表面張力(仮)

　睡魔がサッカーへの情熱を上回った深夜、夫とベッドに潜り込む。二人とも眠たくてたまらないのに、どうしてそう元気なのか、夫がするすると絡む。
　絡んだまま、お金やこれからのことを話す。
　現在、細かいことで連続して病院に行っている。どうしてこう、細かくて些細なことで煩わされるのか自分の体ながら分からないが、まあ仕方ない。そんなこともあり、以前の私の状況もあり、夫は私を甘やかしてくれている。
　けれど、家を持とうとしたらやはりお金が必要なわけで。
　貯金はしているし節約はしているし、このままでも家を持つことはできるだろうけれど……と考えていく。考えて、考えるだけだ。
　今はうまくいっている。このままなら、これからもそうだろうと思う。
　ただ、盲目的に将来を信じられないだけなのだけれど。

　明け方、ふと目が覚めてみると、同じように目が覚めていたらしい夫がサッカーを観ていた。よく観るなあ、と感心する。