● ひよこの妄想覚書帳

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2006年11月27日(月)  おキツネ様 ゴミ文

以下は思いつくままに書いたメモ。
内容もおかしければ文章も繋がっていなかったり。
しかし所詮ゴミなので生暖かく見流してやって下さい。


 *****


APTX4869の非常に稀な事態、――細胞の幼体化。
偶発的に何かしらの条件が揃った時にのみ発現すると思われている現象だが、その絶対的条件は発現した本人にすら時としてわかっていない。
何故なら――

「どう言うことかしら。」

ばさり、と投げ出された分厚い書類は一人の人物の分析結果。

「幼児化が及ぼす影響がどう作用しているかを見るためにあなたのDNAを調べてみたのだけれど…異常すぎるわ。」

「私自身のDNAは過去と今の変化は見られなかった。でも、あなたのDNAはヒトのもののはずなのにどこか違う。」

「遺伝子配列が1%違うだけでヒトとチンパンジーはこうも違うわ。あなたは1%どころか…いえ、『極端に人間に酷似している配列を持ちながらも決して違う』なんて…」

「江戸川君、あなた一体何者なの―――?」

科学者の好奇とどこか怯えを含んだ瞳が目の前の少年の形をしたナニかにそう問いかけた。


 *****


そもそも、オレは人間に化けているとは言っても、狐のあやかし。
当然造りは人間なんかじゃなく、まさしく『狐に化かされた』状態。
遺伝子なんて本の半世紀前までは主流なんかじゃなく、そんなところまできっちりと化ける能力なんてありゃしない。
それでも、ここまで人間に酷使した見せ掛けをもてるなんて、流石オレ。ビバ天才。最強の妖狐。
フフ、自分の天賦の才に惚れ惚れとしそうだぜ。
まぁ、あやかしとは言え、オレの基本は狐だ。
遺伝子だって本当は狐に近いはずだ。
そこにあやかしとしての特殊な配列があるからこそ、オレは普通の狐とは一線を隔していれる。
人間にはあくまで『化けている』だけだ。

しかし、古来より人間とあやかしの間に子供をつくる、なんて話はざらにあるわけで。
その子供が普通に人間と結婚して子供を作って、その子供がまた人間と子供を…なんてやってるうちに混ざったあやかしの血はだんだんと薄くなっていく。
そして気づかないほど薄くなったあやかしの血はそれでも『個人差』でくくれてしまう程度の中にその遺伝子を残しているのだろう。
人間なんてひ弱で短命な生き物とは違い、強く生命力に溢れ、そして特殊な何かに秀でている生き物であるあやかし。
その薄まった中のわずかな名残は、それでもただの人間よりもはるかに高い生存能力と生命力を持って持ち主に何かをもたらすのであろう。

そう、APTX4869による細胞破壊を幼体化でとどめるのだって――――



「つまり、オレはもちろん、灰原だって本人が知らないだけで先祖にあやかしがいるはずなんだ。オレは猫なんじゃないかと見てる。動物実験に使われたマウスだってそうだ。人間以外の動物ってのは意外と妖力をもって生まれる確率が高い。普通の動物として生まれてあやかしに変化するのだって珍しくないしな。そんなわけで、普通の生き物じゃ死んでしまうような劇薬も、妖力を持ったオレたちには非常に効きにくい、そのために幼児化なんて形ででも生き残れるんだ。もっとも、一気に元に戻ろうとするには毒素を抜くためにやっぱり解毒剤が必要だけどな。解毒剤がない場合は、無意識の妖力ですこしずつ中和させていくことによって一般人並、またはそれより早いか劣るぐらいの成長スピードのように元に戻っていく。正直、見かけはやっぱり普通に成長しているようにしか見えないんだろうな。」

「しかし、解毒剤もまた毒薬。APTX4869で正常に見えても弱っている女史の妖素にそれ以上の負担をかけないように彼女の服用をやめさせたのですか?」

「あぁ、オレは100%あやかしだから生き残れる自信はあったが、あいつには確率が低すぎたからな。」

「名探偵。いくらあなたがあやかしとは言え、今は弱体化しているのを理解していますか?あなたとて死ぬことはあるのですよ?」


 *****


この辺で力尽きた。
もしもうちょっとまとまっていれば、工藤の日のオンリイベでの無料配布本の内容はコレになってた。
現実とどっちもどっち、とは言わないのが優しさ。

2006年11月10日(金)  めもめも

「う、んっ…かいとぉ…」
「しんいち…さまっ…」

ぎしりと揺れる豪奢なベッド。
衣擦れの音すら卑猥に聞こえる濃厚にして妖艶な空気。
暗闇の中、声さえ押し殺すように吐き出された吐息は意味をなさない喘ぎとお互いの名前だけだった。

「ふ、う…うぅ…」

組み敷かれている方からぽろぽろとこぼれる涙を、塞がっている両手ではなく舐めることで拭う。
「泣かないで」というように降り注ぐキスにすら、なお切なくなって涙はただただこぼれていった。



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メモするにも時間がなさすぎた

2006年11月06日(月)  人形の見る夢(仮)



コーーーンっと不似合いな澄み切った音が響く。





「そ、それでは、10億!10億以上の方はいらっしゃいませんね!?10億にて落札です!!」



あせったようなマスターの声も、仮面の奥から見定めるように、惜しそうに見つめるバイヤーの視線も、自分につけられた価格も、自分を落札したバイヤーの冷たい視線も。


全て。


全てどうでもよかった。






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 * 人形の見る夢(仮) *

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オークションにかけられる人間の利用方法なんて、大体限られている。
本格的な奴隷売買とは違って、重労働を課せられるわけではない。
見目麗しいか、よほど特出した能力を持っているか。

そう、コレクションか愛玩動物、性奴隷ぐらいに限られてくるのだ。




「ここが俺の家。そして今日から君の家だよ。」



買ってきたばかりの商品の手を引いて連れてきたのは、ここは本当に日本なのか、と思うような豪邸。
秘密倶楽部のようなオークション会場では、みな仮面の着用が義務付けられていて、よほど目立つ人間じゃ

ないと入札者の正体はわからないようになっている。
そして、今日一番の高値で今日の目玉の商品を掻っ攫っていったのはまだ20代ぐらいの青年。
仮面の下から現れた顔は端正な美丈夫だった。

が。

買われた商品の方にはそんなことは関係ない。
自分が誰に買われるかなんてどうせ自分の意思で選ぶことなんてできやしない。
せめて、見るからに嫌な脂ぎったおっさんじゃなかったことだけが救いだろうか。
いや、自分をあんな高値で買ってしまえる酔狂な人間である時点で、この男もいろいろ普通ではないのかもしれない。






手を引かれるがままに浴室に連れて行かれ、そこで風呂に入れられる。

「はーい、頭下げてー目に沁みない?大丈夫?」

体にまとわりつくような気がするあの会場の雰囲気を落とすかのように全身くまなく洗われた。
…買った本人に。
二人裸になって洗われているが、なんだか光景は飼い主に洗われるペットな気がする。

本当なら商品である自分が主人を洗わなければならないのだろうが、その隙を見せることがない。

いや、そもそも自分は、この主人に自発的に仕えるつもりは毛頭無い。
買われたくて買われたわけじゃない。
好きで主人を得たわけじゃない。
何故自分が売られていたのかすらわかっていないのに。

それでも、生きてここから逃げられる可能性がある以上、主人を怒らせるのは得策ではない。
だから。
だから今はおとなしく従順にしてみる。
命令だって少しなら従ってやろう。

こんな人間に大金を出した愚かな主人のために。







「じゃあ、改めてはじめまして。俺の名前は黒羽快斗。君の名前は?」

「なまえ…」

彼を見つけたのは偶然だった。
何気なく参加した闇オークション。
そこに出品されていた慧眼の名探偵。
あまりに有名人過ぎて、そして身の破滅を招く可能性を危惧して。

買おうと値を上げるのは様々な権力を自信に変えるじじいどもや彼の美貌に目の眩んだ好事家の禿どもや、鎖で繋いで飼ってしまえばいいと豪語していた変態どもだった。
そんなのは許せない。
許せなさ過ぎて、カッとなって気がついたら声を上げていた。

「それでは5千万から!」
「6千!」
「7千!」
「8千!」
「1億!!」
「1億でました!」
「1億2千!!」
「1億5千!!!」

張り合う豚どもに吐き気がした。

「10億」

たった一言に会場がしん、と静まる。

「じゅ、十億でました!」

一気に釣りあがった値に会場がざわめくが、それ以上の値をつけようとする声は上がらない。
本当なら10億でも彼の価値に比べれば安いものだ。
彼には金には換えられない価値がある。


コーーーンっと不似合いな澄み切った音が打ち鳴らされる。



「そ、それでは、10億!10億以上の方はいらっしゃいませんね!?10億にて落札です!!」


周りからの好奇の視線も嫉妬の声もどうだってよかった。

ただ、曇ったあの蒼い瞳の先だけが気になっていた。







「なまえ…」

うつむいて繰り返す彼の瞳は諦めに曇っていて、あの好きだった苛烈なほどの光は無い。

「そう、名前。なんて呼ばれたい?」

「…新一…」

従順さがあるのに、瞳には戸惑いの感情がうつる。
感情の無い人形なんかじゃない。

人形なんかじゃないんだ。




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オークションもの。

とりあえずメモ。

2006年11月05日(日)  結婚ネタ(多分)

あおーげばーとおーとしー


講堂中に響く歌声。
窓から差し込む柔らかな光はまだ残る寒さを溶かし、まるで祝福のような厳かさを演出していた。

江古田高校卒業式。

今日、江古田高史上最饗にして最凶の問題児が、卒業する。



『答辞 卒業生代表、黒羽快斗。』



「はい。」


凛と透き通るような声がマイクも無しに響く。

黒一色の平凡な制服すらも彼が着るとまるで舞台衣装のように映え、その最後の姿を目に焼き付けようとするものの、視界がゆがんでそれさえもうまくいかない。
卒業生どころか在校生からもすすり泣く声が聞こえ(主に女子)、先生方からも涙をこらえる声がする(ようやく問題児が卒業してくれる、と歓喜の涙)。
保護者席からはカメラのフラッシュが絶え間なく光り、時折聞こえる歓声と子供のはしゃぎ声。
…あれ?

ゆっくりと上がった壇上で一礼の後マイクの前に立ち、至極真面目な顔で手元の紙を読み上げる。

「『答辞』」

いつもの天真爛漫な笑顔ではないが、その大人びた笑顔は見慣れない人たちには目を見張るもので。
そして、

にやり

月下を思わせる何かたくらんだ笑みを顔に浮かべた。



「…あのバカ…」


保護者席からの溜息交じりの声は紙を破る音にまぎれて聞こえることはなかった。


『Ladies and Gentleman !!』


破られた紙は色とりどりの紙ふぶきに姿を変え、講堂中に降り注ぐ。


『It's a show time !!』


高校3年間最後のショーの幕が開き、歓声が空気を遠く響かせた。




制服のまま繰り広げられるショウは花が生まれ鳩が飛び出し、熱くない炎が舞う幻想的なものだった。
クロースアップマジックでもなく、人体切断や大脱出のような大掛かりなものでもなく、観客を舞台に上げてのマジックでもないが。
それでも見るものを惹きつけ、そして卒業式ジャックに相応しく『黒羽快斗』らしいショウでもあった。

突然始まった出来事に呆然としてしまい、間の空いた後に我に返ったように教師たちが止めさせようと舞台に近づくも、卒業生在校生揃って逆に教師を押さえ込んでまでショウに魅入っていた。
その妨害を潜り抜けた教師も、快斗自身にショウの構成のひとつにされ、するりするりと逃げるように姿を消し、思わぬところから現れる、といったことを繰り返す。









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めもめも

2006年11月01日(水)  天然奥様。(仮)

「…黒羽君どうしたの?」
「あー…ちとスネちゃって。」

ソファーの背側に顔も体も向けて寝転ぶ快斗。
長い手足も背も丸めてピクリとも動かないさまはどう見てもスネていた。

「今度は何をやらかしたのよ」

哀の冷たい視線は犯人を確定するように睨み付けてくる。
…いや、確かに今回も犯人は彼の最愛の溺愛の目に入れても快感だと思っているかわいい奥様だが。

「あー…うー…1ヶ月放置した?」

「疑問系で答えないで頂戴。」

「いや、オレだってそんなつもりは無かったんだが、気がつけば…」

思い返せば多分1ヶ月前。
いつもどおり「事件だ!」の一言で飛び出して行って1週間ほど警視庁にカンヅメになってみた。
そしてようやく片付いた事件に疲労困憊に帰ってきてみれば、愛しい旦那様は奥様に会えないまま隣人に色々お願いしてその前日にアメリカ公演に旅立っていた。
カレンダーの公演予定をチェックしても後のまつり。
出発前日の日についたシルシはデートの約束だったと言うことも本当にいまさらのように思い出した。
そして約2週間後、公演の後の片付けや諸事を全てすっ飛ばして旦那様が帰ってくると予想していた奥様は、その前日からしっかり準備をしていたのだが、そこにまた入った「難解な事件」の協力要請の電話。
旦那様が帰ってくる前に片付ければいい!と意気揚々と出かけていったら、これまた見事に犯人や証拠を追いかけて全国を駆け巡る羽目に。
そしてようやく事件の片もついてハッと気づくと、予想していた旦那様の帰宅日からすでに1週間が経過していたのである。

「…そうね。1週間ぐらい前からこの家に怪しい気配が漂っていたものね。」
「…やっぱりそうか?オレが帰ってきた時からこの状態で返事もよこさねーんだよ…」

1ヶ月も会ってないのだし、自分だって反省してるのだから会うなり飛び掛ってきてもよさそうなものを。(ぇ)



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めも。


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