2004年11月12日(金)- かたちあるもの - こんばんは。minetです。 いやはや。昨日の日記はちょっとやりすぎましたかね。 河童の意味とか、わかる人は多分あんまりいないでしょう。 すみません。 説明してみると、河童っていうのは、 CPUの種類を示すコードネーム、Coppermineの愛称です。 CeleronやPentiumIII、IVと一口にいっても、その中にいろんな種類があるんです。 特に、Celeronは本当にたくさんのコードネームがあって、 メンドシノ、カッパーマイン、ツアラティン、ウィラメット、ノースウッド、プレスコット等々、 色んな製造技術で作られたものが同じ名前で呼ばれています。 それというのも、Celeronは同じコードネームを持つPentiumの廉価版の総称なのです。 さて、それならば、両者は一体どこが違うのでしょう。 今日はペンティアムとセレロンの違いについて、 計算機の仕組みも交えながら、出来るだけわかりやすく説明してみようと思います。 Celeronは同じコードネームを持つPentium1〜4の廉価版なのですが、 どこが違うかというと、決定的に違うのは2次キャッシュの違いです。 正直、他はPentiumと大して変わりません。 CPUは与えられたデータを処理する装置ですが、 その処理機関に、いかにすばやく処理させるデータを提供するかによって、 処理速度が大きく変わってきます。 そのため、データを蓄積しておくための、キャッシュと呼ばれる場所が存在します。 キャッシュは主に1次キャッシュ、2次キャッシュ、メモリの3階層が存在します。 CPUが情報を処理するとき、まず一次キャッシュに問い合わせます。 これはもっとも高速に応答するキャッシュですが、最も容量が少ないという欠点があります。 そこで、一次キャッシュに欲しい情報がなかった場合、二次キャッシュに問い合わせます。 これもCPUの内部に存在し、かなり高速に応答するキャッシュで、 一次キャッシュよりも容量が大きくなっています。 それでも見つからない場合、メモリーにアクセスすることになります。 メモリーは一次・二次キャッシュと比べると半分以下の応答速度しかないので、 容量は圧倒的に大きいものの、処理速度が落ちます。 また、メモリでもだめな場合、CPUはハードディスクという装置に問い合わせます。 メモリまでの3つは電子的にデータを蓄積しているのですが、 ハードディスクは鉄製の円盤に、CDなどと同じように、物理的にデータを蓄積しています。 そのため、広大な容量の代わりに、非常に処理が遅くなります。 こういう風に、実はCPUは計算だけが速ければ優秀、というわけではないのです。 CPUそのものの処理速度は全く同じでも、データの受け渡しがスムーズに行かなければ、 実際の処理速度は随分遅くなってしまうのです。 少しわかりにくいと思うので、私たちの生活に当てはめてみます。 皆さんの目の前に、おいしそうなカレーがあります。 カレーを食べるとき、我々はスプーンを使いますね。 このスプーンが一次キャッシュです。 スプーンに入るカレーはごく少量ですが、最も食べやすいですね。 次に、スプーンが空になったら、人はお皿にカレーを取りに行きます。 このお皿が二次キャッシュです。 目の前にあって、スプーンよりも大きな容量があって、すぐに食べられます。 さて、このお皿も空っぽになってしまったら、どうしましょう。 そう、おかわりをしに、台所にある鍋や炊飯器へ行きますね。 このカレー鍋・炊飯器がメモリです。 ちょっと遠くなって、行ったり来たりするのは大変ですが、 お皿よりもはるかに多くの容量です。 そうなると、ハードディスクは冷蔵庫になります。 食材を冷蔵庫から出して、料理して、カレーが出来ますね。 料理するのは手間がかかって大変ですが、 実際それと同じくらい、メモリと比べてハードディスクは遅いのです。 さしずめ、実行させるプログラムを入手する場所であるCDやインターネットは、 八百屋か肉屋といったところかしら。 こんなかんじで、情報を処理するためのプロセスがあるわけです。 そうすると、二次キャッシュが大きいか少ないかということがどういうことか、 もうお判りいただけると思います。 キャッシュが大きいのがPentium、少ないのがCeleronです。 そう、お皿に入るカレーの量が少ないのです。 沢山ご飯を食べる人は、何度もキッチンまでおかわりをしに行かないといけないので、 ご飯を食べる時間が、余分に長くかかってしまうのです。 結局、沢山の情報を処理する際、 Pentiumの方がCeleronよりも早く処理することが出来るという仕組みです。 ここまで書いて、勘のいい人なら気づくかな。 処理する情報の種類によっては、同じクロック(処理能力)のPentiumとCeleronの間に、 差が無いこともあるわけです。 チロルチョコ一個を処理するのにかかる時間は、多分P君もC君もほとんど同時です。 処理する情報自体が小さいですからね。C君のお皿にも入ります。 というか、スプーンに入っちゃう。 また、あまりに処理する情報が広範囲にわたっている場合も、 お皿や炊飯器に入る量は知れているので、キャッシュがうまく機能しなかったりします。 カレーと天津飯とレバニラと天ぷらと刺身をいっぺんに食べろといわれても、 お皿は大小はともかく一枚しかありませんから。 そんなわけで、パソコンの処理速度は変化するわけです。 巷には、パソコンの処理速度を測定するベンチマークソフトなるものがありますが、 基本的には、チロルチョコばかり何個食べられるかといったことをCPUにさせています。 お皿に沢山入る分、一度に沢山食べられるPentium君が有利です。 そんなわけで、ベンチマークの結果はPentiumの方が高速です。 さて、じゃあ、我々が普段使っているパソコンは何をしているか。 音楽をかけながらインターネットを見て、メールをしながらワードを作ったりしてますね。 カレーを食べながらチョコを食べて、スープを飲みながら酒を呑んだりしている訳です。 パソコンがいかに食い合わせの悪いもの食べているか、じゃなかった、 いかに無理なことをしているか、わかってもらえると思います。 大体、こういう状況では、お皿の大きさとかあんまり関係ないです。 ので、価格にして半額以下のCeleron君は、十分によくやってくれます。 結論。 IntelはPentiumが速いと言って、雑誌もそれを囃し立てますが、 普通の人が普通の使い方をする限り、Celeronとの違いはあんまりないです。 詳しい人は詳しい人なりの使い方をしますから、違うというのでしょう。 実際、エンコードとかではキャッシュがよく効くから、Pentiumが速いかな。 さすがに疲れました。 みんな、わかってくれたかな…? わからない単語は、グーグルに聞いてみてね。 それでもわからなかったら、メールしてね。 -
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