なべて世はこともなし
日記アーカイブ(インデックス)へ前日の日記はこちら翌日の日記はこちらアイルランド真実紀行へ


2002年07月31日(水) ああ、無気力...。

なんだか知りませんが、ここ数日、かなりイライラしています。べつに「これ」といった理由はないのですが、ずーっとイライライライラしています。ついでに無気力。ここ数日の日記もなんだか自分でいい加減と認めざるをえないような内容ばかりで。何ででしょうねえ(ここ数日私と会ったという方々、誓ってあなたのせいではありません。)


そんなことを思っていたら、うちのマネージャーが突如やってきて、


「Snigel。新しいクライアントのXX社、キミの担当にするから」


…知らんぞ。どうなっても。まだ勤めはじめて6ヶ月経たない社員に結構大きなクライアントを任せるこの会社は度胸があるのかアホなのか…。ただひとついえることは


お願いだから給料増やさずに責任だけ増やさないでー。


…というわけで、本日はいい加減この上ないですが、これで勘弁してください。明日あたりはもう少し生命力が上がっていると思うので、もう少しまともなことを書きますね。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月29日(月) コドモの頃からの謎が解けた...

私の大きな長年の謎が解けました。ご存知の方も多いと思いますが、まずはこちらをお読みくださいませ。


エレベーター落下 2人けが


 29日午後6時40分ごろ、名古屋市中川区富田町戸田宮田、同市営戸田荘4号棟(5階建て)で、5階へ上昇中のエレベーター(高さ2メートル、間口1.04メートル、奥行き1.52メートル)が突然、4階付近からゆっくりと落下、13メートル下の1階で止まった。

 エレベーターに乗っていた住民の造園業手伝い八神啓子さん(53)と、無職熊井秀子さん(76)が、衝撃で尻もちをつくなどして腰や足を打ち2週間のけが。

 熊井さんは「エレベーターは4階で止まりそうになり、上にいったん浮くような感じがした後、落ちていった」と話している。ロープは切れておらず、箱部分自体に損傷はないことから中川署は油圧系統の故障とみて、30日午前から実況見分し、事故の原因を詳しく調べる。

 調べでは、エレベーターは、油圧式で稼働するタイプで定員9人(最大重量600キロ)。毎月2回の点検があり、保守管理会社が15日に点検した。八神さんは5階、熊井さんは1階に自宅があり、2人は八神さん宅へ向かっていた。
 エレベーターが一階に落下した際、ドアが半開きになり、2人は自力で脱出したという。

 メーカーによると、アパートは1970年前後に建てられ、エレベーターは96年に設置された。

 住民らによると、昨年夏には床に段差ができ、乗っていた人が転倒した事故が発生。異常な音がしたり突然止まったりすることもあったという。



 「いったん上にふわっと浮いてから、下にドーンと落ちていった。放り出されるかと思った」。名古屋市の市営住宅で29日、起きたエレベーター落下事故。事故にあった熊井秀子さん(76)は、疲れた表情で事故の様子を語った。

 付近の住民の間からは「エレベーターは突然止まることも多く、昨年夏にも住民がけがをする事故があった」とマンション管理に不満の声が漏れた。

 熊井さんは市営住宅の1階、八神啓子さん(53)は5階に居住。熊井さんが八神さん宅に泊まりに行くなど仲が良かった。事故後、熊井さんはつえで体を支えながら市営住宅前の歩道に立ち、八神さんは近所の人が持ってきた折り畳みいすに座って、救急車が到着すると歩いて乗り込んだ。

 住民の話によると、事故が起きた市営住宅は昭和40年代に建てられ、付近に約40棟ある市営住宅の中で最も古いという。エレベーターはなかったが、建築基準法改正に伴い1995年にエレベーターが付けられた。

 昨年夏もエレベーターの床に段差ができ、住民が足を引っかけて腰を打つけがをしたという。住民の1人は「エレベーターは普段からキーキー音を立てていて、みんな不安がっていた。修理してほしいと思っていたが…」とあきれた様子だった。


ソース元…zakzak.co.jp


そう、長年の謎とは


エレベーターは落ちるのか?


どうやら結論としては落ちるようですね。


私が覚えている範囲では、


コドモの頃「タワーリングインフェルノ」という映画を見て(内容は高層ビルが火事になるという典型的パニック映画)その中でエレベーターを「重力装置」を使って下に降ろそうとしてエレベーターが宙づりになった(子供の頃に見た得る覚えですので間違っていたら勘弁を)。あれは見てて怖かったです。


これもコドモの頃、「エレベーターに乗ろうとしたらエレベーターが無くて男性が落下して死亡した事件」


数年前、「某会社のエレベーターの試験場でエレベーターが落っこちた事件」


というのがありました。


別にエレベーター恐怖症ではありません。閉所恐怖症・暗所恐怖症でもありません(もっとも暗くて狭いところはいやといえばいやですが)。が、なんとなくコドモの頃から興味があったんですよね。エレベーターが落っこちるかどうか。


で、この話を以前誰かにしたところ、こんなことをまことしやかに聞かされました。


「エレベーターは仮にワイヤーが切れてもストッパーがついてるから落っこちないし、万が一落っこちてもスピードは大したことはない。ゆえに心配ない」


翻って今回の名古屋での事故、確かに4階から落っこちたにしては、女性ふたりのけがの程度も軽そうで、上の発言はまんざら間違っていないような感じです。とはいえ、エレベーターは落ちるんですね。この世には「絶対安全」なものはないということを思い知らされました。


ところで。アイルランドには最近できたビルを除きあまりエレベーターを見かけないような気がします。たとえばヨーロッパの大陸部の都市。4−5階建ての建物にはほぼ必ずといっていいほどエレベーターがついてます。が、アイルランドでは確かにデパートやホテルなどの商業施設はともかくとして、一般の建物ではしつこいですが最近できたものを除きエレベーターはほぼないと言っていいと思います。これって、アイルランドが昔ビンボーだった証拠になるのかな。


ヨーロッパの大陸部の都市にある古臭い建物の古臭いエレベーター。機会があれば一度体験して見てください。そりゃあもう怖いです。良くあるのが螺旋階段の中央に設置されたエレベーター。周りは金網で覆われており、エレベーターはとっても古風な木目調。ドアは手動…なんて当たり前です。いつもどきどきしながら乗るのですが、私は未だ閉じ込められたりした経験はありません。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月28日(日) 頭がでかいということは、頭がいいということ...にしておこう

北半球の現在の季節は夏…だそうで。掲示板にも「Q州は暑いです」なんてカキコがあったりして。そうかー、そうかー、夏なのかー。アイルランドにいる限り、夏というものを体験することはできません。私は暑いのが大嫌いなのでこの夏のないアイルランドの気候はある意味理想的なのですが。


アイルランドにいる限り半袖は必要ありません。今時期半袖で歩くことも確かに可能ですが(真冬でもヘソを出しているアイリッシュはけだものなので除外)「可能」なだけで、「半袖じゃあないと暑くてやっていけない!」という次元のものでもありません。というわけで、半袖の服はすべて箪笥の奥深くで眠っております。ズボラな私にとって、衣更えの必要のないアイルランドはいいところです。


さてさて。大した仕事でもないのに私は会社でネクタイをつけることが義務づけられております。で、当然ワイシャツを着ているわけですが、ワイシャツ10枚以上のうち半分以上は日本で買ったものです。こっちでワイシャツを買ってひとつ大きな問題点に気がついたのです。


サイズが合わない。


何故かは知りませんが、アイルランドではワイシャツを選ぶときに「首まわり」「ゆき」(だっけ、それとも「わたり」だっけ?)のような表示をしないのです。ただ単にサイズ表示。はっきり正直に書くと、私のたけにぴったりなワイシャツでは首まわりがきつく、首まわりに合わせると、今度は全体がぶかぶかになってしまうのです。つまり、


Snigelは首が太い


さらに


Snigelは顔がでかい


という結論に至ってしまうわけです。悲しいですがこれは事実です。アジア人全般に顔がでかいようなのですが、私はその中でもさらに顔がでかいようです。


これ、何が困るかというとプリクラ。女の子と顔を並べてプリクラ写真を撮ったりすると、なぜか私の顔だけフレームからはみ出ます。いつも意識して女の子より一歩下がった立ち位置で撮るようにしてるんですが…それでもうまく行きません。私の顔の方がそれでもはるかに大きいです。実はSnigelが日本にいない理由の一つはプリクラが恐いからなのです(←冗談…の…つもり…です)。


これは子供のときから同じでして。何でも生まれてくるときもあまりの頭の大きさに帝王切開せざるをえなかった…というのはさすがにウソですが、幼稚園のときにはすでに子供用の帽子は入らなかったという。


…ここまで書いて気がついたけど、このネタだいぶ前に書いたような気がする。


最近メールおよび掲示板で「4日かけて全部読破しました!」というご報告を数人の方からいただきました。本当にありがたく思っています。考えてみると、一年と数ヶ月の間、ほぼ毎日原稿用紙にして数枚の分量のばか話を書いてるのですから、全部一気に読もうとすると普通の本並みの量は楽にあります。まあ読んでくださる方も読んだくださる方ですが、書く方も書く方だと、けっこう呆れてしまいました。今日は正直言ってネタ切れしてますが、たいがいの場合毎日これでもかというくらい書きたいことがありまして。いつまで続くかは分かりませんが、これからもよろしくお願いしたいと思います。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月27日(土) いつもこうだといいのだが...。とってものんきで陽気な書店での会話。

土曜出勤。今月4回目…つまり皆勤です。我ながら偉いなあと思います。でもねえ、昨日もらった給料明細によれば、頑張っても手取りの給料にはあまり影響しないのよね。ちょっとモチベーションが下がりました。というわけで勤務中に堂々と日記の更新です。どうせ誰にも私が何をしてるか分からないわけだし。はっはっはっ。


話は木曜日の午後に戻ります。4時で拘束勤務時間が終わった私はその足で町に向かいました。立体駐車場に車を停め行きつけのTemple Barの美容室へ。夏痩せという言葉はどこの国の話やら、一段とお中元のハム状態健康美に磨きがかかったいつもの美容師さんに髪を切ってもらい、そのまま買い物に。久しぶりに街をのんびり歩く。


この日は天気も良く、女性の方々も薄着で町行く人を見ているだけで楽しい。何せ夏らしさを感じるときなんてほとんどないもので。それにしてもこの時期はイタリア人とスペイン人のお子様方が多い。彼ら、10人とかそれ以上の大人数のグループで道いっぱいに広がりゆっくりと歩くもんだから邪魔でしょうがない。まあ、あの底抜けのラテン系の明るさと、ダブリンのクソガキが失った目の輝きを持っているから私は許すが。


で、Grafton StreetをぼーっとSt Stephens Greenに向かって歩くと、当然の帰結としてSt Stephens Green Shopping Centreに到着。ここに来ると私は必ず最上階にあるChapter & Verseという書店に行く。この書店、規模は小さいものの、他の書店に比べて値段が安い。


話は脱線するけど、アイルランドではなぜか本の値段がべらぼうに高い。理由はイギリスポンドがユーロに比べて高価値で、アイルランドに来ている出版物のそのほとんどがイギリスで出版されたもののため…というのもあるが、それ以上に書店に競争原理が働いていないからだと思う。


日本やドイツと異なりアイルランドには書籍の再販制度(定価販売制度)はない。つまりどの値段で本を売ってもいいはずなのだが本の値段はなぜか横並び。私のようになんとなく売れ筋を買う…という主体性のない読者の場合、品揃えよりも価格がすべてになるので、どうもアイルランドの本屋は魅力的ではないのだ。ゆえに、たいがいの場合はイギリスのインターネット書店を使ってしまう。まあ、それはそれで送料が高いという致命的な欠陥があるのだが。


で、まあ、ダブリンで本が安いのはこのChapter & VerseとLeedsという書店のみ。後者はニュースエージェントのついでにやっているような店なので品揃えは話にならない。それに対し、Chapter & Verseは値段もまあまあ安く、品揃えも悪くないところがいい。それでも同じチェーン店のくせして、イギリスの方が値段が安いのは許せないが。


で、Chapter & Verseの明るい店内をぼーっと歩いているとそこにふっと目に飛び込んできたもの。Dave PelzerのA Man Named Dave。3部作の第3冊め…つまり完結編でして…ようやくペーパーバックになったらしい。これは買い。


それを持ってレジに向かう。で、レジで何気なく、レジ係のお兄さんに…


私:「これ、いつペーパーバックになったの?」


と聞いてみた。


レジ係:「ああ、それ?えーっとー、1ヶ月か2ヶ月くらい前かなー」
私:「あっそう、全然気がつかなかった」
レジ係:「A Child called “it”からの3部作でこれが最新版だよ」
私:「ああ、両方読んだよ」
レジ係:「そう言えばねえ、最近この作者の別の作品がペーパーバックになったよ」
私:「え?この3部作じゃなくて?」
レジ係:「ちょっと待ってね(といいつつ本棚に歩いてゆく)。ほらこれ、彼が児童虐待について語った本…。売れてるよ」
私:「じゃあそれも買う。おにいさん、商売上手だねえ」
レジ係:「何を言ってんの!あんたが話し掛けてきたんでしょうが!だいたいボクは本当はここの係じゃないんだから!」
私:「へ?じゃああんたはいったい何をしてんの?そこで?」
レジ係:「ボクの勤務時間は30分前に終わったの!サービス残業してるの!」
私:「あれまお気の毒に…。でもまあ日本に比べたらマシだよ。うん」
レジ係:「まあいいや、今度きたらおまけしてあげるね。はい全部で18ユーロ」
私:「じゃーねー」



…と、まあだらだらと会話を再現してしまいましたが、ダブリンでも一部の人はこんな感じですごく話しやすいです。店員にもいろいろいて、以前の投稿にも会った通り同じショッピングセンターの中でもガイジンと分かると露骨に私を避けるような心の狭い人間がいるかと思えば、このお兄さんのようにフレンドリーで楽しい人もいる。こういう本当にちょっとしたいいことがあるとまたその店に行こうと思うのだが実際のところ、こんな風にならないことの方が多い。まあ、レジ係がお客ひとりひとりと雑談してたら仕事が進まないけどね。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月25日(木) クレーム電話?プロフェッショナルな対応とは?

ここ数日「コールセンタークレーム日記」になりつつあるこの日記ですが、…今日もコールセンターネタ。


午後。電話を取ると電話の向こうは中年の女性。名前を聞きコンピュータのディスプレイを見るとそこには…


要注意人物


の文字。緊張が走る。背中に汗一筋。


女性:「先日送ってもらった小切手の件でちょっと…」


かちゃかちゃかちゃ。…ディスプレイには


「担当:Snigel」


の文字。がーん。私はいったい何をしでかした?支払額を間違えた?名前を書き間違えた?それとももっと深刻な間違いをした?


おーこられるー
おーこられるー

こられるー
られるー
れるー
るー
るー
るー



ついさっき「電話の対応がフレンドリー過ぎる!もっとプロフェッショナルとして電話を取れ!」


なんてスーパーバイザーに怒られたばっか。これは性格だから仕方ないじゃあないか…とは言えるはずもなく。ともあれ、このクレームでまた怒られるネタが増えた。


と、考えること数秒。私は気を取り直して、


私:「はい。何か問題でも?」
女性:「そう。額面1520ポンドの小切手を送ってもらって、受け取ったはいいんだけど…」



…けど何?逆説の言葉の後には良くないことが来るのは常識で。私の背中に汗がもう一筋。


女性:「私ったらばかで小切手無くしちゃったの。えへっ」


脱力。


ちなみにこの後、この女性は町内会の日帰り温泉旅行のバスの中のおばさんのノリになり


女性:「いやー。家の中にあるのは間違い無いんだけどねえ。そう、家の中で何か問題があったら全部ダンナのせいなの!」


これに対し私は


私:「いえいえ。私は男性として言わせていただきますが、何かあったら女性…あなたのせいです」


ふたりで爆笑。


で、電話を切った後、スーパーバイザーに


「プロフェッショナルな対応をせんか!」


と怒られた。うん。この静かなフロアに私の笑い声は本気で響いてたもんなあ。


結論。私はコールセンターには向かない。はあぁぁぁぁぁ。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月24日(水) 電話の向こうのあなたはだあれ?

お客様からの質問。自分の課以外の質問が混ざっていて答えられなくて折り返し電話にしました。そーれにしてもこの人態度デカ吉な人で、思わず私もいい加減な対応をしたくなった。…がじっと堪えた。


で、別の課にメールを打って問い合わせ。で翌朝(つまり今=木曜日の朝)返事が返ってきた。


「XXの件は問題無しです。PSこの人はOO社の社長なのでくれぐれも注意すること」


OO社。…腰を抜かすような会社名が入ります。


前略OO社の社長様。そんなに偉い人ならどうか秘書を使って電話をしてきてください。下手な対応をしてクレームになったりしたら私の昇給査定にもろ響きます。はい。もっと正直に書けば、かなりまずい対応をした気がする。


で、今からこのOO社の社長様に電話をかけます。どうか秘書が出てください…っうかそんなに簡単に社長直通番号を渡すなよ!


電話の向こうはどんな人だか分かりません。日本でも「ブッチホン」なんてのがあったようですし。電話に慣れてきた反面、恐怖症にもなりそうです。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月23日(火) 発見!コールセンター必勝テク

コールセンター(サポセン)も二日目になるとだいぶ慣れてきました。お茶をすすりながら電話の向こうの話を聞いています。実は今だって仕事中だったりして。電話の合間に書いてます。…仕事はたまってますが…。


で、だんだん悪質なテクニックも身につけてきました。たとえば。うちの会社にかかってくる電話は英語50%、ドイツ語40%それ以外が10%という感じです。で、電話にはお客様が何語で話がしたいのかはっきり書いてます。よくある、「お電話ありがとうございます。日本語をご希望の方は1を…英語をご希望の方は2を…」てな感じのシステムがあるわけです。


私の悪質テク。ドイツ語の電話を優先的に取ること。と言っても私はドイツ語など話せません。ゆえに英語でやたらと元気良く


「XX社でーす。おっはようございまーす」(こう活字にするとどっかの失職した県知事みたいだな…)


とオフィス中に響くくらいの大声で答えます。すると相手はドイツ語で何たらかたら言ってきますから…


私:「英語をお話しになりますか?」


すると相手は流暢な英語で


相手:「あれ?私、ドイツ語を選んだはずだけど…」


私はすかさず


私:「申し訳ございません。ドイツ語オペレーターは忙しく私が英語で対応させて頂こうと思ったのですが…。もしドイツ語をご希望でしたらドイツ語オペレーターの順番待ちにお客様をお戻しいたしますが…」


半ば脅迫すると、たいがいのお客様は


相手:「…あー、待って!英語でいいから!」


こうなれば私のものです。実はそれでも4人にひとりくらいは「いや、ドイツ語がいい!」という人もいますが、そんな人は放置。英語を流暢に話せるくせに(まれにそうでなくて本当にドイツ語でないといけないという場合もありますが)英語を話さない方というのはクレームかやたらと難しい問題を抱えているとみてまず間違いありません。そういう人はちゃっかりドイツ語オペレーターに回して、私は簡単な質問などまさにおいしいとこだけ一番搾り状態。けっけっけっ。


ちなみに。私の名誉のために書かせていただきますが、このテクは私の発明ではありません。某航空会社に勤めるひでかすが話していたことを少し応用しただけです。はい。それから、うちの会社の人間全員は英語を話せますが(当たり前だわな)ドイツ語を話せる人間は少ないので、当然ドイツ語オペレーターの方が不足してます。ゆえに、私は完全にウソを言っているわけでもないのです(←言い訳がましい)。


これは海外に住んだことのある方なら間違いなく同意してくださると思いますが、ネィティブの英語よりも、ノンネィティブの英語の方がはるかにわかりやすい。というわけで、ドイツ人からの電話を受けているときはお茶をすする余裕が出てくるわけです。ズズズという音が電話の向こうに聞こえてなけりゃいいけど。


さて、電話が鳴る前に今日の日記を書き終えるとしますか…。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月22日(月) 今日の日記はコールセンター(サポセン)に勤める方に捧げます

現在の会社に勤めるようになって早半年。自分で言うと身も蓋もないが、人並み以上の仕事をし、自分なりに頑張ってきたつもり。…それが思いっきりアダになってしまった。悪夢はスーパーバイザーのこの一言から始まった。


「悪いんだけど、来週1週間『お客様係』の手伝いをして。人手が足りないんだ」


「お客様係」。早い話がコールセンター「サポートセンター」略して「サポセン」なんて呼ばれているようですが。まあ私の会社はコンピュータ関係ではないし、こっちでより一般的な用語「コールセンター」で今後は統一しますが。


私Snigelあえてはっきりと書きますが


電話が大嫌い


です。


確かに英語だからというのもないわけではありません。私の英語力なんて知れてますからそれで電話がいやだというのは確かにあります。とはいえそれ以上に「顔が見えない」ということが嫌なのです。これは日本にいたときも同じ。


電話をかけることはそうでもありません。だいたいの要点を押さえておけば話は割に簡単に進みます。が、反対に電話を取るとなると…。こっちはどんな話が始まるのかまったく想像がつきません。しかもコールセンターに電話をかけてくるときは何かよくないことが起こっているときに他ならないわけで。


そんなばかなことを考える暇がないほど電話はかかってきます。しかもこの電話にはあからさまに波があります。これはスーパーのレジ係をしたことのある人なら分かるはず。ある瞬間にはお客さんは全然いないのに、その数分後にはお客さんの行列ができている。それと同じ。しばらく電話がかかってこないと思ったら、突然相当の人数の人が待っている。


私が何の仕事をしてるのか、具体的に書けないのがもどかしいのですが、私の担当のお客様たち、世界のまさにそうそうたる「一流」と呼ばれる会社に勤める人ばかりです。はっきり言えばある程度の所得がないとうちの会社のサービスは受けれません(私の収入では逆立ちしてもだめですが)。なのに!どうして電話であそこまで子供じみた反応ができるのか。これは謎です。


これは某大手カメラ店に勤めていたときに感じたことですが、電話の向こうにいる人間と、目の前にいる人間は例え同じ人物であっても別人です。例えばこんなことがありました。電話の向こうは気難しそうな中年男性。


男性:「お前のとこで買ったカメラ動かないじゃあないか!今すぐうちまで新しいの持ってこい!」

そりゃあまあすごい勢いで怒ってます。まさに手がつけられない状態。仕方がないので新宿くんだりから新京成線に乗り向かったのは某松戸の住宅街。そこで言われたこと。


男性:「ああ、これはわざわざ遠いところまで申し訳ない。お茶でも飲んで行かれますか?」


まさにへ?状態。受話器を耳から1メートル話しても怒鳴ってるのが聞こえるような怒鳴り方をしていた人とは同じ人とは思えない。何度も客先訪問(クレームの相手先訪問)をしましたが、これは私にとって100%の確率で、「電話で怒っている人も、実際に訪問すれば怒っていない」という法則が成り立つのです。これが私が電話を大嫌いになった理由の一つ。


翻って今日の私。やはりこの法則はヨーロッパでも立派に成り立つようで、まあ電話の向こうには頭のいい5歳児のだだっこがいるようなものでして。「できません」とひとこと伝えるのに費やされる空虚な時間。とりわけイギリス人は何か難癖をつければ何とかなると思っている節が強い。何でもない状況なのに、「責任者を出せ!」なんて怒鳴ってくれたり。


午後3時。私はこれまたハードクレーマーのイギリスの男性客とやりとりをしていた。


私:「ですからこの件に関してはもうしばらく現状維持という方針で行くのが一番かと…」
客:「んなことはどうでもいいんだ。私は今、すぐ、XXして欲しいんだ」
私:「おっしゃっていることは理解できます。私どものやりかた…」



♪はっぴーばーすでーとぅゆー
♪はっぴーばーすでーとぅゆー


突然オフィス中に響き渡る「♪はっぴーばーすでぃー」の声。誰かの誕生日らしく、ケーキを持った数人が部屋に入ってくる。


うるせー!こっちはクレーム対応中だー!


とミュートボタン(保留ボタン)を押して叫びたくなるのを必死にこらえつつ私はお客様に


私:「ですから私たちの方針としては…」


と続けると


客:「あー誰かの誕生日なんだねえ。どうもタイミングが悪かったねえ」


と言ってクレームは終わってしまった。「…はあ、あんた怒ってたんじゃあないの?」と突っ込む暇もなく電話は切れた。


とりあえず今日は精神的に疲れました。今日メールをくださった皆さん、作者は日ごろ以上に感謝しています。まさに「癒し系メール」の数々には感謝するばかりです。…ただお返事については今週末までお待ちいただけると嬉しいです。なにせ作者は完全にテンパってますので。


それにしても、サポセン、コールセンターで働いている皆様、私は素朴に皆様のことを尊敬します。

(この話同時進行につき続く)




日記才人の投票ボタンです


2002年07月20日(土) 某航空会社のサマーパーティーに潜入する

おとといは日記をお休みさせていただきまして、その代わりにひでかすの会社のサマーパーティーにどさくさに紛れて参加してきました。昨日は…単におサボりです。すいません。ちなみに今日も出勤でした。今月は完全週休1日です。


私の勤務時間は午後7時まで。ひでかすは7時30分には家を出たいという。会社から自宅までは最低30分かかる。これはきついということで、私は通勤としては初めてM50を使った。


M50、ロンドンのM25をまねしたとしか思えないダブリンの環状高速道路。私が初めてダブリンに来た96年には確か存在していなったような気がする。ここ数年で急激に工事が進み、今ではダブリンをC型に結ぶまでになった(一部は未だ工事中)。ちなみにロンドンのそれは完全にO型…つまり環状線になってますが。


で、これまたロンドンの真似をしたとしか思えないのだが、ロンドンのM25はテムズ川を渡る橋は有料なのに対し、ダブリンのM50はリフィー川を渡る橋が有料。普通車片道1.3ユーロ。これを往復で使うと一日300円かかるわけでして。…毎日は使えんな。


のみならずこの料金所が渋滞の名所となっておりまして。わざわざ金を払って渋滞に参加するなど愚の骨頂。と私はハナからこのM50をバカにしておりまして。


とはいえ。今日の勤務時間は午後7時まで。夕方のラッシュも終わってるはずだし、ひでかすが早く出かけたいといっていたから一刻も早く帰った方が良さそうだ…というわけで、会社を出て、いつもは近寄りもしないM50へ。


M50へ入った瞬間私はこのばかな決定にとことんうんざりしました。…本線に合流する前からすでに渋滞。もうバックすることもできないし前に進むのみ。そう、この点でもM50は嫌い。普通の道ならどこか脇道に入ることも(…抜け道はほとんどないんだけどさ)バックすることだってできるのですが。


本線に入ると交通量は多いものの、結構なスピードで流れはじめる。…と思ったら急に徐行。…要するに、交通量の多い東名の町田インター付近や、中央道の八王子インターあたりを思い浮かべていただければだいたいの想像はつくかと。


で、料金所の1キロ手前あたりから再び渋滞が始まりようやく料金所を1.3ユーロ払って抜けると流れは格段とよくなったものの、そこに待ち構えているのはオービス(速度自動取締機)。今日も商売繁盛パチパチと光っていた。あんだけ光っているんだから毎日通っている人はスピードを落としそうなものだが。


で、今度はM50からM1に入ると、ダブリン港トンネルの工事のために車線が規制させておりここでも渋滞。ようやく自宅に着くと、所要時間30分。ちなみにいつもの裏道を駆使した通勤路では35分


結論。たった5分のために1.3ユーロも払うほど私は時間を惜しむビジネスマンなんかじゃない。さようなら。M50。


…で、自宅から久しぶりに貧乏人の乗り物バスに乗り町へ。バスに乗るのは本当に久しぶり。なにせ町までバスで20分以上かかる道も車なら最速7分。まさに禁断の果実の味を知ってしまった不精者の私。


ひでかすは某航空会社の社員。そのオタクな知識を駆使して社内では結構使える人間として通っているらしい(自称)。で、ひでかすは社内の人間をいちいち私に紹介してまわる。


しかしまあ何度かパーティーを主催したことのある私にしてみると、このパーティー、あからさまにコスト削減を狙ってまして。飲み物はすべて有料で、のみならずおつまみはピーナッツとポテトチップスだけ。…まさかこれだけかと思っていたら、忘れたころになって貧相なサンドイッチとこれまた貧相なオードブル皿が出てきた。…この会社大丈夫かなと思わず不安になる。


で、宴たけなわのころになって、何でも社内で数日前にアンケートを取ったという「何でもナンバー1」をノミネートするという企画。この企画でも、賞品は貧相なトロフィーと1000円相当のチョコレート。ただ、企画自体はおいしいので今度うちの会社のパーティを企画することがあれば使わせて頂こう。


さらには大くじ引き大会が始まる。賞品は…あわせて1000円相当のワイン2本セット。と思っていたらその次の一等賞品(2本)は


世界中某社のネットワーク内ならどこにでも行ける航空券


そう、世界中。ヨハネスブルグだろうとチャーチタウンだろうとリマだろうと行けてしまう。そりゃあ敵は航空会社ですよ。だけどこのピーナッツとポテトチップスのみのテーブルと「世界中どこでも行ける航空券」の落差は何なんだ?


この晩、いろいろな人と知り合いになれました。やはりガイジンが多い会社はおもしろい。この会社も多分半数以上はアイルランド人以外の人間で、しかもみたとこヨーロッパ以外の人間も結構います。インド人にアフリカ人に日本人に…等々。で、みんな元気だわ。翌日ぼーっとした状態で仕事をしながら私は自分のオッサンぶりに情けなくなりました。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月17日(水) ハゲマッチョに手取り足取り教わったこと

会社と自宅の通勤路の途中に新しくジムができました。で、ビールっ腹が気になる今日このごろ、プールもあるそうなので早速メンバーになり、本日行ってきました。「グループインストラクション」に。


グループインストラクション。要するに、ジムの器具の正しい使い方を知らないと話にならないから、10人くらいの小人数のグループで正しい使い方を学ぼうというもの。きっと体がきれいに引き締まったきれいなおねえさんが親切に手取り足取り教えてくれるに違いない…とわけのわからん妄想を胸に今朝出かけてきました。そう、出勤前にジムに行こうという無謀な計画。


で、くだんのジム。外から見るとあからさまに未だ工事中をいう趣。外には未だに建設用の機材がうろうろしているし、このくそ寒い中上半身裸のとび職のおにいさん方も多数。入り口のドアは未だに取っ手がついておらずその代わりに紐がくっついており…本当にオープンしとるんかいなと不安にさせてくれるには十分でして。


で、中に入るとほとんど人はおらず、これまた誰もいない更衣室で着替えてレセプションに戻ると受け付けの暇そうなおねえさんが


「インストラクション?あっそう。じゃあ、そこで待ってて」


と指差すのは受け付け脇の休憩室のような場所。見るとそこにおばさんが暇そうに早朝だというのにポテトチップスを食っている


そうこうしているうちにインストラクター登場。インストラクターは体の引き締まったきれいなおねえさん…のはずはなく、そこにいたのは中年ハゲマッチョ。まあ、世の中そんなもんですよね。


で、ハゲマッチョは私たちふたりと握手して


マッチョ:「じゃあ、始めましょうか」


え?実は私たちふたりだけ?


マッチョ:「まず始める前にひとこと。(ポテトチップスを食べていたおばさんに向かい)ジムには運動靴を履いてきてくださいね。そういうサンダルではなく」


そう、このこのポテトチップスおばさんはジムにサンダル履きで来ていたのでした。…いったい何しに来たんだか。


で、ジムに行くと、中には一人かふたりの利用者、暇そうな3人くらいのインストラクター、さらには大勢の建設作業員のおにいさん方。なんだか建設中のマンションのモデルルームを見に来たような気分になる。


で、このポテトチップスおばさんはサンダル履きなのでジムの器械に触ることを許されず、私だけが実験台にされ、ハゲマッチョは彼のマッチョぶりを自慢するかのようなデモンストレーション。なんだかすんごい濃い時間でした。あ、ハゲマッチョはすんごく親切丁寧だったので感謝をしております(じゃあ、ハゲマッチョとか書くなよ)。


というわけで、これからはジムでも人間観察をしていこうと思っています。…良かった。ネタが増えた。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月16日(火) 入国審査時にこんな質問があるかもしれませんのでご注意を...

7/2の日記にちょろっとだけ書いた新しいうちの住人のブラジル人の女の子。ニセ金髪にやたらと胸と足の露出を強調する服装に…と、ちょっと私と波長が違う女の子だという話をしたような気がする。


それ以来日記に登場しなかったのは実は彼女、うちに来るなり某国に「バカンス」に行っておりまして。もとから小麦色だった肌をビーチでさらにされいに焼いて帰ってまいりました。


で、彼女のルックス、私に言わせると、「田中角栄の孫娘のブラジル版」なんですが、これは私の目がおかしいからでして、一般的にはセクシーで魅力的…と取る男どもの方が多いらしい。


で、彼女の昨日のダブリン空港のイミグレでのお話。彼女はブラジル人につき、「Non EU Passport」保持者の列に並んでいたそうな。で、彼女の番が来た。入国審査官は中年のおっさん


審査官:「どれくらいアイルランドにいるの?」
彼女:「私はここで働いています」
審査官:「どこに住んでいるの?」
彼女:「XXです」
審査官:「XX?君の行きつけのパブはどこ?」



…こら、おっさん、職権濫用してナンパしてんじゃねえよ!


世界広しといえどこんなことが通用するのは多分アイルランドだけだろうなあ。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月15日(月) フォトエッセイ どっちやねん?!

本日はフォトエッセイなるものを作ってみました。
もろもろの都合上、日記ではなく、エッセイのコーナーにアップしました。
んで、ちょっと時間がなかったので、ホームページのエッセイのコーナーの表紙からはまだリンクを張ってません。というわけで、エッセイはここからどうぞ。

↓投票ボタンを押してから行ってくれるとすごく嬉しいです。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月14日(日) ダブリンで唯一高速道路を走る幻の路線バス76A

土曜日。私が休日出勤している間、うちの同居人ひでかすはショッピングセンターをはしごしたらしい。ダブリンにはここ数年に郊外型のショッピングセンターが相次いでオープンした。90年代の始めにTallaghtにThe Square、98年にBlanchardstown Centre、翌年にはLiffey Valley shopping Centre、さらについ最近SwordにPavilionとかいうショッピングセンターもオープンした。。各ショッピングセンターはそれぞれ映画館を併設していたり、広大な売場面積を誇っていたりして面白い。


ひとつのショッピングセンターは、それ自体がある意味ひとつの街でして。だいたいの店は揃っている。なのに、世の中にはひでかすのようにいちいち各ショッピングセンターの値段を比較しないと買い物ができないという人もおりまして。


そういう人も車さえあればこれらのショッピングセンターはM50というこれまた最近できた(まだ一部工事中)ダブリン郊外をC型に結んでいる高速道路を利用するとあっという間に着くからいいのだが(渋滞してなければね)、問題は車がない場合。ダブリンのバス網はシティセンターから放射線状に伸びているため、これらのショッピングセンターをはしごしたいといった(考えてみると奇特な人ですが)郊外から郊外に移動するときは本当に不便な町。


いちおう数は少ないものの、この放射線状に伸びたバス網どうしを結ぶバス路線も存在する。例えば、76Aという路線。The SquareとLiffey Valley、さらにはBlanchardstown SCの「ダブリン3大ショッピングセンター」を結ぶ。しかも、ダブリンバス路線で(ラッシュ時のごく一部の急行を除き)唯一の高速道路を使う路線でもある。


このように書くとすごく便利が良さそうだが、実際のところ一日8往復(日中およそ2時間に1本)しか運行されておらずまさに幻のバスと言った趣。


あーあーあー、前振りだけで相当な行数を使ってしまったが、とにかくですね、物好きなひでかすはこのバスを使ってThe SquareからBlanchardstown SCまで行こうとしたんだそうな。


で、Tallaghtでバスを待っていると、意外にもバスは定刻通りやってきてひでかすはさっそく乗車。Clondalkin(しっかしどうしてこうアイルランドの地名はスペルしづらいのばかりなんだろう?)などの郊外の住宅街を縫うように走りバスは高速道路(M50)へ。ここ、ダブリンにたった二つしかない有料道路。関係ないけどM50、通勤に実は便利なのだが料金所は万年渋滞しており私はまず利用しない。ついでにどこから持っていたのかオービス(速度自動取締機)まであるし。


ともあれ、ひでかすの乗ったこのバス、2階建てのバスを使っているのにお客は10人以下。まあだからこそ2時間に1本しか運行されてないんだろうけど。で、料金所を過ぎた段階でずっと調子の悪かったエンジンがついに止まってしまったそうな。次のインターチェンジまではおよそ1キロ。こともあろうにまさに高速道路のど真ん中で故障してしまったボロバス。


運転手は何とかエンジンをかけようとするのだがかからない。まさかバスをバイクのように押しがけするわけにも行かず(…というかダブリンバスはオートマだった)数分頑張った運転手はひとこと


「悪ぃ、バス壊れたから、降りて。次の交差点まで行けば、別のバスがいっぱい走ってるから」


もう一度申し上げますが、これ、高速道路でのお話。このアホ運転手は客に「高速道路を1キロ歩いて次のバス停まで行ってくれ!」と言っているわけでして。当然お客はブーブー言って誰も降りません(当たり前だわな)。あんな交通量の多い高速道路を歩くというのはまさに自殺行為です。だいたい公共交通機関の従業員の第一任務は「乗客の安全輸送」ではないのだろうか?


ところが、神はこのバスを見捨てなかったようで、数分後なんとかエンジンはかかり、バスはだましだまし運行できる状態になったそうな。で、運転手はなんとかバスをBlanchardstown SCまで引っ張って行ったそうな。…途中のバス停で待っていた乗客を一切無視して。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月13日(土) 遊園地と女の子の皮肉な関係について

もし、「Snigelさんとお出かけしたい」という奇特な女の子が現れたら、私は迷わず遊園地に誘います。上下左右移動系、絶叫系、大好きです。もうフリーフォールなんて一日乗ってても…それは多分死ぬな。並ぶのは嫌ですが、だからこそ遊園地には女の子と出かける価値が出てくる。男と並んでいても淋しいだけだが、女の子とならあんなことしたりこんなことしたり(…作者の妄想拡大中につきしばらくお待ちください)。


…なのに!このアイルランドには遊園地がない!


…というかヨーロッパには遊園地がありません。東京なんてある意味私にとて夢のような場所です。ディズニーランドに(「あそこは千葉だ」という突っ込み不要)後楽園、豊島園にサマーランド、よみうりランド(「あそこは川崎」という突っ込みもいりません)に多摩テック、さらには荒川遊園地に花やしきまで、まあ、ぱっと思いつくだけでもこれだけの信じられない数の遊園地があるわけで。


翻ってこちらヨーロッパ。一番近所にあり、かつ最大規模なのはパリのディズニーランド。そう、それ以外にはないのです。私が知る限りではおとなりイギリスにはドーバー海峡あたりのハーバーにあるちっちゃいの(私に言わせるとあれはゲーセン)を除くと、かのロンドンにも遊園地はありません(あるなら掲示板で突っ込んでください)。


他の遊園地といえば、ウィーンにひとつあり、あとはスウェーデンはゴテンバーグ(日本語では「ヨーテボリ」って言うんですか?自信ないけど)にあるのを知ってます。私の知る限りではこれだけ。ともあれ、ここ、ゴテンバーグ出身のスウェーデン人の元彼女とクリスマスに一緒に帰省(「寄生」と書けなくもない)したときに丘の上にこの遊園地を発見したのですが、何せ季節は冬。スウェーデンの冬は寒いです。氷点下の寒さの中、降り積もった雪を掻き分けてまで遊園地に行こうという酔狂な人間はあのバイキング軍団にはいないらしく当然閉園中(だったらしい)。


で、「次の夏に一緒に行こうね」と約束したものの、私はその次の夏に今の彼女Mausiと出会ってしまい結局それ以来スウェーデンには近寄っておらず、当然その遊園地にも行ってません。ともあれ、これらの遊園地も東京のそれに比べると本当にささやかです。


で、一番最近行ったのはパリのディズニーランドです。ここ、数年前初めてパリをイタリア人の女の子と訪れたときに私が強硬に「行きたい!」と主張したものの却下され、かなりの遺恨を残していたのですが、晴れて去年の冬にMausiと訪れまして、二人でメリーゴーラウンドのお馬さんに乗るほどの痛いカップルになりきりスペースマウンテンには3度乗るほどのはしゃぎようで、本気で楽しませていただきました。


あ、あくまでちなみになんですが。行ったことのないフロリダのディズニーランドは知りませんが、基本的に日本のもパリのもアトラクションは同じです。例えばカリブの海賊がまずジェットコースターのようにレールに乗って上にあがるところから始まるとか、スペースマウンテンがカタパルト発射するとか、そういう細かい違いはありますが基本的に同じ名前のアトラクションだったりします。ゆえに、パリに来たからと言ってディズニーランドをわざわざ訪れる必要はディズニーランドマニアでもない限りないような気がします。


ここまで書いてふっと思い出したのですが、私が生まれて初めて女の子とお出かけしたのもやはり遊園地でした。今にして思えばどこが魅力的なんだか全然分からない女の子(おいおい、彼女が万が一この日記を読んでたらどうするんだ?まあ、彼女は私がアイルランドにいることも知らないはずだから平気だろうけど)を必死の思いで誘い出して、ようやく行ったのがよみうりランド。…今にして思えばディズニーランドや後楽園でないあたりが私の性格の奇特さをすでに表している気がする。


別に彼女とキスしたとか何だとかいう甘い思い出はいっさいありません。ただ行っただけです。はい。


そう、大学時代。彼女のいない暗い暗い生活を送っていた私。当然遊園地に行く機会もなく。いま、こうして彼女がいるようになったのに、今度は遊園地がない!なんとも皮肉な人生送っています。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月11日(木) 単なる作者のごたく(読み飛ばした方が身のためかも)

某国の総理が平日にオペラに行ったのはたるんどる…ということに某国ではなっているそうですが、私はこの一言を素朴に褒め称えます。


「そう(たるんどると)言う人は芸術を理解していない」


確かにこの国、国債の発行額や年金など破綻寸前の爆弾を多数抱えながら破局に向かってまっしぐらのように見えます。こんな非常時に趣味のオペラに行くなどもってのほか…という理論には一見説得力がありそうです。


が、こういうふうに考えてみましょう。一家の大黒柱のお父さんが病気になり入院しています。別に今日明日持つかどうかという事態ではないものの油断は禁物。こんなお父さんをずっと看病していては疲れます。面会時間外の数時間にカラオケに行ってストレス解散をする…それで翌日からまた頑張って看病できるなら私はそれはそれでいいと思うのですが。


…はっ、もしかしてこれって、アイルランドに長く住みすぎて私が怠け者になってきた証拠なのかな?


ついと時事ネタを持ち出したのでもう数行だけ書かせていただくと、どうもこの某国の総理の人気、まあ最初が異常だったとはいえ下がる一方のようで。でも考えてみると、この国の景気がいつまでも悪く、ろくな政治をしていないのって総理の任期が短すぎるからだとは思いませんか?毎年ひとりかそれ以上の割で総理が変わるというのは何かがおかしいと思います。


だって、どんな人だって、総理の椅子に座って最初の数ヶ月は何もできないと思う。数ヶ月あるいはそれ以上の期間を経てはじめて本領が発揮できるわけで。本領を発揮しはじめたころに次の総理にバトンタッチしていたりしたら…そりゃよくならんわな。


…すいません。こんなごたく誰も聞きたくないですよね。今後は書かないようにします。ちなみに私、上に書いた総理が実力を持っているかとかそういうことは一切関知しておりません。この総理を支持しているかどうかもノーコメントですので。そう、このホムペは政治・宗教その他にいちおう中立の立場ですのでよろしくです。


もう大分前の話になりますが、6/30に書いた日記についてたくさんのご意見を掲示板・メールにて賜り、本当に感謝しております。また、個別にお返事をしていない非礼をこの場を借りて心からお詫びさせていただきます。この一見で書くことについて考えさせられました。


結論:私は今まで通りやります。


どうしても書くことによって誰かを傷つけたり不快な思いをさせたりすることがあると思います。これはある意味諸刃の剣だと思います。多くの人が「面白い」と言ってくださる裏にはどうしても少数の不愉快になったり怒ったりする人が出てくると思います。


「アイルランドお天気紀行

7/11 今日もダブリンは雨でした。今年はとっても天気が悪いです」



…とでも書き続けていれば確かに誰も不愉快にはならないでしょうが、反面だれも読んでくれなくなることは火を見るより明らかです。


私はそういう不愉快になったり傷付けたりする人を最小限にするようけっこう気をつけて書いているつもりですがそれでも書いている以上そういうふうに感じる人も出てくると思います。そういう人を見捨てるつもりはありません。が、ある意味でのご理解を得たいと思います。私はとりあえず今のまま行きますのでよろしくです。


以上、本日は完全に作者のごたくの日記でした。失礼いたしました。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月10日(水) 象牙海岸にて

私のお仕事は世界中からお手紙(請求書という人もいるようですが)を受け取って、それを調理するのが仕事です。いろんな国からそれはやってきます。が、しかしですねえ、このお手紙の出所


Republique de Cote d’Ivoire


ってどこなんですか?


まあ、フランス語なことはすぐ分かるから多分アフリカの旧フランスの植民地だろうなあ…と思い、インターネットでサーチをかけると、あった。日本名


象牙海岸


私の記憶はもう15年も昔の中学校の地理の時間へ。アフリカの授業をやっているときに、この地名を地図帳で見つけて「へえ、こんな名前の国もあるんだなあ」と思った。なんとなくこの国の場所も覚えている。確か、赤道ギニアとかいう国の近所だったような。ともあれ、私と象牙海岸の結びつきはこれくらいでして。


私の仕事は、お手紙がどこから来たかを地図帳で確認することではないことは当然のことでして。で、このFCFAとかいう聞いたこともない通貨をシステム上でまともな(…と言ったら象牙海岸の人に殴られるか)通貨に変えねばならない。何せ


2,750,256FCFA


と言ったところでいったい安いんだか高いんだか私には皆目見当がつかない。


これがまた難儀な作業でして。まあ、この通貨が大体4000ユーロなことはインターネットを使って調べがついた。が、それは又問題の根本的な解決にはならず。何せ、システム上でこの通貨を発見せねばならないわけで。


で、何とかフランと呼ばれる通貨は、旧フランスの植民地を中心に結構多くの国で使われていることが判明。今システム上で数えたら本家のフランスフランを含め約15の何とかフランが世界中にあるらしい。


が、しかし!この「象牙海岸フラン」(と呼ぶのかどうかは私は知らない。大橋巨泉にでも聞いてくれい)だけはどうしても見つからないのだ。


仕方なくITチームを内線で呼ぶと


「ぞーげかいがんふらんーー?」


と声を裏返されてしまった。


で、苦節15分。結局象牙海岸フランは見つかりませんでした。


そう言えば竹内まりあの初期の歌で「象牙海岸にて」って曲なかったっけ?もしそうなら竹内まりあはこの曲を歌いながら象牙海岸の通貨に思いを巡らせたかどうか聞いてみたい(←巡らせてねえよ)




日記才人の投票ボタンです


2002年07月09日(火) まあこれくらいで怒っていたら神経が持たないんですが...くされ銀行のお話

先週あたりの日記に書いた気がしますが、私は借金が大嫌いです。クレジットカードも意地でも翌月一括で処理します。年利18%だか正確には覚えていませんが、なんでそんな金利を払わねばならんねん。…あ、つまりはケチなのか。


ともあれ、先月も例によりカードを使いすぎました。で、給料が出てまだ間もない現在がある意味この借金返済のチャンスでして。今月末の給料日までの約20日を生活するだけの最低限の金額を残して、それ以外はすべてクレジットカードの返済に充てました。えらいなあ、俺って。


ここまでは良かった。


で、今日、きちんとお金が移動したか信用できなかったので(アイルランドに長くすめば住むほど疑うことを覚えます)、インターネットバンキングのサイトで自分の口座を確認してみた。


ん?口座がマイナスになってる!


よくよく調べてみると原因はすぐに分かりました。


クレジットカードの自動引き落としが入っている!


そう。私は自発的にお金を払ったので、自動引き落としは免除されるはず…だったにも拘らず、なんとこのくされBank of Irelandとそのクレジットカード関連会社は私のなけなしの口座からクレジットカード利用料金の二重取りをしやがったのです。


速攻でカスタマーサービスに電話。まあ、午後7時にカスタマーサービスが営業していることは評価する。ともあれ...


カスタマーサービス:「ええと、私どもの記録によると、自動引き落としは7日。お客様の自発的なお支払いは8日になってますね」


…キレるぞ。こら。じゃあ、このインターネットバンキングにはなんで両方10日に支払いになっているねん。だいたい、私がインターネットで支払いをしたのは先週の話だぞ。どうして、インターネットでやったことがすぐ、少なくとも翌営業日に反映されないんだよ!


大筋そのようなことを伝え、私はひとこと


私:「ゆえに、金返せ!」


すると


カスタマーサービス:「明日銀行に行ってクレジットカードを使ってお金をおろしてください」


…お前なあ、それくらい小学生でも思いつくぞ。なんでわしがわざわざ電話してるか分かってるのか?


カスタマーサービス:「しかし私には返金の権限がないのでできません!」


私は今日は素直に諦めた。…話すだけ無駄。スーパーバイザーコールにするだけの気力もなかったので私は放置することにしました。今日からしばらく、近所の店でもカードで支払いしてやる。まったく。


そう言えばやたらトタブルの続いた日本の某銀行も取りすぎたお金はすぐに返金してましたよね。というか、取るのを忘れてたんだっけ?


PS:本日たまっていたメールのお返事を一気に書かせていただきました。とはいえまだ終わってません。必ずお返事を書きますので、今しばらくお待ちくださいませ。言うまでもなく、皆様のメールは感涙しながら読ませていただいております。ですからお返事が遅くても作者のことを見捨てないでくださいね。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月08日(月) PSY・Sですがすがしく朝を過ごし北アイルランドの上司に泣く

PSY・Sという名前のユニットをご存知でしょうか。邦楽です。かれこれ6年前に解散してしまい、それから私が日本にいないこともありボーカルのChakaがその後もソロで活動しているかどうかも知らないのですが、とにかく私はこのユニットが大好きでした。


で、今朝、本当に久しぶりにPSY・SのアルバムSignalを車の中で聞いてみた。このアルバム、聞きすぎてCDのくせして聞きつぶして(傷だらけになってダメになり)また新しいCDを買い直したという代物。もう12年も前に世に出たアルバムなのにまったく古さを感じさせない。気がつくと私はGimmickやMighty Smileをハンドルを叩きながら大声で歌っていた。朝から元気だと自分で思った。


で、会社に到着。実は私、ドイツ語が話せないのにドイツ語マーケットにいたのですが,ついに先週月曜日(つまり今月初め)から左遷配置転換されました。今度はイギリスマーケットです。まあ、日本マーケットがないのでいちばん自然な判断なのですが。


ところがここの主任さん、数ヶ月前にサッカーだかラグビーだかをやっている最中に大怪我してそのまま入院。で、それが直るやいなや彼女といっしょにスペインのなんとか島に行ってしまい…。つまり、数ヶ月病欠・年休を駆使して会社から脱走していたわけで。


今書きながら改めて思ったのですがすごい話ですよね。日本だったら、まあ、怪我は仕方ないにせよ、怪我の直後に年休を取ってしかもスペインに行くとか…まあ、日本のフツーの会社ならクビが飛びますな。それとも「療養のため」とか言ったのだろうか。それにしても、スペインのビーチで療養とはいまいち説得力に欠けるような。


ともあれ、この主任さんが長い休暇というか病気の後ついに昨日戻ってきたのです。私は困った事態に陥りました。


彼が何を言っているかわからない。


実は彼、北アイルランド出身。バリバリの北のアクセントに慣れていない私には彼の言っていることは


「ハァ?」


でして。


いや、もっと正確に言えば大体のことは分かります。気をつけて聞いていれば。が、一生懸命聞くことに集中すると理解できない!理解できても自分の意見までは構築できない!


というわけで、私たちの会話はこんな感じです。


主任さん:「OOがXXして、★★だから、これは**にならなければいけないわけだ。つまりここをOOして、☆☆したら♪♪になるわけで。あーだこーだぐだぐだぐだぐだ」
私:「要するにお客さんに連絡すればいいわけね」
主任さん:「そう」



…無愛想な人間だとは、ま、思われていないだろうけど。そのうち慣れることに期待するか、それとも、Ananさんとこのダンナに北アイルランド英語のレッスンでも頼もうかな。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月07日(日) 男ふたりで日帰り国外旅行

また二日も日記の更新をサボってしまいました。今回の言い訳は「休日出勤」土曜出勤だったのです。そう、ゼニのためなら私なんでもいたします(←ウソ)。もっとも、この言い訳じゃあ金曜日のおサボりの理由にはならないわけですが。


ちなみに私、本日、国外旅行に行ってまいりました。日帰りで。まあ、「海外旅行」という言葉を使わなかったところから、お気づきの方はお気づきでしょうが、そう、「北」に行ってきたのです。


別に何の目的があったわけじゃありませんが、ただ暇だったので行ってきただけです。強いて理由を挙げれば、ひでかすの同僚がN1(国道ダブリン=ベルファスト線)を北上し、北アイルランドに入った最初の町Newry出身で、彼がNewryのことをやたらと誉めるので、これはいい町に違いない…ということになったわけ。


で、N1を北上すること1時間ちょいでNewry着。地図をご覧になれば分かると思うけど、ダブリンって考えてみると便利な場所にある。ちょうどアイルランドの中心にあたる場所にあるのだ。てなわけで、アイルランド中のたいがいの場所には車で5時間以内で着けると思う。北アイルランドについては車で1時間ちょいでついてしまう。


で、Newryに着き私たちは肝心なことを忘れていたことに気がついた。


本日は日曜日


…それがどうしたという方々。なぜかは突っ込まないで欲しいのだが(無知)北アイルランドでは(というか多分イギリスでは)日曜日、すべての商店が休みになってしまうのだ。つまり、当然の帰結として、町はゴーストタウン化しており、挙げ句の果てには、北アイルランドに入るなり雨が降り始め(コメディの定石)、ひでかすとふたり


「どうしようか」


と顔を見合わせる。雨の人気のない町でやることがあるはずもなく。


なぜか開いていたNewry市内のショッピングセンターに避難。おーおーおー、北アイルランドのくせして店が日曜日に開いている。おーおーおー、そこにあるのはSainsbury(イギリスに行ったことがある方ならおなじみのスーパー)。んなもん南(共和国)にはないぞ。というわけで、ふたりでスーパーを見てまわる。なんだか男ふたりが情けない。


で、ふとオフライセンス(酒)のコーナーに行くと私たちは大発見。…というか忘れていた真実を思い出す。


北アイルランドではビールが安い。


イギリスはユーロへの参画を拒み、イギリスポンドはユーロに比べはるかに高価値。というわけで、わざわざ北アイルランドくんだりまで来て買い物をする価値はまったくないのだが、酒は別。なぜか安い。2-3割は安いのではないだろうか。


私は急遽トローリー(カート)を持ってきて、カールズバーグを買う。その脇をアイリッシュのおっさんが巨大なトローリーをギネスのみで埋め尽くし通過していく。…多分このスーパーの酒の売り上げはほかのSainsburyよりはるかにいいだろうな。


というわけで、本日は酒を買いに北に行ってきた…ということになりますな。ま、いいか。


で、オチ。ちゃんとあるんです。その夜は冷蔵庫に残っていたアイルランド版のカールズバーグを飲んでました。で、ふと買ってきた北アイルランドのカールズバーグを見て発見。


あれ、北アイルランドのカールズバーグの方がアルコール分がはるかに低い!!!!


そう、安いには安いなりの理由があったのでした。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月04日(木) ダブリンのアングラ社会を垣間見る?! ダブリンはドロボー天国だった?

先週2度にわたって自宅の庭でバーベキューをする羽目になった。実は3度目の予定もあったのだが、それはさすがに却下。なんでもうちの同居人の女の子の言葉を借りると


「アイルランドでバーベキューができるのはこの数週間しかないの!だからやるの!」


だそうな。で、結果、日曜日のバーベキューは見事に大失敗。

激寒




…ま、アイルランドで天気がいいのを見越して何かをやろうとするとこうなるという典型的な例ですな。


ちなみに今年の夏は(「夏」という概念がこの国になるのかどうかは大いに議論の余地があるが)どうも例年にない天気の悪い冷夏らしい。言われてみると、ずっと天気が悪いし、7月になったってのに、家では暖房を使ってるし、今も外はしとしとと冷たい雨が降っているし。


で、まあ、これは今日の話の前振りでして。


バーベキューをする前に当然買い出しに車で行くことになった。で、数日前の日記にも出てきた、Omni ParkというショッピングセンターのTescoに買い物に。途中、某交差点の右折レーンで信号待ちをしていた私とひでかす。


すると直進レーンで信号待ちをしていたのは(人のことは言えないが)ぼろ車に乗っていた「いかにも」といった感じの二十歳前後の男4人。で、後ろの席の右側に乗っていた男が助手席のひでかすに窓越しに話し掛けてくるのだ。窓を開けると男は、


「このノートパソコン買わない?」


…おまえ、それ、盗品だろうが…。


ひでかすは一言


「ノーサンキュー!」


と言ったのでそれっきりなのだが、もし、「買う」と言ってたらどうなってたんだろう。謎が残る。


で、この交差点から程近いバス停で私がバスを待っていたときのこと。…と言ってもずいぶん昔の話でして、未だに世の中ではケータイではなくポケベルの方が流行っていた…という頃のお話。まあ、たった5年くらい昔の話なのですがずいぶん昔に感じますね。


ともあれ、私がバスを待っていると12−3歳くらいのガキが私のところにやってきて、


ガキ:「1ポンドくれ!」
私:「何でお前に1ポンドやらなきゃいけないんだよ!」
ガキ:「バスに乗るのにいるんだよ」
私:「それと俺とどういう関係があるんだよ!」



するとガキは手に持っていたポケベルを差し出し


ガキ:「1ポンドくれたらこのポケベルやるよ。モトローラの最新版だぜ」
私:「ふーん。ポケベルの番号は何番?」



…ガキはいなくなった。


読者さんの報告によれば、最近夜のAbbey Streetで、アイリッシュが中国人におそらく盗品と思われるケータイを売っている姿が数回目撃されているそうです。というか、私もそれらしきものを見ました。「これは大丈夫。安全なやつだから」なんて言って。…もしかして、ひでかすと私、ノートパソコンを本気で買うと思われていたのかな?だとすると、ちょっと悔しいなあ。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月03日(水) 車は来た。やはりラジオは欲しい...(後編)

おとといの日記の続きです。


土曜日の午後5時。ショッピングセンターもそろそろ人の波が引いてきたころ。私はOmni Parkの中にあるカー用品店へ。


私:「かくかくしかじかでこういうコードを探しているんだけどある?」
店員:「ああ、あるよ」



おお、何と運がいい。私は素朴に喜ぶ。で、このおじさん店員、さっそく棚の奥をあちこち見るが


店員:「ごめん。やっぱりないや」
私:「どこに行ったら手に入る?」
店員:「Drumcondraにやはりカー用品店があるから、そこに行けば何とかなるかも。…あ、でもそこ5時30分に閉まるよ。急がないと」



というわけで、私はDrumcondraまで猛ダッシュ。途中、ダブリン港トンネルの工事のあおりで一部の道が閉鎖されていたりして余計な時間を取られつつ、なんとか5時30分ちょっと前に言われたカー用品店へ。で、いかにも感じの悪そうなおねえさんにそのコードがあるかと聞くと、


「ない」


猛ダッシュで駆け抜けてきた20分は、コンマ数秒で否定されたのでした。


仕方がないので、再びOmni Parkへ。さっきの店員さんの話では(部品として)注文も受け付けてくれるそうなので数日かかってもこの際やむを得ないかと思ったわけ。この期におよんでこいつらを信用するまあ私はなんて人がいいんでしょうねえ。


で、6時の閉店数分前にOmni Parkのカー用品店に戻ってくる。カウンターではさっきの店員さんと地元の兄ちゃんが楽しそうに話をしている。


私:「戻ってきたよー」
店員:「ああ、彼がさっきコードを探していた人」
兄ちゃん:「XXのコード?そんなもん手に入らないよ。車のメーカーの正規のディーラーで手に入るかどうか」



ショック。つまり自分の買ったラジオは自分の力では取付できないの?まさかの返品?


そのショックに追いうちをかけるように店員さんは


店員:「こりゃしょうがないね。ほら、取付のプロの電話番号をいくつかあげるからここに月曜日でも電話するんだね」


というわけで、取付料100ユーロがかかることが確定。そんなことなら一流メーカー品のラジオ付きCDプレイヤーを「取付無料」でつけてもらった方がはるかによかった。まさに安物買いの銭失い。


で、翌日、うちの住人がバーベキューをしたいというので、BlanchardstownのLIDLへバーベキューセットを買いに行く。で、買い物が済んだときふと目にに飛び込んできたのはLIDLの隣にあったカー用品店。日本でいえばイエローハットくらいの売場面積があり、「もしかしたら」という期待を持たせてくれるには十分だった。


で、そこへ行くと、係の兄ちゃんが、


「今車で来てるの?」


と聞いてきて、うんと答えると、すぐさま車まで見に来てくれた。これは私の培ったアイルランドの常識に鑑みるとすごいサービス。で、何本か見繕ったコードの中の1本は見事に私の探しているやつでして。


「買う!」


…と、コードを買うことにしたのですが、たかがコード1本のくせしてなんと20ユーロもする。とはいえそれがないと何もできないので仕方なしに私はそれを買う。


で、今度はラジオを取り付けようとするのだが、これがまた実に難儀でして。なぜだかわからないが、たった数ミリながら今度買ったラジオの方が大きく、しかも取付金具の位置がだいぶずれており。…何だかんだで数時間かけてラジオ付きCDプライヤーを取り付けました。で、恐る恐る電源を入れてみると…おおお、ちゃんと音が鳴る


ちなみに車のことは何も分からない私。故障しても、ボンネットを開けて、「まだエンジンはついてるねえ」というのが精いっぱい。今回の経験で「やればできる」ということに気がつきました。カーオーディオの取付などプロに頼むものだと思い込んでいただけにいい経験になりました。


...あれ?オチてない。ま、いっかー。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月02日(火) たった2時間のはかなき命...

月曜日の朝。クリーニングに出したばかりのスーツを着て気持ちよく出勤。で、会社の机でネットサーフィンをしながら朝食のヨーグルトを食べる。次の瞬間、泣くに泣けない事態に。


ヨーグルトがズボンにポトッ


…しかも股間の一番恥ずかしい部分に。


こうしてクリーニングしたてのズボンは泣く泣く2時間でクリーニングに出す羽目に。


こうして非常に快く新しい週が始まった私ですが、実は私の家にもちょっとした変化が起こりました。足の臭いチェコ人が夏休みということで4ヶ月間チェコに帰ってしまい(…ナメた話だよな)その代わりに新しい住人がやってきた。これまた某航空会社に勤める女の子。


(作者注:画像をアップしようと思ったのですが、問題があるかなとも思いやめました)私にとって、このあからさまにニセ金髪で、レザーのミニスカートをはいて、しかも胸の大きさを強調するようなピチピチのTシャツを着た姉ちゃん。私にとってはっきり言って波長が合わなそうな女の子。考えてみると、ひでかすの彼女といい、Mausi(自分の彼女) と言い、私の周りには割と地味めの女の子が集まっているのだ。


で、彼女は当然のようにディスコだかナイトクラブだかに連日連夜出かけて行き朝まで帰ってこない。まあ、フラットメイトは元気で留守が一番いいのですが。


…すいません。今日はすごくお疲れです。これで勘弁してください。明日、昨日の日記の続きを書くつもりです。




日記才人の投票ボタンです


2002年07月01日(月) 車は来た。やはりラジオは欲しい...(前編)

どしゃ降りのシャワーのあとできれいなきれいな虹がダブリン湾にかかりました。このきれいな虹がたくさん見えることはアイルランドに住む数少ない(←こういうことを書くからまた角が立つ)特典です。


さてさて。六月の第四土曜日と日曜日(つまりおおよそ1週間前)のこと。私は車のことでダブリンじゅうを走り回っておりました。問題はラジオ。


ラジオ。


…たいがいの方は私が何をほざいているのかわからないでしょうから解説。私の記憶が正しければ、日本のFMラジオの周波数は75Mhzから90Mhzくらい…です…よ…ね?それに対し、こちらのFMラジオは85Mhzくらいから105Mhzくらいまで。つまり、使っている電波の周波数が違うのです。つまり日本車のラジオではほとんどのラジオは聞けないわけ。まあ私も諦めて、最初の数日は押し入れの奥に仕舞い込んであったカセットテープを聞いていたのですが、なんとも淋しい。


で、別にそのつもりはなかったのですが、ドイツ系の格安スーパーマーケットLIDLに買い物に行ったときに、思わぬ掘り出し物を発見したのです。


ラジオ付きCDプレーヤー


しかも値段はスーパー破格の99.99ユーロ


売場には8個くらいしか残っていない。で、私は考えた。


自分で取り付けができるものだろうか?


そこで私の隣でやはりこのCDプレーヤーに目をつけていたいかにもNorthsider(ダブリン北部に住む地元民)と言った趣のアイルランドのフットボールチームのシャツを着た(基本) 兄ちゃんに聞いてみた。


私:「これ、簡単に付けれるの?」
兄ちゃん:「車種は?」
私:「9X年式のXX」
兄ちゃん:「ああ、それなら大丈夫だよ」



「アイリッシュの言う大丈夫ほど大丈夫なものはない」これ、私がこの日記で何度も主張している定石。


で、私は頭を冷やすために他のものを選びつつ、数分後その売場に戻ってみると、なんとまあ、わずか数分のうちに3個が売れている。…これは本当にお買い得商品なんだろうなあ。


で、私が意味もなく、箱を逆さにしたりすかしてみたりしていると今度は30代後半のおばさんもといご婦人が、


おばさん:「あなたカーステレオに詳しい?」


と聞いてくる。私はすかさず、


私: 「はっはっはっ、私が聞きたいくらい」
おばさん:「あらやはり、オホホホホ」



そこにやってきたのは40過ぎのおっさんもとい紳士、おばさんと私は2人して同時に


私:「これ簡単に付けれる?」
おばさん:「これどうやってつけるの?」



おじさんいわく、割に簡単に付けれるとのこと。でおじさんもおばさんもこのラジオ付きCDプレーヤーをカートに入れてしまった。


で、私も取り付けれるか悩みつつ、それでも勢いで買ってしまった。


で、さっそく取り付けるべくうちに帰る。


うちの前庭で自分の車のダッシュボードをじーっと見つめる。きっとどこかにネジがあるに違いない。


果たしてネジはあった。実に目立たない場所に。で、そのネジをおっかなびっくりドライバーで外す。ダッシュボードは外れない。無理矢理引っ張ると動いた。


で、ハザードだのエアコンのダクトだの時計だのを元に戻せなくなるという不安を抱えつつ外す。苦節20分。ようやく、ダッシュボードは外れた。


で、今度は問題のラジオ。これまたネジ止めしてあったので、それを外すともとからついていた日本のラジオは案外あっさり外れた。


で、例の買ってきたラジオ付きCDプレーヤーの箱を注意深く開けその後ろのコードを見ると、


…全然接続のタップの形が違う。


パソコンの後ろのコードを思い浮かべてください。コードの形が全然違うのです。とてもつきそうにありません。


うーん、どこに行ったら、このコードを買えるだろう。


私はなんとなくDIYショップに行けばありそうな気がして、CoolockにあるWoodies DIYへ向かおうとする。とりあえず、ダッシュボードを仮止めして、で、大通りに出るのにウィンカーを出そうとすると


おーい、ウィンカーが出ないじゃあないかあ(号泣)


このままCoolockまで行くべきかどうか悩むが、このまま放置しておいても何の解決にもならないのでウィンカーなしでCoolockへ(途中、Malahide Roadを走行中の皆様にご迷惑をおかけいたしましたことをお詫びいたします)。で、ようやくWoodies DIYに着くが、…ない。カーステなど置いてない。どうやら私の発想は方向性からして間違っていたらしい。


駐車場でふと気がついた。もしかして、ハザードの線を接続してないからウィンカーが出ないのでは?で、ハザードの線を繋いでみると、何のことはない、ウィンカーはちゃんとついた。


気を取り直して、今度はSantryにあるOmni Park Shopping Centreへ。確かここに、小さいながらもカー用品店があったはず。


で、この後、さらに話は続くのだが、この話は明日。




日記才人の投票ボタンです




Snigel |MAILアイルランド真実紀行へ掲示板へ