帰りの車の中で まっすぐ前を見据える彼は いったい何を考えているのか。
密度の濃い時間を過ごした後 初めて、素の顔を見たような気がして少し怖い。
ケータイをチェックするのを目の隅でとらえ 私は視線を前にしつつも もしかしたら、なんて、思いがよぎり 信じてという彼の言葉と交差する。
彼が選んだ曲は甘いラブソングで 思い上がる私の心、必死に抑えて。 カラオケの話などに変えてみる。 あれは、あなたの作戦? そんな技にはだまされまいと。
そして、何も言わないで過ぎてゆく時間。 最後に私はただ、彼の影を見送るだけ。
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