2003年01月19日(日)
「僕の前で」


声を出していいよ
涙を感じて大丈夫


独りを強く壁の隅に見つけたら
細く細く届く月の光だけが
話しかけてくるけれど


その瞬時の筋にさらわれないで


僕はいるよ
僕がいるよ


同じあの銀の月音を聞いて思い出して欲しい



肺の奥から声を出して
泣けばいい



おいで

ここに




2003年01月05日(日)
「記憶」


何も変わることのない日常に


精一杯の強がりで気付かぬふりをしては
脆さを隠し涙の存在さえも忘れようとする

遠まきに僕は僕から逃げ出そうとして


そう何も変わらない


と言い聞かせるように



僕の身体爪先までも
体温すべてで知っていることに目隠しをして
僕は求めてはいない夢を作ろうとするが


君の体温が僕を離そうとしない


凍てつく冬の夜に抹消すべく
この肌をさらしても
僕はもう知ってしまったのだから



君の体温は僕の体温であることに








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