - 2005年07月23日(土) 皆それぞれ一生懸命に頑張っているとは思う。しかし、その頑張り方の尺度は十人十色であり、本当の評価はお客様であったり関わる廻りの人達であったりする。それを勘違いして自分では頑張っていると思い込み、更なる努力をしなくなったり、またはこれで良しとなってしまってはなんにもならない。 何故厳しいことを言うのか?わざわざ足を運んで下さるのか?それこそ基本的なこういうことが分からなければ折角の好意も無駄になってしまう。例えどんな小さなお店であっても一つの事業である。事業を成就させるには半端じゃない努力と鍛練が必要であり、日々それを怠らずに向上心を持って取り組むことが出来るか? 廻りは客観的に且つ冷静に分析しています。まだ今の時期だからこそ自分自身を変えることが出来るのではと思っている。ワーストではなくベストを目指して努力を惜しまず精進して欲しい。今はそれ以外に言うべきlことはない。 - やはりというか・・・無理だったんだね・・・ - 2005年07月22日(金) 大磯のお店の立ち合いが続いているが、休憩時間が3時間もあるので電車に乗って近隣の町をリサーチしている。大磯に程近い某市へと出掛けてみたが、ここを訪れるのは約2年振りである。以前、この町で開業したいという人からの依頼で訪れて物件を見たのだが、家賃が25万弱とあまりにも高いのでやめた方が良いとアドバイスをした。よほど良い立地条件かそれなりの力量を持ち合わせている人でなければその家賃での開業はやめさせている。 話しをした中では到底この人達には無理だと思ったので、既に不動産の契約を済ませているとのことだったが違約金を払ってでもいいから解約することを勧めた。それで物件自体は解約したらしいがその後は一切連絡もなかった。暫くして別件でこの地を訪れた際にその方が開業したお店を見つけたのである。たぶん普通の内装屋さんにお願いして造ったと思われるチープなイメージのお店であったが、それよりも本当にこの人は商売をやっていけるのだろうか?という不安の方が大きかった。 店をつくるのはお金さえ出せば誰でも出来るが、商売を継続させるというのは簡単なことではない。その方はどう考えてもその難しさを理解しているとは到底思えなかった。で、今日そのお店行ってみると何やら閉店したようであった。看板が外され、剥き出しの電源コードがそれを物語っていた。結局2年しか持たなかった・・・。 身体を壊してということも考えられるが、商売を甘く見た結果が閉店となったと思った方が正しそうではと・・・。チープなお店といっても厨房や内装だけで1000万近くは掛かっているだろうし、不動産の取得や備品などを含めた総事業費としては1500万は下らないであろう。仕事柄ちょっと話しをすればどの程度の力量かが大体は分かってしまうので、無理な人には無理とハッキリ言うことにしているし、そういう人の仕事は受けないようにもしている。 ある程度相手を選ばないと普段手掛けている雰囲気のお店はカタチだけのものとなってしまう。狙っている客層が町場のお店とは異なるし、お客様が求めている次元も異なり、それをしっかりと理解して商売をして頂ける人でなければ難しいということでである。 - プロフェッショナルとしての仕事とは・・・ - 2005年07月21日(木) オープンしたからにはお客様からお金を頂いて商売をする「プロ」となる。あくまでも練習である試食会とも違うし、全てのことが本番ということ。蕎麦打ちも、汁取りも、仕込みも、掃除だって同じ。お客様を迎える為に必要なこと全てがプロとしての本番ということになる。 そして全ての仕事を見られているということも忘れずにいなければならない。過程も結果も全てである。そういう中でのプレッシャーをはね退けなければプロとしてなどやっていけないし、お客様に対しても失礼な行為となることを自覚せねばならない。どんな有名店だって、どんな優秀な人だって皆通ってきた厳しい試練の日々。これに対してどう立ち向かうことが出来るか? 今日も近所のフレンチレストランのご夫婦が来られたが、開店のお祝いと共にどの程度の仕事をしているかをチェックに来たということ。スタッフがオーダーミスしたメニューは出さなくて正解ということである。業種は違えど狙っている客層はバッティングしそうなお店だし、どちらも大磯にはないスタイルだけに当然相手はライバルとなる店かどうかを見に来たはず。しかし、こういうお店とはいろいろと情報交換をしたり、互いのお店を客として行き来する交流も必要である。相手はプロの料理人。蕎麦屋は蕎麦職人であるけど料理人とは言い難い。そういう中で相手から学べることって多いだろうし、それをやろうとするかどうかも今後のことを考えた際に一つの分岐点にもなるのではなかろうか。 これまで手掛けて来たお店の中ではちょっと異なるオープニングでの感想は、これから先どう変化し改善されていくのだろうか?なんとも言えない期待と不安が交差する複雑なる思いがする。今日はまだ二日目である・・・という楽観的な見方と、そうは思えない不安とが頭の中と心の中で葛藤し合っている。 - 悠遊蕎粋 「そばきり いそ庵」オープン! - 2005年07月20日(水) 大磯のお店が本日無事オープンを迎えた。2年前に開業された前のご主人が身体を壊し、志半ばで閉店ということとなり、店の雰囲気や思いを崩さないで営業して下さる人をうちのサイトにて募集したところ、以前うちに相談を持ち掛けてきた方から応募があり店主との面談をして頂き、条件面でも折り合いがついたので造作譲渡という形で引き継いで頂いた。 以前は昼のみの営業スタイルであったが、今回は夜にある程度力を入れて酒と肴を揃えて最後に蕎麦で〆て頂くという都内で手掛けているお店とほぼ同じような感じとなる。蕎麦に関してはこれまでのご主人とは修業先も基本的なスタイルも異なるので賛否分かれることと思われるが、それは仕方がないこととも思っている。今日来られたお客様の中でも以前の蕎麦の方が良かったというニュアンスの方もいらっしゃったし、今度の蕎麦を気に入って頂けるお客様にお越し頂くしかないと思う。そこで変に弄ったりしてもどんどん崩れてしまうし、店の雰囲気は殆ど手を加えていないが、経営者が変われば店の色や空気は変わるものである。それを良しとする方もいれば、そうでない方もいるのは当然のこと。新たなる経営者が早く自分のスタイルと構築し、それを受け止めて下さるお客様を少しずつ増やしていけば良いことである。 メニュー構成は蕎麦に関しては暫くの間はかなり絞り込んだものにしている。種ものも鴨系のものは外してあるし、肴や料理にしても出来る限り手の掛からないものを中心に揃えている。最初から無理しても仕方がないことだし、出来ることをしっかりとやってもらうことをメインに考えているからあえてそのようなスタイルにしている。新規開業の場合、最近は特にかなり絞り込んだ中でのスタートを心掛けるようにしている。それでなくても慣れていないところで中途半端なものを出してもお客様はそれを受け入れてはくれない。 今回ももう少し絞り込むことも考えたが、店主の頑張りと意気込みに期待して残したメニューもある。それらを早くレベルアップした形で提供出来るようになって欲しいし、本来考えているメニュー構成になるようにしてもらいたいと思う。 初日の今日の様子としては開店前からかなりのお客様が来てしまい、入れざるを得ない状況になってしまったので繰り上げての開店となった。初日ということもありスタッフを一人余分に入れていたのと、手の掛かる天ぷらやぶっかけがあまり出なかったのが幸いしてバタつきはあったもののそれ程大きな問題もなく流れていった。せいろと湯葉せいろというメニューに集中したので助かったが、これが最初から天ぷらのオンパレードだったらパニックになっていたかもしれない。 まだまだ不慣れな面が結構目に付くが、これは時間と共に解決出来ることだし、試食会の時よりも良くなっている点も多々あったので少しづつ慣れていって欲しいと思う。 夜も皆さんお酒を呑んで狙っている感じの雰囲気だったし、大磯には夜寛げるお店が少ないだけに浸透して来ればそれなりに売り上げも見込めるのではないかと思っている。日本酒の提供スタイルもこれまで手掛けて来たお店とは異なる二本立てにし、慣れてきたらもう少し変えてみることも考えている。小さなお店なのでいろいろとチャレンジ出来ることも多いし、時間と共にしっかりと進化するお店になって欲しいね。 - 「土用の丑の日」じゃなかったんだね! - 2005年07月19日(火) なんとなく早いんじゃないのかなと思ったけど、夢の中での出来事だったのか分からないが、「今日は土用の丑の日」とニュースかなんかで言っているのを聞いた記憶があり、てっきりそうだとばかりに思っていたのである。 夕方、買い物に出掛けた際にまたそれを思い出し、折角だしお店が混んでいなかったら今宵は鰻だねって決めたのである。用事が済んで地下街の鰻屋さんに行くと行列なんてないし、空席もあって驚いたのである。おかしいな・・・?丁度お客様が退けたのかな?なんて思いながら躊躇なく店内に入った。 とりあえずビールを貰い、肴は肝焼きを食べたかったが既に売れ切れ。仕方なく肝煮と板わさを頂くことにした。でも、ホントに混んでいないし、おかしいなと思いながら店内を見渡すと「土用の丑の日」のポスターが貼ってあり、その下の方には「7月28日」を大きく書かれていたのであった。そうです。今日は全く関係がありませんでした。道理で混んでいないはず。だからといって蕎麦屋に入って蕎麦を食べないのと一緒で、折角鰻屋さんに来て鰻重を食べないのは失礼だし、冷やを一本呑んでから鰻重を最後に頂きました。 でも、ここは「冷や」を頼んでちゃんと「常温」のお酒が出て来たけど、「冷や」というと「冷酒」が出て来る店がまだまだ多いのは酒好きにとっては残念なことである。常温で置いている酒は何処の店も少ないので「冷やで飲めるお酒はありますか?」と聞くと「うちは全部冷やですよ!」と冷蔵庫を指された日本酒がメインの居酒屋さんもあったっけ。店側も酒を扱う以上は最低限もう少し勉強して欲しいね。 話しを戻すが、まあ丑の日の当日は混んで入れないだろうし、先に食ったからといってどうこうなる訳でもないので良しとすることにしよう。でも、実は先日も無性に鰻が食いたくなり、他のお店で食べたばかりであった・・・。 - 期待と冷静なる判断の狭間で思うこと・・・ - 2005年07月18日(月) 今日も大磯のお店の試食会である。昨日も今日も夜だけで人数的にもこれまでの中では一番少ないので、その分ぶっつけ本番的になってしまう感じは否めない。本番が始まり良くなってくれるだろうと期待感と、支シビアに見た中での客観的な判断。いつもそういうことの狭間で悩むことになるのだが、全くの素人が開業する際にある程度目を瞑らなければならない点というのは大なり小なり沢山の面で露見することになる。それらを一つ一つ潰していくのだが、必ずしも開店前に全てを解決する必要もない。 内容的にいくつかのカテゴリーに分け、どの段階でどのように改善していけば良いかをきちんと分類して整理することによって先が見えてくる。この辺は経験値というか、これまでのデータが蓄積されているので大ハズレということは滅多にない。予想した問題点は必ず出るし、それをどう解決するかという点に於いても大抵のことは事前予測が付く。だから慌てることは殆どなくなったが、本来はもう少し高い次元でのオープニングを目指したいというのもホンネである。 しかし、実戦でなければ出来ないことや、時間を掛けなければならないことなどは開業後にしか対応出来なかったりする。そういうものを除いては出来る限り事前にきちんと対処するようにしていきたい。 試食会が終わってから店長と最終メニュー等の打合せをしたが、店長の希望とこちらの判断との中で若干のズレがあった。明日、自分の中でもう一回整理してOKを出せるのなら希望通りのメニューで行くし、ダメなら削ってもらう方向で考えていきたい。 - 良いスタッフに恵まれたかもしれないね! - 2005年07月17日(日) 今日から大磯のお店の試食会形式の実戦トレーニングが始まった。お客様は夕方からのご招待だが、午後一番からスタッフへのマニュアルと簡単なオペレーションの説明をした。細かいことは実戦で覚えて貰った方が早いし、より確実なので最近はこの説明会ではマニュアルの解説の方に時間を割いている。 何故こういうことをして貰うか、どうして必要なのかを説明しながらどういう反応を示すかもしっかりとチェックをしていたが、3人とも特には問題なしというレベルかもしれない。呑み込みも早そうだし、以前のお店の際はスタッフで苦しんだだけに良かったと思っている。やはりホールスタッフがどの程度のレベルかで売り上げにも影響するし、お客様の満足度も違ってくるから重要である。 変に小慣れていないし、吸収しようとする姿勢がきちんと感じられるので何とかオープニングの立会い中にある程度まで持っていきたいと思う。やはり大切なのは覚えようとする努力と姿勢であるが、これまでの経験の中でそうじゃないタイプのスタッフも結構見て来たので今回に関してはホント安心した。年が行っているから覚えられない・・・とか、経験者の場合に今まで培ってきたことを盾にそれを貫こうとして反発してきたりと様々なる凄い人達を見てきた。 今回の試食会はちょっと人数的に少ないので実戦経験という意味では物足りなさを感じるが、本番でみっちりと短期間で覚えてもらうしかない。試食会の内容としては予想通りというか、懸念していた問題もしっかりと出たし、明日にどれだけ改善出来るかによってその後の対応を考えていきたいと思う。 - 世田谷のお店で体験した至福と○○! - 2005年07月16日(土) 何年振りだろうか?3年近くは経っているかもしれない・・・。本当に久々に世田谷のとあるお店へ行って来た。あくまでも客としてのチェックをする為の訪問であるが、そうするまでもないレベルのお店になっているのは充分に承知しているし、特にこちらからどうこう言うレベルではないと思っていたので自然に足が遠退いていた。 ほぼ満卓の状態で中央のビッグテーブルの片隅が空いていたのでそこに陣取ることにしたのである。今宵はあくまでも客として蕎麦屋酒を堪能する為の訪問である。まずはビールで喉を潤うすことにし、肴は板わさと鳥焼きの塩をオーダーした。久々に来たけど相変わらぬ落ち着いた雰囲気の中で他のお客様も楽しみながら食事をしているし、良い感じを維持出来ていることに安心した。日本酒で2種類未体験のものがあったのでそれを順番に頂き、肴は久々に鴨ぬきを食べたくなったので他にも試してみたいものがあったが鴨の誘惑に負けてのオーダーとなった。 松のビッグテーブルも良い感じの色合いになってきたし、そのテーブルで至福のひとときを過ごせるのはなんとも言えない良いものである。しかし、そのひとときを邪魔されることになろうとは・・・。向かい側の席に陣取ったご夫婦がなになや自称グルメらしく、あの店がどうとか、あっちが良い、こっちはどうだ・・・。酒は彼是、蕎麦も彼是と薀蓄やら能書きやらを延々と目の前で繰り広げられてしまい、途中であまりにも頓珍漢なことを言っているので噴出しそうになったが、流石にそれは失礼と思いグッと堪えたのである。 そんなに大きな声で話している訳でもないし、他のお客様の迷惑にはなっていないが、目の前でグルメ気取りで話されても全てが聞こえて来るとあまり良い感じはしないね。本当のグルメだったらもう少し中身の濃い話しになるだろうし、おまけに大嫌いなペチャクチャ音のする食べ方で、それだけは店中に響き渡っていたのである。それこそこれって大切なるテーブルマナーの一つじゃないのかな? 折角の良い雰囲気がぶっ飛んでしまったが、お客様も帰られてからご主人と終電ギリギリまでいろいろと話しが出来たし、気になる点も幾つかあったのでアドバイスをした。殆ど言うべきことはないレベルなのだが、勿体無いというか、更に良くなることなので検討して貰いたいと思う。 話しの中でお客様への対応に関してのもので、常連客が彼是と要望か欲望か私には分からないが様々なこと言ってくるとのこと。まあ、これは何処のお店でも起こり得る事で、仕方がないというか、我慢するしかないというか、正直対応が難しいことだけに大変な問題でもある。でも、どうして一客がこういろいろと店に口出しするのかが理解出来ない。一体何様なんだろうか?直接聞いたら「お客様です」って言って来るのかな? 結局は自分の好みの店にしたいのかなって思っちゃうね。酒はあれが旨いから置けとか、汁はこうだ、蕎麦はこうだ・・・と自分の好みを押し付けているに過ぎない。店側も100%完璧じゃないけど、看板を背負ってプロとしてやっているのである。それになんで素人が口出ししたり、いろいろと変えさせようとするのか全く持って理解出来ない。そこまで言うのなら自分で商売をやれば良いことって思うけどな。 まあ、折角の至福のひとときを邪魔されたのは残念だったが、それを差し引いても充分に満足いく時間を過ごすことが出来ました。食べて見たいメニューも沢山あったので、今度は誰かを誘って行くことにしよう。 - ・ - 2005年07月15日(金) ・ - 長野の蕎麦屋を巡って思ったこと・・・ - 2005年07月14日(木) 長野出張二日目の昨日は午前中に仕事を終わらせ、午後からは蕎麦屋巡りと小布施への散策に出掛けて来た。まずは善光寺さんへお参りに行ったのだが、昨年は工事中だった本堂の改修は終り、今はその前の門を改修していた。本堂に入りお賽銭を投げてお参りしようと思ったら境内で商売をしているガイドが真ん中に陣取り、その廻りを観光客が取巻いて延々と解説をしている。横には空いているスペースがあるんだから何も賽銭箱の前でやらなくても良いのに・・・って思ったけど、本堂内でクレーム付けるのも善光寺さんに申し訳ないので10分近く待って御一行さんがいなくなってからお参りをした。 ここは御神籤が自販機なのでなんか信憑性に欠けるので手を出さないことにしている。人件費節減は大切だけども御神籤ってそういうもんじゃないだろうに・・・。お寺さんも利益優先の営利企業なのかな? お参りが終わってちょっと下ったところにある割り合い有名なお店に入った。お昼時にも拘らず殆ど客がいない。平日の昼って観光地でもこんなもんなのかな?もりを頼んで先に汁と薬味だけが運ばれて来たのでちょっと味見をしたら、えっ?なに?えっ?不味い!思わず声に出して言ってしまったのである。信州の汁は一般的にはあまり美味しくないという評判ではあるが、これほどまでの不味い汁は東京の町のおそば屋さんでもお目に掛かれないレベルである。 蕎麦は決して不味くはなかったが汁が不味いのでとてもじゃないが付けて食えない。三口ほど汁を付けたが残りの殆どはそのまま何も付けずに食べてしまったのである。店の人は変に思ったろうけど、これほど不味い汁は初めてで我慢の限界点を超えてしまったのでゴメンなさい・・・。蕎麦湯も徳利ではなく最初から猪口に汁が入っているので濃過ぎて飲めやしない。おまけに汁を殆ど使っていないんだから尚更である。 次のお店へ向かう途中で何度か寄ったことのある家具屋さんがあったので入ってみることにした。家具が少なくなり無垢材を沢山置いてあったのが高いのなんのって!これじゃボロ儲けじゃんか!ぶったまげるくらいに高いね!行き付けのBarも昨年ここから買った板をカウンターに付け替えたらしいが、高くても10万いかないだろうと思える5枚継ぎの薄い無垢材だが実は20万もしたらしいのである。 ずーっと降りて来て次に入ろうと思ったお店は入口の前でなんか胸騒ぎがしてやめることにした。胸騒ぎというよりさっき食べた蕎麦は汁を付けなかったのでひょっとして胸焼けかな?でも、嫌な感じがしたので他のお店へと向かった。とある系統のお店に入ったが、まだランチタイムであるが客は一組2名のみ。ましてやここは立地的には観光客相手ではなく、サラリーマン需要が多いはず。ということはあまり期待しない方がいいのでは?とまたまた変な胸騒ぎが・・・。 せいろを頼んだら「え?一枚でいいの?」量が少ないのかなと思い聞いたら「昼飯だったら大盛りにしなよ」と言われて、断る術もなく既に一枚食っているにも拘らず大盛りをオーダーする羽目になったのである。とある系統の店なのでそれほどおかしなものは出て来ないだろうと思ったが、やはりここも先に汁と薬味だけが運ばれて来たので一口飲んでみると、さっきの店よりはマシだけど正直言って不味い。どうしてこんなに不味い汁を平気で出すんだろうか?味覚は十人十色だけども、ある程度はきちんと作ればこんな味にはならないはずだけど、こっちの方は汁にはそれほど力を入れていないんだろうね。 流石に二軒目の大盛りはきついもんがある。本当はもう一軒廻ろうかと思ったがやはり無理があるので小布施へと向かうことにし、時刻表を見ると少し待てば特急があるみたいなので喫茶店で時間を潰すことにした。長野電鉄という私鉄なのだが長野から3つ目の駅までは地下を走っている。でも、薄暗く殺風景なホームは恐怖感さえ感じる。まるでニューヨークの地下鉄みたいである。???ニューヨークの地下鉄だって?行ったことがあるんかい?俺は飛行機には乗れないし、日本から一歩も出た事はないのだが、映画とかで見るニューヨークの地下鉄のイメージに近かったからそう感じたのである。 1時間に2本だけ特急があるのだが特急料金として100円が別途必要になる。各駅停車だと40分近く掛かるがこれだと27分で着くし、車両も向かい合わせの横向きベンチシートではなく、2人掛けの縦列シートなので幾分楽チンかもしれないねと思ったのが大きな間違いであった。揺れるになんのって田んぼの畦道だってこんなには揺れないよという位に大揺れするのである。まあ何処かの私鉄の古い払い下げ車両を使っているので仕方がないのかもしれないが、ここまで揺れると凄いというか、何というか・・・。驚きである。 小布施へ来るのは10年振りくらいかな?決して大きな町ではないし、観光地と言ってもそれほど沢山の見所がある訳でもない。以前から行ってみたいと思っていたところがあったのだが、残念なことになんと休館日であった。歩いていると蕎麦屋が結構たくさんあることに気付いたが、既に2軒で食べているのでもうおなかが一杯である。その後もいろいろ散策し長野へ戻ることにした。 長野へ戻ったのが4時過ぎ。夕べ顔を出した行き付けのBarはマスターが疲れて店仕舞いをした後だったのでゆっくりと話しも出来なかったし、最終で帰ればいいから再度寄ろうかと思ったのだが、ちょっと疲れてしまったのかどうか、どうも体調が思わしくなかったのでまたの機会に行くことにしたのである。 最後にもう一軒だけ懲りもせず蕎麦屋に入ったが、結果はあえて書くまでもないこととなった。でも、どうしてこんなにも汁が駄目なんだろうか?不思議である。まあ、俺はマニアでもオタクでもないから別にどうでもいいことだけどね。 - これぞ正しくお役所仕事の真髄・・・長野編 - 2005年07月13日(水) 今回の出張の目的でもある役所回り。保健所と市役所の関連部署へ訪問し、設備絡みの許認可の確認と将来的に問題が発生するかもしれない点に於いてのリスク等を調べることを目的とした。予定ではメインのクライアントとの打ち合わせが終わってから各役所を廻ることにしていたのだが、長野駅まで迎えに来て頂き、篠ノ井の現地まで向かう途中に保健所があったので急遽予定を変更し申請業務等の確認と図面上の指導を先に受けることにした。 普段はこういう役所回りは殆どしない。何故しないかというと、どうもお役所は横柄であり、たらい回しが当たり前の世界。そして言っていることにつじつまが合わないお決まりのパターン。そういうのを目の前にすると腹が立ってしまい納得いくまで相手に食って掛かることになる。しかし、向こうは許認可権を盾に意地を張る。意地を張られて認可が下りなければ営業出来ないので、そこでぐっと堪えなければならないもどかしさ。そうなることが分かりきっているので保健所関係は直接クライアントに出向いてもらい、建築や消防関連は施工業者さんにお任せしている。 今回は私の方で廻ることになるのだが、前日に電話にて概略の説明と確認をしておき、アポもしっかりと取った上での訪問である。保健所での確認事項は開業に当っての必要設備の確認と申請に当っての注意事項を知る為の打ち合わせ。保健所は条例によって内容が結構違いが出るので良く確認しないと大変なことになる。都内と神奈川でも結構違いがあるし、長野での飲食店は初めてなのでとにかく想定できる問題点や疑問点をしっかりと確認させて貰った。 第一章 <長野市保健所・生活衛生課> 懸念していた問題点はあっさりとクリアしたが、住居の一部を店舗に切り替える際に住居と店舗の区画をどう取らなければならないのか?それによって何処の部屋を店舗として使うかが決まってくることになる。そういう意味ではクライアントとの打ち合わせの前に先に確認出来たのは幸いであった。しかし、本来はしっかりと区画を取らないと不味いんじゃないのかなと心配だったのだが、保健所としては厨房以外は一切ノータッチとのこと。但し、台所を厨房として使うので業務として使うものと家庭用として使うものの区別をしっかりとして欲しいとのことだった。何と何をそうしなければならないのか?それは冷蔵庫とまな板とのことであった。理由は家庭用の冷蔵庫に保管しているものが腐ったり、または家庭用のまな板に雑菌が繁殖しても店舗用と分けていればお店に影響を及ぼさないということだったが、言っていることは分からんでもないがちょっとおかしいような気もするのだが・・・。そんなもん、家庭用のもので不備が発生するようなところは業務用でも同じことを起こしちゃうよね。打ち合わせ中に他にも笑っちゃうようなことが沢山出て来たが、ホントお役所仕事でしたね。例えば客席に関してだが、店内は問題ないにしても外に席を設けて食べさせるに当っては保健所では感知しないということらしい。でも、これこそ保健所の管轄だろうに・・・。 また、グリストラップという油分を一旦受けて、下水等に流れないようにする受け皿みたいなものを設置するのだが、これは保健所の管轄ではないそうである。都内では保健所からの指導として説明があるのだが、長野では市役所の環境課という部署の扱いになるとのこと。これは前日に電話にて確認していたことなのだが、念の為に保健所ではどういう指導ということなのかを確認しようとしたらこれまたノータッチ。自分に責任や被害が及ぶかもしれない事に関しては一切ノータッチ。お見事です! 第二章 <長野市環境部・環境第二課> クライアントとシェフとの打ち合わせが終り、シェフと一緒に残りの役所回りをすることにした。今度は市役所の環境課という部署に於いての打合せである。下水が完備されていない地域なので本来は浄化槽というものを設置しなければならないのだが、これは店の規模とかによって大きさも変わってくるし、本来予定している規模のお店では300万以上の投資が必要とされてしまう。しかし、強制力はなく簡易水洗の汲み取り式でも問題はないとの見解である。これも前日に電話にて確認済みのことではあるが、後から実は必要だったいうことのないようにきちんと確認し、書式等でその事実を明確にする為に行ったのだが、設置に関しての強制力はないので「必要ありません」ということを網羅した書面はないということである。 それから次に別の方から汲み取りに関しての申請の説明を受けたのだが、これを担当した若い女性が全く要領を得ない。もっとハキハキきちんと日本語を話せよ!って言いたくなる位にトロくさいのである。もうこういうのってイライラモード全開になってくるんだよね。 最後に前日の電話にての打合せでグリストラップは必ず設置して欲しいとのことを言われていたので、それに関しての詳細を確認しようとしたら部署が違うのでそちらへ行って欲しいとのこと。 出た!出た!お役所お得意のたらい回し! まさか保健所じゃないよね?午前中にうちは関係ありませんと言われたばかりだけど、お互いに擦り付け合うのもお役所仕事の真髄であるし、何処の部署かと思ったらナント「建築指導課」とのこと。えっ?グリストラップの設置に関しての指導が建築指導課なの?こんなの初めて聞くよ。担当者が申し訳なさそうに「縦割り社会ですいません・・・」と言ってきたのだが、分かっているならなんとかしろよ!同じフロアですかと聞くと建物は別棟とのこと。でも隣接しているところで良かったよね。これが離れているところだったら激怒していたよね。だって昨日の電話で設置して下さいと言って来たのは環境課の貴方ですよ! 第三章 <長野市建設部・建築指導課> 事前に連絡を入れておいて頂いた建築指導課へ行き、設置に関しての詳細を聞くととんでもない答えが返ってきたのである。今回は用途変更も確認申請業務も不要ということで確認を取っているので建築絡みでの申請は一切発生しないことになる。そうするとグリストラップに関しても建築絡みの申請がない以上は何も言えませんとのこと。それじゃ設置しなくてもいいんですか?と聞くと法的にはそうなりますとである。設置しなければ油や残飯がそのまま外へ流れてしまうことになるし、そうなれば当然の如く近隣へ迷惑を及ぼすことになる。それを指導監督するのが建築指導課では建築申請がなければ一切感知出来ないことになる。これこそ可笑しな理不尽な決まりごとである。保健所の管轄にすれば飲食店の開店には必ず検査を受けなければならないし、そうなれば当然グリストラップの設置に関しての指導や徹底が出来るというもの。だから殆どの地域はそういう管轄の扱いになっているはず。 これが建築指導課では建築に関連した申請がなければなにも手も口も出せないという全く持って可笑しな状況になってしまう。これじゃ違法というか普通に工事をやる際にグリストラップを設置しないで飲食店を造ることが出来ちゃうことになる。規模にもよるが小さなお店でも本体と設置工事費で20万は下らない。大きなお店になれば数10万にも及び、設置しない場合の近隣への悪影響も計り知れないものとなる。いくらお役所とは言えこういう理解不可能な縦割り管理社会は民間人の私には全く理解出来ない。 この部署も担当した人が要領を得ない話し方。もうホントにイライラする。名刺を頂こうとしたらないとのこと。今日廻ったところでは全て頂いてきたが、何故そうするかというと後々そんなことは言っていないとか、誰と話したが分からないと丸め込まれてしまう可能性があるからきちんと名刺交換をするようにしている。で、名刺がないと言ってきたのだが誰かの名刺に貴方の名前と部署を書いたものを下さいとお願いした。本当はしっかりと会話を録音することも考えたが地方都市でそんなことをいきなりやるのもどうかと思ってやめておいたが、結構こういうことでの言った言わないというトラブルって多いのである。 それから今回の打ち合わせにしても電話でアポを取った際には何処も忙しくて駄目と言われたのである。横浜から行くし、クライアントと打ち合わせも変更出来ないのでという旨を言ったらOKになった。なんだかなぁ・・・必要以上の仕事はやりたくないということなのだろうか?お役所はノルマなんてないし、出来る限り楽をして一日を終えたいというお役所体質が染み込んでいるのであろう。打ち合わせが終りシェフと共に「俺達にはこういう生活は出来ないね」と思いは一致した。 まあ、そういう生活を求めている人がなる職業だろうし、私には到底理解も納得も出来ないことだけど、人それぞれ、様々だしね。 でも、都会と違って大らかというか、ある意味親切であり、横柄な態度を取る人はいなかったのがせめてもの救いであった。 その後、日記上では前後逆になるのだが、サラリーマン時代に担当したお店へと向かったのである。 - 何がそうさせてしまったのか・・・長野編 - 2005年07月12日(火) 今日は約1年振りの長野出張である。朝6時50分に家を出て長野駅到着が9時50分。丁度3時間の長旅であった・・・。長野のお店が本格的に動き出すことになり、現地にてクライアントとシェフを交えての具体的な打ち合わせと、諸官庁の関連条項の詳細確認の為の役所回りがメインである。 今回の出張は余りにもいろいろな出来事があったので時系列に綴った方が良いのか、内容的にまとめた方が良いのか、この時点(日記をまとめている今です)で迷っている。ネタ的には1週間分は持つ位のことが盛り沢山にあったので迷いに迷っている。この日記は1日ひとつだけしかアップ出来ないので、こういう時に困ってしまうんだよね。 それで今回の出張中の出来事を時系列ではなく、内容的に大きく分けて二日間に渡って綴ってみることにした。 第一章 <序章としての思い出・・・> 打合せと役所回りが終わり、長野のお店のシェフとサラリーマン時代に携わったお店へ行って来た。シェフとはこれまであまりゆっくりと話しをする機会がなかったので、互いをもっと知るうえで丁度良い機会だからメシでも食いながらゆっくりと杯を傾けようと思ったのである。 このお店は1年前の出張の際も立ち寄り、嬉しさと懐かしさと、歯痒さともどかしさを感じたのであったが、そう感じながらも携わった一人としての感慨に耽る余裕と気持ちを持ち合わせていた。何故ならこの仕事は本当に楽しかったし、感慨深い思いが余りにも在り過ぎて忘れることが出来なかったのである。もう彼是約10年の歳月が流れたことになるのだが、企画担当としてショップコンセプトを考え提案した当時のことが未だに走馬灯の如く蘇ってくるのである。いろいろな人々との出会いがあり、生涯忘れることの出来ない仕事でもあった。 だから長野に出張の際は殆ど立ち寄っていたのである。そこで当時のことを思い出しながら至福のひとときを堪能していたし、更なる飛躍と頑張りに期待をしていた。サラリーマン時代に担当したお店でこれほど立ち寄ったところはないだろうというくらいに行っていたのである。 でも・・・ 第二章 <何がそうさせてしまったのか・・・> 前回もいろいろと気になることが多かったが、若き店長にそれを伝え改善を期待していたのであった。しかし、一年振りで訪れてみて失意、落胆、そして・・・ 余りにも崩れてしまった全体像。いろいろな面に於いてそう感じてしまったのである。基本的なことが出来ていないというか、なんか違うんだよね・・・。残念だけど開店当時の良きイメージは消え去り、前回からも更に悪くなっているし、一体全体なにがそうさせてしまったのだろうか・・・? 例えば器の使い方。だし巻きを頼んで出て来たのは小さな器に盛られたはみ出しそうな大きなだし巻き。そして4つに切られただし巻きはとても乗りそうにない小さな取り皿。かと思えばほんの一口ほどしか摘まないものには必要以上に大きな取り皿が出て来る始末。だし巻きの時とは3倍ほどの大きな取り皿である。器自体も今時チェーン店の居酒屋でも使わないくらいにチープなものが目に付く。 調理場もホールも何も考えないで何となく流した仕事をしているというのが全て見えてくるもどかしさ。何を盛る為の器なのか?作ったものをどの器に盛れば良いのかを考えるのは調理場の人間の仕事で、それに対しての取り皿を選択するのはホールの人間の仕事であるが、基本中の基本を一切無視した仕事振り。これじゃ良い客は店のレベルが直ぐに分かっちゃうし、寄り付かなくなってしまうだろう。 コースターも出てこないからテーブルの上はビチャビチャになるし、大きなチップの入った器を平気で出して来る。こんなことは忙しいからとかというのは理由にはならないし、残念ながらお客様の方を向いて仕事をしていないということである。いつからこうなってしまったんだろうか?ここは町場の小さな個人店ではないのである。業界内ではトップの企業が経営するアンテナショップとしての位置付けだったはず。 しかし、中身はまるで町場の居酒屋である。店の雰囲気とはあきらかに異なる現実。お客様不在の店側の都合を優先した荒んだオペレーション。まともな客がそれを見たら激怒するようなことも罷り通っている始末である。最初にいろいろと感じて不快感を覚えたことはまあ我慢して許そうと思ったが、その後に見てしまった2点に関してはそれは出来なかった。普段手掛けているお店では絶対に在り得ないことだけに、余計に落胆してしまったのである。 下駄箱の棚にお通しと思われるものが乗った小皿。まさかここからお客様のところへ運ばれるの?または何処かから下げて来たものなの?例え下げて来たものだったとしてもそれを見たお客様はどう感じるだろうか?下駄箱に靴と一緒にそれが乗っている。食べ物と靴を同じところに置いているのは余りにも不衛生である。乗せられていた棚の段は違っていても双方共に剥き出し状態だし、こういう光景を見せられると全てに於いての不衛生さを感じることにもなるであろう。 この件は後で確認したら下の段を下駄箱として、上の段を下げ膳用に使っているそうであるが、例え下げてきたものとしても食べ物と靴を同じスペースに置いてしまうのは普通では考えられないし、ひょっとしたら一度に持って行けないものとかを一時的に置いて配膳をしているかもしれない。その光景は日常的に行われいて、それをお客様が目にしている可能性は大である。良いお客様はそれを見たら次からはまず来ないだろう。 トイレにしてもチェックなんかしていないから床はビチャビチャだし、使い終わったペーパータオルも床に散らばっている有様である。これじゃホントに町場の汚い居酒屋とかのトイレと一緒。女性用のトイレはあまり汚す人はいないだろうが、当然そっちもチェックなんかしていないだろうから、これが日常的に行われているとしたら怖いことである。万が一女性用のトイレも汚れたとしてそのまま放置されていたらそれを見たお客様はもう来ないだろう。 それなりに集客はしていたが殆どがサラリーマン。女性客が減ったのにはひょっとしてこういうことも起因しているのではなかろうか?こういう裏側的な部分での粗相を見てしまうと女性客はまず足が遠退いてしまうし、それを回りに言いふらすことになり大いなる損失を蒙ることに繋がるのである。 まあ、いろいろと大変なのは分かる。個室を増やして席数が倍以上になってもそれに伴ったスタッフ構成にはなっていなし、無理を承知でやっていることは直ぐに分かるけど、それがお客様に対して不快感を与えるのではかえって逆効果ということである。理想だけでは経営は成り立たないが最低限のレベルは維持して欲しかった。その一線を越えてしまった今、元に戻ることは不可能かもしれないね・・・ 第三章 <内部事情はお客様には関係ない・・・> あとから事情を聞くと体勢が変わってしまったとのこと・・・。それは企業体で運営しているところは大なり小なり出てしまう悪影響でもある。でも、それはお客様には一切関係のないことだし、それを如何にカバーするかが店を仕切る人間の使命と言えるだろう。その使命をまっとう出来ないのなら更なる努力が必要ということである。厳しい言い方かもしれないがそれが企業の看板を背負って店を仕切る立場の人間の最低限の使命。 確かに体勢が変わった経緯やその中身を知るに至って感じたことは当然の如く起こり得る現実と言えるのかもしれない。でも、それは店としてカバーしなければならないことであり、やはりお客様には一切関係のないこと。でも、怖いね・・・。いろいろな面に於いて効率を重視する余りに変えられてしまい、これまでの良い部分が消え去ってしまう。結果として客層も変わってしまうだろうし、それをトップが良しとするのならばそこで働く人間そしてはギャップを感じながらも従わなければならないもどかしさ。 でも、それを如何にカバーしていくのか?どうしようもない点に於いては仕方がないが、ちょっと考えて行動すれば簡単に分かったり、出来ることまで崩してしまっているのは悪循環としか言い様がない。こっちは働いている姿や表情を見れば直ぐに分かっちゃう。自分自身の許容範囲を超えたところでの激務と言えるのかもしれないが、それはお客様には関係のない事であり、それを如何に分からないようにするのがプロとしての仕事である。 店を出た後に行き付けだったBarに立ち寄ったら、そこのマスターもよく利用しているらしく、そのお店と店長の話になったのだが、私と同じことに気付いていたのである。意見は全く一緒で限界点を越えた中での仕事には無理があるということ。彼女自身が潰れてしまいかねないということである。 第四章 <多店舗展開の難しさ・・・> 当時店長だった方は多店舗展開と共に店を離れ全体を統括する職務となった。今は新店に掛かりっきりになっているからこのお店のチェックは出来ないだろう。多店舗化すると必ずこういう問題も出て来る。とある都内の蕎麦屋も2号店を出した途端に最初のお店が崩れてしまった。これは当然と言えば当然の出来事と言えるであろう。多店舗化の難しさはしっかりとしたチェーンオペレーションを構築出来るかどうかが問題なのであって、それが出来なければやるべきことではないと思っている。 店を出てから当時の店長がいる新店へ顔を出し、彼女をもっとサポートして欲しいとお願いをしてきた。本来はもう部外者であるから余計なことかもしれない。でも、どうしても店がおかしくなって来ている光景を目にしてしまうと開店当時のことが蘇り、黙ってはいられなくなってしまったのである。一店舗だけで廻していけば良い店になったと思う。でも、企業体としては欲も出るだろう・・・。新店だって以前も見た際に感じたが狙っている客層ではなく、当てが外れてしまっているのではなかろうか? 第五章 <終章としてのポッチーランドの思い・・・> 企業体の仕事は基本的に全てお断りしている。それは企業体の場合どうしても今回のように体勢が変わったり、担当責任者が変わったりするといろいろな面に於いて影響を及ぼす結果となる。そうすると店全体が大きく変わってしまうということで、今までシロだったものが突然クロとなってしまうのである。だからこういう仕事は怖いのである・・・ ポッチーランドの仕事は全てオーナーシェフの個人店。勿論法人化している店も沢山あるがあくまでも個人経営である。このスタンスは永遠に続けていく心算であるし、その基本が一緒になって店をつくり上げていく仕事をしていきたいということ。このお店も企業体でありながらそれを感じさせない良さがあったが、体勢が変わってしまうことによって店の全体像が大きく変化してしまう結果となった。それは働いている人間さえも変えてしまう怖さも秘めているということである。少なくとも本当に心からお客様を満足させたり、満足頂けるお客様が増えていくことは難しいのではなかろうか? それを成就させるには働く者の意識というものが重要だからである。その仕組みをトップの人間が分からない限りは悪くなることはあっても良くなることは考え難いものと思っている。残念だけど今後は長野へ出張へ行っても、もう立ち寄ることはないのではなかろうか? - 本当はもっと安く出来るはずなのに・・・ - 2005年07月10日(日) 散策の途中で赤レンガ倉庫に立ち寄ったら、とある家具ショップの展示会をやっていたのでちょいと見てみることに・・・。まあ、なんと言うか、とにかく高いなぁ〜という感想である。どうして家具ってこんなにも高いんだろうか? 例えば無垢材を使ったテーブルなんかは普段手掛けているお店で使っているものの3倍近くもするし、普通のキャビネットやちょっとした家具なんかも大して良い材料を使っていないのに箆棒な金額であるのはどう考えても理解出来ないよね。量産品なのになんでこんな値段なの?不思議である・・・ そう考えると普段造っている無垢材の特注家具って安いんだよね。無垢材ってちゃんとしたルートで仕入れれば決して思っているほど高いもんじゃないし、どうしても幾つもの会社を経て来ることによってそれぞれのマージンが乗っかるから高くなったり、最初から無垢材は高いというイメージを利用して高めに設定していたりするからおかしくなるのである。 デパートとかの家具売り場で50万もするテーブルがあったりするが、こんなに薄い板使ってこの大きさでなんで50万なんだよ!って思っちゃうけど、それを買ってしまう人がいるんだよね。物の適正価格を知らない怖さがこれである。以前、ジュエリーショップ専門のデザイン事務所にいた時はその業界の裏事情や商品の適正価格も知ることが出来た。デパートで100万近くで売っている婚約指輪は30万も出せば同じグレードのものが買えるんだよね。これから結婚しようとしている人がいたらちゃんと勉強して適正価格で購入した方がいいよ。だってそこで70万もの差額が出るんだよ。給料の3ヶ月分じゃなくって1ヶ月分で買えるんだから笑っちゃう。 だから無垢材の家具なんかも市場に出回っている半分以下で買うことが出来るのである。それは個人だって出来ることなんだよね。ちょっと勉強すれば出来ること。何処かでぼろ儲けしているところが存在しているということである。プレミア付いた焼酎や日本酒もちゃんとしたルートや販売店で買えば適正価格で手に入る。幾ら有名銘柄でも適正価格で売っていない酒屋は一切信用しないし、これは品薄だから云々って言い訳言っている胡散臭い酒屋では仕事でもプライベートでも買うことはない。 これはいろんなことに言えるね。物にはちゃんと適正価格ってもんがあるし、それをきちんと勉強することによって無駄を省くことが出来るのである。 - 大磯のお店、いよいよカウントダウン・・・ - 2005年07月09日(土) 今日は大磯のお店のホールスタッフの面接に立ち会った。月曜日にも面接があるのだが、今日の二人は特に問題がなかったし、早めに合格の連絡をして頂くようにお願いした。小さなお店なのでそれ程多くのスタッフは必要ないし、廻そうと思えば無理を言ってこの二人で何とかなるけれど、出来ればもう1名、若しくは2名採用してシフトを上手く組んでいければ良いのではないかと思っている。新規開業だし、12席と席数が少ないといってもやはり立て込んでしまったら厨房1名(店長)のホール1名では廻らなくなることもある。人数が少ないからといってオペレーション的に簡素化することはしたくないし、土日とかはそれなりに集客することを考えたらもう少しスタッフがいた方がいいだろう。 オープニングは20日(水)の予定だが一つ困ったことが発生したのである。16、17の両日にお祭りがあるらしいのだが、大家さんがなんとかその日にオープンしろと言ってきているらしい。どう考えてもそれは無理な話しであるが、お祭りの役員もやっているみたいで周りからせっつかれているような気もしている。でも、お祭りの当日にオープンなんて怖くて絶対にさせられないよ。黙っていてもワンサカ客は来るけど、厨房もホールも慣れていない時に無理してしまってはかえって悪いイメージだけが残ってしまうことになる。 どうしても大家さんが更に言ってきたとしたら、こちらからきちんと説明に行く心算である。その日はトレーニングを兼ねた試食会をやっているのだが、それを繰り上げてオープンさせることは長い目で見た場合、問題があり過ぎるからである。だって、オープニングなんて傍で見ているよりも数倍大変なのだから・・・ - 店づくりと客層の違いに於ける関係・・・ - 2005年07月08日(金) 普段手掛けているお店に町のおそば屋さんに来る様なお客様はまず来ない。逆に町のおそば屋さんに普段手掛けているお店に来る様なお客様も来ない。不思議なものでちゃんと棲み分けが出来ているのである。だから近所に普通のおそば屋さんがあっても客層がバッティングすることはない。 リニューアルの場合は当然ながらこれまで御贔屓にして下さっていたお客様がいる。しかし、リニューアルと共に半分以上のお客様は離れていくことになる。中には9割近くのお客様を入れ替えたリニューアル例もあるし、これは店の雰囲気がお客様を選んでいるということである。お客様が選んでいるというよりも、寧ろお店側がお客様を選んでいると思っている。そういう仕掛けづくりというか、店づくりをしているということである。 最近よく行く近所のおそば屋さんはそれなりに流行っているが、客層としては正直なことろ決して良いとは言えない。それは店の雰囲気やメニュー構成を含めた全体像として見た場合のターゲットが現在の客層であるが、店側がそれを良しとしているのだから決して問題がある訳ではない。寧ろ変に弄らない方が良いとも思っているし、例えば近所にお店を手掛けることになったとしてもバッティングはしないだろう。 だからお店というのは同じ蕎麦屋であってもコンセプトが違えば全く別の次元での商売をすることになるのである。実際に普段手掛けているお店だってそれぞれの微妙なコンセプトやターゲットの違いはあるし、立地や経営者も違うんだから別物なのである。 - あれ?おばあちゃん!間違えちゃったね・・・ - 2005年07月07日(木) 今宵は近所のとあるおそば屋さんへ行って来た。ビールと板わさをオーダーし、暫しの間新聞を読んでいた。こういう町のおそば屋さんってテレビもあるし、新聞や雑誌も置いてあるから意外と重宝する。自分が手掛けるお店とは全く正反対の雰囲気であるが、決してこういう店を否定している訳ではない。きちんと認めているからこそ客として来るのである。また違った寛ぎ感やら安心感があるんだよね。今日は最近見かけなかった背中の曲がった「気配りおばあちゃん」もいたしね。 ビールの追加と肴をもう一品頼もうと思ったが、あんまりおなかが空いていないのか、体調が思わしくないのかやめることにした。で、〆は鴨せいろうどんの大盛り!って、おなかが空いていないんじゃないのかい?でも、やっぱりオーダーしたのである。「鴨せいろのうどんを大盛りでね」って。 暫くしておばあちゃんが戻って来て伝票片手に「鴨せいろですね」って聞くので「鴨せいろのうどんを大盛りです。うどんの方ですよ」と言ったけど何となくきちんと伝わっていないような気もしたが、まあ大丈夫だろうと思いまた新聞に目を通し始めたのである。すると厨房の中から「鴨せいろとせいろね」という声が聞こえて来たが、他のお客様が「せいろ」をオーダーしていたので一緒に通したのだろう。でも、本当は「せいろと鴨せいろうどんの大」であるはず。 暫くして運ばれて来たのはやっぱり饂飩ではなく蕎麦の「鴨せいろ」であった。しかも、大盛りではなく普通盛り。だってせいろのお客様と盛りは同じであったから・・・。仕方がないね。まあ、いいか・・・と食べ始めたけど、やっぱりうどんの方が良かったなって思ったが、なんかおばあちゃんに「違うよ」って言えなかったんだよね。 で、お会計の際に「1450円です」とおばあちゃんが言ってきたが、そんなに安い筈はないと思い「間違えていないですか?」と聞くと共に伝票を見ると板わさが抜けていたのである。「あ、板わさが抜けてますよ」と言うとおばあちゃんもニッコリしながら「あら、ホントだ・・・」と。なんとも和む瞬間である。 おばあちゃんは蕎麦と饂飩を間違えたし、伝票も間違えたけど、いつまでも頑張って仕事を続けて欲しいな。 - 後悔するくらいなら早めに手を打とう・・・ - 2005年07月06日(水) 最近はいろいろな面に於いて早めに決断を下すようにしている。傷口が深まらないうちに手を引くとか、無駄なリスクを背負ってまで手を出したりしない・・・。そういう早めの判断が時間のロスをなくしてくれることにも繋がる。 限られた時間とたった一つだけの身体を如何に有効に使いこなすか?最近は出来る限り日曜日も休むようにしているし、健康面や精神面に於いても決して無理をしないように心掛けている。そういう状態の中でベストな仕事をすることが先々のことを考えた場合に大切なのではなかろうかと判断したということである。本当にじっくりと物事を考える時間を作り、しっかりと自分自身が納得出来る店づくりや仕事をしていきたいのである。 - 仕事を引受るということは大変なこと・・・ - 2005年07月05日(火) 一軒のお店をオープンまで持っていくというのは本当に大変なことである。それは新規開業もリニューアルも同じで、新規の方は未体験の世界に飛び込む訳だし、リニューアルの場合はこれまでとは違ったスタイルに戸惑ってしまうことになる。そういう中でこの人にはどんなことを話そうかとか、どの段階でズバッと言った方が良いのだろうかとか、様々なることを考えたり悩んだりしながら業務を進めていくことになる。 だから双方共に真剣にならなければならないし、時にはぶつかり合いながらも目指すところの共通点があるから関係が上手くいく。そういうものがなければ私が考える店づくりというものは出来ないと思っている。いわゆるパートナーシップである。先日お断りした案件に関しても、こういう面に於いての不安を抱えながら進めていくのであれば、早めに申し出た方が良いだろうと判断した結果のことであった。 商売には必ずターゲットというものがある。それはいかなる商売に於いても違いはあれ存在するものだと思う。その範囲はそれぞれ異なるだろうし、その中での許容範囲というものも異なってくるはずである。それを崩してまで意図しない商いをすることが良いのか?あくまでも信念を貫いてのものにすべきかは皆異なるものだと思っている。 全ての人に満足頂ける商売なんて存在しないし、それを目指した店づくりも私自身のスタイルとしても考えてはいないということである。 - 「粋」はいいけど「生意気」はいけない・・・ - 2005年07月04日(月) これは、とある最近出版された蕎麦関連の書籍の最後に書かれていた文の一部である。それと共に書かれていたのは「蕎麦屋さんはプロとしていろんなことを日々考えながら仕事をしている訳で、食べ歩きが趣味の人達とは物事の捉え方の次元が異なる・・・云々」とあった。だから店へ彼是言うことはせずに「粋」に蕎麦屋を楽しむのが本来の姿であり、知ったかぶりで店へ彼是と「生意気」に言うことはしちゃいけないと・・・。 法的にはなんら根拠もない資格?を盾に店側へああしろ、こうしろと言う○○リエなるものが最近蔓延っているようだが、これはその元締め?的な人のコメントであるから少し安心したのである。上にいるものが率先してああだ、こうだと言うことを推奨しているのなら問題であるが、あくまでも「粋」に楽しむべき為の資格?でありたいと願うのであれば後は個人の姿勢の問題である。 だが、この個人の姿勢が一番の問題なのだが・・・。店に食べに行ってどうこう言うのは多少のことや常識の範囲内であれば個人の自由でもあるけど、その変な資格?をかざして「俺は○○リエだ!」って偉そうに口出しして来るそうであるが、それはちょっと違うだろうと常々思っていた。店が頼んで批評してくれって言ってる訳ではないし、勝手にどうこうと恩着せがましく言って来られても困っちゃうというのが店側の思いである。 そもそもその資格というものはあくまでも趣味の範疇のものであり、本来は対外的には何の効力もないのである。ワインのソムリエとは全く次元が異なる資格ということである。本物のソムリエだって本当のプロは他所の店へ行っても薀蓄なんて言わないだろうし、敢えて素性を隠したりするものである。でも、○○リエは違うんだよね。それを変にかざして偉そうに薀蓄を言ってくるから始末が悪い。公的資格と勘違いしている輩がいるというということである。 折角趣味のレベルでの勉強会(その程度のもんだと思っている)を立ち上げても、その主旨を勘違いしてしまい巷で迷惑がられている一部の人達は冒頭の言葉を少しは頭の片隅にでも入れておいて欲しいな。 - 落ちこぼれにならなきゃいいけど・・・ - 2005年07月03日(日) 先日オープンした横浜そごうの飲食フロアに再び行ってみた。流石に休日ということもあり、更には巷ではバーゲンセール真っ盛りであるのでオープニングの時以上に混雑していた。そんな中で殆どのお店が大行列が出来ていたにも関わらず、客単価が高いお店を除いて空席があったところは「老舗蕎麦屋」と「創作うどん屋」であった。 蕎麦屋は先日激怒?まあ、別に怒った訳ではなくガッカリして席を立ったお店(6月28日の日記参照)であるが、今日も空席があったので入ろうと思いメニューを覗くと、なんと肴のページがそっくりと取り除かれていたのである。多分、オープニング以降も4品だけで廻したのだろうけど、当然ながら客からはクレームが出るよね。20品近くもメニューに載っているのに4品しか出来ませんじゃ蕎麦屋酒を楽しみたい客は怒っちゃうよ。それでメニューブックから外したのだろうけど、未だにそのままということであったので入るに及ばずである。蕎麦だけ食うにはちょっと難ありというところだし、折角蕎麦屋に入って酒を飲まないんじゃ申し訳ないという変な使命感にも駆られるしね。 気になったのは他と比べた場合の客の入りがあまりにも違い過ぎるということである。こういう飲食フロアに出店しているところは、それなりにしっかりとオペレーションも組織化も出来ていないとやっていけないのあるが、蕎麦屋はこれでいい・・・と考えているように思えて仕方がない。そういう姿勢を変えない以上はフロア内に於いての落ちこぼれと化してしまうのは目に見えているような気もする。同じく行列が出来ていないうどん屋さんは席数も多いので実際にはそれなりに集客していてほぼ満卓に近かったし、肴も充実しておりメニュー構成のバリエーションも良かった。ちょっと入ってみたいという期待感も感じられたしね。 でも、この蕎麦屋に関しては実際に酒を飲むのは極一部の客であろうし、客単価としては他と比べた場合にあきらかに差があり過ぎるような気もするので、現実的には経営面に於いてかなり厳しいのではないかと思う。同じく客単価の低いラーメン屋は行列が出来ていたので回転率はいいし、他も見る限りここはどう考えても32店舗中でかなり最下位に近いのではなかろうか。店づくりも全体の中でワースト3には入っているし、比較飲食のこういうロケーションに於いてはもう少しデザイン面にも力を入れなければならないのにね。ここにも蕎麦屋はこれで良い・・・という甘い考え方が出てしまっている。 まあ、高い家賃と保証金を払って高額の工事費(こういうところは設備絡みに於いて指定業者制があり、かなりの割り高になってしまう)を掛けて出店しているのだから頑張って欲しいけどね。蕎麦屋はこんなもんかい?なんて世間に笑われないようにしないと、どんどん飲食業界から立ち遅れていってしまうよ。蕎麦の業界で仕事をする身として全体の底上げを切に望むものである。 - 本気でぶつかって来て欲しかった・・・ - 2005年07月02日(土) 私が仕事を引き受けるかどうかの判断基準は、依頼して来ている相手が何処まで本気かどうかである。それが感じられなければ例え幾ら好条件であっても業務として引き受けることはない。こちらが求めているものは予算のある無しじゃなく、意気込みと本気かどうかの姿勢である。予算が有り余って仕事なんて無いに等しいし、そこに求めるのは「頼むから何とかしてよ!」という言葉と気持ちであり、互いに通じる結び付きの波長である。 三鷹の郊外にひっそりと佇む小さな迷店?名店がある。予算は限りなく無いに等しかったが、そこにはそれ以上のこちらのモチベーションを盛り立ててくれるクライアントの熱き思いと拘りがあった。私が店づくりに求めているのは相手のその姿勢である。この人と一緒に仕事をしてみたい・・・。そう思わせる人だったからこそ引き受けたのであり、正直デザイン事務所としての仕事とは言えない。でも、そこにあるのはデザインという括りじゃなく、人対人としての互いの思いであった。 先ほど帰宅してとある打ち合わせ中の方からのファックスを見たが、その内容だけではなく、これまでの経緯やこちらが求めているものとはあきらかに感じる大きなギャップ。申し訳ないが自分のスタイルや思いを崩してまでお受けすることは出来ないと判断した。これまで数回お会いして来たが、どうしても自分自身が納得出来たり、今後のパートナーシップを結んで行くには障害があり過ぎると感じていた。これまで手掛けて来たお店を気に入って頂いてお話しがあったのだが、そういうお店が出来るまでにはいろいろな紆余曲折があってのこと。でも、そこにあるのは互いの本気モードである。いい仕事をするには互いのそういう思いでしかないのである。 それが感じられない以上は今後の業務を遂行するにはあまりにも無理があり過ぎるのではと判断させて頂いたのである。折角手塩に掛けて手掛けたお店を使いこなして頂けないのではと・・・ - Pocchy Land HPリニューアル一周年! - 2005年07月01日(金) ポッチーランドのサイトをリニューアルして早いもので一周年を迎えた。以前のものは妻に作ってもらった(名残惜しいのでまだ残してあります)のだが、タグを打ち込んで作っているのでそれを私自身が更新するということは出来ない。何故ならそんなタグとか何とかって言われても全く分からない。更新を妻にやってもらうにしても仕事をしているので早々頼めるものでもない。何とか自分で出来ないものかと思っていたのだが、丁度いいソフトを見つけたので駄目もとで購入したのが一年前のこと。 パッケージには全自動って書いてあったが実際はそうじゃなかった。何を以って全自動と言うのかはよく分からないが、簡単ではあったけれども決して書かれていたような全自動ではなかった。でも、パソコンオンチの俺にも出来たんだから本当に簡単なソフトだったんだろうね。実質的には二日位で出来たし、その後の微調整はあったものの短期間で素人にも作れるものであることには間違いないね。 簡単だったからいろいろとコンテンツを増やし、定期的にきちんと更新する心算でいたのだが、結局は殆どのコンテンツを更新することは出来なかったのである。日記はモバイル端末から更新出来るので問題はないが、その他のものに関してはいちいちソフトを立ち上げてからじゃないと出来ないし、重たくて更にアップするのに結構な時間が掛かってしまうから面倒臭くなって億劫になる。ネットへの通信手段が未だにPHSデータカードなので光ファイバーやら何やらとは速度が違いすぎるので、時間的なことを考えると中々ソフトを立ち上げるには至らないのである。 まあ、ホントはそんなことは理由にはならないんだけどね・・・。やろうと思えば出来るはずであり、やらないだけっていうことなんどろうね。ついつい甘えてしまっている自分が悪いのである。でも、少しづつだけど自分で弄れるからいろいろ試すことが出来たし、これからは何とか定期的に各コンテンツを充実させていきたいと思っている。 ???・・・本当ですよ! それから、もっと知識とかがあればいろいろな細工を施して格好いいサイトにしたいんだけど(デザイン事務所だからね)、今の知識からいけばこれが精一杯なのかな?ソフトも他のものならもう少し手の込んだものが作れそうだけど、一から作り直すとなると躊躇してしまうし、専門家に頼めばいいんだろうけど今度は自分で更新出来なくなってしまう。そう考えると今のものを少しづつ変えていくのがベストなのかもしれないね。要は見せ方よりも見せる内容の方が大切だしね。 内容の充実を第一に考えて二年目のスタートを切りたい!Q&A形式の新コンテンツも検討中だし、これまで手付かずの「独立開業への道・・・」(新規開業者向け)と「リニューアルとは・・・」(既存店向け)の二つのコンテンツをきちんと立ち上げるようにしたいと思っている。 -
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