イトナミ_エイエン

2005年04月06日(水) 彼女が幸せにならない世界ならいらない

交際の申し出を、残念ながらお断りすると、彼女はしばらく沈黙した後にこんな事を言った。
「あなたの好きな人は、どんな人なの?」
「え?」
「なんとなく分かるの。もっと遊びたいからとか、結婚の事を言われるのが嫌だから、彼女を作らないんじゃないよね。」
「ええ、と、まあ」
「好きな人がいるから、別に義理立てする訳でもなく、一人でいるんでしょ?」
「・・・よくご存知で。」
「で、あなたが好きな人はどんな人なの?」
「さあ、ね」
僕は曖昧な笑顔を作る。

果たして分かって貰えるだろうか、
僕の好きな人は、我侭で泣き虫で、ちょっとポンコツで、ドジな人。
だけど、他人の悲しみを自分の物のように感じて一緒にオロオロと泣ける、そんな人なんだ。
この人が幸せにならないなんて、それは世の中の方が間違ってる、そう思わないかい?


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