なべて世はこともなし
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2002年05月30日(木) 断言しますが、エアリンガスは潰れます

突然ですが断言します。


アイルランドのキャリアフラッグエアリンガスは潰れます


去年、サベナやスイスエアが潰れた頃から経営危機がささやかれ…いや公然と語られていたエアリンガスですが今度こそだめそうな雰囲気です。実はアイルランドは今週は3連休。で、June Bank Holidayは年でもっとも忙しい終末の一つ。交通・運輸業者にとってはまさに稼ぎ所。そんな時にこのアホな航空会社は3連続ストライキに入ってしまいました。


まあ、詳しいことはニュースを読んで頂くとして、基本的には会社がコスト削減のためにいろいろな計画を立て、その計画がついにパイロットに影響が及ぶまでになってしまった。具体的には12時間の休みを10時間にしようという訳。まあ私の感覚では会社が危機なんだからそれくらい仕方がないかなあとも思うのですが、パイロットさんたちはそうは思わないらしく、昨日は一部今日からは完全にストライキ。ちなみに一日に200万ユーロの損失になるそうです。


ここで元気なのがライアンエア。昨日も新聞の全面広告で一言。


「うちは飛んでますよ!」


ライアンエアーが「アイルランド第一の航空会社」になったら…お笑いだな。


金曜夜のオフ会、実は参加者は少なそうなんで、ぜひお気軽にどうぞ。では。




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2002年05月29日(水) なぜかタイトルが決まらないけど、アメリカのお話です。

自由の国アメリカ。
寛容の国アメリカ。
先進の国アメリカ。



そんな陳腐な言葉はもはや聞き飽きたのですが、私は未だに人生で一度もアメリカに心惹かれたことがない。小学校の卒業文集に、「行きたい国・住みたい国」というアンケートがあった時も、私はどっちがどっちだったかは記憶にないが、「イギリス・フランス」と迷わず書いた。考えてみると、クラスメートの誰も海外に行ったことがないという状況の中でそんな質問をすること自体がお笑いなのだが、ともあれ子供の頃からヨーロッパに憧れていたことは間違いはない。


で、そんなかわいい頃からはや15年。今ではまったくかわいくない大人になってしまったが、未だにアメリカという国が好きになれない。進んで住もうとなんて夢にも思わない。仕事の上でもなるべくアメリカ関係の仕事は避けている。


というのも物言わぬ書類一枚の上でも、アメリカでしか意味の通じない訳の分からん言葉や暗号が並び、「世界はわしを中心に回っているけんね」という思いがふつふつと伝わってくるのです。で、アメリカ人に世界地図で日本の場所を指し示させるという企画が昔テレビであり、街頭でほとんどの人が指し示せなかった…というのを見た覚えがある。


…で、こいつはいったい何の話をしているんだとお思いの方も多いでしょうが、ようやくここから話の本筋が始まります。


前の日記にも書いた通り、私の仕事の一部は電話をかけたり受けたりすることです。ギリシアだろうと香港だろうと日本だろうとばんばん電話をかけます。で、日本以外では英語で押し通します。で、まあ、今日、運悪くアメリカに電話する羽目になりまして…。電話の相手は一般家庭ではない、会社の事務担当と思われる方だということを年頭において読んでやってくださいませ。


私:「私Paddy社のSnigelと申しますが、XX担当の方はご在席でしょうか?」


電話の向こうは中年女性。なぜか恰幅のいい眼鏡をかけた黒人の女性を私は思い浮かべた。彼女は私の苦手なアメリカ英語で…


女性:「はあ?パ…何社って?」
私:「Paddy社です。XX関係の会社なんですが…」
女性:「パデ…どう綴るの?」



一時が万事この調子。話が全然進まない。「お前の英語が悪いからだろう」とお思いの方、そういう問題じゃあございません。ひたすらに彼女はアホタレでした。


女性:「で、Paddy社のどちらさんでしたっけ?」
私:「Snigelと申します」
女性:「ス…誰って?」



(以下略)


私:「で、OOがXXして★★なので、関係の書類を送って頂きたいのですが」
女性:「で、そちらの会社はどこなの?」
私:「アイルランドです」
女性:「え?それってニューヨークのどっかだっけ?」
私:「いえ、アイルランド…」
女性:「アイルランドって何州?」
私:「いえ、あの、イギリスの隣の国なんですけど…。取り合えず住所を申し上げますんで、いいですか?(もう自分のペースで進めるしかないと悟った)12 Businesspark, Clontarf…」
女性:「え?クロンターフってどう綴るの?」
私:「C for Charlie, L for Lima…」
女性:「K…」
私:「…違います」



と住所を説明するのに数分。


女性:「で、Zip(郵便番号)は?」
私:「Dublin 8です」
女性:「は?」
私:「だーかーらー、8ですってば」
女性:「え?郵便番号はアルファベットと数字5桁の組み合わせで…」
私:「…それはアメリカの場合で、私の言った通りに書いてくれれば着きますから!」
女性:「はいはい。じゃあ…ああそうだ、これ、ファクスで送るわ」



不覚。その手があったか。


私:「そうですね。じゃあ、ファクス番号を申し上げますね。00353…」
女性:「なにその00って?
私:「アメリカからの国際電話のかけかたは存じませんが、とにかく国番号353のあとに…」
女性:「国番号って何?」
私:「…やっぱり郵送でいいです」



今日の日記の前振りで書いた、「地図で日本を指し示せなかったアメリカ人」…それを見た当時は「やらせだろう」と思ったが、こういう経験を通じて、あれは仮に若干の誇大があったにせよ、やらせではなかったんだろうなあと信じるようになってきた。


ちなみにこの電話の所要時間は20分。書類が送られてくる確率は限りなく0に近い。まあいいや、この際この仕事は他の人に振ろう。やっちゃあおれん。今日の経験を通じて、「アメリカにだけは住みたくない」という思いをさらに強くしたのでした。まあ、こんな例は極端で、きっと住んでいる人からは「そんなアホタレばかりじゃない」と抗議を受けるのでしょうが。…というか、抗議してください。アメリカ人の平均がこの程度とは思いたくないので。




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2002年05月28日(火) 義歯と売春婦の意外な相関関係

こんばんは。数日前からひどい風邪をひいているSnigelです。いや、今日の今日まで自分がひどい風邪をひいているという自覚はありませんでした。というのも別にのどが痛いわけでもくしゃみ・鼻水がとまらないわけでもひどい悪感がするわけでもなく、ただものすごくだるく、頭痛と腹痛があったというのが症状でして。現在、完全には直っていないものの、症状は緩和されつつあります。


今日になって、昨日の状態がいかにひどかったかが分かりました。


昨日やった仕事ことごとく全部やり直し


それも日頃なら絶対に間違わないようなことばかり。まあ極端な例えで言えば1+1=3とほざくようなミス。例えばお客さんに銀行口座を通じて返金するのに口座番号を書いていなかったり、香港ドルで返金すべきところシンガポールドルで返金したり等々。いつもの半分以下の仕事しかしてなくてしかもやった仕事がことごとく間違いだらけとなると…きっと私は本気で体調が悪かったんだな…と納得しました。


挙げ句の果てには、


Dental prosthesis義歯





Dental prostitute歯科売春婦=英語というか言語として意味をなしません)


といい間違える始末。これに関してはもう笑うしかなかった。まあ運が良かったのは、これをお客さんとの電話で言い間違えたのではなく、上司との会話で言い間違えたところか。それゆえ笑って済む話だったけど。上司は今日になって「まあ体調が悪そうだったし仕方ないか」と言って笑ってましたけど。


で、今日の帰り、City centreからバスに乗って数分後、バケツをひっくり返したような大雨が降り始める。日本的に言えば夏の夕立。大雨の上に雷まで鳴っている。で、私の家はバス停から徒歩7分のところにあり、この状況で歩いて家まで帰ったら、パンツまでずぶ濡れになることは火を見るより明らかでして。


そこで、私の家の手前のバス停から徒歩10歩のところにあるパブに緊急避難。そこで風邪をひいているのにいつものカールズバーグを飲みながらぼーっと置いてあったタブロイド誌とRTE(アイルランドのNHK)のニュースを見る。まあ、ワールドカップ、とりわけアイルランドのチームリーダーをクビになったロイキーンの話題一色。…まったく他に話題はないんかい。とか思っていたら掲示板にうちの住人ひですのこんな投稿が。


ワールドカップ、もうすぐですねえ。会社からの帰り道、嵐になったのでバス停そばのパブに避難。大好きなカールスバーグをぐびぐびっとやっていると、テレビはニュースの時間。一時間後と(ママ)にあるニュースは、ワールドカップの話題ばかり、というか他に話題はないんかい?アイルランドはキャプテンのロイ・キーンが監督のミック・マッカーシーによってくびになり、さらにねらったように、国営航空会社のエアリンガスがストをやったり(あさって)と、大変な事になっています。


…つまりあんたは同じパブにいて同じものを飲みながら同じテレビを見ていたのね。ついでに同じことを考えてたのね。すっからかんのパブでお互いの存在に気がつかない私たちは結構マヌケだと思う。


最後に、金曜日のミニオフの詳細決定しましたので参加ご希望の方はこちらをご参照くださいませ。




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2002年05月27日(月) 作者はビョーキです

ドイツから帰って参りました。で、のんびり更新したいところでしたが、ただいま作者は風邪が大爆発しております(なんでまあこんな時期に…と自分でも思う)。ゆえに、メール・掲示板のお返事はしばらく猶予を頂けると嬉しいです。あ、あと、オフ会ですが、今回「自由参加」にしたらあまりに反響が少ないので、本当に人が来るかどうか不安になっております。場所はまだ未定ですが、「町のどこか」ということでアイルランド時間の水曜の夜までに発表いたします。


それにしても隣の庭は青いと申しますが、そのとおりだと思いました。ことある毎に、「ああ、アイルランドじゃあこうはいかないだろうなあ」と思うことばかり。文字通り定刻通りに現れるバス、とっても親切な人々その他。まあこの話は私の体調がよくなったらゆっくり書くことにします。


というわけで手抜きですいません。




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2002年05月22日(水) 年でいちばん無意味な日(year 2)...去年と何が変わったのか?

ダブリンに特に結婚だとかそういう関係をアイルランド人と持たず「ガイジン」としてEUの外からやってきている私のような人間は必ず最低年に一度Harcourt Streetの恐怖の館に行かねばならない。その恐怖の館とは"Alien office"。はい本日行ってまいりました。


私がこの恐怖の館に最初にお世話になったのは96年。語学留学をしていた当時。本当にのんびりしてまして、午後1時に学校が終わってそれから行っても1時間程度で済むような状態でした。


ところが「アイルランド就職戦線異常アリ」で詳述している通り、しばらく日本にいた私は98年の冬にダブリンに何を血迷ったか舞い戻ってきた。で、その時にこの恐怖の館の状況は完全に一変しておりまして。朝から並ばないと順番待ちのチケットが取れない。で、その状況は年々再々時々刻々と悪化していきまして、去年なんか私は朝の6時過ぎから意味もなくぼーっと並び、しかもそれでも自分の順番が回ってくるのは昼過ぎという悲惨な状況になっていた。


で、長時間並ぶという肉体的苦痛もさることながら、それよりもオフィスの中のやたらと重苦しい雰囲気、カウンターでビザが取れずに怒鳴る人間。生気のない目をした難民、両手に子供を抱えた世を儚んでいる趣の女性…等々。中で待つことが本当に精神的にも苦痛な、一年のうち一番いやな日と言っても過言ではなかった。


ところが。「投稿編」にもある通り、何やら今年は状況が一変したらしい。まず、お役所であるにも拘らず、月曜日から木曜日までの開庁時間は朝の8時から夜の10時までと一部のスーパー並みに。しかも小汚い「グリーンブック」と呼ばれる「外人登録証」がデジカメを使ったクレジットカードサイズのカードになり…となんだか恐怖の館に革命が起こったらしいのだ。


で、5月末日でビザの切れる私は、会社の了解を得て勤務時間扱いでこの恐怖の館に行ってきた。「終わり次第会社に行く」と言う約束だったから、くそまじめにも私は、いつもと同じ時間のバスに乗り、午前8時30分頃、恐怖の館に到着。


去年までの状況ならとっくに順番待ちのチケットはなくなっているはずだが、なるほどまだチケットは残っている。チケットの順番を見ると60人待ち。ま、こんなもんだろうと思い、まずは時間潰しを兼ねて朝食へ。


アイリッシュブレックファーストなんておぞましいものは最近食べれなくなった私は、ビーンズオントースト(トマトソースで煮た豆をトーストの上に乗っけたもの)を注文。


ゆっくりゆっくり時間をかけること約1時間。午前9時30分私は恐怖の館へ戻る。案の定といえば案の定、私の順番はまだ来ていない。仕方なしに私は恐怖の館の待合室で待つことに。


待合室で待つのはやく20人程度の人間。去年はすべての椅子がふさがり立ったり床に座ったりという人間がいたのだが今年は半分くらいの椅子が埋まっている様子。確かに何かしら進歩を感じる。さらに、窓口と待合室の間にベニア板の仕切りを置いている。これもまあ進歩といえば進歩か。


で中で待っている人間を観察すると、黒人・中国人・その他が1/3づつの割合。ちなみに日本人は皆無。場所と時間帯を激しく勘違いしたアホ中国人カップルがいちゃいちゃしている以外はみんな押し黙り、思いっきり重苦しい雰囲気。


そこにやってみたのは2歳くらいの子供を連れたスリーサイズの単位がセンチメートルではなくメートルであると思われる黒人女性。この子供、待合室にやってくる泣き始める。


5分後、泣き止まない。

10分後、泣き止まない。


すると見かねた係が


「そこの子供連れの奥さん、先にやってあげるから窓口へ」


とひとこと。で、窓口に向かう母。すると今まで火がついたかのように泣き続けていた子供が泣き止んでにこっと笑う。


この子供と母はグルだったと思うのは私だけ?


で、何だかんだで私の順番がやってきたのはチケットを取って2時間後の午前10時30分。で、デジカメで写真を撮られて新しいカードをもらっておしまい。所要10分。


結論。確かに去年に比べて格段に早くなった。評価できるが、あの待合室の雰囲気は何とかならないものだろうか。


推察ですが、夕方や夜に行けば待ち時間はもっと少ないのではないかと思います。体験談の投稿をお待ち致しております。




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2002年05月21日(火) ワタシガイジンコトバワカリマセーン

朝、カーテンの向こうは5月の快晴の空(アイルランドでも「五月晴れ」というかどうか自信がないからその言葉は使わない)。おおすばらしいと思いつつサングラスをスーツの胸ポケットに収めて会社へ。


午後5時。定時に退社。


どしゃ降りの雨。


…アイルランドではいつものこと。朝の天気を見て一日の予定を立てようとするとたいがい予定が狂うことになる。


で、珍しく定時にやってきたくされAlan Martin Coaches社のバスで町へ。町に着いても雨足は弱まる気配もなく。


で、アイルランドの雨の最大の問題点は傘が役に立たないこと。激しい雨が降っている時はたいがい強風もセットでやってくる。そのくせアイルランドの傘は弱い!というか折り畳み傘が主流で日本みたいなジャンプ傘をあまり見かけない。というわけで、風で壊れた傘をそれでも使っている人が多数。


で、私の乗るバスにはバスシェルター(屋根)がない。50メートルくらい離れたパブの軒先でバスを待っていると、バス停の前には長蛇の列。そこにやってきたのはすでに7割方お客の乗ったバス。


走れ!とバス停へダッシュ。


ダブリンバスは乗車は2列乗車というのが暗黙の了解。左側は運転手に現金を払う人用。右側はプリペイドカード・定期をカードに通す人用の列。当然右側の列の方が流れが速い。私は20人ほどが並んだ現金用の左側の列ではなく5人ほどしか並んでいない右側のプリペイドカードの列に。普段は現金で払うのだが、こういう時のためにいちおうカード(2回使える回数券) も財布に忍ばせていたりする。結構準備のいい人間なのかもしれない。私は。


バスの中を見るとすでに満員に近く、運転席近くまでお客が立っている。やばいなあ、乗れるかなあと思っていると私の前のおばさんはしっかり乗る。がおばさんはすでに中には進めず、カードリーダーの前に立ち止まる。すると運転手は、


運転手:「はい。ここまで。カードをもう通さないでね(カードを通すとお金が引かれるので)」


と言う。私は知らん顔してカードリーダーの前に立ちはばかるおばさんの脇からカードを通そうとする。


運転手:「カードをもう通さないでって言ったんだよ!」


ほぼ同時に


カードリーダー:「ピッ」(←私がカードを差し込んだ)


片手を伸ばしおばさんの脂肪を押しのけ何とかカードを通す。すると


運転手:「もう満員なの」


私は初めて運転手に気がついたような顔をして、そして、出来る限り無邪気な顔をして運転手にこう目で訴えかける。


「え?ボクになんか言ったの?ボクちゃん英語わかんなーい」


で、さらにおどおどした目で


「え?ボク降りなきゃだめなの?なんで?ボクお金払ったのにボクわかんなーい」


と再び目で訴えかけつつ、カードをちらりと見せる。


…運転手はやれやれと言う顔をしつつ諦めた様子。ドアを閉めて発車。私の勝ち!


うん、私が女だったらたぶん「オバタリアン予備軍」と呼ばれていることだろうなあ。…っていうか「ボクちゃんわかんなーい」とか目で訴えて通用する年齢じゃあもはやないだろうに。


このようにあまり機会は多くないにせよ、見た瞬間からガイジンであるという事実を逆手にとって利用することは可能です。普段「こいつはガイジンだから英語は話せんべえ」というふうに扱われるのは不快ですが、どうせそう思われるならそれを利用してやらないテはないかと。


実は以前も同じようなことをしたことがあります。バスの中でジャンキーらしき男に話しかけられ、うざかったので、英語が話せないふりをしました。するとジャンキー氏諦めた様子。こちらも私の勝利。


で、忘れた頃に鳴る私のケータイ。


私:「Hey How's going mate? I haven't talked to you for ages. What's going on now?」


はっ!私は英語が話せないはずだった。横でジャンキー氏は私のことを睨んでましたとさ。




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2002年05月20日(月) 目抜き通りO'Connell Streetからも分かる。アイリッシュのいい加減さ。

唐突ですが、5/31(金曜日)第3回オフ会をやります。前回参加された方はもとより、参加されなかった方もぜひご参加を。詳しくは突貫工事の臨時ページをご覧くださいませ。


で、アイリッシュのいい加減さはこの日記でそれこそ何度となく指摘し続けておりますが、今日もアイリッシュのいい加減さを再発見してしまったので、証拠写真付きで紹介します。


ダブリンには未だに地下鉄がありません。いちおう計画があり、2015年には1号線を開通させたいなどと言っておりますが、いったいどうなることやら。まあ地面にトンネルを掘る地下鉄は素人考えにも建設費がかさみます。そこでダブリンではただいまLuasという路面電車の工事が進んでいます。数年後の開通を目指しているのが、Abbey Street(町)=Tallight線。で、この始点となるCity CentreのAbbey Streetは工事のために今まで両側通行だったのが、一方通行になった。要するに、一方通行にして道路の片側づつ線路を敷こうという考えらしい。


で、今までLower Abbey Streetにあったタクシー乗り場。対面通行が一方通行になってしまったので、このタクシー乗り場は移動を余儀なくされた。で、移動したのが、Lower O'Connell Street。具体的には、O'Connell Bridgeの100メートルくらい手前。ここの3車線ある道の一番右側、つまり中央分離帯側をタクシー乗り場にしたのが先週のお話。


だいたい中央分離帯に面したタクシー乗り場というのが間違っていると思うのは私だけだろうか?日本に例え1ヵ所でも右側からタクシーに乗るというふざけたタクシー乗り場はあるだろうか。ない…よね?


のみならず、アイルランドでいちばん忙しい交差点O'Connel Bridgeの脇なんかにタクシー乗り場を作ったら邪魔だというのは素人目にもよく分かる。本当にアイリッシュのやることはばかだなあ…と思いつつ新しく引かれた「タクシー乗り場」の枠を見ていた。


ここまでが先週のお話。ところがその翌日私は信じられないことに気がついた。





見えますか?わざわざ引いた白線をわずか一日で消してしまったのです。言われてみると矢印と枠を消した跡があるでしょ?


で、タクシー乗り場はどうなったと思いきや





なんとAbbey Streetよりも50メートルほどGPO(中央郵便局)に新しく線をひいている


仮説1:業者が間違った説

業者がAbbey StreetよりO’Connell Bridge側に間違って線を引いてしまった。


仮説2:ダブリン市が線を引いた後で場所が悪いことに気がついた説


タクシードライバーか誰かから苦情が出て急遽場所をずらした。


私は多分仮説1だと思うのですが、どうでしょ?アイリッシュなら


「間違えちゃった。えへっ」


と言いかねないと思うのですが。


ちなみに写真は撮らなかったけど、GPOの前も訳の分からんいらん工事を繰り返してます。どこぞの国では3月頃になると「年度末工事」とかいってあちこち掘り返しているようですが、アイルランドもやっていることはあまり変わらないような気がします。



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2002年05月18日(土) 放火?!?!放火に対する国民の受容性の日愛比較


アイルランドでは、例えば家の改修工事だとか、庭で木を切っただとか、とにかく大きなゴミが出る場合、上の写真のような大きなコンテナを使います。で、このコンテナは専門の業者のトラックにクレーンでそのまま積まれ、(たぶん)産業廃棄物処理場のようなところに運ばれ処分されます。


これが今日の話の前提です。ちなみに上の写真は通り掛かりにちょうどいいあんばいにこのコンテナを見つけただけで、今日の話のネタになる家とは直接関係ございません。


で、話は本題に入ります。私の友人のAさん(日本人)宅、ただいま浴室の改修工事の真っ只中です。というわけで、ちょうど上の写真と同じように、前庭の駐車スペースに上と同じようなコンテナを同じような感じにおいていたそうな。で、ゴミもちょうど同じようなあんばいでたまっていたそうな。


で、ある日。彼女が眠ってしばらくして、彼女はなにやらただならぬ雰囲気を感じて目が覚める。時計を見ると、ちょうど日付が変わった頃。で、彼女がカーテンの隙間から外を見ると、そこには青い光が。その青い光のもとは


消防車の青色灯(注:アイルランドのパトカーや消防車の天井の回転灯は青です)


よく見ると、


ひええええええコンテナが燃え上がっているうううううう!


慌てて彼女は家の住人を起こしてまわります。


火事だーーーーーーーーーーーーー!


で、家の前のコンテナが燃えているにも拘らず、消防士は家の家人を起こそうともしません。彼女たちが玄関を開けるとまさに消火作業の真っ只中。1台の消防車に8人者消防士が乗っており、彼らが火を消してます。


火はすぐに消えました。で、鎮火すると消防士は彼女たちに何か言うわけでもなく黙って帰ってしまったそうな。


言うまでもなく原因は放火です。コンテナの中身は全焼。一歩間違えば家の外壁くらい焦げていたのではないかという状況。で、彼女、放火という一大事はすぐに大家に知らせるべきと思い、夜中にも拘らず大家に電話します。


大家:「家は大丈夫なんでしょ?ならいいじゃん。ははは、ゴミを捨てる手間が省けたよ。まだゴミがあるなら入れていいよ」


…何とまあ、放火というとんでもない事態にこの大家は動じません。


で、彼女、翌日アイルランド人の友人(女性)にこの話をしたそうな。


友人:「放火?ねえねえそれより、消防士の制服見るとむらむらっとこない?」


…どうやらこの国では放火は驚くには値しないようです。以前の掲示板の投稿にあった言葉を借りると「あたしゃ放火に驚かないあんたに驚いたよ」



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2002年05月17日(金) 遅れたのは渋滞のせいで俺のせいじゃあない!

昨日の日記、あからさまにいい加減ですね。なんとなく想像がつくかと思いますが完全にお疲れで、もう書いてる途中で投げ出しかけてました。何とか意地で最後まで書いたのですが、最後の方はまさに小学生の作文同様いい加減。どうもすいませんでした。


ところで今日は、アイルランドの総選挙の日です。ただねえ、天気がど最悪なんですよ。たぶん投票率は低いのではないかと思います。どこかの国と同様、どう転んでも大局に影響はないようです。


で、今日は大ネタを仕入れてきてたんです。が、困ったことには、帰りにとっても頭に来ることがあって、ネタを挿しかえせざるをえなくなったのです。というわけで、明日は大ネタが待ってますので例え今日の日記がつまらなくても見放さないでくださいね。


で。今日のネタは、「もういいよ」という声が聞こえてきそうですが、再びバスネタです。この日記に何度登場したかわからないくされAlan Martin Coaches社に再び登場願います。信じてください。このネタはもうすでに何回も書いているのであまり書きたくないのです。が、この会社、どこかの私鉄のキャッチフレーズ同様「今日もひとつ新しいこと」を提供してくれる会社でして。某私鉄とこのくされAlan Martin Coaches社の違いは、このくされAlan Martin Coaches社は良くないネタを提供してくれることなのですが。


ここ数日。いつも時刻を守らないくされAlan Martin Coaches社は輪をかけて時刻を守らなくなった。しかも、反則技を使うようになった。私がいつも乗るバス停から、8時発の某ビジネスパーク行き、そして、8時15分発の私の勤めるビジネスパーク行きとくされAlan Martin coaches社は2台のバスを運行している。で、反則技とは、そう、この2台のバスを一まとめにして運行してしまおうという。


ちなみに、通常どちらのバスも35席程度ある座席はすべて埋まります。つまり逆に言えば、ちょうどいいあんばいに人が乗っている2台のバスを無理矢理1台にまとめると、とってもすごいことになるわけでして。すしずめ。


で、困ったことにはこのバス、古くないのにメンテが悪いので、ものすごいガタピシ音がします。のみならず、アイルランドの道はとっても凹凸が多く、サスペンションはゴムの板のようなものなので、例え座っていてもむち打ち症になりそうなくらいゆれます。そんなひどい状況なのに運転手は飛ばすし急ブレーキはかけるし…。


で、まあ、これだけならいつもの話なので日記のネタにはならなかったわけです。帰りにとっても頭に来る事件…とはいっても前回の日記に書いた話とほぼ同じなのですが…が起こったのです。


始めにも書いた通り、今日の天気は最悪です。雨が結構激しく降ってます。で、バスの発車予定時刻の5時30分にバス停に行ってみると、案の定バスは来ていません。驚くには値しません。何せ、おとといは50分遅れたし。


がおとといと今日の違いは天気。晴れてぽかぽか陽気なら少しくらいなら待ちますが今日は雨。同じ10分でも私たちのイライラ度は完全に異なります。というわけで、何人かはケータイでバス会社に問い合わせ(「いつ来るの?」と聞く)をしています。


で定刻から遅れること25分。やってきましたAMCガタピシ号。おおーっと、男数人がバスに駆け寄っていきます。怒っています。怒っています。運転手に文句を言ってます。何を言っているかはここからは聞こえませんが、いかりのオーラはこの距離からでも伝わってきます。そのあと、同僚のアイリッシュの女性がさらに続きます。これはまさに般若の形相。彼女は先日くされAlan Martin Coaches社にComplain letterを出したそうですが、言うまでもなくなしのつぶて。その分の怒りもあるのでしょうか。すごいです。何を言っているか聞こえないのが残念。


で、私はあとの方に乗車。乗車が完了し、全員が座席に就いたところで運転手、運転席から身を乗り出し何かを言うようです。謝罪でしょうか。


運転手:「あんたらねえ、たかが20分(注: 正しくは25分です)遅れたくらいで、会社に4回も電話するの止めてくれる?そのたびに俺のケータイが鳴って迷惑なんだよ。俺はついそこまで来てたの。だけど渋滞が激しかったの。渋滞。俺のせいじゃないの」


運転手。謝罪どころか逆切れです。これは完全に取るべき手段を間違えました。この逆切れはわれわれ乗客の怒りに完全に火に油を注ぎます。おおーっと、日ごろはおとなしい、私のチームリーダーの女性が立ち上がったー!


私のチームリーダー:「あなたねえ、私たちはこの雨の中ずっと待ってたのよ。おとといは1時間近く遅れるし」


ああ、返すがえすも残念。彼女母国語は英語ではないので、言いたいことの1/10も言えてないことが伝わってきます。歯がゆさが伝わってきます。


運転手:「だからー、渋滞なんだってば。渋滞。昨日はちゃんと定刻通りに来たでしょう。これは渋滞なの」


そう、運転手の言い分はきわめて単純。「渋滞しているのは私のせいじゃあない」


…そういう問題じゃないんだよね。私の仕事の中でもお客様と約束することは良くある。で、何らかの理由でその約束が守れなかったら、例えそれが私あるいは会社のせいではなくてもお客様には関係がない。約束を守れなかったのは事実なのだから。そういう発想が完全に欠如してる。


そんなごたくはともかく、バスの中はまさに収拾がつかない状態になってます。5人くらいが運転手に食って掛かってます。とにかく運転手は「俺のせいじゃあない」の1点張り。こういうのを小田原評定、英語ではinconclusiveといいます。私は混ざるだけ無駄なので黙っていましたが、ついと最後の最後、バスが静まった時にひとこと


「結局あんた、カスタマーサービスという言葉を知らないのね」


と言ってしまいました。結局そういうことなんでしょ。


というわけで、数週間前の日記と同じような内容になってしまいました。明日のネタの予告をしておきます。


「アイルランドでは日本の常識はやはり通用しない」


というお話です。では。




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2002年05月16日(木) 2泊2日イギリス旅行(後編)

昨日とおとといの日記の続きです。とりあえずそちらからお読みくださいませ。


で、ぐでんぐでんに酔っ払い、マーク&Kさん宅に着。で、ぼーっとテレビを見ているとBBCで


「National IQ test」とかいう番組が始まる。これがまたとんでもない番組で、なんと2時間の番組で視聴者のIQを調べようというもの。希望すれば、インターネットでこのテストにも参加出来るというもの。


驚愕の事実発覚。


私のIQはとっても低かった。


そりゃあぐでんぐでんに酔ってました。なんだか思考力がなかったのは認めます。でも自分のIQがここまで低いとは知りませんでいた。ショックです。他方マークちゃんのIQはトップクラス。


で、翌日。ばか犬Taroも連れて近所の公園に散歩に行き、午後2時の列車でHolyheadへ。帰りのフェリーは高速船だったので小さく。


…というわけで見事に落ちはありません。すいません。


で、ネット恋愛の達人、うちのチェコ人の続報です。


月曜日、私が家に帰ってくると、彼はすでに帰宅しており。私は「どうだった?」と聞く。すると彼は


「わからん」


とひとこと。なんでも恋人になったわけでもなく、かといって無関係というわけでもなく。まさに玉虫色の結果になったそうな。

…すんません。今日は非常に疲れていてこれ以上書く気になれません。明日はちゃんと書きますので勘弁してくださいませ。




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2002年05月15日(水) 2泊2日イギリス旅行(中編)<巨乳ネタ>

昨日の続きです。ゆえに昨日の日記をお読みでない方はそちらからどぞ。


で、3時間近く眠り午前11時ごろのそのそ起きてきて、そのまま今回の訪問の目的を果たすべく、バスに乗りビアフェスティバルの会場へ。


バスに揺られること15分。着いたのは狂牛病の難を逃れた牛さんたちが静かに草をはむ草原の中の特設会場。特設のテントの中に入ると、壁に沿ってビールの樽がずらーっと並んでいる。その数およそ100種類。確かにこんな多くの種類のビールを私は見たことがない。


基本的なシステムはパイントグラスを1.5ポンドで買い、ビール券6枚セットを5ポンドで買う。で、 ビール券一枚が半パイント(1パイントはビールの大瓶よりやや少ないくらい)。


でチケットを買った時にもらったパンフレット。各ビールについて説明してある。


Aroma of pale/crystal malt, fruit and floral hop, with similar, bigger taste. Good dry bitterness, with a finish less sweet and more dry. Amber-coloured, it is light, hoppy, dry and refreshing.


意味がわからんという方、ご安心くださいませ。私にもまったく分かりません。こんな説明がうだうだ100個も並んでいると、当然読む気なんかしなくなるわけでして。


まさに適当に適当なビールを頼む。


まずい。


味覚音痴の私には上のような講釈をタレるような知識と語彙はない。がこれだけは自信を持って言える。このビールはまずい。


で、100種類のビールをよくよく見てみると、ほとんどすべてがいわゆる地ビール。イギリス各地で作られているエールを中心にした地ビール。


せっかく来たんだからと、別の地ビールを注文。


まずい。確実にまずい。


イギリスに行ったことのある方はご存知でしょうが、なぜかイギリスの人間は特にエールを室温で飲みたがる傾向があるようで。イギリスのパブでビールを頼むとかなりの数のビールが冷たくない。私の感覚で言うと生ぬるい。イギリス党の人には申し訳ないけど、私は冷たくないビールは頂けないと思う。やはり一番うまいビールはぎんぎんに冷えたラガーではないだろうか。とか言いつつこの日記を書きながら今飲んでいるのはあまり冷えていないドイツのWeissbierなんだけどさ。


で、そのまずいビールを片手に会場を見まわすと、ここには真のビール党が集っているらしいことは一目で分かった。どうやって?会場に来ている人のビールっ腹。カメラを持っていなかったのが悔やまれるくらいのそりゃあもう驚愕と以外形容のしようのないご立派なお腹をお持ちの中年男性がうじゃうじゃ。下衆な話で恐縮ですが、あの人たち、用を足す時にたぶん…というか絶対自分の器官が見えていないと思う。


ここまで書いててふと思い出したこと。ひでかすから聞いた話。ひでかすの同僚がどこだかビーチに行ったんだそな。で、そこにはトップレスの女性も多数。はいはいはい。トップレスの女性と聞いて熱くなっている男性諸氏。一気に冷めるようなオチですから覚悟して読むように。


で、ひでかすの同僚の彼、そのトップレスもいるビーチを歩いていると、ビーチベッドの上に腰掛けてサンオイルを塗るトップレスの巨乳の女性がひとり。だーかーらー、そこの男性の方、興奮するのは早いというか…するだけ損だってば。次の一行を読んだ瞬間興奮が冷めると思うけど…その巨乳の女性は推定50代前半


この女性、そりゃもう某写真家ならずとも爆乳と形容したくなるような巨乳の持ち主。が体のほかのパーツも全体に巨大な方でして。それを引き算に入れても彼女は巨乳。年齢的なこともあってか垂れてしまっている。


で、彼女がふとももにサンオイルを塗ろうとした瞬間、ひでかすの同僚の彼の口は驚きのあまりあごが地面についてしまうのでした。


ふとももにサンオイルを塗ろうとした彼女、自分の巨乳が邪魔になるらしく、「よっこいしょ」自分のおっぱいを持ち上げて脇に押しのけてサンオイルを塗りはじめた。そう、彼女は自分の巨乳が邪魔でふとももに手が届かないのでした。


はい、一瞬でもトップレスだの巨乳だの聞いて興奮した男性諸氏、申し訳ありませんでした。あれ?何の話をしていたんだっけ。あ、そうだビアフェスティバルだ。


で、ビアフェスティバルではゲームもやっており、私もいろいろなゲームに参加。Tシャツにビアタオルにキーホルダーにといろいろな景品を戦利品としてもらってくる。いくら使ったかは聞かないように。


私は結局、イギリスのビアフェスティバルに行ったくせに、ベルギーのビールを堪能。ちゃんぽんに飲んだせいで酔っ払う。


予定では前編後編の予定でしたが、話が長くなったので今日のを中編として後編に続く。




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2002年05月14日(火) 2泊2日イギリス旅行(前編)

金曜日の午後。うちにダッシュで帰って、替えの下着をバックに押し込んでそのままダブリン港行きのバスが出ているセントラルバスステーションに。


セントラルバスステーションには発車時間ぎりぎりに到着。そのままバスに飛び乗りダブリン港へ。


私が乗った船は、Ulyssesという自称世界最大のフェリー。なるほど、たった3時間30分の船旅のくせして、たくさんの個室がありついでに映画館まである。パブは二つに、レストランその他。新造船ということもあり、なかなか美しくていい感じの船。


が、たったひとつ、たった一つながらものすごい大問題があった。


中に乗っている人が品がない。


そう、中に乗っているのはジャージ姿のダブ軍団、さらにサッカーだかラグビーだかの応援に行く一行や、粗製濫造のガキども(すごい表現だなあと自分で思う)。何といえばいいのか、立派なホテルが品のない連中に占拠された状態。


船首部分のパブのテーブルに陣取った私。ビールを飲みながら船旅を楽しもうとしたのだが、まあ、午後10時を過ぎようかというのに、元気に走りまわるジャージ姿のガキ。走り回るのはまだ許すとしても、どうしておまえは食べかけのアイスクリームをテーブルの上に放置できるんだ?ごみ箱というのを知らんのか?


それから隣のジャージ姿のたばこをふかすおばさん、「禁煙席」というどでかい表示が見えんのか?世界最大の船も、お客を間違えると悲劇的な状況になるようで。


で、3時間30分の船旅の後対岸のHolyshitじゃなかったHolyheadに着。ここからは列車の旅。フェリーの中で知ったのだが、この日、またイギリスで大きな列車事故が起こったらしい。この事故ではなぜだか4両目の車両が大きなダメージを受けたらしいが、一般論として、一番前と一番後ろの車両が危ないような気がする。というわけで、なるべく真ん中の車両に乗ろうと考えつつ駅に着くとそこにあったのは、…


2両編成の列車(コメディーの定石)


1時間待ちで午後2時発の列車に乗る。前か後ろかという究極の2択は後ろの方がいいだろうと思い後ろに乗る。で1時間待った後にようやくおんぼろ列車は発車。


夜中の2時。眠ろうとするのだが眠れない。ようやくうとうとしてきたと思うといきなり大声でアナウンス。が、とんでもない訛りのおかげで何を言っているか私にはわからない。訛ってなかったとしても、脳みそは完全休止状態だったからわからなかっただろうけど。


のそのそと起きてきた隣の親子にどうしたのかと聞くと


「列車が壊れたから乗り換えろって」


世界に冠たる大英帝国も列車から見る限りでは完全に斜陽の国…というかどうしようもないぞ。これ。


で、同じホームの反対側の果てに止まっていた列車に乗り換えCreweという駅へ。ここで1時間待った後バスに乗り換えマンチェスター空港駅へ。で、そこから今度はマンチェスター中央駅へ。この時点で午前6時。乗り換えの連続で眠ったのかどうかもよくわからない。というか、バスの中でうとうとした挙げ句にガラスに頭を強打してしまい目が醒めてしまった。


ここから急行列車でマンチェスター郊外の某町に行く予定だったのだが、列車はいつになっても来ない。待てども待てども来ない。来たのは発車予定のちょうど1時間後。


「車両故障のため遅れました、ごみんなさい」


と車掌はアナウンス。


もう一度言わせてくれい。鉄道に関していえばイギリスは本当に処置無しの国だぞ。


で、ぴったし1時間遅れでマンチェスター郊外の某町へ。マークちゃん宅に着くなり私はあいさつもそこそこに眠ってしまったのでした。(この話後編に続く)




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2002年05月13日(月) ダブリンでの家探し必勝法

質問:ダブリンに日本より引越しすることになりました。ダブリンで住むべきではない危険な場所を教えてください。


ええと、まずはお返事が遅れて申し訳ありません。またダブリンにお住まいになられるとのこと衷心よりお悔やみ申し上げます(←こらこら)。何も知らない場所での家探しはなかなかにして大変だと思います。以下の一般論が参考になれば幸いです。


まず。かなり乱暴ですがダブリンは町を中心に三重のドーナッツになっていると思ってください。で、町にいちばん近い、一番内側のドーナッツ、町から半径1-2キロの地域、ここは一言で言って避けた方がいいです。具体的にはSummerhill、Thomas Street、Dolphins Barn、これらの地域は、確かに距離的には町から歩けますが、治安という点からは最悪です。


で、2番目に内側のドーナッツ。町から半径3-6キロ程度のところ。ここにはけっこうな中・高級住宅地があったりします。具体的にはBallsbridge、Castleknock、Clontarfなどです。当然家賃も高いですが、おすすめです。


で、3番目のドーナッツ。つまり一番外側、町から半径7-8キロの地域、ここは再びタチが悪くなります。具体的にはTallight(「タラ」と読みます)、Ballyfermot、Finglas、Ballymun、Coolockなど。


で、一般論として、ダブリンはLiver Liefeyそ境に北と南に二分出来ます。で、最近発展してきた西を入れるとダブリンはおおよそ3つのエリアに分割できます。乱暴に言ってしまえば、南がいちばん高級、ついで北、西となります。つまり、南部の方が外れが少ないといえるでしょう。


ただ上の二つはあくまで一般論です。ダブリンは通り一つを挟むだけで状況が一変します。たとえば私が住んでいる住宅地は結構高級ですが、通り1本、たった200メートル離れるとタチの悪い通りになります。こればっかりは行かないとわからないのですが、実際に物件を見に行った時には以下のことに気をつけるといいと思います。


まずは家の大きさ。非常に単純な図式ですが、家が大きいところの方が治安はいいです。理由は簡単。大きな家を買えるような家は金持ちなので、教育にも力をいれており、子供の質が変わってきます。言い方はすごく悪いですが、貧乏人の子沢山とはよく言ったもので、貧乏で子供がいっぱいいたりすると、子供のことに構っていられないので子供が路上で一晩中過ごすということになるようです。


で、物件を見に行く時には例え車を持っていてもバスで行くことをおすすめします。まずはバスを見てみましょう。ダブリンでは基本的に一台のバスは一つのルートに使われるようなので、シートに落書きが多かったり汚いバスの沿線はあまり良くないといえます。


これはバス停にも言えます。バス停のシェルターがガラスではなくプラスチックの場所はガラスがしょっちゅう割られていることを意味します。バス停に落書きが多いのも要注意。落書きがあるというとこは夜中にガキどもが徘徊してるという何よりの証拠です。


まあ一般論としてはこれくらいだと思います。また何かあったらいつでも質問してください。


PS イギリスネタ、チェコ人ネタは明日以降お届けします。




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2002年05月09日(木) アイルランド人不信。電話2回に徒歩1時間半かけての結論とは?

同居のチェコ人はまだ見ぬ女性を追いチェコへ。同じく同居のドイツ人は今週末からベルリンへ帰省。ひでかすはひでかすでドイツへ。


はっ、もしかして、この腐れダブリンで今週末ぼーっとしてるのは私だけ?


そんなことを思っていたら、マンチェスター近郊の街にマークちゃんと結婚した挙げ句に引っ越してしまった元同僚のKさんからメールが届いた。


「今週末、地元で『ビールフェスティバル』があるけど来ない?」


ビールフェスティバル。そそられる響きです。が、マンチェスターまでの週末の航空券なんて高いに決まっている。期待せずにRyanairのサイトに行くと、案の定往復で150ユーロ(2万円)以上する。この会社は、ヒコーキが空のときに破格の運賃を提示して、「安い」というイメージ付けをするのがうまいが、実はいつもは高かったりする。

で、British Midlandの子会社Bmibabyもしかり。もちろんAer lingusも高い。で、諦めかけたところにふっと浮かんだアイディア。バス。


「バスエーラン事件簿」に詳述の通り、私はこのイギリスへのバスへのサービスで散々な経験をしている。だいたいヒコーキで1時間のところをばか面をして、半日フェリーとバスに乗るというのがあほらしくて仕方ない。で、まあ調べるだけ調べようと思い、Eurolinesのサイトに行くと、時間がかかるのみならず、往復で60ユーロ(8000円)もする。


今度こそ諦め仕事に戻る(そう、仕事中にこんなことをしていたのです)。数分後、ふっと頭にある考えがよぎる。


電車はどうだろう。


そう思って、HSSという高速船を運行しているStena Linesに電話をしてみると、運賃は60ユーロとバスと同じ。まあ、バスよりは楽だとは思うが、60ユーロも出す気はしない。今度こそ諦めたつもりだったが、次の瞬間、Irish Ferriesはどうよ?と思いIrish Ferriesに電話。


私:「マンチェスター近郊のXXという町までの往復はいくらですか?」
電話の向こうのおねえさん:「36ユーロ(5000円)ですね」



へ?36ユーロ?


私:「ずいぶん安いですねえ。本当に36ユーロなんですか?」


アイルランドに来て覚えたことの一つは人を疑うこと。いい加減なことをほざくアイリッシュに何度騙されたことか。


おねえさん:「XXまでですよね。36ユーロです」
私:「往復で、かつ電車と船の運賃を含んだ値段ですか?」
おねえさん:「はい。間違いなくそうです」



ホントかよ?この町までHolyhead(対岸のWalesにある町。何もない)からManchesterまで200キロあるんだよ。なのにそんな値段でいいのか?今まで何度アイリッシュのうまい話に騙されたかわからない私は半信半疑…というかまったく信じてなかった。


で数時間後にふたたびIrish Ferriesのコールセンターに電話。やはり返ってくる返事は同じ。うーん、そんなうまい話があっていいのだろうか?


しつこいけど私は何度アイルランド人に騙されたかわからない。この期におよんで信じない私は、なんと会社の帰りにダブリン港まで行ってチケットを買ってきた。


こう書くとたった2行だけど、ダブリン港まで行くのは実に難儀でして。バスのサービスはないし、歩くにしても最寄りのバス停から港まで寂れた倉庫街を30分以上歩く羽目になる。で、歩きました。徒歩で往復1時間30分かけて。正直に白状するとまさかそんなに遠いとは思っていなかったのです。とにかく真っ直ぐの道が本当に果てしなく続いていました。周りにあるのは倉庫のみ。とんでもないところでした。


で、片道45分歩いた挙げ句にたどり着いたダブリン港。やはりチケットは36ユーロでした。というわけでチケットを買ってきました。明日(金曜日)の夜、出発です。ちなみに日曜日の夜帰ってくるという強行スケジュールです。金曜日の夜も何とか更新するように努力しますが、更新なき場合は以上のような理由ですので察してくださいませ。またアイリッシュ海でフェリーが沈んだというニュースがあった場合は、タイタニックのテーマでもバックに私のことを偲んでくださいませ。では。




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2002年05月08日(水) 上には上がいる!驚愕の遠距離ネット恋愛の鉄人

うちに帰ってみると、おとといネットで買ったドイツ行きのチケットが届いてました。チケットを目の前におき「んなもんに350ユーロ(4万円)も出すなんて俺も酔狂だなあ」なんて考えつつ、夕食のサラダをつついていると、台所に入ってきたのはうちのもう一人の住人のチェコ人。なんだか地に足がつかなそうな感じ。トリニティで博士号を取ろうとかいう秀才肌の彼にしては、この浮かれかたは変。というか、玄関前に自転車を鍵もかけずにおいておくこと自体もはやアイルランドでは自殺行為なのに、置きっぱなし。何かあからさまに浮かれている。


私:「どうしたの?」
彼:「明日ボクチェコに行くんだ」



へ?そんなこと言ってたっけ?


私:「え?そんな話知らなかったんだけど」
彼:「うん、今日決めた」



は???なんじゃそりゃ?


私:「どのくらい行くの?」
彼:「4日間」



は?????いったいどうしたの?


彼は一通り説明してくれたのだが、これがまた信じられない話でして。自分の彼女が誕生日だからと350ユーロも払ってドイツに行く私がアホタレとすれば、彼は最バカ。どうか私と一緒に呆れてやってください。


信じていただけるかどうか、彼、ネットで知り合った女の子に会いたくなって、居ても立ってもいられなくなって、私と同様350ユーロも払って明日チェコくんだりまで行くんだそうな。


私:「で、彼女と知り合ってどのくらい経つの?」
彼:「1週間か10日」



絶句。つまりなんですか、ネットで出会って1週間の女の子のためにチェコくんだりまで行くんですか?


私:「で、彼女とはどのサイトで知り合ったの?」
彼:「いや、アイルランドは退屈だから(素敵な女の子と知り合えない)、ネットにチェコ語で『夏にチェコで一緒に遊んでくれる人募集』って自分のホームページを立ち上げたらすぐ…」


くらくらしてきた。つまりナンパサイトを立ち上げたとたんに、女の子が連絡してきて、で、その女の子に会いに行くわけですか?ちなみに私、この「アイルランド真実紀行」を立ち上げて1年が経ちますが、女の子から告られたことなど一度もありません。ま、私の場合、そういう目的でやっているわけではないから当然といえば当然ですが。


彼は頼みもしないのに自分の部屋から嬉しそうに彼女の写真を持ってきた。なるほど、きれいな人だわ。私の趣味じゃないけど。


彼:「わかる?この写真を見てるだけじゃにっちもさっちもいかないんだよ。だから会いに行くの」


…ええい、もうチェコでもザンビアでもウルグアイでもどこでも行ってくれい。ただねえ、おじさんに一言だけ言わせておくれ。「遠距離恋愛なんてするもんじゃないよ」金ばっかりかかって仕方ない。


ちなみに。わたしとMausiがつきあい始める前の話ですが、ドイツで出逢った私たちは、しばらくの間メールとインスタントメッセージのやりとりをしていた時期がありました。で、別にどっちが惚れたとか、クサい言葉のやり取りをしたとかそんなことはなくて、ただ単にその日あったこととかそんな他愛のないことを話していたことを思い出します。


実は彼女とその次に逢った時にはそういう関係になっていたという事実からすると、ネット上での恋愛は可能だと思います。が、ねえ、あのー、私の場合は、一度直に会った人との関係を深めるのにネットという手段を使っただけで、会ったこともない、しかも知り合って1週間しか経たない、1000キロも離れた人のところに会いに行くというのはすごい話だと思います。もし、写真はまったく別人で、ネカマに騙されているだけだったりしたら彼はどうするんだろう?


彼、来週の月曜日に帰ってくるそうです。彼がどんな顔をして帰ってくるか楽しみです。


もうお気づきと思いますが、アイルランドの女性はそれほど私たちにとって魅力がないのです。彼は1年間、私は4年の長きにわたって住んでおりますが、アイルランド女性とつきあったことはございません。イタリア人だベルギー人だスウェーデン人だデンマーク人だとつきあってもアイルランド人とはつきあったことがないのです。すいません。国籍はちょっと水増しして書きました(←こらこら)。




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2002年05月07日(火) ゲイという生き方...トクだと思うのは私だけ?

会社の同僚にオープンゲイ(自分がゲイであることを隠さなくてあからさまにしてる人)が約一名います。スペイン人なのですが、ゲイの一般的なイメージに違わず、明るくて、いつもにこにこしており、みんなの人気者です。かく言う私も(決して変な意味ではなく)彼のことが好きです。


私はかなり真剣に彼のことをうらやましく思います。というのも、同僚の女性の刈れに対する警戒感は私に対するそれの1/100ではないかと思うのです。彼は「おはよう」といいながら女性のお尻をひっぱたいたりしてますが、女性の中で起こる人はただひとりを除いていません。ちなみにそのただひとりの例外は驚くまでもなくドイツ人。たぶん私が同じことをしたら顔にでっかいもみじマークが出来ることは疑いのないところかと。


よくよく考えてみると、バイセクシャルという人種はおトクです。私は女性にしか興味がないのですが、これって、自分の選択の余地を半分にしてしまっているのですよね。男性も女性もどっちもオッケーという人は私よりも単純計算で2倍の選択の余地があるわけで。


今日トイレでお仕事をしていると(用を足すともいう)例のオープンゲイの彼が入ってきました。なんだか不思議な違和感を感じました。彼が女性用トイレに入れるわけはないので、男性用に入っているのは当然ですが、なんとなくの違和感を感じました。この意味では彼は男性としても女性としても受け容れられない、考えてみると中途半端な存在なのかもしれません。


それにしても彼の言葉づかいはきわどいです。女性社員にたいして、私が言ったらやはりこれまたほっぺたに紅葉マークの発言をしてます。うーん、うらやましい。彼の人徳とゲイという生き方の相乗効果で、彼は相当トクをしていると思います。




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2002年05月06日(月) 男のロマンその2...死ぬまでにやってみたいこと

私の死ぬまでに一度はやってみたいこと…「世界1周」です。いいと思いませんか?誰かとふたりで若い時でも年取ってからでもいい、のんびりと数ヶ月かけて世界1周。思えばTulipにそんな歌があったなあ(ちなみにタイトルは「2015年世界旅行」)。たとえば、


ロンドン=ウィーン=シドニー=オークランド=バンコク=東京=サンフランシスコ=ニューヨーク=ロンドン


なんてね。え、自他ともに認める航空おたくのひでかすに台所でビールを飲みながらこの話をすると、意外な答えが返ってきた。


「それくらいならたぶん1300イギリスポンドで飛べるよ」


え?1300イギリスポンドって20万ちょっとじゃん。そんな私にひでかすは言う。なんでも「スターアライアンス世界1周航空券」なるものがあるらしく、これならこのくらいの値段で買えるそうな。


意外としか言いようがない。たった20万で世界1周?もちろん現地での滞在費なんかは別にかかるにせよ、それを計算に入れても20万は安くない?夢がひとつ増えました。世界1周。


ちなみに夢の話を始めるときりがないのだけど、私はもし1ヶ月の休暇が取れるのならば迷わずオーストラリアに行き、キャンピングカーを借りてオーストラリアを1周する。ダーウィンにノーザンテリトリー、シドニーにメルボルン。うーん、いいなあ。なにせ、日本とヨーロッパ以外には行ったことのない私にとって(北海道にすら行ったことがない)広大なオーストラリアの大地を車で走ることは大きな夢です。


なお、ひでかすいわくスターアライアンスの世界1周航空券は日本でも同じくらいの値段で買えるそうなので、いかにも買いそうな顔をして旅行代理店を冷やかしてみると面白いかもしれません。




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2002年05月05日(日) 効率か男のロマンか。うじうじ悩み出た結論とは?

今月23日はMausiの誕生日です。というわけで、会社をたった二日間ながら休みを取ってドイツに行くことにした。自分で言うと身も蓋もないがえらいなあと思う。で、休みは割に簡単に取れたものの、なかなかチケットが見つからない。ダブリンから最寄りの空港ハノーバーまでの運賃はどこの航空会社も横ならびで302ユーロ。税金等まで考えると約4万円。高い。高い。私の給料のン割じゃあないか。


ちなみにフランクフルトもで飛ぶと約2万円。フランクフルトの方が距離的に遠いにも拘らずこちらの方がはるかに安い理由は簡単。直通のフライトがあるから。ちなみにハノーバーまではロンドンかどこか経由になる。だったらこっちに飛べばいいではないかということになるが、ここからハノーバーまでICE(新幹線)で3時間近くかかる。しかも新幹線の運賃がべらぼうに高い。


うーん、分かりづらいかな。ではこうしよう。私は鹿児島に住んでおり、彼女は福島。鹿児島から福島までは直行便は飛んでいないから福島空港に行こうとすると、大阪で乗り換えなくてはならない。ということは運賃は鹿児島=大阪と大阪=福島を合わせた運賃になる。


別の企画としては、鹿児島から東京まで飛行機で飛んでそこから新幹線で福島に行くという手も考えられる。飛行機の運賃自体は乗り換えになるよりも安いが、新幹線に乗るので結局同じことになる。


お分かりいただけたでしょうか?趣味と仕事がヒコーキというひでかすに相談し、さらに別の航空会社に勤める友人まで巻き込んで安いチケット探しをするが芳しい結果は出ず。あきらめて、300ユーロだして、コペンハーゲン経由でハノーバーに行くことに。で、SASのサイトに行くと


しまった。チケット、売り切れてるよ。


そう、ボーっとしているうちにチケットは見事に売り切れてしまったのでした(←最バカ)。


で、ひでかすはさすがマニア、ドイツの聞いたこともないようなローカル空港の名前を出してくるが、なかなか安いチケットは見つからず。すると今度は


「ハンブルグやデュッセルドルフはどうよ?」


うーん、ドイツの地名に詳しくない方には何のことだかさっぱりでしょうが(そういう私も詳しくない)、ここからハノーバーまでそれぞれ新幹線で2時間。蛇足ながらハンブルグはハノーバーの北、デュッセルドルフは西に位置している。で、運賃を調べてみると、コペンハーゲンで乗り換えとなるハンブルグは300ユーロ。それに対して、ダブリンからエアリンガスの直行便があるデュッセルドルフは何と半額の150ユーロ。


うーん、それでも新幹線がどうせ80ユーロ(1万円)はかかるだろうなあと思いきや、ドイツ国鉄はなんとインターネット専用のウェブサイト(ドイツ語のみ)を持っており、ここからチケットを買うと、なんと運賃半額。ハンブルグからでもデュッセルドルフからでもハノーバーまで40ユーロ(5000円)だ。


こうなるともう決まりですね。デュッセルドルフまでヒコーキで飛んでそこから新幹線。全部で200ユーロちょい程度。ハノーバーに飛ぶより安く、しかも所要時間もほとんど変わらない。当初の予定より半額ですむ。すばらしい。


というわけでこのチケットを買いました。めでたしめでたし…とならないところが、私が私たるゆえん。あるいは私がアホタレと言われるゆえん。


うーん。


まだ悩んでいる。何を悩んでいるかというと、エアリンガス。ここ、最近経営危機だなんだで何時の間にか、St Stephens GreenとO'Connell Stにあった立派な営業所が閉鎖されてしまった。しかも、読者さんからの報告によると、エアリンガスの機内サービスは、コスト削減のためか昔に比べて地に落ちてしまったらしい。うーん、あんまり乗りたくない。というか、毎月のようにヒコーキには乗っているけど、エアリンガスに最後に乗ったのはいつだったか思い出せないくらい昔(書いてて思い出した。去年の5月です)。


だれがどう考えたって、たかが2時間の旅、例えメシがまずくてもどうでもいいじゃあないか、ましてや落ちるわけないんだし…と思うのが普通なのだが、私の場合、せっかく高い金を出すんだからどうせなら楽しく快適な方がいい。なんて考えはじめたわけ。


対するSASのコペンハーゲン経由。コペンハーゲンでの乗り換え時間は最短の40分。つまり時間の無駄がない。コペンハーゲン空港は割によく知っている空港でよくまとまっていて分かりやすく私の大好きな空港の一つ。で、SASはサービスもいいし、人生で一回も乗ったことのないプロペラ機に乗ってみたい(←すでに病気)…なんて一晩悩みました。


で、結論。やはり2万円と4万円の差はでかい。おとなしくエアリンガスでデュッセルドルフにしようと決めました。大人の判断というやつです。


で、コンピュータを立ち上げて、エアリンガスのチケットを買うべくインターネットへ。次の瞬間私が気がつくと、4万円のコペンハーゲン経由ハンブルグ行きのチケットを買ってました。はい。間違いなく、完全に疑う余地なく私は病気のアホタレです。まあこうなったのは、毎晩ヒコーキの話をするひでかすのせいだと私は信じて疑っておりません。ひでかすはいつものひとこと


「ばっかだなあー。それが男のロマンじゃあないかー」


男のロマンに2万円かあ。まあいい、ロマンを推奨したひでかすは差額の2万円を払うこと。以上。




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2002年05月04日(土) 毎年恒例。5月になると悩むこと

やたらと天気のいい日だったので、うちにいるのが忍びなくなり、町へ買い物に行きました。まあ基本的にダブリンの5月の天気は一年で一番いいというのが通説ですが、今日の天気は本当に快晴。気温も17度くらいあったのでは。道ゆく人も薄着です。ま、アイリッシュはくそ寒いうちから薄着なんだけどさ。


で、別にほしいものも買いたいものもなかったのです。強いて言えば、3週間後にくる誰かの誕生日プレゼントの下見でもしようかと。「人々が湯水のように出費する商店街」(私が言ったんじゃあありません。某タブロイド紙に書いてました)Grafton Streetからその界隈を徘徊したのですが、本当に不思議な国です。「あ!これほしい!!」と思うものがまったく出てこないのです。


一つの発見として、他の国でもそうなのかもしれませんが、店が2極分化されていることに気がつきました。つまり、「金持ち用の店」「貧乏人用の店」私を含め、圧倒的大多数は「貧乏人用の店」に行くわけですが、ここにあるものは本当に安っぽくて品がない。かと言って、私のアイルランドでの薄給では、「金持ち用の店」では買い物できそうにありません。どうしても、その商品に見合った値段であるとは思えないのです。


まあ考えてみると、これは日本のデパートに行った時に感じることかもしれないなあとは思いますが。7階だか8階の大祭事場の「春物バーゲン」のコーナーではなく、1階の化粧品だか、2階のプレタポルテだかのコーナーに行き、自分の金銭感覚と、その店で平然と売られている値段との差に驚かれた経験はありませんか?


数年前にうちのばあさまと某所にある松坂屋に買い物に行ったことがあります。そこの1階に売っていたカシミヤのセーター。手触りもいいし、色といい艶といい、そりゃもう高級品です。さっと値段に目を走らせた私は絶句しました。


はちまんえん


ところがばあさま、このカシミヤのセーターがいかにも気に入った様子。今にも買いそうな雰囲気。あ、念のために言っておきますが、Snigel家は決して八万円のセーターを衝動買い出来るような裕福な家じゃあありません。私はばあさまに「それ値段見た?八万円だよ」と、耳打ちすると、ばあさま、大声で


え?


その場から二人で逃げるように立ち去るとばあさまは予想通りひとこと


「8000円かと思ったわ」


これを好例として、話はアイルランドの高級デパートBrown Thomasに戻ります。ここはダブリンらしからずなかなかよさげな商品も売られています。だけど、私の金銭感覚とは完全にズレがあるのです。いいなあと思う商品があっても、値段はとても私に手が届くようなものではなく。まあ、下見ということもあって私は何も買いませんでした。


読者の皆様。私に知恵を貸してくださいませ。何かいい誕生日プレゼントの企画はありませんか?




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2002年05月03日(金) 誰かうちに遊びに来ませんか?

すがすがしい土曜日の朝。カーテンを開けると5月の青空。ああ、いいなあ…と思いつつ階下の台所に行くと…すんごいことになっている。


実は昨日10人ほどを招いてうちで夕食会を開いたのです。前の会社の同僚に、私の友人に、今の会社の同僚まで。ちなみに今の会社の同僚とはこの日記にやたらと登場する「妹にしたい女の子ナンバー1」と勝手に決めているクリスティーン(仮名)と…その彼。


で、まあ、参加のルールは、「酒を持ってくるか、料理をもってこい!」というもので、スペイン人の女の子は、トルテリーニ(別名「スパニッシュオムレツ」)を持ってきて、その彼氏のイタリア人は、なにやら名前は忘れたが、ピラフを揚げたものを持ってきた。で、ドイツ人の女の子はパスタベーク。


で、私はサラダを作り、別のイタリア人の女の子と日本人の女の子はケーキを焼いてきてくれた。


というわけで、わいわいがやがや楽しい時を過ごした…まではよかった。ここで話は今朝に戻ります。台所のその惨状はすばらしいの一言に尽きますが、それはともかく…



これ。この残り物の山。誰が処理するのよ?実はこの山以外にも、サラダの山も別に存在しておりまして。特に、こら、イタリア人!おまえ、量を考えて作れよ!これ、冷凍するにしても量がありすぎるし、どうしよう?だって、この山にあと、20個は余裕であるけど、私は昨日1個しか食べれなかった。誰かこれを喜んで食べてくれる人を緊急に募集中です。


とりあえず、この続きは、台所を片づけてから書きますね。



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2002年05月02日(木) 古き良きアイルランドの面影

ふう。なんだか知りませんが、今週は忙しいです。ゆっくり日記の更新をする暇すらありません。今日こそはのんびり日記の更新をする予定でしたが、急な来客があり、またのんびりと更新する時間がなくなりました。ここ数日の日記にはなんとなく余裕がないことが行間から伝わってくるのではないかと思います。


で、時間がないながらも今日はちょっといい話。いつもアイルランドの悪口ばかり言っているので、たまにはいいことも書いてみようかと。


昨日の夜。遅い夕食を取っているとノックの音が。ドアー開けるとおとなりの奥さんが。


奥さん:「突然だけど、私たち引っ越すの」


…確かに突然だわ。


確かに去年の一時期、前庭に「売家」の札が出ていたのは知っていた。が奥さんが、「なかなか思い通りの値段で売れなくてねえ」と言い、かつ、売家の札も取ってしまっていたので、私はてっきり売るのを諦めたのだと思っていた。が、蓋を開けてみると、彼女はしっかりと家を売っていたのでした。


私たちと反対となりの家人とのつきあいはないものの彼女とは玄関先で立ち話をするくらい結構仲がよかった。ゆえに、彼女が引っ越すという事実は青天の霹靂でちょっと残念。


奥さん:「で、今度引っ越してくる人たちはね、若い女の子三人組よ」


若い女の子三人?


ここで私が喜んだと思うあなたは私のことをまだ良く理解していない。若いアイルランド人三人………うるさいだろうなあと正直閉口してしまった。


私: 「じゃ、家を貸すんだ?」
奥さん:「いや、彼女たち、家を買ったのよ」



待て待て待て。ポッキー3姉妹だかなんだか知らんが、仲良しグループで家なんかを買うのか?本当に?


奥さん:「彼女たち、4歳の頃から一緒でねえ」


だーかーらー、そういう問題じゃあないんだってば。どんなに仲がよくたって、私は友人と家を買ったりはしないぞ。まったく何が起こるか分からない国だと思う。


まあ、この奥さんに限った話、けっこう私たちはつかず離れずのいいつきあいをしていたと思う。アイルランド人の気さくな部分がいい意味で作用していたかと。


で、「気さくなアイルランド人」というともう一つ思い出す話がある。


ここ最近、同じ時間のバスに乗る私。まあ、日本でもそうだと思うけど、同じ時間のバスに乗ると、乗っている面子の顔も同じ。で、私は知り合いが出来つつある。今日も隣に立っていたいつも同じバス停から乗る女性とずっと立ち話をしながら、町までやってきた。彼女の身の上話から近所のクソガキの悪口まで。話していて気がついたのだが、彼女はうちのすぐ近所に住んでおりまして。


バスの中で人間観察をしていると、とりわけ年配の方は驚くほど気さくです。気さくというか、「誰にでも自然に平気で話しかける」能力があるように思われます。天気の話や来ないバスの話など、そういう当たり障りのない会話から始まって身の上話にいたるまで。傍から見ると、いかにも知り合いのようなのですが、実は赤の他人。そういう光景をよく見ます。きっと、「古き良きアイルランド」というのが確かに存在したのだと思います。残念ながら、ダブリンにいる限り、その「古き良きアイルランド」は絶滅寸前のようですが。




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なんじゃこりゃ?


2002年05月01日(水) 「ガイジン」=「フーリガン」だと思っていませんか?

夜町を歩いていると、酔っ払った若いアイルランド人の男たちが道いっぱいに広がって、大声で歌って歩いていました。え、楽しげに笑いあい、お互いつっつき合ってます。


私は思った。こいつらが日本に行ったら、「フーリガン」扱いされるのだろうか?


最近の日本のニュース、「フーリガン」という言葉を見ない日がありません。どうも「ガイジン」=「フーリガン」の図式が出来つつあるような気がしてならないのです。ある意味分からなくてもありません。ガタイのでかいガイジンが、集団で町を歩いてればそれだけで威圧感を与えることは認めます。が、「人を見たらドロボーと思え」ならぬ「ガイジンを見たらフーリガンと思え」というのには私は反対です。


確かに、問題を起こす「フーリガン」という人種がいるのは事実です。が、ワールドカップを観戦するために日本を訪れるガイジンみんなが悪いやつだとは夢にも思わないでほしいと思います。今回に本にワールドカップの観戦に行くガイジンのほとんどは、たぶん最初で最後の訪問になると思います。つまり、あなたの対応自体で、アイルランドでの私の肩身が狭くなるか広くなるかにかかっているのです。…というわけで、ワールドカップのために日本を訪れるガイジン(特にアイルランド人)をよろしくお願いします。


最近みんな口を開くとワールドカップの話をします。特に私が日本人だとわかると、「ワールドカップのために日本に帰らないの?」と聞かれます。私の答え。「いやー、お金がなくてねえ」事実です。そんなもんのために日本に行くお金はありません。が、それ以上に、私、サッカーというものにまったく興味関心がないのです。サッカーのみならず、スポーツ全般。野球はかろうじて阪神の調子がいいらしいとは知ってますが、こっちのフットボールに関してはまったくお手上げ。パブでなんかのスポーツ中継をしていても、「うるせえなあ」くらいにしか思いませんので。




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