稲葉の大切な人。 いろいろいますが、ここでご紹介いたしますのは稲葉の恩師でございます。
稲葉は心から恩師と思い、慕い、尊敬申し上げている先生が2人います。 小学校の時の角田先生。 中・高の時の稲葉先生。 稲葉先生の稲葉は本名であります。 「稲葉 馨」の稲葉は彼によります。
このお二方には並々ならぬ御厚恩を賜りました。 もちろん、小中高、それぞれ他にも素敵な先生は多々おられました。 猪俣先生・比留間さん・芳賀さん・酒井さん・八木さん…… 稲葉は学校の先生にはとても恵まれていると思ってます。
で、日芸でも素敵な先生と沢山出会うことが出来ました。 ああ、稲葉はほんに幸せもんぢゃわい。 学校でお友達(含・先輩、後輩)と先生に恵まれたら、それ以上何を望むのですか?
さてこの日、映画演技実習をもって、稲葉の大学3年生としての日程は終了致しました。 B試験は無いのでね。 来年…といっても卒業制作くらいしかないので、演技コースの連中と「授業」で過ごすのも最後となってしまいました。
同時に、1年生のときから、ずっと演技コース必修の授業を担当してくださった小沢重雄先生も定年で引退されることとなりました。
他の学科にもきっといると思いますが、現場で叩き上げられた先生の説得力にはすごいものがあります。 頭でっかちの理論づくしの先生が、たとえ1000枚の論文を書いても、現場を知っている先生の一言には絶対にかないません。 小沢さんは、そんな力強い先生でした。
先生は大河ドラマ第1作『花の生涯』で結構メインな役を演じたり、サンダーバードのトレーシー役(パパと呼ばれてる人。まあ主役ですね)の声を演じたりと、現場でも第一線級で活躍されています。 今年75歳なのですが、とても若い! 小沢さんに限らず、歳を感じさせない若い大ベテランっていいですね。 稲葉もそんな風になれるかな。
日芸で指導をされるようになってからも、声の芸を生かし、年に2回「昔語り」の公演を行ない、自分の現場を大切にしておられます。 2時間を声の芸でしっかり聴かせる、笑いありちょっと涙ありの素晴らしい舞台でした。
定年ということで、授業の終わりに皆で買った花束を渡しました。 でもね、根っからの頑固者だから「ありがとう」は言わないんだ、ぜったい。 ただただ、おうといって笑うだけなのです。 授業中にも言い出したことはなかなか引っ込めなかった。 そんな先生がとても可愛かったのです。
3年間、演技コースの核となる授業でいろいろ教えていただきました。 小沢先生、あなたも「恩師」と申し上げてよろしいですか? 同級生が競馬新聞片手に埼京線に乗っているのを目撃していますが、ううん、いいの。 お疲れ様でした。
大成することが何よりの恩返しと信じて精進いたします。 あなたもまた、稲葉が成長するひとつの目的になりました。
今度の春の公演、また観にいってみようかな。
……ということで、小沢先生を知らない方にとっては、何のこっちゃ? な日記だったかもしれません。
すいません。
大学3年生も終わりです。 1・2年生の終わりと違って、いろいろ多くのものが終わり、去っていきます。 これをどうすることも出来ない稲葉にできることとして、せめてありがとうを言いたいのです。 言えることがあったら言っておきたいのです。
稲葉は「終・去・時……」という言葉に対して、どうしようもなくセンチメンタルな人間です。
もっと底抜けな日記が書けたらいいなと思いつつ、今日も筆を置きましょう。
おやすみなさい。
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