よれたニットに A4の鞄 太いローヒール
クリスマスモードの この街には およそ不似合い
だけど 本棚にはツリーもあるし 笑顔で迎えてくれる パジャマのあなたもいる
ふたりで掃除して ごはんをつくって たくさん笑って
そう 毎日がクリスマスのように ふわふわで きらきらで あったかい
紅茶色の夕陽に 髪を透かして ゆっくりと流れる 窓をただ眺める
少しだけ泣いた 君の横顔は 瞼の淵がほの紅く ひたすらに静か
出逢いの場所と 同じところで 終わりにしようか と 君がそっと云う
冬の気配と風に圧され 僕らの恋は もうすぐ終わりを告げる 思い出の駅で
こんなに自然に終わってしまう そのなにもかもを 誰も止められないと 判りすぎてなにも云えなくなるよ 伝えたい言葉はたくさんある筈なのに
出逢いの場所で 君が立ち止まる おどけて耳を塞ぎ 声もなく呟く
出逢うこと なかったよね なんで出逢ったんだろう
人込みに紛れて 君が消えてゆく あの日追いかけた 背中が遠くなる
大事にとっておいた チョコレートが いつのまにか ポケットのなかで溶ける
大好きなパイン色の ドロップが 気づいたら口のなかで 三日月に尖る
そんなこともある そんなこともあるよ
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