こもれび。

2004年03月29日(月) ちょっと抽象的に。

表現ということを今更ながら考えるようになった。
広く芸術と言われるものにおいて、多かれ少なかれ必要不可欠な要素だろうが、
自身で深く考えたことはあまりなかったように思う。

技術と表現、どちらが欠けてもいいことはないのだけど、
音楽やっていた頃は基本能力含めた技術不足ばかり頭にあって、
曲への深い理解とか、何を表現したいのかとか、ろくに意識してなかったんだろ
う。
音楽は今でも好きで、なくてはならないもの。
でも、演奏者という立場を離れてからいろいろ考えるようになった。
ただ吹くだけならソロでもいいが、団体に所属した以上はそれ以外のことも出て
くるわけで、
そういったものが今以上に昔は下手で苦手で余裕なかったのかなと、今となって
思う。
いろいろ含めて昔の自分のイタサに、穴に入ってしまいたくなる昨今。

話が逸れた。
表現の話だ。
踊るようになって、技術的には問題だらけとはいえ踊れる曲が出来てきて、
いろんな人の踊りをみられるになった。
フラメンコはみんな同じに踊ればいいものじゃない。
個性が大事。
みんな違ってみんな良い、という詩を思い出す。

育った環境はどうやっても本場とは全く異なる。背景や情感をどこまで感性のレ
ベルまで叩き込めるのか。
よく例えられるのが、日本の伝統芸能の踊りを外国人には同じレベルでできない
ように、なんて具合の例え。体つきも環境もそれだけ異なる。
だけど、せっかく日本人に生まれた身でフラメンコに惹かれたのなら、
本場の真似をするだけじゃなく、自分らしさというものを表現できたらと思う。
プロでやるならもっと深い覚悟もいるかもしれないけど、
自分にとって欠かせないものになっているから、浮ついて考えてるわけでもない

心底震えがくるようなものなんてそうそうないから
簡単に手放したり諦めたりするつもりもない。
人と違う自分を、変な自尊心なんか捨てて、素直に肩張って顔あげて地に足つけ
て誇れるようになりたい。
なんてことを、最近ようやく考えるようになった。


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立見皓夜 [MAIL]

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