声を出していいよ 涙を感じて大丈夫
独りを強く壁の隅に見つけたら 細く細く届く月の光だけが 話しかけてくるけれど
その瞬時の筋にさらわれないで
僕はいるよ 僕がいるよ
同じあの銀の月音を聞いて思い出して欲しい
肺の奥から声を出して 泣けばいい
おいで
ここに
何も変わることのない日常に
精一杯の強がりで気付かぬふりをしては 脆さを隠し涙の存在さえも忘れようとする
遠まきに僕は僕から逃げ出そうとして
そう何も変わらない
と言い聞かせるように
僕の身体爪先までも 体温すべてで知っていることに目隠しをして 僕は求めてはいない夢を作ろうとするが
君の体温が僕を離そうとしない
凍てつく冬の夜に抹消すべく この肌をさらしても 僕はもう知ってしまったのだから
君の体温は僕の体温であることに
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