なべて世はこともなし
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2006年10月24日(火) 未更新お詫びSP:アラン島へリベンジに行く

まず業務連絡。


相変わらず家にはインターネットがありません。もういい加減キレてますので、別の方法でインターネットへの接続を考えてますが、どうなるかは未定。で、こうやって会社からこそこそ更新してるのですが、ここに来てさらに問題発生。


掲示板が閲覧不能サイトに見事にノミネートされました。


掲示板。見れません。お返事、書けません。


管理ができない掲示板を放置しておくのもまずいのでリンクをはずそうかとも思ったのですが、こと「よしなごと掲示板」については需要があるようなので、とりあえずこのままで行くことにしました。かくして、現状は管理不行き届き状態であることをお詫びしつつ、でも悪いのはくされ(以下略)と主張するものであります。


もし、管理者不在の隙を狙って掲示板が荒れるようであれば、やむなく利用停止としますのでご了承くださいませ。また、「お返事はいつでもいいよ」という心の広い方は、どんどんカキコしてくださいませ。ともあれ、本日はお詫びの意味も込めて通常の3回分の分量で、アラン島リベンジ編をお届けします。


アラン島。


このホムペで「あそこにだけは行くなかれ」と口角泡を飛ばし主張している場所ですが、あの記事を書いてからもう6年。書いた本人も何を書いたか忘れているあの場所へ私はリベンジに行ってきました。そう、6年も経てば、おいしかったレストランはまずくなり、まずかったレストランは淘汰されて潰れていたりもするはず。6年前のくされ島と現在をとことん比較しようと言うのが今回の目的。ともあれ、まずは、6年前に書いた記事をご覧くださいませ。


かくして、引越しの直前…だから1ヶ月くらい前のある日、思い立ってアラン島へ行ってきました。今「思い立って」と書いたけどホントに思い立ってのこと。年休を取ってぼーっとしてたら突然思い立って昼すぎにダブリンを発ったのだ。


ごく正直に書くと、その時点ではくされアラン島になぞ行くつもりはなかった。ゴルウェイにでも二泊して、遊ぼうと思っていたのだが、ゴルウェイ着いたのが午後5時。アホな私は気がついてしまった。「イニッシュモア島行きの最終のフェリーに間に合う」


で、小雨降る中をアラン島行きのフェリーが出るドーリンに向けて走る。夕方のラッシュに巻き込まれたりして、フェリー乗り場に着いたのは午後6時。


フェリー乗り場から1キロくらい離れているところには「アラン島行きフェリーフェリー駐車場一日5ユーロ」と、何もないイナカでぼったくりとしか言いようのない値段を掲げた駐車場なども通過。アラン島に着く前からすでに島がさらに観光地化されて擦れてきていることを感じさせる。


アラン島に行くフェリー会社は2社あるのだが、頭の悪いことに二社とも最終のフェリーがドーリンを出るのは午後6時半。さてどっちのフェリー会社にしようか。


(写真は帰りに撮影。行きはすでに薄暗く、雨が降っていた)


…とまあ、ほったて小屋が二軒並んでいる。左のほうが、見ての通り大きくトイレやカフェまであって(ただし倉庫化していた)見ていると人はみんなそっちに吸い込まれていく。こうなるといつも少数派でいたいと思うあまのじゃくな私は小さな方のフェリー会社を選ぶ。



フェリーは、がらがらーすかすかー(ひでかす語録より無断使用)。


テーブル席を確保してふと見ると



む、あの6年前に私を釣った「釣師」Noelオヤジは未だに観光客を釣っているらしい(しつこいけど読んでない方は6年前の記事を読んでくださいませ)。


フェリーが動き出す。海上に出ると、雨脚はますます強くなり、着く前から鬱。着いてみると、雨はさらに強くなり、来たことをとことん後悔。しかも、地元民も観光客もみんな雨は想定済みで雨を跳ね返すようなウィンドブレーカーなどを着ているが、私とお連れのMausiはそのような準備をしてない唯一のアホ観光客。


雨に濡れ惨めな気分で埠頭を歩き、港のすぐ脇にあるB&Bへ飛び込む。



このくされB&Bは入り口に「空室あり」と書いてあった。確かに書いてあった。


私:「(今晩)空き室はありますか(ちゅうかあるよね。そう書いてたんだし)」


ところがこのおばさん、私たちのみずほらしい身なりを一瞥して一瞬の間の後に


おばさん:「悪いけど、空室はないの」


よほど「じゃあ表にあった表示は何だ!」とケンカを売ろうかと思ったが、所詮これがアラン島。怒るだけ損ねというわけで、激しい雨の降りしきる中を再び外へ。


二人とも機嫌は最悪。まあ、お約束どおりといえばそれまでだけどひどい雨と強風。で、そこから2分ほど歩いた別のB&Bへ。そこにはすでに私たちとは別に2組の客が飛び込みで入っていったところ。


果たして空きがあるかと思っていると、すでに観光シーズンを過ぎてB&Bはフェリー同様がらがら・すかすからしく部屋は空いていた。



おかみさん:「一泊ひとり32ユーロ」


高い。高いよ。が、すでに骨まで濡れてしまった二人。部屋を見せてもらうことすらせずにそこに泊まることに。


このB&Bは、まさにB&B用に作られたもの。羊羹のような形の建物の中心に廊下を作り、左右に狭い部屋を割り振ったもの。合理的であることは認めるが、味も素っ気もない。私たちの部屋もベッドが部屋の半分を占拠している状況で、狭い。


で、濡れた体を温めるべくシャワーを浴びようとしたのだが、まあ、シャワーは友人が言うとこの「老犬のおしっこ」。ちょろちょろとしたお湯とも水ともつかないものがシャワーから滴る程度。体を洗うのが精一杯で体を温めるどころの騒ぎじゃない。しかも、窓のないバスルームからは湿気がまったく逃げてゆかず、トイレットペーパーなどはべとべと。なんで外に向かって窓を作らなかったのか…構造欠陥としか言いようがない。


ともあれ震えきった私は、部屋の暖房を強めようとするが部屋の暖房はすでに最強。そして、部屋は寒い。これの意味するところは、この部屋には濡れた体を温めるすべはないということ。靴下は変えたものの、濡れた靴を気持ち悪く履き、雨の中をお隣のレストランへ。そのレストランを選んだ理由は単純。B&Bから一番近かったから。


入った瞬間に、ダメダメな雰囲気が漂う。まず、テーブルクロスがビニールなところ。さらに客がほとんどいない。普段なら絶対入らないような状況ながら、外は激しい雨。これ以上濡れたくない。かくして、座る。


メニュー。


高い。高すぎる。ビニールクロスのテーブルでメインコースが20ユーロ超ってのは一体全体どういう了見なんだ?かくして、唯一安かったピザを注文。味は…うーん、可もなく不可もなく。


こうして6年前の経験をまったく生かせずに、アラン島での楽しい楽しい一日目は終了。



この日の一番の被害者。私の車の置き傘。アラン島にて殉職されました。


翌朝。




アンビリーバボーな快晴。一体全体どーしたんだ。これ。


6年前に果たせなかったレンタサイクルにて島巡りをすべく港のレンタサイクル屋へ。





チャリンコを西に向かって漕いで漕いで漕いでたどり着いたのは当然の帰結として島の西の端。







こういう写真を見ると、わかる。この写真をどっかのホムペで見たらオレ、絶対にアラン島に行きたくなる。この風景はやっぱり人を惹きつけるものがある。それは認める。


途中、Seven Sistersという観光地へ(注:イギリス南部のあそことはたぶん関係ないと思う)。…というか、観光客用のミニバスが集まっていたからその場所に気がついていって見ただけ。


そこに停まっていたミニバスの一台。



出たな。釣師Noel、ここで会ったが…覚えてない。こんな顔のオッサンだったっけ?少なくとも、稼いだ金で車を買い換えたな。


ところでこのSeven Sistersに着いて気がついたのだが、昨日の雨はとんでもないものだったらしい。



Seven Sisters冠水。


さらにSeven Sistersの先の道は…




完全冠水。通行不能。


道の左の場所はサッカーだかのグラウンドながら、完全に冠水。Seven Sisters脇の掘っ立て小屋でアランセーターを売っていたオッサンによると、昨日までまったく水などなかったのに、一晩で完全に冠水してしまったそうな。

そして断崖絶壁の南側の海岸へ。







ええ?どうよこれ?いかにも「アイルランド的なのよ」といわんばかりの息を呑む絶景。なるほど、こういう風景がある限り、アラン島を訪れる人が絶えることはなさそうだ。



島の天候の厳しさを体で表す木。自然に生えた木ではなさそう。


そして、港まで戻ってきて6年前にも来たカフェ(6年前は「コーヒーショップ」と表記)で昼食。カフェの椅子に座った瞬間に運動不足のオッサン体の全身を疲労感が駆け抜ける。今から島の反対の端に行こうと思っていたが、カフェに座った瞬間にそんな気分は完全に失せた。



カフェとスーパー。

 
で、島の中心の散歩。6年のうちでの変化。カフェの隣のスーパーになんとまあ



ATM登場!


さらには



ファーストフード店登場!


季節営業で、かつ、マクドナルドなどではなく、ゴルウェイに本拠地を置くスーパーマックスの小さい店というのがせめてもの救いかもしれないけど、ついにこの島にはファーストフード店が登場するまでになってしまった。ダメダメ度がますます増してしまったアラン島へおいでませ。


今回の結論:アラン島は弁当・テント持参で人と会うことさえ避ければそんなに悪くないかもしれない。ただし、天気がよければね。


そして…これ、どー考えても、リベンジというより、返り討ちだ…。


2006年10月16日(月) ミニ更新:トイレの中でケータイを使うのはやっぱりよくない

会社のトイレ。女性用は無論入ったことがないが、男子用トイレには個室が二つ、そして小用が二つ。手洗いのシンクが二つ。…まあ、何の変哲もないトイレ。強いて言えば、シンクの鏡が三面鏡なので、鏡の中の鏡に自分の老けた顔を見てもれなくがっかりできる特典つき。まあ、そんなどーでもいいトイレです。


で、そんなトイレに入ったら、中から話し声が聞こえる。個室のドアがひとつ閉まっている。どういうことだ?


事情はすぐに読めた。なんのことはない。個室の中でケータイを使っている最馬鹿がいるらしい。


いったい、どういう了見で、臭いトイレの個室の中でケータイを使おうとするんだ?しかも、このトイレの中の住人の男も、さらには電話の向こうの女も声がでかい。ケータイで話をしているにもかかわらずどっちの声も聞こえてくるとはいったいどういうわけだ。


こういうアホタレにはやっぱりいたずらをしたくなるのが私の性格。ぱっと、いたずらを思いついて即実行。


まず、隣の個室に入り水を流す。


トイレ中にジャーという水音が響く。これで、電話の相手がどんなに鈍感なやつでも、このバカ男がトイレから電話をかけていることがわかるはず。これはすでに私なら十分に恥ずかしい。


さらに、間髪をいれずに今度はハンドドライヤーのスイッチを入れる


このハンドドライヤーの音がまたでかいんだ。日本にも最近ハンドドライヤーが普及してきたみたいだけど、あんな静音設計の控えめな音じゃない。ブオォォォォォォォーーンというえらい大きな音がトイレ中に響き渡る。あの音は、電車のガード下とまでは行かないまでも、少なくともまともに会話ができる状態じゃあなかったはず。で、そのハンドドライヤーのスイッチをわざと切らずにそのまま退散。


その後どーなったかは私は知りませんが、誰がどー考えてもトイレでケータイを使うのはよくない!…ので、これでいいのだ。


2006年10月15日(日) 月夜ばかりじゃねーからな>くされEircomにSmart Telecom(2)

10/2の日記の続きです。


相変わらず、まともに更新ができません。そう、ご賢察の通り、未だに家にインターネットがないのです。相も変わらず、くされEircomは、「Smart Telecomが回線をブロックしているよ」と主張し、くされSmart Telecomは「Eircomがうちのリクエストを全部拒否してるんだよ」と主張。平行線のままはや3週間経過。いくらいい加減王国でもこりゃあんまりじゃあないだろうか。


先週の金曜日についに血管が2本くらいキレた私は、ついに電話会社の監督官庁であるComregに苦情の手紙を書きました。こいつら、Smart Telecomの件で忙しいかと思いきや、誰も苦情の手紙を書くようなヒマ人がアイルランドにはいないのか、先週の月曜日に早速Comregから電話がかかってきまして…。


Comreg:「苦情の手紙受け取りました♪」
私:「なんとかしてくれー」
Comreg:「それではEircomに苦情を伝えますので、10日以内に返事します」



…10日かよ。長いなあ。と思いきや、わずか1時間後になんとくされEircomから電話がかかってきまして、


Eircom:「Snigelさん、誤解ですよ。悪いのはSmart Telecomでして(以下、同じ主張につき省略)」


いや、驚いた。こいつら自分たちからは電話をしないとか言っておきながら、Comregから連絡があるやいなや、すっ飛んで電話をかけてきやがった。どうやら、EircomはComregには弱い模様。


提案:くされEircomに苦情がある場合は、Comreg経由にしましょう。ちなみに、くされEircomのヘルプライン1901は電話をしても機械でたらい回しにされますが、フリーダイヤル1800-200-481に電話すると、一発でカスタマーセンターににつながります。これは便利♪


で、くされEircomの主張は相変わらず同じ。話は平行線で進歩なし。さっそくComregに電話。


私:「…というわけで、連絡はあったけど、進歩はなし」
Comreg:「じゃあ、今度はSmart Telecomに連絡してみますね。ただ、これは私の仕事の範疇じゃあないんですけど、今、Snigelさんのようにお困りの方、結構いらっしゃるんですよね。ここだけの話、130ユーロ払って、新しい回線を引いたほうが早いですよ」
私:「うん、それはわかってるけど、自分の中で130ユーロの出費を納得させることができないんですよね。私のせいじゃないし」
Comreg:「そりゃごもっともです」



かくして、それから1週間たちましたが、未だにくされSmart Telecomより連絡はなし。それ以前に、いつの間にかくされSmart Telecomは個人向けの電話サービスから撤退を表明したし。ヘルプラインは電話してもつながらなくなったし。


…現在こんな感じです。あと4日で潰れかけのくされSmart Telecomから連絡があるのでしょうか。なきゃないで、Comregに苦情を言ってみようと思ってますが。どっちが悪くたっていい。あんたらのデタラメさにはもう言葉もないよ。


かくして、メールのお返事が完全に止まっております。掲示板もほとんど放置状態です。申し訳ない限りです。


2006年10月08日(日) Leonard CohenのTribuneを見に行く。落ち着きのないSnigelが発見したこと。

この日記に何度か書いているとおり、誰がなんと言おうと私はLeonard Cohenのファンです。かくして、彼のTribuneバンドがThe Point Theatreであると知った瞬間にチケットを買ってしまった。


一枚75ユーロ(1万円超!)。


本人が来るわけじゃあないTribuneバンドでこの値段は法外じゃあないだろうか…とも思わなくもなかったが、それでも行ってきました。The Point Theatreへ。


The Point Theatre。ここ、ダブリン港の一角にあるとんでもなく交通不便なコンサート会場。何せ街からは徒歩以外の交通手段がない(ほとんど本数のない53番のバスは無視)。かくして、Liffey川沿いをてくてく歩いて会場へ。


この25分ほどの距離を歩いて改めて感じたが、いやー、このあたり変わったわ。その昔は「アンダルシアに憧れて」の世界の怪しい倉庫街で日が暮れてから歩くことは憚られるようなところだったのに、今じゃホテルが建ち、その先にあった小汚い倉庫たちはすべて壊され遊歩道になり、挙句の果てには誰が買うんだかわからない高そうなキッチンのショールームや高そうな中古車のディーラーまである。対岸には未だにクレーンでマンションだかオフィスだか知らんがばんばんと建てられている。


そして、初めて入ったThe Point Theatre。さあ、4-5000人くらいは入るんじゃないだろうか。ただ、椅子がすぐに取り外しをするためか、プラスチック製で日本の地方の球場のように安っぽい。そういう目で見ると、会場全体も安っぽい。ちなみに、音響もあまりよくなかった気がした。


8時をちょっと過ぎたころに公演開始。…なのに、客はまだ席に着かずに行ったりきたりしている。どうにも落ち着かない。実はこの状況はコンサート終了までずっと続いた。なんだか知らんが、落ち着かない人たちなのだ。小学校の通知表6年間18回にわたり担任に「落ち着きがない」と書かれ続けた私が言うんだから間違いない。こいつら、落ち着きがないよ。


狭い席なので、誰かが立とうとするとその列全員の人が立ち上がって通路を空けなければならない。どうもこれ、酒(ビール)を売っているからじゃあないかと思うのだ。ビールを飲む→トイレに行きたくなる。という単純図式。やっぱり、パブで音楽を聴きながらという延長にコンサートもあるんだろうなあ。


それにしても選曲がすごかった。Suzanne、So Long Marriene、Everybody knowsなどよく知られている曲はまあ定番商品として、私の好きなWho by Fire 、Sisters of Mersy、The Guestsなどが出てきたのは素朴にうれしかった。


さらに、アルバム未収録のJoan of Arcを持ってこられて私は素朴に驚いたが、なんとトリの曲にはLeonard Cohenのアルバムの中でもほとんどノーマークだったDeath of Ladies' ManのMemoriesを持ってこられたのにはひとりで驚愕してた。あまり印象に残ってないアルバムのあまり印象に残っていない曲をコンサートの最後に持ってこられたら驚くでしょ?(はいはいはい。どーせほとんどの人は読み流してますよね)。


で、曲は、当たり前の話、Leonard Cohen本人には誰もかなわない。中には、hallelujahのように元曲のイメージを壊して腹の立ったのもあったが、The Guestをしっとりと歌われたのにはそれはそれで感動したし、全体としてはよかったと思う。


ちなみに、選曲になくてがっかりしたものとしては、Take This WaltzとかFirst We Take Manhattanとかかな。


…と、Leonard Cohenのファンじゃないとまったくわからない話を延々続けてしまいましたが、このコンサートの一番すごかった点は、その時間。途中30分ほどの休憩を挟みながら、午後8時に始まったコンサートが終わったのはなんと日付が変わった後!4時間以上の長いコンサートでした。まあ、80ユーロも払って1時間で終わった日にゃ暴れだしかねなかったけど。


長いコンサートが終わり、人波とともに街へ。そこからNitelink(深夜バス)で自宅に帰ろうと思ったのだが、なんと、木曜日ってNitelinkって12時半と2時にしかないんですね。バス停に12時45分に着いた私は泣く泣くタクシーで帰りましたとさ。知ってたら、Eastwall RoadからFairview方向に歩いて帰ったのに。ぶつぶつ。


2006年10月04日(水) シャレにならないボロ車Daewooについて検証する(乗ってる人ゴメン)

昨日の日記でSmart Telecomの悪口を書いたら、シャレになってませんね。Smart Telecom、潰れそうです。まだ問題が解決してないのでEircomに電話をかけたところ、テープで「Smart Telecomからの変更をご希望の方は、フリーダイヤルXXまでお電話を」なんて言ってましたが、私に言わせりゃ目くそ鼻くそ。どっちもダメな会社です。


かくして、このダメな電話会社と、ダメダメな管理人の相乗効果で、掲示板は完全に放置状態だわ、メールもお返事がかけない、さらには、アイルランドに来た友人を無視するなど皆様には本当にご迷惑をおかけしております。なんとか日記はこうやって更新してますが、それ以外のことはあと1週間程度お待ちいただけると幸いです…。それもこれもくされ電話会社しだいなのですが。


私の車、トヨタの小さな小さなジープRav4です。ボディは小さいですが、エンジンは(アイルランドで言えば)2.0リットルとかなりでかい。ゆえに、燃費が難点ですが重い図体の割にきびきび走ります。いい車だと思います。で、まあ、そんな車に乗っているからこんな情景を夢想するわけです。


シーン13.Rav4で人気のない山道を疾走する(今「失踪」と誤変換されて一人でウケた)Snigel。そこに現れたのはカーブを曲がりきれずに草むらに突っ込んだ乗用車。車の外ではうら若き金髪の美人が困った顔で立ち尽くしている。さっと車を止めるSnigel。


Snigel:「どうしましたか」
美人:「ハンドル操作を誤ってしまって」
Snigel:「心配には及ばないぜハニー。今、助けるぜベイベー」



…と言いつつさっと牽引用のロープを取り出す私。で、慣れた手つきで牽引用のロープを取り付けさっとフルタイム四駆の駆動力を使い彼女の車を道路に戻す。


美人:「ありがとうございました」
Snigel:「ちっちっちっ。礼には及ばないぜ」
美人:「せめてお名前だけでも」
Snigel:「そんな野暮なことは聞いちゃいけねえ」
美人:「でも、何かお礼をさせてください」
Snigel:「そんなものは期待しちゃいねえ。でもそこまで言うならふもとのラブホで『ご休憩』でも



…と、最後で思いっきり本音が出てしまいましたが、こう、颯爽と人を助けるってかっこいいですよね。一度やってみたい…などと考えるのですが、その実、山に行って沼にはまって地元のトラクターに助けられる最馬鹿です。私は。しかも、ジャスコの一万円スーツを着た林家こぶ平が(←私のことねん)、ジープ野郎を気取るなんて度台無理なわけで。もっと言えば、それがオートマの町乗り四駆だとすると…もう論外。


閑話休題。今日の夕方のお話。


ラッシュアワーが始まる直前のCabra Road。図々しく裏道から本線に合流した私。だが、合流した先にいた目の前の軽サイズのDaewooが動かない。数十秒後、中から中年といえば本人から絶対に殴られる、かと言って「うら若き」とは冗談にもいえない微妙な年齢の黒人の女性が車から降りてきて車を押し始める。対向車が途切れた一瞬の隙をついて車を押す彼女の脇をすり抜けたがそこで私の頭が高速回転。


助けるべきか。助けないべきか。


やはり、さすらいのジープ野郎(あくまで当社比)としては彼女を助けるべき。反面、現実問題としてこうなることは目に見えている。


彼女:「急に車が動かなくなったんです」
私:「それは困りましたねえ。ちょっとボンネットを開けてみますか。うーん、エンジンはまだここにありますね。タイヤも4つついてますね」



…なんの助けにもなってないよ。その程度なら生半可に助けなど差し延べないほうがマシといえるわけで。だけど、私のおせっかいな性格が、車を止めてしまった。


私:「どうしました?」
女性:「車が急に動かなくなって」
私:「とりあえず、車を道の端に寄せよう。私が後ろから車を押すから」



で、彼女のDaewooを押した。唖然とした。


私が押した部分のボディが凹んだ。


このボディは紙でできてるの?


私の友人が昔、ホンダのN360のボンネットに何気なく手をついたらボンネットが凹んだと語っていた。そんなの昭和40年代の話で、今の車はいくらなんでもそんなにひどくないと思っていたが、ほかは知らんがDaewooの車は昭和40年代のN360とレベルが変わらない模様。冗談にもこんな車には乗りたくないなあと思う。ちなみにN360のボンネットは裏側から押したら元に戻ったそうな。さらにちなみにこのDaewooのボディは、何もしないでも元に戻った。


Daewooネタでさらに脱線させてもらうと、同僚がまったく同じDaewooに乗ってて、新車で買ったのに1年半でエンジン交換!となった。幸い保証期間内で無料で修理となったそうだが、こともあろうに、借りていた同じ車種の代車も同じ理由で故障!仕方ないから、数ヵ月後に売ることにしたのだが、どこのディーラーも二束三文の値段でしか引き取ってくれない。唯一二束三文よりはちょっとマシな値段で引き取ってくれるといったのが、Daewooディーラー。ただし、Daewooの新車を買ったらという条件付。


あなおそろしや、Daewooトラップ。


話を本題のCabra Roadに戻します。端に寄せた車を見てみると、私が唯一わかることが原因の模様…バッテリー上がり…ってさ、走りながらバッテリーを上げるって、かなりすっとこどっこいレベルが高くないと無理な話じゃあないだろうか。


件の人助け願望のある私はちゃんとバッテリーのジャンプリード(日本語でなんていうんだっけ)を車に常備してある。往来の途切れないCabra Roadで無理やり方向転換して互いの車のボンネットが向かい合うようにしてジャンプリードをつなぐ。彼女に私の車のアクセルを吹かすように命じながらポンコツDaewooのセルを回すと、ばんざーいばんざーい、エンジンがかかった。


言うまでもないことですが、別に私はお金を要求しようとも思わない。人助けができたんだからそれでいい。だけどさ、厚意で人を助けたんだから、心のこもった「ありがとう」くらい言ってもらってもバチは当たらないと思う。だけど彼女は大して感謝した様子もなく(もっと言えば助けて持もらったのが当たり前の顔をして)去っていった。真っ黒になった自分の手を見ながら、「いったいわしは何をしてるんだ」と思った。


結論。助けるのは、やはり若い美人の女性だけにしよう(どうしてそういう結論に至る?)。


2006年10月02日(月) 月夜ばかりじゃねーからな>くされEircomにSmart Telecom

こうこういうことを書くとまた怒られるし、波風も立つのでできるだけ書かないようにしているのですが、でも今日だけは言いたい。アイルランドってホントにダメな国ですね。実は、今日の日記と翌日の日記はとことん暗い内容なので、そういうのを読みたくない方はどうぞ今日の日記は読まないでくださいませ。


決戦の木曜日の後、結局ひでかすが気に入った細切れの家に住むことになった私たち。日曜日に引越しが完了するかと思いきや、5年だか6年のうちにたまった荷物(別名ゴミ)は半端じゃなく多く、ひでかすと私は先週の月曜日に半日休みを取って前の家の掃除。夕方の8時までじっくり7時間もかけて家の掃除。前の大家はきれいになった家に非常に満足した様子で、敷金を全額返金してくれました。


ちなみにアイルランドの感覚では、退去するからってそんなにきれいに掃除をする必要ってないんですよね。そんなことをしなくたって敷金はよほどのことがない限り返ってきます。だけどさ、やっぱり、日本のいい常識はこっちにも持ち込みたい。お互いにシアワセに大家と店子の関係を清算できるならそれに越したことはないじゃあないですか。


で、電気、ガスなどの引越しはあっさりとうまく行った。が、電話・インターネットに関してはとことんまでトホホという結果になった。というか、引越しをして10日近く経ってますが、うちには未だに電話もインターネットもありません。


基本的な問題としては、この家、Eircom(日本で言えばNTT)じゃなくてSmart Telecom(同じく新電電系の会社=ってこんな言い方もうしないのか)。で、大家はSmart Telecomとの契約を先週の火曜日の時点で解約。ところが、Eircomいわく、この家は未だにSmart Telecomと契約してるから私が電話を使うのは無理だという。で、Smart Telecomはもう契約は解除していると言い張る。要はどっちの会社も無責任でまったく責任を取ろうとしてないわけで、とばっちりを受けているのが私というわけ。


くされEircomの悪口は私が言うまでもないと思うが、もう本当に終わっているというレベル。電話をするたびに違うことをいわれる。一番最初に電話をしたときは15分ですべては完了するといわれた。二度目では24時間以内といわれ、3度目では72時間。4度目ではブロードバンドは一度解約しないとダメといわれた。もうこれだけでダメダメなさぽせんであることは自明でして。もうすでに10回近く電話してるけど、電話するたびに一から説明しなおし。どうやら前のエージェントからの引継ぎとかそういうことはしないらしい。同じことを何度も言い飽きた。


今日1時間かけてSmart TelecomとくされEircomに電話をかけて改めて痛感したことは、この国は本当にいい加減王国。だーれも責任をとろうとしない。各社のエージェントはみんな口からでまかせばかりだから人によって言うことがばらばら。くされEircomの自称スーパーバイザーに至っては、自分の名前を言うことすら拒否する始末。そこまで自分の言ったことに責任が取れないのかとあきれるを通り越して悲しくなってくる。


私だってここに7年だか住んでるから、ある程度の我慢はできる。だから10日間待った。そんなある意味我慢強い私をしても、もう今回の件ではとことん嫌気が差しました。


アイルランドは肩の力の抜けた本当にいい国だと思います。だけど、この肩の力の抜け方は、言い換えるとただのいい加減なわけで。今回のような問題が起こると、怒るのではなく情けなくなってきます。こういう約束を守れないデタラメ・いい加減な連中がはたしていつまで現在のバブルという名の我が世の春を謳歌できるか、他人事ながら気になります。


ただ、一言だけ言わせてください。


月夜ばかりじゃねーからな>くされEircomにSmart Telecom


2006年10月01日(日) 決戦の木曜日(2)...ダブリン家がある!シリーズ3その(7)

この私が気に入ってやまない家。大家に私は「気に入りました。住みたいです」と言ったものの、いつもに増して冴えない顔をしているのがひでかす。


私:「あの家にしよう!」
ひでかす:「やだ」



…今、やだとおっしゃいましたか?だとするとなぜ?


ひでかす:「まず、大家がいつも家の周りをうろうろしていると言うことは、プライバシーがないということ。そして、前にも後ろにも庭がない。だったらいったい何のために一戸建てに住むの?アパートと変わらないじゃないか」


うーん、気持ちに冷や水を浴びせることはこのことだ。確かに何か悪いことをするつもりがないとしても、大家が自分の家の周りを常時うろうろしているというのは気分がいいものではない。友達だって呼びづらい気がする。確かに、だったら新築のアパートとすむのと状況は変わらない。


とはいえ、この家にはなんと合計21組の内見があったそうだから、単純計算で5%弱の確率でしかこの家に住めないわけだから、まあ無理でしょう。


というわけで、「つーぎいってみようー」と、私が勝手に本命に決めたバス停から徒歩数秒の3Bedrooms Houseへ。


ベルを鳴らすと出てきたのは、いかにも今作業をしてますと言った感じのオッサン。それが悪いとは言わないけど無愛想。仏頂面。中はいまだに改装中でペンキの缶だなんだが散乱している。というわけで、ほぼ新築同然。きれい。


だが、この家は私に言わせるとかなりがっかり。まず、キッチンが狭いのだキッチンが。キッチンにテーブルを置くスペースがない。さて、私はどこでメシを食えばいいの?


さらに、二階にナゾのドアがあり、そこを開けてみるとなせか螺旋階段が。どうやら屋根裏部屋があるらしい。なぜかこのドアを開けると仏頂面大家が血相を変えて


大家:「ここはダメ!このドアは締め切りにするから」


…意味不明。なんで屋根裏部屋に行っちゃ行けないの?死体でも隠してあるの?だいたい自分が借りた家の中に自分がアクセスできないドアがあるってかなり気持ち悪いことじゃあないだろうか。


さらにひでかすがおかしいけれど言い得て妙なことを言うのだ。


ひでかす:「この家、霊感のある人は何かいるって言うよ」


ふーむ。私はお化けとか超能力とか信じる人ではない。だけど何か感じるのだ。この家の澱んだなんともいえないどよよーんとした空気を。悪いけど前の住人がガス管咥えて死んだとか言っても何も驚かない。別に前の住人が自殺してたとしても気にならないが、この澱みきった空気は気になる。というわけでボツ。


かくして、怒涛の2時間で四軒の内見ツアーは終了。なんとなく疲れ果ててしまった私たしは、そうは言わなかったものの、この中の四軒から選ぼうと決める。


二軒目のどうしようもなく汚い家と、最後の呪われた家は論外。となると、一軒目の古いコマギレ2bedroomsか三軒目の大家と同居の家かのどちらかということになる。私としては大家と同居してもあの家がいいと思ったがひでかすが拒否権発動。というわけでとうぜんの帰結として残ったのは最初の家。


ただ、私に言わせるとぱっとしないのだ。確かに厚化粧をしてきれいに見えるけれどもいいかげんおばあちゃんの家。バスルームがひとつしかないのも気になる。やっぱり大家と同居でもあの家がいいと後ろ髪を引かれる。ただ、21倍の競争率、4倍の競争率の大学も滑ってもんどりうってこけて三流私大にしか合格しなかった私、その難関を突破できるはずがない。


そんなことを話していると、私のケータイが鳴る。小心者の私が電話に出ることをためらっているとひでかすが出る。


ひでかす:「はいもしもし。いえ、Snigelではなくひでかすです。え?ああ三番目の家(大家と同居の家)の大家さん。さっきはどうもでした。え?いやー、いろいろ考えたんですけど、やめときます。え?私たちに鍵を渡すつもりだった?そりゃ残念。でも、ほかにいいところが見つかったのでどうもです。はい。ごめんください」


あ、あ、あ、あんた今、あの家のオファーを蹴った?


ひでかす:「いやー、気分いいねえ。京大を蹴った気分」


ちっともよくねえよ!


続く。




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