2003年04月05日(土) |
アメリカよりも報道関係者に憤る |
アメリカ・イラク戦争もいよいよバクダッドの攻防に至りました。 そんななか、「反戦」をテーマにしたお芝居を観てきました。
「イラク攻撃と有事法制に反対する演劇人の会」による 反戦リーディング第2弾・「あきらめない」演劇は非戦の力 です。 友人に紹介され、無料だというので(♪ …最低…)行って参りました。
新宿の紀伊国屋サザンシアター前には開演前から長蛇の列。 マスコミもたぁくさん来てました。 無料に喜んでた自分が恥ずかしくなりました。 ああ。
劇場のキャパシティ(468席)を遥かに超える客の数。 したがって立ち見客もいっぱい。 稲葉たちのグループも空いてる席をやっとこ見つけてって感じでみんな離れ離れ。 稲葉は要領悪く席見つからず、立ち見かな…って。 したらマスコミの人が「ここ空いてるよ」って言ってくれて 報道関係者席の真ん中に座らされました。 いいのかなあ。 NHKのカメラが「マスコミの注目度も高い」って風に、報道陣をなめるように撮影してました。 しかしその中央にいる稲葉は残念ながら無職です。 いいのかなあ。
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お芝居というよりは朗読会といった感じでした。 9.11テロとイラク攻撃の関係者の声明や心情の朗読があり 時おり、それにまつわる歌を歌う。 さらにブッシュ大統領へのメッセージとジャーナリストによる講演。 以上が第1部。
第2部は戦争に巻き込まれた子供達の視点による朗読。 第3部は主催者から小泉首相や世界の演劇人への呼びかけ。 といった内容でした。
主張自体にはいくらか反論が無いわけではないのですが、ここでは触れません。 時宜にかなったものではあるし、やる意義のようなものは確実にあったと思います。
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それよりも気になったのは報道関係者の存在です。 一言で言っちゃうと、すんごく邪魔。 上演中でも容赦なくフラッシュばっしゃばっしややってきます。 実行委員で総合演出の渡辺えり子さんはじめ、 宇梶剛士さん、ラサール石井さん、中村獅童さんといった名のある人が喋り始めるとフラッシュはさらに勢いづきます。
開演前に、写真撮影はダメなどといういわゆる「前説」はありませんでした。 ですからマスコミには写真撮影の許可を出していたのかもしれません。 にしてもどうかと思うのです。 明かに静かにしたいところでフラッシュが入ると醒めます。 内容はどうでもよくて、「中村獅童が反戦を言ってるぞ」ってことが重要なんでしょうか。
これは稲葉がマスコミ席にいたから感じたことではないようで、 他の席に座っていた友人も似たようなこと言ってました。
とはいえ、彼らは仕事としてここにいるわけですから理解できなくもない。 稲葉のようなお気楽なお客さんとは違いますからね。 でも電話はいただけないよ。 チャクメロ鳴らしちゃダメよ。 こっちからかけるのはもっとダメよ。
あと、稲葉の隣のオジサンは携帯のカメラで何枚も撮ってたけど、それも仕事? 静かな劇場に携帯カメラの撮影音は響くのよ。
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肝心の内容よりも報道関係者のあり方が気になった2時間30分でした。 無料なのに、なんか損した気分。 むーむー。 映画の試写会のように、マスコミに堂々と仕事してもらう時間を設け、 以外はただ黙って観てもらうって構成にすれば良いのに。
終演後、TBS(『NEWS23』っぽい…)のカメラが観た人のインタビュー撮ってました。 つかまるとあらぬことを口走りそうだったので逃げました。 へへ。 そうそう掴まらないって。
朗読の中で「強者の論理がまかり通る世の中で良いのか」みたいな主張がありました。 まったくだと思いました。
稲葉の同輩・後輩にもマスコミに進む人は少なくないと思います。 彼らには無礼な報道人にはなってもらいたくないものです。
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