川底を流れる小石のように。 ~番外編~ 海老蔵への道!
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2004年08月28日(土) |
☆待っていたとはありがてえ☆ |
結局、7月も8月も歌舞伎座に行きそびれた。 みたいなーと思っていたのに、バタバタしてるうちに、みるみる日にちが過ぎてゆく。 とほほ。 海老蔵関連で、時間もお金もエネルギーも使い果たしているので、 余力が回らないというところだが、 やはり、チケット確保のエネルギーが、最難関だ。
とはいえ、土曜は東銀座へ。 東京駅で来月のための「ぷらっとこだま」クーポンを受けとり、 涼しかったので、気持ちよく歩くことに。 銀座の交差点で、あちらから、 何やらスキの無い、ペパーミントグリーンづくめの小柄な人が歩いてくると思ったら、 山崎千里さんだった。 三越で、人だかりの向こうをのぞいてみたら、 メイクアップのティミー西村が、生アドバイス中だった。 彼の身振り手振りが、近頃希に見る、キザな仕種で、ある種感動。
奥村書店をのぞき、待ち合わせのお店へ。 モダーンな内装で、居心地が良い。 もうちょっと、オシャレしてくれば良かったかも。 実はここでお会いする方達とは、初対面。 このひっそりと拙い私の観劇日記を読んでくださって、メールをくれた方達との、 お食事会だったのだ。 うひーーー緊張する。 早く着きすぎてドキドキしていたら、友達からメール、 「團パパ、京都の12月は『お祭り』やるんだって!」とのこと。 うおおーー!
この踊り、大向こうさんの「待ってました!」のかけ声に、 「待っていたとはありがてえ」と役者さんが応える場面があり、 そこにはこんな経緯もあったりで(下の方にあります)、おお~と思わずにいられない。
南座のあの佇まい、12月の南座顔見せ興行はもはや京都の冬の風物詩。 芸事に通じた京都のご贔屓さん達、まねきが上がり、華やいだ雰囲気と豪華な座組、 そして、客席からの、本当にきっと心からの「待ってました!」の声。 それに応えるパパの鳶姿を想像したら、つかの間緊張も忘れてじんわりしてしまう。
お会いできた二人の方々、 最初こそは緊張したものの、そこはそれ歌舞伎という共通の話題で話は尽きず、 お食事も美味しくて、お酒なんかも普段よりも多めに飲んでしまって、 すっかり楽しく和んでしまった。 このお店、ランチもあるらしいので、またきっと来よう。 何しろ歌舞伎座が近いし。
笑ってしまったのは、パリで演目が変更になった「鏡獅子」のこと。 獅子の精と戯れるチョウチョが、胡蝶の精になって踊るのだが、 一体胡蝶は誰が???という話題に。 詳細はここでは書かないが、まあ、涙と笑いなしには語れない「胡蝶は誰?」議論は、白熱した。(と思う)
こんな素敵な出会いと、楽しい時間をくれた歌舞伎に、 また改めて感謝した夜となった。
お会いできたGちゃんYさん、本当にありがとうございました。 これに懲りずに、また今後ともよろしくお願いします。 京都新聞の記事。
本屋で見つけて、わおー!と嬉しくなった本。 「スーパーマーケットマニア ヨーロッパ編」! パリのエスプリ漂う、キッチングッズや文房具、 オサレなヨーロッパの日用品満載! 短い旅の間に、スーパーに行けるかな。
ハワイといえば、お土産はマカデミアナッツチョコ、 韓国といえば、味付けのり。 パリの定番お土産ってなんだろ。 何をもらったら嬉しい? 何しろ今回は、同僚にも色々ご迷惑かけてしまうので、 お土産は、ちょっと奮発せねばならぬだろうか。
もう一つ、可愛いもの。 稚魚の会を観に行ったとき、国立劇場で見つけたちびならぶりー。 画像、アップ。 稚魚の会・歌舞伎会合同公演は、 普段は、丁稚や腰元や、殺陣のシーンではとんぼをきって、くるりと回っている、 三階さん達のハレの舞台。 新七さんの女形姿、はじめて見た! 踊りがきれいで、嬉しかった。 升一さんの与三郎、若い! なんか高校生みたいな若いわかい与三郎だった。 見てると照れてしまうくらい。 でも、頑張ってた。 たまに、きらりと江戸~な風味が滲むあたり、いいぞ! どんどん、格好いい役者さんになるといいな。
成田屋さんのお馴染み三階さんに、思った以上に情が湧いていて、 親戚のおばちゃんみたいな気持ちになった。
帰り道、ここで寄り道。 前夜祭のせいか、覚悟していたほどの人ごみではなく、 熱気あふれる様々な連のお囃子を背に、一歩裏通りに入り込むと、 涼しい風が吹き抜け、 暑かった夏も、そろそろ終わろうとしてるのだなと思う。
ここのお気に入り、白菜サラダをつまみつつ、 職場のチャーミングな受付嬢の、来春に結婚が決まった顛末を、 きゃいきゃい言いながら聞きつつ、 美味い酒を飲む。 やほー!
携帯にメール。 團パパの退院と、パリでの舞台復帰が決まったとのこと。 やほー!!
いやあ、どちらも目出度い。 良かったよかった。
團パパの病状の公式報告を読む。 パリにはパパ、行くんだなあ。 寛解というのは、このような状態を指すらしく、 ってことは、完全寛解とは違うのかも?と思うと、まだまだ心配。 お願いだから、もう無理はしないでください。
一方、海老蔵ご本人は、 ニューカレドニアでの短い夏休みの件で週刊誌を賑わしている。 久々のオフだもの、放っておいてやれよ、とも思ったり。 五月の初日と千秋楽、おまけに7月の松竹座でも、 偶然米倉さんと同じ日に観劇したので、まあそうか、とは思うが、 せめて奥伊豆あたりで手を打ってみちゃどうだ?そこの二人、と思ったり。 それだけ團パパの病状が落ち着いているということだろうかと思ったら、 今日の公式発表だった。
私はといえば、 パスポートの期限が切れるほど、海外旅行していない事に気が付いた。 もうパリのガイドブック読みまくり。 気分だけは三回くらいパリに行ってきたような盛り上がりぶり。 なんとも好もしく、素晴らしい街と思われる。 平行して読んでいる「王妃の館」も佳境にさしかかり、 放っておくと、心は遙か、時間を超え距離を超え、巴里へ~。
帰宅すると、玄関のドアに、 3㎝ほどの、小さな小さなヤモリがはり付いていた。 あまり小さくて、作り物みたいだ。 100円入れてがちゃぽんすると出てくるやつみたい。 生まれたてなのかも。 可愛くて笑ってしまう。 ちびすけに、團パパのことやら、旅の無事やら、あれこれ沢山お祈りしていたら、 ちょろちょろっとと逃げられた。
2004年08月16日(月) |
☆この夏に出会ったもののカケラ☆ |
あまりにも長い間、頭の中が歌舞伎だらけで、 本も読まず、映画も見ずに、過ごしていた。 なので今月は久々に、友達と遊んだり、映画を見たり、音楽を聴いたりしている。 ☆本 松井今朝子 「一の富」 芝居小屋に出入りする、狂言作者見習い拍子郎の物語。 はねっかえり娘おあさ坊と拍子郎のなりゆきを見守りつつ、軽く楽しめる。 脱歌舞伎しつつ、社会復帰するにはもってこいな一冊。 HPの今朝子の晩ご飯は、いつも楽しみにしているのだが、 6月26日の鏡獅子をご覧になった感想を読んで、 とてもとても嬉しかった。 たまに、のけぞりそうな程辛口の松井さんに、「率直な潔い踊り」と言われた弥生。 そういえば、毎月の家庭画報の村松友視さんの連載「成田屋の意気 そして、海老蔵」も 今月は弥生の衣装について書かれており、 この夏休みに実家で母と、しみじみ眺めた。 母は、年齢的なものなのか、感動が後になってじわじわとよみがえるらしく、 今頃になって、今年は素晴らしい物をあなたのおかげで沢山観られて、本当に幸せだったわーなどと言い出す。 中でも、一月の玉三郎さんと菊ちゃんの二人道成寺と、それから花道の横で観た助六がたいそう好きだったらしく、 牛のように反芻しては、ほーっとうっとりしている様子。 どうやら私の家族総歌舞伎化計画も、無駄ではなかったようで、 パリへ行くことにしたよ、と報告すると、 「そう言うと思ってた。お休みもらえてよかったね」とニヤリ。 こんな馬鹿な娘を、許してくれてありがとう両親、と心の中で頭を下げる。
宇江佐真理「甘露梅 お針子おとせ吉原春秋」 吉原の住み込みお針子おとせをとりまく、しっとり哀しく切ない日々。 いやはや、吉原物(っていう言い方はOKなのか?)が好きなのだが、 この連作短編は、かなり好き。 いいっすよ、これは。 思わず、母にこの本あげるとプレゼントしてしまった。 思わず助六と揚巻のことを思い浮かべたり、 吉原ではないけれど、宮尾登美子の「陽暉楼」や、五社秀夫監督の映画「陽暉楼」も、またみてみるか。 安野モヨコ「さくらん」も、花魁ものとしては、イケルっす。
宇江佐真理「おちゃっぴい 江戸前浮世気質 」 「甘露梅」がとてもよかったので、待機中だったこれもいってみた。 登場人物が生き生きと、深い味わいで、宇江佐さんの時代物大好物!
柴田よしき「ふたたびの虹」 京都のおばんざいが、実に旨そう。 パリのエピソードも織り込まれており、新幹線で一気に読む。
☆映画
「炎のジプシー・ブラス」 お友達が教えてくれて、早速観に行く。 オヤジ達の、底抜けに明るく、けれど切ない、パワフルなジプシー・ブラスのドキュメンタリー! うほほ。
「バレエ・カンパニー」 アルトマンだし、バレエだし。 日曜のシャンテは満席だったっす。 ダンサーの美しい肉体の饒舌なこと! なので、青い蛇の新作の衣装に???な気持ち。残念! フィジカル・エリートの光と陰を、淡々と描く、みたいな。 個人的には、トマトを刻むジョシュが可愛くてね。
☆音楽 「時の響き ~ジャズin芸大~」
これは実家で、父がたまたま見始めた番組で、 母も、まあいい曲ばかりやるねえ!と加わり、 いつしか家族そろって、興奮して見入ってしまったという。 ジャズも、こうして長く愛されたスタンダードが確立されて、 それをこんなに気持ちよくやってくれちゃって、 まさに、格好いいとはこういうことさ!みたいなコンサートだった。
こんな楽しいコンサート、やってたんだねえー、知らなかったねえー、 よかったねえ~と口々言いあう。 後で調べたら、7月に入場料2400円でやったとのことで、 なんてお得で素晴らしい!と感激。 地上波再放送熱望。 尺八のテイクファイブを聞いて、助六を思い浮かべてしまった。 しぶい!かっこよすぎ。
そんなこんなで、まあ社会復帰とはいえ、 半身は歌舞伎なままだった気がするが、 それは仕方あるまいて。 そんな夏休み。
2004年08月15日(日) |
☆残暑お見舞い、申しあげます。☆ |
残暑お見舞い、申しあげましょうと思ったら、 今日は急に、肌寒いくらいの一日。 まあビックリ。 みなさま、いかがお過ごしですか?
松竹座7月の観劇・感想の下書きも途中のまま、 パソコンにむかう時間もままならない、バタバタ暮らし。 あっという間に、8月も半ば。 中途半端な日記が、マダラな日焼け跡のようで、お恥ずかしい。
近況をご報告いたします。
おおざか松竹座日帰りから帰宅後、 糸の切れた風船のごとく、ふわりふわりと、果てしなくどこまでも、 ぼーーーっとしてしまって、 頭の中は、弁慶や与三郎や、忠信利平や、果ては富樫や助六や弥生や権五郎までがよみがえり、 社会復帰はたいへん難しゅうございました。
とはいえ、7月の千秋楽の日には、10月パリ公演のお知らせが届き、 そこのところを検討する時だけは、ふと我に返り、 むーん、休みを何と言ってもらおうか、 というか、そんな、だいそれた事は果たして可能なものだろうか、 想像しただけで、胃が痛くなるぜ、 また職場がひと荒れしてしまうんだろうか?ドキドキ、などと悩んでみたり。
その間に、9月の名古屋御園座のチケットが、希望通りの日程で届いたことは、 大変喜ばしい出来事の一つでありました。 手許に、これから観る予定のチケットがある幸せ。 5・6・7月と、そんなことがあたりまえのように、贅沢に過ごしてしまっていたのですね。 贅沢に慣れてしまうって、おそろしいこと。 とうとう7月の観劇も終えて、 手許にチケットが一枚もなくなってしまった日の、あのさびしさ。 なので、今はパソコンの横の大事な物置き場に、 毎日眺めつつ、飾ってあります、御園座のチケット。
そして、案ずるより産むがやすしといいましょうか、 決してごり押しして、是が非でも!という感じではなく、 まさか無理ですよね?というスタンスで、10月の休みを申し出てみたところ、 意外なほどアッサリと、気持ちよくOKをもらうことが出来たわけで、 まあびっくり!まあ嬉しい!という感じでした。 やはり7月の怒濤の無休勤務が効いていたらしく、 頑張ってくれたものね、と言ってもらえたのも、とても嬉しかったです。
かくして、私も晴れて、巴里へ行けることになりました! うひょーー! ああ、10月の巴里! ああ、海老蔵と菊之助の鳥辺山心中!
さっそく青空文庫で、岡本綺堂の「鳥辺山心中」を読んでみました。 くーー、この真っ直ぐぶりがたまらぬ。
それから、遅ればせながら新しくデジカメを買ってしまいましたよ。 何しろ巴里ですもの。 そして劇場のあるシャイヨー宮といえば、 エッフェル塔を望むベストポイントと聞きました。 もう考えただけでワクワクでっす。
トレビアン!
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