| 2005年04月21日(木) |
女房と畳、だんなとキッチン、そしてラッパは・・・ |
若い方がいいみたいな(笑)言い方、案外あちこちでききます。 というか、きかれます。
確かに、その時より若い時の方がよい時代だったと言われる人もいるでしょう。 でも、やっぱり、こういう風に「あんまり年とってるとぶっちゃけだめなんじゃないの、パワーおちるし、いろいろあるし」みたいないわれ方を大っぴらん無頓着に何の遠慮もなく言われてしまう管楽器、特に自分がトランペットだからかもしれないけどトランペットの現状。
ハ−セスのように80代まで輝きを保ち、アンドレのように70代でなおかつ殿堂入りをくだらず、そういう世界をもちえるトランペットの世界。 単に、体力を保っていれば吹けますよ、という話しではなくて、なぜ、「人生」や「経験」「より適切な判断をする力」がトランペットの価値として、表現力の源として公認されていないのか、非常に腹立たしく、悲しく思います。
バイオリンやピアノだと、「あのピアニストの演奏は、若い時のベート−ヴェンと今は違うよさがある」と評価されたりとか、「ブラームスはまだ自分には深すぎてできない」というコメントをする中堅世代のプレイヤーの方々、数多くおられます。 身体の機能や、(耳も含めて)感性の問題で、加齢がそのまま力に結びつかない時期の人はいると思います。 でも、イコール年とると吹けなくなるってのは、例えば歌の人なら、ある程度の寿命機関をむしろ尊ばれたりもしますけど、トランペットは「だから、ラッパは若いのじゃないときついんでしょ・・・」みたいな言い方が実際年に数回は見受けられるのって、なんだそれって思います。
年令の与える影響は人によると思います。 弦楽器の人だって、 「30過ぎるとまじで指うごかないくなってしゃれにならないから練習増やしちゃった」 とかあっけらかんとお話する方もいるわけですが、だからといって「年くっちゃうとダメだよね」みたいなステレオタイプはトランペットほどにはないとおもうんです。
で、私はどうかというと、若い時のラッパには戻りたくないです。 学生の時の写真とかみると、 「ひえ〜、ほっぺたぱんっとして若い!!」 とおもうけど、 「でも、この当て方には二度と戻りたくないです。」 と思うんですね。五年前のみても同じです。去年のにしてもそう。 単にトランペットをふいて音を並べる事は、才能と努力でできるけど、「より適切な判断」というのは、丁寧に経験して研鑽してきた「大人」には「子供」「その中間」は、とてもかないません。 トランペットにだってそういう域の先輩はたくさんおられます!!
まあ、あんまり「あのころが自分の花だった」(笑)みたいなぱっとしたすごい時代がないせいで、私は個人的にのんきなのかもしれませんけど。 調子がわるいという時ももちろんありますが、たいていそれは調子とかいう「漠然と見えにくい水面下の要因による」ものじゃなくて、「明らかにここが間違ってる」ってことにその時気がついていないことに原因があることの方が多いです。 なにか精神的にやんでたりすると気付きにくさは倍増しますけど、永遠に立ち直れないものでもありません。
いっときある程度の高い評価をうけた人の宿命というか、世の中のいじわるなところで、 「あの人はあのころのほうがよかった。(つまり、美談としてではなくて、今はそれほどでもないし落ちたよね、という言い方)」 みたいに、トランペットの誰かが言われていると、自分のことでなくても、自分が好きな人でなくても、どうして今の音をきいてくれないんだろうと思う。 私はその時思います。 「落ちたか、ノボッタかは私の知るところではないけど、落ちたというその人よりあなたはずっと昔からいつも落ちてるかもね」 などと・・・(爆笑)。ひどくいやなやつでしょ。私って。 一回も輝かないより一度でも輝いた方がいいと思うんですよね。
もし仮に、トランペットの寿命が非常に短いものだとするならば、逆に若くて優れたプレイヤーにはもっと全盛期にふさわさしいギャラをはらってあげてくださいね。 じゃないと、話しが中途半端じゃないですか。 年令という、記号だけで、その人の音を素直に聴かずあれこれけちつけてるの、あんましききたくないな〜。 自分が加齢に対してネガティブになっていくのを人に投影してるのに気がついてないんだな。そういう場合年をとるっておそろしい。
私は自分の老化が原因で、「なんにも、ほとんど吹けないのです」みたいになっても、「だから他の人もそうだろう」だなんて思うものかっ。 よいプレイヤーかどうか、ということはあくまでも個人差であって、年令によって絶対的に決められるものではありません。 若くてすばらしい人がもちろんたくさんいるように、高齢ですばらしい人もたくさんいます。
正直いって、うまいひときいたり見たりすると、感動の他にうらやましさや嫉妬が生まれて来た事がないといったら嘘になる。 でも、ひがみにはまったらそれこそ老化しますよね。 人生ながいんです。 トランペットの道もまた、長いんです。 のぼりくだり、いっぱいあってもいいじゃないですか。 いつものぼっていられませんが、下がりっぱなしはもっとイヤ。 横を気にせずとにかく上へ、と思います。
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