へい太の日記

2004年01月31日(土) 繭と雪

シンフォニーホールの向かい
ふと立ち止まる
天上から雪だ
立ち止まったまま雪を眺める
肩に腕に雪が降り積もる
頭にも足の上にも
体が隠れ見えなくなるまで
降り積もる
降り積もる
上を見上げるとまるで小さなドームのよう
上空1500mの気温はマイナス12度
県南まで降りてきているらしい
雪の結晶構造は音波を吸収する
街頭の雑踏が消えてゆく
僕の周りの雪は白い繭のように
まだ桃太郎大通りの街灯の火が透けて見える
雪の上に座りこんだまま
このまま春を待とうか
背中に羽が生えてくる
できたらビクトリアトリバネアゲハみたいな
羽がいいな
雪が降る
繭の上にも雪が降る
僕の魂の中の繭に雪が降る



2004年01月17日(土) 首から指へ

車に乗るけど寝違えて首を回せない
振り返るときも体ごと
年に一二度あって二三日すれば元通りに
静かな明け方 首を回すとシュリシュリ音がした
襟に擦れる髪の音かとも思ったが
どうやら首の骨の擦れる音
やがて右手の人差し指 指先が痺れるように
親指も痺れ 右腕が覆われ
四六時中 眠りすら浅いままに
トラックの荷台から滑り落ち 右肘をしこたま打ったから
医者に見てもらい 肘のレントゲンを撮る
首の写真も撮る 肘は何ともなく
第5頸椎と第6頸椎の間が潰れ
軟骨がはみ出して神経を圧迫していた
右手人差し指と親指の痺れはそのために
指の上に厚い皮を幾重にも貼り
まるでひとの手のよう
指でなく 肘でなく 首に大本が
今日も首が潰れているから指先は痺れたまま

前方に女子高生二人乗り自転車
後ろの手元で何やらきらきら光るモノ
コンビニおにぎりに海苔を巻いている
ヘッドフォンしたまま向かいから来る男子高生にもお構いなし
2年前 駅のホーム 地べたにあぐらを組んで
タバコをひとりくゆらしていた女子大生
指先で吸い終わったタバコを跳ね飛ばし
放物線を描くオレンジの軌跡
レールの向こう側に消えていった
20年以上も前 赤穂線車内でジベタに座り込み
タバコを吹かしながら長髪をかき上げていた人がいる
周りの友達らしき人に注意されていたけれど
あれがお父さんだったのだろうか
夢と自由の国に憧れて
やがて歯車に組み込まれた世代は
子どもに何も言わぬまま
子どもを育てたのだろうか
憧れていた未来の国は今そこにあるのだろうか
豊かな国やモノに溢れた便利さを目指し
いつの間にやら首が潰れ指先が痺れている



2004年01月05日(月) 首が潰れ指が痺れる

今日も首が潰れているから指が痺れたままだ
首が回せない
振り返るときは 体ごと
寝違えたのか
年に一二度あって二三日すれば元通り
静かな明け方 首を回すとシュリシュリ音がした
襟に擦れる髪の音かと思ったが
どうやら首の骨の擦れる音
やがて右手の人差し指 指先が痺れるように
親指も痺れ 右腕全体が覆われ
四六時中 眠りすら浅いまま
トラックの荷台から滑り落ち 右肘を強打したからか
医者に見てもらい肘のレントゲンを撮る
首の写真も撮った
第5頸椎と第6頸椎の間が潰れ
軟骨がはみ出し神経を圧迫
右手人差し指と親指の痺れはそのために
指の上に厚い皮をもう一枚
まるでひとの手のよう
指でもなく ひじでもなく 首に原因が

女子高生二人乗り自転車
後ろの手元で何やらきらきら光る
コンビニおにぎりに海苔を巻いている
ヘッドフォンして向かいから来る男子高校生
お構いなし
駅のホーム地べたにあぐらを組み
タバコをくゆらす女子大生
指先で吸い終わったタバコを跳ね飛ばす
放物線を描くオレンジの軌跡
レールの向こうに消えていく
夢を求め自由の国に憧れて
社会の歯車に組み込まれてしまった世代は
子どもには何も言わず
憧れていた未来の国を今そこに見た
豊かな国 モノに溢れた便利さ目指して
いつの間にやら
首が潰れ指が痺れてる


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